JP2000264960A - アルキド変性された分解性樹脂及び防汚塗料組成物 - Google Patents

アルキド変性された分解性樹脂及び防汚塗料組成物

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JP2000264960A
JP2000264960A JP11071546A JP7154699A JP2000264960A JP 2000264960 A JP2000264960 A JP 2000264960A JP 11071546 A JP11071546 A JP 11071546A JP 7154699 A JP7154699 A JP 7154699A JP 2000264960 A JP2000264960 A JP 2000264960A
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alkyd
acid
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JP11071546A
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English (en)
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Hiroshi Yutani
浩 湯谷
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Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性又は加水分解性を有し、しかも汎用
の塗料用溶剤に対する溶解性に優れた分解性樹脂を得
る。 【解決手段】 生分解性又は加水分解性樹脂とアルキド
樹脂原料との重縮合によりアルキド変性された分解性樹
脂を得る。前記生分解性又は加水分解性樹脂には、脂肪
族ポリエステルなどのポリエステル、多糖類、ポリアミ
ド、ポリエーテル、ポリウレタン、側鎖にアルキド樹脂
原料に対する反応性官能基を有するビニル重合体などが
含まれる。前記アルキド樹脂原料は、少なくとも多塩基
酸と多価アルコールと脂肪酸又は油脂とで構成できる。
多塩基酸としては、脂肪族又は脂環式不飽和多塩基酸な
どが挙げられる。脂肪酸又は油脂には、不飽和脂肪酸又
は不飽和脂肪酸を酸成分とする油脂が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキド変性され
た分解性樹脂、及び水中構造物などの表面が海洋生物等
の付着により汚損するのを防止するために用いられる防
汚塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】漁船やボート、タンカーなどの船舶の船
底、浮き桟橋、海底通信ケーブル、海底パイプライン、
ブイ、橋梁、発電所の冷却水路、養殖用漁網、定置網、
防波堤、船舶係留施設など長期間に亘って水中に浸漬さ
れる水中構造物等は、フジツボ、牡蠣、ムラサキ貝、コ
ケムシなどの付着動物、アオサ、アオノリなどの藻類や
藍藻類、珪藻類、細菌類などの付着微生物などが付着
し、そのため多大の損失を被ることが多い。
【0003】これらの付着生物の付着を防止する方法と
して、防汚剤と加水分解性樹脂又は生分解性樹脂とを配
合した防汚塗料が提案されている。このような防汚塗料
を例えば船底などに塗布すると、樹脂が海水中の微生物
などによって徐々に分解されて表面が更新されると共
に、防汚剤がゆっくりと溶出するので、長期に亘って防
汚効果を持続させることができる。
【0004】例えば、特開平4−306268号公報に
は、ヒドロキシ酪酸とヒドロキシ吉草酸とを共重合させ
て得られた生分解性ポリエステル樹脂と亜酸化銅などの
防汚剤とを含む防汚塗料が開示されている。しかし、上
記ポリエステルはそのままではキシレンなどの汎用の塗
料用有機溶剤に溶解しにくく、しかも造膜化が困難であ
り、取扱性、塗布作業性に劣る。また、特開平8−17
6501号公報及び特開平8−109283号公報に
は、ヒドロキシカルボン酸を単量体単位として含む脂肪
族ポリエステルと亜酸化銅などの防汚剤とを含む防汚塗
料が開示されている。しかし、例えば、有機溶剤に溶解
する樹脂を得るには、単量体を特定のものに限定せざる
を得ない。
【0005】このような有機溶剤に対する溶解性を高め
た防汚塗料として、特開平7−109339号公報に
は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類等にε
−カプロラクトンなどの環状ラクトンをグラフト重合さ
せて得られる生分解性樹脂組成物を含有する防汚塗料が
提案されている。この技術は有機溶剤に対して可溶性を
示す樹脂組成物を提供する1つの技術であるが、材料組
成は限定されている。
【0006】一方、ポリブチレンサクシネートやポリカ
プロラクトン等の代表的な合成生分解性樹脂(生分解性
プラスチック)は、地球環境保護の観点から、従来の非
生分解性の合成樹脂フィルムや繊維等の代替を目的とし
て開発されたものであるが、通常、一般の塗料用溶剤に
は不溶であるため、塗料組成物として利用できないとい
う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、生分解性又は加水分解性を有し、しかも汎用の塗料
用溶剤に対して優れた溶解性又は易分散性を示す分解性
樹脂を提供することにある。本発明の他の目的は、溶剤
に不溶の汎用性の高い生分解性又は加水分解性樹脂を原
料として利用でき、前記樹脂の分解性能を保持しつつ汎
用溶剤に対する可溶性又は易分散性が付与された分解性
樹脂を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、上記のような優れた性能を有する分解性樹脂を含む
防汚塗料組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、代表的な生分解性
樹脂であり且つ溶剤に対しては不溶性のポリブチレンサ
クシネートやポリカプロラクトンなどをアルキド樹脂で
変性したところ、キシレン等の汎用の塗料用樹脂に対し
て容易に可溶化乃至易分散化できることを見いだし、本
発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、生分解性又は加水分
解性樹脂とアルキド樹脂原料との重縮合により得られる
アルキド変性された分解性樹脂を提供する。前記生分解
性又は加水分解性樹脂として、例えば、脂肪族ポリエス
テルなどのポリエステル、多糖類、ポリアミド、ポリエ
ーテル、ポリウレタン、及び側鎖にアルキド樹脂原料に
対する反応性官能基を有するビニル重合体から選択され
た少なくとも1種の樹脂を使用できる。前記アルキド樹
脂原料は、例えば、少なくとも脂肪族又は脂環式不飽和
多塩基酸などの多塩基酸と、多価アルコールと、不飽和
脂肪酸などの脂肪酸又は油脂とから構成される。本発明
は、また、上記の分解性樹脂を含有する防汚塗料組成物
を提供する。この防汚塗料組成物は、さらに防汚剤を含
有していてもよい。なお、本明細書では、生分解性と加
水分解性とを、単に「分解性」と称する場合がある。
【0010】
【発明の実施の形態】[生分解性又は加水分解性樹脂]
本発明における生分解性又は加水分解性樹脂には、微生
物によって分解される樹脂のほか、微生物によらなくて
も単なる化学的な(非酵素的な)加水分解によって分解
する樹脂も含まれる。このような生分解性又は加水分解
性樹脂としては、例えば、主鎖にエステル結合を有する
ポリエステル(ポリカーボネートを含む)、主鎖にグリ
コシド結合を有する多糖類、主鎖にアミド結合を有する
ポリアミド、主鎖にエーテル結合を有するポリエーテ
ル、主鎖にウレタン結合を有するポリウレタン、主鎖が
炭素−炭素結合で構成されているビニル重合体などが例
示される。
【0011】前記ポリエステルとしては、例えば、ポリ
乳酸、ポリグリコール酸などのポリ(α−ヒドロキシア
ルカノエート)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ
吉草酸とのコポリエステルなどのポリ(β−ヒドロキシ
アルカノエート)、ポリカプロラクトンなどの前記以外
のポリヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシル基がγ
位以上に離隔しているヒドロキシカルボン酸の重縮合
物)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシ
ネートなどの脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との
重縮合物などの脂肪族ポリエステル(コポリエステルを
含む);ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカ
ーボネート、ポリブチレンカーボネートなどの脂肪族ポ
リカーボネート;コポリ(ε−カプロラクトン/ε−カ
プロラクタム)などのコポリエステルアミド;プロピレ
ンオキシドとL−ラクチドとのコポリマーなどのコポリ
エステルエーテル;グリコリドとトリメチレンカーボネ
ートとのコポリマーなどのコポリエステルカーボネー
ト;及びこれらの変性体などが挙げられる。
【0012】前記多糖類としては、セルロース及びその
誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースなど)、デンプン及びその誘導体、
グリコーゲン、キチン、キトサン、ムコ多糖類(例え
ば、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸な
ど)、アーガロース及びその誘導体など、及びこれらの
変性体、架橋体などが挙げられる。前記ポリアミドに
は、コラーゲン、ゼラチンなどの蛋白質やポリペプチ
ド、ポリアミノ酸(ホモポリアミノ酸、コポリアミノ
酸);合成ポリアミド(オリゴマー)などが含まれる。
前記ポリエーテルには、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などが含まれる。ポリウレタンには、アゾ基含有ポリウ
レタンなどが含まれる。
【0013】前記ビニル重合体としては、側鎖にアルキ
ド樹脂原料に対する反応性官能基(例えば、ヒドロキシ
ル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、置換オキシカ
ルボニル基、アミノ基、N−アシルアミノ基などの、ア
ルキド樹脂原料とエステル化、アミド化、エーテル化、
エステル交換、アミド交換、エーテル交換可能な官能基
等)を有し、且つ生分解性を示すビニル重合体などが挙
げられ、より具体的には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコ
ール/デンプン系ポリマーアロイなどのポリビニルアル
コール系樹脂などが例示できる。また、前記ビニル重合
体には天然ゴムなども含まれる。
【0014】これらの生分解性又は加水分解性樹脂中で
も、ポリエステル、多糖類、ポリアミド、ポリエーテ
ル、ポリウレタン、側鎖にアルキド樹脂原料に対する反
応性官能基を有するビニル重合体などが好ましく、特
に、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、
ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステルが
好ましい。なお、ポリカプロラクトンは、商品名「プラ
クセル」として、また、ポリエチレンサクシネート及び
ポリブチレンサクシネートは、商品名「ビオノーレ」と
して市販されている。生分解性又は加水分解性樹脂は1
種であってもよく2種以上の混合物であってもよい。
【0015】[アルキド樹脂原料]アルキド樹脂原料と
しては、アルキド樹脂の製造に通常用いられる成分、例
えば、多塩基酸(酸無水物を含む);多価アルコール;
脂肪酸(酸無水物を含む)、油脂、天然樹脂、合成樹脂
などの変性剤などが挙げられる。
【0016】前記多塩基酸には、例えば、コハク酸、無
水コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸などの脂肪族又は脂環式飽和多塩基酸;マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、
メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物などの脂肪
族又は脂環式不飽和多塩基酸;フタル酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラブロモ無水フ
タル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸などの芳香族多塩基酸などが含
まれる。多塩基酸の炭素数は、例えば2〜30程度であ
る。これらの中でも、無水マレイン酸などの脂肪族又は
脂環式不飽和多塩基酸(例えば、脂肪族又は脂環式不飽
和二塩基酸)、特に、脂肪族不飽和二塩基酸が好まし
い。多塩基酸は1種であってもよく2種以上の組み合わ
せであってもよい。
【0017】前記多価アルコールには、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジ
メタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェ
ノールAビスヒドロキシプロピルエーテルなどの2価ア
ルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタ
ンなどの3価アルコール;ジグリセリン、トリグリセリ
ン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビ
トールなどの4価以上の多価アルコールが含まれる。多
価アルコールの炭素数は、例えば2〜30程度である。
多価アルコールは1種又は2種以上使用できる。多価ア
ルコールとして、例えば、グリセリン、ペンタエリスリ
トールなどの3価以上の多価アルコールを少なくとも1
種用いるのが好ましい。
【0018】前記脂肪酸としては、例えば、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸(例えば、C4-24
飽和脂肪酸、好ましくはC8-18飽和脂肪酸);ブテン
酸、ヘキセン酸、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、
オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、
エレオステアリン酸、脱水リシノール酸などの不飽和脂
肪酸(例えば、C4-24不飽和脂肪酸、好ましくはC8-18
不飽和脂肪酸)などが挙げられる。これらの脂肪酸の中
でも、得られるアルキド変性された分解性樹脂の溶剤溶
解性を高める上で、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が特
に好ましい。前記脂肪酸は1種又は2種以上混合して使
用できる。
【0019】前記油脂としては、例えば、大豆油、アマ
ニ油、キリ油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核油、サフラ
ワー油、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油などが例示され
る。好ましい油脂には、前記不飽和脂肪酸を酸成分とし
て含む油脂が含まれる。天然樹脂としては、ロジン、コ
ーパル、コハク、セラックなどが挙げられる。また、合
成樹脂としては、エステルガム、フェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂などが例示できる。
【0020】本発明の好ましい態様では、アルキド樹脂
原料を少なくとも多塩基酸と多価アルコールと脂肪酸又
は油脂とで構成する。この場合、特に、脂肪族又は脂環
式不飽和多塩基酸と、多価アルコール(好ましくは、3
価以上の多価アルコール)と、不飽和脂肪酸又は不飽和
脂肪酸を酸成分として含む油脂との組み合わせが好まし
い。
【0021】前記各アルキド樹脂原料の配合量は、前記
生分解性又は加水分解性樹脂と反応させた際に、ゲル化
が生じたり、得られるアルキド変性樹脂の貯蔵安定性が
低下しないような範囲で適宜設定できる。適切な配合量
を簡便に求めるため、例えば、Pattonのアルキド
定数を用いた周知のアルキド配合計算法を利用すること
ができる。前記Pattonのアルキド定数Kとは、水
酸基過剰存在下におけるゲル化点での反応率を意味し、 K=m0/ea で定義される。ここで、m0は系内に最初に存在する単
量体のモル数、eaは系内に最初に存在する酸の当量を
示す。安全に性能のよい樹脂にまで反応を進行させるに
は、Kの値を1.00と置き、これに経験的に求められ
た補正値を加えた値を用いる。なお、配合計算の基準に
は、上記Kの定義式と、水酸基過剰率R=e b/eaと、
化学量論的な関係式が用いられる(前記式中、ebは系
内に最初に存在するアルコールの当量を示す)。前記水
酸基過剰率Rは、例えば1.0〜1.8、好ましくは
1.05〜1.4程度に設定する。上記アルキド計算法
に際し、油脂については、通常、それを構成する脂肪酸
とグリセリンとに分解して計算される。また、前記生分
解性又は加水分解性樹脂については、例えば樹脂を構成
する単量体が酸及びアルコールである場合には、単量体
単位に分解して単量体のモル数、及び酸、アルコールの
当量を求めて、これを上記アルキド計算法における単量
体のモル数、及び酸、アルコールの当量に含めて計算で
きる。
【0022】脂肪酸(油脂を構成する脂肪酸を含む)の
量は、得られる樹脂を塗料成分として用いたときの諸性
能を損なわない範囲で適宜選択できるが、前記多塩基酸
と多価アルコール(油脂を構成するグリセリンを含む)
の総量100重量部に対して、例えば0〜150重量
部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは1
0〜80重量部(特に20〜60重量部)程度である。
また、アルキド樹脂原料のうち、多塩基酸、多価アルコ
ール、脂肪酸及び油脂の総量は、前記生分解性又は加水
分解性樹脂の種類によっても異なるが、例えば、生分解
性又は加水分解性樹脂100重量部に対して、5〜20
00重量部、好ましくは20〜500重量部程度であ
る。この量が少なすぎると、汎用の有機溶剤に対する溶
解性が向上しにくく、逆に多すぎると生分解性が低下し
やすい。
【0023】より具体的には、生分解性又は加水分解性
樹脂として「ビオノーレ」を用いる場合、前記多塩基
酸、多価アルコール、脂肪酸及び油脂の総量は、「ビオ
ノーレ」100重量部に対して、例えば30〜1000
重量部、好ましくは50〜500重量部程度である。ま
た、生分解性又は加水分解性樹脂としてポリカプロラク
トンを用いる場合には、前記多塩基酸、多価アルコー
ル、脂肪酸及び油脂の総量は、ポリカプロラクトン10
0重量部に対して、例えば10〜1000重量部、好ま
しくは20〜500重量部程度である。
【0024】[重縮合]前記生分解性又は加水分解性樹
脂とアルキド樹脂原料との重縮合反応は、アルキド樹脂
を製造する際に用いられる慣用の方法により行うことが
できる。例えば、前記各原料成分を加熱、混合すること
により目的のアルキド変性された分解性樹脂を得ること
ができる。反応温度は、原料成分の種類により異なる
が、通常、150〜250℃程度の範囲である。
【0025】この反応では、前記生分解性又は加水分解
性樹脂の主鎖の末端若しくは側鎖の反応性官能基、又は
反応中に切断された主鎖の末端若しくは側鎖の反応性官
能基に、アルキド樹脂原料又はアルキド樹脂原料の縮合
したポリマー(オリゴマー)がエステル化、アミド化、
エーテル化、エステル交換、アミド交換、エーテル交換
等により縮合し、さらにアルキド樹脂原料が脱水縮合し
て重合が進行し、新たな分解性のポリマーが形成され
る。このポリマーは、通常、原料として用いた生分解性
又は加水分解性樹脂に由来する分解性構造部(セグメン
ト)と、アルキド樹脂原料間の脱水縮合により形成され
たアルキド樹脂構造部(セグメント)からなっている。
そのため、生分解性又は加水分解性能を保持しつつ、ア
ルキド樹脂構造単位により汎用の塗料用有機溶剤に対す
る溶解性乃至易分散性が付与される。特に、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸ブチル等のエステル
類;メチルイソブチルケトン等のケトン類に対して可溶
性を示すようになる。反応により得られた樹脂組成物
は、そのまま、又は必要に応じて、溶剤の添加、除去な
どの処理や、適当な分離精製手段により分離精製するこ
とにより、使用する目的に応じた形態にすることができ
る。
【0026】[防汚塗料組成物]本発明の防汚塗料組成
物は、上記本発明のアルキド変性された分解性樹脂(ア
ルキド変性分解性樹脂)に、必要に応じて、塗膜物性を
改良するための塗料用樹脂、防汚剤、防汚助剤、その他
の添加剤等を配合することにより調製できる。
【0027】アルキド変性分解性樹脂は単独で又は2種
以上組み合わせて使用できる。例えば、「ビオノーレ」
をアルキドで変性した分解性樹脂と、ポリカプロラクト
ンをアルキドで変性した分解性樹脂とを組み合わせて使
用してもよい。アルキド変性分解性樹脂の防汚塗料組成
物中の全固形分に対する割合は、塗布作業性、塗膜強
度、形成塗膜の分解性等を損なわない範囲で選択でき、
例えば10〜95重量%、好ましくは20〜80重量
%、さらに好ましくは30〜70重量%程度である。
【0028】前記塗料用樹脂としては、塗料分野で用い
られる慣用の樹脂、例えば、アルキド樹脂、塗料用ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、繊維素系樹脂、フェノール樹脂、ウレア樹脂、キシ
レン樹脂、トルエン樹脂、ゴム・エラストマー類などが
例示される。塗料用樹脂としては、汎用の有機溶剤に対
して可溶性又は分散性のものが好ましい。塗料用樹脂の
種類や配合割合を適宜選択することにより、各樹脂の特
徴を生かした塗料を調製できるとともに、アルキド変性
分解性樹脂の分解速度をコントロールすることができ
る。
【0029】上記の中でも、好ましい塗料用樹脂には、
純粋アルキド;脂肪酸(又は油脂)変性アルキド、シリ
コーン変性アルキド、ロジン変性アルキド、フェノール
変性アルキド、エポキシ変性アルキド、ビニル変性アル
キド、イソシアネート変性アルキド等の変性アルキドな
どのアルキド樹脂や塗料用ポリエステル樹脂が、前記ア
ルキド変性分解性樹脂に対する親和性、相溶性の観点か
ら好ましい。また、シリコーン変性率が15〜50重量
%程度のシリコーン変性アルキドを用いると、塗膜性及
び塗膜強度が大きく改善される。
【0030】塗料用樹脂の配合量は、アルキド変性分解
性樹脂の分解性を損なわない範囲で適宜選択でき、例え
ば、アルキド変性分解性樹脂100重量部に対して、3
0〜500重量部、好ましくは50〜300重量部、さ
らに好ましくは60〜200重量部程度である。塗料用
樹脂は1種又は2種以上混合して使用できる。
【0031】前記防汚剤としては、特に限定されず、公
知乃至慣用の防汚剤を使用できる。このような防汚剤と
して、例えば、亜酸化銅、ロダン銅、ジメチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、2−ピリジンチオール−1−オキシド
亜鉛塩、2,4,5,6−テトラクロロ−4−(メチル
スルホニル)ピリジン、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フ
ルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、2−メチル
チオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミ
ノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル
尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2
H)イソチアゾリン、N−(フルオロジクロロメチルチ
オ)フタルイミド、3−ヨード−2−プロピニルブチル
カーバメート、ジヨードメチルパラトリルスルホン、ピ
リジン−トリフェニルボラン錯体、天然防汚剤、その他
防藻剤、殺虫剤などの農薬等が例示される。これらの防
汚剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0032】防汚剤の使用量は、アルキド変性分解性樹
脂の分解性や塗膜強度を損なわない範囲で、防汚効果、
環境に対する安全性などを考慮して適宜設定できる。例
えば、防汚剤の使用量は、アルキド変性分解性樹脂10
0重量部に対して、2〜300重量部、好ましくは5〜
100重量部程度の範囲である。
【0033】防汚助剤としては、例えば、各種撥水剤等
を使用できる。防汚助剤の使用量も、アルキド変性分解
性樹脂の分解性や塗膜強度を損なわない範囲で、適宜選
択でき、例えば、アルキド変性分解性樹脂100重量部
に対して、2〜100重量部、好ましくは5〜30重量
部程度である。その他の添加剤としては、例えば、粘度
調整剤、界面活性剤、着色料(酸化チタン、ベンガラな
どの顔料、染料)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、体質顔
料、可塑剤などが挙げられる。
【0034】防汚塗料組成物は、有機溶剤に溶解又は分
散させた形態で使用に供することができる。有機溶剤と
しては、塗料用の汎用溶剤、例えば、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸セ
ロソルブなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シク
ロヘキサノンなどのケトン類;ジプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル類;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、アミルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール、エチレングリコールなどのアルコール類;
セロソルブ類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどのアミド類;ジメチルカーボネートなどのカー
ボネート類;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化
水素;及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。
【0035】本発明の防汚塗料組成物を有機溶剤に溶解
又は分散させた形態で使用する際の固形分濃度は、使用
目的に応じて適宜選択できるが、塗布作業性等を考慮し
た場合、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70
重量%程度である。
【0036】前記のように、本発明のアルキド変性分解
性樹脂は、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸ブチル
などのエステル類、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン類等の汎用の安価な溶剤に対して可溶性を示すので、
経済的に有利であると共に、塗布作業性に優れ、しかも
均質な塗膜を簡易に形成できる。
【0037】本発明の防汚塗料組成物を用いた塗膜の形
成は、従来公知の方法により行うことができる。例え
ば、本発明の防汚塗料組成物は、船舶の船底や浮き桟
橋、パイプライン、漁網等の水中構造物等の表面に、必
要に応じて、適当な下塗り剤や塗料などを塗布した後、
刷毛塗り、吹き付け塗装、ローラー塗装、静電塗装、デ
ィッピング等の慣用の塗装手段で塗装することができ
る。
【0038】このように形成された塗膜は、微生物の生
分解反応及び/又は純化学的な加水分解反応により徐々
に表面から消失していき、この表面更新作用により、海
洋付着生物などの付着を防止することができる。また、
防汚剤を配合した防汚塗料組成物を塗布して形成された
塗膜では、防汚剤が前記塗膜の分解に伴って徐々に溶出
するため、前記生物の付着をより確実に防止できる。
【0039】
【発明の効果】本発明のアルキド変性された分解性樹脂
は、同一分子内に生分解性又は加水分解性樹脂に由来す
る構造部分とアルキド樹脂の構造部分とを有するため、
生分解性又は加水分解性を備えているとともに、汎用の
塗料用溶剤に対して可溶性乃至易分散性を示す。また、
溶剤に不溶の汎用性の高い生分解性又は加水分解性樹脂
を原料にでき、この樹脂の分解性機能を保持したまま、
汎用の塗料用溶剤に対する可溶性乃至易分散性を付与で
きる。本発明の防汚塗料組成物は、このようなアルキド
変性分解性樹脂を含んでいるので、汎用の有機溶剤溶液
の形態で使用できると共に、優れた生分解性又は加水分
解性を示す。そのため、水中構造物等の表面に、均質に
且つ作業性よく塗布でき、しかも海洋付着生物等の付着
を顕著に防止できる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0041】実施例1 ビオノーレ#3020[1,4−ブタンジオールとコハ
ク酸及びアジピン酸を主とするジカルボン酸成分とから
得られたポリエステル、昭和高分子(株)製]55.9
7g(該樹脂を構成するジカルボン酸として0.65当
量、該樹脂を構成する1,4−ブタンジオールとして
0.65当量)、無水マレイン酸14.71g(0.3
当量)、オレイン酸14.13g(0.05当量)、及
びペンタエリスリトール20.42g(0.6当量)の
混合物を、反応容器中にて180℃に加熱し、副生する
水を留去しながら、攪拌下に1.5時間反応させ、アル
キド変性樹脂Aを得た。得られたアルキド変性樹脂Aは
キシレンに可溶であった(樹脂A30重量部とキシレン
70重量部とを混合すると、20℃にて乳濁溶液となっ
た)。なお、原料として用いたビオノーレ#3020は
キシレンに不溶である。また、原料ビオノーレ#302
0を示差走査熱量測定(DSC)に付したところ(昇温
速度5.0℃/分)、97.7℃に融解ピークが認めら
れた。一方、上記で得られたアルキド変性樹脂Aを同様
に示差走査熱量測定に付したところ、79.7℃、8
9.7℃及び98.5℃(主ピーク)に融解ピークが見
られた。
【0042】実施例2 ポリカプロラクトン[プラクセルH1P、ダイセル化学
工業(株)製]91.67g(6−ヒドロキシヘキサン
酸として0.801当量)、無水マレイン酸8.72g
(0.178当量)、オレイン酸5.93g(0.02
1当量)、ペンタエリスリトール1.57g(0.04
6当量)、及びグリセリン6.28g(0.205当
量)の混合物を、反応容器中にて165℃に加熱し、副
生する水を留去しながら、攪拌下に1.5時間反応さ
せ、アルキド変性樹脂Bを得た。得られたアルキド変性
樹脂Bはキシレンに可溶であった(樹脂B30重量部と
キシレン70重量部とを混合すると、20℃にて乳濁溶
液となった)。なお、原料として用いたポリカプロラク
トンはキシレンに不溶である。
【0043】実施例3 ビオノーレ#1020[ポリブチレンサクシネート、昭
和高分子(株)製]55.97g(コハク酸として0.
65当量、1,4−ブタンジオールとして0.65当
量)、無水マレイン酸14.71g(0.3当量)、オ
レイン酸14.13g(0.05当量)、及びペンタエ
リスリトール20.42g(0.6当量)の混合物を、
反応容器中にて180℃に加熱し、副生する水を留去し
ながら、攪拌下に1.5時間反応させ、アルキド変性樹
脂Cを得た。得られたアルキド変性樹脂Cはキシレンに
可溶であった(樹脂C30重量部とキシレン70重量部
とを混合すると、20℃にて乳濁溶液となった)。な
お、原料として用いたビオノーレ#1020はキシレン
に不溶である。また、原料ビオノーレ#1020を示差
走査熱量測定(DSC)に付したところ(昇温速度5.
0℃/分)、115℃(主ピーク)及び104.5℃に
融解ピークが認められた。一方、上記で得られたアルキ
ド変性樹脂Cを同様に示差走査熱量測定に付したとこ
ろ、104.9℃に融解ピークが見られた。
【0044】参考例1(シリコーン変性アルキドの製
造) 留出管を備えた容量300mlの3つ口フラスコに、ペ
ンタエリスリトール23.15g(0.68当量)、グ
リセリン17.5g(0.57当量)、無水フタル酸5
1.84g(0.7当量)、及びオレイン酸84.75
g(0.3当量)の混合物をキシレン50mlと共に入
れ、窒素雰囲気下、210〜220℃の温度で3時間攪
拌した。その際、留出管より、キシレンと副生する水と
を留出させ、1時間毎に50mlのキシレンを2回系内
に追加した。上記反応により、塗料ベースのアルキド
(1)を得た。このアルキド(1)の固形分は92重量
%、酸価(AV)は18であった。容量300mlの3
つ口フラスコに、上記で得られたアルキド(1)84g
と変性用シリコン中間体[SH6018、東レダウコー
ニングシリコーン(株)製]45.7g、及びキシレン
100mlを入れ、170〜180℃の温度で9時間反
応させ、シリコーン変性アルキド(固形分63重量%)
を得た。なお、反応終了時の反応液は半透明の溶液とな
っていた。
【0045】実施例4 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A22.5重量
部、実施例2で得られたアルキド変性樹脂B22.5重
量部、防汚剤ピリジン−トリフェニルボラン[PK、北
興化学工業(株)製]5重量部、防汚助剤シリコーンパ
ウダー[トレフィルR910、東レダウコーニングシリ
コーン(株)製]5重量部、及び参考例1で得られたシ
リコーン変性アルキド71.4重量部(固形分換算する
と45重量部に相当)をキシレンに溶解して、固形分6
0重量%の防汚塗料を調製した。
【0046】実施例5 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A23重量部、実
施例2で得られたアルキド変性樹脂B23重量部、防汚
剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)10重量部、
防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量部、及び参
考例1で得られたシリコーン変性アルキド61.9重量
部(固形分換算すると39重量部に相当)をキシレンに
溶解して、固形分60重量%の防汚塗料を調製した。
【0047】実施例6 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A12.1重量
部、実施例2で得られたアルキド変性樹脂B12.1重
量部、防汚剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)5
重量部、防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量
部、及び参考例1で得られたシリコーン変性アルキド1
04.4重量部(固形分換算すると65.8重量部に相
当)をキシレンに溶解して、固形分60重量%の防汚塗
料を調製した。
【0048】実施例7 実施例2で得られたアルキド変性樹脂B37.5重量
部、防汚剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)5重
量部、防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量部、
及び参考例1で得られたシリコーン変性アルキド83.
3重量部(固形分換算すると52.5重量部に相当)を
キシレンに溶解して、固形分60重量%の防汚塗料を調
製した。
【0049】評価試験1 FRTP板(ガラスファイバー強化ポリプロピレン;1
00mm×350mm、厚さ4mm)の表面に塩素化ポ
リプロピレンを下塗りした後、実施例4〜7で調製した
防汚塗料を塗布し、乾燥して塗膜を形成した。表1に示
す塗布量は乾燥後の試験板増加重量から算出した。これ
を、夏期(平成10年8月〜9月)の大阪府泉南郡田尻
町田尻漁港の海水中に2ヶ月間浸漬させ、生物付着防汚
性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、
全く塗料を塗布しないFRTP板を対照とした。 ◎:フジツボや牡蠣などの貝類、藻類等の付着がほとん
どなく、極めて良好な防汚性を示した。 ○:藻類が少量付着していたものの、フジツボや牡蠣な
どの貝類の付着はほとんどなく、良好な防汚性を示した △:藻類が多量に付着しているとともに、貝類も少量付
着していた。 ×:藻類及び貝類が多量に付着していた。
【表1】
【0050】実施例8 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A49重量部、防
汚剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)10重量
部、防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量部、及
び参考例1で得られたシリコーン変性アルキド36重量
部(固形分換算)をキシレンに溶解して、固形分60重
量%の防汚塗料を調製した。
【0051】実施例9 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A28重量部、防
汚剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)10重量
部、防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量部、及
び参考例1で得られたシリコーン変性アルキド57重量
部(固形分換算)をキシレンに溶解して、固形分60重
量%の防汚塗料を調製した。
【0052】実施例10 実施例1で得られたアルキド変性樹脂A23重量部、実
施例2で得られたアルキド変性樹脂B23重量部、防汚
剤ピリジン−トリフェニルボラン(同上)10重量部、
防汚助剤シリコーンパウダー(同上)5重量部、及び参
考例1で得られたシリコーン変性アルキド39重量部
(固形分換算)をキシレンに溶解して、固形分60重量
%の防汚塗料を調製した。
【0053】評価試験2 FRTP板(ガラスファイバー強化ポリプロピレン;2
5mm×100mm、厚さ4mm)の表面に塩素化ポリ
プロピレンを下塗りした後、実施例8〜10で調製した
防汚塗料を塗布し、乾燥して塗膜を形成した。表2に示
す塗膜重量は乾燥後の試験板増加重量から算出した。こ
れを、人工海水[ハイマリンピュア、ハイペット(株)
製]中に4週間浸漬させた。試験板を取り出し、80℃
で3時間真空乾燥した後、試験板の重量を測定し、試験
板の減少重量から塗膜の減少量を算出した。結果を表2
に示す。表2より、何れの場合も、塗膜が適度な速度で
徐々に分解、溶出していくことが分かる。
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 Fターム(参考) 4J029 AA02 AA03 AC01 AC02 AE11 BA03 BA05 CA04 EA03 EA05 EG09 EH01 4J031 AA02 AA03 AA04 AA06 AA15 AA49 AA50 AA53 AA55 AA56 AC03 AC04 AC07 AD01 AF12 AF19 4J038 BA011 CA101 CE001 DD001 DD121 DD231 DF041 DG321 DH001 HA216 JB23 JB24 JC07 JC10 JC12 JC18 JC37 JC38 KA06 NA05 PB05 PB07 PC02 PC04 PC06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性又は加水分解性樹脂とアルキド
    樹脂原料との重縮合により得られるアルキド変性された
    分解性樹脂。
  2. 【請求項2】 生分解性又は加水分解性樹脂が、ポリエ
    ステル、多糖類、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレ
    タン、及び側鎖にアルキド樹脂原料に対する反応性官能
    基を有するビニル重合体から選択された少なくとも1種
    である請求項1記載の分解性樹脂。
  3. 【請求項3】 生分解性又は加水分解性樹脂が脂肪族ポ
    リエステルである請求項1記載の分解性樹脂。
  4. 【請求項4】 アルキド樹脂原料が少なくとも多塩基酸
    と多価アルコールと脂肪酸又は油脂とからなる請求項1
    記載の分解性樹脂。
  5. 【請求項5】 多塩基酸が脂肪族又は脂環式不飽和多塩
    基酸である請求項4記載の分解性樹脂。
  6. 【請求項6】 脂肪酸又は油脂が、不飽和脂肪酸又は不
    飽和脂肪酸を酸成分とする油脂である請求項4記載の分
    解性樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかの項に記載の分解
    性樹脂を含有する防汚塗料組成物。
  8. 【請求項8】 さらに防汚剤を含有する請求項7記載の
    防汚塗料組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250541A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Nippon Paint Co Ltd 防汚塗料組成物及び防汚塗膜
CN103243413A (zh) * 2013-04-24 2013-08-14 浙江理工大学 一种可完全生物降解脂肪族共聚酯短纤维的制备方法
CN103255492A (zh) * 2013-04-24 2013-08-21 浙江理工大学 一种可完全生物降解脂肪族共聚酯全拉伸丝的制备方法

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