JP3924372B2 - 加水分解型ポリエステルおよびそれを含有する防汚塗料用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加水分解型ポリエステルおよびそれを含有する防汚塗料用組成物に関する。特に、船舶、海洋構築物、海水導入管等の各種構造物の海中または水中に没している部分の表面に付着する微生物、藻類等の動植物の水棲付着生物による汚損防止に良好な結果を与える防汚塗料用の加水分解型ポリエステルおよびそれを含有する防汚塗料用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
船舶の船底部、海底通信ケーブル、輸送パイプライン、観測ブイ、浮標、オイルフェンス、シルトプロテクター、橋脚、火力または原子力発電所における冷却水路、工業用冷却水路、波力発電ブイ、海洋開発や海洋土木工事に関連する各種機器等の、長期にわたって水中に浸漬される器物、設備および構築物には、フジツボ、ムラサキイ貝、ヒドロ虫、セルプラ、コケムシ、ホヤ、海綿等の付着動物やアオサ、青のり、シオミドロ、ヒビミドロ、シオグサ、ミル等の藻類および藍藻類、珪藻類、細菌類等のスライムを形成する付着微生物(以下これらを総称して「汚損生物」ともいう)が付着し、このために上記機器、器物、設備、構築物等は種々の損失を被っている。
【0003】
例えば、船舶に汚損生物が付着した場合、船体と海水の摩擦抵抗が増大し、船速の低下、燃料消費量の増加を招く。そればかりでなく、船底の汚損のための連行休止や清掃費用等の経済的損失等、汚損生物は保守および運航上、多大の経済損失をもたらす。また、橋脚等の海洋に構築されている構造物では、耐久性を高めるために塗布されている防食被覆膜が汚損生物によって劣化あるいは腐食し、その結果、構造物の耐用期間が短くなる。ブイ、その他の浮遊構造物は浮力の低下、水没を起こす。
【0004】
また、発電所の復水器および各種工場の熱交換器等の冷却用水路においては、これらに汚損生物が付着すると、取水時の抵抗が増したり、熱交換効率の低下が引き起こされたり、水路から脱落した生物塊による復水器、熱交換器の性能低下が引き起こされたり等、種々の損失が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、海中または水中に存在する構築物等に対する汚損生物の付着は産業上極めて大きな損失をもたらす。従って、汚損生物の付着防止のために、従来より、高い防汚性(生物の付着を防止する性質)を有する防汚塗料として、防汚剤と加水分解型樹脂とを配合した防汚塗料が使用されてきた。
【0006】
上記の防汚塗料においては、防汚剤としては、亜酸化銅、ロダン銅等の重金属化合物、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のカルバミン酸化合物等が使用され、加水分解型樹脂としては、TBTOペンダントアクリル樹脂、銅アイオノマーアクリル樹脂、シリルエステル系アクリル樹脂等が使用されてきた。しかしながら、上記加水分解型樹脂を含有する防汚塗料では海洋汚染が懸念される。従って、海洋環境への負荷を低減できる防汚塗料用の加水分解型樹脂が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような実情に鑑み、本発明者らは、海洋汚染が防止できる加水分解型樹脂について鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する加水分解型ポリエステルが海洋汚染が防止でき有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)防汚剤と、下記式(I)で表される構造単位を有し、かつ分子末端に両末端で合計2個以上のカルボキシル基を有する加水分解型ポリエステルとを含有することを特徴とする防汚塗料用組成物。
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは0〜4の整数を表す)
(2)加水分解型ポリエステルが少なくともグリコール酸残基および/または乳酸残基を有する上記(1)に記載の防汚塗料用組成物。
(3)乳酸残基におけるL−乳酸残基/D−乳酸残基のモル比が1〜9の範囲である上記(2)に記載の防汚塗料用組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の加水分解型ポリエステルは、下記式(I)の構造単位を有する脂肪族ポリエステルである。
【0012】
【化3】
【0013】
式(I)において、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。炭素数1〜3のアルキル基のアルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル、イソプロピル基が例示される。Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、特に水素原子、メチル基が好ましい。nは好ましくは0〜4であり、特に好ましくは0である。
【0014】
Rが水素原子、nが0である場合、式(I)の構造単位はグリコール酸残基となり、Rがメチル基、nが0である場合、式(I)の構造単位は乳酸残基となる。
【0015】
上記構成の脂肪族ポリエステルは加水分解性を有するものであり、このような樹脂を防汚塗料用として使用すると、海中で塗膜表面から当該ポリエステルが加水分解されて防汚成分を徐放するので、防汚性能を持続させることができる。この防汚成分の徐放性の調整は、当該ポリエステルの加水分解性を調整することにより行うことができる。また例え、汚損生物が塗膜表面に付着したとしても、当該ポリエステルの加水分解により汚損生物を脱落させることができる。加えて、当該ポリエステルは生分解性を有し、即ち生化学的に分解を受けやすいものであるので、その生分解性に起因して、海中での塗膜表面からの加水分解物が海洋環境を汚染することはない。
【0016】
当該ポリエステルの加水分解性の調整は、分子末端のカルボキシル基の数、式(I)の構造単位の種類、そのモル%等により調整できる。
【0017】
本発明においては、上記脂肪族ポリエステルはその分子末端に両末端で合計2個以上のカルボキシル基を有していることが必要である。これにより、脂肪族ポリエステルの加水分解速度が良好となる。通常のオキシ酸重合体のように一方の末端のみに1個のカルボキシル基が存在する樹脂や、酸末端を封鎖した樹脂(両末端ともにカルボキシル基が0個)では良好な加水分解速度が得られないため、防汚塗料用樹脂としては不適当である。
【0018】
また、本発明においては、上記脂肪族ポリエステルが有する式(I)の構造単位は、1分子中、1種であっても2種以上であってもよいが、加水分解速度、塗膜硬度の点から、少なくともグリコール酸残基および/または乳酸残基を有することが好ましい。
【0019】
この場合、グリコール酸残基は、全構造単位中、0〜25モル%の範囲であることが好ましい。グリコール酸残基の割合が25モル%を超えると、脂肪族ポリエステルの汎用溶剤に対する溶解性が不足し、塗料化が困難となる恐れがある。また、乳酸残基は、全構造単位中、75〜100モル%の範囲であることが好ましい。乳酸残基の割合が75モル%未満であると、船底塗料に通した良好な塗膜物性(例えば塗膜硬度、付着強度)が得られない場合がある。なお、上記脂肪族ポリエステルにおいては、グリコール酸残基および乳酸残基の割合がそれぞれ上記範囲内であれば、これら以外の残基が存在していてもよい。
【0020】
本発明においては、上記脂肪族ポリエステルが有する乳酸残基における、L−乳酸残基とD−乳酸残基のモル比(L−乳酸残基/D−乳酸残基と示す)は、好ましくは1〜9であり、より好ましくは1〜3である。L−乳酸残基/D−乳酸残基が9より大きいと、脂肪族ポリエステルのキシレンや酢酸ブチルなどの汎用溶剤に対する満足な溶解性が得られないため塗料化が困難となるおそれがある。逆に、また、L−乳酸残基/D−乳酸残基が1より小さいと、すなわちD−乳酸残基が過剰になるとコスト的に不利である。
【0021】
また、本発明においては、上記脂肪族ポリエステルを単独でまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0022】
式(I)の構造単位を有する脂肪族ポリエステルを得るためには、少なくとも式(I)の構造単位由来のオキシ酸またはその環状2量体(例えばグリコリド、ラクチド等)を重合成分とすればよい。このようなオキシ酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、カプロラクトン等が、環状2量体としては、例えば、グリコリド、ラクチド等がそれぞれ使用される。また、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、グリコール酸カルシウム等のオキシ酸金属塩を使用できる。
【0023】
さらに、この脂肪族ポリエステルがその分子末端に両末端で合計2個以上のカルボキシル基を有するためには、上記オキシ酸またはその環状2量体に加えて、少なくともジカルボン酸または酸無水物を使用して、分子末端のオキシ酸由来の水酸基をジカルボン酸または酸無水物と反応させるとよい。これらはいずれも環境汚染しないモノマーであることが特に好ましく、このようなジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、リンゴ酸等のオキシ酸等が、酸無水物としては、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水アジピン酸等がそれぞれ使用される。
【0024】
式(I)の構造単位を有し、かつ分子末端に両末端で2個以上のカルボキシル基を有する限りは、上記オキシ酸、ジカルボン酸または酸無水物以外に、多価アルコールや上記以外のオキシ酸を使用してもよい。これらはいずれも環境汚染しないモノマーであることが特に好ましく、多価アルコールとしてはプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0025】
上記脂肪族ポリエステルの重合方法としては、上記オキシ酸、ジカルボン酸または酸無水物、必要に応じて、多価アルコール等を使用し、公知の触媒を使用して、加熱、減圧することにより直接脱水重縮合させる方法や、グリコリド、ラクチド、カプロラクトン等の環状2量体、ジカルボン酸または酸無水物、必要に応じて、多価アルコール等を使用し、公知の開環重合触媒を使用し、窒素雰囲気下、加熱することにより開環重合させる方法等がある。
【0026】
本発明の脂肪族ポリエステルの還元粘度は、好ましくは0.2〜0.8dl/gであり、より好ましくは0.3〜0.7dl/gである。還元粘度が0.2dl/gよりも低いと、当該ポリエステルを含有する防汚塗料では良好な塗膜物性(例えば塗膜硬度、付着強度)が得られない場合があり、逆に、0.8dl/gよりも高いと、当該ポリエステルを含有する防汚塗料のコーティング適性が悪くなる場合がある。ここで、還元粘度の測定はクロロホルムに樹脂を125mg/25mlの濃度に溶解して、温度25℃でウベローデ粘度管を用いて測定したものである。
【0027】
本発明の上記脂肪族ポリエステルを船底用防汚塗料用として用いる場合には、当該ポリエステルのガラス転移点(Tg)は、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上である。Tgが30℃よりも低いと、当該ポリエステルを含有する防汚塗料による塗膜表面に粘着性が生じてしまい、実用上問題が生じる。ここで、Tgの測定はDSC測定により求めたものである。
【0028】
本発明の上記脂肪族ポリエステルは、現在使用されている公知の防汚剤、必要に応じてその他の塗料添加剤と配合されることにより、生分解性を有する防汚塗料として使用される。防汚剤としては、天然物系防汚剤を使用することが海洋環境防止の点で好ましい。
【0029】
上記天然物系防汚剤としては、例えば、タンニン酸、カテキン等のタンニン類、イソチオシアネート類(辛味成分)、チオシアネート類、ゲラニオール、ファルネソール等のテルペン類、2,5,6−トリブロモ−1−メチルグラミン等が挙げられる。その他の公知の防汚剤としては、例えば、亜酸化銅、ロダン銅、ジンクジメチルジチオカーバメート、テトラジメチルチウラムジサルファイド等のカルバミン酸化合物等が挙げられる。これらの防汚剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。
【0030】
上記生分解性防汚塗料においては、防汚剤の配合量は特に制限はないが、上記脂肪族ポリエステル100重量部に対して、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは50〜200重量部である。当該配合量が10重量部未満の場合、防汚効果が期待できず、逆に300重量部を超えると、当該脂肪族ポリエステルの含有割合が少なくなって、塗膜の接着性が劣ったり、防汚成分が比較的初期に大量に溶出して防汚性能が持続しないことがあり、好ましくない。
【0031】
上記の防汚塗料の形態は、特に限定されるものではないが、有機溶剤により希釈された溶液もしくは分散液のように製剤化されているものが好ましい。この場合の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。
【0032】
また上記防汚塗料を調製方法は特に限定されないが、例えば、上記脂肪族ポリエステルと防汚剤とをそれぞれ別の溶剤に溶解または分散させた後これらを混合してもよいし、または上記脂肪族ポリエステルと防汚剤とを同じ溶剤に逐次のたは同時に溶解または分散させてもよい。この際、通常塗料に加えられている添加剤、例えば顔料、粘度調整剤、レベリング剤等を適宜添加することも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により特に限定されるものではない。
【0034】
製造例1
DL−ラクチドlkg、重合開始剤として乳酸カルシウム4.5g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート300mgをフラスコ内に加えて、窒素雰囲気下、190℃で1時間加熱攪拌することにより開環重合した。その後無水コハク酸2.3gを加え、190℃で加熱攪拌した。さらに、190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルAを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0035】
製造例2
DL−ラクチド2.7kg、グリコリド300g、重合開始剤としてリンゴ酸8.2g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコ内に加えて、窒素雰囲気下、190℃で1時間加熱攪拌することにより開環重合した。その後無水コハク酸3.5gを加え、さらに1時間加熱攪拌した。190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルBを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0036】
製造例3
L−ラクチド1.5kg、DL−ラクチド1.2kg、グリコリド300g、重合開始剤として乳酸カルシウム13.4g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコ内に加えて、窒素雰囲気下、190℃で1時間、加熱攪拌することにより開環重合させた。その後、無水コハク酸6.9gを加えて、1時間、190℃で攪拌した。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルCを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0037】
製造例4
L−ラクチド2.9kg、DL−ラクチド100g、重合開始剤として乳酸6g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコ内に加えて、窒素雰囲気下、190℃で加熱開環重合させた。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルDを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0038】
製造例5
DL−ラクチド3kg、重合開始剤としてデカノール10g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコ内に加えて、窒素雰囲気下、190℃で1時間、加熱攪拌することにより開環重合した。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルEを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0039】
製造例6
DL−ラクチド3kg、重合開始剤として乳酸6g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコに加えて、窒素雰囲気下、190℃で、加熱攪拌することにより開環重合した。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルFを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0040】
製造例7
DL−ラクチド2.1kg、グリコリド0.9kg、重合開始剤として乳酸6g、開環重合触媒としてアセチルアセトナート800mgをフラスコに加えて、窒素雰囲気下、190℃、1時間加熱攪拌することにより開環重合した。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルGを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0041】
製造例8
DL−ラクチド2.4kg、グリコリド0.6kg、重合開始剤としてリンゴ酸8.2g、開環重合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート800mgをフラスコに加えて、窒素雰囲気下、190℃で加熱開環重合させた。その後190℃、減圧下(1mmHg)で未反応モノマーを留去し、ポリエステルHを得た。組成、還元粘度等を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
<防汚塗料の調製>
製造例1〜8で得られたポリエステルA〜Hを、それぞれキシレンに溶解させようとしたが、ポリエステルD、Gは溶解しなかった。その他の樹脂は固形分濃度50重量%の樹脂ワニスA、B、C、E、F、Hとし、表2に記載の組成で防汚塗料1〜11を調製した。防汚塗料の調製に際してはディスパーを使用した。
【0044】
【表2】
【0045】
<防汚塗料の評価>
30cm×10cmの硬質塩化ビニル板に、上記の防汚塗料1〜11を刷毛で2回塗りを実施し、乾燥膜厚140μmでコーティングした。48時間風乾後、瀬戸内海の岩国沖に固定している筏の水面下lmに浸漬を行い、生物付着性を評価した。評価は目視評価を行い、5段階で評価した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3より、防汚塗料1〜7においては、浸漬後1年経過しても生物の付着がほとんど見られなかった。しかし防汚塗料8〜11においては、浸漬後3ヵ月経過ですでに生物の付着が見られ、防汚効果の持続がなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の加水分解型ポリエステルは、良好な加水分解速度を有し、かつ良好な塗膜物性を付与できるため、防汚塗料用樹脂として有用である。しかも生分解性を有するため、人体や自然環境には全く悪影響を与えないものである。従って、特に天然物系防汚剤と当該ポリエステルを含有する組成物を防汚塗料は、海洋環境へ与える負荷の小さな防汚塗料となる。
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