JP2619171B2 - 電子写真用有機感光体及びその下地処理方法 - Google Patents
電子写真用有機感光体及びその下地処理方法Info
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Description
タの感光ドラム等のように、露光光源としてレーザ等の
可干渉性単色光を用いる形式の電子写真用有機感光体、
及びその下地処理方法に関する。
語はその合金を含む意味で用いる。
ウム又はその合金からなる導電性支持体に感光層が被覆
されたものに構成されるが、かかる感光層として、セレ
ン等の無機系光導電材料に代えて有機物系材料を用いた
有機感光体(いわゆるOPC感光体)が、成膜性、軽量
性、低価格性等の面で優れているところから用いられる
ようになっている。
向上させるために、近時、感光層を電荷発生層(CG
L)と電荷輸送層(CTL)を有するものに構成した積
層型と称される有機感光体が提供されている。
光体を用いてデジタル画像情報を記録する方法として、
レ−ザビ−ムプリンタ(LBP)の場合のように、レ−
ザ光で感光体表面を光学的に走査することにより静電潜
像を記録するものがある。この際のレ−ザとして、一般
に半導体レ−ザ(発光波長650〜820nm程度)が
使用される。
干渉性の単色光であるが故に、感光層を透過した光の支
持体表面での反射光と、感光層表面での反射光とが干渉
を起こすことがあり、ベタ画像(特に中間調)の場合、
干渉縞状の濃淡ムラが現れるという問題があった。 こ
のため、露光時に導電性支持体表面に到達した入射光を
乱反射させて、支持体表面からの反射光を減少させる目
的で、液体ホ−ニング法(特開昭50−98327
号)、超仕上げ法(特公昭50−27496号)等によ
り、支持体表面を粗面化する試みがなされている。
面化することは極めて困難であり、大きなうねりや局部
的な凹凸が発生するため、表面帯電位が低下する等の問
題を生じ、実用的ではなかった。
されたものであって、電子写真用感光体において、レ−
ザ光のような可干渉性の単色光により静電潜像を記録す
る際の干渉による画像の濃淡ムラを防止した有機感光体
を提供することを目的とし、さらにはそのための電子写
真用有機感光体の下地処理方法を提供するものである。
に、この発明の1つは電子写真用有機感光体そのものに
係り、光源として可干渉の単色光が用いられる電子写真
用有機感光体であって、アルミニウム支持体の表面に、
厚さ0.5〜4μmの発色陽極酸化皮膜と厚さ3〜20
μmの硫酸陽極酸化皮膜とが順次的に形成され、該硫酸
陽極酸化皮膜の表面に有機物系材料からなる感光層が形
成されていることを特徴とするものである。
り、光源として可干渉の単色光が用いられる電子写真用
有機感光体の下地処理方法であって、アルミニウム支持
体を硫酸浴中で陽極酸化処理して、支持体表面に厚さ3
〜20μmの硫酸陽極酸化皮膜を形成する工程と、次い
で、発色効果を有する有機酸中で陽極酸化処理して、支
持体表面に厚さ0.5〜4μmの発色陽極酸化皮膜を形
成する工程とを実施することを特徴とするものである。
類は特に限定されるものではなく、切削性、強度、硬さ
等を考慮して各種アルミニウム材の中から適宜のものを
選択使用することができる。一般的には、純アルミニウ
ム系、A3000系、A6000系等のアルミニウム展
伸材が好適に用いられる。
よる陽極酸化処理を施して、支持体表面に硫酸陽極酸化
皮膜を形成する。ここに、硫酸陽極酸化処理を施すの
は、硫酸陽極酸化皮膜によって感光層と支持体との密着
性を付与するとともに電荷注入防止性を向上するためで
ある。かかる硫酸陽極酸化皮膜の厚さは3〜20μmに
規定されなければならない。3μm未満では感光層との
密着性や電荷注入防止性等に劣るものとなるからであ
る。一方、20μmを超えてもこれら効果の格別な増大
を期待し得ず、むしろ処理エネルギ−や処理時間の増大
による生産性の低下原因となるのみならず、皮膜の孔中
のイオンが増加し、画像にノイズが生じやすくなるから
である。特に好ましくは、5〜10μmの厚さとするの
が良い。硫酸陽極酸化処理の他の処理条件については特
に規定されることはない。
ルミニウム支持体に脱脂、水洗、エッチング等の前処理
を施すものとしても良い。
陽極酸化処理を実施する。この処理により、図1に示す
ように、アルミニウム支持体(1)と硫酸陽極酸化皮膜
(2)との間に発色陽極酸化皮膜(3)が成長し、硫酸
陽極酸化皮膜(2)は発色陽極酸化皮膜(3)の表面に
被覆された状態となる。ここに、発色陽極酸化皮膜
(3)を形成するのは、該発色陽極酸化皮膜(3)と硫
酸陽極酸化皮膜(2)との界面が、図2に示すように一
様な粗面化状態となることから、表面帯電位の低下を招
くことなく支持体表面への入射光あるいは支持体表面か
らの反射光を不規則に屈折させて感光層表面の反射光と
の干渉を抑制し得るからである。さらにはまた、発色陽
極酸化皮膜(3)の着色により入射光あるいは反射光の
一部を吸収することによっても干渉を抑制し得るからで
ある。かかる干渉抑制効果を有効に発揮させるために
は、発色陽極酸化皮膜の膜厚はこれを0.5〜4μmに
設定しなければならない。0.5μm未満の膜厚では上
記干渉抑制効果に乏しいものとなる。一方、4μmを越
える膜厚を確保しても上記効果が飽和し、処理エネルギ
の無駄となる。発色陽極酸化皮膜の特に好ましい膜厚は
0.5〜3μmである。
めの処理液は、発色効果を有する有機酸であればその具
体的種類を問わないが、一例としては蓚酸、マレイン
酸、フェノールスルホン酸、スルホフタル酸、スルホサ
リチル酸、クレゾールスルホン酸等を挙げ得る。また、
これらの有機酸は単独で用いても良いし、2種以上を混
合して用いても良い。また、発色効果を有する有機酸と
硫酸等を混合して用いても良い。濃度、液温等の他の処
理条件は特に限定されることはない。
理後に酢酸ニッケル溶液等に浸漬して封孔処理を実施す
ることも、画像ノイズを減少し得る点で推奨される。
持体には、続いて、有機物系材料からなる感光層(4)
として、例えば電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型
感光層を被覆形成する。かかる感光層の材料は、従来か
ら知られているものを適宜用いれば良い。例えば、電荷
発生層に用いる光導電体としては、フタロシアニン、ア
ゾ、キナクリドン、多環キノン、ペリレン、インジゴ、
ベンズイミダゾ−ルなどの各種有機顔料を使用すること
ができる。なかでも、無金属フタロシアニン、銅、塩化
インジウム、塩化ガリウム、スズ、オキシチタニウム、
亜鉛、バナジウムなどの金属、又はその酸化物、塩化物
の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、ト
リスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。
あるいはバインダ−中に微粒子分散した状態で形成され
る。ここで使用されるバインダ−樹脂としてはポリビニ
ルブチラ−ル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、メチルセルロ−ス、ポリカ−
ボネ−ト樹脂などを挙げうる。バインダ−樹脂100重
量部中、上記光導電体を20〜300重量部含有させる
ことが好ましく、特に30〜150重量部が好ましい。
この様な電荷発生層の膜厚は通常5μm以下、好ましく
は0.01〜1μmが適当である。
しては、ポリビニルカルバゾ−ル、ポリビニルピレン、
ポリアセナフチレンなどの高分子化合物又は、各種ピラ
ゾリン誘導体、オキサゾ−ル誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体などの低分子化合物を使用でき
る。これらの電荷輸送材料と共に必要に応じてバインダ
−樹脂が配合される。
チルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルな
どのビニル重合体及びその共重合体、ポリカ−ボネ−
ト、ポリエステル、ポリサルホン、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂などを挙げうる。またこれら
の部分的架橋硬化物も使用される。上記電荷輸送材料
を、バインダ−樹脂100重量部中に30〜200重量
部、特に50〜150重量部含有させることが好まし
い。
止剤、増感剤などの各種添加剤を含んでいても良い。
好ましくは10〜25μmの厚みで使用される。
化処理する工程と、発色効果を有する有機酸中で陽極酸
化処理する工程とを順次的に実施することにより、アル
ミニウム支持体(1)の表面に、厚さ0.5〜4μmの
発色陽極酸化皮膜(3)と厚さ3〜20μmの硫酸陽極
酸化皮膜(1)とが順次的に形成されているから、発色
陽極酸化皮膜(3)と硫酸陽極酸化皮膜(2)との界面
が一様な粗面化状態となる。このため、支持体表面への
入射光あるいは支持体表面からの反射光が不規則に屈折
して感光層表面の反射光との干渉が抑制される。しかも
また、発色陽極酸化皮膜(3)は着色状態にあるから、
入射光あるいは反射光の一部が吸収されることによって
も干渉が抑制される。
り、支持体(1)と感光層(4)との密着性、電荷注入
防止性が向上する。
ム支持体を硫酸浴中で陽極酸化処理する工程と、発色効
果を有する有機酸中で陽極酸化処理する工程とを順次的
に実施することにより、アルミニウム支持体の表面に、
厚さ0.5〜4μmの発色陽極酸化皮膜と厚さ3〜20
μmの硫酸陽極酸化皮膜とが順次的に形成され、しかも
発色陽極酸化皮膜と硫酸陽極酸化皮膜との界面が一様な
粗面化状態となっている。このため、支持体表面への入
射光あるいは支持体表面からの反射光を不規則に屈折さ
せることができ、感光層表面の反射光との干渉を抑制す
ることができる。かつまた、発色陽極酸化皮膜は着色状
態にあるから、入射光あるいは反射光の一部を吸収する
ことができ、益々干渉を抑制することができる。その結
果、レーザ光の如き可干渉性の単色光で感光体表面を走
査して静電潜像を記録する方式の有機感光体において、
支持体表面からの反射光と感光層表面での反射光との干
渉に起因して生じていたベタ画像(特に中間調)の干渉
縞状の濃淡ムラの発生を抑制することができ、画像品質
を向上することができる。もとより、所定厚さの硫酸陽
極酸化皮膜の存在により、支持体と感光層との密着性、
電荷注入防止性を向上しうる。
げ法と異なり、アルミニウム支持体表面を粗面化するも
のではないから、表面帯電位の低下等の問題を派生する
ことなく、レーザ光等の乱反射効果を得ることができ
る。
れら管材を表面粗さ0.5Sに切削したものをアルミニ
ウム支持体として用いた。
前処理は脱脂(使用界面活性剤:JCB−12A(日本
シービーケミカル社製)、30g/l、65℃×5
分)、水洗、中和(HNO3 、13w/v%、常温×2
分)、水洗の順次的実施により行った。
地処理を行った。
件で硫酸陽極酸化処理を行った。得られた硫酸陽極酸化
皮膜の厚さは6μmであった。
後、マレイン酸100g/l、硫酸5g/l、20℃で
2A/dm2 ×5分の条件で陽極酸化処理を行い、厚さ
3μmの発色陽極酸化皮膜を形成した。
後、スルホサリチル酸100g/l、硫酸5g/lを含
む20℃の処理液で、2A/dm2 ×5分の条件で陽極
酸化処理を行い、厚さ3μmの発色陽極酸化皮膜を形成
した。
後、スルホフタル酸100g/l、硫酸5g/lを含む
20℃の処理液で、2A/dm2 ×5分の条件で陽極酸
化処理を行い、厚さ3μmの発色陽極酸化皮膜を形成し
た。
して2度の水洗、酢酸ニッケル封孔(10g/l、80
℃×5分)及び沸水封孔処理(95℃×5分)を順次的
に行った。
ニウム支持体の陽極酸化皮膜断面を拡大したところ、図
1のように硫酸陽極酸化皮膜と発色陽極酸化皮膜との界
面が粗面化状態となっていた。
送層とを有する感光層を以下のようにして被覆形成し
た。即ち、CGL層は、無金属フタロシアニンをテトラ
ヒドロフランにて4%に希釈して、膜厚が約0.5μm
になるように塗工し乾燥して形成した。次に、CT剤
(ヒドラゾン化合物)とCT樹脂(ポリカーボネート)
を1:2の比率で塩化メチレンに溶解して、膜厚が約2
0μmになるように塗工し乾燥してCTL層とした。
験を行った。画像試験は、上記感光体をレーザビームプ
リンターに取付け、ドットパターンによる中間調の画像
を出し、干渉縞状のムラの有無を評価した。その結果、
下地処理が硫酸陽極酸化処理のみである比較例1では干
渉縞が認められたのに対し、硫酸陽極酸化処理に加えて
発色効果のある有機酸を用いて陽極酸化処理した実施例
1〜3ではまったく認められなかった。
ラを抑制できることがわかる。
である。
陽極酸化皮膜との界面付近を示す拡大断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 光源として可干渉の単色光が用いられる
電子写真用有機感光体であって、アルミニウム支持体
(1)の表面に、厚さ0.5〜4μmの発色陽極酸化皮
膜(3)と厚さ3〜20μmの硫酸陽極酸化皮膜(2)
とが順次的に形成され、該硫酸陽極酸化皮膜(2)の表
面に有機物系材料からなる感光層(4)が形成されてい
ることを特徴とする電子写真用有機感光体。 - 【請求項2】 光源として可干渉の単色光が用いられる
電子写真用有機感光体の下地処理方法であって、 アルミニウム支持体(1)を硫酸浴中で陽極酸化処理し
て、支持体表面に厚さ3〜20μmの硫酸陽極酸化皮膜
(2)を形成する工程と、 次いで、発色効果を有する有機酸中で陽極酸化処理し
て、支持体表面に厚さ0.5〜4μmの発色陽極酸化皮
膜(3)を形成する工程とを実施することを特徴とする
電子写真用有機感光体の下地処理方法。
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