JP2806132B2 - 電子写真用感光体の下地処理方法 - Google Patents
電子写真用感光体の下地処理方法Info
- Publication number
- JP2806132B2 JP2806132B2 JP6804892A JP6804892A JP2806132B2 JP 2806132 B2 JP2806132 B2 JP 2806132B2 JP 6804892 A JP6804892 A JP 6804892A JP 6804892 A JP6804892 A JP 6804892A JP 2806132 B2 JP2806132 B2 JP 2806132B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfuric acid
- voltage
- applied voltage
- treatment
- positive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
ビ−ムプリンタの感光ドラム等に用いられる電子写真用
感光体の下地処理方法に関する。
語はその合金を含む意味で用いる。
ウムからなる導電性支持体上に感光層が被覆されたもの
として構成される。そして、この場合、電荷の整流効果
やブロッキング効果、感光層塗工時の濡れ性改善等を期
待して、支持体に硫酸浴中で陽極酸化処理を施してその
表面に硫酸陽極酸化皮膜を形成することが、殊に感光層
として有機物系材料を用いた有機感光体(いわゆるOP
C感光体)等において一般に行われている。
に硫酸皮膜を形成した場合、陽極酸化処理における電解
液中の硫酸成分等が皮膜の微細孔中に残存し易く、これ
が残存していると、特に高温高湿環境下で使用した場合
前記硫酸成分などがイオン化し、このため電荷注入が多
くなり小黒点ノイズが発生するなど画像特性に悪影響を
及ぼすおそれがあった。かかる問題は、殊に、感光層を
電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を有する
ものに構成した積層型と称される有機感光体等において
顕著に生じるものであった。
されたものであって、硫酸陽極酸化皮膜の微細孔中のイ
オン(特にSO4 2-等のアニオン)を排除することによ
り、高温高湿環境下で使用した場合であっても小黒点ノ
イズ等を生じない画像特性に優れた電子写真用感光体と
なすための下地処理方法を提供するものである。
に、この発明は、アルミニウム支持体を硫酸浴中で電解
処理して支持体表面に硫酸陽極酸化皮膜を形成したの
ち、さらに弱酸水溶液中において正負を交互に繰り返す
矩形波電圧を印加して電解処理を行うに際し、正の印加
電圧V1 を、前記硫酸浴中での電解電圧V0 及び負の印
加電圧V2 に対して、V1 ≧V0 、V1 ≧V2 に設定
し、かつV2 ≠0に設定して電解処理を行うことを特徴
とする電子写真用感光体の下地処理方法を要旨とするも
のである。
特に限定されるものではなく、切削性、強度、硬さ等を
考慮して各種アルミニウム材の中から適宜のものを選択
使用することができる。一般的には、純アルミニウム
系、A3000系、A6000系等のアルミニウム展伸
材が好適に用いられる。
よる陽極酸化処理を施して、支持体表面に硫酸皮膜を形
成する。ここに、硫酸陽極酸化処理を施すのは、硫酸皮
膜によって電荷の整流効果やブロッキング効果、感光層
塗工時の濡れ性改善を期待するためである。かかる硫酸
皮膜の厚さは、一般には、3〜20μm程度とするのが
良い。3μm未満では上記効果を十分に発揮し得ない恐
れがあるからである。一方、20μmを超えてもこれら
効果の格別な増大を期待し得ず、むしろ処理エネルギ−
や処理時間の増大による生産性の低下原因となるのみな
らず、皮膜の孔中のイオンが増加し、画像にノイズが生
じやすくなる恐れがあるからである。特に好ましくは、
5〜10μmの厚さとするのが良い。硫酸陽極酸化処理
の他の処理条件については特に規定されることはない。
ルミニウム支持体に脱脂、水洗、エッチング等の前処理
を施すものとしても良い。
リンゴ酸、コハク酸、酢酸、マロン酸等の弱酸水溶液中
において、図1に示すように、正負を交互に繰り返す矩
形波電圧を印加して、上記支持体を電解処理する。この
ような電解処理を行うことで、陰極側で硫酸皮膜のバリ
ヤー層を破壊し、陽極で補修再生する作用が営まれ、硫
酸皮膜中の微細孔中に残存するアニオンが除去される。
而して、上記電解処理において、矩形波電圧の正の印加
電圧V1 は、バリヤー層を破壊後再生させるべく、前述
した硫酸陽極酸化処理時の電解電圧V0 に対してV1 ≧
V0 に設定されなければならない。かつまた、正の印加
電圧V1 は負の印加電圧V2 (V2 は零であってはなら
ない)に対してV1 ≧V2 に設定されなければならな
い。正の印加電圧V1 を負の印加電圧V2 以上に設定す
ることで、バリヤー層の破壊よりも再生作用の方が大き
くなり、アニオン等の除去に有効であるからである。一
般的な硫酸陽極酸化処理の電解電圧V0 を10〜25V
程度、弱酸水溶液中での電解処理における正側印加電圧
V1 を40V以下、負側印加電圧V2 を10〜40V程
度に設定するのが望ましく、この範囲で上記のV0 、V
1 、V2 に関する条件を満たせば良い。
理後に酢酸ニッケル溶液等に浸漬して封孔処理を実施す
ることも、画像ノイズを減少し得る点で推奨される。
持体には、続いて、有機物系材料等からなる感光層とし
て、例えば電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型感光
層を被覆形成する。かかる感光層の材料は、従来から知
られているものを適宜用いれば良い。例えば、電荷発生
層に用いる光導電体としては、フタロシアニン、アゾ、
キナクリドン、多環キノン、ペリレン、インジゴ、ベン
ズイミダゾ−ルなどの各種有機顔料を使用することがで
きる。なかでも、無金属フタロシアニン、銅、塩化イン
ジウム、塩化ガリウム、スズ、オキシチタニウム、亜
鉛、バナジウムなどの金属、又はその酸化物、塩化物の
配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリ
スアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。
あるいはバインダ−中に微粒子分散した状態で形成され
る。ここで使用されるバインダ−樹脂としてはポリビニ
ルブチラ−ル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、メチルセルロ−ス、ポリカ−
ボネ−ト樹脂などを挙げうる。バインダ−樹脂100重
量部中、上記光導電体を20〜300重量部含有させる
ことが好ましく、特に30〜150重量部が好ましい。
この様な電荷発生層の膜厚は通常5μm以下、好ましく
は0.01〜1μmが適当である。
しては、ポリビニルカルバゾ−ル、ポリビニルピレン、
ポリアセナフチレンなどの高分子化合物又は、各種ピラ
ゾリン誘導体、オキサゾ−ル誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体などの低分子化合物を使用でき
る。これらの電荷輸送材料と共に必要に応じてバインダ
−樹脂が配合される。
チルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルな
どのビニル重合体及びその共重合体、ポリカ−ボネ−
ト、ポリエステル、ポリサルホン、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂などを挙げうる。またこれら
の部分的架橋硬化物も使用される。上記電荷輸送材料
を、バインダ−樹脂100重量部中に30〜200重量
部、特に50〜150重量部含有させることが好まし
い。
止剤、増感剤などの各種添加剤を含んでいても良い。
好ましくは10〜25μmの厚みで使用される。
ち、弱酸水溶液中において所定電圧条件下で正負を交互
に繰り返す矩形波電圧を印加して電解処理を行うから、
硫酸陽極酸化皮膜のバリヤー層が破壊生成され、皮膜の
微細孔中に残存している画像劣化の原因となるS04 2-
等のアニオンが除去される。
ム支持体を硫酸浴中で電解処理して支持体表面に硫酸陽
極酸化皮膜を形成したのち、さらに弱酸水溶液中におい
て正負を交互に繰り返す矩形波電圧を印加して電解処理
を行うに際し、正の印加電圧V1 を、前記硫酸浴中での
電解電圧V0 及び負の印加電圧V2 に対して、V1 ≧V
0 、V1 ≧V2 に設定し、かつV2 ≠0に設定して電解
処理を行うことを特徴とするものであるから、硫酸陽極
酸化皮膜の微細孔中のアニオン等を効果的に排除でき
る。従って、後述の実施例によっても明らかなごとく、
通常の使用環境はもとより、高温高湿環境下においても
アニオン等の残存に起因して生じていた小黒点ノイズ等
画像ノイズを抑制することができ、画像品質を向上する
ことができる。
管(押出引抜管)を複数用意した。
前処理は脱脂(使用界面活性剤:JCB−12A(日本
シービーケミカル社製)、30g/l、65℃×5
分)、水洗(井水、流水、3分)、中和(HNO3、1
3w/v%、常温×2分)、水洗(井水、流水、3分)
の順次的実施により行った。
0℃、1A/dm2 ×30分、電解電圧V0 =15Vの
条件で硫酸陽極酸化処理を行った。
0℃のホウ酸水溶液中で正負を交互に繰り返す矩形波電
圧を印加して電解処理を行った。なお、周波数は1/1
0〜100Hzに設定した。そして、かかる電解処理に
際して、正の印加電圧V1 、負の印加電圧V2 、正電圧
の印加時間t1 、負電圧の印加時間t2 をそれぞれ表1
のように変えて処理を行った。
て2度の水洗(井水、流水、3分)、酢酸ニッケル封孔
(5g/l、45℃×10分)、水洗(純水、1分)及
び自然乾燥を順次的に行った。
と電荷輸送層とを有する感光層を以下のようにして被覆
形成した。即ち、CGL層は、無金属フタロシアニンを
テトラヒドロフランにて4%に希釈して、膜厚が約0.
5μmになるように塗工し乾燥して形成した。次に、C
T剤(ヒドラゾン化合物)とCT樹脂(ポリカーボネー
ト)を1:2の比率で塩化メチレンに溶解して、膜厚が
約20μmになるように塗工し乾燥してCTL層とし
た。
験を行った。画像試験は、初期電位を−750V、現像
バイアスを−500Vで反転現像したときの画像上の白
紙部での黒斑点の発生状況を調べることにより行った。
その結果を表1に併せて示す。
電圧における負の印加電圧V2 が零であり、No5、1
0、15、18、23、28の比較品はV1 <V2 であ
り、No16、17、21、22、26、27の比較品
はV1 <V0 、V1 <V2 であり、いずれも本発明の条
件を逸脱するため画像に黒斑点が認められた。また、本
発明の条件を満足する実施品はいずれも黒斑点は認めら
れなかった。従って、本発明によれば画像ノイズを抑制
し得ることを確認し得た。
理の印加電圧の波形図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム支持体を硫酸浴中で電解処
理して支持体表面に硫酸陽極酸化皮膜を形成したのち、
さらに弱酸水溶液中において正負を交互に繰り返す矩形
波電圧を印加して電解処理を行うに際し、正の印加電圧
V1 を、前記硫酸浴中での電解電圧V0 及び負の印加電
圧V2 に対して、V1 ≧V0 、V1 ≧V2 に設定し、か
つV2 ≠0に設定して電解処理を行うことを特徴とする
電子写真用感光体の下地処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6804892A JP2806132B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 電子写真用感光体の下地処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6804892A JP2806132B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 電子写真用感光体の下地処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05273779A JPH05273779A (ja) | 1993-10-22 |
JP2806132B2 true JP2806132B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=13362517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6804892A Expired - Lifetime JP2806132B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 電子写真用感光体の下地処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2806132B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2768634B2 (ja) * | 1994-05-06 | 1998-06-25 | 株式会社神戸製鋼所 | 印刷性に優れた感光体ドラムの製造方法 |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP6804892A patent/JP2806132B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05273779A (ja) | 1993-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006146227A (ja) | フォトレセプタ、方法及び電子写真システム | |
JP2806132B2 (ja) | 電子写真用感光体の下地処理方法 | |
JP2619163B2 (ja) | 電子写真用感光体の下地処理方法 | |
JP3257177B2 (ja) | 電子写真感光体用導電性基体および感光体 | |
JP2784291B2 (ja) | 電子写真用有機感光体及びその下地処理方法 | |
JP2619171B2 (ja) | 電子写真用有機感光体及びその下地処理方法 | |
JPS63214759A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2000221719A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2784290B2 (ja) | 感光ドラム用無切削アルミニウム管の洗浄方法 | |
JP2619162B2 (ja) | 電子写真用感光体の下地処理方法 | |
JP3107658B2 (ja) | 電子写真用有機感光体の下地処理方法 | |
JPH05232733A (ja) | 電子写真用積層型感光体及びその下地処理方法 | |
JP3279167B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2718066B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2980107B1 (ja) | 電子写真感光体用の導電性基体およびその製造方法 | |
JPH10288850A (ja) | 電子写真用感光体基板および電子写真用感光体 | |
JP2582126B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JP2763973B2 (ja) | 電子写真用積層型感光体の下地処理方法 | |
JP3691082B2 (ja) | 液体現像用電子写真感光体 | |
JPH07120062B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2757393B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JPH01312554A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2548226B2 (ja) | 電子写真感光体製造方法 | |
JPH0784391A (ja) | 電子写真感光体用支持体の製造方法および電子写真感光体 | |
JPH09244288A (ja) | 電子写真感光体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090724 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090724 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100724 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100724 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110724 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110724 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724 Year of fee payment: 14 |