JP3691082B2 - 液体現像用電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液体現像用電子写真感光体に関するものである。詳しくは液体現像法を利用した電子写真プロセスにより画像形成される複写機や光プリンタなどに使用される電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
【0003】
有機系感光体の中でも電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案され、開発の主流となっている。
積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組合せることにより高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、感光体の主流になる可能性も高く鋭意開発されている。
【0004】
一方、ここ数年解像度や中間調の再現性等の画像品質の向上を狙い、ハード面では電子写真技術、すなわち読み取り素子、書込み素子、画像処理デバイス等のデジタル化が急速に進みつつあるが、従来より高画質化を達成するための手段として液体現像を用いることがよく知られている。液体現像では通常の乾式現像と比較して、トナー粒子を非常に微細にできるため、高解像力でかつ良好な画像再現性を得ることができる。液体現像剤は、通常高電気絶縁性媒体中(溶剤)に染顔料、ポリマー粒子を分散させて着色し、これに帯電制御剤を加え所定の電荷を付与したものである。しかし液体現像を行なうことにより高解像度が得られる反面、感光体の欠陥に由来する不均一部分を、乾式現像に比較し、より忠実に画像上に再現しやすくなる。そのため液体現像に使用する感光体にはより高品質なものが要求される。特に感光体として現在主流となっている積層型有機感光体を使用する場合には、その電荷発生層が比較的薄い膜厚で形成されるため、基体表面の汚れや欠陥、例えば切削傷や不純物金属に由来するもの等の影響を受けやすくなる。また、電荷発生層は一般に顔料粒子をバインダー中に分散して形成される場合が多いが、この様な場合に異物、はじき、凝集物等の塗布欠陥を生じやすく、これらも液体現像においては、画像欠陥として現れやすくなる。
【0005】
一方、光プリンターでの画像形成方法としては、光の有効利用或いは解像力を上げる目的から、光を照射した部分にトナーを付着させ画像を形成する、いわゆる反転現像方式を採用することが多い。反転現像プロセスにおいては、暗電位部が白地となり、明電位部が黒地部(画線部)になるが、このシステムにおいては感光体上に欠陥等による局所的帯電不良が存在すると、白地への黒点、或いは多数存在すると地かぶりと呼ばれる現象となり、著しい画像不良となって現れる。
【0006】
このような局所的帯電不良は、正規現像において使用した場合には何ら問題の無いレベルであっても、反転現像においては画像不良となりやすくなる。
この問題の原因、すなわち局所的帯電不良には種々の原因が考えられるが、電極である導電性支持体と感光層の間で、電荷の注入が局所的に起り、帯電電位が上がらないことによるものが主因と考えられる。
【0007】
これまで液体現像に使用可能な有機系感光体としては、パラフィン系石油溶剤に実質上不溶なアクリル樹脂とビニル系樹脂を混合したバインダーを使用した例(特公昭53−11856号公報)、液体現像剤に不溶性の樹脂をオーバーコート層として使用した例(特開昭52−89328号公報)、サーモトロピック液晶性樹脂を使用した例等が報告されている。これらはいずれもバインダー樹脂により結着して形成されるタイプの感光体において、このバインダー樹脂が液体現像剤に使用される溶剤に接触あるいは浸漬したときに生じる軟化、膨潤、ひび割れ等による感光体の劣化(耐溶剤性)を改善しようとするものであり、これらの感光体を液体現像プロセスに用いた際の画像に関してはほとんど言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、正規あるいは反転現像において非常に高品質な画像が得られる液体現像プロセスにおいて、常に良好な画像品質が得られる有機系感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の、感光体の塗布欠陥の低減や、導電性支持体からの電荷の注入を抑制するために感光層と導電性支持体との間にブロッキング層を設けることは良く知られている。
この様なブロッキング層としては例えば酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、カゼインナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機樹脂層が使用されている。本発明者らは液体現像プロセスにおいて、この様な種々のブロッキング層の効果について種々検討したところ、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる導電性支持体表面に陽極酸化被膜を設けたものが最も効果的であり、非常に良好な画像を与えることを見出した。また、この様な反転現像を行なった場合の白地画像上の微小黒点欠陥の現われ方は、感光層の膜厚に対しても依存し、より厚い方が微小黒点の出方は低減されることがわかった。通常の乾式現像の場合には、陽極酸化被膜を設けただけでほとんどこの様な画像欠陥は問題にならないレベルであったが、液体現像系においてはこれだけでは不十分であった。そこで感光層の膜厚との依存性を詳細に検討した結果、19μm以上にすることにより液体現像においても非常に良好な画像が得られることを見出し本発明に到達した。これは感光層の膜厚を厚くすることにより、感光体の表面電位が同一の場合、電極表面の電界強度が弱くなり、電極からの電荷の注入を弱くできるためと考えられる。すなわち本発明の要旨は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性支持体上に、少なくとも有機系光導電層を有する液体現像用電子写真感光体において、該導電性支持体表面が陽極酸化被膜を有しており、かつ光導電層の膜厚が19μm以上であることを特徴とする液体現像用電子写真感光体にある。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。本発明の光導電層は導電性支持体上に設けられる。
導電性支持体としては、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用される。アルミニウムの材質としては、例えばA1050,A3003,A6063などが使用できる。
【0011】
この様なアルミニウム支持体は、本発明による陽極酸化被膜を設ける前に、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤、エマルジョン、電解などの各種脱脂洗浄方法により脱脂処理されることが好ましい。陽極酸化被膜は通常、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で陽極酸化処理されることにより形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も良好な結果を与える。
【0012】
硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミ濃度は2〜15g/l、液温は10〜30℃、電解電圧は5〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2 の範囲に設定されるのがよい。陽極酸化被膜の平均膜厚は通常15μm以下でかつ5μm以上で形成されることが好ましい。膜厚が薄すぎる場合にはブロッキング層としての効果が少なくなり、特に反転液体現像プロセスで用いた場合には、かぶりが生じやすくなる。一方、厚すぎた場合では陽極酸化被膜を形成するためのコストが高くなることと、陽極酸化被膜にひびが入りやすくなり、このひびが画像上現れやすくなる。
【0013】
この様にして形成された陽極酸化被膜は、例えば主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、或いは例えば主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施される。
低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液の濃度は適宜選べるが、3〜6g/lの範囲内で使用された場合が最も効果的である。
【0014】
また封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては25〜50℃、好ましくは30〜35℃で、またフッ化ニッケル水溶液のpHは4.5〜6.5好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、蟻酸、酢酸、カセイソーダ、酢酸ソーダ、アンモニア水等を用いることができる。
【0015】
処理時間は、被膜の平均膜厚1μmあたり1〜3分の範囲内で処理するのが好ましい。尚、被膜物性を更に改良するため、フッ化ニッケル、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。
高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることができるが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。
【0016】
酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は、3〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は65〜100℃、好ましくは80〜98℃で、また酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で使用するのがよい。
ここでpH調節剤としては、アンモニア水、酢酸ソーダ等を用いることができる。なおこの場合も被膜物性を改良するために、酢酸ナトリウム、有機カルボン酸塩、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。
【0017】
以上の様にして形成された封孔処理の施された陽極酸化被膜は、続いて十分水洗され、乾燥されることが好ましい。また陽極酸化、封孔、水洗工程においては様々な表面汚染が生じるため、物理的な接触こすり洗浄処理を施こし、最終的に清浄な表面にすることが望ましい。このこすり洗浄においては、以下に示すこすり材をブラシ状、フォーム状、或いは布状にして用いることが好ましい。
【0018】
こすり材としては、木綿、レーヨン、セルロース、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート等の合成繊維、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチックフォーム、ポリウレタン、ポリユリア等の熱硬化性プラスチックフォーム等を用いることができる。
こすり洗浄方法としては、これらのこすり材を陽極酸化被膜上に接触させ、水、メタノール、イソプロパノール等の溶剤を供給しながら、こすり材を機械的或いは人的に回転させながら洗浄する方法、往復させてこすり洗浄する方法、回転させながら往復させて洗浄する方法等を用いることができる。
【0019】
光導電層は電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層したもの、或いは逆に積層したもの、更には電荷輸送媒体中に電荷発生物質粒子を分散したいわゆる分散型などいずれも用いることができる。
積層型光導電層の場合、電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電物質、フタロシアニン、アゾ色素、キナクリドン、多環キノン、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、インジゴ、チオインジゴ、アントアントロン、ピラントロン、シアニン等の各種有機顔料、染料が使用できる。中でも無金属フタロシアニン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウム、錫、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム、等の金属又は、その酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料が好ましい。特にオキシチタニウムフタロシアニン、例えば特開昭63−218768号、62−134651号、2−特開平2−111955号公報等に記載されているX線回折パターンを示すもの、x型或いはτ型等の無金属フタロシアニン、ビスアゾ顔料等が好ましい。電荷発生層はこれらの物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の分散層で使用してもよい。中でもポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール類、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂等が特に好ましい。この場合の使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから2μm、好ましくは0.15μmから0.8μmが好適である。また電荷発生層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。また電荷発生層は上記電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。
【0020】
電荷輸送層は、基本的にバインダー樹脂中に低分子量の電荷輸送物質を分散したタイプ、ポリマータイプの電荷輸送層等、いずれのタイプも用いることができる。
低分子量の電荷輸送物質としては、これまでに知られている例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサゾアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体などの電子供与性物質を、ポリマータイプの電荷輸送層としてはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子吸引性物質あるいは電子供与性物質の中から選択できる。中でも感度や応答性に優れるヒドラゾン系化合物、例えば下記に示す例示化合物 No.1〜16、スチルベン系化合物、例えば No.17〜22、芳香族アミン系化合物、例えば No.23〜30等を使用することが好ましい。
【0021】
【化1】
Figure 0003691082
【0022】
【化2】
Figure 0003691082
【0023】
【化3】
Figure 0003691082
【0024】
【化4】
Figure 0003691082
【0025】
【化5】
Figure 0003691082
【0026】
【化6】
Figure 0003691082
【0027】
【化7】
Figure 0003691082
【0028】
なかでも液体現像における耐溶剤性を十分に持たせるため、たとえば特願平5−70089号に記載されているような、特定の溶剤に対する溶解度が比較的小さい電荷輸送物質、あるいは特願平5−87380号公報に記載されているようなガラス転移点温度が50℃以上であるような電荷輸送物質を用いることが好ましい。
【0029】
電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等があげられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。
【0030】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常、30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。
また電荷輸送層には、必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。電荷輸送層の膜厚は19μm以上、好ましくは22μm以上45μm以下の厚みで使用される。最表面層として従来公知の例えば熱可塑性或いは熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコート層を設けても良い。通常は、電荷発生層の上に電荷輸送層を形成するが、逆も可能である。各層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
【0031】
分散型光導電層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送物質を主成分とするマトリックス中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5−50重量%の範囲で、より好ましくは1−20重量%の範囲で使用される。感光層の膜厚は20μm以上、好ましくは22μm以上45μm以下の厚みで使用される。またこの場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明による陽極酸化被膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金を導電性支持体として使用し、かつ光導電層の膜厚が19μm以上である液体現像用電子写真感光体を、正規あるいは反転液体現像いずれのプロセスにおいて使用しても、非常に画像欠陥の少ない良好な画像を得ることができる。
【0033】
また繰り返し使用においてもほとんど画質は低下することなく、常に安定した画像を得ることができる。従って、液体現像を用いた白黒およびカラーの複写機やプリンタ等になんら問題なく幅広く使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが特にこれらに限定されるものではない。
【0035】
実施例−1
表面を鏡面仕上げした肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを脱脂剤、NG−#30〔キザイ(株)製〕の30g/l水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行なった。続いて水洗を行なった後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。更に水洗後、180g/lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/l)で1.2A/dm2 の電流密度で陽極酸化を行ない、平均膜厚8μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで水洗後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500〔奥野製薬工業(株)製〕の10g/l水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行なった。続いて水洗を行なった後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜全面を3回、往復させてこすり洗浄を行なった。次いで水洗し乾燥した。
【0036】
次に図−1に示すCuXの線による粉末X線スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部、ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、エスレックBH−3)5重量部に1,2−ジメトキシエタン500重量部を加え、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行なった。この分散液に先に形成した陽極酸化被膜を設けたアルミシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。
次にこのアルミシリンダーを、次に示すヒドラゾン化合物60重量部、
【0037】
【化8】
Figure 0003691082
及びシアノ化合物を1.5重量部
【0038】
【化9】
Figure 0003691082
【0039】
及び以下に示すポリカーボネート樹脂〔粘度平均分子量30,000〕100重量部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層を設けた。この様にして得られたドラムを感光体Aとする。
【0040】
【化10】
Figure 0003691082
【0041】
実施例−2
実施例−1において電荷輸送層の膜厚を23μmとする以外は、実施例−1と同様に行ない、感光体Bを作成した。
【0042】
実施例−3
実施例−1において電荷輸送層の膜厚を25μmとする以外は、実施例−1と同様に行ない、感光体Cを作成した。
【0043】
比較例−1
実施例−1において電荷輸送層の膜厚を17μmとする以外は、実施例−1と同様に行ない、比較感光体Dを作成した。
【0044】
比較例−2
実施例−1において導電性支持体として表面を鏡面仕上げした肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを用いた以外は、実施例−1と同様に行ない、感光体Eを作成した。
【0045】
以上の様にして作成した各々の感光体を、反転の液体現像プロセスからなるレーザープリンタの試作機に装着し、現像コントラスト電位を400〜600Vに変化させ画像の評価を行なった。
得られた白地画像部の汚れ(かぶり)に関し、評価した結果を表−1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003691082
記号の説明
◎ :かぶりはまったくなく、非常に良好な画像。
○ :良好な画像
△ :ほんの一部にかぶりは見られるが、まずまず良好な画像。
× :全体にかぶっている。
××:全面がかぶっており黒地部とのコントラストが非常に小さくなっている。
【0047】
以上の結果から明らかなように、本発明の液体現像用感光体により非常に良好な画像が得られることがわかる。

Claims (2)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導電性支持体上に、少なくとも有機系光導電層を有する液体現像用電子写真感光体において、該導電性支持体表面が封孔処理された陽極酸化被膜を有しており、かつ光導電層の膜厚が19μm以上であることを特徴とする液体現像用電子写真感光体。
  2. 有機系光導電層が電荷発生層および電荷輸送層からなることを特徴とする請求項1記載の液体現像用電子写真感光体。
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