JP4535960B2 - 湿式現像用電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式現像用電子写真感光体及び画像形成装置に関し、特に、所定の分子量を有する電子輸送剤及び正孔輸送剤を用いることにより、優れた耐溶剤性及び耐摩耗性を示すとともに、長期間に渡って所定の感度特性を維持することができる湿式現像用電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置に関する。
静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの画像形成装置には、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する電子写真感光体が使用されている。
近年の電子写真感光体は、有機感光体(OPC)が主流であって、この有機感光体の感光層は、電荷発生剤と、電荷輸送剤とを含有する結着樹脂を用いて形成されている。
かかる有機感光体を用いた画像形成装置においては、現像剤として粉体のトナー(乾式現像剤)を用いる乾式現像法が一般的である。一方、電気絶縁性の高い溶剤中に着色剤、ポリマー粒子などを分散させた湿式現像剤を用いて、感光体表面の静電潜像にトナー粒子を電気泳動させて現像する湿式現像法も知られている。
この湿式現像剤において、トナー粒子は、それを構成する樹脂や帯電制御剤によって所定の電荷に帯電しており、溶剤中にて安定に分散している。従って、湿式現像剤には、乾式現像剤に比べて粒径の小さなトナー粒子(通常1μm程度)を用いることができ、その結果、湿式現像を採用することで、乾式現像に比べて解像度の高い画像形成を行うことができる。
また、乾式現像ではリークなどによって局所的に帯電電位が低下するという問題が生じるものの、湿式現像ではかかる問題を生じることがない。それゆえ、湿式現像剤および湿式現像は、高品位の画像形成を実現する上で好適である。
しかしながら、湿式現像剤の溶剤には高い電気絶縁性が求められることから、イソパラフィンやn−パラフィンなどのパラフィン系溶媒が多用されているところ、感光体が湿式現像剤と長時間にわたって接触することで、感光層中の電荷輸送剤がパラフィン系溶媒中に溶出してしまい、感光体の感度が低下するという問題がある。また、感光層を形成する結着樹脂がパラフィン系溶媒によって膨潤してしまい、感光層が軟化、ひび割れなどによって劣化するという問題もある。
そこで、湿式現像剤を用いた湿式現像において、経時的に電荷輸送剤が感光層から湿式現像剤中へと溶出したり、感光層が劣化したりするのを抑制することのできる有機感光体が開示されている(特許文献1〜9参照)。
特開平7−191487号公報 特開平7−191488号公報 特開平7−325419号公報 特開平7−325420号公報 特開平6−282085号公報 特開平7−160020号公報 特開平7−261433号公報 特開2000−199979号公報 特開平10−251206号公報
しかしながら、特許文献1〜5には、湿式現像用の有機感光体に係る発明が開示されているものの、これらの発明はいずれも、感光体の塗布欠陥の低減や、導電性支持体からの電荷の注入を抑制する目的で、感光層と導電性基体との間にブロッキング層を設けることを特徴としており、層構成が複雑で、製造に手間やコストがかかるという問題がある。また、特許文献1〜5においては、電荷輸送剤の湿式現像剤中への溶出や感光層の膨潤による劣化を抑制することについては、特段の考慮がなされていない。
さらに、特許文献6〜9には、電子輸送能に優れた電子輸送剤が記載されているものの、電荷輸送剤が湿式現像剤中に溶出したり、湿式現像剤の溶剤によって感光層が膨潤し、劣化したりするのを防止、抑制することについては、何らの記載も示唆もない。
そこで、本発明の本発明者は鋭意検討した結果、特定の電子輸送剤及び正孔輸送剤を含む湿式現像用電子写真感光体を用いることにより、優れた耐溶剤性及び耐磨耗性を示すとともに、長期間に渡って所定の感度特性を維持できることを見出した。
すなわち、画像形成を繰り返した場合であっても、湿式現像剤への電子輸送剤及び正孔輸送剤の溶出量を抑制した湿式現像用電子写真感光体及びそのような画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、少なくとも電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、湿式現像剤として、炭化水素系溶剤をトナー分散媒として含む湿式現像剤を用いるとともに、電子輸送剤として、下記一般式(e1)〜(e8)で表わされる化合物を少なくとも1種含むとともに、当該電子輸送剤の分子量を600以上の値とし、正孔輸送剤として、下記一般式(h1)〜(h2)で示される部位を有する化合物を少なくとも1種含むとともに、当該正孔輸送剤の分子量を1001.30以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、本発明の湿式現像用電子写真感光体によれば、所定の分子量を有する電子輸送剤及び正孔輸送剤を含む感光体を用いることにより、優れた耐溶剤性及び耐磨耗性を示すとともに、長期間に渡って所定感度を維持できるようになった。



(式(e1)〜(e4)中、R1は、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または一般式:−R8−Ar1−R9−で示される二価基を示す。R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立しており、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、または炭素数6〜18のアリール基を示す。R8およびR9は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数2〜8のアルキリデン基を示す。s、tおよびuは、それぞれ独立しており、0〜4の整数を示す。Ar1は、炭素数6〜18のアリーレン基を示す。Yは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または一般式:−R10−Ar1−R11−で示される二価基を示す。R10およびR11は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数2〜8のアルキリデン基を示す。)



(一般式(e5)〜(e8)中のX1〜X6はそれぞれ独立しており、酸素原子またはC(CN)2で表される基であり、Y1〜Y4はそれぞれ独立しており、2〜4価の炭素数1〜30の置換または非置換の炭化水素基、あるいは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキレン基、炭素数6〜15の置換または非置換のアリーレン基、下記式(e´1)〜(e´3)のいずれかで示される基であり、R12は水素原子、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、あるいは炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基であり、R13〜R16はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシカルボニル基であり、繰り返し数aは0〜4の整数であり、b〜dはそれぞれ独立しており、0〜7の整数であり、m、n、p、qはそれぞれ独立しており、2〜4の整数である。)


(式(h1)〜(h2)中、R17、R18およびR21は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキル基、2−ジフェニル−1−エテニル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子、下記の一般式(11)、(12)および(13)のいずれかで示される基、または、ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる炭素原子、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む基を示す。mは0〜5の整数を示し、nは0〜4の整数を示す。mまたはnが2以上のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つの上記アルキル基または上記アルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環とともに飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。R4は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。oは0〜5の整数を示す。oが2以上のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つの上記アルキル基または上記アルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環とともに飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。R20は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。)


(R22〜R26は、それぞれ独立しており、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。)
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂が、下記一般式(b)で表されるポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。
(R27およびR28は、それぞれ独立しており、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。aおよびbは、それぞれ独立しており、0〜4の整数を示す。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜11のシクロアルキリデン基、炭素数6〜12のアリーレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、ピラジニリデン基、または一般式(i):−C(R29)(R30)−で示される二価基を示す。R29およびR30は、それぞれ独立しており、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。但し、R29およびR30は、同時に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基でないものとする。)
このように構成することにより、炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性をあげることができ、長期間に渡って安定的な画像形成ができるようになる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(b)中のXが、エチリデン、イソプロピリデン、または2,2−ブチリデンであることが好ましい。
このように構成することにより、さらに炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性をあげることができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、感光層形成時における電子輸送剤の結晶化を有効に防ぐことができるようになり、感度特性に優れた感光体を得ることができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、感光層形成時における正孔輸送剤の結晶化を有効に防ぐことができるようになり、感度特性に優れた感光体を得ることができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂の粘度平均分子量を40,000〜80,000の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、炭化水素系溶媒に長時間浸漬した場合であっても、電子輸送剤及び正孔輸送剤の溶出量を有効に防止するとともに、かつ、耐オゾン性にも優れた感光体を得ることができる。
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が、単層型であることが好ましい。
このように構成することにより、感光体の構成や製造が容易になり、所望の感光体を効率よく製造することができる。
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程を実施するための帯電器、露光工程を実施するための露光器、現像工程を実施するための湿式現像器、転写工程を実施するための転写器をそれぞれ配置した画像形成装置である。
すなわち、帯電工程を実施するための帯電器、露光工程を実施するための露光器、現像工程を実施するための湿式現像器、転写工程を実施するための転写器を備えた湿式画像形成装置に対して、所定の分子量の電子輸送剤及び正孔輸送剤を用いた湿式現像用電子写真感光体を用いることにより、優れた耐溶剤性と、耐久性と、長期間に渡って所定感度を維持できる。
以下、本発明の湿式現像用電子写真感光体に関する実施の形態を、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1実施形態]
第1の実施形態は、少なくとも電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、湿式現像剤として、炭化水素系溶剤をトナー分散媒として含む湿式現像剤を用いるとともに、電子輸送剤として、一般式(e1)〜(e8)で表わされる化合物を少なくとも1種含むとともに、当該電子輸送剤の分子量を600以上の値とし、正孔輸送剤として、一般式(h1)〜(h2)で示される部位を有する化合物を少なくとも1種含むとともに、当該正孔輸送剤の分子量を1001.30以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体である。
ここで、湿式現像用電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の湿式現像用電子写真感光体は、いずれにも適用可能であり、それぞれ分けて態様を説明する。
1.単層型湿式現像用電子写真感光体
(1)基本的構成
図1(a)に示すように、単層型湿式現像用電子写真感光体(以下、単層型感光体と称する)10は、導電性基体12上に単一の感光層14を設けたものである。
この感光層14は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を所定の溶媒に溶解又は分散させた塗布液を、導電性基体12上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。また、この単層型感光体10は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、感光層を形成する際の被膜欠陥を抑制できることから、生産性に優れるという特徴を有する。更に、層間の界面が少ないことから、光学的特性を向上させることができる。
なお、図1(b)に例示するように、導電性基体12上に、中間層16を介して、感光体層14を備えた電子写真感光体10´であっても良い。
(2)導電性基体
本発明の湿式現像用電子写真感光体に用いられる導電性基体としては、特に限定されず、基体自体が導電性を有するか、または、基体の表面が導電性を有する種々の材料が挙げられる。具体的には、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、例えば、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、例えば、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラス、例えば、カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散させた樹脂基体などが挙げられる。
また、導電性基体の形状は、電子写真感光体を使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状などの種々の形状を採用することができる。
(3)電子輸送剤
(3)−1 分子量
本発明の湿式現像用電子写真感光体に用いられる電子輸送剤は、分子量が600以上であることを特徴とする。
また、このように電子輸送剤の分子量を規定することで、感光層からの電子輸送剤の溶出量を抑制するとともに、感光層の劣化を防止することができることから、かかる分子量を600〜2000の範囲内の値とすることが好ましく、600〜1000の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、電子輸送剤の分子量は、構造式に基づいて算出した値を用いてもよく、質量スペクトルでの測定値を用いてもよい。
(3)−2 化合物1
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体に用いられる電子輸送剤として、上記一般式(e1)〜(e8)で表される化合物を少なくとも1種を含むことを特徴とするが、上記一般式(e1)〜(e4)で表わされる化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
ここで、一般式(e1)および(e2)中のR1としては、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または式:−R8−Ar1−R9−で示される二価基が挙げられる。
炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレンなどが挙げられる。なかでも、メチレンまたは炭素数2〜8のα,ω−アルキレン基が好ましく、エチレンがより好ましい。
炭素数2〜8のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン、イソプロピリデン、2,2−ブチリデン(CH3CH2(CH3)C=)、3,3−ペンチリデン((CH3CH22C=)などが挙げられる。
一般式:−R8−Ar1−R9−中のR8およびR9としては、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数2〜8のアルキリデン基が挙げられる。R8およびR9に相当する炭素数1〜8のアルキレン基および炭素数2〜8のアルキリデン基としては、それぞれ、上記例示の基と同様の基が挙げられる。
一般式(e1)および(e2)中のAr1、ならびに、一般式:−R8−Ar1−R9−中のAr1としては、炭素数6〜18のアリーレン基が挙げられる。
炭素数6〜18のアリーレン基としては、例えば、o、mまたはp−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,6−ナフチレンなどが挙げられる。
一般式(e1)、(e2)、(e3)および(e4)中のR2、R3、R4、R5、R6およびRとしては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、または炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、2−メチルペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−ジフェニル−1−エテニル、4−フェニル−1,3−ブタジエニル、アリルなどが挙げられる。
炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル、o、mまたはp−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−キシリル、o、mまたはp−クメニル、メシチル、ナフチル、ビフェニルなどが挙げられる。
一般式(e3)および(e4)中のYとしては、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または式:−R10−Ar1−R11−で示される二価基が挙げられる。
Yに相当する炭素数1〜8のアルキレン基および炭素数2〜8のアルキリデン基としては、それぞれ、上記例示の基と同様の基が挙げられる。
また、上記一般式:−R10−Ar1−R11−中のR10およびR11としては、炭素数1〜8のアルキレン基または炭素数2〜8のアルキリデン基が挙げられる。R10およびR11に相当する炭素数1〜8のアルキレン基および炭素数2〜8のアルキリデン基としては、それぞれ、上記例示の基と同様の基が挙げられる。上記一般式:−R10−Ar1−R11−中のAr1は、上記Ar1と同様である。
一般式(e1)中のR2は、上記例示のなかでも、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、より好ましくは、t−ブチルが挙げられる。R2の置換数を示すsとしては、0〜4の整数が挙げられ、好ましくは、0または1、より好ましくは、1である。
一般式(e1)中のAr1は、上記例示のなかでも、好ましくは、フェニレンが挙げられ、より好ましくは、o−フェニレンが挙げられる。
一般式(e2)中のR3は、上記例示のなかでも、好ましくは、ニトロ基である。R3の置換数を示すtとしては、0〜4の整数が挙げられ、好ましくは、0または1、より好ましくは、1である。
一般式(e2)中のAr1は、上記例示のなかでも、好ましくは、フェニレンが挙げられ、より好ましくは、o−フェニレンが挙げられる。
一般式(e3)中のR4は、上記例示のなかでも、好ましくは、炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、より好ましくは、フェニルが挙げられる。
一般式(e3)中のYは、上記例示のなかでも、好ましくは、一般式:−R10−Ar1−R11−で示される二価基が挙げられる。より好ましくは、式:−CH2−C64−CH2−で示される二価基が挙げられ、より好ましくは、式:−CH2−C64−CH2−で示される二価基のうち、2つのメチレンがパラ位に結合した基が挙げられる。
一般式(e4)中のR5の置換数を示すuとしては、0〜4の整数が挙げられ、好ましくは、0である。
一般式(e4)中のR6およびR7は、上記例示のなかでも、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、より好ましくは、R6およびRがともにt−ブチル、またはR6およびR7がともにフェニルである場合が挙げられる。
一般式(e4)中のYは、上記例示のなかでも、好ましくは、単結合、炭素数2〜8のアルキリデン基、または一般式:−R10−Ar1−R11−で示される二価基が挙げられ、より好ましくは、単結合、イソプロピリデン、または式:−C(CH32−C64−C(CH32−のうち、2つのイソプロピリデンがパラ位に結合した基が挙げられる。
(3)−3 化合物2
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体に用いられる電子輸送剤として、一般式(e5)〜(e8)で表される化合物を少なくとも1種以上含有することが好ましい。
この理由は、かかる電子輸送剤はそれぞれキノン誘導体またはジシアノメチレン誘導体がエステルを介して結合した多量体であり、それぞれエステル結合を有しているため、結着樹脂との相溶性に優れることができ、優れた耐溶剤性を示すことができるためである。また、それぞれ多量体からなる化合物であるため、結着樹脂との相溶性がさらに向上し、電気的特性および耐熱性を向上することができるためである。したがって、このような化合物を少なくとも一種以上含有する湿式現像用電子写真感光体により、長期間にわたって安定した画像形成実施することができる。
また、一般式(e5)〜(e8)中のY1〜Y4が炭素数1〜10の置換または非置換のアルキレン基、あるいは炭素数6〜15の置換または非置換のアリーレン基、式(e´1)〜(e´3)のいずれかで示される基であることが好ましい。
この理由は、このような置換基を有することにより、結着樹脂との相溶性がさらに向上することができるためである。また、電子の分布が非局在化し、かつ平面的になることによって、電荷移動度が大きくなるとともに、電荷発生剤からの電荷の注入性を高めることができるためである。
(3)−4 具体例
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(4)〜(9)で表される化合物(ETM−A〜F)が挙げられる。
また、従来公知の電子輸送剤を併用することも好ましい。かかる電子輸送剤の種類としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の電子受容性を有する種々の化合物が挙げられ、1種単独または2種以上をブレンドして使用することが好ましい。
また、これらの化合物のうち、樹脂60重量%に対して、濃度40重量%に調整した場合であって、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である電子輸送剤がより好ましい。
(3)−5 添加量
また、湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂100重量部に対して、電子輸送剤の添加量を、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(3)−6 無機性値/有機性値
また、本発明に用いられる電子輸送剤としては、無機性値/有機性値(以下、I/O値と言う)が0.6以上のものを使用することが好ましい。
この理由は、後述する特定のI/O値を有する結着樹脂との相互作用により、正孔輸送剤の分散性や安定性が向上し、有機性が大きい炭化水素系溶媒中へ正孔輸送剤が溶出しにくくなるためである。
従って、炭化水素系溶媒中にトナー粒子が分散した現像溶液を用いた湿式画像形成装置に使用された場合でも、優れた耐溶剤性及び耐久性優れた画像特性(明電位)を得ることが出来る。
ただし、かかるI/O値の値が過度に大きくなると、溶剤や結着樹脂に対する溶解性が低下して、結晶化したり、感光体の電気特性が低下したりする場合がある。従って、電子輸送剤のI/O値を0.6〜1.7の範囲内の値とすることがより好ましく、0.65〜1.6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、本発明において、無機性値/有機性値(以下、I/O値と呼ぶことがある)とは、各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、例えばKUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。すなわち、炭素(C)1個を有機性20とし、それを基準として、各極性基の無機性値及び有機性値を表1の如く定め、各極性基における無極性値の和(I値)と、有機性値の和(O値)を求めて、それぞれの比をI/O値としたものである。なお、表1において、Rは、主にアルキル基を示し、φは、主にアルキル基もしくはアリール基を示している。
ここで、I/O値の概念をさらに詳細に説明すると、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけた指標ということができる。即ち、無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、表1に示されている通り、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値は、該有機化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。

一方、有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基準として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、表1に示されている通り、ニトロ基(−NO2)の有機性値は70である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該有機化合物が有している各種置換基や結合等の有機性値の総和を意味する。よって、例えば、後述するETM−AのI/O値は、以下のようにして算出される。
(有機性因子)
・有機性20の炭素原子を38個有している。
よって、有機性値は20×38=760となる。
(無機性因子)
・無機性が60のナフタレン環を2個有している。
・無機性が15のベンゼン環を2個有している。
・無機性が20の酸素原子(−O−)を3個有している。
・無機性が65のケトン(>CO)を6個有している。
よって、ETM−Aの無機性値(I値)は、(60×2)+(15×2)+(20×3)+(65×6)=600となる。即ち、ETM−AのI/O値は600/760=0.789と求められる。
また、本発明に用いられる電子輸送剤としては、無機性値/有機性値(以下、I/O値と言う)が0.6未満のものを使用することも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、無機性値/有機性値(I/O値)が低いバインダー樹脂との相溶性が良くなり、結晶化を抑制することができるためである。
ただし、かかるI/O値の値が過度に小さくなると、溶剤や結着樹脂に対する溶解性が過度に上昇し、感光体の電気特性が低下したりする場合がある。従って、電子輸送剤のI/O値を0.3〜0.6の範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.5の範囲内の値とすることがより好ましい。
(4)正孔輸送剤
(4)−1 分子量
本発明の湿式現像用電子写真感光体に用いられる正孔輸送剤は、分子量が1001.30以上であることを特徴とする。
また、このように正孔輸送剤の分子量を規定することで、感光層からの正孔輸送剤の溶出量を抑制するとともに、感光層の劣化を防止することができることから、かかる分子量を1001.30〜4000の範囲内の値とすることが好ましく、1001.30〜2500の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、正孔輸送剤の分子量は、構造式に基づいて算出した値を用いてもよく、質量スペクトルでの測定値を用いてもよい。
特に、正孔輸送剤の分子量が1001.30以上の場合には、その溶出を抑制する効果が大きくなる。正孔輸送剤の分子量の上限については特に限定されるものではないが、上記好適範囲の上限値を超えて分子量が大きくなると、感光層中での分散性が低下したり、正孔輸送能が低下したりするおそれがある。なお、正孔輸送剤の分子量は、構造式に基づいて算出した値を用いてもよく、質量スペクトルでの測定値を用いてもよい。
(4)−2 化合物
なかでも、正孔輸送剤として、上記一般式(h1)〜(h2)で示される部位を有する化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする
このような正孔輸送剤を用いることで、正孔輸送剤が溶出することを抑制することができる。

一般式(h1)および(h2)中のR17、R18およびR21としては、炭素数1〜8のアルキル基、2−ジフェニル−1−エテニル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子、上記式(1)、(2)および(3)のいずれかで示される基、または、ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる炭素原子、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む基が挙げられる。
これらの基のうち、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基およびハロゲン原子としては、上述したのと同様の基が挙げられる。
炭素数7〜18のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、フェネチル、1−フェニルプロピル、ベンズヒドリル、o、mまたはp−メチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−ジメチルベンジルなどが挙げられる。
一般式(1)、(2)および(3)中のR22〜R26としては、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基が挙げられる。これらの基としては、上述したのと同様の基が挙げられる。
また、R17、R18およびR21に相当する基のうち、ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる「炭素原子を含む基」としては、例えば、上記例示の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、上記式(1)で示される基、および上記式(2)で示される基のほか、エーテル結合、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ結合、チオエーテル結合またはアゾ原子団を有する炭化水素基が挙げられる。
ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる「窒素原子を含む基」、または窒素原子と単結合で結合してなる「窒素原子を含む基」としては、例えば上記式(3)で示される基のほか、ニトロ基、アミノ基、アゾ基などが挙げられる。アミノ基やアゾ基については、さらにアルキル基、アリール基などを有していてもよい。
ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる「酸素原子を含む基」、または窒素原子と単結合で結合してなる「酸素原子を含む基」としては、例えば炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数7〜18のアラルキルオキシ基などが挙げられる。炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシなどが挙げられる。炭素数6〜18のアリールオキシ基および炭素数7〜18のアラルキルオキシ基におけるアリール部分およびアラルキル部分は、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアラルキル基として例示したものと同様の基が挙げられる。
ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる「硫黄原子を含む基」、または窒素原子と単結合で結合してなる「硫黄原子を含む基」としては、例えばアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基などが挙げられる。これらの基のアルキル部分、アリール部分およびアラルキル部分は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアラルキル基として例示したものと同様の基が挙げられる。アリールチオ基およびアラルキルチオ基のアリール部分は、さらにアルキル基、アルコキシ基などを有していてもよい。
17、R18、R19およびR21の置換数を示すm、nおよびoが2以上であるとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルキル基またはアルケニル基は、互いに結合して飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。すなわち、例えば基R17を有するベンゼン環について、アルケニル基であるR17が隣接する炭素原子に2個置換している場合には、その2つの基R17は互いに結合して、上記ベンゼン環とともにナフタレン環などの縮合環を形成してもよい。縮合環の具体例としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インダン、テトラヒドロナフタレンなどが挙げられる。
(4)−3 具体例
分子中に上記一般式(h1)および(h2)で示される部位を有する正孔輸送剤の具体例としては、例えば下記一般式(10)または一般式(11)で示されるスチルベン誘導体が挙げられる。


(式中、R17、R18、R19、R20、R21、mおよびnは上記と同じである。Arは、xが2のときに下記式(12)〜(14)で示される二価基のいずれかを示し、xが3のときに下記式(15)で示される三価基を示す。
(4)−4 添加量
また、湿式現像用電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂100重量部に対して、正孔輸送剤の添加量を、10〜80重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、正孔輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、正孔輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)電荷発生剤
本発明の湿式現像用電子写真感光体において、電荷発生剤は、特に限定されるものではなく、例えば、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例えば、ジスアゾ顔料、ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。
電荷発生剤は、電子写真感光体が所望の吸収波長域で感度を有するように、上記例示の中から種々選択すればよい。上記の電荷発生剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
レーザビームプリンタなどのデジタル光学系の画像形成装置には、一般に、露光光源として、半導体レーザや発光ダイオードが使用されており、その波長は680〜830nm前後の長波長領域(いわゆる「近赤外領域」)が主流である。従って、デジタル光学系の画像形成装置に用いられる電子写真感光体においては、電荷発生剤として、好ましくは、近赤外領域での感度に優れている無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料が挙げられる。
上記フタロシアニン系顔料の結晶形は、特に限定されるものではないが、例えば、無金属フタロシアニンはX型またはτ型であることが好ましく、チタニルフタロシアニンはα型(X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°および28.6°に主たる回折ピークを有するもの)、または、Y型(ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる回折ピークを有するもの)であることが好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニンはV型であることが好ましく、クロロガリウムフタロシアニンはII型であることが好ましい。
また、露光光源として、ハロゲンランプなどの白色光源を使用しているアナログ光学系の画像形成装置においては、電荷発生剤として、好ましくは、可視領域に感度を有するペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料などが挙げられる。
(6)結着樹脂
(6)−1 種類
本発明の電子写真感光体において、結着樹脂としては特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型、ビスフェノールC型、ビスフェノールZC型などのビスフェノールを用いてなるポリカーボネート、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスチレンおよびポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。なかでも、ポリカーボネートは、感光層の強度、耐磨耗性などをより一層良好なものにすることができ、とりわけ、感光層が単層型である場合に好適である。しかも、電荷輸送剤との相溶性に優れ、その分子内に、電荷輸送剤の電荷輸送能を妨害する部位を有しないものであることから、高感度な電子写真感光体を得る上でも好適である。
本発明の電子写真感光体においては、上記例示の結着樹脂のうち、特に、上記一般式(b)で示される繰り返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
上記一般式(b)中のR27およびR28としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基が挙げられる。
これらの基のうち、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基としては、上述したのと同様の基が挙げられる。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
上記一般式(b)中のXとしては、例えば、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜11のシクロアルキリデン基、炭素数6〜12のアリーレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、ピラジニリデン基、または一般式(i):−C(R29)(R30)−で示される二価基が挙げられる。R29およびR30は、それぞれ独立しており、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。但し、R29およびR30は、同時に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基でないものとする。
これらの基のうち、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基および炭素数6〜12のアリーレン基としては、上述したのと同様の基が挙げられる。
炭素数5〜11のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン、シクロへキシリデンなどが挙げられる。
(6)−2 粘度平均分子量
また、結着樹脂の粘度平均分子量を40,000〜80,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような特定分子量の結着樹脂を用いることにより、湿式現像液として使用される炭化水素系溶媒に、長時間浸漬した場合であっても、電子輸送剤及び正孔輸送剤の溶出量が少なく、かつ、耐オゾン性にも優れた湿式現像用電子写真感光体を効果的に提供することができるためである。
すなわち、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が40,000未満の値になると、耐溶剤性が著しく低下する場合があるためである。一方、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が80,000を超えると、著しく耐オゾン性が低下するためである。
したがって、結着樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を50,000〜79,000の範囲内の値とすることがより好ましく、60,000〜78,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10-40.83より算出した。なお、[η]は、20℃で、塩化メチレン溶液を溶媒として、濃度(C)が6.0g/cm3となるようにポリカーボネート樹脂を溶解させて得られたポリカーボネート樹脂溶液から測定することができる。
(6)−3 無機性値/有機性値
また、結着樹脂として、無機性値/有機性値(I/O値)が0.37以上であるものを使用することが好ましい。
この理由は、このような結着樹脂を使用することにより、特定のI/O値を有する電子輸送剤及び正孔輸送剤との相互作用を発揮させ、分散性や安定性が向上し、有機性が大きい炭化水素系溶媒中への溶出を有効に防止することができる。
従って、炭化水素系溶媒中にトナー粒子が分散した現像溶液を用いた湿式画像形成装置に使用された場合でも、優れた耐溶剤性及び耐久性、さらには優れた画像特性(明電位)を得ることができる。
但し、かかる結着樹脂のI/O値が過度に大きくなると、電子輸送剤との混合性や溶剤に対する溶解性が低下する場合がある。従って、結着樹脂のI/O値を0.375〜 1.7の範囲内の値とすることがより好ましく、0.38〜1.6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(7)添加剤
本発明の湿式現像用電子写真感光体においては、感光層に、必須成分としての電荷発生剤と、電子輸送剤と、結着樹脂と、正孔輸送剤と、を含有させること以外に、例えば、分散剤、増感剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、例えば、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、例えば、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするための界面活性剤やレベリング剤などを含有させることができる。
例えば、分散剤としては、電荷発生剤の結着樹脂中での分散性を向上させるための分散剤として、ジスアゾイエロー、ジアニシジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッドなどのアゾ系顔料が挙げられる。増感剤としては、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンなどが挙げられる。
(8)分散媒
また、上述した各種成分を分散させるための分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、例えば、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素類、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、例えば、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの分散媒は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(9)製造方法
本発明の湿式現像用電子写真感光体を製造するにあたり、感光層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂などを、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
単層型感光層において、感光層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmであり、より好ましくは、10〜50μmである。
2.積層型感光体
また、本発明の湿式現像用電子写真感光体として、図2(a)に示すような積層型電子写真感光体を用いることも好ましい。この積層型感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、電子輸送剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製することができる。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
電荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂などの所定の成分を、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
この積層型感光層20において、感光層の厚さは、特に限定されないが、電荷発生層が、好ましくは、0.01〜5μm、より好ましくは、0.1〜3μmであり、電荷輸送層が、好ましくは、2〜100μm、より好ましくは、5〜50μmである。
[第2実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態である湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程を実施するための帯電器、露光工程を実施するための露光光源、現像工程を実施するための湿式現像器、および転写工程を実施するための転写器を配置し、かつ、現像工程において、炭化水素系溶媒にトナーを分散した湿式現像剤を用いて画像形成を行う湿式現像用画像形成装置である。
なお、以下の湿式現像用画像形成装置の説明では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を例に採って説明する。
図3に示すように、感光体31の周囲には、帯電工程を実施するための帯電器32と、露光工程を実施するための露光光源33と、現像工程を実施するための湿式現像器34と、転写工程を実施するための転写器35と、が順次配置されている。
また、感光体31は、矢印の方向に一定速度で回転しており、感光体31の表面で、次の順に電子写真プロセスが行われることになる。より詳細には、帯電器32により、感光体31が全面的に帯電され、次いで、露光光源33によって、印字パターンが露光される。
次いで、湿式現像器34によって、印字パターンに対応して、トナー現像され、さらに、転写器35によって、転写材(紙)36へのトナーの転写が行われる。そして、最後に、感光体31に残った余分なトナーに対して、クリーニングブレード37による掻き落としが行われるとともに、除電光源38によって、感光体31の除電が行われることになる。
ここで、トナーが分散された湿式現像剤34aは、現像ローラ34bによって運ばれ、所定の現像バイアスを印加することで、感光体31の表面上にトナーが引き付けられて、感光体31上に現像されることになる。また、湿式現像剤34aにおける固形分濃度を、例えば、5〜25重量%の範囲内の値とすることが好ましい。さらに、湿式現像剤34aに使用される液体(トナー分散溶媒)としては、炭化水素系溶剤を用いることを特徴とする
そして、感光体31において、特定の電子輸送剤を使用することにより、耐溶剤性や感度特性に優れた単層型の湿式現像用電子写真感光体が得られ、長時間にわたって、優れた画像特性を維持することができる。
[実施例1]
(1)湿式現像用電子写真感光体の製造
電荷発生剤にはX型無金属フタロシアニンを使用し、電子輸送剤には、下記式(e1−1)で示される化合物(C363628、分子量624.68、I/O値=0.860)を55重量部使用し、正孔輸送剤には、下記式(h2−1)で示される化合物(C76602、分子量1001.30)を45重量部使用した。結着樹脂には、下記式(b1−1)で示される繰り返し単位と、下記式(b2−1)で示される繰り返し単位とを有する、粘度平均分子量45000の共重合ポリカーボネート樹脂であって、繰り返し単位(b1−1)の割合pと、繰り返し単位(b2−1)の割合qとの比p:q(共重合比)が15:85(重量比)であるもの(Resin−1)(I/O値=0.415)を100重量部を使用した。レベリング剤には、ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50CS」、信越化学工業(株)製)0.1重量部を使用した。上述した材料と、溶剤としてテトラヒドロフラン750重量を超音波分散機に投入して、60分間分散させることより、単層型感光層用の塗布液を作製した。

次いで、得られた塗布液をアルミニウム素管上に塗布して、140℃で20分間熱風乾燥することにより、膜厚20μmの単層型感光層を備える感光ドラム(湿式現像用電子写真感光体)を作製した。この感光ドラムは、直径φ30mm、長さL254mmの円筒状であった。
(2)感度測定
GENTEC社製のドラム感度試験機を用いて、得られた感光ドラムに印加電圧(+850V)を加え、表面を帯電させた後、露光光源であるハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.0μJ・cm−2)を露光した。露光開始から0.5秒経過時の表面電位(明電位)を測定し、これを電子写真感光体の感度とした。測定値が低いほど、感光体が高感度であることを示す。
(3)耐溶剤性試験
得られた感光ドラムを容器内に載置した後、該容器内にパラフィン系溶剤(商品名「モレスコホワイトP−40」、松村石油研究所)500mLを入れて、感光ドラムの全体をパラフィン系溶剤に浸した状態で、200時間静置した。静置後、該容器内のパラフィン系溶剤を採取して、その吸光度を測定することにより、パラフィン系溶剤中に溶出した電子輸送剤(ETM)の量を求めた。電子輸送剤の溶出量は、あらかじめ作製した検量線に基づいて決定した。
(4)耐クラック試験
併せて、パラフィン系溶剤に浸析した後の感光ドラムの表面を目視で観察して、クラックの発生の有無を確認した。結果を表2に示す。
[実施例2]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(e4−1)で示される化合物(C425042、分子量642.87、I/O値=0.334)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。

[実施例3]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(e3−1)で示される化合物(C42268、分子量658.65、I/O値=0.649)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[実施例4]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(e4−2)で示される化合物(C455642、分子量684.95、I/O値=0.318)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。

[実施例5]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(e2−1)で示される化合物(C3622412、分子量702.58、I/O値=0.948)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[実施例6]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(e4−3)で示される化合物(C625042、分子量883.09、I/O値=0.274)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例1]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM15−1)で示される化合物(C1811NO2、分子量273.29)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例2]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM10−1)で示される化合物(C21302O、分子量326.48)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例3]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM11−1)で示される化合物(C25222O、分子量366.46)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例4]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM4−1)で示される化合物(C24164、分子量368.38)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例5]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM10−2)で示される化合物(C31222O、分子量438.52)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[比較例6]
電子輸送剤として、式(e1−1)で示される化合物に代えて、下記式(ETM14−1)で示される化合物(C302224、分子量474.51)55重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表2に示す。
[実施例7]
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンに代えて、チタニルフタロシアニン3重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表3に示す。
[実施例8]
正孔輸送剤として、式(h2−1)で示される化合物に代えて、下記式(h2−2)で示される化合物(C75693、分子量1012.4)45重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表3に示す。
参考例9
正孔輸送剤として、式(h2−1)で示される化合物に代えて、下記式(h1−1)で示される化合物(C68602、分子量905.2)45重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表3に示す。
[比較例7]
正孔輸送剤として、式(h2−1)で示される化合物に代えて、下記式(h2−3)で示される化合物(C48402、分子量644.8)45重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表3に示す。
表3より明らかなように、電荷発生剤や正孔輸送剤の種類が異なる場合においても、電子輸送剤の分子量を大きくすることによって、電子輸送剤の溶出量が抑制されるという同様の効果を得ることができた。
[実施例10]
結着樹脂として、上記のResin−1に代えて、式(b1−1)で示される繰り返し単位と、下記式(b2−2)で示される繰り返し単位とを有する共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−2)100重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。
結着樹脂としてのResin−2は、繰り返し単位(b1−1)の割合pと、繰り返し単位(b2−2)の割合qとの比p:q(共重合比)が15:85であり、粘度平均分子量が47500、I/O値が0.392であった。
また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表4に示す。
[実施例11]
結着樹脂として、上記のResin−1に代えて、式(b1−1)で示される繰り返し単位と、下記式(b2−3)で示される繰り返し単位とを有する共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−3)100重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。
結着樹脂としてのResin−3は、繰り返し単位(b1−1)の割合pと、繰り返し単位(b2−3)の割合qとの比p:q(共重合比)が15:85であり、粘度平均分子量が43900、I/O値=0.381であった。
また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表4に示す。
[実施例12]
結着樹脂として、Resin−1に代えて、下記式(b3−1)で示される繰り返し単位と、式(b2−1)で示される繰り返し単位とを有する共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−4)100重量部を使用したこと以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を製造した。
結着樹脂としてのResin−4は、繰り返し単位(b3−1)の割合pと、繰り返し単位(b2−1)の割合qとの比p:q(共重合比)が20:80であり、粘度平均分子量が48100、I/O値=0.401であった。
また、得られた電子写真感光体について、実施例1と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表4に示す。
また、図4は、表2〜4に記載された実施例及び比較例について、電子輸送剤の分子量に対する電子輸送剤の溶出量を示した特性図である。かかる特性図から明らかなように、電子輸送剤の分子量を大きくすることにより、とりわけ、分子量を600以上とすることにより、電子輸送剤の溶出量を抑制することができた。
[実施例13]
(1)湿式現像用電子写真感光体の製造
電荷発生剤にはX型無金属フタロシアニンを使用し、電子輸送剤には、式(4)で示される化合物(ETM−A)を50重量部使用し、正孔輸送剤には、下記式(h2−4)で示される化合物(C80682、分子量1057.41)を45重量部使用した。結着樹脂には、実施例1に示した式(b1−1)で示される繰り返し単位と、式(b2−2)で示される繰り返し単位とを有する、粘度平均分子量50000の共重合ポリカーボネート樹脂であって、繰り返し単位(b1−1)の割合pと、繰り返し単位(b2−1)の割合qとの比p:q(共重合比)が20:80(重量比)であるもの(Resin−1)(I/O値=0.405)を110重量部を使用した。レベリング剤には、ジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96−50CS」、信越化学工業(株)製)0.1重量部を使用した。上述した材料と、溶剤としてテトラヒドロフラン750重量を超音波分散機に投入して、50分間分散させることより、単層型感光層用の塗布液を作製した。
次いで、得られた塗布液をアルマイト処理済みアルミニウム素管上に塗布して、130℃で30分間熱風乾燥することにより、膜厚22μmの単層型感光層を備える感光ドラム(湿式現像用電子写真感光体)を作製した。この感光ドラムは、直径φ30mm、長さL254mmの円筒状であった。
(2)感度測定
GENTEC社製のドラム感度試験機を用いて、得られた感光ドラムに印加電圧(+700V)を加え、表面を帯電させた後、露光光源であるハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.0μJ・cm−2)を露光した。露光開始から330秒経過時の表面電位(明電位)を測定し、これを電子写真感光体の感度とした。測定値が低いほど、感光体が高感度であることを示す。
(3)耐溶剤性試験
得られた感光ドラムを容器内に載置した後、該容器内にパラフィン系溶剤(商品名「アイソパーL、エクソン化学社製」)500mLを入れて、感光ドラムの全体をパラフィン系溶剤に浸した状態で、2000時間静置した。静置後、該容器内のパラフィン系溶剤を採取して、その吸光度を測定することにより、パラフィン系溶剤中に溶出した電子輸送剤(ETM)の量を求めた。電子輸送剤の溶出量は、あらかじめ作製した検量線に基づいて決定した。
(4)耐クラック試験
併せて、パラフィン系溶剤に浸析した後の感光ドラムの表面を目視で観察して、クラックの発生の有無を確認した。結果を表5に示す。
[実施例14]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、式(5)で示される化合物(ETM−B)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[実施例15]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、式(6)で示される化合物(ETM−C)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[実施例16]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、式(7)で示される化合物(ETM−D)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[実施例17]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、式(8)で示される化合物(ETM−E)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[実施例18]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、式(9)で示される化合物(ETM−F)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[比較例8]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、下記式(ETM−G)で示される化合物(C19144、分子量306.31)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[比較例9]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、下記式(ETM−H)で示される化合物(C211622、分子量328.36)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[比較例10]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、下記式(ETM−I)で示される化合物(C19164、分子量308.33)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
[比較例11]
電子輸送剤として、式(4)で示される化合物(ETM−A)に代えて、下記式(ETM−J)で示される化合物(C18165S、分子量344.38)50重量部を使用したこと以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を製造した。また、得られた電子写真感光体について、実施例13と同様にして、感度測定と耐溶剤性試験を実施した。結果を表5に示す。
表5より明らかなように、結着樹脂、パラフィン系溶媒や溶出時間の種類が異なる場合においても、電子輸送剤の分子量を大きくすることによって、電子輸送剤の溶出量が抑制されるという同様の効果を得ることができた。
単層型電子写真感光体を説明するために供する図である。 積層型電子写真感光体を説明するために供する図である。 本発明に係る画像形成装置を示す概略図である。 電子輸送剤の分子量と、感光層からの溶出量と、の関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 少なくとも電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含有する感光層を備えた湿式現像用電子写真感光体であって、
    湿式現像剤として、炭化水素系溶剤をトナー分散媒として含む湿式現像剤を用いるとともに、
    前記電子輸送剤として、下記一般式(e1)〜(e8)で表わされる化合物を少なくとも1種含むとともに、当該電子輸送剤の分子量を600以上の値とし、前記正孔輸送剤として、下記一般式(h1)〜(h2)で示される部位を有する化合物を少なくとも1種含むとともに、当該正孔輸送剤の分子量を1001.30以上とすることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体。










    (式(e1)〜(e4)中、R 1 は、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または一般式:−R 8 −Ar 1 −R 9 −で示される二価基を示す。R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 およびR 7 は、それぞれ独立しており、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、または炭素数6〜18のアリール基を示す。R 8 およびR 9 は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数2〜8のアルキリデン基を示す。s、tおよびuは、それぞれ独立しており、0〜4の整数を示す。Ar 1 は、炭素数6〜18のアリーレン基を示す。Yは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、または一般式:−R 10 −Ar 1 −R 11 −で示される二価基を示す。R 10 およびR 11 は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキレン基、または炭素数2〜8のアルキリデン基を示す。)










    (一般式(e5)〜(e8)中のX 1 〜X 6 はそれぞれ独立しており、酸素原子またはC(CN) 2 で表される基であり、Y 1 〜Y 4 はそれぞれ独立しており、2〜4価の炭素数1〜30の置換または非置換の炭化水素基、あるいは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキレン基、炭素数6〜15の置換または非置換のアリーレン基、下記式(e´1)〜(e´3)のいずれかで示される基であり、R 12 は水素原子、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、あるいは炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基であり、R 13 〜R 16 はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜30の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシカルボニル基であり、繰り返し数aは0〜4の整数であり、b〜dはそれぞれ独立しており、0〜7の整数であり、m、n、p、qはそれぞれ独立しており、2〜4の整数である。)





    (式中、R 17 、R 18 およびR 21 は、それぞれ独立しており、炭素数1〜8のアルキル基、2−ジフェニル−1−エテニル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子、下記の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される基、または、ベンゼン環の炭素原子と単結合で結合してなる炭素原子、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む基を示す。mは0〜5の整数を示し、nは0〜4の整数を示す。mまたはnが2以上のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つの上記アルキル基または上記アルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環とともに飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。R 4 は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。oは0〜5の整数を示す。oが2以上のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つの上記アルキル基または上記アルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環とともに飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。R 20 は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。)






    (R 22 〜R 26 は、それぞれ独立しており、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数7〜18のアラルキル基を示す。)
  2. 前記結着樹脂が、下記一般式(b)で表されるポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿式現像用電子写真感光体。
    (R27およびR28は、それぞれ独立しており、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。aおよびbは、それぞれ独立しており、0〜4の整数を示す。Xは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜11のシクロアルキリデン基、炭素数6〜12のアリーレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、ピラジニリデン基、または一般式(i):−C(R29)(R30)−で示される二価基を示す。R29およびR30は、それぞれ独立しており、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。但し、R29およびR30は、同時に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基でないものとする。)
  3. 前記一般式(b)中のXが、エチリデン、イソプロピリデン、または2,2−ブチリデンであることを特徴とする請求項2に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  4. 前記電子輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  5. 前記正孔輸送剤の添加量を、前記結着樹脂100重量部に対して、10〜80重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  6. 前記結着樹脂の粘度平均分子量を40,000〜80,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  7. 前記感光層が、単層型であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の湿式現像用電子写真感光体を備えるとともに、当該湿式現像用電子写真感光体の周囲に、帯電工程を実施するための帯電器、露光工程を実施するための露光器、現像工程を実施するための湿式現像器、転写工程を実施するための転写器をそれぞれ配置したことを特徴とする画像形成装置。
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