JP2618627B2 - 鍛造部品の冷間しごき方法およびその装置 - Google Patents

鍛造部品の冷間しごき方法およびその装置

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JP2618627B2 JP61257704A JP25770486A JP2618627B2 JP 2618627 B2 JP2618627 B2 JP 2618627B2 JP 61257704 A JP61257704 A JP 61257704A JP 25770486 A JP25770486 A JP 25770486A JP 2618627 B2 JP2618627 B2 JP 2618627B2
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貴 小島
洋二 小出
忠洋 柄田
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愛知製鋼 株式会社
トヨタ自動車 株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鍛造部品の冷間しごき方法およびその装置、
詳しくは貫通孔内面の穿孔面と打抜面とに段差を有する
鍛造部品の貫通孔内面の冷間しごき方法およびその装置
に関する。
[従来の技術] 貫通孔を有する鍛造部品の製造は、先ず加熱された素
材をコンテナに挿入し、素材に心金棒を押し込んで穿孔
する。これにより底付きコップ状のものが出来るが、こ
の底をポンチで打ち抜いて貫通孔とする。そのため貫通
孔12の内面は、第4図に鍛造部品10断面図を示すよう
に、最初に穿孔した穿孔面14よりも、後で打ち抜いた打
抜面16の方が内面に突出し段差18ができる。
従来、この段差18のある貫通孔12を有する鍛造部品10
の冷間しごきは、第3図の断面図の示すように、穿孔面
14のある側から打抜面16のある側へ向けて、しごき作用
面20が一つしかないしごき型22で一気にしごき加工をし
て冷間しごきをしていた。例えば、山本博一著、『知り
たい圧縮加工金型』(ジャパンマシニスト社、1979年2
月10日初版発行)の第62頁の図6・7および第63頁第12
行〜15行には、しごき作用面が一つしかない一体型ポン
チで、しごき加工を行うことが示されている。そのため
当然、穿孔面14における変形24よりも打抜面16における
変形26の方が大きくなる。このことは、第3図のしごき
型22のしごき作用面20の受ける荷重の変動曲線28により
示されるように、穿孔面14のしごきでうけた荷重より打
抜面16の所での荷重が一段と高くなる。このことは打抜
面16の変形量が異常に多くなることを示し、そのために
しごき加工後に、段差18の下の部分の肉が引っ張られて
引け30が出来るという問題点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、貫通孔内面12の穿孔面14と打抜面16とに段
差18を有する鍛造部品10の貫通孔内面12の冷間しごきに
おける前記のごとき問題点に鑑みてなされたもので、段
差18の下の部分に引け30を生じさせないで、しごき加工
が可能な冷間しごき方法とその装置を提供することを目
的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の鍛造部品の冷間しごき方法は、貫通孔内面の
穿孔面と打抜面とに段差を有する鍛造部品の貫通孔内面
の冷間しごきにおいて、打抜面を冷間しごきした後、貫
通孔内面全体を冷間しごくことを要旨とする。
また、本発明の鍛造部品の冷間しごき装置は、貫通孔
内面の穿孔面と打抜面とに段差を有する鍛造部品の貫通
孔内面の冷間しごきに使用される装置であって、打抜面
をしごき加工する第1のしごき作用面と貫通孔内面全体
をしごき加工する第2のしごき作用面とを具備したしご
き型を備えることを要旨とする。
[作用] 本発明方法では打抜面16のみを最初にしごき加工して
冷間しごきをする。この最初のしごき加工は、貫通孔内
面全体12を一度にしごき加工する従来方法と異なり、打
抜面16の変形量が少なく、そのため段差18の下にできる
引けもさして大きなものではない。次いで貫通孔内面12
全体をしごき加工して冷間しごきをするが、この二段目
のしごき加工では変形量が全体に平準化され、最初のし
ごき加工で出来た引けも消失する。
本発明装置のしごき型の第1のしごき作用面は、穿孔
面14には全くもしくは殆ど作用せずに、打抜面16のみを
しごき加工する。これにより打抜面16と穿孔面14との間
にあった段差18は消失する。第1のしごき作用面がしご
き加工を終わった後に、第2のしごき作用面が今度は穿
孔面14も打抜面16も含めた貫通孔内面12全体をしごき加
工する。この第2のしごき作用面でのしごき加工は、第
1のしごき作用面のしごき加工によって、段差18が消失
しているので、引けを生ずることなく冷間しごきが出来
る。
[実施例] 本発明の好適な一実施例について、以下図面に従って
説明する。
第1図において、しごき型22の先端部は貫通孔12に遊
嵌できる断面を持った柱状の心金であって、上部には第
1のしごき作用面32がある。この第1のしごき作用面32
は穿孔面14に内接すると共に打抜面16をしごくべき大き
さに膨大した平面34とその上下に各々接続するテーパ部
36および38よりなっている。第1のしごき作用面32の僅
かの距離を置いて下には第2のしごき作用面40がある。
この第2のしごき作用面40は、穿孔面14をしごくべき大
きさに膨大させた平面42とその上下に各々接続するテー
パ部44および46からなる。
このしごき型22は、図示しないが下型に固定される。
鍛造部品10の貫通孔12がこのしごき型22に嵌挿され、図
示しないが上型により鍛造部品10が押し下げられ、しご
き型22により打抜面16および貫通孔内面12が矢印の方向
に向けてしごき加工が行なわれる。第1のしごき作用面
32は最初穿孔面14を滑って段差18に達すると初めて打抜
面16のしごき加工をする。その際打抜面16の変形により
段差18の下部に僅かな引けができるが穿孔め14と打抜面
16との段差18は消失する。その間にしごき型22の第1の
しごき作用面32が受ける荷重曲線は第1図の48に示すよ
うであって、荷重は段差18のところで始まり打抜面16の
終端で0となる。
続いて、第1のしごき作用面から僅かな距離を置い
て、第2のしごき作用面40が貫通孔12の下端に接触し、
穿孔面14のしごき加工を始める。その間の貫通孔内面12
の変形量は段差18の下の僅かな引けのあるところで多少
変化するものの、初めから終わりまで略々一定である。
この時受けるしごき型22の第2のしごき作用面40の受け
る荷重曲線を50に示す。この第2のしごき作用面40のし
ごき加工により、第1のしごき加工の時に生じた引けは
完全に消滅する。
本実施例の冷間しごき装置を使用して貫通孔を有する
鍛造部品のしごき加工を行って引けの大きさについて測
定した。なお、比較のために従来のしごき作用面が一つ
しかないしごき型を用て冷間しごきを行い、同様に引け
の大きさを測定した。結果を第2図に示す。第2図より
従来方法では0.4mmの大きさの引けが出来るのに対し、
本実施例では引けは全く消失していた。
なお、本実施例ではしごき加工の方向が穿孔面14から
打抜面16にかけて行うものであったが、逆にしごき型22
を上型に取り付け、打抜面16から穿孔面14にかけてしご
き加工を行っても良い。また、貫通孔の断面は円形でも
他の異形の断面のものにも適用できる。
[発明の効果] 本発明の鍛造部品の冷間しごき方法は、以上説明した
ように、打抜面を冷間しごきした後、貫通孔内面全体を
冷間しごきするものであり、本発明方法に使用される冷
間しごき装置は、打抜面をしごき加工する第1のしごき
作用面と貫通孔内面全体をしごき加工する第2のしごき
作用面とを具備するものであって、本発明によるとき
は、変形量の多い打抜面が先ずしごき加工され穿孔面と
の段差を消滅させ、撚る後貫通孔内面全体をしごき加工
するため、貫通孔内面の変形量は平準化され、しごき加
工による冷間しごきによっても、穿孔面と打抜面との段
差の下に引けが生じないという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図とつぶし型が受
ける荷重曲線図、第2図は引けの大きさの測定結果を示
す図、第3図は従来例を示す断面図としごき型が受ける
荷重曲線図、第4図は鍛造部品の断面図である。 10……鍛造部品、12……貫通孔内面、14……穿孔面、16
……打抜面、18……段差、22……しごき型、32……第1
のしごき作用面、40……第2のしごき作用面
フロントページの続き (72)発明者 柄田 忠洋 豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−70049(JP,A) 特開 昭59−220240(JP,A) 特開 昭61−142069(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貫通孔内面(12)の穿孔面(14)と打抜面
    (16)とに段差(18)を有する鍛造部品(10)の貫通孔
    内面(12)の冷間しごきにおいて、打抜面(16)を冷間
    しごきした後、貫通孔内面(16)全体を冷間しごくこと
    を特徴とする鍛造部品(10)の冷間しごき方法。
  2. 【請求項2】貫通孔内面(12)の穿孔面(14)と打抜面
    (16)とに段差(18)を有する鍛造部品(10)の貫通孔
    内面(12)の冷間しごきに使用される装置であって、打
    抜面(16)をしごき加工する第1のしごき作用面(32)
    と貫通孔内面(12)全体をしごき加工する第2のしごき
    作用面(40)とを具備したしごき型(22)を備えること
    を特徴とする鍛造部品の冷間しごき装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5770049A (en) * 1980-10-20 1982-04-30 Ntn Toyo Bearing Co Ltd Formation device for outer race of constant velocity
JPS59220240A (ja) * 1983-05-27 1984-12-11 Toyota Motor Corp 内面異径成形物の成形方法

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