JPH08257646A - バーリング加工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 わずか２工程でバリの残存しない、また高さ
のバラツキのない安定したバーリング加工部を得る。 【構成】 金属板のバーリング加工において、予め下孔
を開けてダイス面側にバリを有する該金属板を、バーリ
ングパンチとダイスの底部でバーリングと同時に圧搾
し、バリを押し潰すことにより面取りを行うバーリング
加工法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下孔を開けた金属板を
バーリング加工する際に、バリ取り工程を経ずにバーリ
ングと同時にバリ部を面取りすることができる、バーリ
ング加工法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のバーリング加工法としては、図２
ａ，図２ｂに示す方法で行われていた。すなわち、図２
ａで示すように、金属板１にパンチ２でバーリング用下
孔３を開け、次いで図２ｂに示すバーリングパンチ４で
バーリング加工を施し、バーリング加工部５を得る。こ
のとき、バーリング加工部５の先端部には図２ａのバー
リング用下孔形成時に発生したバリ６が残存している。
これをそのまま製品に組み立てた場合、バリ部で材料表
面を疵付け商品価値の低下および歩留り低下を惹起す
る。

【０００３】この対策として、図３ａに示すとおり、金
属板１にパンチ２でバーリング用下孔３を開けた後、図
３ｂのように、バリが発生している面から潰しパンチ７
で、プレス加工により、バリ６を押し潰して面取りを行
い、バリのない潰し加工部８を得る。次いで図３ｃで示
すようにバーリングパンチ４でバーリング加工を施し、
バリの残存しないバーリング加工部５を得る方法があ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図３に示す方法を用い
ると、バリの残存しないバーリング加工部を得られる
が、少なくとも３工程を要し、同時に金型も工程に合わ
せて３つ必要となり、金型製作コストも高くなる。

【０００５】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、バリ部による疵付けを防止し、加工工
程も低減できることから生産性を高め、さらに金型に掛
かる費用を低減することができる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決するため、金属板のバーリング加工において、
予め下孔を開けてダイス面側にバリを有する該金属板
を、バーリングパンチとダイスの底部でバーリングと同
時に圧搾し、バリを押し潰すことにより面取りを行う、
バーリング加工法を提供することを目的とする。

【０００７】

【作用】本発明によれば、バーリングと同時にバリ発生
部の面取りができるため、バーリング用下孔の開孔と合
わせて２工程でバーリング加工が完了し、安価な金型で
バリなしバーリング加工部を得ることができる。

【０００８】以下、本発明を図１により説明する。図１
ａに示す金属板１に、パンチ２でバーリング用下孔３を
開けた後、図１ｂに示すバーリング高さに相当する深さ
の底面を有するダイス９を用いてバーリング加工を施
し、図１ａの工程で発生したバーリング用下孔端面のバ
リ６をバーリングパンチ４とダイス９底部とで圧搾し、
バーリング用下孔端面の面取りをも同時に行い、バリを
消滅させるものである。なお、図１のバーリングパンチ
４の先端部は面取り加工が施されているが、球頭形状の
ものでも同様な効果が得られる。

【０００９】

【実施例】金属板１として、板厚０．７５ｍｍのＳＵＳ
４３０を用いて、金型は図１に示す構造のものを適用し
た。バーリング下孔加工用パンチ２の直径は５．８ｍｍ
とした。バーリングダイス９の直径は９．２５ｍｍ，ダ
イスの深さは設定のバーリング高さに相当する０．７５
ｍｍとした。バーリングパンチ４の直径は８．２５ｍ
ｍ，パンチの先端は１．５ｍｍの面取り加工を施した。
以上の構成からなる金型を用いて先ず、直径５．８ｍｍ
のバーリング用下孔３を開けた金属板１を多数作成し
た。次に、バーリング加工でストロークを変化させた場
合のバーリング用下孔端面のバリ６の潰れ幅と、得られ
るバーリングの高さについて調査するため、前記バーリ
ング用下孔３を開けた金属板１を供した。

【００１０】パンチ４先端が材料上面に達した高さを０
とし、この位置からさらに下方にパンチを押し込んだと
きのストローク量とバーリング用下孔片面のバリ６の潰
れ幅との関係を図４に示す。図４からパンチ４のストロ
ークを調節することにより、潰れ幅を任意に得られるこ
とが判った。このパンチ４のストロークは、プレス装置
のストローク調整で簡単に設定することができる。

【００１１】図５に、パンチ４のストロークとバーリン
グ高さの関係を示す。パンチストロークを変化させて
も、バーリング高さはほとんど変化しないことが判る。
従来から実施されている、底無しダイスを用いたバーリ
ング加工では、送りピッチの多少のズレやパンチストロ
ークによって、バーリング高さも変化するが、本発明に
よればバーリング下孔端面のバリ６はダイス９の底部で
圧搾されるため、常に所望のバーリング高さを得ること
ができる。

【００１２】

【発明の効果】以上のように、本発明のバーリング加工
法によれば、工程が３工程から２工程に減少でき、しか
もバリの残存がなく、高さのバラツキもない極めて安定
した品質のバーリング加工部が得られる。また、工程の
減少に伴う金型製作費用も安価となり、工業的価値は大
きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバーリング加工法を示す図である。。

【図２】従来のバーリング加工法を示す図である。

【図３】従来のバーリング加工でのバリ取り法を示す。

【図４】バーリング加工時のパンチストロークとバリの
潰れ幅との関係を示す図である。

【図５】バーリング加工時のパンチストロークとバーリ
ング高さとの関係を示す図である。

【符号の説明】

１：金属板 ２：バーリング下孔加工用パンチ ３：バーリング用下孔 ４：バーリングパンチ ５：バーリング加工部 ６：バーリング用下孔端面バリ ７：潰しパンチ ８：潰し加工部 ９：バーリング用ダイス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板のバーリング加工において、予め
   下孔を開けてダイス面側にバリを有する該金属板を、バ
   ーリングパンチとダイスの底部でバーリングと同時に圧
   搾し、バリを押し潰すことにより面取りを行うことを特
   徴とするバーリング加工法。