JPH043690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、プレス加工に用いられる板金素材に
関するものである。

〈従来の技術〉 乗用自動車のボデーで第３図に示すようにセン
タピラー部１、クオータピラー部２及びクオータ
パネル部３を一枚の板金素材でプレス加工し、リ
ヤドア開口部４の周辺で絞り加工したものが用い
られている。

上記リヤドア開口部４の周辺を絞り加工時に素
材の引き込みを容易にするために、従来では第４
図Ａで示すように平板素材Ｗにリヤドア開口部４
となる周辺に絞り成形代５を残して開口部６を打
ち抜いたり、第４図Ｂで示すように平板素材Ｗに
リヤドア開口部４となる周辺に絞り成形代５を存
在させてスリツト８を打ち抜いていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の平板素材Ｗによる場合、開口部６や
スリツト８によつて平板素材Ｗの剛性がなくな
り、プレス型内への素材投入作業時に折れ等が発
生し不良素材の無駄を出していた。また、開口部
６やスリツト８の打ち抜き時の切粉が平板素材Ｗ
上に付着し、これが押しキズとなつて製品表面に
残る不具合があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決したもの
で、その特徴とする構成は、金属平板を絞り成形
の加工途中で開口部を打ち抜き開口する素材にお
いて、前記開口部となる周辺に絞り成形代を存在
させてＶ字溝等の薄肉部を前加工したものであ
る。

〈作用〉 本考案は、絞り成形時に薄肉部によつて素材の
引き込みを容易にし、かつ絞り成形途中で薄肉部
が断裂して開口部を形成するものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図及び第２図に基づ
いて説明する。第１図において、Ｗは板金素材で
あり、例えば第３図で示すセンタピラー部１、ク
オータピラー部２、クオータパネル部３及びリヤ
ドア開口部４が成形される。

本考案は、上記リヤドア開口部４となる部位の
周辺に絞り成形代５を存在させて薄肉部９を前加
工したものである。

この薄肉部９は第２図で示すように、Ｖ字溝１
０等により板金素材Ｗの板厚Ｄより薄い減少板厚
ｄとし、これはプレス型にて筋押加工等によつて
得るものである。

本考案は上記の通りの構造であるから、前記薄
肉部９を前加工した板金素材Ｗを絞り成形型内に
投入し、センタピラー部１、クオータピラー部２
及びクオータパネル部３を絞り加工する。このと
き、薄肉部９は素材の引き込みによる引つぱりに
よつて絞り成形途中で薄肉部９が断裂して絞り成
形代５が引き込まれリヤドア開口部４が形成され
るのである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、板金素材に開口
部となる周辺の絞り成形代を存在させてＶ字溝等
の薄肉部を前加工したものであるから、平板状の
板金素材において剛性を保持し、絞り型への素材
投入作業時の折れ等が防止され、不良素材を出す
ことなく生産性の向上が計られる。

また、絞り加工時の素材引き込みを容易にする
ための部分を薄肉部としたものであるから、従来
のように打ち抜き開口部やスリツト等の切断時の
切粉が発生されず、従つて切粉が素材上に付着し
て押しキズが製品面に残るような問題も解消され
る。さらに、絞り成形時に薄肉部が断裂して開口
部を形成するものであるから、開口部の成形は押
し型構造となり切刃を不要とするため型費の低減
が計られる等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による素板の平面図、第２図は
第１図−線断面図、第３図は本考案の素材に
より加工される製品の一例を示すもので、自動車
のボデーの側面図、第４図は従来の素材の平面図
である。 Ｗ……板金素材、１……センタピラー部、２…
…クオータピラー部、３……クオータパネル部、
４……リヤドア開口部、５……絞り成形代、９…
…薄肉部、１０……Ｖ字溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属平板を絞り成形の加工途中で開口部を打ち
   抜き開口する素材において、前記開口部となる周
   辺に絞り成形代を存在させてＶ字溝等の薄肉部を
   前加工で形成したことを特徴とするプレス加工用
   素材。