JPS6016428Y2 - 自動車用プラグ等の製造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は継目のない庇付の筒体、例えば自動車用のプラ
グ等を造る製造装置の改良に関する。

従来、自動車用プラグの製造に当っては、原材から円形
の素材を打抜く外径打抜き用のパンチと、該打抜いた素
材を雌型ダイス内に圧入して絞り加工を施すインナーパ
ンチの両方を備えた所謂ダブルアクション型のプレス機
を使用しているが、此種ダブルアクションプレス機を使
用すると製品の底面に傷が付く問題がある。

即ち、上記プレスの雌型ダイスの内部にはバネに弾支さ
れたノックアウトが摺動自在に嵌込まれており、該ノッ
クアウトは外径打抜きパンチによって打抜かれた素材の
底面を支持して、該素材を雌型ダイスの入口迄案内し、
次いでインナーパンチによる絞り加工時にも上端部を素
材の底面に弾接し続けて成形を助け、更に成形終了後製
品を前記バネの作用によって雌型ダイス内より押し出す
働きを行なうのであるが、このノックアウトの上端面は
製品の底面形状に合せて略凹状に彎曲形成され、上縁部
は上方に向けて鋭角的に支出している関係上、外径打抜
きパンチが原材から素材を打抜いた時に、この衝激によ
ってノックアウトの上端縁部が素材の底面に喰込み、素
材の底面即ち製品自体の底面に傷を付けてしまうのであ
る。

この問題は前記ノックアウトを弾支するバネの力を弱め
れば解決可能であるが、インナーパンチが素材を雌型ダ
イス内に圧入する時に、該素材の底面を受けるノックア
ウト側に該パンチに対抗する充分な弾発力が発揮されな
いと、絞り加工が適切に行なわれず不良品を造る原因と
なる腰またダイス内に圧入された製品の押し出しも適格
に行なうことができず、従ってノックアウトのバネ力を
弱めることは不可能で、これ以外の方法に基づく問題解
決が強く望まれていた。

而して本考案は上述の点に鑑み、ノックアウトに与える
弾支力をダブルクッション構造と威すことにより、底面
に傷の無い優れた製造を絞り加工出来る様に工夫した自
動車プラグ等の製造装置を提供せんとするものであって
、以下図面の記載に基づいて本考案の一実施例を詳細に
説明する。

第１図に於いて、１は上下作動を繰返し行うアウターラ
ムで、２はこのラム１の底面にパンチホルダー３を介し
て固定した外径打抜き用のパンチを示し、このパンチ２
の下端縁は略筒状を威している。

５はストリッパーボルト４によってアウターラム１の下
側に取付けた原材押え板で、アウターラム１が降下する
とこの押え板５が原材Ａをグイプレート６上に弾性的に
押え付け、更にパンチ２が原材Ａより円形の素材Ｂを打
抜くことができる。

（第２図、第３図参照）尚、４ａはストリッパーナツト
、４ｂはスクリュープラグ、４′はナツト４ａとプラグ
４ｂの間に介在したバネを示す。

前記グイプレート６はグイセット８に取付けた雌型ダイ
ス７の上面に固定され、また前記外径打抜きパンチ２は
打抜いた素材Ｂを第３図の如く雌型ダイス７の入口外縁
部７ａに挾持することが出来る。

９はインナーラム１０に固定したインナーパンチで、こ
のパンチ９は前記外径打抜きパンチ２の内部に摺動自在
に嵌込まれ、且つインナーラム１０の働きによってアウ
ターラム１、即ち外径打抜きパンチ２より少し遅れて作
動と開始すると共に、該パンチ２より大きなストローク
で上下作動を行なう。

インナーパンチ９の先端面９ａは製品Ｃの形状に合せて
曲面に形成され、またインナーパンチ９の下死点は該先
端面９ａが雌型ダイス７内の略中間位置迄達する様に予
め調節されている。

次に１１は前記雌型ダイス７の内部に摺動自在に嵌込ん
だノックアウトで、先端面１１ａは加工する製品Ｃの底
面に合せて窪んだ曲面に形成され、従って該先端面の外
縁１１ｂはインナーパンチ９の方向に若干突出している
。

ｌｌｃはノックアウト１１の下端部に形成した太径部で
、この部分がノックアウトホルダー１２の凹部１２ａ内
に上下移動自在に嵌込まれている。

１３はノックアウト１１の底面に凹設した穴ｌｉｄ内に
取付けた比較的弱い弾性のコイルバネで、このバネ１３
の下端はホルダー１２の凹部１２ａ面に弾接腰ノックア
ウト１１はこのバネ１３によって第２図に示す如く底面
を凹部１２ａの面より浮した状態で弾支されて、前記先
端面を常時原材Ａの底面側に当接する位置迄押上げられ
ている。

またノックアウトホルダー１２はその上端凹部１２ａを
グイセット８に穿設した摺動穴８ａ内に昇降自在に嵌込
み、前記バネ１３より可成り強力な弾発力（図面上弾性
体は省略）によって常時上方に弾支されている。

尚、前記バネ１３は外径打抜きパンチ２が素材Ｂを打抜
いた時に、この衝激を吸収してノックアウト１１を後退
させ、ノックアウト１１の先端外縁１１ｂが素材Ｂの底
面に喰込んだり傷を付けない程度の弱い弾発力に予め設
計されており、加えて第３図の如くパンチ２が素材Ｂを
雌型ダイス７の入口に圧着した時には、完全に圧着され
てノックアウト１１の底面をホルダー１２の凹部１２ａ
面に接地せしめる仕組に戊っている。

更にノックアウトホルダー１２に附与せしめている弾性
は、ホルダー１２のストッパー１２ｂが前記摺動穴８ａ
の縁に係止して、ホルダ−１２自体の弾発移動を途中で
制止している関係上、前記インナーパンチ９が素材Ｂと
共に雌型ダイス７内に圧入して直接ノックアウト１１を
押下しない限り、インナーパンチ９に対向する弾発力を
発揮しない。

次に本考案の作用を第２図乃至第６図の記載に基づいて
工程順に説明する。

第２図はプレスの始動時、即ちアウターラム１が下動を
開始して押え板５が原材Ａをグイプレート６の上面に弾
性的に押え付けた状態を示す。

次いでアウターラム１の下降が進むと、第３図の如く外
径打抜き用のパンチ２が原材Ａより素材Ｂを打抜き、更
にこの打抜いた素材Ｂの外縁を雌型ダイス７の入口外縁
部７ａに圧着挾持する。

この時ノックアウト１１はパンチ２の降下に押されて素
材Ｂの底面を支持しながらバネ１３の弾性に抗して降下
し、底面がノックアウトホルダー１２の凹部１２ａ面に
接して停止する。

次に第４図はインナーパンチ９が下降し始めた時の状態
を示し、この下降が更に進むとパンチ９は素材Ｂを雌型
ダイス７内に圧入して製品Ｃを絞り成形する。

インナーパンチ９の降下時にはノックアウト１１はノッ
クアウトホルダー１２に附与されている強力な弾性に抗
して押圧降下されるので、先端面１１ａが製品Ｃの成形
を助けることができる。

尚、アウターラム１はインナーパンチ９が下死点に至る
前に上昇を開始し、従って外径打抜用のパンチ２も第５
図の如く原位置に向けて上昇し、更に押え板５も上昇し
て原材Ａに対する押圧を解く。

製品Ｃを成形後インナーパンチ９が原位置に向けて上昇
を始めると、ノックアウト１１はホルダー１２に押され
て上昇し製品Ｃを雌型ダイス７の口迄押し出す。

次いでノックアウト１１はバネ１３によって附与されて
いる自己の弾発力によって製品Ｃを雌型ダイス７の外に
完全に押出す。

このノックアウト１１による製品Ｃの押出しはインナー
パンチ９の上昇に同調して行なわれ、従って製品Ｃはイ
ンナーパンチ９の先端に嵌められたままの状態で押出さ
れるのであるが、インナーパンチ９が外径打抜き用パン
チ２の内部に引込まれる時に、第６図に示す如く製品Ｃ
がパンチ２の縁に当ってインナーパンチ９より外される
。

インナーパンチ９より外された製品は例えはブロアー等
を用いてプレス内より取出せばよい。

本考案は以上述べた如く、外径打抜用パンチとインナー
パンチのダブルアクションによって単時間で自動車用プ
ラグ等の製品を底形でき、またインナーパンチによる絞
り加工時には、先ず外径打抜き用のパンチが打抜いた素
材の外縁を雌型ダイスの入口縁部に挾持し、然る後にイ
ンナーパンチを降下させて絞る様に構成しているので、
パンチの当らない部分に波とかしわが生ずる心配が無く
、従って製品の口縁部は完全に直線と戒るから、レース
加工の様な面倒な二次加工を省略出来るといった利点を
備えるものであるが、本考案では特にノックアウトに附
与する弾性をダブルアクション構造にしているため、次
の如き優れた効果を発揮することが出来る。

即ち、本考案に於いて外径打抜き用パンチによる素材の
打抜きから、該素材を雌型ダイスの口縁部に挾持せしめ
る迄の間は、比較的弱いバネに弾支されたノックアウト
が該素材の底面側を支持する関係上、打抜きの衝激はこ
のバネが吸収して上方に突出したノックアウトの上縁部
が素材の底面に喰込んだり、傷を付けるといった心配が
全く無く、従って本考案によれば底面に傷の無い美しい
製品を造ることが出来る。

また雌型ダイス内に於ける絞り加工時には、該素材の底
面側を受けるノックアウトに対してはノックアウトホル
ダーに附与した強力な弾性が作用するため、ダイス内に
圧入された素材はインナーパンチとノックアウトの間に
挾まれて正しく絞り加工され、更に加工された製品はイ
ンナーパンチの上昇に従ってノックアウトが支障無くダ
イスの外に押し出すことが出来るものであって、本考案
によればパンチのダブルアクションとノックアウトのダ
ブルクッションの組合せにより、良品な製品を単時間の
内に大量生産することが可能で、例えば自動車用プラグ
等の製造に使用して淘に好適である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は要部の
構造を示した断面図、第２図乃至第６図は加工工程を順
を追って説明した工程図である。 １・・・・・・アウターラム、２・・・・・・外径打抜
き用のパンチ、９・・・・・・インナーパンチ、１１・
・・・・・ノックアウト、１２・・・・・・ノックアウ
トホルダー １３・・・・・・バネ、Ａ・・・・・・原
材、Ｂ・・・・・・素材、Ｃ・・・・・・製品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下作動を行うアウターラムに原料より素材を打抜き、
   且つ該打抜いた素材の外縁を雌型ダイスの入口縁部分に
   圧着挾持する外径打抜きパンチを取付け、該パンチの内
   部には前記アウターラムより少し遅れて作動を開始し、
   且つ該ラムより大きなストロークで上下作動を行ない、
   前記打抜き素材を雌型ダイス内に圧入して絞り成形せし
   めるインナーパンチを嵌込むと共に、雌型ダイスの内部
   には比較的弱いバネに弾支されて常時上端部を打抜き素
   材の底面に弾接するノックアウトを摺動自在に挿入腰該
   ノックアウトはインナーポンチに押されるとバネに抗し
   て前記上端部を雌型ダイスの入口近傍迄降下出来る様に
   ノックアウトホルダーに取付け、該ホルダーには前記バ
   ネより強力な力でインナーポンチの降下刃に対向する弾
   性を附与せしめたことを特徴とする自動車用プラグ等の
   製造装置。