JP2615039B2 - 眼科測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、作動距離を違えて２つの測定を実行する眼
科測定装置に関し、例えば角膜曲率と眼軸長を測定し、
眼内レンズの屈折力を算出する眼科測定装置に良好に適
用できるものである。

［従来の技術］ 眼球内の水晶体が白濁し、視力が低下する白内障に対
する水晶体摘出手術後の視力矯正の１つの方法として、
近年では水晶体の代りに眼内レンズを挿入する方法が広
まりつつある。適正な視力を得るためには、角膜曲率測
定により角膜屈折力を算出し、超音波測定器により眼軸
長を測定し、これらの値を参考に眼科医が適当な屈折力
の眼内レンズを選択する。この場合において、角膜曲率
測定器と眼軸長測定器とは全く別個の製品とされてい
る。

従って、眼内レンズの屈折力を算出するために必要な
２種類の測定を、別個の器械で行わなくてはならないた
めに設置場所を広く要し、視力の悪い患者を移動させな
くてはならない。また、各測定値を再度計算機に入力
し、眼内レンズの屈折力を算出する必要がある。

［発明の目的］ 本発明の目的は、２種類の検出系を同一可動部上に配
置し、被検眼に対し可動部を移動することにより検出系
を切換え、２種類の検出を被検者を移動することなく行
えるようにした眼科測定装置を提供することにある。

［発明の概要］ 上述の目的を達成するための本発明の要旨は、固定部
と可動部を有し、前記可動部に被検眼に対し作動距離を
隔てて被検眼情報を検出する第１の検出系と、被検眼に
対し前記第１の検出系の作動距離よりも短い距離から被
検眼情報を検出する第２の検出系とを配置した装置にお
いて、被検眼に対向する検出系を切換えるために前記可
動部を前記固定部に対し所定量移動する手段と、前記可
動部の移動に連動して前記第１、第２の検出系を被検眼
に対向する検出系に応じて作動距離方向に相対変位させ
る相対変位手段とを備えたことを特徴とする眼科測定装
置である。

［発明の実施例］ 本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。

第１図は側面から見た機構図、第２図は正面から見た
機構図である。被検眼Ｅに対向して角膜曲率測定光学系
１が配置され、その後方には受光器２が設けられ、角膜
曲率測定光学系１の前部には円周方向に配置された複数
個の光源３が設けられている。これらの角膜曲率測定光
学系１、受光器２は、固定部４上に位置する可動部５内
に取り付けられている。角膜曲率測定光学系１の下方に
は、眼軸長検知器６が設けられ、この眼軸長検知器６の
後方には眼軸長光学系７が配置され、この眼軸長光学系
７はガイド棒８に沿って水平方向に前後進するボス９に
固定されている。

また、眼軸長光学系７等は連動腕10により上方に持ち
上げられ、この動きに伴って被検眼Ｅ側に突き出るよう
になっている。連動腕10はピン11により可動部５に、ピ
ン12により固定部４に回動自在に取り付けられている。
また、連動腕10にはピン13を介してボス９が固定され、
可動部５が垂直上方向に移動すると眼軸長検知器６は水
平方向にも移動し、第３図に示すように被検眼Ｅに対向
して測定状態にセットされる。受光器３及び眼軸長検知
器６からの信号は演算処理回路14で処理され、眼内レン
ズの屈折力が表示部15に表示されるようになっている。

第４図は可動部５と固定部４の連結部を示し、可動部
５に固定されたボス16は固定部４に固定された滑り軸17
に嵌合して上下方向に移動し、平衡ばね18により可動部
５及び光学系の重量を打ち消すようになっている。

第５図は可動部５の上下動機構を示しており、固定部
４に軸支された上下動軸19を回転すると、この上下動軸
19に軸着されたプーリ20に巻き付けられボス16に固定さ
れているワイヤ21により、可動部５が上下動するように
なっている。

なお、この第１の実施例において、可動部５の上下
動、眼軸長検知部７の水平動は機械的に連結されて連動
しているが、それぞれの動きを電気的に行うことも可能
であり、第６図は連動機構を電動にした第２の実施例を
示している。ここで、電動機30により回転され軸支部31
により支持されたねじ棒32にボス９が螺合され、可動部
５の動きはマイクロスイッチ33により検知されるように
なっている。なお、マイクロスイッチ33の出力は電動機
制御回路34に接続され、制御回路34の指示により電動機
30が作動するようにされている。

この第２の実施例において、可動部５が上下に移動し
マイクロスイッチ33が可動部５の所定の位置を検知する
と、電動機30は眼軸長検知器６を水平方向の前方に送り
出す方向にねじ棒32を回転し、ボス９が軸支部31に当接
し、電動機30に過負荷電流が流れると電動機制御回路34
により電動機30の回転は停止する。可動部５が下降する
とマイクロスイッチ33が検知し、制御回路34により電動
機30に逆回転する信号を出し、眼軸長検知器６は被検眼
Ｅから離れる方向に動く。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明に係る眼科測定装置は、２
つの検出系を一体化することにより、被検者を移動せず
に２種類の検出を達成し、また２つの測定の切換えに連
動してこの２つの検出系の作動距離調整を自動的に行え
るため、特に作動距離が異なる２つの検出系を含んだ装
置において、２つの検出を短時間で実行できるという顕
著な利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る眼科測定装置の実施例を示すもので
あり、第１図は第１の実施例における側面から見た機構
図、第２図は正面から見た機構図、第３図は眼軸長測定
時の状態の機構図、第４図は可動部と固定部の連結部の
機構図、第５図は上下機構部の機構図、第６図は第２の
実施例の機構図である。 符号１は角膜曲率測定光学系、２は受光器、３は光源、
４は固定部、５は可動部、６は眼軸長検知部、７は眼軸
長光学系、８はガイド棒、９、16はボス、10は連動腕、
14は演算処理回路、15は表示器、30は電動機、32はねじ
棒、33はマイクロスイッチ、34は制御回路である。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定部と可動部を有し、前記可動部に被検
   眼に対し作動距離を隔てて被検眼情報を検出する第１の
   検出系と、被検眼に対し前記第１の検出系の作動距離よ
   りも短い距離から被検眼情報を検出する第２の検出系と
   を配置した装置において、被検眼に対向する検出系を切
   換えるために前記可動部を前記固定部に対し所定量移動
   する手段と、前記可動部の移動に連動して前記第１、第
   ２の検出系を被検眼に対向する検出系に応じて作動距離
   方向に相対変位させる相対変位手段とを備えたことを特
   徴とする眼科測定装置。
2. 【請求項２】前記第１の検出系と第２の検出系は光学的
   又は音響的検出系であって、上下位置にそれぞれ水平に
   配置され、前記可動部の固定部に対する移動方向は上下
   方向とし、その移動量は前記第１、第２の検出系間の上
   下方向の配置間隔に等しくした特許請求の範囲第１項に
   記載の眼科測定装置。
3. 【請求項３】前記可動部の上下方向の移動に連動し、前
   記第１の検出系は上下方向に移動し、前記第２の検出系
   は上下方向に移動すると共に水平方向に前後進移動する
   ようにした特許請求の範囲第１項に記載の眼科測定装
   置。
4. 【請求項４】前記第１の検出系は角膜曲率測定系、前記
   第２の検出系は眼軸長測定系とした特許請求の範囲第１
   項に記載の眼科測定装置。