JP4267302B2 - 検眼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の眼屈折力の測定を行う検眼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
検眼装置は自動化の潮流の中にある。従来、検眼測定は、眼科医や眼鏡店の店員等の専門家がマンツーマンで付き添う形で行われていた。この形態では、専門家の確実な案内の下で測定を行うことができるという利点があった一方で、複数の被検者を一度に測定できないなど、効率性は犠牲となっていた。
【0003】
しかしながら、近年、この効率性という言葉がキーワードとなりつつある。というのも、コンピュータを使ったデスクワークの増加による成年層の視力低下や、家庭用テレビゲームの普及による子供の視力低下、または老年層の増加による老眼人口の増加など現在進行形の各種現象の影響により、全ての年齢層における眼鏡の需要増大が想定されるからである。また、眼鏡をファッションの一部として捉え、あたかも服を着替えるように時と場合に応じて眼鏡を「着替える」風潮が広がりを見せており、眼鏡店、特に眼鏡の安売り店は軒並み繁盛している現状がある。このような流れにあって、被検者が単独で、または、アシスタントが一度に複数の被検者をケアする形で検眼を行うことへの要望が高まりを見せている。
【0004】
このような要望に応えるべく開発された検眼装置としては、例えば、以下の特許文献1に開示された検眼装置がある。この検眼装置は、自動制御用のパソコンに接続され、左右被検眼用にそれぞれ独立に眼屈折力測定ユニットを備えたもので、他覚的および自覚的に被検眼の眼屈折力を測定することができる。眼屈折力測定は、両被検眼をともに開放状態として行われる(両眼視下での測定)。特に、他覚的眼屈折力測定は、左右の被検眼同時に行われる。この検眼装置は、さらに、両眼に対して眼屈折力測定ユニットのアライメントを行うオートアライメント機能や、アライメント結果から左右被検眼の瞳孔間の距離を求める瞳孔間距離測定機能を有しており、被検者単独での測定や、アシスタントの監視下における複数被検者の同時測定を想定している。
【0005】
なお、以下に記載する被検眼の両眼視機能の疾患に関する用語や内容は、非特許文献1の記載に準拠したものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−010981号公報(段落〔0057〕−〔0076〕、第14図)
【非特許文献1】
弓削経一他編「視能矯正−理論と実際−増補第3版第3刷」金原出版、昭和56年8月30日、p.115−127,142−149,231−232
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
検眼装置の自動化をさらに推進するためには、従来の検眼形態との比較から解るように、クリアすべき問題がひとつ浮かんでくる。専門家のノウハウの規格化およびオートメーション化である。このようなノウハウの代表的なもののひとつに、被検眼に斜視や斜位等による抑制が見られる場合の対応がある。
【0008】
例えば、被検眼に外斜位がある場合、通常は好ましいとされる両眼視下での他覚的眼屈折測定を行うと、調節の介入による被検眼の内寄せ(輻輳)が行われ、いわゆる斜位近視の状態となり一時的に近視の状態が発生してしまうため、測定結果の信頼性が担保されなくなる。また、注視する対象やその明るさや視野等の状況により斜視と正位が繰り返されるいわゆる間歇性斜視や、固視眼が不定で左右交代してしまういわゆる交代性斜視があり、これらの疾患を有する被検眼に対して同時に同一の視標を呈示すると固視眼から斜視眼に一時的に抑制が働いてしまう。したがって、左右の被検眼がともに開放状態のままでは正確な測定を行うことは困難である。
【0009】
また、斜視や斜位が見られる被検眼を開放状態としたまま両眼視下でアライメントを行うと、例えば被検眼に外斜位がある場合は、被検眼は調節を介して内よせを行い、眼位ずれを生じるため、正確な瞳孔間距離を求めることができない。
【0010】
一方、日常生活では正常な両眼視機能を発揮する者でも、検眼装置の左右眼屈折測定ユニットの光学系を介して両眼にそれぞれ投影された像の融像が適正に行われず、視野闘争による両眼単視の障害を起こし一方の像が抑制されて見えなくなり、いわゆる生理的抑制の状態となる場合がある。
【0011】
さらには、被検眼に弱視が見られる場合、特に片眼が弱視である場合においても、弱視側の眼で視認される像が極端に不鮮明であることや、抑制を生じることがある。
【0012】
しかし、従来の検眼装置は、適切な処置を施す専門家が付き添わないシチュエーションでの実施を想定しているにも関わらず、上記のようなケースに対処することはできないため、スムーズかつ信頼性の高い検眼測定を期待することは難しかった。
【0013】
そこで、本発明は、このような問題を発端とし、これを解決すべくなされたもので、被検眼に斜視や斜位等の両眼視機能の不具合や弱視等による抑制が存在する場合においても、迅速かつ適正な眼屈折力測定を行うことが可能な検眼装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、各種視標を呈示して左右の被検眼の眼屈折力を測定する左眼用光学ユニットと右眼用光学ユニットとを有し、前記左右の被検眼をともに開放状態として眼屈折力を測定することが可能な検眼装置において、前記左右の被検眼に生じる抑制を検出する検出手段をさらに有し、前記検出手段は、前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットにより同時に呈示される左右それぞれ異なる形状を有する2つの視標と、前記2つの視標のうち一方の前記視標を前記被検眼の一方に呈示し、他方の前記視標を前記被検眼の他方に呈示することによって、融像させる融像手段と、前記融像手段により呈示された前記2つの視標のいずれか一方のみが視認された場合に被検者がその視認結果を報知するための報知手段と、を含み、前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットは、前記2つの視標のいずれか一方のみが視認されたとの前記視認結果が前記報知手段により報知されたときは、前記左右の被検眼の一方を遮蔽状態にして他方の被検眼の眼屈折力を測定することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の検眼装置であって、前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットは、それぞれ対応する前記視標を照明する照明手段を含み、前記照明手段により前記視標を照明することによって前記被検眼を前記開放状態とし、前記照明手段による前記視標の照明を停止することで前記被検眼を前記遮蔽状態とすることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の検眼装置であって、前記左眼用光学ユニットと前記右眼用光学ユニットとをそれぞれ独立に移動させて、ともに前記開放状態とされた前記左右の被検眼に対するアライメントを行うことが可能なアライメント手段をさらに有し、前記アライメント手段は、前記2つの視標のいずれか一方のみが視認されたとの前記視認結果が前記報知手段により報知されたときには、前記左右の被検眼の一方を前記遮蔽状態にして他方の被検眼に対するアライメントを行うことを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の検眼装置であって、前記アライメント手段により移動されてアライメントがなされた前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットの位置に関する情報から、前記左右の被検眼の瞳孔間距離を算出する瞳孔間距離算出手段をさらに有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
[構成]
(全体構成)
図1にその外観を示す本発明にかかる検眼装置1は、安定した載置状態を得るための支持部3および4がその前面下部に形成された筐体2と、装置前面中央に設けられた額当て5と、この額当て5の両側に駆動可能に配置された左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6Rとから大略構成されている。この検眼装置1によれば、左右の被検眼をともに開放状態として、つまり左右の被検眼の視界を確保した状態(両眼視下)において検眼を行うことが可能である。支持部3には、その頂部にボタン7aを備えたジョイスティック7が設けられ、また、支持部4には、それぞれ上下左右を示す移動キー8、9、10および11が設けられている。ジョイスティック7は、前後左右の少なくとも4方向に傾動可能で、かつ、軸線(Y方向)を中心軸として回動可能に設けられている。左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6R(以下、まとめて光学ユニットと略称することがある。)には、それぞれ対応する被検眼の検眼を行うための光学系が内蔵されている。また、光学ユニット6Lおよび6RにはそれぞれプリズムPLおよびPRが取り付けられており、被検者は、額を額当て5に当接させて顔の位置を安定させた状態でプリズムPLおよびPRをのぞき込んで検眼を受けるようになっている。また、図示は省略するが、筐体2にはスピーカが設けられており、検眼プロセス等に関する音声ガイドが出力される。なお、ここでは、検眼装置1の前面側から見て、水平方向をX方向、垂直方向をY方向、そして前後方向をZ方向としている。
【0021】
(駆動装置)
図2は、検眼装置1を上面側から見た透視図で、光学ユニット6L、6Rを移動駆動するための機構を示すものである。筐体2内部に格納された駆動装置10Lおよび10Rは、それぞれ左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6Rを支持するとともに、その位置を移動させる。駆動装置10Lは、左眼用光学ユニット6Lを三次元的に駆動する三次元駆動機構11Lと、垂直方向を軸として左眼用光学ユニット6Lを水平方向に回転駆動する回転駆動機構12Lとから構成される。駆動装置10Rも同様に、右眼用光学ユニット6Rを三次元的に駆動する三次元駆動機構11Rと、垂直方向を軸として右眼用光学ユニット6Rを水平方向に回転駆動する回転駆動機構12Rとから構成されている。
【0022】
以下、駆動装置10L、10Rについて詳しく説明するが、いずれの構成も同一(左右対称)であるから、対応する部分には同一の符号を付することとする。駆動装置10L、10Rの三次元駆動機構11L、11Rは、パルスモータ13(または油圧シリンダ等でもよい。)と、パルスモータ13に一端を接続されこのパルスモータ13によりY方向に駆動される支持軸14と、支持軸14の他端が接続された三次元変位部15とを含んで構成されている。
【0023】
以下、図3もさらに参照して三次元変位部15の構成について詳しく述べる。図3は、駆動装置10L、10Rを装置前面側から、即ち光学ユニット6L、6R側から見た図である。三次元変位部15は、支持軸14の上記他端が接続されY方向に変位可能に設けられたY方向変位部材15Yと、このY方向移動部材15Yに嵌め込まれるかたちで配置されZ方向に変位可能に設けられたZ方向変位部材15Zと、このZ方向変位部材15Z上に設けられX方向に変位可能に設けられたX方向変位部材15Xとを含んでいる。Z方向変位部材15Zは、Y方向変位部材15Yに取り付けられたパルスモータ16により回転駆動される送りネジ17の動作によってZ方向に変位される。また、X方向変位部材15Xは、Z方向変位部材15Z上に取り付けられたパルスモータ18により回転駆動される送りネジ19の動作によってX方向に変位されるようになっている。
【0024】
続いて、回転駆動機構12L、12Rについて説明する。回転駆動機構12Lは、X方向変位部材15Xの中央部に固定されたパルスモータ20と、このパルスモータ20に一端を接続されパルスモータ20により垂直方向(Y方向)を軸として水平方向に回転駆動される回転軸21とから構成されている。回転軸21の他端は、左眼用光学ユニット6Lに固着されている。回転駆動機構12Rも同様に構成され、右眼用光学ユニット6Rに接続されている。
【0025】
以上のような構成の駆動装置10L、10Rにより、左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6RはXYZの三次元方向に駆動され、水平方向に回転駆動されるようになっている。
【0026】
(光学ユニット)
次に、左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6Rに内蔵されている各種レンズやミラー等から構成される光学系について詳細に説明をする。なお、光学ユニット6L、6Rに内蔵された光学系は互いに左右対称に構成されているので、左眼用光学ユニット6Lに関してのみ図示して詳述することとし、右眼用光学ユニット6Rの光学系については上記対称性を以てその説明に代えることとする。
【0027】
図4は、左眼用光学ユニット6Lの上面透過図であり、これに内蔵された光学系の構成を示すものである。ここで、ELは被検者の左眼を示す。同図には、左被検眼ELの前眼部像を撮像するための前眼部撮像光学系30と、左被検眼ELに対する左眼用光学ユニット6LのXY方向のアライメントを行うためのXYアライメント光学系40とが図示されている。また、左被検眼ELに入射される光束や左被検眼ELで反射された光束はすべて、プリズムPLを介して左眼用光学ユニット6Lと関連するものであるから、煩雑化を回避するためにプリズムPLについて逐一言及することはしない。また、OLは、光学系の光軸である。
【0028】
前眼部撮像光学系30は、左被検眼ELの前眼部を照明するための照明光学系50と、実際に撮像を行うための撮像光学系60とから構成されている。照明光学系50は、前眼部照明用の光源51、絞り52、および、光源51からの光束を被検眼ELの前眼部に投影するための投影レンズ53からなる。一方、撮像光学系60は、対物レンズ61と、ダイクロイックミラー62と、絞り63と、ダイクロイックミラー64と、リレーレンズ65および66と、ダイクロイックミラー67と、CCDレンズ68と、撮像手段たるCCD69とから構成される。したがって、前眼部撮像光学系30によれば、照明光学系50により左被検眼ELに入射された投影光束は前眼部で反射され、この反射光束は、前眼部撮像光学系60の各光学素子を経由してCCDレンズ68によりCCD69に結像されて左被検眼ELの前眼部像として撮像されることとなる。なお、反射光束が結像されるCCD69の面(結像面)の中心は光軸OL上に配置されている。また、後述の演算制御回路により、結像面上に結像された光束の座標を求めることが可能に構成されている。座標の原点は、光軸OLが通過する点、つまり結像面の中心である。
【0029】
一方、XYアライメント光学系40は、上述の撮像光学系60と、アライメント照明光学系70とからなる。アライメント照明光学系70は、アライメント用の光源71、アライメント用視標を形成する絞り72、リレーレンズ73、ダイクロイックミラー64、絞り63、ダイクロイックミラー62、そして対物レンズ61から構成される。図5に示すように、絞り72には透光領域が形成されており、中心には輝点を投影するための輝点部72aが、そしてその周囲には90度間隔で配置された放射状の光束を投影するための放射状部72bが設けられている。このような構成により、アライメント照明光学系70により左被検眼ELの前眼部に投影されたアライメント用視標の反射光束は、撮像光学系60により撮像されるようになっている。
【0030】
引き続き、図6を参照しながら左眼用光学ユニット6Lに内蔵された光学系について説明する。図6は、左眼用光学ユニット6Lの側面透視図で、当該光学系を構成する光学素子の配置を示したものである。同図によれば、左眼用光学ユニット6L内部にはさらに、左被検眼ELに視標を投影するための視標投影光学系80と、左被検眼ELの眼屈折力を測定するための測定光学系100と、左被検眼ELに左右両被検眼に同時に投影される投影像を融像するための融像枠を投影するための融像枠投影光学系130とが内蔵されている。なお、視標投影光学系80および融像枠投影光学系130は、本発明で言う照明手段を構成する。
【0031】
視標投影光学系80は、視標投影用の光源81、コリメータレンズ82、左被検眼ELを固視させるための風景チャートや両眼視機能検査用の十字斜位チャート等を切り換え配置可能な視標板83、ダイクロイックミラー84、反射ミラー85、コリメータレンズ86、反射ミラー87、移動レンズ88、リレーレンズ89および90、反射ミラー91、ダイクロイックミラー92および62、そして対物レンズ61を含んで構成される。視標板83としては、例えば、各種視標を切換表示可能な液晶画面を採用することができる。移動レンズ88にはパルスモータMが接続されており、左被検眼ELの眼屈折力に応じて移動レンズ88の位置を光軸上で前後させることにより雲霧を掛けることができるようになっている。
【0032】
ところで、視標板83により切り換え配置される視標のうちの十字斜位チャートとは、図7に示すように左眼用光学ユニット6Lに設けられたものと右眼用光学ユニット6Rに設けられたもので異なる形状を有し、双方を同時に左右の被検眼に投影される視標である。詳しくは、左眼用光学ユニット6L側の十字斜位チャートCLは、図7(A)に示すように、水平方向に配置した2つの透光部CLaおよびCLbを有するもので、左被検眼ELからは水平方向に並んだ2本の線として視認される。また、右眼用光学ユニット6R側の十字斜位チャートCRは、図7(B)に示すように、垂直方向に配置した2つの透光部CRaおよびCRbを有するもので、右被検眼ERからは垂直方向に並んだ2本の線として視認される。
【0033】
測定光学系100は、左被検眼ELの眼屈折力測定用の光束を投影するための測定光束投影光学系110と、この測定光束投影光学系110によって左被検眼ELの眼底に投影された測定光束の反射光束を受光するための測定光束受光光学系120とからなる。測定光束投影光学系110は、赤外LED等の測定用光源111、コリメータレンズ112、円錐プリズム113、測定用のリング状の視標からなるリング視標114、リレーレンズ115、リング状絞り116、中央に透光部117aが形成された三角プリズム117、ダイクロイックミラー92および62、そして対物レンズ61から構成され、左被検眼ELにリング状の視標を投影するようになっている。また、測定光束受光光学系120は、対物レンズ61、ダイクロイックミラー92および62、三角プリズム117の透光部117a、反射ミラー121、リレーレンズ122、移動レンズ88と同様に図示しないパルスモータを接続された移動レンズ123、反射ミラー124、ダイクロイックミラー67、CCDレンズ68、そしてCCD69を含んで構成され、測定光束投影光学系110が左被検眼ELの眼底に投影したリング状の視標の反射光束をCCD69によって撮像するようになっている。
【0034】
また、融像枠投影光学系130は、光源131、コリメータレンズ132、融像枠を形成するための視標133、ダイクロイックミラー84、反射ミラー85、コリメータレンズ86、反射ミラー87、移動レンズ88、リレーレンズ89および90、反射ミラー91、ダイクロイックミラー92および62、そして対物レンズ61を含んで構成される。視標133には、例えば、図8に示すように、正方形状の透光部133aが形成され(残りの領域は光源131からの光束を遮光するように加工されている)、この透光部131aを透過した正方形状の光束が被検眼に投影され、融像枠として作用する。なお、融像枠とは、左右両被検眼に同時に視標を投影する際に、左右の視標を融像するための融像刺激としての役目を果たす視標である。
【0035】
(演算制御回路等)
検眼装置1の筐体2には上述した構成各部の動作を制御する演算制御回路が格納されている。以下、この演算制御回路およびこれに付随する制御のための構成について説明するが、光学ユニット6Lおよび6Rに内蔵された光学系のケースと同様に、左眼用光学ユニット6Lの動作に関する部分のみを取り上げることとする。図9は、検眼装置1の動作を制御するための演算制御回路150および検眼装置1に接続された制御手段としてのコンピュータ200の構成を示すブロック図である。
【0036】
検眼装置1には、図示しない接続ケーブルを介して、コンピュータ200が接続されている。コンピュータ200は、CPUやI/Oインターフェイス等を含んで構成された演算制御回路201と、ROM、RAM、ハードディスク等からなる記憶装置202とを内蔵している。演算制御回路201は、記憶装置202に記憶された各種プログラムに従って各種データの演算処理を行うように構成されている。記憶装置210には、検眼装置1の各種動作を自動制御するための制御プログラム210がインストールされている。また、コンピュータ200には、表示装置としてのモニタ300が接続されており、コンピュータ200からの入力情報や被検眼の前眼部像、被検眼の眼屈折力の測定値等が表示される。
【0037】
コンピュータ200の記憶装置202に格納された制御プログラム210には、光学ユニット6L、6Rアライメントを行うためのプログラムであるアライメント制御手段211、被検眼の瞳孔間の距離を算出するためのプログラムである瞳孔間距離算出手段212、被検眼に抑制が生じていればこれを検出するためのプログラムであるスクリーニングテスト手段213、他覚的および自覚的に眼屈折力を測定するためのプログラムである眼屈折力測定手段214、および、スクリーニングテスト手段213による検出結果に対応して各種動作を切り換えるためのプログラムである切換手段215が含まれている。なお、これらのプログラムに基づく検眼装置1の動作の詳細については後述する。
【0038】
検眼装置1に内蔵された演算制御回路150は、コンピュータ200の演算制御回路201からの制御信号を受けて、三次元駆動機構11Lのパルスモータ13、16および18、回転駆動機構12Lのパルスモータ20の動作制御や、ジョイスティック7の操作に対応する処理を行う。そのほかにも、光学ユニット6L、6Rの光学系の光源51、71、81、111、131および133のオン/オフ制御や、視標投影光学系80の視標板83により切換配置される視標の制御、図示はしないがCCD69が撮像した画像に関する信号の処理なども行う。なお、CCD69からの画像信号はコンピュータ200に送られ、演算制御回路201により処理され、画像としてモニタ300に表示される。また、演算制御回路150は、検眼装置1の筐体2上に配置された前述のスピーカからの音声出力の制御も行う。
【0039】
[検眼装置の動作制御]
上記のような構成による検眼装置1の動作制御について動作ごと順を追って説明する。検眼装置1による測定は、次のような動作を含んでいる。まず、被検眼EL、ERに対して光学ユニット6L、6Rの位置決め、つまりアライメントを行うアライメント動作がある。また、抑制の存在を検出するために、左右の被検眼がそれぞれ視標を視認可能かどうかスクリーニングするスクリーニングテスト動作が行われる。そして、スクリーニングテスト動作によっていずれか一方の被検眼が視標を視認可能でない、即ち当該被検眼に抑制が生じていると検出されたときに、光学ユニット6L、6Rによる測定動作を切り換える切換動作が行われる。さらには、アライメント動作により被検眼EL、ERに対し適正に配置された各光学ユニット6L、6Rの位置情報から被検眼の瞳孔間距離を算出する瞳孔間距離算出動作がある。また、被検眼EL、ERの眼屈折力を測定する動作についての説明も適宜挿入される。
【0040】
以下の動作制御に関する説明においても、左眼用光学ユニット6Lを主として説明し、特に言及しない場合には右眼用光学ユニット6Rも全く同様の動作制御を受けるものとする。また、右眼用光学ユニット6Rの光学系を構成する光学素子については、原則として当該光学素子に対応する左眼用光学ユニット6L側の光学素子の符号をそのまま準用する。なお、被検者の右被検眼をERと称し、右眼用光学ユニット6Rの光学系の光軸をORと称することとする。
【0041】
検眼装置1、コンピュータ200およびモニタ300は、図示しない上下動可能な検眼テーブル上に載置されており、検眼テーブルとともにこれも図示しない椅子が配置されている。被検者は、この椅子に腰掛けたのち検眼テーブルの高さを調整してプリズムPL、PRが自分の目と同じくらいの高さに合わせる。高さの調整後に検眼装置1の図示しない電源スイッチをオンして電源を投入すると、プリズムPL、PRが所定の初期設定値だけ間隔を介して配置するように左眼用光学ユニット6Lと右眼用光学ユニット6Rとが自動的に駆動される(初期位置設定)。初期設定値としては、例えば、瞳孔間距離に関するサンプルの平均値を採用することができる。被検者は額を額当て5に当接させプリズムPL、PRをのぞき込む。このとき、必要があれば、被検者のプリズムPL、PRがそれぞれ左右の被検眼EL、ERに正対するように、各光学ユニット6L、6Rを手で移動させる。また、被検者の瞳孔間距離が既知である場合、演算制御回路150は、プリズムPL、PRのそれぞれの反射面の中心位置が当該距離を介するように、光学ユニット6L、6Rを移動制御する。アライメント動作は、アライメント制御手段211に従って演算制御回路201が送信する制御信号に基づいて演算制御回路150が制御する。
【0042】
〔アライメント動作〕
演算制御回路150は、まず、左眼用光学ユニット6Lおよび右眼用光学ユニット6Rの照明光学系50の光源51およびアライメント照明光学系70の光源71を点灯する。同時に、視標投影光学系80の光源81を点灯するとともに視標板83に固視用の風景チャートを配置して被検眼EL、ERを固視させる。この状態で、演算制御回路150は、パルスモータ20に制御信号を送信して回転駆動機構12Lおよび12Rの動作を制御してプリズムPL、PRの反射面の角度を所定の値に合わせ、左被検眼ELに向かう左眼用光学ユニット6Lの光軸OLと、右被検眼ERに向かう右眼用光学ユニット6Rの光軸ORとを平行に揃える。光軸OLとORとが平行に配置されると、XY方向のアライメント動作(XYアライメント動作)に移行する。なお、(この段階での)アライメント動作は、左右被検眼EL、ERに対して同時に行われる。
【0043】
(XYアライメント動作)
XYアライメント動作は、左被検眼ELの光軸と左眼用光学ユニット6Lの光軸OLとを一致させ、右被検眼ERの光軸と右眼用光学ユニット6Rの光軸ORとを一致させることを目的とする。なお、光学ユニットEL、ERの光軸OL、ORは、プリズムPL、PRの反射面の中心位置でそれぞれ反射されるようになっている。
【0044】
照明光学系50により投射される照明光束の左被検眼ELでの反射光束は、撮像光学系60を経由しCCD69に結像され、左被検眼ELの前眼部像として撮像される。また、アライメント照明光学系70により投射されるアライメント用視標の左被検眼ELでの反射光束も、角膜上の投影像としてCCD69により撮像される。なお、CCD69は、その結像面の中心が光軸OLに一致するように配置されている。
【0045】
次に、アライメントを行うための操作方法に関する音声ガイドがスピーカから出力される。被検者がジョイスティック7を左右方向に傾動操作すると、それに伴いパルスモータ18が動作制御され、左眼用光学ユニット6Lが左右、つまりX方向に移動される。同様に、ジョイスティック7を回動操作することに伴いパルスモータ13が動作制御され、左眼用光学ユニット6Lが上下(Y方向)に移動される。被検者は、アライメント用視標(絞り72により形成される)の投影像と、上記前眼部像とを一致させるようにジョイスティック7を上記の要領でX方向、Y方向に操作する。
【0046】
上記アライメント用視標の中心の輝点部がCCD69の結像面の中心の所定の近傍領域に入ると、即ち、左被検眼ELの光軸が光軸OLに十分近づくと、演算制御回路150は、左被検眼ELの光軸が光軸OLに一致する方向に駆動装置10Lを制御する。これで、左被検眼ELに対する左眼用光学ユニット6LのXYアライメント動作は完了する。
【0047】
なお、絞り72の輝点部72aを透過した光束が形成する輝点像および放射状部72bを透過した光束が形成する放射状像が結像されるCCD69の結像面上での座標は、それぞれ記憶装置202に記憶される。
【0048】
(Zアライメント動作)
続いて、Z方向のアライメント動作を行う。演算制御回路150は、CCD69からの画像信号に応じてパルスモータ16を駆動制御し、アライメント用視標がCCD69の結像面上において鮮明に結像されるように左眼用光学ユニット6Lを前後(Z方向)に移動する。画像の鮮明度が十分な程度になったところで、Zアライメント動作は完了する。以上で、左被検眼ELに対する左眼用光学ユニット6Lのアライメント動作は完了する。
【0049】
右被検眼ERに対する右眼用光学ユニット6Rのアライメント動作も同様のステップを踏んで同時に行われる。
【0050】
なお、アライメントされた光学ユニット6L、6Rの位置情報は、記憶装置210に記憶されるようになっている。この位置情報は、上述した初期位置設定の位置を基準として、そこからのX、Y、Z方向の変位量(アライメント座標と呼ぶ)として算出される。なお、本発明で言う「アライメント手段」は、XYアライメント光学系40、駆動装置10Lおよび10Rおよび演算制御回路150からなる。また、演算制御回路201は、アライメント制御手段211に基づいてアライメント手段を制御する。
【0051】
〔他覚的眼屈折力の測定動作〕
アライメントが完了したら、演算制御回路150は、眼屈折力測定手段214に基づく演算制御回路201からの制御信号に従って、被検眼EL、ERの他覚的眼屈折力を両眼同時に測定する。まず、演算制御回路150は、アライメント照明光学系70の光源71をオフにし、代わって測定光束投影光学系110の測定用光源111を点灯してリング視標114が形成するリング状の視標を被検眼EL、ERに投影する。ここで、被検眼EL、ERは風景チャートにより依然固視された状態にある。投影されたリング状の視標の眼底での(リング状の)反射光束は、測定光束受光光学系120を経由してCCD69に結像される。演算制御回路201は、CCD69からの画像信号に基づいて上記リング状の反射光束のサイズおよび歪みを検出し、記憶装置202に予め記憶されている基準のサイズおよび歪みとの比較を行うことで被検眼EL、ERの眼屈折力の他覚的測定値(球面度数、乱視度数、乱視軸角度)を同時に求める。
【0052】
〔スクリーニングテスト動作〕
続いて、他覚的眼屈折力測定動作で求められた数値をセットし、スクリーニングテストを行う。このスクリーニングテストは、被検眼EL、ERに斜視や斜位などの両眼視機能の不具合による抑制や弱視による抑制が働いていることを検出するためのものである。スクリーニングテストは、各光学ユニット6L、6Rが演算制御回路150に動作制御されて行う。演算制御回路150は、スクリーニングテスト手段213に従って演算制御回路201が送信する制御信号に基づいて動作制御する。
【0053】
まず、視標投影光学系80の光源81を点灯するとともに、視標板83を切り換え操作して十字斜位チャートCL、CRを配置する。同時に、光学ユニット6L、6R双方の融像枠投影光学系130の光源131を点灯する。したがって、左被検眼ELには十字斜位チャートCLと融像枠133aとが投影され、右被検眼ERには十字斜位チャートCRと融像枠133aとが投影された状態となる。なお、被検眼EL、ERに投影される融像枠(としての光束)と視標133の透光部133aとを同一視して同じ符号で示すものとする。
【0054】
図10は、左右の被検眼EL、ERの両眼視機能の状態に応じた十字斜位チャートCL、CRおよび融像枠133aの視認状態を示すものである。両眼視機能が正常であれば、左右両眼にそれぞれ投影された十字斜位チャートCL、CRは融像されて図10(A)に示す状態で視認される。また、右被検眼ERに抑制が生じている場合には図10(B)に示すように、十字斜位チャートCLのみが視認された状態となる。また、左被検眼ELに抑制が生じている場合には図10(C)に示すように十字斜位チャートCRのみが視認された状態となる。
【0055】
ここで、視認状態を報知するよう被検者を促すために、スピーカから、「4本の線が見えますか?見えたらジョイスティック(7)のボタン(7a)を押してください。水平の2本線のみが見えるならば、ジョイスティック(7)を右または左に倒してください。垂直の2本線のみが見えるならば、ジョイスティック(7)を前または後ろに倒してください。」と音声ガイドが流される。即ち、視認状態が図10(A)に示すようであればボタン7aを押下し、図10(B)のようであればジョイスティック7を右または左に倒し、または、図10(C)のようであればジョイスティック7を前または後ろに倒すように指示を与える。被検者がジョイスティック7を操作して応答すると、操作信号が演算制御回路150に送られる。演算制御回路150は、この操作信号に基づいて視認状態を認識する。
【0056】
したがって、十字斜位チャートCL、CRは、光学ユニット6L、6Rにより同時に呈示される、左右それぞれ異なる形状を有する「一対の視標」として、また、融像枠投影光学系130は、十字斜位チャートCL、CRを融像させて被検眼に呈示する「融像手段」として、そして、ジョイスティック7は、呈示された十字斜位チャートCL、CRのいずれか一方のみが視認された場合に被検者がその視認結果を報知するための「報知手段」として、それぞれ機能する。また、「検出手段」は、上記一対の視標、融像手段および報知手段に加えて、演算制御回路150によって構成されている。
【0057】
〔切換動作〕
検眼装置1は、上記スクリーニングテストの結果によって、眼屈折力を測定するステップを切り換えるように構成されている。演算制御回路150が行う切換動作は、切換手段215に基づく演算制御回路201による制御に従ってなされる。
【0058】
被検者の両眼視機能が正常で、ジョイスティック7のボタン7aが押下された場合、演算制御回路150は、左右の被検眼EL、ERをともに開放状態として自覚的屈折力測定を行うように、光学ユニット6L、6Rを動作させる。自覚的眼屈折力測定は、視標板83により配置される例えばランドルト環などの視力検査用の視標と、この視標に対するジョイスティック7や移動キー8ないし11による応答操作によって行われる通常の視力検査である。なお、被検者の両眼視機能が正常である場合、既に行ったアライメントおよび他覚的眼屈折力測定は適正に行われているので、更なるアライメントや他覚的眼屈折力測定を行う必要はない。
【0059】
一方、右被検眼ELに抑制が働いており、ジョイスティック7が右または左に倒された場合、演算制御回路150は、まず、融像枠投影光学系130の光源131をオフにして融像枠133aの投影を停止し、視標板83を制御して(固視用の)風景チャートを配置するとともに、右眼用光学ユニット6R内の全ての光源をオフにする。したがって、右被検眼ERの視界は閉ざされて遮蔽状態となる。なお、左被検眼ELは、開放状態のままである。このようにして、左被検眼ELのみが視界を保って開放状態とされた単眼視状態が形成される。左被検眼ELの単眼視状態の下で、左被検眼ELに対する左眼用光学ユニット6Lのアライメントを行い、続いて左被検眼ELの他覚的眼屈折力を測定し、そして自覚的眼屈折力を測定する。これらは、上述したそれぞれの内容と同じ要領で行われる。
【0060】
左被検眼ELの測定が終了したら、左眼用光学ユニット6L側の全ての光源をオフにして、左被検眼ELを遮蔽状態とする。また、右眼用光学ユニット6R側の全ての光源をオンして右被検眼ERを開放状態とし、右被検眼ERの単眼視状態を形成する。この状態において、右被検眼ERに対する右眼用光学ユニット6Rのアライメント、右被検眼ERの他覚的眼屈折力測定および自覚的眼屈折力測定を順次行う。以上で両被検眼の測定は完了する。なお、新たになされたアライメントのアライメント座標は、両眼を開放状態として行ったアライメントのアライメント座標に代わって、記憶装置210に記憶される。
【0061】
また、左被検眼ELに抑制が働いており、ジョイスティック7が前または後ろに倒された場合の演算制御回路150による制御処理は、上述した右被検眼ERに抑制が働いている場合の処理の「右」と「左」とを交換して読み替えたものとなる。
【0062】
〔瞳孔間距離算出動作〕
検眼装置1は、左被検眼ELの瞳孔と右被検眼ERの瞳孔との間の距離(瞳孔間距離)を算出する機能を持っている。瞳孔間距離は、瞳孔間距離算出手段212に基づく演算制御回路201の制御を受けた演算制御回路150により求められる。より詳しくは、アライメント時に記憶装置202に記憶された、アライメント座標、アライメント用視標の輝点像および放射状像の座標から算出される。この3つの座標をまとめて「算出条件」と呼ぶこととする。
【0063】
左右の被検眼EL、ERの両眼視機能が正常と判断された場合は、当初に行われたアライメント動作のときの算出条件から瞳孔間の距離を演算する。一方、被検眼ELまたはERのいずれかに抑制が働いている場合には、左右それぞれ単眼視状態で行われたアライメント動作に対応する算出条件から求めるようになっている。
【0064】
[作用]
以上のような構成を有する検眼装置1によれば、次のような作用を得ることが可能となる。第1に、スクリーニングテスト動作で被検眼EL、ERに抑制が生じているか否か認識することができ、抑制が生じていないときは両眼を開放状態として眼屈折力を測定し、一方、抑制の存在が検出されたときは片眼を遮蔽状態として開放状態にある被検眼の眼屈折力測定を実行するように切換動作を行うことが可能であるため、被検者ごとに適した視認状態での測定が可能となる。したがって、測定の信頼性が向上するとともに、測定のやり直し等の必要がなくなりスムーズに検眼を行うことができる。また、一時的抑制が生じた場合にも対応できる。
【0065】
第2の作用としては、いずれかの被検眼に抑制が見られる場合にはアライメントを片眼ずつ行うように制御されるので、個々の被検眼ごとに眼屈折力測定を行う際の測定精度が向上する。特に、斜位における調節の影響を回避することが可能となる。
【0066】
第3には、瞳孔間距離を正確に得られるという利点がある。これは、被検眼に抑制が見られる場合、瞳孔間距離を算出する際の基準データ(算出条件)を片眼ずつ得られることによる。これにより、次回検眼時、各光学ユニット6L、6Rを手作業で位置調整を行う必要がなくなるため、検眼時間が短縮される。
【0067】
さらには、以上説明した動作を自動的に行えることにも大きな意義があると言える。つまり、本発明の検眼装置1は、将来の主流化を期待される自動化された検眼装置における一つの、しかし不特定多数の被検者に対して正確な検眼を行うためには必須の、機能を提供するものだからである。
【0068】
このような検眼装置1に対し、さらに他の機能を設けたり、同一の作用を奏する別の構成と置換したりすることができるのは当然である。例えば、いわゆるレッドグリーンテストやクロスシリンダテストを施すための構成を追加することができる。また、左右眼用光学ユニット6L、6Rの適当な位置に被検眼に投射される光束を遮蔽する遮蔽板を抜き差し可能に設け、これを演算制御回路150で制御するように構成すれば、視標投影光学系80の光源81及び融像枠投影光学系130の光源131をオン/オフ制御することなく被検眼の開放状態/遮蔽状態を切り換えることができる。
【0069】
以上、詳細に説明した検眼装置1は、本発明の一実施形態にすぎないものであるから、本発明の主旨を理解、解釈する際には、この実施形態の構成態様に限定してこれを行うべきではない。
【0070】
【発明の効果】
本発明の検眼装置によれば、被検眼に斜視や斜位等の両眼視機能の不具合や弱視等による抑制が存在する場合においても、迅速かつ適正な眼屈折力測定を行うことが可能な検眼装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる検眼装置の外観斜視図である。
【図2】検眼装置の光学ユニットを駆動する機構を示す概略図である。
【図3】検眼装置の光学ユニットを駆動する機構を示す概略図である。
【図4】検眼装置の左眼用光学ユニットに格納された光学系の構成を示す図である。
【図5】検眼装置の光学ユニットにより投影されるアライメント視標を形成する絞りを示す概略図である。
【図6】検眼装置の左眼用光学ユニットに格納された光学系の構成を示す図である。
【図7】検眼装置の光学ユニットにより投射される十字斜位チャートを示す概略図である。
【図8】検眼装置の光学ユニットにより投影される融像枠を示す概略図である。
【図9】検眼装置の制御を行うための構成を示すブロック図である。
【図10】検眼装置の光学ユニットにより投影される十字斜位チャートおよび融像枠の被検者による視認状態を示す図である。
【符号の説明】
1 検眼装置
6L、6R (左眼用、右眼用)光学ユニット
7 ジョイスティック
10L、10R 駆動装置
40 XYアライメント光学系
50 照明光学系
72 絞り
80 視標投影光学系
83 視標板
130 融像枠投影光学系
133 融像枠
150 演算制御回路
200 コンピュータ
201 演算制御回路
202 記憶装置
201 制御プログラム
211 アライメント制御手段
212 瞳孔間距離演算手段
213 スクリーニングテスト手段
214 眼屈折力測定手段
215 切換手段
CL、CR 十字斜位チャート

Claims (4)

  1. 各種視標を呈示して左右の被検眼の眼屈折力を測定する左眼用光学ユニットと右眼用光学ユニットとを有し、前記左右の被検眼をともに開放状態として眼屈折力を測定することが可能な検眼装置において、
    前記左右の被検眼に生じる抑制を検出する検出手段をさらに有し、
    前記検出手段は、
    前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットにより同時に呈示される、左右それぞれ異なる形状を有する2つの視標と、前記2つの視標のうち一方の前記視標を前記被検眼の一方に呈示し、他方の前記視標を前記被検眼の他方に呈示することによって、融像させる融像手段と、前記融像手段により呈示された前記2つの視標のいずれか一方のみが視認された場合に被検者がその視認結果を報知するための報知手段と、を含み、
    前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットは、前記2つの視標のいずれか一方のみが視認されたとの前記視認結果が前記報知手段により報知されたときは、前記左右の被検眼の一方を遮蔽状態にして他方の被検眼の眼屈折力を測定する
    ことを特徴とする検眼装置。
  2. 前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットは、それぞれ対応する前記視標を照明する照明手段を含み、
    前記照明手段により前記視標を照明することによって前記被検眼を前記開放状態とし、前記照明手段による前記視標の照明を停止することで前記被検眼を前記遮蔽状態とすることを特徴とする請求項記載の検眼装置。
  3. 前記左眼用光学ユニットと前記右眼用光学ユニットとをそれぞれ独立に移動させて、ともに前記開放状態とされた前記左右の被検眼に対するアライメントを行うことが可能なアライメント手段をさらに有し、
    前記アライメント手段は、前記2つの視標のいずれか一方のみが視認されたとの前記視認結果が前記報知手段により報知されたときには、前記左右の被検眼の一方を前記遮蔽状態にして他方の被検眼に対するアライメントを行うことを特徴とする請求項または請求項に記載の検眼装置。
  4. 前記アライメント手段により移動されてアライメントがなされた前記左眼用光学ユニットおよび前記右眼用光学ユニットの位置に関する情報から、前記左右の被検眼の瞳孔間距離を算出する瞳孔間距離算出手段をさらに有することを特徴とする請求項記載の検眼装置。
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