JP2611319B2 - 人工ダイヤモンドコート装飾品用金合金 - Google Patents

人工ダイヤモンドコート装飾品用金合金

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JP2611319B2 JP63074084A JP7408488A JP2611319B2 JP 2611319 B2 JP2611319 B2 JP 2611319B2 JP 63074084 A JP63074084 A JP 63074084A JP 7408488 A JP7408488 A JP 7408488A JP 2611319 B2 JP2611319 B2 JP 2611319B2
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直之 細田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、人工ダイヤモンドのコートが可能な装飾
品用金合金に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、時計バンド、ブレスレット、ライター、ブロ
ーチ、ペンダント、バックル、万年筆、シガレットケー
ス、ネクタイピン、カフスボタンなどの装身具や装飾
品、さらに各種工芸品(以下これらを総称して装飾品と
いう)などの製造には、純金や各種金合金の板材、ある
いはこれら金および金合金から適宜な組合せで色調の異
なる複数種を選び、これを素材として用い、鍛接法やロ
ール圧延法、爆着法、さらに押出法などの加工法を施す
ことにより製造された複合板材が用いられている。
また、上記の金合金としては、重量%で(以下%は重
量%を示す)、色調を変化させ、かつ強化する目的で、
Ag,Pd,Cu,およびNiのうちの1種または2種以上:1〜40
%含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成を有す
るものが知られており、ちなみに、合金成分としてのAg
は色調を青色化し、またPdおよびNiは白色化し、さらに
Cuは赤色化するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記装飾品においては、これを構成する純金
および金合金が軟質であるために傷がつき易く、特に表
面に繊細で複雑な模様を施した装飾品にあっては、その
取扱いに細心の注意をはらう必要がある。
一方、かかる問題に対処するために、公知の人工ダイ
ヤモンド析出処理方法、すなわち特開昭58−91100号公
報に記載される熱電子放射法や、特開昭58−13117号公
報に記載される高周波プラズマ法、さらに特開昭56−11
0494号公報に記載されるマイクロ波法を用いて、上記金
および金合金製の装飾品の表面に人工ダイヤモンドをコ
ートする試みをなされたが、上記の金および金合金の表
面に人工ダイヤモンドは析出せず、実質的に人工ダイヤ
モンドのコートは不可能であるのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、人工
ダイヤモンドによるコートが可能な金合金を開発すべ
く、上記の装飾品として用いられている純金および金合
金に着目し研究を行なった結果、これらの純金および金
合金に、合金成分として、Hf,Zr,Ta,Nb,Mo,およびWの
うちの1種または2種以上を1〜20%含有させると、こ
れらの合金成分を含有する金合金の表面には、人工ダイ
ヤモンドが析出し、高い密着力でコートされるようにな
るという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 人工ダイヤモンド析出促進成分として、Hf,Zr,Ta,Nb,
Mo,およびWのうちの1種または2種以上:1〜20%、を
含有し、さらに必要に応じて、 Ag,Pd,Cu,およびNiのうちの1種または2種以上:1〜4
0%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成を有
し、人工ダイヤモンドのコートが可能な装飾品用金合金
に特徴を有するものである。
なお、この発明の金合金において、Hf,Zr,Ta,Nb,Mo,
およびWの含有量を1〜20%に定めたのは、その含有量
が1%未満では、上記の通り人工ダイヤモンドを密着性
よくコートすることができず、一方その含有量が20%を
越えると金合金のもつ装飾的美的価値の高い色調が損な
われるようになるばかりでなく、鋳造性や加工性が低下
するようになるという理由によるものであり、また、青
色や白色、あるいは赤色の色調に変化させ、かつ強化す
る目的で含有されるAgやPd、さらにCu,およびNiの含有
量を1〜40%に定めたのは、その含有量が1%未満では
所望の色調調整および強化をはかることができず、一方
その含有量が40%を越えると、色調が損なわれるように
なるほか、加工性も低下するようになるという理由にも
とづくものである。
また、上記の人工ダイヤモンド析出処理方法として知
られている上記熱電子放射法は、第1図に概略断面図で
示されるように、石英製縦型反応容器1内の上方位置に
開口する反応混合ガス導入管2によって流入された、主
として炭化水素と水素で構成された反応混合ガスを、そ
の下方位置に配置された、熱電子放射材としての例えば
金属タングステン製フィラメント3および台板4上に支
持された基体5に向って流し、この間、反応容器1内の
雰囲気圧力を0.1〜300torrに保持すると共に、フィラメ
ント3を1500〜2500℃に加熱して、反応混合ガスの加熱
活性化と、所定間隔をおいて下方配置された基体表面の
300〜1300℃の範囲内の温度への加熱をはかり、この状
態で所定時間の反応を行なわしめることにより前記基体
5の表面にダイヤモンドを析出形成せしめる方法であ
り、例えば特開昭58−91100号公報に記載される方法が
この方法に相当する方法である。
また、上記高周波プラズマ法は、同じく第2図に概略
断面図で示されるように、石英製横型反応容器1内の中
央部に基体5を置き、この反応容器1の一方側に設けた
反応混合ガス導入管2から主として炭化水素と水素で構
成された反応混合ガスを流入させ、一方反応容器1の他
方側から排気し、この間、反応容器1内の雰囲気圧力を
数torr〜数10torrに保持すると共に、反応容器1の中央
部外周に設けた高周波コイル6に、例えば周波数:13.56
MHz、出力:500Wの条件を付加して反応容器1内の基体5
の周囲にプラズマ放電を誘起させ、このプラズマ放電に
よって反応混合ガスの加熱活性化と基体表面温度の上昇
をはかり、この状態で所定時間の反応を行なわしめるこ
とにより基体表面にダイヤモンドを析出形成せしめる方
法であり、例えば特開昭58−135117号公報に記載されて
いる方法がこれに相当するものである。
さらに、上記マイクロ波法は、同様に第3図に概略断
面図で示されるように、石英製縦型反応容器1内の中央
位置に基体5を置き、この反応容器1の上部に設けた反
応混合ガス導入管2から、主として炭化水素と水素で構
成された反応混合ガスを流入させ、一方反応容器1の下
部から排気し、この間、反応容器内の雰囲気圧力を0.1
〜300torrに保持しながら、反応容器1の中央部外周に
設けた導波管7を通して供給された、例えば2450MHzの
マイクロ波をプラズマ調整用プランジャ8によって調整
して、反応容器1内の基体5の周囲にプラズマ放電を発
生させ、このプラズマ放電によって反応混合ガスの加熱
活性化と基体表面温度の上昇をはかり、この状態で所定
時間の反応を行なわしめることにより基体表面にダイヤ
モンドを析出形成せしめる方法であり、例えば特開昭58
−110494号公報に記載されている方法がこれに相当する
方法である。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の金合金を実施例により具体的に説
明する。
通常の溶解法を用いて、それぞれ第1表に示される金
合金溶湯を調製し、鋳造してインゴットと なし、ついでこれを通常の条件で圧延することによって
本発明金合金板材1〜8および従来金合金板材1〜5を
それぞれ製造した。
ついで、この結果得られた各種の金合金板材に対し
て、公知の人工ダイヤモンド析出処理方法を用い、通常
の条件で人工ダイヤモンドの析出処理を行ない、その表
面に人工ダイヤモンドをコートした。処理後、人工ダイ
ヤモンドの面積率を測定し、第1表に示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明金合金板材1〜8
には、いずれも28%以上の面積率で人工ダイヤモンドが
コートされているのに対して、Hf,Zr,Ta,Nb,Mo,および
Wを含有しない純金や従来金合金で構成される従来金合
金板材1〜5は、人工ダイヤモンドによるコートが全く
不可能であることが明らかである。
上述のように、この発明の金合金は、その表面への人
工ダイヤモンドのコートが可能なので、これを各種装飾
品の製造に用いた場合、この装飾品表面への人工ダイヤ
モンドコートによって装飾品のもつ装飾的美的価値が半
永久的に保持されるようになるなど工業上有用な特性を
有するのである。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図はいずれも人工ダイヤモンド析出処理方法を
示す概略断面図で、第1図は熱電子放射法、第2図は高
周波プラズマ法、第3図はマイクロ波法をそれぞれ示す
図である。 1……反応容器、 2……反応混合ガス導入管、 3……熱電子放射材、4……台板、 5……基体、6……高周波コイル、 7……導波管、8……プランジャ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 則文 埼玉県大宮市北袋町1―297 三菱金属 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−244705(JP,A) 特開 昭58−77540(JP,A) 特開 昭59−129769(JP,A) 特開 昭62−202899(JP,A) 特開 昭61−261480(JP,A) 特開 昭63−11658(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Hf,Zr,Ta,Nb,Mo、およびWのうちの1種ま
    たは2種以上:1〜20%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする人工ダイヤモンドコ
    ート装飾品用金合金。
  2. 【請求項2】Hf,Zr,Ta,Nb,Mo、およびWのうちの1種ま
    たは2種以上:1〜20%、 を含有し、さらに、 Ag,Pd,Cu、およびNiのうちの1種または2種以上:1〜40
    %、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする人工ダイヤモンドコ
    ート装飾品用金合金。
JP63074084A 1988-03-28 1988-03-28 人工ダイヤモンドコート装飾品用金合金 Expired - Lifetime JP2611319B2 (ja)

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