JPH0723528B2 - 表面硬化層を有する高強度Au合金部材 - Google Patents

表面硬化層を有する高強度Au合金部材

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JPH0723528B2
JPH0723528B2 JP15480186A JP15480186A JPH0723528B2 JP H0723528 B2 JPH0723528 B2 JP H0723528B2 JP 15480186 A JP15480186 A JP 15480186A JP 15480186 A JP15480186 A JP 15480186A JP H0723528 B2 JPH0723528 B2 JP H0723528B2
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秀昭 吉田
正樹 森川
利玄 臂
福久 松田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた表面硬さを有し、特に指輪、ネッ
クレス等の装飾品として用いるのに適した、窒化処理に
よる表面硬化層を有する高強度Au合金部材に関するもの
である。
〔従来の技術〕
周知のように、金はすべての金属中化学的に最も安定し
た金属で、永く美麗な黄金色を保持できる上に、物理的
にはきわめて柔軟で、あらゆる金属中展延性にもっとも
すぐれ、細工が容易であるところから、金ならびにAu合
金は古来より装飾用材料として広く利用されてきた。
純金はきわめて軟かくて傷つきやすいため、これにAg,C
u等を添加して適度の硬さをもたせた、いわゆる18K、14
K等のAu合金が一般に装飾用材料として利用されている
が、このようなAu合金でも装飾品として身につけたとき
にはなお傷がつきやすいという欠点を有する。
また、近年ダイヤカット法といわれる鋭い切込みによる
鮮明な模様をほどこしたAu合金の指輪、ネックレス等が
普及してきたが、従来のAu合金では軟質のためエッジが
摩耗し、模様が不鮮明になることが屡々問題となってお
り、このような問題を克服するためにAu合金を硬くする
工夫が種々試みられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
一方、Au合金を装飾品として身につけたとき、その表面
に傷がつかないためには、通常Au合金部材の硬さがHv
(ビッカース硬さ):350以上、好ましくはHv:500以上が
よいとされており、例えば腕時計の文字盤ガラスの硬さ
はおよそHv:500であるから、Hv:500以上のAu合金ができ
れば、この文字盤ガラスでも傷がつかない硬い装飾用の
Au合金部材が提供できることになる。
しかしながら、今のところ、種々のAu合金に熱処理を施
し、あるいはさらに加工硬化を利用しても、その硬さは
精々Hv:300どまりであって、上記のような要求を満たす
Au合金の開発には成功していないのが現状である。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、硬質、
得に高い表面硬さを有すると共に、高強度を合せもった
Au合金部材を得べく研究を行なった結果、重量%で、 Cr:0.5〜15%、 Ni,Co,およびFe(以下、これらを総称して鉄族金属とい
う)のうちの1種または2種以上:0.5〜20%、 を含有し、さらに必要に応じて、 VおよびMnのうちの1種または2種:0.5〜20%と、 Ag,Cu,およびPdのうちの1種または2種以上:3〜35%、 のうちのいずれか、または両方を含有し、残りがAuと不
可避不純物からなる組成を有するAu合金は、高含有量の
鉄族金属によって高強度をもち、さらにこのAu合金を基
体部材とし、これの表面に窒化処理を施すと、表面より
拡散侵入したNが、合金成分としてのCr、鉄族金属、さ
らにVおよびMnのうちの1種以上と複合窒化物を形成し
て、ビッカース硬さで500以上を有する表面硬化層が形
成されるようになるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであっ
て、以下にAu合金基体の成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。
(a)Cr Cr成分は、窒化処理に際して、同じく合金成分として含
有させた鉄族金属、さらにVおよびMnと共に、複合窒化
物を形成し、もってAu合金基体の表面に、ビッカース硬
さで500以上の高硬度を有する窒化処理表面硬化層を形
成するのに不可欠な成分であるが、その含有量が0.5%
未満では所望の高硬度をもった表面硬化層を形成するこ
とができず、一方15%を越えて含有させると、窒化処理
表面硬化層に剥離現象が現われるようになることから、
その含有量を0.5〜15%と定めた。
(b)鉄族金属 これらの成分には、上記の通りCr、さらにVおよびMnと
複合窒化物を形成して高硬度の窒化処理表面硬化層を形
成するほか、Au合金基体の強度を向上させる作用がある
が、その含有量が0.5%以下では、所望の高強度を確保
することができないばかりでなく、前記の表面硬化層の
硬さをビッカース硬さで500以上に保持することが困難
になり、一方20%を越えて含有させると、Auのもつすぐ
れた特性を十分に発揮することができなくなることか
ら、その含有量を0.5〜20%と定めた。
(c)VおよびMn これらの成分には、窒化処理に際してCrおよび鉄族金属
と共に複合窒化物を形成するほか、形成される複合窒化
物を微細化し、もってこの結果形成された表面硬化層と
Au合金基体との整合性を向上させ、この表面硬化層に剥
離現象が起らないようにする作用があるので、特に比較
的層厚のある表面硬化層を形成する必要がある場合など
に選択的に含有されるが、その含有量が0.5%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方20%を越えて含
有させると、Au合金基体の延性を低下させることから、
その含有量を0.5〜20%と定めた。
(d)Ag,Cu,およびPd これらの成分には、素地に固溶して、これを固溶強化す
る作用があるので、さらに一段の強度が要求される場合
に必要に応じて含有されるが、その含有量が3%未満で
は所望の強度向上効果が得られず、一方35%を越えて含
有させると、Auのもつ特性を十分に発揮することができ
なくなることから、その含有量を3〜35%と定めた。
なお、この発明のAu合金基体の溶解に際して、脱酸剤と
してCdやZnなどを使用する場合があるが、それぞれ3%
以下の含有ならば、前記基体の特性が何ら損なわれるも
のではない。
また、この発明のAu合金基体の製造に際して適用される
窒化処理、特にイオン窒化処理は次のようにして実施さ
れる。すなわち、 0.5〜10Torrの内部圧力となるように、H2とN2との混
合ガスまたはNH3ガスを導入した密閉容器内に、窒化処
理を施すべきAu合金基体を陰極として封入し、この陰極
と、別に封入された陽極との間に100〜1500Vの電圧を印
加してグロー放電を発生させることによって行なわれ、
この結果前記放電によってイオン化された雰囲気中の窒
素が前記Au合金基体(陰極)に衝突して、そのイオンの
もつ高い運動エネルギーによりAu合金基体が加熱され、
その表面のイオン窒化処理が達成されるようになるので
ある。
〔実施例〕
つぎに、この発明のAu合金部材を実施例により説明す
る。
TIGアークを用い、銅製水冷るつぼ内で、必要な添加金
属と電解Auを溶解して、それぞれ第1表に示される成分
組成をもったAu合金溶湯:10gを調製した後、ボタン・イ
ンゴットに金型鋳造し、このインゴットを表面研磨して
寸法:10mm×1mmを有する試験片(Au合金基体)とし、
この試験片の一部を用いて強度を評価する目的で抗折力
を測定すると共に、マイクロビッカース硬さを測定した
後、さらに、5Torrの圧力を有するN2とH2との混合ガ
ス(混合比1:1)雰囲気中、温度:830℃で5時間の条件
にてイオン窒化処理を施すことによって、本発明Au合 金部材1〜27および基体の組成が従来Au合金に相当する
組成を有する比較Au合金部材1〜3をそれぞれ製造し
た。
ついで、この結果得られた各種の部材について、その表
面最高硬さを、マイクロビッカースにより測定した。こ
れらの測定結果を第1表に合わせて示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明のAu合金部材1〜27
は、いずれも高強度を有し、かつ窒化処理により表面硬
さの格段の向上が得られるのに対し、比較Au合金部材1,
2(18K合金および14K合金)では、窒化処理によって
も、その表面硬さは殆んど変らず、さらに硬質Au合金で
構成された比較Au合金部材3においても殆ど硬さの向上
が得られないことが明らかである。
上述のように、この発明のAu合金部材は、窒化処理によ
り形成された著しく硬い表面硬化層を有し、かつ高強度
も合せもつので、これらの特性が要求される装飾用部材
として使用した場合にきわめて長期に亘ってすぐれた性
能を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 一博 大阪府大阪市阿倍野区阪南町1−35−16 (56)参考文献 特開 昭59−93872(JP,A) 特公 昭61−904(JP,B2)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr:0.5〜15%、 Ni,Co,およびFe(以下鉄族金属という)のうちの1種ま
    たは2種以上:0.5〜20%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するAu合金基体の表面に、Crと鉄族金属の
    複合窒素化物によって硬化された窒素化処理表面硬化層
    を形成してなる高強度Au合金部材。
  2. 【請求項2】Cr:0.5〜15%、 Ni,Co,およびFe(以下鉄族金属という)のうちの1種ま
    たは2種以上:0.5〜20%、 を含有し、さらに、 VおよびMnのうちの1種または2種:0.5〜20%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するAu合金基体の表面に、Crと、鉄族金属
    と、VおよびMnのうちの1種以上との複合窒素化物によ
    って硬化された窒化処理表面硬化層を形成してなる高強
    度Au合金部材。
  3. 【請求項3】Cr:0.5〜15%、 Ni,Co,およびFe(以下鉄族金属という)のうちの1種ま
    たは2種以上:0.5〜20%、 を含有し、さらに、 Ag,Cu,およびPdのうちの1種または2種以上:3〜35%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するAu合金基体の表面に、Crと鉄族金属の
    複合窒化物によって硬化された窒化処理表面硬化層を形
    成してなる高強度Au合金部材。
  4. 【請求項4】Cr:0.5〜15%、 Ni,Co,およびFe(以下鉄族金属という)のうちの1種ま
    たは2種以上:0.5〜20%、 を含有し、さらに、 VおよびMnのうちの1種または2種:0.5〜20%と、 Ag,Cu,およびPdのうちの1種または2種以上:3〜35%、 を含有し、残りがAuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するAu合金基体の表面に、Crと、鉄族金属
    と、VおよびMnのうちの1種以上との複合窒化物によっ
    て硬化された窒化処理表面硬化層を形成してなる高強度
    Au合金部材。
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