JPH0730676Y2 - 金色外装部品 - Google Patents
金色外装部品Info
- Publication number
- JPH0730676Y2 JPH0730676Y2 JP1992007205U JP720592U JPH0730676Y2 JP H0730676 Y2 JPH0730676 Y2 JP H0730676Y2 JP 1992007205 U JP1992007205 U JP 1992007205U JP 720592 U JP720592 U JP 720592U JP H0730676 Y2 JPH0730676 Y2 JP H0730676Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gold
- zirconium
- layer
- coating
- torr
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この考案は、時計ケース、時計バ
ンド、メガネフレーム、装身具等の装飾用外装部品に使
用する金色外装部品に関する。
ンド、メガネフレーム、装身具等の装飾用外装部品に使
用する金色外装部品に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、金色外装部品としては金または金
合金材や、そのめっき品が使われてきたが、近年物理蒸
着法と呼ばれる気相めっき法が発達し、窒化チタン等の
金色を有する超硬化合物被膜の開発がなされ、これを下
地層とし、その上に金または金合金を形成した金色外装
部品も知られていた。例えば特公昭５９−２６６６４号
公報にこのような金色外装部品が開発されている。
合金材や、そのめっき品が使われてきたが、近年物理蒸
着法と呼ばれる気相めっき法が発達し、窒化チタン等の
金色を有する超硬化合物被膜の開発がなされ、これを下
地層とし、その上に金または金合金を形成した金色外装
部品も知られていた。例えば特公昭５９−２６６６４号
公報にこのような金色外装部品が開発されている。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の金ムク
材や金めっき品ではそのコストが高くつくという欠点
が、また、窒化チタン上に金を被覆した場合には、金が
摩耗すると下層の窒化チタン層が現れてしまう。この窒
化チタンは金や金合金に比べ可視光に対する反射率が低
いため暗く感じられ、さらにその反射率の特性から緑色
を帯びているので、金や金合金とは異質な感じを与えて
しまうという欠点をもっていた。
材や金めっき品ではそのコストが高くつくという欠点
が、また、窒化チタン上に金を被覆した場合には、金が
摩耗すると下層の窒化チタン層が現れてしまう。この窒
化チタンは金や金合金に比べ可視光に対する反射率が低
いため暗く感じられ、さらにその反射率の特性から緑色
を帯びているので、金や金合金とは異質な感じを与えて
しまうという欠点をもっていた。
【０００４】そこで、この考案は従来のこのような欠点
を解決するため、低コストでかつ摩耗に対し色調変化を
できるかぎり小さくし、反射率の高いハミルトンゴール
ド色を呈する金色外装部品を得ることを目的としてい
る。
を解決するため、低コストでかつ摩耗に対し色調変化を
できるかぎり小さくし、反射率の高いハミルトンゴール
ド色を呈する金色外装部品を得ることを目的としてい
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの考案は、下地層として金属または耐熱性基材上に
イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法
または、熱反応またはプラズマ等による化学蒸着法によ
り窒化ジルコニウムまたは炭窒化ジルコニウムの金色被
膜を用い、上層として金または金合金被膜を真空蒸着、
イオンプレーティング、スパッタリング等の気相めっき
法または、電気めっき等の湿式めっき法により形成する
ものである。
にこの考案は、下地層として金属または耐熱性基材上に
イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法
または、熱反応またはプラズマ等による化学蒸着法によ
り窒化ジルコニウムまたは炭窒化ジルコニウムの金色被
膜を用い、上層として金または金合金被膜を真空蒸着、
イオンプレーティング、スパッタリング等の気相めっき
法または、電気めっき等の湿式めっき法により形成する
ものである。
【０００６】上記のように金属または耐熱性基材上に形
成される窒化ジルコニウムや炭窒化ジルコニウムは窒化
チタンに比べ、図１の斜線部に示すように高い反射率を
有し、色調も金や金合金により近いものであることか
ら、上層の金または金合金被膜が摩耗し、部分的に露出
した場合でも異質な感じを与えないのである。
成される窒化ジルコニウムや炭窒化ジルコニウムは窒化
チタンに比べ、図１の斜線部に示すように高い反射率を
有し、色調も金や金合金により近いものであることか
ら、上層の金または金合金被膜が摩耗し、部分的に露出
した場合でも異質な感じを与えないのである。
【０００７】
【実施例】以下に実施例に基づいてこの考案を説明す
る。 （実施例１） ステンレス鋼製の腕時計ケースを有機溶剤および酸、ア
ルカリで洗浄した後、活性反応蒸着方式とよばれるイオ
ンプレーティング装置内に備えられた治具にセットし、
５×１０-5Ｔｏｒｒまで真空排気した後、１×１０-3Ｔ
ｏｒｒの窒素雰囲気中で、ジルコニウムを電子ビーム加
熱により蒸発させ、イオンプレーティング機構により放
電プラズマを形成させて治具にセットされた腕時計ケー
ス上に金色の窒化ジルコニウムを約１μｍ形成した。
る。 （実施例１） ステンレス鋼製の腕時計ケースを有機溶剤および酸、ア
ルカリで洗浄した後、活性反応蒸着方式とよばれるイオ
ンプレーティング装置内に備えられた治具にセットし、
５×１０-5Ｔｏｒｒまで真空排気した後、１×１０-3Ｔ
ｏｒｒの窒素雰囲気中で、ジルコニウムを電子ビーム加
熱により蒸発させ、イオンプレーティング機構により放
電プラズマを形成させて治具にセットされた腕時計ケー
ス上に金色の窒化ジルコニウムを約１μｍ形成した。
【０００８】次に、同一の装置で真空を切らずに再度５
×１０-5Ｔｏｒｒまで真空排気を行い、電子ビームで金
を蒸発させ、金被膜を約０．１μｍ形成した。このよう
にして得られた腕時計ケースは金と同様、美しい金色を
有していた。 （実施例２） ステンレス鋼製の腕時計ケースを実施例１と同様、洗浄
後イオンプレーティング装置内にセットし、５×１０-5
Ｔｏｒｒまで真空排気し、窒素分圧１×１０-3Ｔｏｒ
ｒ、アセチレン分圧２×１０-4Ｔｏｒｒになるように窒
素およびアセチレンを導入しながら、電子ビーム加熱に
よりジルコニウムを蒸発させ、イオンプレーティング機
構により放電プラズマを形成させてセットした腕時計ケ
ース上に金色の炭窒化ジルコニウムを約１μｍ形成し
た。
×１０-5Ｔｏｒｒまで真空排気を行い、電子ビームで金
を蒸発させ、金被膜を約０．１μｍ形成した。このよう
にして得られた腕時計ケースは金と同様、美しい金色を
有していた。 （実施例２） ステンレス鋼製の腕時計ケースを実施例１と同様、洗浄
後イオンプレーティング装置内にセットし、５×１０-5
Ｔｏｒｒまで真空排気し、窒素分圧１×１０-3Ｔｏｒ
ｒ、アセチレン分圧２×１０-4Ｔｏｒｒになるように窒
素およびアセチレンを導入しながら、電子ビーム加熱に
よりジルコニウムを蒸発させ、イオンプレーティング機
構により放電プラズマを形成させてセットした腕時計ケ
ース上に金色の炭窒化ジルコニウムを約１μｍ形成し
た。
【０００９】次に、ジルコニウムの蒸発をやめ、窒素お
よびアセチレンの導入もやめ、５×１０-5Ｔｏｒｒまで
再度排気した後、アルゴンガス雰囲気とし、重量比で約
３％のニッケルを含んだ金を抵抗加熱蒸発させ、高周波
イオンプレーティングを行い、約０．０５μｍの被膜を
形成したところ、いわゆるハミルトンゴールドと呼ばれ
る金色に極めて近い金色被膜を有した腕時計ケースを得
ることができた。
よびアセチレンの導入もやめ、５×１０-5Ｔｏｒｒまで
再度排気した後、アルゴンガス雰囲気とし、重量比で約
３％のニッケルを含んだ金を抵抗加熱蒸発させ、高周波
イオンプレーティングを行い、約０．０５μｍの被膜を
形成したところ、いわゆるハミルトンゴールドと呼ばれ
る金色に極めて近い金色被膜を有した腕時計ケースを得
ることができた。
【００１０】（実施例３） ステンレス鋼製の時計バンドを実施例１と同様、洗浄
後、イオンプレーティング装置内にセットし、５×１０
-5Ｔｏｒｒまで真空排気し、窒素分圧１×１０-3Ｔｏｒ
ｒ、アセチレン分圧２×１０-4Ｔｏｒｒとなるように窒
素およびアセチレンを導入しながら、電子ビーム加熱に
よりジルコニウムを蒸発させながらイオンプレーティン
グ機構により、放電プラズマを形成し、セットされた時
計バンド上に金色の炭窒化ジルコニウムを約１μｍ形成
した。
後、イオンプレーティング装置内にセットし、５×１０
-5Ｔｏｒｒまで真空排気し、窒素分圧１×１０-3Ｔｏｒ
ｒ、アセチレン分圧２×１０-4Ｔｏｒｒとなるように窒
素およびアセチレンを導入しながら、電子ビーム加熱に
よりジルコニウムを蒸発させながらイオンプレーティン
グ機構により、放電プラズマを形成し、セットされた時
計バンド上に金色の炭窒化ジルコニウムを約１μｍ形成
した。
【００１１】次に、窒素およびアセチレンの導入および
ジルコニウムの蒸発をやめ、再度５×１０-5Ｔｏｒｒま
で排気する。次に、電子ビーム加熱によりニッケルを蒸
発し、イオンプレーティングを行い上記炭窒化ジルコニ
ウム上にニッケル被膜を約０．０２μｍ形成した。その
後、時計バンドを大気中に取り出し、湿式めっきにより
約０．５μｍの純金めっきを行い、非酸化性雰囲気中で
５００℃、３０分間の熱処理を行ったところ、ニッケル
層は金めっき中に熱拡散し、金合金となりハミルトンゴ
ールド色に近い色調となった。
ジルコニウムの蒸発をやめ、再度５×１０-5Ｔｏｒｒま
で排気する。次に、電子ビーム加熱によりニッケルを蒸
発し、イオンプレーティングを行い上記炭窒化ジルコニ
ウム上にニッケル被膜を約０．０２μｍ形成した。その
後、時計バンドを大気中に取り出し、湿式めっきにより
約０．５μｍの純金めっきを行い、非酸化性雰囲気中で
５００℃、３０分間の熱処理を行ったところ、ニッケル
層は金めっき中に熱拡散し、金合金となりハミルトンゴ
ールド色に近い色調となった。
【００１２】以上、実施例１〜実施例３までの方法で作
成した試料を牛皮摺動摩耗テストを荷重５００ｇで５万
回行ったところ、一部で下層の窒化ジルコニウムまたは
炭窒化ジルコニウムが現れたが、肉眼ではほとんど色調
の違いを認めることができないレベルであった。また、
この摩耗テストでは窒化ジルコニウム又は炭窒化ジルコ
ニウム被膜層の摩耗は全くなかった。
成した試料を牛皮摺動摩耗テストを荷重５００ｇで５万
回行ったところ、一部で下層の窒化ジルコニウムまたは
炭窒化ジルコニウムが現れたが、肉眼ではほとんど色調
の違いを認めることができないレベルであった。また、
この摩耗テストでは窒化ジルコニウム又は炭窒化ジルコ
ニウム被膜層の摩耗は全くなかった。
【００１３】さらに、実施例３では炭窒化ジルコニウム
と金めっき層の間に約０．０５μｍのニッケル被膜層を
形成したが、熱処理により、ほぼ完全に金と拡散し合金
化したため、金めっき層が摩耗してもニッケルの色調は
現れず、炭窒化ジルコニウムの色調が現れ、実施例１お
よび実施例２の試料と何ら差は認められなかった。
と金めっき層の間に約０．０５μｍのニッケル被膜層を
形成したが、熱処理により、ほぼ完全に金と拡散し合金
化したため、金めっき層が摩耗してもニッケルの色調は
現れず、炭窒化ジルコニウムの色調が現れ、実施例１お
よび実施例２の試料と何ら差は認められなかった。
【００１４】
【考案の効果】この考案は以上説明したように、金色を
有する窒化ジルコニウムまたは炭窒化ジルコニウム被膜
上に金または金合金被膜を形成することにより、たとえ
金または金合金被膜が部分的に摩耗露出しても下層の窒
化ジルコニウム、炭窒化ジルコニウムが極めて近い色調
を有しているため、ほとんど目立つことがない。したが
って、金または金合金被膜を従来の金めっきの厚みの約
百分の一程度にすることができ、大幅なコストダウンを
図ることができるのである。
有する窒化ジルコニウムまたは炭窒化ジルコニウム被膜
上に金または金合金被膜を形成することにより、たとえ
金または金合金被膜が部分的に摩耗露出しても下層の窒
化ジルコニウム、炭窒化ジルコニウムが極めて近い色調
を有しているため、ほとんど目立つことがない。したが
って、金または金合金被膜を従来の金めっきの厚みの約
百分の一程度にすることができ、大幅なコストダウンを
図ることができるのである。
【００１５】なお、実施例では処理物としてステンレス
鋼製の腕時計ケースと時計バンドをあげたが、材質とし
ては黄銅等の銅合金をはじめとする金属およびそのめっ
き品、さらにその他、耐熱性基材であれば何ら問題を生
じなく、時計関係の外装部品だけでなく、あらゆる金色
外装部品に適用できるのは明らかである。また実施例に
おいて、窒化ジルコニウム、炭窒化ジルコニウム被膜は
イオンプレーティングで形成したが、スパッタリング等
の物理蒸着法や熱反応やプラズマ等を利用した化学蒸着
でも形成してもよい。
鋼製の腕時計ケースと時計バンドをあげたが、材質とし
ては黄銅等の銅合金をはじめとする金属およびそのめっ
き品、さらにその他、耐熱性基材であれば何ら問題を生
じなく、時計関係の外装部品だけでなく、あらゆる金色
外装部品に適用できるのは明らかである。また実施例に
おいて、窒化ジルコニウム、炭窒化ジルコニウム被膜は
イオンプレーティングで形成したが、スパッタリング等
の物理蒸着法や熱反応やプラズマ等を利用した化学蒸着
でも形成してもよい。
【図１】可視光領域における装飾金めっき、窒化チタン
コーティングと窒化ジルコニウムコーティングの反射率
の比較をするための図である。
コーティングと窒化ジルコニウムコーティングの反射率
の比較をするための図である。
Claims (1)
- 【請求項１】 装飾用外装部品において、金属または耐
熱性基材上に、下地層として金色化合物被膜である窒化
ジルコニウムあるいは炭窒化ジルコニウムからなる被膜
層を形成し、前記下地層の上に外層として厚さ１μｍ以
下の金または金合金被膜層を形成し、ハミルトンゴール
ド色を呈することを特徴とする金色外装部品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992007205U JPH0730676Y2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 金色外装部品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992007205U JPH0730676Y2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 金色外装部品 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04110746U JPH04110746U (ja) | 1992-09-25 |
| JPH0730676Y2 true JPH0730676Y2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=31899101
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1992007205U Expired - Lifetime JPH0730676Y2 (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 金色外装部品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0730676Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59205476A (ja) * | 1983-05-10 | 1984-11-21 | Chizuru Maekawa | 装飾品およびその表面処理方法 |
-
1992
- 1992-02-20 JP JP1992007205U patent/JPH0730676Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04110746U (ja) | 1992-09-25 |
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