JP2999360B2 - 金色装飾部品およびその製造方法 - Google Patents
金色装飾部品およびその製造方法Info
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Description
ギー性の皮膚炎を起こす虞のない金色装飾部品およびそ
の製造方法に関する。
品、指輪、ネックレス、イヤリング等の装飾部品は、そ
の最外層に、湿式あるいは乾式メッキの手法を用いて金
被膜を形成することにより、高級感あるいは優れた耐食
性を付与している。しかしながら、純金の被膜では、軟
らかく摩耗し易いこと、また金色が濃くなり過ぎるため
好まれず、むしろ淡い金色が好まれる傾向にある等の理
由により、純金の被膜に変えて金−ニッケル合金膜、金
−パラジウム合金膜等が装飾部品の最外層に形成される
ようになった。
スやイヤリングなどの装飾品で、金属と皮膚の接触でか
ぶれができるアレルギー性の皮膚炎が増加しており、ほ
とんどの金属でその事例が報告されている。中でも、金
−ニッケル合金膜、金−パラジウム合金膜はアレルギー
性の皮膚炎の発生が多く報告されている。
事例の極めて少ない金属であるが、上記のような装飾部
品の最外層に被膜をイオンプレーティング法で形成する
と、得られる金−鉄合金膜の色調が一定せず、しかも、
黒ずんでしまう等の問題点があった。この原因が何であ
るか鋭意研究した結果、鉄が活性であるために、イオン
プレーティング装置内に存在する酸素、炭素、窒素が被
膜中に多量に取り込まれるためであることが判明した。
かぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがなく、
かつ、均一な金色調を有する金色装飾部品の出現が望ま
れている。
問題点を解決しようとするものであって、皮膚と接触し
てもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることが極
めて少なく、かつ、均一な金色調を有する装飾部品およ
びその製造方法を提供することを目的としている。
材と、この基材表面に窒素以外の不活性ガス中で乾式メ
ッキ法により形成された、不可避成分を含有するTi系
被膜と、このTi系被膜上に乾式メッキ法により形成さ
れた最外層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金6
0〜99原子%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分
0.5〜20原子%とを含有してなることを特徴として
いる。
は、基材と、この基材表面に乾式メッキ法により形成さ
れたTiN被膜と、このTiN被膜上に乾式メッキ法に
より形成された最外層被膜とからなり、かつ、最外層被
膜が、金60〜99原子%と鉄0.5〜20原子%と不
可避成分0.5〜20原子%とを含有してなることを特
徴としている。
は、基材と、この基材表面に窒素以外の不活性ガス中で
乾式メッキ法により形成された、不可避成分を含有する
Ti系被膜と、このTi系被膜上に乾式メッキ法により
形成されたTiN被膜と、このTiN被膜上に乾式メッ
キ法により形成された最外層被膜とからなり、かつ、最
外層被膜が、金60〜99原子%と鉄0.5〜20原子
%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなるこ
とを特徴としている。
成膜前の乾式メッキ装置内の初期排気が、5×10 -5 〜
1.0×10 -6 Torrまで行なわれていることが望ま
しい。
を出来るだけ少なくするという観点からは、本発明に係
る第3の金色装飾部品であって、前記Ti系被膜が、基
材を含む、成膜前の乾式メッキ装置内の初期排気を5×
10 -5 〜1.0×10 -6 Torrまで行ない、該装置内
に置かれた基材表面に窒素以外の不活性ガス中で乾式メ
ッキ法により形成され、かつ、膜厚が0.1〜0.5μ
mであることが望ましい。
法は、基材上に、乾式メッキ装置内で窒素以外の不活性
ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式メッキ装置内に
存在する不可避成分を含有するTi系被膜を形成させ、
次いで、この乾式メッキ装置内で、このTi系被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原
子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを特徴
としている。
製造方法は、基材上に、乾式メッキ装置内で窒素ガス雰
囲気下にチタンを蒸発させてTiN被膜を形成させ、次
いで、この乾式メッキ装置内で、このTiN被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原
子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを特徴
としている。
の製造方法は、基材上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気
下にチタンを蒸発させて乾式メッキ装置内に存在する不
可避成分を含有するTi系被膜を形成させ、次いで、こ
の乾式メッキ装置内で、このTi系被膜の上に、窒素ガ
ス雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被膜を形成さ
せ、次いで、この乾式メッキ装置内で、このTiN被膜
の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99
原子%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜2
0原子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを
特徴としている。最外層被膜に取り込まれる不可避成分
の量を出来るだけ少なくするという観点からは、本発明
に係る第3の金色装飾部品の製造方法において、前記T
i系被膜が、基材を含む、成膜前の乾式メッキ装置内の
初期排気を5×10 -5 〜1.0×10 -6 Torrまで行
ない、該装置内に置かれた基材表面に窒素以外の不活性
ガス中で乾式メッキ法により形成され、かつ、膜厚が
0.1〜0.5μmであることが望ましい。
直下に上記TiN被膜を有していることが好ましく、ま
た、基材上にTi系被膜を有していることが好ましい。
およびその製造方法について具体的に説明する。
説明する。本発明に係る金色装飾部品は、基材と、この
基材上に乾式メッキ法である真空蒸着法、スパッタ法あ
るいはイオンプレーティング法により形成された最外層
被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金と鉄と不可避
成分とを特定の割合で含有してなる。
記の基材と最外層被膜との間にTiN被膜が存在してい
てもよい。特にTiN被膜を有する金色装飾部品は、最
外層被膜と基材との密着性に優れている。
記の基材と最外層被膜との間に、あるいは上記の基材と
TiN被膜との間に、窒素以外のアルゴン、ヘリウム、
ネオンなどの不活性ガス中で形成された、乾式メッキ装
置内に存在する不可避成分(窒素、酸素、炭素)を含有
するTi系被膜が存在していてもよい。
品の種類によって異なるが、金属、プラスチック、セラ
ミックなどの材料が挙げられる。本発明に係る金色装飾
部品では、最外層被膜は、金が60〜99原子%、好ま
しくは81.5〜96.5原子%、さらに好ましくは8
8〜96.5原子%存在しており、鉄が0.5〜20原
子%、好ましくは2.5〜7原子%、さらに好ましくは
3〜7原子%存在しており、酸素、炭素、窒素のうち少
なくとも一種類からなる不可避成分が0.5〜20原子
%、好ましくは0.5〜12原子%、さらに好ましくは
0.5〜5原子%存在している。
を上記のような割合で存在させると、上記不可避成分に
よる被膜の色調への悪影響を防止することができ、金色
の均一な色調を有する金色装飾部品が得られる。特に最
外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されている金色装
飾部品は、上記Ti系被膜の形成の際に乾式メッキ装置
内に存在する不可避成分がTi系被膜中に取り込まれて
いるため、最外層被膜に取り込まれる不可避成分の量
が、最外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されていな
い金色装飾部品と比較して顕著に少なく、最外層被膜の
色調がより均一となる。また、金が88〜96.5原子
%、鉄が3〜7原子%、不可避成分が0.5〜5原子%
の割合の最外層被膜を有する金色装飾部品の金色の色調
は、スイス金メッキ色規格で1N−14〜2N−18の
範囲である。また、金色の色調がスイス金メッキ色規格
で1N−14〜2N−18の範囲にある金色装飾部品
は、鏡面光沢でL*(10.0〜90.0)a*(6.
0)b*(3.0)〜L*(10.0〜90.0)a
*(1.0)b*(15.0)の範囲の金色調を示してい
る。ここに、L*は国際照明委員会(CIE)のCIE
1976 (L*a*b*)色空間における明度指数であ
り、a*、b*はクロマティクネス指数を表わす。上記金
色調のL*、a*およびb*の測定は、CIEの規格で定
められている0度視野XYZ系による物体色の測定方法
に従って、鏡面光沢の試験片について、スガ試験機
(株)製色差計SM−2−SCH[積分球方式、測定方
式:反射、測定口径:12mm]を用いて行なわれる。
から外れる最外層被膜を有する金色装飾部品でも、1N
−14〜2N−18の範囲に入る金色の色調を有するこ
とがある。
成されている本発明に係る金色装飾部品は、皮膚と接触
しても上記のようなアレルギー性皮膚炎が生じることが
極めて少ない。
は、厚みが通常0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmである。また、TiN被膜の膜厚は、
0.1〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであり、
不可避成分を多く含有するTi系被膜の膜厚は、0.1
〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.3μm程度であ
ることが望ましい。
表面状態は、特に限定されず、鏡面光沢であっても、ま
た梨地であってもよい。次に、本発明に係る金色装飾部
品の製造方法について説明する。
ような金色装飾部品は、たとえば基材上に、乾式メッキ
装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウム、ネオンなどの
不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子%と鉄0.5〜
20原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有し
てなる最外層被膜を形成することにより得られる。
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウム、ネオ
ンなどの不活性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式
メッキ装置内に存在する不可避成分を含有するTi系被
膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置内で、この
Ti系被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金
60〜99原子%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分
0.5〜20原子%とを含有してなる最外層被膜を形成
することにより得られる。
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させ
てTiN被膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置
内で、このTiN被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰
囲気下に金60〜99原子%と鉄0.5〜20原子%と
不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる最外層
被膜を形成することにより得られる。
と、最外層被膜とからなる上記のような金色装飾部品
は、基材上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下にチタン
を蒸発させて乾式メッキ装置内に存在する不可避成分を
含有するTi系被膜を形成させ、次いで、この乾式メッ
キ装置内で、このTi系被膜の上に窒素ガス雰囲気下に
チタンを蒸発させてTiN被膜を形成させ、次いで、こ
の乾式メッキ装置内で、このTiN被膜の上に、窒素以
外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子%と鉄0.
5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含
有してなる最外層被膜を形成することにより得られる。
スパッタ法、真空蒸着法またはイオンプレーティング法
によって形成することができるが、特にイオンプレーテ
ィング法によって形成することが好ましい。
各々の被膜、特にイオンプレーティング法による最外層
被膜の形成についてより具体的に説明する。腕時計用バ
ンドなどの基材は、予め有機溶剤等で洗浄しておくこと
が好ましい。また、イオンプレーティング装置内を5×
10-5〜1.0×10-6Torr、好ましくは1.0×
10-5〜1.0×10-6Torrまで排気した後、雰囲
気ガスを8×10-4〜5×10-3Torr、好ましくは
1.0×10-3〜3.0×10-3Torrまで導入す
る。
は、成膜前の装置内部の圧力は低い方がよく、1×10
-5Torr以下、好ましくは1×10-6Torr以下に
排気することが望ましい。すなわち、装置内部の圧力が
低くなるにしたがって、装置内部の不可避成分の存在す
る量が減少し、金色調が均一化するからである。
ことが金−鉄合金膜の最外層被膜と基材との密着性の面
から好ましいが、TiN被膜の代わりに、ZrN、Hf
N等の金色系の窒化物被膜を形成してもよい。
用いてもよく、また、蒸発源を2つ設け、一方の蒸発源
として金を用い、他方の蒸発源として鉄を用い、金と鉄
を別々に蒸発させてもよい。
る場合には、得られる最外層被膜の組成が金60〜99
原子%、鉄0.5〜20原子%となるように金と鉄とを
用いるが、具体的には、金75〜90原子%、鉄10〜
25原子%である金−鉄混合物(あるいは金−鉄合金)
を用いることが好ましい。
合をコントロールすることによって、得られる金色装飾
部品の最外層被膜の色調を容易にコントロールすること
ができる。
膜が、金と鉄と不可避成分とを含有してなるので、皮膚
と接触してもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じる
ことが極めて少なく、かつ、均一な金色調を有する。特
に、最外層の金−鉄合金膜の下にTi系被膜を有する金
色装飾部品は、均一な金色調とすることができる。ま
た、TiN被膜を有する金色装飾部品は、最外層被膜と
基材との密着性に優れている。また、乾式メッキ法の中
でも、特にイオンプレーティング法で形成された最外層
被膜を有する金色装飾部品は、耐摩耗性に優れている。
れば、上記のような効果を有する金色装飾部品が得られ
る。以下、本発明を実施例により説明するが、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
時計用ケースを有機溶剤で洗浄し、この腕時計用ケース
をイオンプレーティング装置に配置した。
まで排気した後、アルゴンガスを3×10-3Torrま
で導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子フィラ
メントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプラズマ
を形成させた。同時に基材である腕時計用ケースに−5
0Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリーニン
グを行なった。
内に窒素ガスを2.0×10-3Torrまで導入した。
次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃でプラズマを
発生させた後、チタンを10分間蒸発させてTiN被膜
を0.5μmの膜厚に形成させた。
止め、装置内を1.0×10-5Torrまで排気した。
次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×10-3Tor
rまで導入してプラズマを発生させた後、金75原子%
と鉄25原子%とからなる金−鉄混合物を蒸発させ、金
−鉄合金膜の厚みが0.3μmになったところで金−鉄
混合物の蒸発を止めた。
を有していた。この金色調は、スイス金メッキ色規格で
1N−14であった。また、得られた色調は、L*20
a*1.0b*15.0であった。
X線光電子分光法による分析の結果、金85原子%、鉄
8原子%、窒素1原子%、酸素3原子%、および炭素3
原子%からなっていた。
に組み立てて腕時計とし、この腕時計を90日間にわた
って合計1080時間携帯しても、アレルギー性皮膚炎
は全く生じなかった。
面に鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶
剤で洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティン
グ装置に配置した。
まで排気した後、アルゴンガスを3×10-3Torrま
で導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子フィラ
メントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプラズマ
を形成させた。同時に基材である腕時計用ケースに−5
0Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリーニン
グを行なった。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。
rまで装置内に導入して装置内部に備えられたプラズマ
銃でプラズマを発生させた後、チタンを10分間蒸発さ
せて上記Ti系被膜の表面にTiN被膜を0.5μmの
膜厚に形成させた。
止め、装置内を1.0×10-5Torrまで排気した。
次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×10-3Tor
rまで導入してプラズマを発生させた後、金75原子%
と鉄25原子%とからなる金−鉄混合物を蒸発させ、金
−鉄合金膜の厚みが0.3μmになったところで金−鉄
混合物の蒸発を止めた。
を有していた。この金色調は、スイス金メッキ色規格で
1N−14であった。また、得られた色調は、L*80
a*1.0b*15.0であった。
X線光電子分光法による分析の結果、金87原子%、鉄
8.5原子%、窒素0.5原子%、酸素1.5原子%、
および炭素2.5原子%からなっていた。
に組み立てて腕時計とし、この腕時計を90日間にわた
って合計1080時間携帯しても、アレルギー性皮膚炎
は全く生じなかった。
面に鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶
剤で洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティン
グ装置に配置した。
まで排気した後、アルゴンガスを1.0×10-3Tor
rまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子フ
ィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプラ
ズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケースに
−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリー
ニングを行なった。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金90原子%と鉄10原子%とからなる金−鉄混合物を
蒸発させ、金−鉄合金膜の厚みが0.3μmになったと
ころで金−鉄混合物の蒸発を止めた。
は、均一な金色調を有していた。この金色調は、スイス
金メッキ色規格で2N−18であった。また、得られた
色調は、L*60a*6.0b*3.0であった。
X線光電子分光法による分析の結果、金91原子%、鉄
3.5原子%、窒素0.5原子%、酸素2原子%、およ
び炭素3原子%からなっていた。
に組み立てて腕時計とし、この腕時計を90日間にわた
って合計1080時間携帯しても、アレルギー性皮膚炎
は全く生じなかった。
面に鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶
剤で洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティン
グ装置に配置した。
まで排気した後、アルゴンガスを1.0×10-3Tor
rまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子フ
ィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプラ
ズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケースに
−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリー
ニングを行なった。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金90原子%と鉄10原子%とからなる金−鉄混合物を
蒸発させ、金−鉄合金膜の厚みが0.3μmになったと
ころで金−鉄混合物の蒸発を止めた。
は、均一な金色調を有していた。この金色調は、スイス
金メッキ色規格で2N−18であった。また、得られた
色調は、L*70a*6.0b*3.0であった。
X線光電子分光法による分析の結果、金92原子%、鉄
4原子%、窒素0.5原子%、酸素1.5原子%、およ
び炭素2原子%からなっていた。
に組み立てて腕時計とし、この腕時計を90日間にわた
って合計1080時間携帯しても、アレルギー性皮膚炎
は全く生じなかった。
Claims (15)
- 【請求項1】 基材と、この基材表面に窒素以外の不活
性ガス中で乾式メッキ法により形成された、不可避成分
を含有するTi系被膜と、このTi系被膜上に乾式メッ
キ法により形成された最外層被膜とからなり、かつ、 最外層被膜が、金60〜99原子%と鉄0.5〜20原
子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる
ことを特徴とする金色装飾部品。 - 【請求項2】 基材と、この基材表面に乾式メッキ法に
より形成されたTiN被膜と、このTiN被膜上に乾式
メッキ法により形成された最外層被膜とからなり、か
つ、 最外層被膜が、金60〜99原子%と鉄0.5〜20原
子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる
ことを特徴とする金色装飾部品。 - 【請求項3】 基材と、この基材表面に窒素以外の不活
性ガス中で乾式メッキ法により形成された、不可避成分
を含有するTi系被膜と、このTi系被膜上に乾式メッ
キ法により形成されたTiN被膜と、このTiN被膜上
に乾式メッキ法により形成された最外層被膜とからな
り、かつ、 最外層被膜が、金60〜99原子%と鉄0.5〜20原
子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる
ことを特徴とする金色装飾部品。 - 【請求項4】 前記最外層被膜が、イオンプレーティン
グ法によって形成されてなることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の金色装飾部品。 - 【請求項5】 前記Ti系被膜の膜厚が0.1〜0.5
μmであることを特徴とする請求項1または3に記載の
金色装飾部品。 - 【請求項6】 前記TiN被膜の膜厚が0.1〜10μ
mであることを特徴とする請求項2または3に記載の金
色装飾部品。 - 【請求項7】 前記乾式メッキ法において、基材を含
む、成膜前の乾式メッキ装置内の初期排気が、5×10
-5〜1.0×10-6Torrまで行なわれていることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金色装飾部
品。 - 【請求項8】 前記Ti系被膜が、基材を含む、成膜前
の乾式メッキ装置内の初期排気を5×10-5〜1.0×
10-6Torrまで行ない、該装置内に置かれた基材表
面に窒素以外の不活性ガス中で乾式メッキ法により形成
され、かつ、膜厚が0.1〜0.5μmであることを特
徴とする請求項3に記載の金色装飾部品。 - 【請求項9】 基材上に、乾式メッキ装置内で窒素以外
の不活性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式メッキ
装置内に存在する不可避成分を含有するTi系被膜を形
成させ、 次いで、この乾式メッキ装置内で、このTi系被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原
子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを特徴
とする金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項10】 基材上に、乾式メッキ装置内で窒素ガ
ス雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被膜を形成さ
せ、 次いで、この乾式メッキ装置内で、このTiN被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原
子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを特徴
とする金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項11】 基材上に、窒素以外の不活性ガス雰囲
気下にチタンを蒸発させて乾式メッキ装置内に存在する
不可避成分を含有するTi系被膜を形成させ、 次いで、この乾式メッキ装置内で、このTi系被膜の上
に、窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被膜
を形成させ、 次いで、この乾式メッキ装置内で、このTiN被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%と鉄0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原
子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを特徴
とする金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項12】 前記Ti系被膜の膜厚が0.1〜0.
5μmであることを特徴とする請求項9または11に記
載の金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項13】 前記TiN被膜の膜厚が0.1〜10
μmであることを特徴とする請求項10または11に記
載の金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項14】 前記乾式メッキ法において、基材を含
む、成膜前の乾式メッキ装置内の初期排気を、5×10
-5〜1.0×10-6Torrまで行なうことを特徴とす
る請求項9〜11のいずれかに記載の金色装飾部品の製
造方法。 - 【請求項15】 前記Ti系被膜が、基材を含む、成膜
前の乾式メッキ装置内の初期排気を5×10-5〜1.0
×10-6Torrまで行ない、該装置内に置かれた基材
表面に窒素以外の不活性ガス中で乾式メッキ法により形
成され、かつ、膜厚が0.1〜0.5μmであることを
特徴とする請求項11に記載の金色装飾部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
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