JP2001061521A - 金色装飾部品およびその製造方法 - Google Patents
金色装飾部品およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材と、この基材上に乾式メッキ法により形
成された最外層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、
金とチタンと不可避成分とを特定割合で含有してなる金
色装飾部品およびその製造方法。この金色装飾部品は、
基材上に形成されたTiN被膜を有していてもよい。 【効果】 上記の金色装飾部品は、皮膚と接触してもか
ぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがなく、か
つ、均一な金色調を有する。TiN被膜を有する金色装
飾部品は、最外層被膜と基材との密着性に優れている。
また、最外層被膜を特にイオンプレーティング法で形成
すると、耐摩耗性に優れた被膜が得られる。
成された最外層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、
金とチタンと不可避成分とを特定割合で含有してなる金
色装飾部品およびその製造方法。この金色装飾部品は、
基材上に形成されたTiN被膜を有していてもよい。 【効果】 上記の金色装飾部品は、皮膚と接触してもか
ぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがなく、か
つ、均一な金色調を有する。TiN被膜を有する金色装
飾部品は、最外層被膜と基材との密着性に優れている。
また、最外層被膜を特にイオンプレーティング法で形成
すると、耐摩耗性に優れた被膜が得られる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、かぶれなどの金属アレル
ギー性の皮膚炎を起こす虞のない金色装飾部品およびそ
の製造方法に関する。
ギー性の皮膚炎を起こす虞のない金色装飾部品およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、時計バンドなどの時計部
品、指輪、ネックレス、イヤリング等の装飾部品は、そ
の最外層に、湿式あるいは乾式メッキの手法を用いて金
被膜を形成することにより、高級感あるいは優れた耐食
性を付与している。しかしながら、純金の被膜では、軟
らかく摩耗し易いこと、また金色が濃くなり過ぎるため
好まれず、むしろ淡い金色が好まれる傾向にある等の理
由により、純金の被膜に変えて金−ニッケル合金膜、金
−パラジウム合金膜等が装飾部品の最外層に形成される
ようになった。
品、指輪、ネックレス、イヤリング等の装飾部品は、そ
の最外層に、湿式あるいは乾式メッキの手法を用いて金
被膜を形成することにより、高級感あるいは優れた耐食
性を付与している。しかしながら、純金の被膜では、軟
らかく摩耗し易いこと、また金色が濃くなり過ぎるため
好まれず、むしろ淡い金色が好まれる傾向にある等の理
由により、純金の被膜に変えて金−ニッケル合金膜、金
−パラジウム合金膜等が装飾部品の最外層に形成される
ようになった。
【0003】しかしながら、近年、貴金属製のネックレ
スやイヤリングなどの装飾品で、金属と皮膚の接触でか
ぶれができるアレルギー性の皮膚炎が増加しており、ほ
とんどの金属でその事例が報告されている。中でも、金
−ニッケル合金膜、金−パラジウム合金膜はアレルギー
性の皮膚炎の発生が多く報告されている。また、チタン
は、アレルギー性の皮膚炎になる事例のない金属である
が、上記のような装飾部品の最外層に被膜をイオンプレ
ーティング法で形成すると、得られる金−チタン合金膜
の色調が一定せず、しかも、黒ずんでしまう等の問題点
があった。この原因が何であるか鋭意研究した結果、チ
タンが活性であるために、イオンプレーティング装置内
に存在する酸素、炭素、窒素が被膜中に多量に取り込ま
れるためであることが判明した。
スやイヤリングなどの装飾品で、金属と皮膚の接触でか
ぶれができるアレルギー性の皮膚炎が増加しており、ほ
とんどの金属でその事例が報告されている。中でも、金
−ニッケル合金膜、金−パラジウム合金膜はアレルギー
性の皮膚炎の発生が多く報告されている。また、チタン
は、アレルギー性の皮膚炎になる事例のない金属である
が、上記のような装飾部品の最外層に被膜をイオンプレ
ーティング法で形成すると、得られる金−チタン合金膜
の色調が一定せず、しかも、黒ずんでしまう等の問題点
があった。この原因が何であるか鋭意研究した結果、チ
タンが活性であるために、イオンプレーティング装置内
に存在する酸素、炭素、窒素が被膜中に多量に取り込ま
れるためであることが判明した。
【0004】したがって、従来より、皮膚と接触しても
かぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがなく、
かつ、均一な金色調を有する金色装飾部品の出現が望ま
れている。
かぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがなく、
かつ、均一な金色調を有する金色装飾部品の出現が望ま
れている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、皮膚と接触し
てもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがな
く、かつ、均一な金色調を有する装飾部品およびその製
造方法を提供することを目的としている。
問題点を解決しようとするものであって、皮膚と接触し
てもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じることがな
く、かつ、均一な金色調を有する装飾部品およびその製
造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る第1の金色装飾部品は、基
材と、この基材上に乾式メッキ法により形成された最外
層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金60〜99
原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5
〜20原子%とを含有してなることを特徴としている。
材と、この基材上に乾式メッキ法により形成された最外
層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金60〜99
原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5
〜20原子%とを含有してなることを特徴としている。
【0007】さらに、本発明に係る第2の金色装飾部品
は、基材と、この基材表面に形成されたTiN被膜と、
このTiN被膜上に乾式メッキ法により形成された最外
層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金60〜99
原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5
〜20原子%とを含有してなることを特徴としている。
は、基材と、この基材表面に形成されたTiN被膜と、
このTiN被膜上に乾式メッキ法により形成された最外
層被膜とからなり、かつ、最外層被膜が、金60〜99
原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5
〜20原子%とを含有してなることを特徴としている。
【0008】本発明に係る金色装飾部品の第1の製造方
法は、基材上に、乾式メッキ装置内で窒素以外の不活性
ガス雰囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5〜2
0原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有して
なる最外層被膜を形成することを特徴としている。さら
に、本発明に係る金色装飾部品の第2の製造方法は、基
材上に、乾式メッキ装置内で窒素ガス雰囲気下にチタン
を蒸発させてTiN被膜を形成させ、次いで、この乾式
メッキ装置内で、このTiN被膜の上に、窒素以外の不
活性ガス雰囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5
〜20原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有
してなる最外層被膜を形成することを特徴としている。
法は、基材上に、乾式メッキ装置内で窒素以外の不活性
ガス雰囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5〜2
0原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有して
なる最外層被膜を形成することを特徴としている。さら
に、本発明に係る金色装飾部品の第2の製造方法は、基
材上に、乾式メッキ装置内で窒素ガス雰囲気下にチタン
を蒸発させてTiN被膜を形成させ、次いで、この乾式
メッキ装置内で、このTiN被膜の上に、窒素以外の不
活性ガス雰囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5
〜20原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有
してなる最外層被膜を形成することを特徴としている。
【0009】本発明では、金色装飾部品の最外層被膜の
直下に上記TiN被膜を有していることが好ましく、ま
た、基材上にTi系被膜を有していることが好ましい。
直下に上記TiN被膜を有していることが好ましく、ま
た、基材上にTi系被膜を有していることが好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る金色装飾部品
およびその製造方法について具体的に説明する。まず、
本発明に係る金色装飾部品について説明する。本発明に
係る金色装飾部品は、基材と、この基材上に乾式メッキ
法である真空蒸着法、スパッタ法あるいはイオンプレー
ティング法により形成された最外層被膜とからなり、か
つ、最外層被膜が、金とチタンと不可避成分とを特定の
割合で含有してなる。
およびその製造方法について具体的に説明する。まず、
本発明に係る金色装飾部品について説明する。本発明に
係る金色装飾部品は、基材と、この基材上に乾式メッキ
法である真空蒸着法、スパッタ法あるいはイオンプレー
ティング法により形成された最外層被膜とからなり、か
つ、最外層被膜が、金とチタンと不可避成分とを特定の
割合で含有してなる。
【0011】また、本発明に係る金色装飾部品では、上
記の基材と最外層被膜との間にTiN被膜が存在してい
てもよい。特にTiN被膜を有する金色装飾部品は、最
外層被膜と基材との密着性に優れている。さらに、本発
明に係る金色装飾部品は、上記の基材と最外層被膜との
間に、あるいは上記の基材とTiN被膜との間に、窒素
以外のアルゴン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガス中
で形成された、乾式メッキ装置内に存在する不可避成分
(窒素、酸素、炭素)を含有するTi系被膜が存在して
いてもよい。
記の基材と最外層被膜との間にTiN被膜が存在してい
てもよい。特にTiN被膜を有する金色装飾部品は、最
外層被膜と基材との密着性に優れている。さらに、本発
明に係る金色装飾部品は、上記の基材と最外層被膜との
間に、あるいは上記の基材とTiN被膜との間に、窒素
以外のアルゴン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガス中
で形成された、乾式メッキ装置内に存在する不可避成分
(窒素、酸素、炭素)を含有するTi系被膜が存在して
いてもよい。
【0012】本発明で用いられる基材としては、装飾部
品の種類によって異なるが、金属、プラスチック、セラ
ミックなどの材料が挙げられる。本発明に係る金色装飾
部品では、最外層被膜は、金が60〜99原子%、好ま
しくは81.5〜96.5原子%、さらに好ましくは8
8〜96.5原子%存在しており、チタンが0.5〜2
0原子%、好ましくは2.5〜7原子%、さらに好まし
くは3〜7原子%存在しており、酸素、炭素、窒素のう
ち少なくとも一種類からなる不可避成分が0.5〜20
原子%、好ましくは0.5〜12原子%、さらに好まし
くは0.5〜5原子%存在している。
品の種類によって異なるが、金属、プラスチック、セラ
ミックなどの材料が挙げられる。本発明に係る金色装飾
部品では、最外層被膜は、金が60〜99原子%、好ま
しくは81.5〜96.5原子%、さらに好ましくは8
8〜96.5原子%存在しており、チタンが0.5〜2
0原子%、好ましくは2.5〜7原子%、さらに好まし
くは3〜7原子%存在しており、酸素、炭素、窒素のう
ち少なくとも一種類からなる不可避成分が0.5〜20
原子%、好ましくは0.5〜12原子%、さらに好まし
くは0.5〜5原子%存在している。
【0013】上記最外層被膜中に金とチタンと不可避成
分とを上記のような割合で存在させると、上記不可避成
分による被膜の色調への悪影響を防止することができ、
金色の均一な色調を有する金色装飾部品が得られる。特
に最外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されている金
色装飾部品は、上記Ti系被膜の形成の際に乾式メッキ
装置内に存在する不可避成分がTi系被膜中に取り込ま
れているため、最外層被膜に取り込まれる不可避成分の
量が、最外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されてい
ない金色装飾部品と比較して顕著に少なく、最外層被膜
の色調がより均一となる。また、金が88〜96.5原
子%、チタンが3〜7原子%、不可避成分が0.5〜5
原子%の割合の最外層被膜を有する金色装飾部品の金色
の色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14〜2N−
18の範囲である。また、金色の色調がスイス金メッキ
色規格で1N−14〜2N−18の範囲にある金色装飾
部品は、鏡面光沢でL*(10.0〜90.0)a
*(6.0)b*(3.0)〜L*(10.0〜90.
0)a*(1.0)b*(15.0)の範囲の金色調を示
している。ここに、L*は国際照明委員会(CIE)の
CIE 1976(L*a*b*)色空間における明度指数
であり、a*、b*はクロマティクネス指数を表わす。上
記金色調のL*、a*およびb*の測定は、CIEの規格
で定められている0度視野XYZ系による物体色の測定
方法に従って、鏡面光沢の試験片について、スガ試験機
(株)製色差計SM−2−SCH[積分球方式、測定方
式:反射、測定口径:12mm]を用いて行なわれる。
分とを上記のような割合で存在させると、上記不可避成
分による被膜の色調への悪影響を防止することができ、
金色の均一な色調を有する金色装飾部品が得られる。特
に最外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されている金
色装飾部品は、上記Ti系被膜の形成の際に乾式メッキ
装置内に存在する不可避成分がTi系被膜中に取り込ま
れているため、最外層被膜に取り込まれる不可避成分の
量が、最外層被膜の下に上記Ti系被膜が形成されてい
ない金色装飾部品と比較して顕著に少なく、最外層被膜
の色調がより均一となる。また、金が88〜96.5原
子%、チタンが3〜7原子%、不可避成分が0.5〜5
原子%の割合の最外層被膜を有する金色装飾部品の金色
の色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14〜2N−
18の範囲である。また、金色の色調がスイス金メッキ
色規格で1N−14〜2N−18の範囲にある金色装飾
部品は、鏡面光沢でL*(10.0〜90.0)a
*(6.0)b*(3.0)〜L*(10.0〜90.
0)a*(1.0)b*(15.0)の範囲の金色調を示
している。ここに、L*は国際照明委員会(CIE)の
CIE 1976(L*a*b*)色空間における明度指数
であり、a*、b*はクロマティクネス指数を表わす。上
記金色調のL*、a*およびb*の測定は、CIEの規格
で定められている0度視野XYZ系による物体色の測定
方法に従って、鏡面光沢の試験片について、スガ試験機
(株)製色差計SM−2−SCH[積分球方式、測定方
式:反射、測定口径:12mm]を用いて行なわれる。
【0014】なお、上記金、チタン、不可避成分が上記
割合から外れる最外層被膜を有する金色装飾部品でも、
1N−14〜2N−18の範囲に入る金色の色調を有す
ることがある。最外層被膜が金とチタンと不可避成分と
から形成されている本発明に係る金色装飾部品は、皮膚
と接触してもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じる
ことがない。
割合から外れる最外層被膜を有する金色装飾部品でも、
1N−14〜2N−18の範囲に入る金色の色調を有す
ることがある。最外層被膜が金とチタンと不可避成分と
から形成されている本発明に係る金色装飾部品は、皮膚
と接触してもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生じる
ことがない。
【0015】本発明に係る金色装飾部品の最外層被膜
は、厚みが通常0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmである。また、TiN被膜の膜厚は、
0.1〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであり、
不可避成分を多く含有するTi系被膜の膜厚は、0.1
〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.3μm程度であ
ることが望ましい。
は、厚みが通常0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmである。また、TiN被膜の膜厚は、
0.1〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであり、
不可避成分を多く含有するTi系被膜の膜厚は、0.1
〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.3μm程度であ
ることが望ましい。
【0016】本発明に係る金色装飾部品の最外層被膜の
表面状態は、特に限定されず、鏡面光沢であっても、ま
た梨地であってもよい。次に、本発明に係る金色装飾部
品の製造方法について説明する。まず基材と最外層被膜
とからなる上記のような金色装飾部品は、たとえば基材
上に、乾式メッキ装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウ
ム、ネオンなどの不活性ガス雰囲気下に金60〜99原
子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜
20原子%とを含有してなる最外層被膜を形成すること
により得られる。
表面状態は、特に限定されず、鏡面光沢であっても、ま
た梨地であってもよい。次に、本発明に係る金色装飾部
品の製造方法について説明する。まず基材と最外層被膜
とからなる上記のような金色装飾部品は、たとえば基材
上に、乾式メッキ装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウ
ム、ネオンなどの不活性ガス雰囲気下に金60〜99原
子%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜
20原子%とを含有してなる最外層被膜を形成すること
により得られる。
【0017】また、基材と、Ti系被膜と、最外層被膜
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウム、ネオ
ンなどの不活性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式
メッキ装置内に存在する不可避成分を含有するTi系被
膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置内で、この
Ti系被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金
60〜99原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避
成分0.5〜20原子%とを含有してなる最外層被膜を
形成することにより得られる。
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素以外のアルゴン、ヘリウム、ネオ
ンなどの不活性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式
メッキ装置内に存在する不可避成分を含有するTi系被
膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置内で、この
Ti系被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金
60〜99原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避
成分0.5〜20原子%とを含有してなる最外層被膜を
形成することにより得られる。
【0018】また、基材と、TiN被膜と、最外層被膜
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させ
てTiN被膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置
内で、このTiN被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰
囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5〜20原子
%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる最
外層被膜を形成することにより得られる。また基材と、
Ti系被膜と、TiN被膜と、最外層被膜とからなる上
記のような金色装飾部品は、基材上に、窒素以外の不活
性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式メッキ装置内
に存在する不可避成分を含有するTi系被膜を形成さ
せ、次いで、この乾式メッキ装置内で、このTi系被膜
の上に窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被
膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置内で、この
TiN被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金
60〜99原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避
成分0.5〜20原子%とを含有してなる最外層被膜を
形成することにより得られる。
とからなる上記のような金色装飾部品は、基材上に、乾
式メッキ装置内で窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させ
てTiN被膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置
内で、このTiN被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰
囲気下に金60〜99原子%とチタン0.5〜20原子
%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有してなる最
外層被膜を形成することにより得られる。また基材と、
Ti系被膜と、TiN被膜と、最外層被膜とからなる上
記のような金色装飾部品は、基材上に、窒素以外の不活
性ガス雰囲気下にチタンを蒸発させて乾式メッキ装置内
に存在する不可避成分を含有するTi系被膜を形成さ
せ、次いで、この乾式メッキ装置内で、このTi系被膜
の上に窒素ガス雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被
膜を形成させ、次いで、この乾式メッキ装置内で、この
TiN被膜の上に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金
60〜99原子%とチタン0.5〜20原子%と不可避
成分0.5〜20原子%とを含有してなる最外層被膜を
形成することにより得られる。
【0019】本発明においては、上記の最外層被膜は、
スパッタ法、真空蒸着法またはイオンプレーティング法
によって形成することができるが、特にイオンプレーテ
ィング法によって形成することが好ましい。以下、本発
明に係る金色装飾部品における各々の被膜、特にイオン
プレーティング法による最外層被膜の形成についてより
具体的に説明する。
スパッタ法、真空蒸着法またはイオンプレーティング法
によって形成することができるが、特にイオンプレーテ
ィング法によって形成することが好ましい。以下、本発
明に係る金色装飾部品における各々の被膜、特にイオン
プレーティング法による最外層被膜の形成についてより
具体的に説明する。
【0020】腕時計用バンドなどの基材は、予め有機溶
剤等で洗浄しておくことが好ましい。また、イオンプレ
ーティング装置内を5×10-5〜1.0×10-6Tor
r、好ましくは1.0×10-5〜1.0×10-6Tor
rまで排気した後、雰囲気ガスを8×10-4〜5×10
-3Torr、好ましくは1.0×10-3〜3.0×10
-3Torrまで導入する。
剤等で洗浄しておくことが好ましい。また、イオンプレ
ーティング装置内を5×10-5〜1.0×10-6Tor
r、好ましくは1.0×10-5〜1.0×10-6Tor
rまで排気した後、雰囲気ガスを8×10-4〜5×10
-3Torr、好ましくは1.0×10-3〜3.0×10
-3Torrまで導入する。
【0021】均一な金色調を有する最外層被膜を得るに
は、成膜前の装置内部の圧力は低い方がよく、1×10
-5Torr以下、好ましくは1×10-6Torr以下に
排気することが望ましい。すなわち、装置内部の圧力が
低くなるにしたがって、装置内部の不可避成分の存在す
る量が減少し、金色調が均一化するからである。本発明
では、上記TiN被膜を形成させることが金−チタン合
金膜の最外層被膜と基材との密着性の面から好ましい
が、TiN被膜の代わりに、ZrN、HfN等の金色系
の窒化物被膜を形成してもよい。
は、成膜前の装置内部の圧力は低い方がよく、1×10
-5Torr以下、好ましくは1×10-6Torr以下に
排気することが望ましい。すなわち、装置内部の圧力が
低くなるにしたがって、装置内部の不可避成分の存在す
る量が減少し、金色調が均一化するからである。本発明
では、上記TiN被膜を形成させることが金−チタン合
金膜の最外層被膜と基材との密着性の面から好ましい
が、TiN被膜の代わりに、ZrN、HfN等の金色系
の窒化物被膜を形成してもよい。
【0022】本発明では、金−チタン混合物を蒸発源と
して用いてもよく、また、蒸発源を2つ設け、一方の蒸
発源として金を用い、他方の蒸発源としてチタンを用
い、金とチタンを別々に蒸発させてもよい。本発明で蒸
発源として金−チタン混合物を用いる場合には、得られ
る最外層被膜の組成が金60〜99原子%、チタン0.
5〜20原子%となるように金とチタンとを用いるが、
具体的には、金50〜70原子%、チタン30〜50原
子%である金−チタン混合物(あるいは金−チタン合
金)を用いることが好ましい。
して用いてもよく、また、蒸発源を2つ設け、一方の蒸
発源として金を用い、他方の蒸発源としてチタンを用
い、金とチタンを別々に蒸発させてもよい。本発明で蒸
発源として金−チタン混合物を用いる場合には、得られ
る最外層被膜の組成が金60〜99原子%、チタン0.
5〜20原子%となるように金とチタンとを用いるが、
具体的には、金50〜70原子%、チタン30〜50原
子%である金−チタン混合物(あるいは金−チタン合
金)を用いることが好ましい。
【0023】このように、蒸発源における金とチタンと
の割合をコントロールすることによって、得られる金色
装飾部品の最外層被膜の色調を容易にコントロールする
ことができる。
の割合をコントロールすることによって、得られる金色
装飾部品の最外層被膜の色調を容易にコントロールする
ことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る金色装飾部品は、最外層被
膜が、金とチタンと不可避成分とを含有してなるので、
皮膚と接触してもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生
じることがなく、かつ、均一な金色調を有する。特に、
最外層の金−チタン合金膜の下にTi系被膜を有する金
色装飾部品は、均一な金色調とすることができる。ま
た、TiN被膜を有する金色装飾部品は、最外層被膜と
基材との密着性に優れている。また、乾式メッキ法の中
でも、特にイオンプレーティング法で形成された最外層
被膜を有する金色装飾部品は、耐摩耗性に優れている。
膜が、金とチタンと不可避成分とを含有してなるので、
皮膚と接触してもかぶれなどのアレルギー性皮膚炎が生
じることがなく、かつ、均一な金色調を有する。特に、
最外層の金−チタン合金膜の下にTi系被膜を有する金
色装飾部品は、均一な金色調とすることができる。ま
た、TiN被膜を有する金色装飾部品は、最外層被膜と
基材との密着性に優れている。また、乾式メッキ法の中
でも、特にイオンプレーティング法で形成された最外層
被膜を有する金色装飾部品は、耐摩耗性に優れている。
【0025】本発明に係る金色装飾部品の製造方法によ
れば、上記のような効果を有する金色装飾部品が得られ
る。以下、本発明を実施例により説明するが、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
れば、上記のような効果を有する金色装飾部品が得られ
る。以下、本発明を実施例により説明するが、本発明
は、これら実施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】まずステンレススチールを加工して表面に
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
【0027】次いで、アルゴンガスの導入を止め、装置
内に窒素ガスを2.0×10-3Toorまで導入した。
次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃でプラズマを
発生させた後、チタンを10分間蒸発させてTiN被膜
を0.5μmの膜厚に形成させた。次いで、チタンの蒸
発と窒素ガスの導入を止め、装置内を1.0×10-5T
orrまで排気した。
内に窒素ガスを2.0×10-3Toorまで導入した。
次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃でプラズマを
発生させた後、チタンを10分間蒸発させてTiN被膜
を0.5μmの膜厚に形成させた。次いで、チタンの蒸
発と窒素ガスの導入を止め、装置内を1.0×10-5T
orrまで排気した。
【0028】次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*20a*1.0b
*15.0であった。
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*20a*1.0b
*15.0であった。
【0029】得られた腕時計用ケースの最外層被膜は、
X線光電子分光法による分析の結果、金82原子%、チ
タン6原子%、窒素1原子%、酸素4原子%、および炭
素7原子%からなっていた。この腕時計用ケースを他の
時計部品とともに組み立てて腕時計とし、この腕時計を
90日間にわたって合計1080時間携帯しても、アレ
ルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
X線光電子分光法による分析の結果、金82原子%、チ
タン6原子%、窒素1原子%、酸素4原子%、および炭
素7原子%からなっていた。この腕時計用ケースを他の
時計部品とともに組み立てて腕時計とし、この腕時計を
90日間にわたって合計1080時間携帯しても、アレ
ルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
【0030】
【参考例1】まずステンレススチールを加工して表面に
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
【0031】次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内に窒素ガスを2.0×10
-3Torrまで装置内に導入して装置内部に備えられた
プラズマ銃でプラズマを発生させた後、チタンを10分
間蒸発させて上記Ti系被膜の表面にTiN被膜を0.
5μmの膜厚に形成させた。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内に窒素ガスを2.0×10
-3Torrまで装置内に導入して装置内部に備えられた
プラズマ銃でプラズマを発生させた後、チタンを10分
間蒸発させて上記Ti系被膜の表面にTiN被膜を0.
5μmの膜厚に形成させた。
【0032】次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*80a*1.0b
*15.0であった。
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*80a*1.0b
*15.0であった。
【0033】得られた腕時計用ケースの最外層被膜は、
X線光電子分光法による分析の結果、金88原子%、チ
タン6.5原子%、窒素0.5原子%、酸素2原子%、
および炭素3原子%からなっていた。この腕時計用ケー
スを他の時計部品とともに組み立てて腕時計とし、この
腕時計を90日間にわたって合計1080時間携帯して
も、アレルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
X線光電子分光法による分析の結果、金88原子%、チ
タン6.5原子%、窒素0.5原子%、酸素2原子%、
および炭素3原子%からなっていた。この腕時計用ケー
スを他の時計部品とともに組み立てて腕時計とし、この
腕時計を90日間にわたって合計1080時間携帯して
も、アレルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
【0034】
【参考例2】まずステンレススチールを加工して表面に
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-5Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
【0035】次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金70原子%とチタン30原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金70原子%とチタン30原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
【0036】上記のようにして得られた腕時計用ケース
は、均一な金色調を有していた。この金色調は、スイス
金メッキ色規格で2N−18であった。また、得られた
色調は、L*60a*6.0b*3.0であった。得られ
た腕時計用ケースの最外層被膜は、X線光電子分光法に
よる分析の結果、金91原子%、チタン2.5原子%、
窒素0.5原子%、酸素2.5原子%、および炭素3.
5原子%からなっていた。この腕時計用ケースを他の時
計部品とともに組み立てて腕時計とし、この腕時計を9
0日間にわたって合計1080時間携帯しても、アレル
ギー性皮膚炎は全く生じなかった。
は、均一な金色調を有していた。この金色調は、スイス
金メッキ色規格で2N−18であった。また、得られた
色調は、L*60a*6.0b*3.0であった。得られ
た腕時計用ケースの最外層被膜は、X線光電子分光法に
よる分析の結果、金91原子%、チタン2.5原子%、
窒素0.5原子%、酸素2.5原子%、および炭素3.
5原子%からなっていた。この腕時計用ケースを他の時
計部品とともに組み立てて腕時計とし、この腕時計を9
0日間にわたって合計1080時間携帯しても、アレル
ギー性皮膚炎は全く生じなかった。
【0037】
【参考例3】まずステンレススチールを加工して表面に
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-6Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
鏡面加工を施して得られた腕時計用ケースを有機溶剤で
洗浄し、この腕時計用ケースをイオンプレーティング装
置に配置した。次いで、装置内を1.0×10-6Tor
rまで排気した後、アルゴンガスを3.0×10-3To
rrまで導入した。次に、装置内部に備えられた熱電子
フィラメントとプラズマ電極を駆動させてアルゴンのプ
ラズマを形成させた。同時に基材である腕時計用ケース
に−50Vの電位を印加して、10分間ボンバードクリ
ーニングを行なった。
【0038】次いで、装置内部に備えられたプラズマ銃
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内に窒素ガスを2.0×10
-3Torrまで装置内に導入して装置内部に備えられた
プラズマ銃でプラズマを発生させた後、チタンを10分
間蒸発させて上記Ti系被膜の表面にTiN被膜を0.
5μmの膜厚に形成させた。
でプラズマを発生させた後、チタンを5分間蒸発させて
腕時計用ケース表面にTi系被膜を0.25μmの膜厚
に形成し、装置内を1.0×10-5Torrまで排気し
た。このTi系被膜には、微量の窒素、酸素、炭素が含
まれていた。次いで、装置内に窒素ガスを2.0×10
-3Torrまで装置内に導入して装置内部に備えられた
プラズマ銃でプラズマを発生させた後、チタンを10分
間蒸発させて上記Ti系被膜の表面にTiN被膜を0.
5μmの膜厚に形成させた。
【0039】次いで、装置内にアルゴンガスを1.0×
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*85a*1.0b
*15.0であった。
10-3Torrまで導入してプラズマを発生させた後、
金50原子%とチタン50原子%とからなる金−チタン
混合物を蒸発させ、金−チタン合金膜の厚みが0.3μ
mになったところで金−チタン混合物の蒸発を止めた。
得られた腕時計用ケースは、均一な金色調を有してい
た。この金色調は、スイス金メッキ色規格で1N−14
であった。また、得られた色調は、L*85a*1.0b
*15.0であった。
【0040】得られた腕時計用ケースの最外層被膜は、
X線光電子分光法による分析の結果、金89原子%、チ
タン7.0原子%、窒素0.5原子%、酸素1.5原子
%、および炭素2原子%からなっていた。この腕時計用
ケースを他の時計部品とともに組み立てて腕時計とし、
この腕時計を90日間にわたって合計1080時間携帯
しても、アレルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
X線光電子分光法による分析の結果、金89原子%、チ
タン7.0原子%、窒素0.5原子%、酸素1.5原子
%、および炭素2原子%からなっていた。この腕時計用
ケースを他の時計部品とともに組み立てて腕時計とし、
この腕時計を90日間にわたって合計1080時間携帯
しても、アレルギー性皮膚炎は全く生じなかった。
Claims (5)
- 【請求項1】 基材と、この基材上に乾式メッキ法によ
り形成された最外層被膜とからなり、かつ、 最外層被膜が、金60〜99原子%とチタン0.5〜2
0原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有して
なることを特徴とする金色装飾部品。 - 【請求項2】 基材と、この基材表面に形成されたTi
N被膜と、このTiN被膜上に乾式メッキ法により形成
された最外層被膜とからなり、かつ、 最外層被膜が、金60〜99原子%とチタン0.5〜2
0原子%と不可避成分0.5〜20原子%とを含有して
なることを特徴とする金色装飾部品。 - 【請求項3】 前記最外層被膜が、イオンプレーティン
グ法によって形成されてなることを特徴とする請求項1
または2に記載の金色装飾部品。 - 【請求項4】 基材上に、乾式メッキ装置内で窒素以外
の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子%とチタン
0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜20原子%と
を含有してなる最外層被膜を形成することを特徴とする
金色装飾部品の製造方法。 - 【請求項5】 基材上に、乾式メッキ装置内で窒素ガス
雰囲気下にチタンを蒸発させてTiN被膜を形成させ、 次いで、この乾式メッキ装置内で、このTiN被膜の上
に、窒素以外の不活性ガス雰囲気下に金60〜99原子
%とチタン0.5〜20原子%と不可避成分0.5〜2
0原子%とを含有してなる最外層被膜を形成することを
特徴とする金色装飾部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000220780A JP2001061521A (ja) | 1993-02-19 | 2000-07-21 | 金色装飾部品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-30363 | 1993-02-19 | ||
JP3036393 | 1993-02-19 | ||
JP2000220780A JP2001061521A (ja) | 1993-02-19 | 2000-07-21 | 金色装飾部品およびその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01841994A Division JP3179648B2 (ja) | 1993-02-19 | 1994-02-15 | 金色装飾部品およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001061521A true JP2001061521A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=26368694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000220780A Pending JP2001061521A (ja) | 1993-02-19 | 2000-07-21 | 金色装飾部品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001061521A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100466569B1 (ko) * | 2002-06-07 | 2005-01-17 | 주식회사 톨로르 | 귀금속장신구의 레이저 이미지 마킹방법 및 그 방법에의해 제조된 귀금속장신구 |
CN102274928A (zh) * | 2011-07-29 | 2011-12-14 | 林玉成 | 金属饰品分模成型制作方法 |
-
2000
- 2000-07-21 JP JP2000220780A patent/JP2001061521A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100466569B1 (ko) * | 2002-06-07 | 2005-01-17 | 주식회사 톨로르 | 귀금속장신구의 레이저 이미지 마킹방법 및 그 방법에의해 제조된 귀금속장신구 |
CN102274928A (zh) * | 2011-07-29 | 2011-12-14 | 林玉成 | 金属饰品分模成型制作方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040818 |