JP2604478B2 - 遺伝子産物の製造方法 - Google Patents

遺伝子産物の製造方法

Info

Publication number
JP2604478B2
JP2604478B2 JP2006100A JP610090A JP2604478B2 JP 2604478 B2 JP2604478 B2 JP 2604478B2 JP 2006100 A JP2006100 A JP 2006100A JP 610090 A JP610090 A JP 610090A JP 2604478 B2 JP2604478 B2 JP 2604478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasmid
copy number
promoter
gene
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006100A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02238891A (ja
Inventor
モーリン,ゾーレン
エリツク ラブ ラーセン,ジエンス
アン ライト,ジヤニス
Original Assignee
ベンツォン ファーマ エイ/エス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベンツォン ファーマ エイ/エス filed Critical ベンツォン ファーマ エイ/エス
Publication of JPH02238891A publication Critical patent/JPH02238891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2604478B2 publication Critical patent/JP2604478B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/67General methods for enhancing the expression
    • C12N15/68Stabilisation of the vector
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/67General methods for enhancing the expression
    • C12N15/69Increasing the copy number of the vector

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、組換えDNA技術分野においてクローニン
グベクター及び生産ベクターとして有用で複製挙動が複
製に好適な条件下で制御されない(非制御の)新規なプ
ラスミド、かようなプラスミドの製法およびそのプラス
ミドの遺伝子の産物の製造方法に関する。
技術的背景 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド(plasmids w
ith conditional uncontrolled replication behaviou
r)(いわゆるランアウエイプラスミド:runaway plasmi
d)は、例えば公開ヨーロッパ特許出願第78101877.5号
によって知られている。これらのプラスミドの複製は温
度依存性であって、プラスミドを保有する宿主細菌があ
る温度例えば約30℃の温度で培養されるときは制御され
た一定の低コピー数を示し、その宿主細菌が異なる温度
例えば約36℃以上の温度で培養されるときは非制御のコ
ピー数を示すのである。
上記特許出願に公開されたプラスミドは、エシエリヒ
ア・コリ中で自立的に複製することが知られている野生
型プラスミドのプラスミドR1の化学的突然変異誘発法
(mutagenisation)によって単離された。この突然変異
誘発法は2段階で行われた。すなわち第1段階は、プラ
スミドコピー数が30℃で約1〜2で、40℃では4〜5倍
高いプラスミド保有細菌クローンの単離からなり、第2
段階はプラスミドがより高い温度で制御されないコピー
数を示した細菌クローンの単離からなるものである。こ
のようにランアウエイ挙動を示すプラスミドは親プラス
ミドの二重変異体であった。
上記特許出願には、またミニプラスミドを開示してお
り、これは小さいサイズであることから比較的容易に宿
主細菌に形質転換されるのでクローニングベクターとし
て有用である。これらのミニプラスミドは、温度依存性
のランアウエイ複製挙動の原因である遺伝子を保持して
いた。
上記特許出願に開示されたプラスミドは、クローニン
グ及び産生ベクターとして、外来DNAの挿入されたフラ
グメントの遺伝子産物を得るのに用いることができる。
このプラスミドの温度依存性複製は、例えば真核オリジ
ンのDNAフラグメントから増幅された量の遺伝子産物を
産生するのに利用できる。遺伝子産物のかような増幅
は、例えば培養媒体にクロラムフエニコールを添加して
行われる通常のプラスミドDNA増幅技術では、クロラム
フエニコールの存在が蛋白合成を停止させるので、有効
でなかった。
上記特許願で開示されたプラスミドは、挿入された外
来遺伝子が、そのプラスミドが形質転換されるべき細菌
に対し有害な産物合成の遺伝情報を指定している場合
に、クーニングベクターと産生ベクターとして有効に用
いることができる。というのはそのプラスミドは低温に
おいては低コピー数を有し結局ほとんど遺伝子発現をし
ないからである。このことは、低温で行われる培養の増
殖段階では細菌が損傷されにくいことを意味する。
発明の開示 この発明は、プロモーターからの転写がプラスミド複
製を調節するようなしかたで挿入された少なくともひと
つの調節可能なプロモーター(regulatable promoter)
を有する新規なプラスミドに関する。特にこの発明は、
そのプラスミドを有する宿主微生物がプロモーターから
の転写の増大を保証する条件下で培養されると、調節可
能なプロモーターが実質的に増大されるかもしくは制御
されない複製を起こさせるプラスミドに関する。この発
明はさらにかようなプラスミドの製法に関する。このプ
ラスミドはクローニングベクター及び産生ベクターとし
て有用である。
プラスミドに挿入された所望の遺伝子産物合成の遺伝
情報を指定する構造遺伝子の発現を制御するために、調
節可能なプロモーターを挿入することが知られている。
しかし形成されるプラスミドコピー数を調節することが
できる調節可能なプロモーターをプラスミドに挿入する
ことは新規であると信じられる。
この発明は、第一の態様として、調節可能なプロモー
ターが、このプロモーターからの転写が複製を調節する
ようなしかた、特に増大された転写によってプラスミド
コピー数が実質的に増大されるかもしくは制御されなく
なるに至るようなしかたで挿入されたプラスミドに関す
る。この明細書及び請求の範囲において“調節可能なプ
ロモーター”という用語は、プロモーターの転写開始速
度に関する活性が、そのプロモーターを持つプラスミド
を有する宿主細菌の培養条件を調節することによって、
調節可能なプロモーを意味する。かような調節可能なプ
ロモーターは、例えば外来プロモーター、すなわちプロ
モーターの挿入されているプラスミドが本来もっていな
い(関連していない)プロモーターであってもよい。こ
のプロモーターは、そのプロモーターの部位内の特別な
DNA構造によって先天的に調節可能である。かようなプ
ロモーターの一例は、公知のランアウエイプラスミド
(後記説明参照)に見出される。又はこのプロモーター
は、正の制御を行いうる調節因子によって制御可能であ
ってもよく(すなわちプロモーターが例えば宿主細菌が
生育される培地に、ある誘発物質を添加することにより
正に誘発されないとプラスミドは非制御の複製に到達し
ない)、又はこの調節因子は負の制御を行ってもよい。
後者のタイプの制御因子は、その活性が宿主細胞の培養
条件に調節することによって調節可能であるリプレツサ
ーとしても知られている。そのリプレツサー遺伝子はプ
ロモーターとともにプラスミド自体にあってもよく、同
じ宿主微生物中の別のプラスミドでもよく、又は宿主微
生物の染色体に位置していてもよい。このリプレツサー
遺伝子は挿入されたプロモーターからの転写を制御する
産物の遺伝情報を指定しその結果、複製は低い一定レベ
ルに保持される。ある理由でリプレツサーが不活化され
るようになると、かような制御はなくなり転写が増大す
る。
特別の記載をしなければ、この明細書と請求の範囲に
用いられる“プロモーター”の用語は通常、宿主細胞の
培養条件の変化に先天的に応答する活性を有するプロモ
ーターと調節因子によって制御されるプロモーターの両
者を意味する。また“調節可能なプロモーターが挿入さ
れたプラスミド”の発現は、プロモーターとそのプロモ
ーターによって調節されたレプリコンが同じDNAフラグ
メントに挿入される。そのプロモーターとレプリコンが
最終的に異なるソースから誘導されているこの発明のプ
ラスミドに用いることを意図するものである。そしてこ
のことは、所望の最終プラスミド組立ての1段階におい
て、プロモーターがレプリコンの誘導されたプラスミド
に挿入されたことを意味する。“実質的に増大されるか
もしくは制御されないプラスミドコピー数”の用語は、
宿主微生物の培養条件をプロモーターからの転写の増大
を保証するように変えその結果プラスミドがその複製制
御を失ったとき、そのプラスミドコピー数は、その微生
物集団の一世代時間で約40〜50しくはそれ以下で指数的
に増大するという事実にてらして理解される。この増大
は、宿主細胞が通常4〜5もしくはそれ以下の倍化の後
生育を停止するまで続く。そしてその時点で細胞中のプ
ラスミドDNA量はDNA全量の約40〜70%であり、すなわち
プラスミドコピー数が約25〜1000もしくはそれ以上のフ
アクターで増大する。換言すれば、プラスミドコピー数
が定常状態に到達しないのである。このタイプの制御さ
れない複製挙動も“ランアウエイ”挙動と呼称される。
R1型プラスミドの複製制御原理について、この発明の
発明者らが新たに得た知識はこの発明のプラスミドの組
立てに利用される(この原理の詳細な説明については、
“発明の詳細な説明”を参照のこと)。この発明の原理
にしたがって、調節可能なプロモーターがプラスミドに
挿入されると、例えばプロモーターの抑制解除作用によ
ってプロモーターからの増大された転写によってプラス
ミドコピー数が実質的に増大されるかつ制御されなくな
るに至る。このことはプロモーターとともに挿入されか
つある条件下でプロモーターを制御する遺伝子産物合成
の遺伝情報を指定するリプレツサー遺伝子が、異なる条
件下で不活化するようになると、プロモーターからの転
写はもはや阻害されず、結局制御されないプラスミドコ
ピー数になるということを意味する。
このことは、条件を変えると複製性能が異なるかもし
れない公知のランアウエイプラスミドに比べて重要な改
良である。挿入される外来プロモーターは通常、非常に
強力(すなわち転写開始の頻度が高い)なのでかような
条件変化では効果がないから、このことはこの発明のプ
ラスミドも同様であるという徴候は全くない。
調節可能なプロモーターの活性を調節することのでき
る培養条件のひとつは、宿主微生物が培養される温度で
ある。プロモーターの活性は、それ自体温度依存性であ
ってもよく、すなわち培養中の温度変化に反応するか、
又はその調節因子は温度感受性で、例えば温度感受性リ
プレツサーであってもよい。
この温度可能なプロモーターは、プロモーターからの
転写を制御する温度感受性λc Iリプレツサーの遺伝子
を付加的に有するDNAフラングメントの一部として挿入
しうる、バクテリオフアージλからのプロモーターであ
ってもよい。このλプロモーターはλPRもしくはλPL
もよく、とくにλPRでもよい。しかし、この発明の原理
にしたがってプラスミドに挿入されかつ温度以外の外的
因子に影響される他のプロモーター系も採用できる。す
なわち、化学物質で誘導可能かもしくは代謝物によって
調節可能はlac、trp及びdeoプロモーターのようなプロ
モーターである。
この発明のプラスミドの好適な例は、そのプロモータ
ー調節システムがそのプラスミドの温度依存性の複製挙
動を生ずるプラスミドである。特にそのプラスミドが実
質的に増大されるかもしくは制御されないプラスミドコ
ピー数を示す温度は、コピー数が低い場合の温度より高
い温度である。その転写パターンが例えば温度感受性リ
プレッサーの存在によって温度依存性である調節可能な
プロモーターを有するこの発明のプラスミドは、約30℃
のごときひとつの温度で一定の低いコピー数を示す。と
いうのはこの温度でプロモーターが抑制されその結果そ
れからの転写が低いレベルに保持されるからである。一
方約36〜42℃の範囲の温度のようなより高い温度では、
その調節システムが不活化されるに至りプロモーターの
抑制解除を起こし結局プロモーターからの転写が増大さ
れるので実質的に増大されるか又は制御されないプラス
ミドコピー数を示す。ランアウエイ複製は約39℃以上の
温度で行うのが好ましい。
以下の説明においては、その複製が温度感受性の調節
システム、特に温度感受性のリプレツサーによって制御
されるプラスミドにだけ言及されているが、プラスミド
の複製が調節されうる他のタイプの条件も前記説明のよ
うに類似のしかたで利用できる。
この発明のひとつのタイプのプラスミドは、調節可能
なプロモーターが、プラスミドのひとつの本来もってい
る複製調節遺伝子(native replication regulatory ge
ne)の一部の代りに挿入されたプラスミドである。この
明細書と請求の範囲のためにかようなプラスミドはA型
プラスミドと命名される。このプラスミドがプラスミド
R1の誘導体であるとき、そのプラスミドから除去される
調節遺伝子はcopB遺伝子であり、これはプラスミドの本
来もっている複製阻害剤のひとつを合成する遺伝情報を
指定している。このcopB遺伝子を除去するとプラスミド
コピー数はわずかに安定して増大する。かくしてそのプ
ラスミドは約30℃において約20〜40のコピー/細胞、好
ましくは20〜30コピー/細胞、特に20〜25のコピー/細
胞を有する。しかし温度が約40℃に上昇すると調節可能
なプロモーターのリプレツサー機能が失活して複製が制
御されなくなり、少なくとも約500〜1000コピー/細胞
の範囲のプラスミドコピー数になる。このことは、なか
でもプラスミド中に挿入された外来DNAフラグメントの
大きさに左右され(DNAフラグメントが大きい程、形成
されるプラスミドコピー数が小さくなる)、かような外
来DNA及び/又はそのプラスミドが形質転換されるべき
微生物細菌の遺伝子産物の効果である。しかしある場合
には、そのプラスミドはより高い温度で数千コピー/細
胞まで生成することがある。いずれにしても全DNA量に
対する高温におけるプラスミドDNA量は約40〜75%で通
常50〜60%である。
この発明の他のタイプのプラスミドは、約30℃の温度
のごときひとつの温度で約3〜5コピー/細胞のコピー
数を有し、そして約42℃の温度のごときより高い温度で
は、前記の因子によって少なくとも約500〜1000コピー
/細胞、ある場合には数千コピー/細胞にまで達する制
御されないコピー数を有するプラスミドである。かよう
なプラスミドは、そのプラスミドが本来有する単一もし
くは複数の複製制御遺伝子の上流側に(upstream)に調
節可能なプロモーターを挿入することによって得ること
ができる。この明細書と請求の範囲のために、かような
プラスミドをB型プラスミドと命名する。プラスミドR1
誘導体の場合、調節可能なプロモーターはcopB遺伝子と
copA遺伝子の両者の上流側に挿入された。したがってプ
ラスミドに上記コピー数パターンを示させるこれら両方
の本来存在する複製阻害剤は、保持されたのである。し
かしもしそのプラスミドがpar部位を欠くプラスミドで
ある場合は[プラスミドに分配(partitioning)の原因
であるその部位が存在するとそのプラスミドは安定に遺
伝されるという効果があり、この効果はpar部位中の1
以上の遺伝子に起因する]、そのプラスミドは、低温に
おける低コピー数のために、低温において約1%/世代
の頻度で失われる。したがって、そのプラスミドのラン
アウエイ複製が確実に全細胞集団に連続して起こるよう
に、かようなプラスミドにpar部位を挿入するのが有利
であろう。
B型プラスミドには、大きなコピー数範囲をもつとい
う利点が加わる。低温におけるコピー数は非常に低いの
で、その産物がそのプラスミドの形質転換された微生物
に対して幾分有毒で(成長速度を低下させる)又は致死
姓である外来遺伝子をプラスミドに挿入することができ
る。このことは真核遺伝子類の産物の場合に時々ある。
これらの遺伝子は従来、例えば医薬産業において高い感
心がもたれているものである。低温では複製速度が低い
ので、外来遺伝子は少しも発現さされないか又は細胞が
それによって損傷されないような少量だけ発現され、そ
して通常の条件下低温で培養することができる。このこ
とは、いままで製造が全く不可能であるか又は非常に困
難であったある種のポリペプチド類の製造を著しく強化
もしくは容易にするものである。
この発明の第3番目のタイプのプラスミドは、約30℃
のこときひとつの温度で約0.5〜1コピー/細胞の範囲
のコピー数を有し(数値0.5は複製の頻度が1/細胞周期
より小さいことを意味すると解される)、そして約42℃
の温度のごときより高い温度では上記因子によって少な
くとも約500〜1000コピー/細胞、ある場合には数千コ
ピー/細胞にまで達する制御されないコピー数を持つプ
ラスミドである。かようなプラスミドは、本来もってい
るひとつの複製調節遺伝子の一部がその複製部位から切
りとられ複製部位以外に、すなわち遺伝子が本来位置し
ていない座位に挿入され、その複製部位に調節可能なプ
ロモーターを有するプラスミドである。この明細書と請
求の範囲ではこのプラスミドをC型プラスミドと命名す
る。プラスミドR1誘導体の場合は、それからcopB遺伝子
が切りとられ、そのcopB遺伝子がそのもとの座位でなく
その複製部位以外のEcoR I座位に再挿入される。たとえ
そうであってもcopBインヒビター蛋白はそのプラスミド
の複製に対し、プラスミドが上記コピー数パターンを示
すようなしかたで影響を与える。しかしそのプラスミド
がpar部位を欠いているプラスミドである場合、そのプ
ラスミドは、低温において極端に低コピー数であるた
め、低温では約5%/世代の頻度で喪失する。したがっ
て、プラスミドのランアウエイ複製が全細胞集団に確実
に連続して起こるようにこのプラスミドにpar部位を挿
入することは、B型プラスミドの場合より一層有利であ
ろう。低温と高温それぞれにおける複製挙動と、それ故
にこのプラスミドを用いる利点は他の点ではB型プラス
ミドと同様である。
この発明は第2の態様として、複製部位からの転写を
調節する第1の調節可能なプロモーターに加えて、第2
のプロモーターが、発現を第2プロモーターで制御され
る構造遺伝子を挿入させるしかたで挿入されたプラスミ
ドを提供するものである。この第2のプロモーターは制
御可能であってもよい。すなわち第1の調節可能なプロ
モーターを調節するのと同様の手段によって、宿主細胞
が培養される条件を調節することによってその機能を調
節することができるのである。lacプロモーター、trpプ
ロモーター、deoプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーターその他のごとき多数のプロモーターがこ
の目的に有用であると現在注目されている。λPLプロモ
ーターは温度感受性のc Iリプレツサーで調節され、そ
れ故増幅条件が同じであり、その結果宿主細胞の培養が
単純化され産物の増幅がプラスミドDNAの増幅と同時に
起こるので、構造遺伝子の発現を制御する第2プロモー
ターとして特に有用なことが分かる。また第2プロモー
ターは第1の調節可能なプロモーターと同一物であって
もよいことは留意されるべきである。
第2プロモーターはA型、B型及びC型の各プラスミ
ドに挿入できる。かようなプラスミドは約30℃におい
て、一定の低コピー数を有し、そしてごくわずか遺伝子
発現行うか又は全く遺伝子発現を行わず、そして約36〜
42℃の範囲の温度で実質的に増大されるかもしくは制御
されないプラスミドコピー数を有し、遺伝子発現を行
う。このプラスミドとしては、39℃以上の温度で制御さ
れないプラスミドコピー数を有し非常に高い遺伝子発現
を行うものが好ましい。
この発明のプラスミドはクローニングベクターと産生
ベクターとして使用することができ、すなわち、工業や
医薬用の広範囲の製品、特にポリペプチド類と蛋白もし
くはそのフラグメント、酵素類及び酵素と栄養培地中の
化合物との反応による非蛋白産物、ホルモン類のごとき
低分子量産物、並びに核酸を得るための組換えDNA技術
の分野に使用できるプラスミドであり、真核遺伝子特に
哺乳動物の遺伝子産物が特に重要である。クローニング
産生ベクターとして有用であるためには、必須ではない
が、プラスミドは、少なくともひとつの制限エンドヌク
レアーゼに対しこのエンドヌクレアーゼによって切断し
うる特異な座位を有することが有利である。この座位
は、外来DNAのフグメントを挿入すれば、得られた組換
えプラスミドを自律的に複製させ、かつプラスミドに挿
入された調節可能なプロモーターに複製部位の転写を調
節させて、このプロモーターからの転写が増大される際
に、プラスミドコピー数が実質的に増大されるか又は制
御されなくなるに至る座位でなければならない。かくし
て複製部位に位置する制限座位はクローニング座位とし
ては許容できない。というのはこれはプラスミドの複製
性能を失わせるからである。
この発明のプラスミドは、調節可能なプロモーター
を、プラスミドに、このプロモーターからの転写が複製
を調節するようなしかたで挿入し、このように処理され
たプラスミドを、そのプロモーターからの転写が増大さ
れるときに実質的に増大されるかもしくは制御されない
プラスミドコピー数を示すプラスミドをスクリーニング
することによって、同定することからなる方法で組立て
られる。調節可能なプロモーターがλPRであるときこの
プロモーターは、プラスミドとフアージDNAを混合し、
適当なエンドヌクレアーゼで制限し、熱で不活化しそし
て混合物を連結反応に付し、その連結反応混合物を微生
物に形質転換することによって挿入できる。
かようなプラスミドの組立ては、プラスミド上の異な
る座位にランダムにプロモーターを挿入することによっ
て行うことができる。調節可能のプロモーターからの増
大された転写を保証する条件下で制御されない複製挙動
をもつプラスミドをスクリーニングすることによって、
正しい挿入が同定される。かようなプラスミドの簡便な
ひとつのスクリーニング法は、種々の条件においてプラ
スミド保有細胞の成育性能を分析することからなる方法
である。宿主細胞中のプラスミドDNAの量は異なる方
法、特にそれ自体公知の方法のアガロースゲル電気泳動
法によって測定できる。このスクリーニング法は容易に
高速で行われる。
A型プラスミドの組立てに関するこの発明の特定の態
様において、その組立ての法は、ひとつの本来存在して
いる調節遺伝子の一部とそのプラスミドを取り除き、プ
ラスミドR1からのcopB遺伝子の場合は制限エンドヌクレ
アーゼBgl IIよって切断し、そしてこの座位に調節可能
なプロモーターを含む、Bgl IIフラグメントのごとき、
DNAフラグメントを挿入することからなる方法である。
B型プラスミドの組立てに関するこの発明の他の態様
において、その組立て法は、プラスミドに、調節可能な
プロモーターを本来存在している複製制御システムの上
流側の位置で挿入し(プラスミドR1誘導体の場合は、Bg
l IIによる部分的制限によってcopB遺伝子の上流側のBg
l II座位に)、連結し次いでエシエリヒア・コリのごと
き問題の微生物に形質転換することからなる方法であ
る。またこのプラスミドは、部分的に切除された本来も
っている複製調節遺伝子を有するプラスミドを出発物質
として用い、その本来もっている調節遺伝子をそのもと
の座位に再挿入する(R1型プラスミドの場合はcopB遺伝
子をBgl II座位に再挿入することによる)ことによって
組立てることができる。
C型プラスミドの組立てに関するこの発明の第3の態
様は、出発物質としてA型プラスミドを用いて、ひとつ
の本来もっている調節遺伝子を、それが野生型親では位
置していなかったプラスミドの部位に挿入し(R1型プラ
スミドの場合は、EcoR IフラグメントとしてのcopB遺伝
子をプラスミドの複製部位以外のEcoR I座位に、EcoR I
での制限によって挿入することによる)、連結しそして
形質転換することからなる方法である。
この発明の第4の態様は、調節可能なプロモーターを
挿入するのに加えて、第2プロモーターを、このプロモ
ーターによって発現が調節可能な構造遺伝子の挿入を許
容する適切な制限部位に、挿入することからなる方法で
ある。上記のように、この座位はそのプラスミドの複製
部位内に位置していてはいけない。
この発明のプラスミドはミニプラスミドである。すな
わち、それらの野生型親プラスミドよりもかなり小さ
い。一般に約2.5〜15.0×106ダルトンの範の大きさで、
多くの場合2.5〜10.0×106ダルトン、通常4.0〜12.5×1
06ダルトン、特に4.0〜5.0×106ダルトンである。
公知のランアウエイプラスミドの非制御複製挙動は、
それが形質転換される特定の細菌株、その細菌が培養さ
れる培地、及び挿入されるDNAに左右されるようであ
る。この依存性は多分、公知プラスミドのランアウエイ
複製挙動が部分的に、その転写速度をわずかに増大させ
るcopBプロモーター中の単一ヌクレオチドを置換するこ
とによって起り、そしてその転写速度がそのプラスミド
に挿入される外来DNAのみならず関連する細菌の種と菌
株及び/又はその培養培地に関する環境変化によって影
響を受けることがあるという事実によるものであろう。
この発明のプラスミドは、強力な外来プラスミドが活性
化/抑制制御されるとかような変化が有意でないように
転写速度を増大させるので、同様には限定されないよう
である。結局これらのプラスミドは広範囲の菌株に形質
転換することができて、取扱う上で、公知のランアウエ
イプラスミドよりも信頼性が高い。
またこの発明には、R1以外の野生型プラスミド由来の
プラスミド及び又はE.Coli以外のプラスミド保有微生物
中に見出されたプラスミドも含まれる。また本来プラス
ミドを持っていない微生物中に保持されうる上記タイプ
のプラスミドを組立てることも考えることができる。い
くつかの異なった微生物プラスミドの複製システムは多
くの面で類似していることが示されている。例えば、す
べての公知のプラスミドはもし複製を起こしたいならば
転写を必要とする。この発明の原理を利用することによ
って、クローニングベクターとしてすでに使用中でかつ
所望の微生物で良好に機能することが知られているプラ
スミドがランアウエイ挙動を得ることができるように、
他のプラスミドに非制御の複製表現型を伝達することが
できる。かくして、調整可能なプロモーター例えばλPR
を、かようなプラスミド中に適正な位置に、このプロモ
ーターからの転写が複製を調節するしかたで挿入するこ
とによって、非制御の複製がプロモーターからの増大し
た転写を保証する条件下で起こるのである。
発明の説明 R1型プラスミドの複製制御システム 基本的レプリコン(Basic replicon) 現在まで、R1型プラスミドの複製制御システムは知ら
れていない。プラスミドR1の複製の複製制御に必要な遺
伝情報が耐性トランスフアーフアクター内に位置する3
つのPst Iフラグメントからなる2500塩基対の長い部分
に保有されていることが見出されたものである(Molin
et al.,J.Bact.138,1979,70−79)。
この部位は“基本的レプリコン”と定義され、4つの
重要な要素すなわち3つの遺伝子(copA,copB及びrep
A)と複製開始点を有する(Molin et al.,Microbiolog
y,1981,408−11)。この基本的レプリコンの機能地図を
第1図に示した。遺伝子repAは複製を起うため正に必要
とされる機能の遺伝情報を指定する。その遺伝子産物
(そのDNA配列による)は278のアミノ酸からなり分子量
が約33000ダルトンの蛋白である(Rosen et al.,Mol.Ge
n.Genet.179,1980,527〜37)。この蛋白は明確には同定
されていないが、そのrepA遺伝子から蛋白を形成する容
量は、lacZ遺伝子との翻訳遺伝子融合体を使用すること
によって明確に示された(Light and Molin,Mol.Gen.Ge
net.184,1981,56−61)。RepA蛋白の生化学的機能はま
だ充分に探究されていないがRepA蛋白は複製開始因子で
あると信じられる。
遺伝子copAは、高度に二次構造を有する小さく(80〜
90ヌクレオチド長)不安定なRAN分子(すなわちそれは
ヘヤピンループを形成している)合成の遺伝情報を指定
している(Stougaard et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA7
8,1981,6008−6012)。CopA−RNAは複製のインヒビター
であるCoPA−RNAのヌクレオチド配列に影響する突然変
異は増大したコピー数に導くことができる(cop突然変
異体)。copA突然変異体のDNA配列分析によれば、すべ
ての突然変異が5つの塩基内のループ部分にきわだって
群がっていることを示している。これらの突然変異によ
って、野生型プラスミドに対するインヒビターの活性が
著しく減少するか又は全くなくなることになる。それ故
に、そのインヒビターの特異性はそのループ部分に存在
すると結論することができる。またそのヌクレオチド配
列が知られているすべてのcopA突然変異体において、Co
PA−RNA中のシトシンがウラシルで置換されていた(も
しくはある場合はアデニンによって置換)ということは
驚くべきことである。このことはCoPA−RNAが核酸/核
酸相互作用によって作用することを強く暗示している。
この結論はさらに、次の事実により強化される。すなわ
ちその事実によって野生型プラスミドに対してすべての
CopA活性を失ったこれらのcopA突然変異対でもそれら自
身に対していくらかのCopA活性を保持しているというこ
とである。さらにこの野生型CopA−RNAは再々、copA突
然変異体プラスミドに体する阻害効果を減少している。
それ故copA突然変異体はインヒビターで変化するだけで
なく標的のcopTでも変化し、単一の塩基置換によって表
現型的に二重突然変異体(double mutant)になる。cop
B遺伝子は分子量11,000ダルトンの86アミノ酸の塩基性
蛋白合成の遺伝情報を指定している。この蛋白は多量形
成される。copB遺伝子とそのプロモーターが欠失すると
コピー数が8倍に増大するに至る。それ故copB蛋白は、
複製インヒビターとして、すなわちプラスミドR1の複製
の調節において負に作用する制御要素として作用すると
結論される(Molin et al.,Mol.Gen.Genent.181,1981,1
23〜30)。
二重突然変異体(copAcopB)は、いわゆるランアウエ
イ複製のために宿主微生物に対して無条件に致死性であ
る。したがってこの2つの制御遺伝子産物は相乗的に作
用する。
基本的レプリコンの転写活性 基本的レプリコン内に3つの転写開始座位がある。す
なわちcopBプロモーター、repAプロモーター(Light an
d Molin,Mol.Gen.Genet.184,1981,56−61)及びcopA遺
伝子のプロモーター(Stougaad et al.,OP.cit.)であ
る。最後のものはその元の部位からはなれて転写し、一
方前の2者はもとの部位にむかって転写する。結局両ス
トランドはcopA部位において転写される。CopBトランス
クリプト(transcript)はcopB遺伝子を通って続き、こ
のトランスクリプトとrepAプロモーターにおいて始まる
トランスクリプトの両者はrepA遺伝子を転写する。
Bgl IIでの制限によって組立てられてcopBが除かれる
とプラスミドR1のコピー数8−10倍にも増加する。この
ことは意外なことである。というのはcopB遺伝子プロモ
ーターとcopB構造遺伝子の近位部が除かれると、1)co
pB活性が失われるとともにrepAプロモーターの抑制解除
がおこり、2)copBプロモーターの全repA発現への寄与
が失われ、その結果、抑制解除されたrepAプロモーター
がcopBプロモーターからの全repA転写を効果的に引継ぐ
からである。この全効果は、repAプロモーターがcopBプ
ロモーターの強力以上に2倍増大した強力を有するの
で、repA遺伝子の転写速度が2倍だけ増加するにちがい
ない。
この明らかな逆説はcopA遺伝子の活性で説明される。
CopA−RNAは、一連のウリジン(U)で終わっているス
テムを有する正常終結構造で終結している。RepA蛋白形
成のCopA−RNA制御はかような適性な終結に左右され
る。対向するストランドの転写が強力な場合は(収斂転
写)、転写の効率は減少する。repAからの転写が増大す
るとCopAトランスクリプトが約150−200ヌクレオチドま
で拡大する。この拡大したCopAトランスクリプトは複製
インヒビターとしては機能しない。すなわちそれは実質
的に不活化され、RepA蛋白量が増加し、最終的にプラス
ミドコピー数が増大する(Stougaad et al.,EMBO Journ
al 1,1982,323−328)。
複製の制御 2つの遺伝子copAとcopBからの産物はプラスミドR1の
複製を負に制御する。すなわちこれら産物は複製インヒ
ビターとして機能する。repA−lac融合体の組立てと分
析を通じて、この2つのCop遺伝子の産物がrepA遺伝子
の発現を負に制御して作用するということを示すことが
できた(Light and Molin,Mol.Gen.Genet.184,1981,56
−61)。それ故にプラスミドR1の複製は、このプラスミ
ドの複製開始にたぶん正に必要な蛋白の形成を調節する
ことによって制御されているようである。
lac遺伝子融合によって、copAとcopBの産物が別個の
標的を有することも証明された。CopB蛋白の標的はrepA
プロモーターであり、このCop蛋白はrepAプロモーター
において転写開始を阻害する作用を行う。しかしCopB蛋
白はrepAプロモーターの上流側で開始れた転写を妨害す
ることはできない。CopA−RNAは転写には影響しない
が、転写後レベルで作用する。すなわちRepA−mRNAの翻
訳を阻害する。
ランアウエイ突然変異体の複製 公開ヨーロッパ特許出願第78.101877,5号に開示され
ているプラスミドの複製システムは、野生型R1プラスミ
ドについて上記したのと実質的に同じである。この発明
の発明者らによる新しい研究によって、ランアウエイ複
製挙動を有する温度依存性プラスミド突然変異体が存在
する理由が一部確認された。上記説明のように、repA遺
伝子への転写が増大するとCopA−RNA分子の失活に至る
ことがある。上記特許願に開示されたランアウエイ突然
変異体プラスミドにおいて、copBプロモーターは、次に
示すように配列しているうちのひとつのヌクレオチドを
置換することによって突然変異を起こす。
a)野生型プラスミド 5′−…TTCTCAAGTGCT
…−3′ b)ランアウエイ突然変異体 5′−…TTCTCAAGTGCT
…−3′ アンダーラインをつけた文字がヌクレオチド置換を示
す。記載されている部位はRNAポリメラーゼ結合座位で
ある。
この突然変異は、copBプロモーターからの転写を、特
により高い温度で増大させることが示された。
調節可能なプロモーターを有するプラスミドの複製 この発明のプラスミドの組立てには、この発明の発明
者らが新しく得た野生型R1プラスミドの複製システムの
知識を利用することができた。しかしこの発明のプラス
ミド複製は、公開ヨーロッパ特許願第78.101877.5号に
開示のランアウエイプラスミドの場合のように、プラス
ミドの突然変異によってなされるのではない。その代わ
りに、外来プロモーターが挿入され、その結果複製部位
の転写が少なくとも部分的にこのプロモーターで制御さ
れている。このプロモーターは、宿主微生物が培養され
る条件下での調節によって調節可能であってもよく、プ
ロモーター活性の調節は、培養温度又は培養培地の組成
を変えることによるなどの種々の手段で行ってもよい。
調節可能なプロモーターが温度依存性プロモーターの
群から選択されたひとつのプロモーターである際は、λ
PRもしくはλPL特にλPRのようなバクテリオフアージλ
由来のプロモーターが好ましい。フアージλにおいて、
PRプロモーターはc Iリプレツサーによって制御され、
このリプレツサーはこの発明の原理にしたがって、フア
ージλからλPRとともに誘導され、Bgl IIフラグメント
の形態のプラスミドに挿入される(添加したプラスミド
地図第4−11図参照)。野生型c Iリプレツサーはそれ
自体温度感受性ではない。そこで培養温度を調節するこ
とによって複製システムを調節可能にするために、用い
た特殊c Iリプレツサー(下記実施例参照)は温度感受
性であり、突然変異体対立遺伝子(mutant alle)c I
857によってコードされている(Sussman and Jacob.Com
t.Rend.Acad.Sci.254,1962,1517)。このリプレツサー
は活性である。すなわちこれはλPRプロモーターを、約
30℃の温度のような低温で抑制するが、一方約39℃以上
の温度のごときより高い温度では変性されて、そのリプ
レツサー機能が不活性されλPRの抑制が解除される。そ
の挿入されたプロモーターが非常に強力であると、その
結果repAへの転写が著しく増大し、次いで非制御プラス
ミド複製にいたる。
また、プロモーターの調節は化学的手段によって行う
ことができる。すなわち、プロモーターを誘発する化学
物質を添加して例えばリプレツサー制御プロモーターの
活性を不活性化させその結果プロモーターの抑制を解除
させるとか、又はプロモーターを活性化することになる
プロモーター誘発性の代謝物の形成を保証することによ
って、宿主微生物が培養される培地の組成を調節して行
われる。化学的に誘発しうるプロモーターの特例は、2
つの染色体リプレツサー蛋白すなわちdeoR遺伝子とcytR
遺伝子の産物によって負制御を受けるE.Coliからのdeo
プロモーターである。このdeoプロモーターは培養培地
にシチジンを添加することによって制御を解除すること
ができる。というのはシチジンは、そのリプレツサーに
対する新和性によって作用しリプレツサーの高次構造に
変化を起こさせ、その結果リプレツサーがリプレツサー
として機能するのを停止するからである。加うるに、正
の制御はカタボライトリツプレツシヨン(catabolite r
epression)を通じてdeoプロモーターからの発現で行う
ことができる。サイクリツクAMP(cAMP)によるcrp蛋白
(カタボライトリプレツサー蛋白)の活性化によってde
oプロモーターの活性が賦活される。高細胞レベルのcAM
Pは、低レベルのグルコースの相関関係があることが知
られている。すなわち培養培地からのグルコースの欠如
は限られた量だけのグルコース、例えば約0.01%の量
を、グリセロースもしくはコハク酸塩とともに添加する
ことによって得られる。グルコースが細胞によって消費
されると、その結果cAMPの細胞間レベルが増大してdep
プロモーターを活性化しそのプロモーターを有するプラ
スミドの複製速度を増大させるに至る。かくしてdeoプ
ロモーターがプラスミドR1誘導体中のcopB遺伝子の上流
側に挿入されると、そのプロモーターの誘導によって複
製が増大するかもしくは全く非制御になる。この非制御
複製挙動は、プラスミドのコピー数がプレインダクシヨ
ンのレベルまで徐々に減少するように培養培地にグルコ
ースを添加することによって逆転させることができる。
化学的に調節可能なプロモーターのもうひとつの例は、
栄養培地中にラクトースを存在させることによって誘発
され、増大もしくは非制御の複製に到達させるlacプロ
モーターである。この場合もそのプロセスは、ラクトー
スが最終的に細胞によて消費されるような量のラクトー
スを培地に添加することによって逆転させることができ
る。
調節可能なプロモーターを有するDNAフラグメント
を、本来存在しているひとつの複製調節遺伝子の一部分
は、例えばプラスミドR1のcopB遺伝子の一部を占めるBg
l IIフラグメントの部分の代わりに、適性な位置と配向
で挿入すると、そのプラスミド誘導体の複製速度は挿入
されたプロモーターによって少なくとも一部分が制御さ
れる(A型プラスミド)。
調節可能なプロモーターを有するDNAフラグメント
を、本来存在している複製調節遺伝子のすぐ上流側に正
しい配向で挿入すると、プラスミドR1誘導体のcopB遺伝
子の場合、わずかに異なる複製性能を有するプラスミド
が得られる(B型プラスミド)。
上記のようにpar部位を欠くB型プラスミドは約1%
/世代の頻度で失われる。培養物中にそのプラスミドが
存在するためのセレクシヨンがないと、そのプラスミド
は約30℃で培養される細胞から最終的に喪失する。この
プラスミドを安定化するために、例えばB型プラスミド
中の野生型R1プラスミドからのpar部位を有するDNAフラ
グメントを挿入することもできる。このようにして類似
の条件下で培養される細胞中におけるプラスミドの完全
な安定性(喪失なし)がもたらされるのである。プラス
ミドの安定性は次のようにして測定できる。最初に、pa
r部位だけでなくlac遺伝子が挿入されたB型プラスミド
を有する細胞と、対照としてlac遺伝子をもつがpar部位
をもたないB型プラスミドをもつ細胞とを、出発コロニ
ー中に両方のプラスミドが確実に存在するように、選択
して抗生物質(そのプラスミドが耐性を伝達する)を含
有するプレート上で培養する。次いで両者のコロニーの
試料を全く抗生物質を含まないプレート上にストリーク
して、例えば25世代のような多数世代(細胞倍加)の間
セレクシヨンなしで成育するにまかせる。最後に、得ら
れた両者のコロニーからの細胞をマツコンキイラクトー
ス指示プレート(MacConkey lactose indicator plat
e)上にストリークする。そのプレート上において、par
部位含有プラスミドを最初に有する細胞は赤色コロニー
を形成してそのプラスミドが保持されたことを示すが、
一方par部位なしのプラスミドを最初に有する対照の細
胞は赤色と無色との両方のコロニーを形成し、セレクシ
ヨンなしの期間にプラスミドがいくつかの細胞から喪失
したことを意味する。このようにしてpar部位の挿入さ
れたプラスミドは完全に安定化されたことが示される
(実施例11参照)。この安定化効果は、挿入されたDNA
フラグメントが、プラスミド含有細胞をプラスミドを含
有しない細胞と比較して、その成長速度を減少させる場
合に重要である。
最後に、プラスミドR1のcopB遺伝子のような本来存在
している複製調節遺伝子を有するDNAフラグメントをA
型プラスミドの複製部位以外の座位に挿入すると、特別
の複製性能を有するプラスミドが得られる(C型プラス
ミド)。
B型プラスミドについて先に述べたプラスミドの安定
性は、C型プラスミドについて一層顕著に望まれること
である。というのは上記のようにこれらC型プラスミド
は低温において一層低いコピー数を有し、それ故par部
位を欠いている場合はB型プラスミドよりも高い頻度で
失われるからである。C型プラスミドは、par部位が存
在していないプラスミドの場合、これにpar部位を挿入
することによつて同様に安定化することができる。
この発明の特別の態様によつて、次のようなプラスミ
ドが提供される。すなわちそのプラスミドは第一の調節
可能なプロモーターに加えて、プロモーターが、例えば
所望のポリペプチド合成の遺伝情報を指定する挿入され
た外来構造遺伝子の発現を調節する複製部位以外に位置
する第二のプロモーターを有する。この追加のプロモー
ターは、例えばλPRプロモーターとc I遺伝子とを通過
して有するフラグメント上に位置するc Iプロモーター
でもよい。そしてそのc Iプロモーターはc I遺伝子産物
で制御されλPRの逆方向に転写する。c Iプロモーター
によつてその発現が調節されうる構造遺伝子を、c Iプ
ロモーターの下流側(downstream)に挿入することがで
きる。一例として、lacプロモーターを欠くlac遺伝子
(lacオペロンとして知られている)がc I遺伝子の下流
側に挿入されたが、得られた遺伝子産物の増幅から、la
c遺伝子の転写は、少なくとも一部分がc Iプロモーター
によつて制御されていることが示唆された(実施例8参
照)。かくして、この発明のプラスミドを、外来遺伝子
挿入用のクローニングベクターとして用いることができ
ることが示された。このc Iプロモーターはc Iリツプレ
ツーによつても調節可能であり、その結果遺伝子産物の
増幅がプラスミドDNAの増幅と同時に起こるという利点
を有する。
また第二プロモーターはλPLのようなλプロモーター
でもよく又はrecAプロモーターであつてもよい。第二プ
ロモーターがλPLである場合、このプロモーターは、フ
アージλからのBamH I−Bgl IIフラグメントとしてプラ
スミドに挿入することができ、かくしてBamH I、Bgl I
I、Sau3A及びBcl Iのようないくつかの制御酵素で生成
されたDNAフラグメントの挿入用に好都合なクローニン
グ座位(BamH I)を産生する。またλPLは、このプロモ
ーターを有するプラスミドからの適当なDNAフラグメン
トに挿入してもよい。またλPLは、増幅条件が同じであ
るように温度感受性のc Iレプレツサーによつて制御さ
れるので第二プロモーターとして有利である。
一方プロモーターがrecAの場合、例えばPBEU14(Uhli
n and Clark,J.Bact.148,1981,386−90)からのBamH I
フラグメントとしてこの発明のプラスミドを挿入しても
よい。このプロモーターは、recAプロモーター保有プラ
スミドが形質転換された微生物菌株によつて異なるしか
たで機能する。recA菌株中でrecAはlexAリプレツサーに
よつて制御され、このリプレツサーはその微生物の染色
体上に位置している。例えば非制御複製が温度で誘導さ
れる場合、プラスミドのコピー数としたがつてrecAプロ
モーターの数とが徐々に増加する。lexAリプレツサー
は、少量生産するだけでありそしてrecAプロモーター部
位に強固に結合することによつて機能するので、lexAリ
プレツサーの利用しうる量は、コピー数が増大するにつ
れて徐々に滴定される。このようにして、recAが徐々に
制御解除され、プラスミドコピー数が高くなるとrecAか
らの転写が対応して増大する。クローニング及び産生ベ
クターとしてのこの発明のプラスミド。
この発明のプラスミド類は、クリーニング及び産生ベ
クターとしての性能において次のような多くの特徴を有
する。
1)これらのプラスミド類は分子量が約4.0〜12.5×106
ダルトンで小さいものである。サイズが小さいので取扱
いに便利であり形質転換効率が向上する。
2)これらプラスミド類は制限エンドヌクレアーゼ類に
対する特異な座位を多数有する。“特異な”の用語はひ
とつの特異制限エンドヌクレアーゼに対してそのプラス
ミドがその酵素によつて切断可能なひとつのそしとひと
つだけの座位を有することを意味するものである。
すでに述べたように、複製部位内に位置する制御座位
はクローニング座位としては許容できない。かくして下
記実施例に記載のプラスミドにおいて、制限座位のSdl
IとPst Iとは、プラスミドのレプリコン中に位置してい
るのでクローニング座位として適切でなく、一方制限座
位のEcoR IとBamH Iとはこの重要な部位中に位置してい
ないので外来DNAの導入に有用な座位を形成する。適切
な制御座位がプラスミド自体に見出されない場合は、か
ような座位を有する小さなDNAフラグメント(リンカー
として知られている)を実施例4に記載のようにしてプ
ラスミドに挿入して組立てることができる。
しかしながら挿入された構造遺伝子の発現を確実に行
わせるために、構造遺伝子自体の上流側で第2プロモー
ターの下流側に位置する適当な翻訳開始シグナル(リボ
ソーム結合座位)を有する必要もある。
リボソーム結合座位の存在を保証するひとつの方法は
種々のDNAフラグメント(例えばリンカーのごとき)を
挿入する方法である。そしてこれらのフラグメントは合
成で作ることができて各々異なる構造遺伝子に対する翻
訳開始シグナルを有する。一方、微生物にて発現される
ことがすでに知られている遺伝子含有DNAフラグメント
を完全にランアウエイクローニングベクターに挿入して
もよく、かくして適切な翻訳開始シグナルの存在が保証
される。
3)上記のように、できるだけ小さいクローニングベク
ターを有するのが有利であるが、そのクローニングベク
ターが、プラスミド含有細胞の同定及び/又は選択に有
用ないわゆるマーカーの発現用の遺伝子を有することが
多くの目的にとつて実用的である。最も有用なマーカー
は、例えばアンピシリン耐性のような抗生物質耐性であ
る。というのはこれは組換えプラスミドを微生物宿主に
形質転換する処理をした後、その組換えプラスミドを受
け入れなかつた微生物を容易に逆選択することができる
からである。下記実施例に記載のすべてのプラスミドに
存在する他のマーカーはc I遺伝子によつて暗号化され
ているλ免疫である。この発明のプラスミドのさらに有
用な性質は、特異な座位がそのなかに位置している、選
択可能な表現型を伝達する遺伝子が存在していることで
ある。この座位にDNAフラグメントを挿入するとその遺
伝子の挿入失活が起こる。この例としては、Lac+表現型
を伝達する遺伝子については実施例9に、クロラムフエ
ニコール耐性を暗号化している遺伝については実施例12
に記載されている。マーカー例えば抗生物質耐性を、ク
ローニングベクターとして用いられるべきこの発明のプ
ラスミドに導入したいときは、転位(transposition)
によるか又はそれ自体公知の方法で外来DNAフラグメン
トを挿入することによって行うことができる。かような
転位の例は実施例4に示す。
培養方法 この発明はまた、調節可能なプロモーターが、転位が
複製を調節するようなしかた、特にプロモーターからの
転写が増大するとプラスミドコピー数が実質的に増大す
るかもしくは非制御になるようなしかたで挿入されたプ
ラスミドを有する微生物を培養し、調節可能なプロモー
ターからの転写の増大を保証しその結果プラスミドコピ
ー数が実質的に増大するかもしくは非制御になる条件下
での少なくともひとつの培養期を有し、次いで微生物培
養物からのプラスミドの遺伝子産物を収穫することから
なる、プラスミドDNAの遺伝子産物の製造法を提供する
ものである。培養自体は、問題の微生物種のに最適なこ
とが知られている通常の栄養培地を含む通常の技術を用
いて適切に行われる。また遺伝子産物の収穫は、製造さ
れた特定の遺伝子産物の本質と性質、宿主微生物の性質
などに適する公知の方法にしたがって行われる。この発
明はさらに、この発明のプラスミドが細胞の所望数が得
られるまで、接種と増殖の段階において一定の低コピー
数になる条件下で形質転換された宿主微生物を培養し次
いでその宿主微生物を、プラスミドコピー数が実質的に
増大するか又は非制御になる条件下で培養する方法を提
供するものである。
したがって、培養は、はじめに、プロモーターからの
どんな転写もプラスミドのコピー数に有意に影響しない
条件下で行ってもよく、その後プロモーターの活性を誘
発する物質を、培養培地に、実質的に複写が増大するか
又は非制御になる量で添加される。所望により、これら
の培養条件は、プラスミドの実質的な増幅を得るのに充
分な期間であるが、微生物培養物の実質的な損傷を回避
するのに充分短い期間の後に逆転させてもよい。前記物
質は培養媒体から除去されるとプラスミドコピー数が最
終的にプレインダクシヨンレベルに到達するまで徐々に
減少するにいたる。ここにおいて、“除去される”の用
語は、問題の物質を培養媒体から完全になくすことを意
味する必要はないが、その物質がもはやいかなる効果も
有しない程度の濃度まで減少させるにすぎないことを意
味する。
ある物質によって誘発されるよりむしろ阻害されるプ
ロモーターを用いるもうひとつの方法において、微生物
培養物は最初、使用される特定のプロモーターの活性を
阻害する物質の存在下で培養されてもよく、その後、そ
の物質の濃度を、例えば培養媒体を希釈するか又は徐々
に細胞によって消費させるかによって、プロモーターを
活性化させるにいたる程度に減少させ、その結果、プラ
スミドコピー数を実質的に増加さすか又は非制御にさせ
る。所望により、この培養条件は、プラスミドの実質的
な増幅を得るのに充分な期間であるが微生物培養物の実
質的損傷を回避するのに充分短い期間の後プラスミドコ
ピー数がプレインダクシヨンのレベルに到達するまで徐
々に減少するにいたる量でプロモーター活性の阻害物質
を、添加することによって置き換えてもよい。
また微生物を培養する条件には、プラスミドコピー数
が実質的に増加するか又は非制御になる温度かその近傍
温度におけるある培養期間が少なくとも含まれていても
よい。
調節可能なプロモーターが温度依存性か又は温度感受
性の因子で調節される際は、この発明のプラスミドで形
質転換された微生物の生産規模の培養物までの増殖は、
増加するプラスミドと遺伝子産物の濃度による微生物育
成のどんな阻害をも避けるために、プラスミドが一定の
低コピー数を示す温度又はその近傍温度で行うのが好ま
しい。次いでその温度を、プラスミドが実質的に増大も
しくは非制御のコピー数を示す温度に変えてもよい。生
産期間は、微生物の成育がプラスミドからのプラスミド
DNA及び/又は遺伝子の産物によって阻害されるまでの
ことが多いが、適切な生産期間の後、遺伝子産物の収穫
が行われる。特定の条件によっては、プラスミドの遺伝
子産物の量が増大する(次いでこの産物は培養物が連続
的もしくはは間欠的に収穫できる)とともに、宿主微生
物が存続し成育し続けることができるように、プラスミ
ドコピー数が実質的に増大するか又は非制御状態になる
温度にごく近い温度で連続的に量産培養を行うことが好
ましい場合がある。
一方その微生物は、プラスミドコピー数が一定である
温度で量産規模の培養まで増殖させてもよい。次いで温
度をプラスミドコピー数が実質的に増大するか又は非制
御になる温度もしくはその近傍の温度に変える。次いで
プラスミドの実質的増幅を得るのに充分な期間であるが
微生物培地のいかなる実質的損傷を避けるのに充分短い
時間、前記温度を保持する。その後温度を、一定の低い
プラスミドコピー数を保証する温度にもう一度変化さ
せ、プラスミドコピー数を徐々に減少させる後者の温度
で、該コピー数が最初のレベルに到達するまで量産培養
を続ける。この培養法は、プラスミドに挿入される外来
遺伝子が、約30℃より高い温度では生存できない生物か
ら由来のものであって、その結果かような遺伝子の遺伝
子産物がより高い温度で変性されることがある場合、特
に重要である。さらに、この培養法を採用すると通常、
遺伝子産物の収率が高い(実施例16参照。Uhlin et a
l.,Gene 6,1979,91−106,第II表を比較せよ)。
プラスミドコピー数が実質的に増大するかもしくは非
制御になる温度は、プラスミドが一定で低いコピー数を
有する温度よりも高くてもよい。この高い温度は例えば
約36〜42℃の範囲の温度である。
図面の説明 次に図面を説明する。
第1図は野生型プラスミドR1の複製部位の概略図であ
る。
第2図は下記第3〜21図に用いられている記号の手引
きである。及び 第3〜21図は実施例に記載のプラスミドの制限地図を
示す。
第1図に、プラスミドR1の基本的レプリコンの概略図
が示され、その中に縦線を入れた部分は翻訳された部位
(translated region)を意味し、ブランク部分はトラ
ンスクリプトを意味し、点線部分は可能なトランスクリ
プトを意味する。丸の中にヘヤピンループ部の拡大図が
CopA−RNAの高度の二次構造を説明するために示されて
いる。Oriは複製開始点を示す。水平の矢印は転写の方
向を意味する。
第2図に下記第3〜21図に用いられている記号の手引
きを示した。AはR1型プラスミドからのDNAを、Bはバ
クテリオフアージλ(EDλ4)由来のDNAを、CはTn3ト
ランスポゾン(EDλTn3からの)からのDNAを、Dをプラ
スミドpBR322からのDNAを、EはプラスミドpMC871から
のDNAを、FはプラスミドpVH1424からののDNAを、Gは
プラスミドpSKS104からのDNAを、Hは構造遺伝子と重要
な座位を、lは転写方向の表示を付したプロモーター
を、及びJはプラスミドの大きさをスケールをそれぞれ
意味する。ブランク部分はプラスミドpBEU14からのDNA
を意味する。
第3〜21図には各実施例に記載のプラスミドの直線制
限地図が示されR1型プラスミドの遺伝子型は水平線上に
記入して示されている。したがってcopBは、copB遺伝子
とcopA遺伝子との間のrepAプロモーターからの転写を抑
制するポリペプチド合成の遺伝子情報を指定する遺伝子
を示す。copAはRepA−mRNAの翻訳を阻害するRNA分子を
コードする遺伝子を示す。Oriは複製の増殖型開始点を
示す。aphAはカナマイシンに対する耐性を暗号化する遺
伝子を示す。blaはアンピシリンに対する耐性を暗号化
する遺伝子を示す。lacAとlacYとlacZは挿入されたlac
オペロンを示し、lacAはトランスアセチラーゼ、lacYは
パーミアーゼ及びlacZはβ−ガラクトシダーゼそれぞれ
の合成遺伝情報を指定する。c I857はλPRプロモーター
の温度感受性リプレツサー合成の遺伝情報を指定する遺
伝子を示す。tnpRとtnpAはTn3トランスボジシヨン機能
をコードする遺伝子を示す。parはプラスミドの分配の
原因である部位を示す。recAは組換え蛋白の遺伝情報を
指定する遺伝子を示す。またPrecAはrepAプロモーター
を示す。水平線の下側には制限酵素の座位が示され、P
はPst Iを、B2はBgl IIを、S1はSal Iを、EはEcoR I
を、H3はHind IIIを、B1はBamH Iを、SはSmal Iを、B2
B1はBgl II座位とBamH I座位との融合体を、CはCla I
をそれぞれ意味する。第11図において、記入されている
プラスミドは他の図中のプラスミドと同じスケールで画
かれている。括弧でかこんで挿入した部分は挿入された
lac遺伝子を示す。
原料と方法 用いたエシエリヒア・コリK−12菌株はCSH50であっ
た(△pro−lac,rpsL;J.Miller;Experiments in Molecu
lar Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor,New York,1972)。いくつかのプラスミド
(第1表)とバクテリオフアージ(第2表)が用いられ
た。
用いた実験技術は、微生物遺伝学の分野で用いられる
標準技術(J.Miller;Experiments in Molecular Geneti
cs,Cold Spring Harbor,New York,1972)と遺伝子操作
法(Davis,Botstein and Roth;A manual for Genetic E
ngineering;Advanced Bacterial Genetics,Cold Spring
Harbor,New York,1980)であった。
すべての細胞は、LB培地(Bertani,J.Bact.62,1951,2
93)又はA+Bミニアル培地(Clark and Maalφe,J.Mol.B
iol.23,1967,99)中で培養された。そして用いたプレー
トはLB培地と1.5%寒天含有のLAプレートであった。プ
ラスミドの製造と分析は、Stougaard and Molin,Anal.B
iochem.118,1981,191に記載の方法にしたがってdye boy
ant density gradient centrifugation法を用いて行っ
た。プラスミド量測定のためのDNAの標識と溶解産物の
製造は、Molin et al.,J.Bact.138,1979,70にしたがっ
て行った。プラスミドDNAの相対的量は、グラジエント
中の染色体バンド中にそれに対するプラスミドバンド中
に存在する標識されたトミジンの量として測定された。
実施例に用いた制限エンドヌクレアーゼ類は製造メー
カー提供の規定にしたがって使用した。部分制限は酵素
の10倍希釈物で行った。
さらに下記のスクリーニング法を用いた。
1.λ免疫性(immλ)についてのスクリーニング 記載された全実施例において、c I857突然変位体の対
立遺伝子を用いた。この遺伝子を有するプラスミドは、
宿主のエシエリヒア・コリの細胞を30℃における溶菌フ
アージの感染に対し耐性にする。耐性細胞を選択するた
めに、細菌をプレートにひろげる前に108以上のλb2フ
アージの粒子を加える。生存しているコロニーをさらに
それらのプラスミド量について試験した。
2.copB+についてのスクリーニング lacプロモーターが除去されたlacオペロンとrepAプロ
モーターとの遺伝子融合体を組立て次いでp15プラスミ
ド(pGA46)に挿入される。ひとつの得られたハイブリ
ツドプラスミドpJL217は、△lac宿主のエシエリヒア・
コリ菌株中に存在するとLac+表現型の原因である。
Lac+発現型は、マツコンキイラクトース指示プレート
で容易に検出される(赤色コロニー)。pJL217を有する
細胞中にcopB+遺伝子が存在するとLac-表現型になり該
指示プレート上に白色コロニーとして現れる。かくして
copB+ハイブリツドは、プラスミドDNAがプラスミドpJL2
17を有するエシエリヒア・コリ△lac細胞に形質転換さ
れるとき、Lac-コロニーとして容易にスコアされる。
親プラスミド プラスミドpKN1562は、その後の研究によって付け加
えられた若干の改変を除いて、Molin et al.:"Clusteri
ng of Genes lnvolved in Replication,Copy Number Co
ntrol,lncompatibility,and Stable Maintenance of th
e Resistance Plasmid Rldrd−19",J.Bact.138,1979,p
p.70−79に記載されているのとすべての主要部で同様に
して組立てられたプラスミドR1の誘導体である。pKN156
2は6.9×106ダルトンの分子量を有し、copA+、copB+、r
epA+、aphA+、△parの遺伝子型を有する(第3図参
照)。これはカナマイシン耐性を有する。このプラスミ
ドは野生型プラスミドの複製性能を有し、3−5/高速成
育細胞のコピー数を有し、かつpar遺伝子(分配のため
の遺伝子)を欠いているので1%/世代の頻度で失われ
る。
pKN1652をBgl IIで制限してcopB遺伝子の一部を除去
し、その付着端を結合することによって他のプラスミド
pJL20が組立てられる。このプラスミドの分子量は6.7×
106ダルトンであり、遺伝子型はcopA+、△copB、rep
A+、aphA+、△parである。このプラスミドは25−40/高
速成育細胞のコピー数を有し、このプラスミドの喪失は
ない。このプラスミドもカナマイシン耐性を伝達する。
プラスミドの命名 基本出願の実施例及び図面にpJEL…と命名されたプラ
スミドは本出願においてpOU…に変えられた。
実施例1 pOU51の組立てと特性表示 プラスミドpJL120とフアージEDλ4からのDNAが標準
法にしたがって製造された。プラスミドとフアージDNA
とが各々20μの最終濃度と100μの最終容積で混合
され、Bgl IIで30分間制限され70℃で10分間加熱して不
活性され、T4DNAリガーゼで一夜15℃で連結された。こ
の連結反応混合物をエシエリヒア・コリ菌株CSH50に形
質転換された。その形質転換細胞は、約109のλb2粒子
の懸濁液をひろげた50μg/mlのカナマイシン含有のプレ
ート上で選択された。このプレートは30℃で20時間培養
された。
生存コロニイを再分離して、30℃でのクロスストリー
キングによってλb2に対する耐性の試験、42℃でKmプレ
ート上にストリークして42℃での培養試験、及びプラス
ミドDNAを作製してアガロースゲルで分析することによ
るプラスミドの分子量測定の試験を行った。このように
して、プラスミドpOU51は、Kmとλ感染に対する耐性を
伝達し、宿主細菌を、培養に対し温度感受性にし、pJL2
0中に約1.6×106ダルトンに相当するフアージDNAの挿入
部分を有することが見出された。このプラスミドの全分
子量は8.4×106ダルトンであった。これらの性質はすべ
て、新しいエシエリヒア・コリ受容体菌株がpOU51DNA形
質転換されるときにそのプラスミドの表現型性能のすべ
てを得るので、このプラスミドに保有されている。
DNAはpOU51から製造され、そのプラスミドはそのプラ
スミドDNAを精製し、それをひとつもしくは複数の制限
酸素で切断し、得られたフラグメントをアガロースゲル
電気泳動法で分析することによって、制限酵素で地図化
した(第4図参照)。このよにうして挿入された1.6×1
06ダルトンのフラグメントは、c Iリプレッサー遺伝子
(30℃におけるλ免疫性の原因である)とλPRプロモー
ターとを有する、フアージλからのBgl IIフラグメント
として同定された。挿入されたフラグメントの配向を測
定し第4図に示した。この制限地図からさらにpOU51
は、そのプラスミドをクローニングベクターとして用い
ることができるようにする制限エンドヌクレアーゼEcoR
I用の特異な座位を有することが分かる。
細胞の成育についてこのプラスミドの効果は、媒体中
の培養物を30℃で培養することによって研究された。成
育が指数的になった時に温度が42℃に変えられ、細胞培
養が続けられた(分光光学的に測定)。42℃での培養の
1.5〜2時間で培養物は成育を停止した。
プラスミドDNAの量は、0.2%のグルコースと1%のカ
サミノ酸を補充したA+Bミニアル媒体中で培養する10ml
づつの培養物から、原料と方法の項に記載したのと同様
にして測定した。ひとつの10ml培養物を30℃にて50μCi
3H−チミジンで標識をつけた。その他は42℃に変化し
た直後、細胞が成育を停止するまでその同位体を受容し
た。プラスミドの相対量は30℃において、25〜40プラス
ミドコピー/細胞に相当する2%であった。42℃におい
てその相対量は1000以上のプラスミドコピー/細胞に相
当する50%以上であった。
このプラスミドの性質は第5表に示した。
エシエリヒア・コリCSH50/pOU51の菌株は、ドイツのD
eutshe Sammlung von Mikrorganismen,Grisebachstrass
e 8,D−3400 Gottingen(以下DSMと略称)に寄託番号24
67にて寄託されている。
実施例2 pOU53の組立てと特性表示 出発物質として実施例1に記載されたプラスミドを用
い、pOU51をHind IIIで部分的に制限することによっ
て、カナマイシン耐性を暗号化している遺伝子が除かれ
ているλ免疫性を暗号化している遺伝子を保持した標題
のプラスミドが組立てられた。このプラスミドがエシエ
リヒア・コリ菌株のCSH50に形質転換された。pJEL53は
3.2×106ダルトンの分子量と次の遺伝子型:copA+、△co
pB、repA+、△par、immλ、△aphAを有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵
素で地図化した(第5図参照)。この制限地図からpOU5
3は、そのプラスミドをクローニングベクターとして使
用可能とする、制限エンドヌクレアーゼEcoR Iの特異座
位を有することが分かる。
所望のプラスミドが宿主細胞に存在することを示すた
めに、細胞培養物が、λ感染に対する耐性を試験するた
めに前記のようにしてλb2フアージ粒子を含有するプレ
ート上で培養された。その細胞はさらに、50μg/ml Km
を含有するプレート上のレプリカプレーテイグコロニー
によってカナマイシンに対する感受性が試験された。温
度感受性成育を試験するために細胞が42℃でプレート上
にストリークされ実施例1に記載されたしかたで培養さ
れた。
プラスミドDNA量が実施例1に記載のしかたで測定し
たところ、その細胞は30℃で20〜40プラスミドコピーを
有し、42℃では1000以上のプラスミドコピーを有するこ
とが判明した。プラスミドの喪失は全くなかった。
このプラスミドの性質は第5表に示した。
E.Coli DSH50/pOU53菌株はDSMに寄託番号2468号で寄
託されている。
実施例3 pOU56の組立てと特性表示 pOU53に、転位遺伝子とアンピリシン耐性(β−ラク
タマーゼ)の遺伝子とを含む、λ::Tn3フアージからのT
n3トランスポゾンを生体内挿入することによって(Nord
strom,Molin and Aagaard−Hansen,Plasmid 4,1980,215
〜27)標題のプラスミドが組立てられた。プラスミドDN
Aは、プラスミドpOU53及びその染色体中にλTn3フアー
ジを有する菌株とから単離された。そのプラスミドDNA
は、アンピリシン耐性とλ免疫性を選択するエシエリヒ
ア・コリ菌株CSH50に形質転換された。pOU56は6.5×106
ダルトンの分子量と下記遺伝子型:copA+、△copB、repA
+、△aphA、immλ、bla+(::Tn3)を有する。
このプラスミドを実施例1に記載されたのと同様にし
て制限酵素でマツプ化した(第6図参照)。この制限マ
ツプは、Tn3トランスポゾンがpOU56に挿入された位置を
示し、さらにプラスミドが制限エンドヌクレアーゼのEc
oR IとBamH I各々の特異座位を有することを示してい
る。このプラスミドはブpOU57製造用の出発物質として
有用であるが(下記実施例4参照)、転位遺伝子の存在
によって抗生物質耐性が他の細菌に形質転換されうるか
ら、クローニングベターとしては好ましくない。
宿主細胞中に所望プラスミドが存在するのを示すため
に、前記のようにして細胞培養物をλb2フアージ粒子含
有のプレート上で培養してλ感染に対する耐性を試験し
た。さらに細胞を、50μg/mlのアンピシリン含有のプレ
ート上でアンピシリン耐性を試験した。温度感受性成育
の試験は前記の方法で行った。
pOU56はpOU53と同じ複製性能を有することが分かっ
た。
このプラスミドの性能を第5表に示した。
エシエリヒア・コリCSH50/pOU56菌株は、寄託番号が2
469号でDSMに寄託されている。
実施例4 pOU57(A型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU56が全トランスポゾンを有することか
ら、このプラスミドからのTn3のトランスポジションの
可能性をなくするために、このプラスミドをBamH IとEc
oR I座位で切断し、β−ラクタマーゼをコードする遺伝
子を保持したままで、トランスポジション遺伝しを除去
した。その付着端のアニーリングを行うために、プラス
ミドpBR322からの小さなBamH I−EcoR Iフラグメトを挿
入してプラスミドpOUL57を作製した。このプラスミドを
E.Coli菌株CSH50に形質転換した。pOU57は4.2×106ダル
トンの分子量と次の遺伝子型:copA+、△copB、repA+
Δpar、△aphA、immλ、bla+(△Tn3)を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素でマツプ化した(第7図参照)。この制限地図
から、pOU57は、制限エンドヌクレアーゼBamH IとEcoR
Iの各々に対する特異座位を有し、このことからクロー
ニングベクターとして有用なことが分かる。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在していることを
示すために、細胞培養物を前記のようにしてλb2フアー
ジ粒子を含有するプレート上で培養してフアージ感染に
対する耐性を試験した。さらにこの細胞は前記のしかた
でアンピリシン耐性を試験した。このプラスミドの分子
量はアガロースゲル電気泳動法によって測定した。温度
感受性成育の試験は前記方法で行った。
pOU57はpOU53と同じ複製性能を有することが分かっ
た。
このプラスミドの性能を第5図に示した。
E.Coli CSH50/pOU57菌株は寄託番号2470号でDSMに寄
託されている。
実施例5 pOU71(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例4に記載のプラスミドを出発物質として用い、
pOU57のBgl II座位にcopB遺伝子の一部を含む、pKN1562
からのBgl IIフラグメントを挿入することによって、c
I−λPRリプレツサープロモーターシステムと、R1型プ
ラスミドのcopBインヒビターの野性型遺伝子との両者を
有する標題のプラスミドを組立てた。このプラスミドを
E.Coli CSH50菌株に形質転換した。pOU71は分子量4.3×
106ダルトンで、次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+
△par、△aphA、immλ、bla+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素でマツプ化した(第8図参照)。この制限地図
からpOU71がpOU57と同じ特異制限座位を有することが分
かる。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在することを示す
ために、細胞培養物を前記の方法で、λ感染耐性とアン
ピリシン耐性について試験した。次いでこのプラスミド
は、“copBについてのスクリーニング”の項(本願の第
33頁)に記載の方法でcopB遺伝子の存在をスクリーニン
グした。温度感受性成育の試験は前記方法で行った。最
後に、30℃におけるプラスミドコピー数を、放射能標識
法と傾斜遠心分離法によって測定した。
プラスミドの量を実施例1の方法で測定したところ、
その細菌は30℃で3〜5プラスミドコピーを、42℃で10
00以上のプラスミドコピーを有することが分かった。30
℃でこのプラスミドは1%/世代の頻度で喪失した。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU71の菌株は寄託番号2471号でDSMに
寄託されている。
実施例6 pOU73(C型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例4に記載のプラスミドを用い、copB遺伝子を有
する、pOU16からのEcoR IフラグメントをpOU57のEcoR I
座位に挿入することによって、c I−λPRリプレツサー
プロモーターシステムのみならずCopBインヒビターのた
めの遺伝子を有する標題のプラスミドが組立てられた。
このプラスミドをE.Coli菌株CSH50に形質転換した。pOU
73は分子量が4.4×106ダルトンで、次の遺伝子型:cop
A+、copB+、repA+、△par、△aphA、immλ、bla+を有
する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素で地図化した(第9図参照)。この制限マツプ
から、copB遺伝子が、本来位置していないプロモータの
部位に挿入されたことが分かる。さらに、このプラスミ
ドは制限エンドヌクレアーゼBamH Iのための特異座位を
有しているのでクローニングベクターとして有用である
ことが分かる。
pOU71と同じスクリーニング法を用いた。
プラスミドDNA量を実施例1に記載の方法で測定した
ところ、この細胞は、30℃では0.5〜1プラスミドコピ
ーを有し、42℃では1000以上のプラスミドコピーを有す
ることが分かった。30℃において、このプラスミドは5
%/世代以上の頻度で喪失される。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU73菌株は寄託番号2472号でDSMに寄
託されている。
実施例7 pOU75(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例5に記載のプラスミドを出発物質として用い、
pOU71をHind IIIで部分的に制限することによって、Eco
R I座位が除去された標題プラスミドが組立てられた。
このプラスミドをE.Coli 菌株CSH50に形質転換した。pO
U75は分子量が4.2×106ダルトンで、次の遺伝子型:copA
+、copB+、repA+、△par、△aphA、immλ、bla+を有
する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素で地図化した(第10図参照)。この制限地図か
ら、Hind IIIフラグメントの除去によってpOU71のEcoR
I座位が除去されることが分かる。
その宿主細胞の所望のプラスミドが存在するのを示す
ために、細胞培養物について、前記方法で温度感受性成
育のみらず、λ感染耐性とアンピシリン耐性と試験を行
った。またこのプラスミドは酵素で制限することによっ
てEcoR I座位がないことを試験した。
pOU75はpOU71と同じ複製性能を有することが分かっ
た。このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU75菌株はは寄託番号2473号でDSMに
寄託されている。
実施例8 遺伝子産物の増幅 プラスミドPMC903(Casadaban et al.,J.Bact.143,19
80,971)を制限酵素BamH IとBgl IIで切断し、lac遺伝
子を有するBamH I−Bgl IIフラグメントを作った。プラ
スミドpOU71をBamH Iで切断し、上記で得られたBamH I
−Bgl IIフラグメントをその座位に第11図に示すように
挿入し次いでT4DNAリガーゼで連結しプラスミドpOU106
を作製し、E.Coli菌株CSH50に形質転換した。その細胞
を、50μg/mlアンピシリン含有のマツコンキイラクトー
ス指示プレート(J.Miller,Experiments in Molecular
Genetics,Cold Spring Harbor,1972参照)上にストリー
クし、30℃で培養し赤色コロニー(Lac+)を選択し
た。次いで温度を42℃に変え遺伝子産物(β−ガラクト
シダーゼ)の増幅を測定し第3表に示した。この測定
は、J.Miller op.cit.によって記載された方法にしたが
って行った。
この表から、遺伝子産物増加のレベルは、他のランア
ウエイベクターについて得られたレベルに匹敵するもの
であることが分かる(例えばUhlin et al.,Gene6,1979,
91−106)。
β−ガラクトシダーゼ遺伝子が発現されるプロモータ
ーは、pBR322からのDNAフラグメント上に位置するc Iプ
ロモーター及び/又はテトラサイクリンプロモーターで
あり、それは比較的弱いけれども、影響因子として無視
することはできない。そしてこの因子はc Iプロモータ
ーと同方向に転写する。
pOU106は実施例1に記載したのと同様にして制御酵素
でマツピングした(第11図参照)。この制限マツプか
ら、このプラスミドは、挿入されたlac遺伝子のすぐ下
流側に制限エンドヌクレアーゼのための特異座位を有
し、このことからクローニングベクターとして有用なこ
とが分かる。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.coli CSH50/pOU106菌株は寄託番号2474号でDSMに寄
託されている。
実施例9 pOU79(B型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU71をBamH Iで完全に切断し、pst Iで部
分的に切断しておいて、あらかじめBamH Iとpst Iとし
て完全に切断されたところのプラスミドpMC871(Casada
ban,et al.,J.Bact.14,1987,171)からのDNAフラグメン
ト(lacオペロンを有する)と連結した。
この連結混合物をE.coli菌株CSH50に形質転換し、そ
して50μg/mlのアンピシリン含有のマツコンキイラクト
ース指示プレート上で30℃にて培養しアンピシリン耐性
を選択した。30℃20時間の培養の後、そのプレートを短
時間(1−2時間)42℃で培養した。Lac-(白)からLa
c+(赤)表現型へと変化したコロニーをさらに分析し
た。標題のプラスミドはひとつのかようなコロニーから
同定された。pOU79の分子量は8.8×106ダルトンで、次
の遺伝子:copA+、copB+、repA+、△par、immλ、bl
a+、lac+を有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵
素で地図化した(第12図参照)。この制限マツプから、
このプラスミドが、lac遺伝子のすぐ上流側に制限エン
ドヌクレアーゼBamH Iのための特異座位を有することが
分かる。この座位に正しい配向でプロモーター含有DNA
フラグメントを挿入すると、lac遺伝子の転写を行い、
その結果30℃においてかようなハイブリツドプラスミド
を有する細胞のLac+発現型を生ずる。
またこのプラスミドは、lacZ遺伝子の一端に位置す
る、制限エンドヌクレアーゼEcoR Iのための特異座位を
有する。この座位にEcoR Iフラグメントを挿入するとla
cZ遺伝子の産物であるβ−ガラクトシダーゼの活性を消
去し、その結果Lac-表現型になったり、それは30℃から
42℃へ温度を変化させた後、マツコンキイラクトース指
示プレート上に無色のコロニーが形成して容易にスコア
される(前記事項参照)。したがってこのプラスミドは
クローニングベクターとして有用である。
pOU79は、pOU71と同じ複製性能を有することが分かっ
た。
E.coli CSH50/pOU79菌株は寄託番号2481号でDSMに寄
託されている。
実施例10 pOU82(B型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU79をBamH Iで完全に切断し、Sal Iで部
分的に切断した。次いでlacプロモーターが除去されたl
acオペロン含有のPSK104からのBamH I−Sal Iフラグメ
ントと、lacZ遺伝子の第一番目の4つのコドンとを挿入
しpOU80(図示せず)を組立てた。
pOU80はLac-であり、lac遺伝子のすぐ上流側にBamH I
座位とEcoR I座位を有する更に、pSKS104中のlac遺伝子
がpMC1403から誘導されるから(Casadaban et al.,J.Ba
ct.143,1980,971)、lacZ中に通常見出されるEcoR I座
位はみとめられない。
標題のプラスミドは、pOU80のlacZ遺伝子(pOU79の地
図第12図参照)中のEcoR I−Cla Iフラグメントを、deo
プロモーターとlacZ遺伝子のアミノ終末端とを有する、
pVH1424からのEcoR I−Cla Iフラグメントで置換するこ
とによって組立てた。この置換によってlacZ遺伝子が再
組立てされ、そしてdeoプロモーターの存在によって、
得られたハイブリツドプラスミドpOU82は、E.coli菌株C
SH50に形質転換するとLac+表現型を伝達する。pOU82
は、分子量が8.1×106ダルトンで、次の遺伝子型:cop
A+、copB、repA+、△par、immλ、bla+、lac+を有す
る。
このプラスミドは、pra部位を欠いているので30℃に
て最終的に細胞から失われ、このことは非選択的マツコ
ンキイラクトース指示プレート上で容易に観察すること
ができる(実施例11参照)。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素で地図化した(第13図参照)。この制限地図か
ら、このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼのEcoR I
とBamH Iの各々のための特異座位を有し、このことから
このプラスミドをクローニングベクターとして用いるこ
とができることが分かる。
pOU82はpOU71と同じ複製性能を有することが見出され
た。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU82の菌株は寄託番号2482号にDSMに
寄託されている。
実施例11 pOU91(B型プラスミド)の組立てと特性表示 分配について安定なプラスミドを組立てるために、pO
U82をEcoR Iで切断し、プラスミドR1で誘導体のpKN184
(Nordstrom et al.,Plasmid 4,1980 322)の野性型par
部位を含むEcoR I−Aフラグメントをこの座位に挿入し
次いで連結した。得られたプラスミド(pOU90、図示せ
ず)をE.coli菌株CSH50に形質転換した。そしてその細
胞は、50μg/mlアンピシリン含有プレート上で30℃にて
選択的に培養された。対照としてpOU82含有細胞を、両
者の出発コロニー中に確実にプラスミドが存在するよう
に類似の方法で培養した。次ぎに両コロニーの試料をい
ずれの抗生物質も含有しないプレート上にストリーク
し、次いでその細胞を25細胞世代成育するにまかせた。
Lac+表現型の安定な遺伝をスクリーニングするために、
得られた両コロニーからの細胞をマツコンキイラクトー
ス指示プレート上にストリークした。30℃でpOU90が形
質転換された細胞は赤色のコロニーを生成した。これは
このプレートが保持されていたことを示す。一方pOU82
が形質転換された対照細胞は赤色と無色の両方のコロニ
ーを生成した。これは、セレクション・フリーの期間pO
U82はいくつかの細胞から失われたことを意味する。
次いで中間プラスミドpOU90をBamH Iで完全に、Sau3A
で部分的に切断してプラスミドの大きさを小さくし、課
題のプラスミドを作製した。E.coli菌株CSH50に形質転
換した後、プラスミドの安定性を前記のしかたで測定し
た。pOU91は、分子量が12.5×106ダルトンで、次の遺伝
子型:copA+、copB+、repA+、par+、immλ、bla+、lac
+を有する。
このプラスミド実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第14図参照)。この制限地図か
ら、pOU91が制限エンドヌクレアーゼのEcoR IとBamH I
各々のための特異座位を有し、このことからこのプラス
ミドがクローニングベマターとして有用であることが分
かる。
pOUL91は、pOU71と同じ複製性能を有するが、pOU71と
比較して、このプラスミドは30℃において完全に安定で
ある。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU91菌株は寄託番号2483号でDSMに寄
託されている。
実施例12 pOU101(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例7に記載のプラスミドを出発物質として用い、
クロムフエニコールアセチルトランスフエラーゼ(ca
t+)合成の遺伝情報を指定する遺伝子を有するSau3Aフ
ラグメントをpOU75のBamH Iに挿入することによって、
宿主細胞にクロラムフエニコール耐性を付与した標題の
プラスミドを組立てた。このプラスミドをE.Coli菌株CS
H50に形質転換した。pOU101は、分子量が4.7×106ダル
トンで次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+、△aphA+、i
mmλ、bla+、cat+を有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵
素でマツプ化した(第15図参照)。この制限地図から、
pOU101は制限エンドヌクレアーゼEcoR Iの特異座位を有
し、したがってこのプラスミドをクローニングベクター
として用いうるということが分かる。さらにEcoR Iフラ
グメントが挿入されるとcat+遺伝子を失活させ、EcoR I
ハイブリツドがスクリーニング可能になる。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在することを示す
ために、細胞培養物のλ感染耐性とアンピシリン耐性に
ついて前記の方法で試験した。さらにこの細胞は20μg/
mlのクロラムフエニコール含有のプレート上で培養物を
培養することによってクロラムフエニコール耐性の試験
を行った。またこの細胞は温度感受性成育についても前
記方法で試験した。pOU101はpOU71と同じ複製性能を有
することが判明した。
このプラスミドの性質は第5表に示す。
E.coli CSH50/pOU101菌株は寄託番号2757号でDSMに寄
託されている。
実施例13 pOU101の組立てと特性表示 lacZ遺伝子の一部を含有するEcoR I−Cla Iフラグメ
ントをプラスミドpOU80(実施例10に記載。pOU79の地図
第12図参照)から除去し、プラスミドpVH1451(Valenti
n−Hansen et al.,the EMBO Journal 1,1982)からの、
deoプロモーターとlacZのアミノ終末端とを有するEcoR
I−Cla Iフラグメントで置換した。得られたプラスミド
はpOU83と命名した(第16図参照)。
lac遺伝子、及びc Iリプレツサー遺伝子とλPRプロモ
ーターを有するDNAフラグメントを除去するために、プ
ラスミドpOU83をBamH IとBgl IIで部分的に制限した。
連結反応とCSH50への形質転換の後、所望の性能を有す
るプラスミドを単離したが、deoプロモーターとcopB遺
伝子とがクロース融合体(close fusion)を形成してい
た。このプラスミドはpOU101と命名され、分子量が3.2
×106ダルトンで次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+
△par、bla+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素で地図化した(第17図参照)。この制限地図か
ら、このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼEcoR Iと
BamH I各々のための特異座位を有し、このことからこの
プラスミドをクローニングベクターとして用いることが
分かる。
E.coli菌株Sφ929(cytR、lac、deo、recA)−これ
はすでにpOU101が形質転換されていた−のカルチャー
を、グルコースなしのLB培地中で一夜培養したところ、
非制御のプラスミド複製が2×108細胞/ml以上の細胞密
度で起こった。
E.coli CSH50/pOU110菌株は寄託番号2758号でDSMに寄
託されている。
実施例14 pOU130の組立てと特性表示 プラスミドpOU91をBamH Iで切断し、次いでそのBamH
I座位をエクソヌクレアーゼBa131で除去しプラスミドpO
U92(図示せず)を作製した。このプラスミドをEcoR I
とCla Iで制限し、プラスミドpMC1403(Casadaban et a
l.,J.Bact.143,1980,971)からの対応するEcoR I−Cla
Iフラグメントを挿入し、deoプロモーターなしのlacオ
ペロンを有するプラスミドpOU93を作った。かようにし
て作られたBamH I座位にcopB遺伝しを有するBgl IIフラ
グメントを挿入してプラスミドpOU130を作製し(第18図
参照)、次いで連結しE.coli菌株CSH50に形質転換し
た。この細胞を50μm/mlアンピシリン含有のマツコンキ
イラクトース指示プレートにストリークし30℃で培養し
て赤色コロニー(Lac+)を選択した。次いで温度を42℃
に変えた。β−ガラクトシダーゼの増幅を第5表に示
す。42℃で45分間培養した後、温度を38℃以下に下げ
た。この温度変化後に測定されたβ−ガラクトシダーゼ
の増幅を第5表に示す。
a LB培地中30℃で指数的に培養されたpOU130を有する
CSH50の細胞 b 30℃での指数的培養の後、培養物の温度を42℃に変
え、その温度で培養を2時間続けた。
c 30℃での指数的培養の後、培養物の温度を42℃に変
え、45分間後、培養物の温度を37℃に変えて90分間培
養。
d 原料と方法の項参照。β−ガラクトシダーゼの比活
性をLight and Molin,Gen.Genet.1981,(pp.56−61)に
記載してあるのと同様にして示した。
この表から、低温にもどすと、遺伝子産物の増幅が著
しく改善され、そのためこの方法が問題の遺伝子産物の
最大の発現を得るのに特に有用であることを示している
ことが分かる。
β−ガラクトシダーゼは、本質的にかような遺伝子融
合体から表現されるので(Light and Molin,J.Bact.15
1,1982,1129〜1135)、酵素の活性のレベルは、この発
明のプラスミドの遺伝子産物の増幅容量を正確に反映し
ている。
E.coli CHS50/pOU130の菌株は寄託番号2579号でDSMに
寄託されている。
実施例15 pLC31の組立てと特性表示 pOU75をBamH Iで切断した。recAプロモーターと遺伝
子を有する、プラスミドpBEU14(Uhlin and Clark,J.Ba
ct.148,1981,386−90)からのBamH Iフラグメントを挿
入し、次いでエシエリヒア・コリ菌株CSH50に形質転換
した。標題のプラスミドは、分子量が6.3×106ダルトン
で、次の遺伝子型:recA、bla+、copA+、copB+、repA+
immλを有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして
制限酵素で地図化した(第19図参照)。この制限地図か
ら、pLC31が、外来遺伝子の挿入に適切な、制限酵素Eco
R Iの特異座位をrecAプロモーターの下流側に有するこ
とが分かる。
pLC31はpOU71と同じ複製性能を有することが見出され
た。
pLC31を有する細胞を30℃で培養したところ、保有さ
れているプロモーターは充分に抑制され、温度を42℃に
変えると、lexAリプレッサーが徐々にタイトレートさ
れ、recAからの転写が開始されrecA遺伝子産物の産生が
増幅されるにいたった。そしてこのことはポリアクリル
アミドゲル電気泳法で検出できた。
このプラスミドの性質を第5表に示した。
E.coli CHS50/pLC31菌株は寄託番号2718号でDSMに寄
託されている。
実施例16 pLC32の組立てと特性表示 λPLプロモーターとbla遺伝子を有し、制限座位EcoR
I、Sma I、BamH I、Sal I、Pst I及びHind IIIからリン
カーを備えたプラスミドPLc28(Remaut et al.,Gene 1
5.1981,pp.81−93)をEcoR Iで切断し、プラスミドpOU5
1のEcoR I座位に挿入し(実施例1参照)、次いで連結
し、E.coli菌株CSH50に形質転換した。このプラスミドp
LC32′(第20図参照)−10.6×106ダルトンの分子量を
有する−を、Pst Iで部分的にダイジエストし、次いで
連結し、カナマイシン耐性でアンピシリン感受性のプラ
スミドを選択するE.coli菌株CSH50に形質転換した。得
られたプラスミドはpLC32と命名され、分子量が7.7×10
6ダルトンで次の遺伝子型copA+、copB-、repA+、aph
A+、immλを有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵
素で地図化した(第21図参照)。この制限地図から、λ
PLプロモーターが、このプラスミドをクローニングベク
ターとして好都合たらしめる特異EcoR I座位のすぐ上流
側に位置していることが分かる。
pLC32はpOU51と同じ複製性能を有することが見出され
た。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.coli菌株CSH50/pLC32は寄託番号2179号でDSMに寄託
されている。
文献目録 1.Published European Patent Application No.7810187
7.5 2.Molin et al.,J.Bact.138,1979,pp.70−79 3.Molin et al.,Mol.Microbilogy,1981,pp.408−11. 4.Rosen et al.,Mol.Gen.Genet.179,1980,pp.527−37. 5.Light and Molin,Mol.Gen.Genet.184,191,pp.56−61. 6.Stougaard et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78,1981,
pp.6008−12. 7.Molin et al.,Mol.Gen.Genet.181,1981,pp.123−30. 8.Stougaard et al.,the EMBO Journal 1,1982,pp.323
−28. 9.Sussman and Jacob,Compt.Rend.Acad.Sci.254,1962,
p.1517 10.Sninsky et al.,Gene 16,1981,p.275. 11.Uhlin et al.,Gene 6,1979,pp.91−106. 12.J.Miller:Experiments in Molecular Genetics,Cold
Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor New Y
ork,1972. 13.Davis Botstein and Roth:A Manual for Genetic En
gineering;Advanced Bacterial Genetics,Cold Spring
Harbor,New York,1980. 14.Bertani,J.Bact.62,1954,p.293. 15.Bolivar et al.,Gene 2,1977,p.95. 16.An & Freisen,J.Bact.140,1979,pp.400−407. 17.Casadaban et al.,Bact.143,1980,p.971. 18.Dempsey & Willetts,J.Bact.126,1976,p.166. 19.Nordstorm,Molin,Angaard−Hansen,Plasmid 4,1980,
pp.215−17. 20.Stougaard & Molin,Anal.Biochem.118,1981 p.191. 21.Nordstorm et al.,Plasmid 4,1980,p.322. 22.Valentin−Hansen et al.,the EMBO Journal 1,198
2,p.317. 23.Messing et al.,Nucleic Acids Res.9,1981,p.309. 24.Uhlin & Clark,J.Bact.148,1981,pp.386−90.
【図面の簡単な説明】
第1図は野生型プラスミドR1の複製部位の概略図であ
る。第2図は第3〜21図に用いられている記号の手引き
である。及び第3〜21図は実施例に記載のプラスミドの
制限地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 15/09 C12R 1:19) 微生物の受託番号 DSM 2472 微生物の受託番号 DSM 2473 微生物の受託番号 DSM 2474 微生物の受託番号 DSM 2481 微生物の受託番号 DSM 2482 微生物の受託番号 DSM 2757 微生物の受託番号 DSM 2758 微生物の受託番号 DSM 2945 微生物の受託番号 DSM 2946 微生物の受託番号 DSM 2718 微生物の受託番号 DSM 2759 微生物の受託番号 DSM 2483 (56)参考文献 Gene,16(1981)P.275−286

Claims (56)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複製するためにプロモーターからの転写を
    必要とし、かつプロモーターからの転写がプラスミドの
    複製を制御するような位置と方向に調節可能なプロモー
    ターを挿入されたプラスミドであって、プロモーターか
    らの転写が増大するとプラスミドコピー数が実質的に増
    大されるか制御されなくなるプラスミドを有する微生物
    を、前記調節可能なプロモーターからの増大された転写
    によって、宿主細胞生育割合より高いプラスミド複製割
    合を示し、増大されたコピー数が通常4〜5細胞倍化後
    25〜1000のファクターで増大するのを保証する条件下で
    の少なくともひとつの培養期間で培養し、次いで微生物
    の培養物からプラスミドの遺伝子産物を収穫することか
    らなる、プラスミドDNAの遺伝子産物の製造方法。
  2. 【請求項2】プラスミド複製を調節するプロモーター
    が、プロモーター領域内の特別のDNA構造によって本来
    調節可能なプロモーターである請求の範囲第1項の方
    法。
  3. 【請求項3】プロモーターが調節因子によって制御可能
    である請求の範囲第1項の方法。
  4. 【請求項4】調節因子が正の制御を行う因子である請求
    の範囲第3項の方法。
  5. 【請求項5】調節因子が負の制御を行う因子である請求
    の範囲第3項の方法。
  6. 【請求項6】プラスミドコピー数が実質的に増大される
    か又は制御されなくなるに至る制御可能なプロモーター
    からの増大された転写が、前記プロモーターの脱抑制に
    よって起こる請求の範囲第1項の方法。
  7. 【請求項7】プロモーターが、化学的に調節可能なプロ
    モーターである請求の範囲第1〜6項のいずれかの方
    法。
  8. 【請求項8】プロモーターが、lacプロモーター、trpプ
    ロモーターもしくはdeoプロモーターである請求の範囲
    第7項の方法。
  9. 【請求項9】プロモーターの活性が、温度依存性かまた
    は温度感受性の調節遺伝子で制御される請求の範囲第1
    〜6項のいずれかの方法。
  10. 【請求項10】プロモーターがλプロモーターであり、
    前記プロモーターからの転写を制御する温度感受性λc
    リプレツサーの遺伝子も存在する請求の範囲第9項の方
    法。
  11. 【請求項11】λプロモーターがλPRもしくはλPLで
    ある請求の範囲第10項の方法。
  12. 【請求項12】λプロモーターがλPRである請求の範
    囲第11項の方法。
  13. 【請求項13】前記の調節可能なプロモーターからの転
    写によって、プラスミドが低温度では一定の低コピー数
    を示し、高温度では実質的に増大されるかまたは制御さ
    れないコピー数を示す請求の範囲第1〜12項のいずれか
    の方法。
  14. 【請求項14】前記調節可能なプロモーターからの転写
    によって、プラスミドが約30℃の温度では一定の低コピ
    ー数を示し、約36〜42℃の範囲の温度では実質的に増大
    したコピー数を示す請求の範囲第13項の方法。
  15. 【請求項15】プラスミドが約39℃以上の温度で制御さ
    れないプラスミドコピー数を示す請求の範囲第14項の方
    法。
  16. 【請求項16】プラスミドの本来もっているひとつの複
    製調節遺伝子の一部が欠失し、調節可能なプロモーター
    で置換されている請求の範囲第1〜15項の方法。
  17. 【請求項17】プラスミドを有する微生物が一定の低プ
    ラスミドコピー数を保証する条件下で増殖される場合、
    プラスミドが、20〜40好ましくは20〜30および特に20〜
    25コピー/細胞の範囲のコピー数を有し、宿主微生物が
    実質的に増大されるかまたは制御されないプラスミドコ
    ピー数に至る異なる条件下で増殖される場合、プラスミ
    ドが少なくとも約500〜1000コピー/細胞の範囲のコピ
    ー数を有する請求の範囲第16項の方法。
  18. 【請求項18】プラスミドが、約30℃の温度のような温
    度で、約20〜40、好ましくは20〜30および特に20〜25コ
    ピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を有し、約42℃
    の温度のような高温で少なくとも約500〜1000コピー/
    細胞の範囲の制御されないプラスミドコピー数を有する
    請求の範囲第17項の方法。
  19. 【請求項19】プラスミドが、cop B遺伝子が欠失し、
    調整可能なプロモーターによって置換されている R1型プラスミドである請求の範囲第16〜18項のいずれか
    の方法。
  20. 【請求項20】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低プラスミドコピー数を保証する条件下で増殖される場
    合、プラスミドが約3〜5コピー/細胞の範囲のコピー
    数を有し、宿主微生物が実質的に増大されるかまたは制
    御されないプラスミドコピー数に至る異なる条件下で増
    殖される場合、プラスミドが、少なくとも約500〜1000
    コピー/細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第1
    〜15項のいずれかの方法。
  21. 【請求項21】プラスミドが約30℃の温度のような温度
    で約3〜5コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を
    有し、約42℃の温度のような高温で少なくとも約500〜1
    000コピー/細胞の範囲の制御されないプラスミドコピ
    ー数を有する請求の範囲第20項の方法。
  22. 【請求項22】調節可能なプロモーターが、プラスミド
    の本来もっているひとつの複製制御遺伝子の上流に挿入
    された請求の範囲第1〜15項のいずれかの方法。
  23. 【請求項23】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低プラスミドコピー数を保証する条件下で増殖される
    時、プラスミドが約3〜5コピー/細胞の範囲のコピー
    数を有し、宿主微生物が実質的に増大されるのかまたは
    制御されないプラスミドコピー数を至る異なる条件下で
    増殖される場合、プラスミドが少なくとも約500〜1000
    コピー/細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第22
    項の方法。
  24. 【請求項24】プラスミドが、約30℃の温度のような温
    度で約3〜5コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数
    を有し、約42℃の温度のような高温で少なくとも約500
    〜1000コピー/細胞の範囲の制御されないプラスミドコ
    ピー数を有する請求の範囲第23項の方法。
  25. 【請求項25】プラスミドが、調節可能なプロモーター
    が、cop B遺伝子と、cop A遺伝子の上流に挿入されたR1
    型プラスミドである請求の範囲第22〜24項のいずれかの
    方法。
  26. 【請求項26】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低プラスミドコピー数を保証する条件下で増殖される
    際、プラスミドが約0.5〜1コピー/細胞の範囲のコピ
    ー数を有し、宿主微生物が実質的に増大されるかまたは
    制御されないプラスミドコピー数に至る異なる条件下で
    増殖される際、プラスミドが少なくとも約500〜1000コ
    ピー/細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第1〜
    15項のいずれかの方法。
  27. 【請求項27】プラスミドが、約30℃の温度のような温
    度で、約0.5〜1コピー/細胞の範囲のプラスミドコピ
    ー数を有し、約42℃の温度のような高温で少なくとも約
    500〜1000コピー/細胞の範囲の制御されないプラスミ
    ドコピー数を有する請求の範囲第26項の方法。
  28. 【請求項28】プラスミドが、本来もっているひとつの
    複製調節遺伝子の一部が欠失した複製領域中に調節可能
    なプロモーターを有し、その本来もっているひとつの複
    製調節遺伝子が、それが天然には位置していない領域に
    挿入された請求の範囲第1〜15項のいずれかの方法。
  29. 【請求項29】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低プラスミドコピー数を保証する条件下で増殖される時
    に、プラスミドが約0.5〜1コピー/細胞の範囲のコピ
    ー数を有し、宿主微生物が実質的に増大されるかまたは
    制御されないプラスミドコピー数に至る異なる条件下で
    増殖される際、プラスミドが少なくとも約500〜1000コ
    ピー/細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第28項
    の方法。
  30. 【請求項30】プラスミドが、約30℃の温度のような温
    度で約0.5〜1コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー
    数を有し、約42℃の温度のような高温で少なくとも約50
    0〜1000コピー/細胞の範囲の制御されないコピー数を
    有する請求の範囲第29項の方法。
  31. 【請求項31】プラスミドが、cop B遺伝子をプラスミ
    ドの複製領域の外側のEcoR 1部位に挿入したR1型プラス
    ミドである請求の範囲第28〜30項のいずれかの方法。
  32. 【請求項32】複製領域からの転写を調節する第1の調
    節可能なプロモーターに加えて、第2のプロモーター
    が、構造遺伝子を挿入できるようなしかたで挿入され、
    その構造遺伝子の発現が前記第2のプロモーターで制御
    される請求の範囲第1〜31項のいずれかの方法。
  33. 【請求項33】前記遺伝子の発現を調節する前記第2プ
    ロモーターが制御可能である請求の範囲第32項の方法。
  34. 【請求項34】構造遺伝子の発現を制御する前記第2の
    挿入プロモーターがλPLプロモーターである請求の範
    囲第32項または33項の方法。
  35. 【請求項35】プラスミドが約30℃で、一定の低プラス
    ミドコピー数を有し、その遺伝子発現がごくわずかか全
    くなく、約36〜42℃の範囲の温度で、実質的に増大され
    るかもしくは制御されないプラスミドコピー数を有し遺
    伝子の発現を行う請求の範囲第32〜24項のいずれかの方
    法。
  36. 【請求項36】プラスミドが39℃以上の温度で、制御さ
    れないプラスミドコピー数を有しかつ非常に高い遺伝子
    発現を行う請求の範囲第35項の方法。
  37. 【請求項37】プラスミドが、このプラスミドを有する
    細胞の同定および/または選択に有用なマーカーを有す
    る請求の範囲第1〜36項のいずれかの方法。
  38. 【請求項38】マーカーが宿主微生物に抗生物質耐性を
    仲介する遺伝子である請求の範囲第37項の方法。
  39. 【請求項39】プラスミドが他の遺伝子を挿入する際に
    遺伝子融合を行いうる遺伝子を有し、その遺伝子融合に
    よって発現の検出が可能である請求の範囲第1〜38項の
    いずれかの方法。
  40. 【請求項40】プラスミドがミニプラスミドであること
    を特徴とする請求の範囲第1〜39項のいずれかの方法。
  41. 【請求項41】プラスミドがさらにそのプラスミドに本
    来関係のない単一もしくは複数の遺伝子を追加して有す
    る請求の範囲第1〜40項のいずれかの方法。
  42. 【請求項42】請求の範囲第1〜41項のプラスミドが微
    生物に挿入された請求の範囲第1項の方法。
  43. 【請求項43】微生物が細菌である請求の範囲第42項の
    方法。
  44. 【請求項44】微生物がグラム陰性で中温性の細菌であ
    る請求の範囲第43項の方法。
  45. 【請求項45】グラム陰性で中温性の細菌がエシエリヒ
    ア・コリである請求の範囲第44項の方法。
  46. 【請求項46】請求の範囲第1〜41項のプラスミドが形
    質転換された宿主微生物を、接種および増殖段階では一
    定の低プラスミドコピー数になる条件下で所望の細胞数
    がえられるまで培養し、次いで該宿主微生物をプラスミ
    ドコピー数が実質的に増大されるかもしくは制御されな
    くなるに至る条件下で培養することからなる請求の範囲
    第1〜45項の方法。
  47. 【請求項47】プロモーターからのいずれの転写もプラ
    スミドのコピー数に有意に影響しない条件下での培養期
    間の後、プロモーターの活性を誘発する物質が、プラス
    ミドのコピー数が実質的に増大されるかもしくは制御さ
    れないコピー数に至る量で培地に添加される請求の範囲
    第46項の方法。
  48. 【請求項48】プラスミドの実質的な増幅を得るのに充
    分であるが、微生物培養物のいずれの実質的な損傷を回
    避するのに充分短い期間、プラスミドコピー数が実質的
    に増大されるかもしくは制御されなくなるに至る条件を
    維持した後で、プロモーター活性を誘発する物質が培養
    媒体から除去され、プラスミドコピー数が徐々に減少
    し、前記誘発前のレベルに至らせる請求の範囲第47項の
    方法。
  49. 【請求項49】プロモーター活性を実質的に阻害する物
    質の存在かでの培養期間の後、その物質の濃度が、プロ
    モーターが活性化されプラスミドコピー数が実質的に増
    大されるか又は制御されなくなるに至る程度に減少され
    る請求の範囲第46項の方法。
  50. 【請求項50】プラスミドの実質的な増幅を得るのに充
    分であるが微生物培養物のいずれの実質的な損傷も回避
    するのに充分短い期間、プラスミドコピー数が実質的に
    増大されるかもしくは制御されなくなるに至る条件を維
    持し、プロモーター活性を阻害する物質が、プラスミド
    コピー数が徐々に減少して誘発前のレベルにいたる量で
    添加される請求の範囲第49項の方法。
  51. 【請求項51】宿主微生物の培養される条件が、プラス
    ミドコピー数が実質的に増大されるか又は制御されない
    温度又はその近傍の温度での少なくともひとつの培養期
    間からなる請求の範囲第46項の方法。
  52. 【請求項52】プラスミドコピー数が実質的に増大され
    るか又は制御されない温度での培養が、宿主微生物の成
    育がプラスミドからのプラスミドDNAもしくは遺伝子の
    産物の形成によって阻害されるまで続けられる請求の範
    囲第51項の方法。
  53. 【請求項53】量産規模の培養が、プラスミドの遺伝子
    産物の形成量を増大するとともに、宿主微生物の存続と
    連続的成育を許容するように、プラスミドコピー数が実
    質的に増大されるか又は制御されない温度に近い温度で
    連続的に行われ、次いでその遺伝子産物が培養物から連
    続的もしくは間欠的に収穫される請求の範囲第51項の方
    法。
  54. 【請求項54】微生物培養物を量産サイズに到達するま
    で増殖させた後、温度がプラスミドコピー数が実質的に
    増大されるか制御されない温度もしくはその近傍の温度
    に変えられ、次いでこの温度がプラスミドの実質的な増
    幅を得るのに充分であるが微生物培養物のいずれの実質
    的な損傷を避けるのに充分短い期間、維持され、その後
    その温度が、低い一定のプラスミドコピー数を保証し、
    プラスミドコピー数を最初のレベルに到達するまで徐々
    に減少させる温度にもう一度変えられる請求の範囲第51
    項の方法。
  55. 【請求項55】プラスミドコピー数が実質的に増大され
    るか又は制御されない温度が、プラスミドが一定の低い
    コピー数を有する温度よりも高い請求の範囲第51〜54項
    のいずれかの方法。
  56. 【請求項56】プラスミドが一定の低いコピー数を有す
    る温度が約30℃の温度であり、プラスミドが実質的に増
    大されるか又は制御されないコピー数を有する温度が約
    36〜42℃の範囲にある請求の範囲第55項の方法。
JP2006100A 1982-09-16 1990-01-11 遺伝子産物の製造方法 Expired - Lifetime JP2604478B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DK415182 1982-09-16
DK4151/82 1982-09-16
DK427082 1982-09-24
DK4270/82 1982-09-24

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58502971A Division JPH0753111B2 (ja) 1982-09-16 1983-09-09 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02238891A JPH02238891A (ja) 1990-09-21
JP2604478B2 true JP2604478B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=26067368

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58502971A Expired - Lifetime JPH0753111B2 (ja) 1982-09-16 1983-09-09 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド
JP2006100A Expired - Lifetime JP2604478B2 (ja) 1982-09-16 1990-01-11 遺伝子産物の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58502971A Expired - Lifetime JPH0753111B2 (ja) 1982-09-16 1983-09-09 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド

Country Status (11)

Country Link
EP (1) EP0109150B1 (ja)
JP (2) JPH0753111B2 (ja)
AU (1) AU569043B2 (ja)
CA (1) CA1313829C (ja)
DE (2) DE3382607T2 (ja)
FI (1) FI89941C (ja)
HU (1) HU201116B (ja)
IE (1) IE58059B1 (ja)
IL (1) IL69741A (ja)
NO (1) NO175488C (ja)
WO (1) WO1984001171A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5702916A (en) * 1982-09-16 1997-12-30 Gx Biosystems A/S Biological Containment
WO1987005932A1 (en) * 1986-03-26 1987-10-08 Genexpress Aps Biological containment
US4710473A (en) * 1983-08-10 1987-12-01 Amgen, Inc. DNA plasmids
GB8407498D0 (en) * 1984-03-22 1984-05-02 Biogen Nv High copy number expression vectors
GB2166743B (en) * 1984-11-13 1989-01-05 Solvay Process for a thermo-inducible gene expression in gram positive bacteria and bacillus subtilis strains containing plasmids which induce such an expression
US5173418A (en) * 1985-05-10 1992-12-22 Benzon Pharma, A/S Production in Escherichia coli of extracellular Serratia spp. hydrolases
US4874703A (en) * 1985-08-26 1989-10-17 Eli Lilly And Company Expression vectors for use in E. coli
NZ225760A (en) * 1987-08-14 1991-02-26 Bio Technology General Corp Expression plasmids containing the deo promoter and bacterial hosts containing these plasmids
US5593860A (en) * 1987-08-14 1997-01-14 Bio-Technology General Corp. Expression plasmids containing the deo promoter, and bacterial hosts containing the plasmids
CA2057715A1 (en) * 1990-12-19 1992-06-20 Charles L. Hershberger Method for enhancing the structural stability of recombinant dna expression vectors
GB9215540D0 (en) * 1992-07-22 1992-09-02 Celltech Ltd Protein expression system
AU1031900A (en) * 1998-11-09 2000-05-29 Genecare Development Aps Novel plasmids for use in medicine and method of producing same
US6991786B1 (en) * 2000-08-30 2006-01-31 Wisconsin Alumni Research Foundation Anti-microbial biotherapeutic agents: alternatives to conventional pharmaceutical antibiotics
US7758854B2 (en) 2001-08-30 2010-07-20 Wisconsin Alumni Research Foundation Anti-microbial agents

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2759053A1 (de) * 1977-12-30 1979-07-12 Uhlin Verfahren zum herstellen von genprodukten von plasmid-dns
FI793884A (fi) * 1978-12-26 1980-06-27 Cetus Corp Stabila plasmider med stort kopieantal
CA1198067A (en) * 1981-02-27 1985-12-17 David H. Gelfand Stable high copy number plasmids
IL65775A (en) * 1981-05-18 1985-05-31 Genentech Inc Microbial hybrid promotors and plasmids and e.coli comprising them
DK410783D0 (da) * 1982-09-16 1983-09-09 Benzon A Salfred Fremgangsmade til stabilisering af plasmider
GB8308236D0 (en) * 1983-03-25 1983-05-05 Celltech Ltd Dna vectors

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Gene,16(1981)P.275−286

Also Published As

Publication number Publication date
FI89941B (fi) 1993-08-31
JPH0753111B2 (ja) 1995-06-07
IE832177L (en) 1984-03-16
CA1313829C (en) 1993-02-23
AU1948783A (en) 1984-04-04
EP0109150A3 (en) 1985-10-09
NO841935L (no) 1984-05-15
DE3382607D1 (de) 1992-09-17
IE58059B1 (en) 1993-06-30
DE3382607T2 (de) 1993-03-11
JPH02238891A (ja) 1990-09-21
HU201116B (en) 1990-09-28
FI841976A (fi) 1984-05-16
FI89941C (fi) 1993-12-10
FI841976A0 (fi) 1984-05-16
DE109150T1 (de) 1984-10-25
WO1984001171A1 (en) 1984-03-29
NO175488B (no) 1994-07-11
JPS59501532A (ja) 1984-08-30
EP0109150A2 (en) 1984-05-23
EP0109150B1 (en) 1992-08-12
NO175488C (no) 1994-10-19
IL69741A (en) 1990-11-05
AU569043B2 (en) 1988-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0106542B1 (en) Plasmid stabilization
Seo et al. Effects of recombinant plasmid content on growth properties and cloned gene product formation in Escherichia coli
Shingler et al. Analysis of the trfA region of broad host-range plasmid RK2 by transposon mutagenesis and identification of polypeptide products
Olsen et al. Development of broad-host-range vectors and gene banks: self-cloning of the Pseudomonas aeruginosa PAO chromosome
JP2604478B2 (ja) 遺伝子産物の製造方法
Grundy et al. The rpsD gene, encoding ribosomal protein S4, is autogenously regulated in Bacillus subtilis
US4806471A (en) Plasmids with conditional uncontrolled replication behavior
Ma et al. Analysis of the promoter and regulatory sequences of an oxygen-regulated bch operon in Rhodobacter capsulatus by site-directed mutagenesis
CN109890967B (zh) 基于温度的质粒调节系统
Rasmussen et al. Genetic analysis of the parB+ locus of plasmid R1
US5545541A (en) Stabilization of unstably inherited replicons
EP0141790A2 (en) A plasmid with stabilized inheritance
Gennaro et al. cmp, a cis-acting plasmid locus that increases interaction between replication origin and initiator protein
Altier et al. A recombinase-based selection of differentially expressed bacterial genes
DK171215B1 (da) Plasmider med betinget ukontrolleret replikationstærskel samt fremgangsmåde til fremstilling af et genprodukt ved dyrkning af en mikroorganisme indeholdende et sådant plasmid
Hall et al. Regulation of tryptophanyl-tRNA synthetase formation
EP4137576A1 (en) Chromosomal integrating cassette allowing inducible gene expression for production of compounds via fermentation
US5346830A (en) Gene expression system based on regulatory elements of bateriophage P2 and satellite phage P4
DK167883B1 (da) Stabiliserede plasmider, bakterier indeholdende samme, fremgangsmaade til fremstilling af genprodukt af plasmid-dna og dna fragment omfattende r1 fordelingsfunktion
NO870630L (no) Stabilisering av ustabilt nedarvede replikoner.
NO172350B (no) Plasmidstabilisering