JPH0753111B2 - 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド - Google Patents

条件非制御の複製挙動を持つプラスミド

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JPH0753111B2
JPH0753111B2 JP58502971A JP50297183A JPH0753111B2 JP H0753111 B2 JPH0753111 B2 JP H0753111B2 JP 58502971 A JP58502971 A JP 58502971A JP 50297183 A JP50297183 A JP 50297183A JP H0753111 B2 JPH0753111 B2 JP H0753111B2
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    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/67General methods for enhancing the expression
    • C12N15/68Stabilisation of the vector
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、組換えDNA技術分野においてクローニング
ベクター及び産生ベクターとして有用で複製挙動が複製
に好適な条件下で制御されない(非制御の)新規なプラ
スミド、及びかようなプラスミドの製法に関する。
技術的背景 条件非制御の複製挙動を持つプラスミド(plasmids wit
h conditional uncontrolled replication behaviour)
(いわゆるランアウエイプラスミド:runaway plasmid)
は、例えば公開ヨーロツパ特許出願第78101877.5号によ
つて知られている。これらのプラスミドの複製は温度依
存性であつて、プラスミドを保有する宿主細菌がある温
度例えば約30℃の温度で培養されるときは制御された一
定の低コピー数を示し、その宿主細菌が異なる温度例え
ば約36℃以上の温度で培養されるときは非制御のコピー
数を示すのである。
上記特許出願に開示されたプラスミドは、エシエリヒア
・コリ中で自律的に複製することが知られている野生型
プラスミドのプラスミドR1の化学的突然変異誘発法(mu
tagenisation)によつて単離された。この突然変異誘発
法は2段階で行われた。すなわち第1段階は、プラスミ
ドコピー数が30℃で約1〜2で、40℃では4〜5倍高い
プラスミド保有細菌クローンの単離からなり、第2段階
はプラスミドがより高い温度で制御されないコピー数を
示した細菌クローンの単離からなるものである。このよ
うにランアウエイ挙動を示すプラスミドは親プラスミド
の二重変異体であつた。
上記特許出願には、またミニプラスミドを開示してお
り、これは小さいサイズであることから比較的容易に宿
主細菌に形質転換されるのでクローニングベクターとし
て有用である。これらのミニプラスミドは、温度依存性
のランアウエイ複製挙動の原因である遺伝子を保持して
いた。
上記特許出願に開示されたプラスミドは、クローニング
及び産生ベクターとして、外来DNAの挿入されたフラグ
メントの遺伝子産物を得るのに用いることができる。こ
のプラスミドの温度依存性複製は、例えば真核オリジン
のDNAフラグメントからの増幅された量の遺伝子産物を
産生するのに利用できる。遺伝子産物のかような増幅
は、例えば培養媒体にクロラムフエニコールを添加して
行われる通常のプラスミドDNA増幅技術では、クロラム
フエニコールの存在が蛋白合成を停止させるので、有効
でなかつた。
上記特許願で開示されたプラスミドは、挿入された外来
遺伝子が、そのプラスミドが形質転換されるべき細菌に
対し有害な産物合成の遺伝情報を指定している場合に、
クローニングベクターと産生ベクターとして有利に用い
ることができる。というのはそのプラスミドは低温にお
いて低コピー数を有し結局ほとんど遺伝子表現をしない
からである。このことは、低温で行われる培養の増殖段
階では細菌が損傷されにくいことを意味する。
発明の開示 この発明は、プロモーターからの転写がプラスミド複製
を調節するようなしかたで挿入された少なくともひとつ
の調節可能なプロモーター(regulatable promoter)を
有する新規なプラスミドに関する。特にこの発明は、そ
のプラスミドを有する宿主微生物がプロモーターからの
転写の増大を保証する条件下で培養されると、調節可能
なプロモーターが実質的に増大されるかもしくは制御さ
れない複製を起こさせるプラスミドに関する。この発明
はさらにかようなプラスミドの製法に関する。このプラ
スミドはクローニングベクター及び産生ベクターとして
有用である。
プラスミドに挿入され所望の遺伝子産物合成の遺伝情報
を指定する構造遺伝子の表現を制御するために、調節可
能なプロモーターを挿入することが知られている。しか
し形成されるプラスミドコピー数を調節することができ
る調節可能なプロモーターをプラスミドに挿入すること
は新規であると信じられる。
この発明は、第一の態様として、調節可能なプロモータ
ーが、このプロモーターからの転写が複製を調節するよ
うなしかた、特に増大された転写によつてプラスミドコ
ピー数が実質的に増大されるかもしくは制御されなくな
るに至るようなしかたで挿入されたプラスミドに関す
る。この明細書及び請求の範囲において“調節可能なプ
ロモーター”という用語は、プロモーターの転写開始速
度に関する活性が、そのプロモーターを持つプラスミド
を有する宿主細菌の培養条件を調節することによつて、
調節可能なプロモーターを意味する。かような調節可能
なプロモーターは、例えば外来プロモーター、すなわち
プロモーターの挿入されているプラスミドが本来もつて
いない(関していない)プロモーターであつてもよい。
このプロモーターは、そのプロモーターの部位内の特別
なDNA構造によつて先天的に調節可能である。かような
プロモーターの一例は、公知のランアウエイプラスミド
(後記説明参照)に見出される。又はこのプロモーター
は、正の制御を行いうる調節因子によつて制御可能であ
つてもよく(すなわちプロモーターが例えば宿主細胞が
生育される培地にある誘発物質を添加することにより正
に誘発されないとプラスミドは非制御の複製に到達しな
い)、又はこの調節因子は負の制御を行つてもよい。後
者のタイプの制御因子は、その活性が宿主細胞の培養条
件を調整することによつて調節可能であるリプレツサー
としても知られている。そのリプレツサー遺伝子はプロ
モーターとともにプラスミド自体にあつてもよく、同じ
宿主微生物中の別のプラスミドでもよく、又は宿主微生
物の染色体に位置していてもよい。このリプレツサー遺
伝子は挿入されたプロモーターからの転写を抑制する産
物の遺伝情報を指定しその結果、複製は低い一定レベル
に保持される。ある理由でリプレツサーが不活化される
ようになると、かような制御はなくなり転写が増大す
る。
特別の記載をしなければ、この明細書と請求の範囲に用
いられる“プロモーター”の用語は通常、宿主細胞の培
養条件の変化に先天的に応答する活性を有するプロモー
ターと調節因子によつて制御されるプロモーターの両者
を意味する。また“調節可能なプロモーターが挿入され
たプラスミド”の表現は、プロモーターとそのプロモー
ターによつて調節されたレプリコンが同じDNAフラグメ
ントに挿入され、そのプロモーターとレプリコンが最終
的に異なるソースから誘導されているこの発明のプラス
ミドに用いることを意図するものである。そしてこのこ
とは、所望の最終プラスミド組立ての1段階において、
プロモーターがレプリコンの誘導されたプラスミドに挿
入されたことを意味する。“実質的に増大されるかもし
くは制御されないプラスミドコピー数”の用語は、宿主
微生物の培養条件をプロモーターからの転写の増大を保
証するように変えその結果プラスミドがその複製制御を
失つたとき、そのプラスミドコピー数は、その微生物集
団の一世代時間で約40〜50%もしくはそれ以下で指数的
に増大するという事実にてらして理解される。この増大
は、宿主細胞が通常4〜5もしくはそれ以下の培化の後
成育を停止するまで続く。そしてその時点で細胞中のプ
ラスミドDNAの量はDNA全量の約40〜70%であり、すなわ
ちプラスミドコピー数が約25〜1000もしくはそれ以上の
ファクターで増大する。換言すれば、プラスミドコピー
数が定常状態に到達しないのである。このタイプの制御
されない複製挙動も“ランアウエイ”挙動と呼称され
る。
R1型プラスミドの複製制御原理について、この発明の発
明者らが新たに得た知識はこの発明のプラスミドの組立
てに利用される(この原理の詳細な説明については、
“発明の詳細な説明”を参照のこと)。この発明の原理
にしたがって、調節可能なプロモーターがプラスミドに
挿入されると、例えばプロモーターの抑制解除作用によ
つてプロモーターからの増大された転写によつてプラス
ミドコピー数が実質的に増大されるかつ制御されなくな
るに至る。このことはプロモーターとともに挿入されか
つある条件下でプロモーターを制御する遺伝子産物合成
の遺伝情報を指定するリプレツサー遺伝子が、異なる条
件下で不活化するようになると、プロモーターからの転
写はもはや阻害されず、結局制御されないプラスミドコ
ピー数になるということを意味する。
このことは、条件を変えると複製性能が異なるかもしれ
ない公知のランアウエイプラスミドに比べて重要な改良
である。挿入される外来プロモーターは通常、非常に強
力(すなわち転写開始の頻度が高い)なのでかような条
件変化では効果がないから、このことはこの発明のプラ
スミドも同様であるという徴候は全くない。
調節可能なプロモーターの活性を調節することのできる
培養条件のひとつは、宿主微生物が培養される温度であ
る。プロモーターの活性は、それ自体温度依存性であつ
てもよく、すなわち培養中の温度変化に反応するか、又
はその調節因子は温度感受性で、例えば温度感受性リプ
レツサーであつてもよい。
この調節可能なプロモーターは、プロモーターからの転
写を制御する温度感受性λc Iリプレツサーの遺伝子を
付加的に有するDNAフラグメントの一部として挿入しう
る、バクテリオフアージλからのプロモーターであつて
もよい。このλプロモーターはλPRもしくはλPLでもよ
く、とくにλPRでもよい。しかし、この発明の原理にし
たがつてプラスミドに挿入されかつ温度以外の外的因子
に影響される他のプロモーター系も採用できる。すなわ
ち、化学物質で誘導可能かもしくは代謝物によつて調節
可能なlac、trp及びdeoプロモーターのようなプロモー
ターである。
この発明のプラスミドの好適な例は、そのプロモーター
調節システムがそのプラスミドの温度依存性の複製挙動
を生ずるプラスミドである。特にそのプラスミドが実質
的に増大されるかもしくは制御されないプラスミドコピ
ー数を示す温度は、コピー数が低い場合の温度より高い
温度である。その転写パターンが例えば温度感受性リプ
レツサーの存在によつて温度依存性である調節可能なプ
ロモーターを有するこの発明のプラスミドは、約30℃の
ごときひとつの温度で一定の低いコピー数を示す。とい
うのはこの温度でプロモーターが抑制されその結果それ
からの転写が低いレベルに保持されるからである。一方
約36〜42℃の範囲の温度のようなより高い温度では、そ
の調節システムが不活化されるに至りプロモーターの抑
制解除を起こして結局プロモーターからの転写が増大さ
れるので実質的に増大されるか又は制御されないプラス
ミドコピー数を示す。ランアウエイ複製は約39℃以上の
温度で行うのが好ましい。
以下の説明においては、その複製が温度感受性の調節シ
ステム、特に温度感受性のリプレツサーによつて制御さ
れるプラスミドにだけ言及されているが、プラスミドの
複製が調節されうる他のタイプの条件も前記説明のよう
に類似のしかたで利用できる。
この発明のひとつのタイプのプラスミドは、調節可能な
プロモーターが、プラスミドのひとつの本来もつている
複製調節遺伝子(native replication regulatory gen
e)の一部の代りに挿入されたプラスミドである。この
明細書と請求の範囲のためにかようなプラスミドはA型
プラスミドど命名される。このプラスミドがプラスミド
R1の誘導体であるとき、そのプラスミドから除去される
調節遺伝子はcopB遺伝子であり、これはプラスミドの本
来もつている複製阻害剤のひとつを合成する遺伝情報を
指定している。このcopB遺伝子を除去するとプラスミド
コピー数がわずかに安定して増大する。かくしてそのプ
ラスミドは約30℃において約20〜40のコピー/細胞、好
ましくは20〜30コピー/細胞、特に20〜25のコピー/細
胞を有する。しかし、温度が約40℃に上昇すると調節可
能なプロモーターのリプレツサー機能が失活して複製が
制御されなくなり、少なくとも約500〜1000コピー/細
胞の範囲のプラスミドコピー数になる。このことは、な
かでもプラスミド中に挿入された外来DNAフラグメント
の大きさに左右され(DNAフラグメントが大きい程、形
成されるプラスミドコピー数は小さくなる)、かような
外来DNA及び/又はそのプラスミドが形質転換されるべ
き微生物菌株の遺伝子産物の効果である。しかしある場
合には、そのプラスミドはより高い温度で数千コピー/
細胞まで生成することがある。いずれにしても全DNA量
に対する高温におけるプラスミドDNA量は約40〜75%で
通常50〜60%である。
この発明の他のタイプのプラスミドは、約30℃の温度の
ごときひとつの温度で約3〜5コピー/細胞のコピー数
を有し、そして約42℃の温度のごときより高い温度で
は、前記の因子によつて少なくとも約500〜1000コピー
/細胞、ある場合には数千コピー/細胞にまで達する制
御されないコピー数を有するプラスミドである。かよう
なプラスミドは、そのプラスミドが本来有する単一もし
くは複数の複製制御遺伝子の上流側に(upstream)に調
節可能なプロモーターを挿入することによつて得ること
ができる。この明細書と請求の範囲のために、かような
プラスミドをB型プラスミドと命名する。プラスミドR1
誘導体の場合、調節可能なプロモーターはcopB遺伝子と
copA遺伝子の両者の上流側に挿入された。したがつてプ
ラスミドに上記コピー数パターンを示させるこれら両方
の本来存在する複製阻害剤は、保持されたのである。し
かもしそのプラスミドがpar部位を欠くプラスミドであ
る場合は〔プラスミドに分配(partitioning)の原因で
あるその部位が存在するとそのプラスミドは安定に遺伝
されるという効果があり、この効果はpar部位中の1以
上の遺伝子に起因する〕、そのプラスミドは、低温にお
ける低コピー数のために、低温において約1%/世代の
頻度で失われる。したがつて、そのプラスミドのランア
ウエイ複製が確実に全細胞集団に連続して起こるよう
に、かようなプラスミドにpar部位を挿入するのが有利
であろう。
B型プラスミドには、大きなコピー数範囲をもつという
利点が加わる。低温におけるコピーは非常に低いので、
その産物がそのプラスミドの形質転換された微生物に対
して幾分有毒で(成長速度を低下させる)又は致死性で
ある外来遺伝子をプラスミドに挿入することができる。
このことは真核遺伝子類の産物の場合に時々ある。これ
らの遺伝子は従来、例えば医薬産業において高い関心が
もたれているものである。低温では複製速度が低いの
で、外来遺伝子は少しも発現されないか又は細胞がそれ
によつて損傷されないような少量だけ発現され、そして
通常の条件下低温で培養することができる。このこと
は、いままで製造が全く不可能であるか又は非常に困難
であつたある種のポリペプチド類の製造を著しく強化も
しくは容易にするものである。
この発明の第3番目のタイプのプラスミドは、約30℃の
ごときひとつの温度で約0.5〜1コピー/細胞の範囲の
コピー数を有し(数値0.5は複製の頻度が1/細胞周期よ
り小さいことを意味すると解される)、そして約42℃の
温度のごときより高い温度では上記因子によつて少なく
とも約500〜1000コピー/細胞、ある場合には数千コピ
ー/細胞にまで達する制御されないコピー数を持つプラ
スミドである。かようなプラスミドは、本来もつている
ひとつの複製調節遺伝子の一部がその複製部位から切り
とられ複製部位以外に、すなわちその遺伝子が本来位置
していない座位に挿入され、その複製部位に調節可能な
プロモーターを有するプラスミドである。この明細書と
請求の範囲ではこのプラスミドをC型プラスミドと命名
する。プラスミドR1誘導体の場合は、それからcopB遺伝
子が切りとられ、そのcopB遺伝子がそのもとの座位でな
くてその複製部位以外のEcoRI座位に再挿入される。た
とえそうであつてもcopBインヒビター蛋白はそのプラス
ミドの複製に対し、プラスミドが上記コピー数パターン
を示すようなしかたで影響を与える。しかしそのプラス
ミドがpar部位を欠いているプラスミドである場合、そ
のプラスミドは、低温において極端に低コピー数である
ため、低温では約5%/世代の頻度で喪失する。したが
つて、プラスミドのランアウエイ複製が全細胞集団に確
実に連続して起こるようにこのプラスミドにpar部位を
挿入することは、B型プラスミドの場合より一層有利で
あろう。低温と高温それぞれにおける複製挙動と、それ
故にこのプラスミドを用いる利点は他の点ではB型プラ
スミドと同様である。
この発明は第2の態様として、複製部位からの転写を調
節する第1の調節可能なプロモーターに加えて、第2の
プロモーターが発現を第2プロモーターで制御される構
造遺伝子を挿入させるしかたで挿入されたプラスミドを
提供するものである。この第2のプロモーターは制御可
能であつてもよい。すなわち第1の調節可能なプロモー
ターを調節するのと同様の手段によつて、宿主細胞が培
養される条件を調節することによつてその機能を調節す
ることができるのである。lacプロモーター、trpプロモ
ーター、deoプロモーター、recAプロモーター、λPL
ロモーターその他のごとき多数のプロモーターがこの目
的に有用であると現在注目されている。λPLプロモータ
ーは温度感受性のc Iリプレツサーで調節され、それ故
増幅条件が同じであり、その結果宿主細胞の培養が単純
化され産物の増幅がプラスミドDNAの増幅と同時に起こ
るので、構造遺伝子の発現を制御する第2プロモーター
として特に有利なことが分かる。また第2プロモーター
は第1の調節可能なプロモーターと同一物であつてよい
ことは留意されるべきである。
第2プロモーターはA型、B型及びC型の各プラスミド
に挿入できる。かようなプラスミドは約30℃において、
一定の低コピー数を有し、そしてごくわずかに遺伝子発
現を行うか又は全く遺伝子発現を行わず、そして約36〜
42℃の範囲の温度で実質的に増大されるかもしくは制御
されないプラスミドコピー数を有し、遺伝子発現を行
う。このプラスミドとしては、39℃以上の温度で制御さ
れないプラスミドゴピー数を有し非常に高い遺伝子発現
を行うものが好ましい。
この発明のプラスミドはクローニングベクターと産生ベ
クターとして使用することができ、すなわち、工業や医
薬用の広範囲の製品、特にポリペプチド類と蛋白もしく
はそのフラグメント、酸素類及び酸素と栄養培地中の化
合物との反応による非蛋白産物、ホルモン類のごとき低
分子量産物、並びに核酸を得るための組換えDNA技術の
分野に使用できるプラスミドであり、真核遺伝子時に哺
乳動物の遺伝子産物が特に重要である。クローニング産
生ベクターとして有用であるためには、必須ではない
が、プラスミドは、少なくともひとつの制限エンドヌク
レアーゼに対しこのエンドヌクレアーゼによつて切断し
うる特異な座位を有することが有利である。この座位
は、外来DNAのフラグメントを挿入すれば、得られた組
換えプラスミドを自律的に複製させ、かつプラスミドに
挿入された調節可能なプロモーターに複製部位の転写を
調節させて、このプロモーターからの転写が増大される
際に、プラスミドコピー数が実質的に増大されるか又は
制御されなくなるに至る座位でなければならない。かく
して複製部位に位置する制限座位はクローニング座位と
しては許容できない。というのはこれはプラスミドの複
製性能を失わさせるからである。
この発明のプラスミドは、調節可能なプロモーターを、
プラスミドに、このプロモーターからの転写が複製を調
節するようなしかたで挿入し、このように処理されたプ
ラスミドを、そのプロモーターからの転写が増大される
ときに実質的に増大されるかもしくは制御されないプラ
スミドコピー数を示すプラスミドをスクリーニングする
ことによつて、同定することからなる方法で組立てられ
る。調節可能なプロモーターがλPRであるときこのプロ
モーターは、プラスミドとフアージDNAを混合し、適当
なエンドヌクレアーゼで制限し、熱で不活化しそして混
合物を連結反応に付し、その連結反応混合物を微生物に
形質転換することによつて挿入できる。
かようなプラスミドの組立ては、プラスミド上の異なる
座位にランダムにプロモーターを挿入することによつて
行うことができる。調節可能のプロモーターからの増大
された転写を保証する条件下で制御されない複製挙動を
もつプラスミドをスクリーニングすることによつて、正
しい挿入が同定される。かようなプラスミドの簡便なひ
とつのスクリーニング法は、種々の条件においてプラス
ミド保有細胞の成育性能を分析することからなる方法で
ある。宿主細胞中のプラスミドDNAの量は異なる方法、
特にそれ自体公知の方法のアガロースゲル電気泳動法に
よつて測定できる。このスクリーニング法は容易に高速
で行われる。
A型プラスミドの組立てに関するこの発明の特定の態様
において、その組立て法は、ひとつの本来存在している
調節遺伝子の一部とそのプロモーターを取り除き、プラ
スミドR1からのcopB遺伝子の場合は制限エンドヌクレア
ーゼBgl IIよつて切断し、そしてこの座位に調節可能な
プロモーターを含む、Bgl IIフラグメントのごとき、DN
Aフラグメントを挿入することからなる方法である。
B型プラスミドの組立てに関するこの発明の他の態様に
おいて、その組立て法は、プラスミドに、調節可能なプ
ロモーターを本来存在している複製制御システムの上流
側の位置で挿入し(プラスミドR1誘導体の場合は、Bgl
IIによる部分的制限によつてcopB遺伝子の上流側のBgl
II座位に)、連結し次いでエシエリヒア・コリのごとき
問題の微生物に形質転換することからなる方法である。
またこのプラスミドは、部分的に切除された本来もつて
いる複製調節遺伝子を有するプラスミドを出発物質とし
て用い、その本来もつている調節遺伝子をそのもとの座
位に再挿入する(R1型プラスミドの場合はcopB遺伝子を
Bgl II座位に再挿入することによる)ことによつて組立
てることができる。
C型プラスミドの組立てに関するこの発明の第3の態様
は、出発物質としてA型プラスミドを用いて、ひとつの
本来もつている調節遺伝子を、それが野生型親では位置
していなかつたプラスミドの部位に挿入し(R1型プラス
ミドの場合は、EcoR IフラグメントとしてのcopB遺伝子
をプラスミドの複製部位以外のEcoR I座位に、EcoR Iで
の制限によつて挿入することによる)、連結しそして形
質転換することからなる方法である。
この発明の第4の態様は、調節可能なプロモーターを挿
入するのに加えて、第2プロモーターを、このプロモー
ターによつて発現が調節可能な構造遺伝子の挿入を許容
する適切な制限部位に、挿入することからなる方法であ
る。上記のように、この座位はそのプラスミドの複製部
位内に位置していてはいけない。
この発明のプラスミドはミニプラスミドである。すなわ
ち、それらの野生型親プラスミドよりもかなり小さい。
一般に約2.5〜15.0×106ダルトンの範囲の大きさで、多
くの場合2.5〜10.0×106ダルトン、通常4.0×12.5×106
ダルトン、特に4.0〜5.0×106ダルトンである。
公知のランアウエイプラスミドの非制御複製挙動は、そ
れが形質転換される特定の細菌株、その細菌が培養され
る培地、及び挿入されるDNAに左右されるようである。
この依存性は多分、公知プラスミドのランアウエイ複製
挙動が部分的に、その転写速度をわずかに増大させるco
pBプロモーター中の単一ヌクレオチドを置換することに
よつて起り、そしてその転写速度がそのプラスミドに挿
入される外来DNAのみならず関連する細菌の種と菌株及
び/又はその培養培地に関する環境変化によつて影響を
うけることがあるという事実によるものであろう。この
発明のプラスミドは、強力な外来プラスミドが活性化/
抑制解除されるとかような変化が有意でないように転写
速度を増大させるので、同様には限定されないようであ
る。結局これらのプラスミドは広範囲の菌株に形質転換
することができて、取扱う上で、公知のランアウエイプ
ラスミドよりも信頼性が高い。
またこの発明には、R1以外の野生型プラスミド由来のプ
ラスミド及び又はE.Coli以外のプラスミド保有微生物中
に見出されたプラスミドも含まれる。また本来プラスミ
ドを持つていない微生物中に保持されうる上記タイプの
プラスミドを組立てることも考えることができる。いく
つかの異なつた微生物プラスミドの複製システムは多く
の面で類似していることが示されている。例えば、すべ
ての公知のプラスミドはもし複製を起こしたいならば転
写を必要とする。この発明の原理を利用することによつ
て、クローニングベクターとしてすでに使用中でかつ所
望の微生物で良好に機能することが知られているプラス
ミドがランアウエイ挙動を得ることができるように、他
のプラスミドに非制御の複製表現型を伝達することがで
きる。かくして、調節可能なプロモーター例えばλP
Rを、かようなプラスミド中の適正な位置に、このプロ
モーターからの転写が複製を調節するしかたで挿入する
ことによつて、非制御の複製がプロモーターからの増大
した転写を保証する条件下で起るのである。
発明の詳細な説明 R1型プラスミドの複製制御システム 基本的レプリコン(Basic replicon) 現在まで、R1型プラスミドの複製制御システムは知られ
ていない。プラスミドR1の複製と複製制御に必要な遺伝
情報が耐性トランスフアーフアクター内に位置する3つ
のPst Iフラグメントからなる2500塩基対の長い部分に
保有されていることが見出されたのである(Molin et a
l.,J.Bact.138,1979,70−79)。
この部位は“基本的レプリコン”と定義され、4つの重
要な要素すなわち3つの遺伝子(copA,copB及びrepA)
と複製開始点を有する(Molin et al.,Miorobiology,19
81,408−11)。この基本的レプリコンの機能地図を第1
図に示した。遺伝子repAは複製を行うため正に必要とさ
れる機能の遺伝情報を指定する。その遺伝子産物(その
DNA配列による)は278のアミノ酸からなり分子量が約33
000ダルトンの蛋白である(Rosen et al.,Mol.Gen.Gene
t.179,1980,527〜37)。この蛋白は明確には同定されて
いないが、そのrepA遺伝子から蛋白を形成する容量は、
laoZ遺伝子との翻訳遺伝子融合体を使用することによつ
て明確に示された(Light and Molin,Mol.Gen.Genet.18
4,1981,56−61)。RepA蛋白の生化学的機能はまだ充分
に探求されていないがRepA蛋白は複製開始因子であると
信じられる。
遺伝子copAは、高度に二次構造を有する小さく(80〜90
ヌクレオチド長)不安定なRNA分子(すなわちそれはヘ
ヤピンループを形成している)合成の遺伝情報を指定し
ている(Stougaard et al.,Proo.Natl.Acad.Sci.USA 7
8,1981,6008−6012)。CopA−RNAは複製のインヒビター
である。CopA−RNAのヌクレオチド配列に影響する突然
変異は増大したコピー数に導くことができる(cop突然
変異体)。copA突然変異体のDNA配列分析によれば、す
べての突然変異が5つの塩基内のループ部分にきわだつ
て群がつていることを示している。これらの突然変異に
よつて、野生型プラスミドに対するインヒビターの活性
が著しく減少するか又は全くなくなることになる。それ
故に、そのインヒビターの特異性はそのループ部分に存
在すると結論することができる。またそのヌクレオチド
配列が知られているすべてのcopA突然変異体において、
CopA−RNA中のシトシンがウラシルで置換されていた
(もしくはある場合はアデニンによつて置換)というこ
とは驚くべきことである。このことはCopA−RNAが核酸
/核酸相互作用によつて作用することを強く暗示してい
る。この結論はさらに、次の事実により強化される。す
なわちその事実によつて野生型プラスミドに対してすべ
てのCopA活性を失つたこれらのcopA突然変異体でもそれ
ら自身に対していくらかのCopA活性を保持しているとい
うことである。さらにこの野生型CopA−RNAは再々、cop
A突然変異体プラスミドに対する阻害効果を減少してい
る。それ故copA突然変異体はインヒビターで変化するだ
けでなく標的のcopTでも変化し、単一の塩基置換によつ
て表現型的に二重突然変異体(double mutant)にな
る。copB遺伝子は分子量11,000ダルトンの86アミノ酸の
塩基性蛋白合成の遺伝情報を指定している。この蛋白は
多量形成される。copB遺伝子とそのプロモーターが欠失
するとコピー数が8倍に増大するに至る。それ故copB蛋
白は、複製インヒビターとして、すなわちプラスミドR1
の複製の調節において負に作用する制御要素として作用
すると結論される(Molin et al.,Mol.Gen.Genet.181,1
981,123〜30)。
二重突然変異体(copAcopB)は、いわゆるランアウエイ
複製のために宿主微生物に対して無条件に致死性であ
る。したがつてこの2つの制御遺伝子産物は相乗的に作
用する。
基本的レプリコンの転写活性 基本的レプリコン内に3つの転写開始座位がある。すな
わちcopBプロモーター、repAプロモーター(Light and
Molin,Mol.Gen.Genet.184,1981,56−61)及びcopA遺伝
子のプロモーター(Stougaad et al.,op.cit.)であ
る。最後のものはその元の部位からはなれて転写し、一
方前の2者はもとの部位にむかつて転写する。結局両ス
トランドはcopA部位において転写される。CopBトランス
クリプト(transcript)はcopB遺伝子を通つて続き、こ
のトランスクリプトとrepAプロモーターにおいて始まる
トランスクリプトの両者はrepA遺伝子を転写する。
Bgl IIでの制限によつて組立てられてcopBが除かれると
プラスミドR1のコピー数が8−10倍にも増加する。この
ことは意外なことである。というのはcopB遺伝子プロモ
ーターとcopB構造遺伝子の近位部が除かれると、1)co
pB活性が失われるとともにrepAプロモーターの抑制解除
がおこり、2)copBプロモーターの全repA発現への寄与
が失われ、その結果、抑制解除されたrepAプロモーター
がcopBプロモーターからの全repA転写を効果的に引継ぐ
からである。この全効果は、repAプロモーターがcopBプ
ロモーターの強力以上に2倍増大した強力を有するの
で、repA遺伝子の転写速度が2倍だけ増加するにちがい
ない。
この明らかな逆説はcopA遺伝子の活性で説明される。Co
pA−RNAは、一連のウリジン(U)で終つているステム
を有する正常終結構造で終結している。RepA蛋白形成の
CopA−RNA制御はかような適正な終結に左右される。対
向するストランドの転写が強力な場合は(収斂転写)、
転写の効率は減少する。repAからの転写が増大するとCo
pAトランスクリプトが約150−200ヌクレオチドまで拡大
する。この拡大したCopAトランスクリプトは複製インヒ
ビターとしては機能しない。すなわちそれは実質的に不
活化され、RepA蛋白量が増加し、最終的にプラスミドコ
ピー数が増大する(Stougaad et al.,EMBO Journal 1,1
982,323−328)。
複製の制御 2つの遺伝子copAとcopBからの産物はプラスミドR1の複
製を負に制御する。すなわちこれら産物は複製インヒビ
ターとして機能する。repA−lao融合体の組立てと分析
を通じて、この2つのCop遺伝子の産物がrepA遺伝子の
表現を負に制御して作用するということを示すことがで
きた(Light and Molin,Mol.Gen.Genet.184,1981,56−6
1)。それ故にプラスミドR1の複製は、このプラスミド
の複製開始にたぶん正に必要な蛋白の形成を調節するこ
とによつて制御されているようである。
lao遺伝子融合によつて、copAとcopBの産物が別個の標
的を有することも証明された。CopB蛋白の標的はrepAプ
ロモーターであり、このCop蛋白はrepAプロモーターに
おいて転写開始を阻害する作用を行う。しかしCopB蛋白
はrepAプロモーターの上流側で開始された転写を妨害す
ることはできない。CopA−RNAは転写には影響しない
が、転写後レベルで作用する。すなわちRepA−mRNAの翻
訳を阻害する。
ランアウエイ突然変異体の複製 公開ヨーロツパ特許出願第78.101877,5号に開示されて
いるプラスミドの複製システムは、野生型R1プラスミド
について上記したのと実質的に同じである。この発明の
発明者らによる新しい研究によつて、ランアウエイ複製
挙動を有する温度依存性プラスミド突然変異体が存在す
る理由が一部確認された。上記説明のように、repA遺伝
子への転写が増大するとCopA−RNA分子の失活に至るこ
とがある。上記特許願に開示されたランアウエイ突然変
異体プラスミドにおいて、copBプロモーターは、次に示
すように配列しているうちのひとつのヌクレオチドを置
換することによつて突然変異を起こす。
a) 野生型プラスミド 5′−…TTCTCAAGTCGOT…−
3′ b) ランアウエイ突然変異体 5′−…TTCTCAAGTTGOT
…−3′ イタリツク体文字がヌクレオチド置換を示す。記載され
ている部位はRNAポリメラーゼ結合座位である。
この突然変異は、copBプロモーターからの転写を、特に
より高い温度で増大させることが示された。
調節可能なプロモーターを有するプラスミドの複製 この発明のプラスミドの組立てには、この発明の発明者
らが新しく得た野生型R1プラスミドの複製システムの知
識を利用することができた。しかしこの発明のプラスミ
ド複製は、公開ヨーロツパ特許願第78.101877,5号に開
示のランアウエイプラスミドの場合のように、プラスミ
ドの突然変異によつてなされるのではない。その代り
に、外来プロモーターが挿入され、その結果複製部位の
転写が少なくとも部分的にこのプロモーターで制御され
ている。このプロモーターは、宿主微生物が培養される
条件下での調節によつて調節可能であつてもよく、プロ
モーター活性の調節は、培養温度又は培養培地の組成を
変えることによるなどの種々の手段で行つてもよい。
調節可能なプロモーターが温度依存性プロモーターの群
から選択されたひとつのプロモーターである際は、λPR
もしくはλPL特にλPRのようなバクテリオフアージλ由
来のプロモーターが好ましい。フアージλにおいて、PR
プロモーターはcIリプレツサーによつて制御され、この
リプレツサーはこの発明の原理にしたがつて、フアージ
λからλPRとともに誘導され、Bgl IIフラグメントの形
態のプラスミドに挿入される(添付したプラスミド地図
第4−11図参照)。野生型c Iリプレツサーはそれ自体
温度感受性ではない。そこで培養温度を調節することに
よつて複製システムを調節可能にするために、用いた特
種cIリプレツサー(下記実施例参照)は温度感受性であ
り、突然変異体対立遺伝子(mutant alle)c I857によ
つてコードされている(Sussman and Jacob,Comt,Rend,
Acad,Soi.254,1962,1517)。このリプレツサーは活性で
ある。すなわちこれはλPRプロモーターを、約30℃の温
度のような低温で抑制するが、一方約39℃以上の温度の
ごときより高い温度では変性されて、そのリプレツサー
機能が不活化されλPRの抑制が解除される。その挿入さ
れたプロモーターが非常に強力であると、その結果repA
への転写が著しく増大し、次いで非制御プラスミド複製
にいたる。
また、プロモーターの調節は化学的手段によつて行うこ
とができる。すなわち、プロモーターを誘発する化学物
質を添加して例えばリプレツサー制御プロモーターの活
性を不活性化させその結果プロモーターの抑制を解除さ
せるとか、又はプロモーターを活性化することになるプ
ロモーター誘発性の代謝物の形成を保証することによつ
て、宿主微生物が培養される培地の組成を調節して行わ
れる。化学的に誘発しうるプロモーターの特例は、2つ
の染色体リプレツサー蛋白すなわちdeoR遺伝子とcytR遺
伝子の産物によつて負制御を受けるE.Coliからのdeoプ
ロモーターである。このdeoプロモーターは培養培地に
シチジンを添加することによつて抑制を解除することが
できる。というのはシチジンは、そのリプレツサーに対
する親和性によつて作用しリプレツサーの高次構造に変
化を起こさせ、その結果リプレツサーがリプレツサーと
して機能するのを停止するからである。加うるに、正の
制御はカタボライトリツプレツシヨン(catabolite rep
ression)を通じてdeoプロモーターからの発現で行うこ
とができる。サイクリツクAMP(cAMP)によるcrp蛋白
(カタボライトリプレツサー蛋白)の活性化によつてde
oプロモーターの活性が賦活される。高細胞レベルのcAM
Pは、低レベルのグルコースと相関関係があることが知
られている。すなわち培養培地からのグルコースの欠如
は限られた量だけのグルコース、例えば約0.01%の量
を、グリセロールもしくはコハク酸塩とともに添加する
ことによつて得られる。グルコースが細胞によつて消費
されると、その結果cAMPの細胞間レベルが増大してdeo
プロモーターを活性化しそのプロモーターを有するプラ
スミドの複製速度を増大させるに至る。かくしてdeoプ
ロモーターがプラスミドR1誘導体中のcopB遺伝子の上流
側に挿入されると、そのプロモーターの誘導によつて複
製が増大するかもしくは全く非制御になる。この非制御
複製挙動は、プラスミドのコピー数がプレインダクシヨ
ンのレベルまで徐々に減少するように培養培地にグルコ
ースを添加することによつて逆転させることができる。
化学的に調節可能なプロモーターのもうひとつの例は、
栄養培地中にラクトースを存在させることによつて誘発
され、増大もしくは非制御の複製に到達させるlaoプロ
モーターである。この場合もそのプロセスは、ラクトー
スが最終的に細胞によつて消費されるような量のラクト
ースを培地に添加することによつて逆転させることがで
きる。
調節可能なプロモーターを有するDNAフラグメントを、
本来存在しているひとつの複製調節遺伝子の一部分、例
えばプラスミドR1のcopB遺伝子の一部を占めるBgl IIフ
ラグメントの部分の代りに、適正な位置と配向で挿入す
ると、そのプラスミド誘導体の複製速度は挿入されたプ
ロモーターによつて少なくとも一部分が制御される(A
型プラスミド)。
調節可能なプロモーターを有するDNAフラグメントを、
本来存在している複製調節遺伝子のすぐ上流側に正しい
配向で挿入すると、プラスミドR1誘導体のcopB遺伝子の
場合、わずかに異なる複製性能を有するプラスミドが得
られる(B型プラスミド)。
上記のようにpar部位を欠くB型プラスミドは約1%/
世代の頻度で失われる。培養物中にそのプラスミドが存
在するためのセレクシヨンがないと、そのプラスミドは
約30℃で培養される細胞から最終的に喪失する。このプ
ラスミドを安定化するために、例えばB型プラスミド中
の野生型R1プラスミドからのpar部位を有するDNAフラグ
メントを挿入することもできる。このようにして類似の
条件下で培養される細胞中におけるプラスミドの完全な
安定性(喪失なし)がもたらされるのである。プラスミ
ドの安定性は次のようにして測定できる。最初に、par
部位だけでなくlac遺伝子が挿入されたB型プラスミド
を有する細胞と、対照としてlac遺伝子をもつがpar部位
をもたないB型プラスミドをもつ細胞とを、出発コロニ
ー中に両方のプラスミドが確実に存在するように、選択
して抗生物質(そのプラスミドが耐性を伝達する)を含
有するプレート上で培養する。次いで両者のコロニーの
試料を全く抗生物質を含まないプレート上にストリーク
して、例えば25世代のような多数世代(細胞倍加)の間
セレクションなしで成育するにまかせる。最後に、得ら
れた両方のコロニーからの栽培をマツコンキイラクトー
ス指示プレート(MacConkey lactose indicator plat
e)上にストリークする。そのプレート上において、par
部位含有プラスミドを最初に有する細胞は赤色コロニー
を形成してそのプラスミドが保持されたことを示すが、
一方par部位なしのプラスミドを最初に有する対照の細
胞は赤色と無色との両方のコロニーを形成し、セレクシ
ヨンなしの期間にプラスミドがいくつかの細胞から喪失
したことを意味する。このようにしてpar部位の挿入さ
れたプラスミドは完全に安定化されたことが示される
(実施例11参照)。この安定化効果は、挿入されたDNA
フラグメントが、プラスミド含有細胞をプラスミドを含
有しない細胞と比較して、その成長速度を減少させる場
合に重要である。
最後に、プラスミドR1のcopB遺伝子のような本来存在し
ている複製調節遺伝子を有するDNAフラグメントをA型
プラスミドの複製部位以外の座位に挿入すると、特別の
複製性能を有するプラスミドが得られる(C型プラスミ
ド)。
B型プラスミドについて先に述べたプラスミドの安定性
は、C型プラスミドについて一層顕著に望まれることで
ある。というのは上記のようにこれらC型プラスミドは
低温において一層低いコピー数を有し、それ故par部位
を欠いている場合はB型プラスミドよりも高い頻度で失
われるからである。C型プラスミドは、par部位が存在
していないプラスミドの場合、これにpar部位を挿入す
ることによつて同様に安定化することができる。
この発明の特別の態様によつて、次のようなプラスミド
が提供される。すなわちそのプラスミドは第一の調節可
能なプロモーターに加えて、プロモーターが、例えば所
望のポリペプチド合成の遺伝情報を指定する挿入された
外来構造遺伝子の発現を調節する複製部位以外に位置す
る第二のプロモーターを有する。この追加のプロモータ
ーは、例えばλPRプロモーターとc I遺伝子とを追加し
て有するフラグメント上に位置するc Iプロモーターで
もよい。そしてそのc Iプロモーターはc I遺伝子産物で
制御されλPRの逆方向に転写する。c Iプロモーターに
よつてその発現が調節されうる構造遺伝子を、c Iプロ
モーターの下流側(downstream)に挿入することができ
る。一例として、lacプロモーターを欠くlac遺伝子(la
cオペロンとして知られている)がc I遺伝子の下流側に
挿入されたが、得られた遺伝子産物の増幅から、lac遺
伝子の転写は、少なくとも一部分がc Iプロモーターに
よつて制御されていることが示唆された(実施例8参
照)。かくして、この発明のプラスミドを、外来遺伝子
挿入用のクローニングベクターとして用いることができ
ることが示された。このc Iプロモーターはc Iリツプレ
ツーによつても調節可能であり、その結果遺伝子産物の
増幅がプラスミドDNAの増幅と同時に起こるという利点
を有する。
また第二プロモーターはλPLのようなλプロモーターで
もよく又はrecAプロモーターであつてもよい。第二プロ
モーターがλPLである場合、このプロモーターは、フア
ージλからのBamH I−Bgl IIフラグメントとしてプラス
ミドに挿入することができ、かくしてBamH I、Bgl II、
Sau3A及びBcl Iのようないくつかの制限酵素で生成され
たDNAフラグメントの挿入用に好都合なクローニング座
位(BamH I)を産生する。またλpLは、このプロモータ
ーを有するプラスミドからの適当なDNAフラグメントに
挿入してもよい。またλPLは、増幅条件が同じであるよ
うに温度感受性のc Iレプレツサーによつて制御される
ので第二プロモーターとして有利である。
一方プロモーターがrecAの場合、例えばpBEU14(Uhlin
and Clark,J.Bact.148,1981,386−90)からのBamH Iフ
ラグメントとしてこの発明のプラスミドを挿入してもよ
い。このプロモーターは、recAプロモーター保有プラス
ミドが形質転換された微生物菌株によつて異なるしかた
で機能する。recA菌株中でrecAはlaxAリプレツサーによ
つて制御され、このリプレツサーはその微生物の染色体
上に位置している。例えば非制御複製が温度で誘導され
る場合、プラスミドのコピー数としたがつてrecAプロモ
ーターの数とが徐々に増加する。laxAリプレツサーは、
少量生産するだけでありそしてrecAプロモーター部位に
強固に結合することによつて機能するので、lexAリプレ
ツサーの利用しうる量は、コピー数が増大するにつれて
徐々に滴定される。このようにして、recAが徐々に抑制
解除され、プラスミドコピー数が高くなるとrecAからの
転写が対応して増大する。
クローニング及び産生ベクターとしてのこの発明のプラ
スミド この発明のプラスミド類は、クローニング及び産生ベク
ターとしての性能において次のような多くの特徴を有す
る。
1) これらのプラスミド類は分子量が約4.0〜12.5×1
06ダルトンで小さいものである。サイズが小さいので取
扱いに便利であり形質転換効率が向上する。
2) これらプラスミド類は制限エンドヌクレアーゼ類
に対する特異な座位を多数有する。“特異な”の用語は
ひとつの特異制限エンドヌクレアーゼに対してそのプラ
スミドがその酵素によつて切断可能なひとつのそしてひ
とつだけの座位を有することを意味するものである。
すでに述べたように、複製部位内に位置する制限座位は
クローニング座位としては許容できない。かくして下記
実施例に記載のプラスミドにおいて、制限座位のSdl I
とPst Iとは、プラスミドのレプリコン中に位置してい
るのでクローニング座位として適切でなく、一方制限座
位のEcoR IとBamH Iとはこの重要な部位中に位置してい
ないので外来DNAの導入に有用な座位を形成する。適切
な制限座位がプラスミド自体に見出されない場合は、か
ような座位を有する小さなDNAフラグメント(リンカー
として知られている)を実施例4に記載のようにしてプ
ラスミドに挿入して組立てることができる。
しかしながら挿入された構造遺伝子の発現を確実に行わ
せるために、構造遺伝子自体の上流側で第2プロモータ
ーの下流側に位置する適当な翻訳開始シグナル(リボソ
ーム結合座位)を有する必要もある。
リボソーム結合座位の存在を保証するひとつの方法は種
々のDNAフラグメント(例えばリンカーのごとき)を挿
入する方法である。そしてこれらのフラグメントは合成
で作ることができて各々異なる構造遺伝子に対する翻訳
開始シグナルを有する。一方、微生物にて表現されるこ
とがすでに知られている遺伝子含有DNAフラグメントを
完全にランアウエイクローニングベクターに挿入しても
よく、かくして適正な翻訳開始シグナルの存在が保証さ
れる。
3) 上記のように、できるだけ小さいクローニングベ
クターを有するのが有利であるが、そのクローニングベ
クターが、プラスミド含有細胞の同定及び/又は選択に
有用ないわゆるマーカーの発現用の遺伝子を有すること
が多くの目的にとつて実用的である。最も有用なマーカ
ーは、例えばアンピシリン耐性のような抗生物質耐性で
ある。というのはこれは組換えプラスミドを微生物宿主
に形質転換する処理をした後、その組換えプラスミドを
受け入れなかつた微生物を容易に逆選択することができ
るからである。下記実施例に記載のすべてのプラスミド
に存在する他のマーカーはc I遺伝子によつて暗号化さ
れているλ免疫である。この発明のプラスミドのさらに
有用な性質は、特異な座位がそのなかに位置している、
選択可能な表現型を伝達する遺伝子が存在していること
である。この座位にDNAフラグメントを挿入するとその
遺伝子の挿入失活が起こる。この例としては、Lac+表現
型を伝達する遺伝子については実施例9に、クロラムフ
エニコール耐性を暗号化している遺伝については実施例
12に記載されている。マーカー例えば抗生物質耐性を、
クローニングベクターとして用いられるべきこの発明の
プラスミドに導入したいときは、転位(transpositio
n)によるか又はそれ自体公知の方法で外来DNAフラグメ
ントを挿入することによつて行うことができる。かよう
な転位の例は実施例4に示す。
培養方法 この発明はまた、調節可能なプロモーターが、転写が複
製を調節するようなしかた、特にプロモーターからの転
写が増大するとプラスミドコピー数が実質的に増大する
かもしくは非制御になるようなしかたで挿入されたプラ
スミドを有する微生物を培養し、調節可能なプロモータ
ーからの転写の増大を保証しその結果プラスミドコピー
数が実質的に増大するかもしくは非制御になる条件下で
の少なくともひとつの培養期を有し、次いで微生物培養
物からプラスミドの遺伝子産物を収穫することからな
る、プラスミドDNAの遺伝子産物の製造法を提供するも
のである。培養自体は、問題の微生物種に最適なことが
知られている通常の栄養培地を含む通常の技術を用いて
適切に行われる。また遺伝子産物の収穫は、製造された
特定の遺伝子産物の本質と性質、宿主微生物の性質など
に適する公知の方法にしたがつて行われる。この発明は
さらに、この発明のプラスミドが細胞の所望数が得られ
るまで、接種と増殖の段階において一定の低コピー数に
なる条件下で形質転換された宿主微生物を培養し次いで
その宿主微生物を、プラスミドコピー数が実質的に増大
するか又は非制御になる条件下で培養する方法を提供す
るものである。
したがつて、培養は、はじめに、プロモーターからのど
んな転写もプラスミドのコピー数に有意に影響しない条
件下で行つてもよく、その後プロモーターの活性を誘発
する物質を、培養培地に、実質的に複製が増大するか又
は非制御になる量で添加される。所望により、これらの
培養条件は、プラスミドの実質的な増幅を得るのに充分
な期間であるが、微生物培養物の実質的な損傷を回避す
るのに充分短かい期間の後に逆転させてもよい。前記物
質は培養媒体から除去されるとプラスミドコピー数が最
終的にプレインダクシヨンレベルに到達するまで徐々に
減少するにいたる。ここにおいて、“除去される”の用
語は、問題の物質を培養媒体から完全になくすことを意
味する必要はないが、その物質がもはやいかなる効果も
有しない程度の濃度にまで減少させるにすぎないことを
意味する。
ある物質によつて誘発されるよりもむしろ阻害されるプ
ロモーターを用いるもうひとつの方法において、微生物
培養物は最初、使用される特定のプロモーターの活性を
阻害する物質の存在下で培養されてもよく、その後、そ
の物質の濃度を、例えば培養媒体を希釈するか又は徐々
に細胞によつて消費させるかによつて、プロモーターを
活性化させるにいたる程度に減少させ、その結果、プラ
スミドコピー数を実質的に増加さすか又は非制御にさせ
る。所望により、この培養条件は、プラスミドの実質的
な増幅を得るのに充分な期間であるが微生物培養物の実
質的損傷を回避するのに充分短い期間の後プラスミドコ
ピー数がプレインダクシヨンのレベルに到達するまで徐
々に減少するにいたる量でプロモーター活性の阻害物質
を、添加することによつて置き換えてもよい。
また微生物を培養する条件には、プラスミドコピー数が
実質的に増加するか又は非制御になる温度かその近傍温
度におけるある培養期間が少なくとも含まれていてもよ
い。
調節可能なプロモーターが温度依存性か又は温度感受性
の因子で調節される際は、この発明のプラスミドで形質
転換された微生物の生産規模の培養物までの増殖は、増
加するプラスミドと遺伝子産物の濃度による微生物成育
のどんな阻害をも避けるために、プラスミドが一定の低
コピー数を示す温度又はその近傍温度で行うのが好まし
い。次いでその温度を、プラスミドが実質的に増大もし
くは非制御のコピー数を示す温度に変えてもよい。生産
期間は、微生物の成育がプラスミドからのプラスミドDN
A及び/又は遺伝子の産物によつて阻害されるまでのこ
とが多いが、適切な生産期間の後、遺伝子産物の収穫が
行われる。特定の条件によつては、プラスミドの遺伝子
産物の量が増大する(次いでこの産物は培養物から連続
的もしくは間欠的に収穫できる)とともに、宿主微生物
が存続し成育し続けることができるように、プラスミド
コピー数が実質的に増大するか又は非制御状態になる温
度にごく近い温度で連続的に量産培養を行うことが好ま
しい場合がある。
一方その微生物は、プラスミドコピー数が一定である温
度で量産規模の培養まで増殖させてもよい。次いで温度
をプラスミドコピー数が実質的に増大するか又は非制御
になる温度もしくはその近傍の温度に変える。次いでプ
ラスミドの実質的増幅を得るのに充分な期間であるが微
生物培地のいかなる実質的損傷を避けるのに充分短かい
期間、前記温度を保持する。その後温度を、一定の低い
プラスミドコピー数を保証する温度にもう一度変化さ
せ、プラスミドコピー数を徐々に減少させる後者の温度
で、該コピー数が最初のレベルに到達するまで量産培養
を続ける。この培養法は、プラスミドに挿入される外来
遺伝子が、約30℃より高い温度では生存できない生物か
ら由来のものであつて、その結果かような遺伝子の遺伝
子産物がより高い温度で変性されることがある場合、特
に重要である。さらに、この培養法を採用すると通常、
遺伝子産物の収率が高い(実施例16参照。Uhlin et a
l.,Gene 6,1979,91−106,第II表を比較せよ)。
プラスミドコピー数が実質的に増大するかもしくは非制
御になる温度は、プラスミドが一定で低いコピー数を有
する温度よりも高くてもよい。この高い温度は例えば約
36〜42℃の範囲の温度である。
図面の説明 次に図面を説明する。
第1図は野生型プラスミドR1の複製部位の概略図であ
る。
第2図は下記第3〜21図に用いられている記号の手引き
である。及び 第3〜21図は実施例に記載のプラスミドの制限地図を示
す。
第1図に、プラスミドR1の基本的レプリコンの概略図が
示され、その中の縦線を入れた部分は翻訳された部位
(translated region)を意味し、ブランク部分はトラ
ンスクリプトを意味し、点線部分は可能なトランスクリ
プトを意味する。丸の中にヘヤピンループ部の拡大図が
CopA−RNAの高度の二次構造を説明するために示されて
いる。Oriは複製開始点を示す。水平の矢印は転写の方
向を意味する。
第2図に下記第3〜21図に用いられている記号の手引き
を示した。AはR1型プラスミドからのDNAを、Bはバク
テリオフアージλ(EDλ4)由来のDNAを、CはTn3トラ
ンスポゾン(EDλTn3からの)からのDNAを、Dはプラス
ミドpBR322からのDNAを、EはプラスミドpMC871からのD
NAを、FはプラスミドpVH1424からのDNAを、Cはプラス
ミドpSKS104からのDNAを、Hは構造遺伝子と重要な座位
を、Iは転写方向の表示を付したプロモーターを、及び
Jはプラスミドの大きさのスケールをそれぞれ意味す
る。ブランク部分はプラスミドpBEU14からのDNAを意味
する。
第3〜21図には各実施例に記載のプラスミドの直線制限
地図が示されR1型プラスミドの遺伝子型は水平線上に記
入して示されている。したがつてcopBは、copB遺伝子と
copA遺伝子との間のrepAプロモーターからの転写を抑制
するポリペプチド合成の遺伝子情報を指定する遺伝子を
示す。copAはRepA−mRNAの翻訳を阻害するRNA分子をコ
ードする遺伝子を示す。Oriは複製の増殖型開始点を示
す。aphAはカナマイシンに対する耐性を暗号化する遺伝
子を示す。blaはアンピシリンに対する耐性を暗号化す
る遺伝子を示す。lacAとlacYとlacZは挿入されたlacオ
ペロンを示し、lacAはトランスアセチラーゼ、lacYはパ
ーミアーゼ及びlacZはβ−ガラクトシダーゼそれぞれの
合成の遺伝情報を指定する。cI857はλPRプロモーター
の温度感受性リプレツサー合成の遺伝情報を指定する遺
伝子を示す。tnpRとtnpAはTn3トランスポジシヨン機能
をコードする遺伝子を示す。parはプラスミドの分配の
原因である部位を示す。recAは組換え蛋白の遺伝情報を
指定する遺伝子を示す。またPrecAはrecAプロモーター
を示す。水平線の下側には制限酵素の座位が示され、P
はPst Iを、B2はBgl IIを、S1はSal Iを、EはEcoR I
を、H3はHindIIIを、B1はBamH Iを、SはSmal Iを、B2B
1はBgl II座位とBamH I座位との融合体を、CはCla Iを
それぞれ意味する。第11図において、記入されているプ
ラスミドは他の図中のプラスミドと同じスケールで画か
れている。括弧でかこんで挿入した部分は挿入されたla
c遺伝子を示す。
原料と方法 用いたエシエリヒア・コリK−12菌株はCSH50であつた
(△pro−lac,rpsL;J.Miller:Experiments in Molecula
r Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spri
ng Harbor,New York,1972)。いくつかのプラスミド
(第1表)とバクテリオフアージ(第2表)が用いられ
た。
用いた実験技術は、微生物遺伝学の分野で用いられる標
準技術(J.Miller:Experiments in Molecular Genetic
s,Cold Spring Harbor,New York 1972)と遺伝子操作法
(Davis,Botstein and Roth:A manual for Genetic Eng
ineering;Advanced Bacterial Genetics,Cold Spring H
arbor,New York,1980)であつた。
すべての細胞は、LB培地(Bertani,J.Bact.62,1951,29
3)又はA+Bミニマル培地(Clark and Maalφe,J.Mol.Bi
ol.23,1967,99)中で培養された。そして用いたプレー
トはLB培地と1.5%寒天含有のLAプレートであつた。プ
ラスミドの製造と分析は、Stougaard and Molin,Anal.B
iochem.118,1981,191に記載の方法にしたがつてdye boy
ant density gradient centrifugation法を用いて行つ
た。プラスミド量測定のためのDNAの標識と溶解産物の
製造は、Molin et al.,J.Bact.138,1979,70にしたがつ
て行つた。プラスミドDNAの相対的量は、グラジエント
中の染色体バンド中のそれに対するプラスミドバンド中
に存在する標識されたチミジンの量として測定された。
実施例に用いた制限エンドヌクレアーゼ類は製造メーカ
ー提供の規定にしたがつて使用した。部分制限は酵素の
10倍希釈物で行つた。
さらに下記のスクリーニング法を用いた。
1. λ免疫性(immλ)についてのスクリーニング 記載された全実施例において、c I857突然変異体の対立
遺伝子を用いた。この遺伝子を有するプラスミドは、宿
主のエシエリヒア・コリの細胞を30℃における溶菌フア
ージの感染に対し耐性にする。耐性細胞を選択するため
に、細菌をプレートにひろげる前に108以上のλb2フア
ージの粒子を加える。生存しているコロニーをさらにそ
れらのプラスミド量について試験した。
2. copB+についてのスクリーニング lacプロモーターが除去されたlacオペロンとrepAプロモ
ーターとの遺伝子融合体を組立て次いでp15プラスミド
(pGA46)に挿入される。ひとつの得られたハイブリツ
ドプラスミドpJL217は、△lac宿主のエシエリヒア・コ
リ菌株中に存在するとLac+表現型の原因である。
Lac+表現型の、マツコンキイラクトース指示プレートで
容易に検出される(赤色コロニー)。pJL217を有する細
胞中にcopB+遺伝子が存在するとLac-表現型になり該指
示プレート上に白色コロニーとして現れる。かくしてco
pB+ハイブリツドは、プラスミドDNAがプラスミドpJL217
を有するエシエリヒア・コリ△lac細胞に形質転換され
るとき、Lac-コロニーとして容易にスコアされる。
親プラスミド プラスミドpKN1562は、その後の研究によつて付け加え
られた若干の改変を除いて、Molin et al.:“Clusterin
g of Geneslnvolved in Replication,Copy Number Cont
rol,lncompatibility,and Stable Maintennance of the
Resistance Plasmid Rldrd−19",J.Bact.138,1979,pp.
70−79に記載されているのとすべての主要部で同様にし
て組立てられたプラスミドR1の誘導体である。pKN1562
は6.9×106ダルトンの分子量を有し、copA+、copB+、re
pA+、aphA+、△parの遺伝子型を有する(第3図参
照)。これはカナマイシン耐性を有する。このプラスミ
ドは野生型プラスミドの複製性能を有し、3−5/高速成
育細胞のコピー数を有し、かつpar遺伝子(分配のため
の遺伝子)を欠いているので1%/世代の頻度で失われ
る。
pKN1562をBgl IIで制限してcopB遺伝子の一部を除去
し、その付着端を結合することによつて他のプラスミド
pJL20が組立てられる。このプラスミドの分子量は6.7×
106ダルトンであり、遺伝子型はcopA+、△copB、rep
A+、aphA+、△parである。このプラスミドは25−40/高
速成育細胞のコピー数を有し、このプラスミドの喪失は
ない。このプラスミドもカナマイシン耐性を伝達する。
プラスミドの命名 基本出願の実施例及び図面にpJEL…と命名されたプラス
ミドは本出願においてはpOU…に変えられた。
実施例1 pOU51の組立てと特性表示 プラスミドpJL120とフアージEDλ4からのDNAが標準法
にしたがつて製造された。プラスミドとフアージDNAと
が各々20μg/mlの最終濃度と100μの最終容積で混合
され、Bgl IIで30分間制限され70℃で10分間加熱して不
活化され、T4DNAリガーゼで一夜15℃で連結された。こ
の連結反応混合物をエシエリヒア・コリ菌株CSH50に形
質転換された。その形質転換細胞は、約109のλb2粒子
の懸濁液をひろげた50μg/mlのカナマイシン含有のプレ
ート上で選択された。このプレートは30℃で20時間培養
された。
生存コロニイを再分離して、30℃でのクロスストリーキ
ングによつてλb2に対する耐性の試験、42℃でKmプレー
ト上にストリークして42℃での培養試験、及びプラスミ
ドDNAを作製してアガロースゲルで分析することによる
プラスミドの分子量測定の試験を行つた。このようにし
て、プラスミドpOU51は、Kmとλ感染に対する耐性を伝
達し、宿主細菌を、培養に対し温度感受性にし、pJL20
中に約1.6×106ダルトンに相当するフアージDNAの挿入
部分を有することが見出された。このプラスミドの全分
子量は8.4×106ダルトンであつた。これらの性質はすべ
て、新しいエシエリヒア・コリ受容体菌株がpOU51DNAで
形質転換されるときにそのプラスミドの表現型性能のす
べてを得るので、このプラスミドに保有されている。
DNAはpOU51から製造され、そのプラスミドはそのプラス
ミドDNAを精製し、それをひとつもしくは複数の制限酵
素で切断し、得られたフラグメントをアガロースゲル電
気泳動法で分析することによつて、制限酵素で地図化し
た(第4図参照)。このようにして挿入された1.6×106
ダルトンのフラグメントは、c Iリプレツサー遺伝子(3
0℃におけるλ免疫性の原因である)とλPRプロモータ
ーとを有する、フアージλからのBgl IIフラグメントと
して同定された。挿入されたフラグメントの配向を測定
し第4図に示した。この制限地図からさらにpOU51は、
そのプラスミドをクローニングベクターとして用いるこ
とができるようにする制限エンドヌクレアーゼEcoR I用
の特異な座位を有することが分かる。
細胞の成育についてこのプラスミドの効果は、媒体中の
培養物を30℃で培養することによつて研究された。成育
が指数的になつた時に温度が42℃に変えられ、細胞培養
が続けられた(分光光学的に測定)。42℃での培養の1.
5〜2時間で培養物は成育を停止した。
プラスミドDNAの量は、0.2%のグルコースと1%のカサ
ミノ酸を補充したA+Bミニマル媒体中で培養する10mlづ
つの培養物から、原料と方法の項に記載したのと同様に
して測定した。ひとつの10ml培養物を30℃にて50μCiの
3H−チミジンで標識をつけた。その他は42℃に変化した
直後、細胞が成育を停止するまでその同位体を受容し
た。プラスミドの相対量は30℃において、25〜40プラス
ミドコピー/細胞に相当する2%であつた。42℃におい
てその相対量は1000以上のプラスミドコピー/細胞に相
当する50%以上であつた。
このプラスミドの性質は第5表に示した。
エシエリヒア・コリCSH50/pOU51菌株は、ドイツのDeuts
ohe Sammlung von Mikroorganismen,Grisebachstrasse
8,D−3400 Gttingen(以下DSMと略称)に寄託番号246
7にて寄託されている。
実施例2 pOU53の組立てと特性表示 出発物質として実施例1に記載されたプラスミドを用
い、pOU51をHind IIIで部分的に制限することによつ
て、カナマイシン耐性を暗号化している遺伝子が除かれ
ているがλ免疫性を暗号化している遺伝子を保持した標
題のプラスミドが組立てられた。このプラスミドがエシ
エリヒア・コリ菌株のCHS50に形質転換された。pOU53は
3.2×106ダルトンの分子量と次の遺伝子型:copA+、△co
pB、repA+、△par、immλ、△aphAを有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵素
で地図化した(第5図参照)。この制限地図からpOU53
は、そのプラスミドをクローニングベクターとして使用
可能とする、制限エンドヌクレアーゼEcoR Iの特異座位
を有することが分かる。
所望のプラスミドが宿主細胞に存在することを示すため
に、細胞培養物が、λ感染に対する耐性を試験するため
に前記のようにしてλb2フアージ粒子を含有するプレー
ト上で培養された。その細胞はさらに、50μg/ml Kmを
含有するプレート上のレプリカプレーテイングコロニー
によつてカナマイシンに対する感受性が試験された。温
度感受性成育を試験するために細胞が42℃でプレート上
にストリークされ実施例1に記載されたしかたで培養さ
れた。
プラスミドDNA量が実施例1に記載のしかたで測定した
ところ、その細胞は30℃で20〜40プラスミドコピーを有
し、42℃では1000以上のプラスミドコピーを有すること
が判明した。プラスミドの喪失は全くなかつた。
このプラスミドの性質は第5表に示した。
E.Coli CSH50/pOU53菌株はDSMに寄託番号2468号で寄託
されている。
実施例3 pOU56の組立てと特性表示 pOU53に、転位遺伝子とアンピシリン耐性(β−ラクタ
マーゼ)の遺伝子とを含む、λ::Tn3フアージからのTn3
トランスポゾンを生体内挿入することによつて(Nordst
rm,Molin and Aagaard−Hansen,Plasmid 4,1980,215
〜27)標題のプラスミドが組立てられた。プラスミドDN
Aは、プラスミドpOU53及びその染色体中にλTn3フアー
ジを有する菌株とから単離された。そのプラスミドDNA
は、アンピシリン耐性とλ免疫性を選択するエシエリヒ
ア・コリ菌株CSH50に形質転換された。pOU56は6.5×106
ダルトンの分子量と下記遺伝子型:copA+、△copB、repA
+、△aphA、immλ、bla+(::Tn3)を有する。
このプラスミドを実施例1に記載されたのと同様にして
制限酵素でマツプ化した(第6図参照)。この制限マツ
プは、Tn3トランスポゾンがpOU56に挿入された位置を示
し、さらにプラスミドが制限エンドヌクレアーゼのEcoR
IとBamH I各々の特異座位を有することを示している。
このプラスミドはプラスミドpOU57製造用の出発物質と
して有用であるが(下記実施例4参照)、転移遺伝子の
存在によつて抗生物質耐性が他の細菌に形質転換されう
るから、クローニングベクターとしては好ましくない。
宿主細胞中に所望プラスミドが存在するのを示すため
に、前記のようにして細胞培養物をλb2フアージ粒子含
有のプレート上で培養してλ感染に対する耐性を試験し
た。さらに細胞を、50μg/mlのアンピシリン含有のプレ
ート上でアンピシリン耐性を試験した。温度感受性成育
の試験は前記の方法で行つた。
pOU56はpOU53と同じ複製性能を有することが分かつた。
このプラスミドの性能を第5表に示した。
エシエリヒア・コリCSH50/pOU56菌株は、寄託番号2469
号でDSMに寄託されている。
実施例4 pOU57(A型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU56が全トランスポゾンを有することか
ら、このプラスミドからのTn3のトランスポジシヨンの
可能性をなくするために、このプラスミドをBamH IとEc
oR I座位で切断し、β−ラクタマーゼをコードする遺伝
子を保持したままで、トランスポジシヨン遺伝子を除去
した。その付着端のアニーリングを行うために、プラス
ミドpBR322からの小さなBamH I−EcoR Iフラグメントを
挿入しプラスミドpOU57を作製した。このプラスミドを
E.Coli菌株CSH50に形質転換した。pOU57は4.2×106ダル
トンの分子量と次の遺伝子型:copA+、△copB、repA+
△par、△aphA、immλ、bla+(△Tn3)を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素でマツプ化した(第7図参照)。この制限地図か
ら、pOU57は、制限エンドヌクレアーゼBamH IとEcoR I
の各々に対する特異座位を有し、このことからクローニ
ングベクターとして有用なことが分かる。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在していることを示
すために、細胞培養物を前記のようにしてλb2フアージ
粒子を含有するプレート上で培養してフアージ感染に対
する耐性を試験した。さらにこの細胞は前記のしかたで
アンピシリン耐性を試験した。このプラスミドの分子量
はアガロースゲル電気泳動法によつて測定した。温度感
受性成育の試験は前記方法で行つた。
pOU57はpOU53と同じ複製性能を有することが分かつた。
このプラスミドの性能を第5表に示した。
E.Coli CSH50/pOU57菌株は寄託番号2470号でDSMに寄託
されている。
実施例5 pOU71(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例4に記載のプラスミドを出発物質として用い、pO
U57のBgl II座位にcopB遺伝子の一部を含む、pKN1562か
らのBgl IIフラグメントを挿入することによつて、c II
−λPRリプレツサープロモーターシステムと、R1型プラ
スミドのcopBインヒビターの野生型遺伝子との両者を有
する標題のプラスミドを組立てた。このプラスミドをE.
Coli CSH50菌株に形質転換した。pOU71は分子量が4.3×
106ダルトンで、次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+
△par、△aphA、immλ、bla+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素でマツプ化した(第8図参照)。この制限地図か
らpOU71がpOU57と同じ特異制限座位を有することが分か
る。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在することを示すた
めに、細胞培養物を前記の方法で、λ感染耐性とアンピ
シリン耐性について試験した。次いでこのプラスミド
は、“copBについてのスクリーニング”の項(本願の第
25頁但し翻訳文の第37頁)に記載の方法でcopB遺伝子の
存在をスクリーニングした。温度感受性成育の試験は前
記の方法で行つた。最後に、30℃におけるプラスミドコ
ピー数を、放射能標識法と傾斜遠心分離法によつて測定
した。
プラスミドの量を実施例1の方法で測定したところ、そ
の細胞は30℃で3〜5プラスミドコピーを、42℃で1000
以上のプラスミドコピー有することが分かつた。30℃で
このプラスミドは1%/世代の頻度で喪失した。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU1菌株は寄託番号2471号でDSMに寄託さ
れている。
実施例6 pOU73(C型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例4に記載のプラスミドを用い、copB遺伝子を有す
る、pOU16からのEcoR IフラグメントをpOU57のEcoR I座
位に挿入することによつて、c I−λPRリプレツサープ
ロモーターシステムのみならずCopBインヒビターのため
の遺伝子を有する標題のプラスミドが組立てられた。こ
のプラスミドをE.Coli菌株CSH50に形質転換した。pOU73
は分子量が4.4×106ダルトンで、次の遺伝子型:copA+
copB+、repA+、△par、△aphA、immλ、bla+を有す
る。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第9図参照)。この制限マツプか
ら、copB遺伝子が、本来位置していないプラスミドの部
位に挿入されたことが分かる。さらに、このプラスミド
は制限エンドヌクレアーゼBamH Iのための特異座位を有
しているのでクローニングベクターとして有用であるこ
とが分かる。
pOU71と同じスクリーニング法を用いた。
プラスミドDNA量を実施例1に記載の方法で測定したと
ころ、この細胞は、30℃では0.5〜1プラスミドコピー
を有し、42℃では1000以上のプラスミドコピーを有する
ことが分かつた。30℃において、このプラスミドは5%
/世代以上の頻度で喪失される。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU73菌株は寄託番号2472号でDSMに寄託
されている。
実施例7 pOU75(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例5に記載のプラスミドを出発物質として用い、pO
U71をHind IIIで部分的で制限することによつて、EcoR
I座位が除去された標題プラスミドが組立てられた。こ
のプラスミドをE.Coli菌株CSH50に形質転換した。pOU75
は分子量が4.2×106ダルトンで、次の遺伝子型:copA+
copB+、repA+、△par、△aphA、immλ、bla+を有す
る。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第10図参照)。この制限地図か
ら、Hind IIIフラグメントの除去によつてpOU71のEcoR
I座位が除去されたことが分かる。
その宿主細胞に所望のプラスミドが存在するのを示すた
めに、細胞培養物について、前記方法で温度感受性成育
のみならず、λ感染耐性とアンピシリン耐性の試験を行
つた。またこのプラスミドは酵素で制限することによつ
てEcoR I座位がないことを試験した。
pOU75はpOU71と同じ複製性能を有することが分かつた。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU75菌株は寄託番号2473号でDSMに寄託
されている。
実施例8 遺伝子産物の増幅 プラスミドpMC903(Casadaban et al.,J.Bact.143,198
0,971)を制限酵素BamH IとBgl IIで切断し、lac遺伝子
を有するBamH I−Bgl IIフラグメントを作つた。プラス
ミドpOU71をBamH Iで切断し、上記で得られたBamH I−B
gl IIフラグメントをその座位に第11図に示すように挿
入し次いでT4DNAリガーゼで連結しプラスミドpOU106を
作製しE.Coli菌株CSH50に形質転換した。その細胞を、5
0μg/mlアンピシリン含有のマツコンキイラクトース指
示プレート(J.Miller,Experiments in Molecular Gene
tics,Cold Spring Harbor,1972参照)上にストリーク
し、30℃で培養し赤色コロニー(Lac+)を選択した。次
いで温度を42℃に変え遺伝子産物(β−ガラクトシダー
ゼ)の増幅を測定し第3表に示した。この測定はJ.Mill
er op.cit.によつて記載された方法にしたがつて行つ
た。
1. 酸素活性/全蛋白量、すなわちβ−ガラクトシダー
ゼ/細胞の増加 2. プラスミドpOU106によつて伝達されるβ−ガラクト
シダーゼ 3. プラスミドpKN410で伝達されるβ−ラクタマーゼ
(Uhlin et al.,Gene6,1979,Table II,p.100) この表から、遺伝子産物増幅のレベルは、他のランアウ
エイベクターについて得られたレベルに匹敵するもので
あることが分かる(例えばUhlin et al.,Gene6,1979,91
−106)。
β−ガラクトシダーゼ遺伝子が発現されるプロモーター
は、pBR322からのDNAフラグメント上に位置するc Iプロ
モータ及び/又はテトラサイクリンプロモーターであ
り、それは比較的弱いけれども、影響因子として無視す
ることはできない。そしてこの因子はc Iプロモーター
と同方向に転写する。
pOU106は実施例1に記載したのと同様にして制限酵素で
マツピングした(第11図参照)。この制限マツプから、
このプラスミドは、挿入されたlac遺伝子のすぐ下流側
に制限エンドヌクレアーゼのための特異座位を有し、こ
のことからクローニングベクターとして有用なことが分
かる。
このプラスミドの性能を第5表に示す。
E.coli CSH50/pOU106菌株は寄託番号2474号でDSMに寄託
されている。
実施例9 pOU79(B型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU71を、BamH Iで完全に切断し、pst Iで部
分的に切断しておいて、予めBamH Iとpst Iとして完全
に切断されたところのプラスミドpMC871(Casadaban,et
al.,J.Bact.14,1987,171)からのDNAフラグメント(la
cオペロンを有する)と連結した。
この連結混合物をE.Coli菌株CSH50に形質転換し、そし
て50μg/mlのアンピシリン含有のマツコンキイラクトー
ス指示プレート上で30℃にて培養しアンピシリン耐生を
選択した。30℃20時間の培養の後、そのプレートを短時
間(1−2時間)42℃で培養した。Lac-(白)からLac+
(赤)表現型へと変化したコロニーをさらに分析した。
標題のプラスミドはひとつのかようなコロニーから同定
された。pOU79の分子量は8.8×106ダルトンで、次の遺
伝子型:CopA+、copB+、repA+、Δpar、immλ、bla+
lac+を有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵素
で地図化した(第12図参照)。この制限マツプから、こ
のプラスミドが、lac遺伝子のすぐ上流側に制限エンド
ヌクレアーゼBamH Iのための特異座位を有することが分
かる。この座位に正しい配向でプロモーター含有DNAフ
ラグメントを挿入すると、lac遺伝子の転写を行ない、
その結果30℃においてかようなハイブリツトプラスミド
を有する細胞のLac+表現型を生ずる。
またこのプラスミドは、lacZ遺伝子の一端に位置する、
制限エンドヌクレアーゼEcoR Iのための特異座位を有す
る。この座位にEcoR Iフラグメントを挿入するとlacZ遺
伝子の産物であるβ−ガラクトシダーゼの活性を消去
し、その結果Lac-表現型になつたり、これは30℃から42
℃へ温度を変化させた後、マツコンキイラクトース指示
プレート上に無色のコロニーが形成して容易にスコアさ
れる(前記事項参照)。したがつてこのプラスミドはク
ローニングベクターとして有用である。
pOU79は、pOU71と同じ複製性能を有することが分かつ
た。
このプラスミドの性質は第5表に示した。
E.Coli CSH50/pOU79菌株は寄託番号2481号でDSMに寄託
されている。
実施例10 pOU82(B型プラスミド)の組立てと特性表示 プラスミドpOU79をBamH Iで完全に切断し、Sal Iで部分
的に切断した。次いでlacプロモーターが除去されたlac
オペロン含有のsPKS104からのBamH I−Sal Iフラグメン
トと、lacZ遺伝子第一目の4つのコドンとを挿入しpOU8
0(図示せず)を組立てた。
pOU80はLac-であり、lac遺伝子のすぐ上流側にBamH I座
位とEcoR I座位を有する。さらに、pSKS104中のlac遺伝
子がpMC1403から誘導されるから(Casadaban et al.,J.
Bact.143,1980,971)、lacZ中に通常見出されるEcoR I
座位はみとめられない 標題のプラスミドは、pOU80のlacZ遺伝子(pOU79の地図
第12図参照)中のEcoR I−Cla Iフラグメントを、deoプ
ロモータとlacZ遺伝子のアミノ終末端とを有する、pVH1
424からのEcoR I−Cla Iフラグメントで置換することに
よつて組立てた。この置換によつてlacZ遺伝子が再組立
てされ、そしてdeoプロモーターの存在によつて、得ら
れたハイブリツドプラスミドpOU82は、E.coli菌株のCSH
50に形質転換するとLac+表現型を伝達する。pOU82は、
分子量が8.1×106ダルトンで、次の遺伝子型:copA+、co
pB+、repA、Δpar.immλ、bla+、lac+を有する。
このプラスミドは、par部位を欠けているので30℃にて
最終的に細胞から失われ、このことは非選択的マツコン
キイラクトース指示プレート上で容易に観察することが
できる(実施例11参照)。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第13図参照)。この制限地図か
ら、このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼのEcoR I
とBamH Iの各々のための特異座位を有し、このことから
このプラスミドをクローニングベクターとして用いるこ
とができることが分かる。
pOU82はpOU71と同じ複数性能を有することが見出され
た。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.coli CSH50/pOU82の菌株は寄託番号2482号にてDSMに
寄託されている。
実施例11 pOU91(B型プラスミド)の組立てと特性表示 分配について安定なプラスミドを組立てるために、pOU8
2をEcoR Iで切断し、プラスミドR1誘導体のpKN184(Nor
dstrm et al.,Plasmid 4,1980,322)の野生型par部位
を含むEcoR I−Aフラグメントをこの座位に挿入し次い
で連結した。得られたプラスミド(pOU90、図示せず)
をE.Coli菌株CSH50に形質転換した。そしてこの細胞
は、50μg/mlアンピシリン含有プレート上で30℃にて選
択的に培養された。対照としてpOU82含有細胞を、両者
の出発コロニー中に確実にプラスミドが存在するように
類似の方法で培養した。次に両コロニーの試料をいずれ
の抗生物質も含有しないプレート上にストリークし、次
いでその細胞を25細胞世代成育するにまかせた。Lac+
現型の安定な遺伝をスクリーニングするために、得られ
た両コロニーからの細胞をマツコンキイラクトース指示
プレート上にストリークした。30℃でpOU90が形質転換
された細胞は赤色のコロニーを生成した。これはこのプ
ラスミドが保持されていたことを示す。一方pOU82が形
質転換された対照細胞は赤色と無色の両方のコロニーを
生成した。これは、セレクシヨン・フリーの期間pOU82
はいくつかの細胞から失われたことを意味する。
次いで中間プラスミドpOU90をBamH Iで完全に、Sau3Aで
部分的に切断してプラスミドの大きさを小さくし、標題
のプラスミドを作製した。E.Coli菌株CSH50に形質転換
した後、プラスミドの安定性を前記のしかたで測定し
た。pOU91は、分子量が12.5×106ダルトンで、次の遺伝
子型:copA+、copB+、repA+、par+、immλ、bla+、lac
+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第14図参照)。この制限地図か
ら、pOU91が制限エンドヌクレアーゼのEcoR IとBamH I
各々のための特異座位を有し、このことからこのプラス
ミドがクローニングベクターとして有用であることが分
かる。
pOUL91は、pOU71と同じ複製性能を有するが、pOU71と比
較して、このプラスミドは30℃において完全に安定であ
る。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.Coli CSH50/pOU91菌株は寄託番号2483号でDSMで寄託
されている。
実施例12 pOU101(B型プラスミド)の組立てと特性表示 実施例7に記載のプラスミドを出発物質として用い、ク
ロラムフエニコールアセチルトランスフエラーゼ(ca
t+)合成の遺伝情報を指定する遺伝子を有するSau3Aフ
ラグメントをpOU75のBamH Iに挿入することによつて、
宿主細胞にクロラムフエニコール耐性を付与した標題の
プラスミドを組立てた。このプラスミドをE.Coli菌株CS
H50に形質転換した。pOU101は、分子量が4.7×106ダル
トンで次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+、ΔaphA、im
、bla+、cat+を有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にして制限酵素
でマツプ化した(第15図参照)。この制限地図から、pO
U101は制御エンドヌクレアーゼEcoR Iの特異座位を有
し、したがつてはこのプラスミドがクローニングベクタ
ーとして用いうるということが分かる。さらにEcoR Iフ
ラグメントが挿入されるとcat+遺伝子を失活させ、EcoR
Iハイブリツドがスクリーニング可能になる。
宿主細胞中に所望のプラスミドが存在することを示すた
めに、細胞培養物のλ感染耐性とアンピシリン耐性につ
いて前記の方法で試験した。さらにこの細胞は20μg/ml
のクロラムフエニルコール含有のプレート上で培養物を
培養することによつてクロラムフエニコール耐性の試験
を行つた。またこの細胞は温度感受性成育についても前
記方法で試験した。pOU101はpOU71と同じ複製性能を有
することが判明した。
このプラスミドの性質は第5表に示す。
E.coli CSH50/pOU101の菌株は寄託番号2757号でDSMに寄
託されている。
実施例13 pOU110の組立てと特性表示 lacZ遺伝子の一部を含有するEcoR I−Cla Iフラグメン
トをプラスミドpOU80(実施例10に記載。pOU79の地図第
12図参照)から除去し、プラスミドpVH1451(Valentin
−Hansen et al.,the EMBO Journal 1,1982)からの、d
eoプロモーターとlacZのアミノ終末端とを有するEcoR I
−Cla Iフラグメントで置換した。得られたプラスミド
はpOU83と命名した(第16図参照)。
lac遺伝子、及びc Iリプレツサー遺伝子とλPRプロモー
ターを有するDNAフラグメントを除去するために、プラ
スミドpOU83をBamH IとBgl IIで部分的に制限した。連
結反応とCSH50への形質転換の後、所望の性能を有する
プラスミドを単離したが、deoプロモーターとcopB遺伝
子とがクロース融合体(close fusion)を形成してい
た。このプラスミドはpOU110と命名され、分子量が3.2
×106ダルトンで次の遺伝子型:copA+、copB+、repA+
Δpar、bla+を有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第17図参照)。この制限地図か
ら、このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼEcoR Iと
BamH I各々のための特異座位を有し、このことからこの
プラスミドをクローニングベクターとして用いうること
が分かる。
E.coli菌株Sφ929(cytR、lac、deo、recA)−これに
はすでにpOU110が形質転換されていた−のカルチヤー
を、グルコースなしのLB倍地中で一夜培養したところ、
非制御のプラスミド複製が2×108細胞/ml以上の細胞密
度で起こつた。
E.coli CSH50/pOU110菌株は寄託番号2758号でDSMに寄託
されている。
実施例14 pOU130の組立てと特性表示 プラスミドpOU91をBamH Iで切断し、次いでそのBamH I
座位をエクソヌクレアーゼBal31で除去しプラスミドpOU
92(図示せず)を作製した。このプラスミドをEcoR Iと
Cla Iで制限し、プラスミドpMC1403(Casadaban et a
l.,J.Bact.143,1980,971)からの対応するEcoR I−Cla
Iフラグメントを挿入し、deoプロモーターなしのlacオ
ペロンを有するプラスミドpOU93を作つた。かようにし
て作られたBamH I座位にcopB遺伝子を有するBgl IIフラ
グメントを挿入してプラスミドpOU130を作製し(第18図
参照)、次いで連結しE.coli菌株CSH50に形質転換し
た。この細胞を50μm/mlアンピシリン含有のマツコンキ
イラクトース指示プレートにストリークし30℃で培養し
て赤色コロニー(Lac+)を選択した。次いで温度を42℃
に変えた。β−ガラクトシダーゼの増幅を第4表に示
す。42℃で45分間培養した後、温度を38℃以下に下げ
た。この温度変化後に測定されたβ−ガラクトシダーゼ
の増幅を第4表に示す。
a LB培地中30℃で指数的に培養されたpOU130を有する
CSH50の細胞 b 30℃での指数的培養の後、培養物の温度を42℃に変
え、その温度で培養を2時間続けた。
c 30℃での指数的培養の後、培養物の温度を42℃に変
え、45分間後、培養物の温度を37℃に変えて90分間培
養。
d 原料と方法の項参照。β−ガラクトシダーゼの比活
性をLight and Molin,Gen.Genet.1981,(pp.56−61)に
記載してあるのと同様にして示した。
この表から、低温にもどすと、遺伝子産物の増幅が著し
く改善され、そのためこの方法が問題の遺伝子産物の最
大の表現を得るのに特に有用であることを示しているこ
とが分かる。
β−ガラクトシダーゼは、本質的にかような遺伝子融合
体から表現されるので(Light and Molin,J.Bact.151,1
982,1129〜1135)、酵素の活性のレベルは、この発明の
プラスミドの遺伝子産物の増幅容量を正確に反映してい
る。
E.coli CHS50/pOU130の菌株は寄託番号2759号でDSMに寄
託されている。
実施例15 pLC31の組立てと特性表示 pOU75をBamH Iで切断した。recAプロモーターと遺伝子
を有する、プラスミドpBEU14(Uhlin and Clark,J.Bac
t.148,1981,386−90)からのBamH Iフラグメントを挿入
し、次いでエシエリヒア・コリ菌株CSH50に形質転換し
た。標題のプラスミドは、分子量が6.3×106ダルトン
で、次の遺伝子型:recA、bla+、copA+、copB+、repA+
immλを有する。
このプラスミドを実施例1に記載したのと同様にして制
限酵素で地図化した(第19図参照)。この制限地図か
ら、pLC31が、外来遺伝子の挿入に適切な、制限酵素Eco
R Iの特異座位を、recAプロモーターの下流側に有する
ことが分かる。
pLC31はpOU71と同じ複製性能を有することが見出され
た。
pLC31を有する細胞を30℃で培養したところ、保有され
ているプロモーターは充分に抑制され、温度を42℃に変
えると、lexAリプレツサーが徐々にタイトレートされ、
recAからの転写が開始されrecA遺伝子産物の産生が増幅
されるにいたつた。そしてこのことはポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法で検出できた。
このプラスミドの性能を第5表に示した。
E.coli CSH50/pLC31菌株は寄託番号2718号でDSMに寄託
されている。
実施例16 pLC32の組立てと特性表示 λPLプロモーターとbla遺伝子を有し、制限座位EcoR
I、Sma I、BamH I、Sal I、Pst I及びHind IlIからリン
カーを備えたプラスミドPLc28(Remaut et al.,Gene 1
5,1981,pp.81−93)をEcoR Iで切断し、プラスミドpOU5
1のEcoR I座位に挿入し(実施例1参照)、次いで連結
し、E.coli菌株CSH50に形質転換した。このプラスミドp
LC32′(第20図参照)−10.6×106ダルトンの分子量を
有する−を、Pst Iで部分的にダイジエストし、次いで
連結し、カナマイシン耐性でアンピシリン感受性のプラ
スミドを選択するE.coli菌株CSH50に形質転換した。得
られたプラスミドはpLC32と命名され、分子量が7.7×10
6ダルトンで次の遺伝式型copA+、copB-、repA+、aph
A+、immλを有する。
このプラスミドを実施例1の記載と同様にしてから制限
酵素で地図化した(第21図参照)。この制限地図から、
λPLプロモーターが、このプラスミドをクローニングベ
クターとして好都合たらしめる特異EcoR I座位のすぐ上
流側に位置していることが分かる。
pLC32はpOU51と同じ複製性能を有することが見出され
た。
このプラスミドの性質を第5表に示す。
E.coli菌株CSH50/pLC32は寄託番号2719号でDSMに寄託さ
れている。
文献目録 1. Published European Patent Application No.78101
877.5 2. Molin et al.,J.Bact.138,1979,pp.70−79 3. Molin et al.,Microbiology,1981,pp.408−11. 4. Rosen et al.,Mol.Gen.Genet.179,1980,pp.527−3
7. 5. Light and Molin,Mol.Gen.Genet.184,1981,pp.56−
61. 6. Stougaard et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA78,198
1,pp.6008−12. 7. Molin et al.,Mol.Gen.Genet.181,1981,pp.123−3
0. 8. Stougaard et al.,the EMBO Jouranl 1,1982,pp.32
3−28. 9. Sussman and Jacob,Compt.Rend.Acad.Sci.254,196
2,p.1517. 10. Sninsky et al.,Gene 16,1981,p.275. 11. Uhlin et al.,Gene 6,1979,pp.91−106. 12. J.Miller:Experiments in Molecular Genetics,Co
ld Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New
York,1972. 13. Davis,Botstein and Roth:A Manual for Genetic
Engineering;Advanced Bacterial Genetics,Cold Sprin
g Harbor,New York,1980. 14. Bertani,J.Bact.62,1954,p,293. 15. Bolivar et al.,Gene 2,1977,p.95. 16. An&Friesen,J.Bact.140,1979,pp.400−407. 17. Casadaban et al.Bact.143,1980,p.971. 18. Dempsey&Willetts,J.Bact.126,1976,p.166. 19. Nordstrm,Molin,Aagaard−Hansen,Plasmid 4,19
80,pp.215−17. 20. Stougaard&Molin,Anal.Biochem.118,198,p.191. 21. Nordstrm et al.,Plasmid 4,1980,p.322. 22. Valentin−Hansen et al.,the EMBO Journal 1,19
82,p.317. 23. Messing et al.,Nucleic Acids Res.9,1981,p.30
9. 24. Uhlin&Clark,J.Bact.148,1981,pp.386−90.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 微生物の受託番号 DSM 2469 微生物の受託番号 DSM 2470 微生物の受託番号 DSM 2471 微生物の受託番号 DSM 2472 微生物の受託番号 DSM 2473 微生物の受託番号 DSM 2474 微生物の受託番号 DSM 2481 微生物の受託番号 DSM 2482 微生物の受託番号 DSM 2757 微生物の受託番号 DSM 2758 微生物の受託番号 DSM 2945 微生物の受託番号 DSM 2946 微生物の受託番号 DSM 2718 微生物の受託番号 DSM 2759 微生物の受託番号 DSM 2483 (56)参考文献 特表 昭55−500557(JP,A) Gene Vol.16(1981)P.275 〜286

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複製のためにプロモーターからの転写を要
    するプラスミドであって、プロモーターからの転写がプ
    ラスミドの複製を調節し、プロモーターからの転写が増
    大することによって、宿主細胞成育割合より高いプラス
    ミド複製割合を示して通常4〜5細胞倍化後25〜1000フ
    ァクターで増大するコピー数を示すように、複製開始点
    の上流側に位置しこの複製開始点から開始されるプラス
    ミドの複製に関与できる方向で挿入された調節可能なプ
    ロモーターを有するプラスミド。
  2. 【請求項2】プロモーターが、そのプロモーターの部位
    内の特定のDNA構造によって先天的に調節可能なプロモ
    ーターである請求の範囲第1項のプラスミド。
  3. 【請求項3】プロモーターが調節因子によって制御可能
    である請求の範囲第1項のプラスミド。
  4. 【請求項4】調節因子が正の制御を行う調節因子である
    請求の範囲第3項のプラスミド。
  5. 【請求項5】調節因子が負の制御を行う調節因子である
    請求の範囲第3項のプラスミド。
  6. 【請求項6】調節可能なプロモーターからの増大された
    転写によって、宿主細胞成育割合より高いプラスミド複
    製割合を示して通常4〜5細胞倍化後25〜1000のファク
    ターで増大するコピー数を示すに至ることが、該プロモ
    ーターの制御解除によって起こる請求の範囲第1項のプ
    ラスミド。
  7. 【請求項7】プロモーターが化学的に調節可能なプロモ
    ーターである請求の範囲第1〜6項のいずれか1つによ
    るプラスミド。
  8. 【請求項8】プロモーターがlacプロモーター、trpプロ
    モーター又はdeoプロモーターである請求の範囲第7項
    のプラスミド。
  9. 【請求項9】プロモーターの活性が温度依存性であるか
    又は温度感受性調節因子によって制御される請求の範囲
    第1〜6項のいずれか1つによるプラスミド。
  10. 【請求項10】プロモーターがλプロモーターであり、
    該プロモーターからの転写を制御する温度感受性λcIリ
    プレツサーのための遺伝子も存在する請求の範囲第9項
    のプラスミド。
  11. 【請求項11】λプロモーターがλPR又はλPLである請
    求の範囲第10項のプラスミド。
  12. 【請求項12】λプロモーターがλPRである請求の範囲
    第11項のプラスミド。
  13. 【請求項13】調節可能なプロモーターからの転写が、
    プラスミドに、低温では一定の低いコピー数を示させ、
    より高い温度では実質的に増大されるかもしくは制御さ
    れないコピー数を示させる請求の範囲第1〜12項のいず
    れか1つによるプラスミド。
  14. 【請求項14】調節可能なプロモーターからの転写が、
    プラスミドに、約30℃の温度で一定の低いコピー数を示
    させ、約36−42℃の範囲の温度で実質的に増大されたコ
    ピー数を示させる請求の範囲第13項のプラスミド。
  15. 【請求項15】約39℃の温度以上の温度で制御されない
    プラスミドコピー数を示す請求の範囲第14項のプラスミ
    ド。
  16. 【請求項16】ひとつの本来もっている複製調節遺伝子
    の一部が除去され調節可能なプロモーターで置換された
    請求の範囲第1〜15項のいずれか1つによるプラスミ
    ド。
  17. 【請求項17】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低いプロスミドコピー数を保証する条件下で培養される
    際には、20−40コピー/細胞、好ましくは20−30コピー
    /細胞、及び特に20−25コビー/細胞の範囲のコピー数
    を有し、その宿主微生物がプラスミドコピー数の実質的
    に増大されるかもしくは制御されなくなるに至る異なる
    条件下で培養される際には、少なくとも約500−1000コ
    ピー/細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第16項
    のプラスミド。
  18. 【請求項18】約30℃のごときひとつの温度において、
    約20−40コピー/細胞、好ましくは20−30コピー/細
    胞、及び特に20−25コピー/細胞の範囲のプラスミドコ
    ピー数を有し、約42℃の温度のごときより高い温度にお
    いて、少なくとも約500〜1000コピー/細胞の範囲の制
    御されないプラスミドコピー数を有する請求の範囲第17
    項のプラスミド。
  19. 【請求項19】copB遺伝子が除去され調節可能なプロモ
    ーターによって置換されたR1型プラスミドである請求の
    範囲第16〜18項のいずれか1つによるプラスミド。
  20. 【請求項20】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低いプラスミドコピー数を保証する条件下で培養される
    際には約3−5コピー/細胞の範囲のコピー数を有し、
    その宿主微生物がプラスミドコピー数の実質的に増大さ
    れるかもしくは制御されなくなるに至る異なる条件下で
    培養される際には少なくとも約500〜1000コピー/細胞
    の範囲のコピー数を有する請求の範囲第1〜15項のいず
    れか1つによるプラスミド。
  21. 【請求項21】約30℃の温度ごときひとつの温度で約3
    −5コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を有し、
    約42℃の温度のごときより高い温度で少なくとも約500
    〜1000コピー/細胞の範囲の制御されないプラスミドコ
    ピー数を有する請求の範囲第20項のプラスミド。
  22. 【請求項22】調節可能なプロモーターが、プラスミド
    の本来もっているひとつ又は複数の複製制御遺伝子の上
    流側に挿入された請求の範囲第1〜第15項のいずれか1
    つによるプラスミド。
  23. 【請求項23】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低いプラスミドコピー数を保証する条件下で培養される
    際には約3−5コピー/細胞の範囲のコピー数を有し、
    その宿主微生物が、プラスミドコピー数の実質的に増大
    されるかもしくは制御されなくなるに至る異なる条件下
    で培養される際には少なくとも約500〜1000コピー/細
    胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第22項のプラス
    ミド。
  24. 【請求項24】約30℃の温度のごときひとつの温度で約
    3−5コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を有
    し、約42℃の温度のごときより高い温度で少なくとも約
    500〜1000コピー数/細胞の範囲の制御されないプラス
    ミドコピー数を有する請求の範囲第23項のプラスミド。
  25. 【請求項25】調節可能なプロモーターが、copB遺伝子
    とcopA遺伝子の上流側に挿入されたR1型プラスミドであ
    る請求の範囲第22〜24項のいずれか1つによるプラスミ
    ド。
  26. 【請求項26】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低いプラスミドコピー数を保証する条件下で培養される
    際には約0.5−1コピー/細胞の範囲のコピー数を有
    し、その宿主微生物が、プラスミドコピー数の実質的に
    増大されるかもしくは抑制されなくなるに至る異なる条
    件下で培養される際には少なくとも約500〜1000コピー
    /細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第1〜15項
    のいずれか1つによるプラスミド。
  27. 【請求項27】約30℃の温度のごときひとつの温度で約
    0.5−1コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を有
    し、約42℃の温度のごときより高い温度で少なくとも約
    500〜1000コピー数/細胞の範囲の制御されないプラス
    ミドコピー数を有する請求の範囲第26項のプラスミド。
  28. 【請求項28】本来もっているひとつの複製調節遺伝子
    の一部が除去された複製部位に調節可能なプロモーター
    を有し、その本来もっている複製調節遺伝子がその本来
    位置していない部位に挿入された請求の範囲第1〜15項
    のいずれか1つによるプラスミド。
  29. 【請求項29】プラスミドを有する宿主微生物が一定の
    低いプラスミドコピー数を保証する条件下で培養される
    際には約0.5−1コピー/細胞の範囲のコピー数を有
    し、その宿主微生物がプラスミドコピー数の実質的に増
    大されるかもしくは制御されなくなるに至る異なる条件
    下で培養される際には少なくとも約500〜1000コピー/
    細胞の範囲のコピー数を有する請求の範囲第28項のプラ
    スミド。
  30. 【請求項30】約30℃の温度ごときひとつの温度で約0.
    5−1コピー/細胞の範囲のプラスミドコピー数を有
    し、約42℃の温度のごときより高い温度で少なくとも約
    500〜1000コピー数/細胞の範囲の制御されないプラス
    ミドコピー数を有する請求の範囲第29項のプラスミド。
  31. 【請求項31】copB遺伝子がそのプラスミドの複製部位
    以外のEcoRI座位に挿入されたR1型プラスミドである請
    求の範囲第28〜30項のいずれか1つによるプラスミド。
  32. 【請求項32】複製部位からの転写を調節する第1の調
    節可能なプロモーターに加えて、第2プロモーターが、
    このプロモーターによってその発現が制御される構造遺
    伝子を挿入できるしかたで挿入された請求の範囲第1〜
    31項のいずれか1つによるプラスミド。
  33. 【請求項33】遺伝子の発現を調節する第2プロモータ
    ーが制御可能である請求の範囲第32項のプラスミド。
  34. 【請求項34】構造遺伝子の発現を制御する前記第2の
    挿入されたプロモーターがλPLプロモーターである請求
    の範囲第32項又は第33項のプラスミド。
  35. 【請求項35】約30℃で一定の低いプラスミドコピー数
    を有しかつ遺伝子発現がごく少ないか全くなく、約36−
    42℃の範囲の温度でプラスミドコピー数が実質的に増大
    されるか又は制御されずかつ遺伝子発現を行う請求の範
    囲第32〜34項のいずれか1つによるプラスミド。
  36. 【請求項36】39℃の温度以上の温度で制御されないプ
    ラスミドコピー数と非常に高い遺伝子発現を有する請求
    の範囲第35項のプラスミド。
  37. 【請求項37】プラスミドを有する細胞の同定及び/又
    は選択のために有用なマーカーを有する請求の範囲第1
    〜36項のいずれか1つによるプラスミド。
  38. 【請求項38】マーカーが宿主微生物に抗生物質耐性を
    伝達する遺伝子である請求の範囲第37項のプラスミド。
  39. 【請求項39】もうひとつの遺伝子の挿入に際し、その
    融合から発現の検出ができる遺伝子融合を許容する遺伝
    子を有する請求の範囲第1〜38項のいずれか1つによる
    プラスミド。
  40. 【請求項40】プラスミドがミニプラスミドであること
    を特徴とする請求の範囲第1〜39項のいずれか1つによ
    るプラスミド。
  41. 【請求項41】プラスミドに本来関係のない単一もしく
    は複数の遺伝子を追加して有する請求の範囲第1〜40項
    のいずれか1つによるプラスミド。
  42. 【請求項42】複製のためにプロモーターからの転写を
    要するプラスミドであって、プロモーターからの転写が
    プラスミドの複製を調節し、プロモーターからの転写が
    増大することによって、宿主細胞成育割合より高いプラ
    スミド複製割合を示して通常4〜5細胞倍化後25〜1000
    のファクターで増大するコピー数を示すように、複製開
    始点の上流側に位置しこの複製開始点から開始されるプ
    ラスミドの複製に関与できる方向で挿入された調節可能
    なプロモーターを有するプラスミドが挿入された細菌。
  43. 【請求項43】グラム陰性で中温性の細菌である請求の
    範囲第42項の細菌。
  44. 【請求項44】エシエリヒア・コリである請求の範囲第
    43項の細菌。
  45. 【請求項45】調節可能なプロモーターを、プラスミド
    に、該プロモーターからの転写がプラスミドの複製を調
    節し、該プロモーターからの転写が増大することによっ
    て、宿主細胞成育割合より高いプラスミド複製割合を示
    して通常4〜5細胞倍化後25〜1000のファクターで増大
    するコピー数を示すように、複製開始点の上流側に位置
    しこの複製開始点から開始されるプラスミドの複製に関
    与できる方向で挿入し、増大されたコピー数を示すプラ
    スミドをスクリーニングすることによって、上記のよう
    に処理されたプラスミドを同定することからなる、 複製のためにプロモーターからの転写を要するプラスミ
    ドであって、プロモーターからの転写がプラスミドの複
    製を調節し、プロモーターからの転写が増大することに
    よって、宿主細胞成育割合より高いプラスミド複製割合
    を示して通常4〜5細胞倍化後25〜1000のファクターで
    増大するコピー数を示すように、複製開始点の上流側に
    位置しこの複製開始点から開始されるプラスミドの複製
    に関与できる方向で挿入された調節可能なプロモーター
    を有するプラスミドの構築方法。
  46. 【請求項46】本来もっているひとつの複製調節遺伝子
    の一部を除去し、この部分的に除去された本来もってい
    る複製調節遺伝子の座位に調節可能なプロモーターを有
    するDNAフラグメントを挿入することからなる請求の範
    囲第45項の方法。
  47. 【請求項47】制限エンドヌクレアーゼBgl IIで切断す
    ることによってプラスミドからcopB遺伝子を除去し、こ
    の座位に調節されたプロモーターを有するBgl IIフラグ
    メントを挿入することからなる請求の範囲第46項の方
    法。
  48. 【請求項48】調節可能なプロモーターをプラスミド
    に、本来もっている複製制御の単一もしくは複数の遺伝
    子の上流側で挿入することからなる請求の範囲第45項の
    方法。
  49. 【請求項49】copB遺伝子とcopA遺伝子の上流側のBgl
    II座位に調節可能なプロモーターを挿入することからな
    る請求の範囲第48項の方法。
  50. 【請求項50】出発原料として、部分的に除去された本
    来もっている複製調節遺伝子を有するプラスミドを用
    い、その本来もっている複製調節遺伝子をそのもとの座
    位に再挿入して、本来もっている複数の複製制御遺伝子
    すべてが存在するプラスミドを構築することからなる請
    求の範囲第45項の方法。
  51. 【請求項51】出発物質として部分的に除去されたcopB
    遺伝子を有するプラスミドを用い、このcopB遺伝子をBg
    l II座位に再挿入して、cobB遺伝子とcopA遺伝子の両方
    が存在するプラスミドを構築することからなる請求の範
    囲第50項の方法。
  52. 【請求項52】出発物質として部分的に除去された本来
    もっている複製調節遺伝子を有するプラスミドを用い、
    それが本来位置していないプラスミドの部位にひとつの
    本来もっている複製調節遺伝子を挿入することからなる
    請求の範囲第45項の方法。
  53. 【請求項53】出発物質として部分的に除去されたcopB
    遺伝子を有するプラスミドを用い、このcopB遺伝子をプ
    ラスミドの複製部位以外のEcoR I座位に挿入することか
    らなる請求の範囲第52項の方法。
  54. 【請求項54】プラスミドを有する細胞の同定及び/又
    は選択に有用なマーカーを有するDNAフラグメントを挿
    入することからなる、 複製のためにプロモーターからの転写を要するプラスミ
    ドであって、プロモーターからの転写がプラスミドの複
    製を調節し、プロモーターからの転写が増大することに
    よって、宿主細胞成育割合より高いプラスミド複製割合
    を示して通常4〜5細胞倍化後25〜1000のファクターで
    増大するコピー数を示すように、複製開始点の上流側に
    位置しこの複製開始点から開始されるプラスミドの複製
    に関与できる方向で挿入された調節可能なプロモーター
    を有するプラスミドの製造方法。
  55. 【請求項55】マーカーが宿主微生物に抗生物質耐性を
    伝達する遺伝子である請求の範囲第54項の方法。
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