JP2604324Y2 - バルコニーの囲い構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建物の外壁から突出し
て設けられたバルコニーの周縁部を覆う囲い構造に関
し、特に、好適な採光性および通風性を有するバルコニ
ーの囲い構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】建物における２階等の外壁から突出して
設けられたバルコニーの周縁部には、落下防止のため
に、囲いが設けられている。バルコニーの囲いは、通
常、鉛直状態あるいは水平状態で狭い間隔をあけて設け
られた柵、建物外壁と同様の材質の外壁パネルを使用し
たり、曇りガラス等が使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】バルコニーの周縁部の
囲いが、鉛直状態あるいは水平状態になった柵によって
構成されている場合には、採光性および通風性がよく、
隣家等からバルコニーや建物の内部が目視されたり、風
の影響を受けやすいという問題がある。これに対して、
バルコニーの周縁部を外壁パネルや曇りガラスを使用す
る場合には、採光性および通風性が悪くなる。

【０００４】本考案は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、適度な採光性および通風性を有し
ており、しかも、隣家等からの目視も適度に遮断し得る
バルコニーの囲い構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のバルコニーの囲
い構造は、建物の外壁から突出して設けられたバルコニ
ーの外周縁部に適当な間隔をあけて立設された控え柱
と、各控え柱をそれぞれ取り囲むとともに、バルコニー
の外側に向かって開口して凹部が上下方向に沿って設け
られた本柱とをそれぞれ有する複数の支柱と、隣接する
両支柱の間を覆うように垂直に配置されて、各支柱の凹
部内に、両側の側縁部がそれぞれ嵌入された状態で、凹
部内面に対してボルトによってそれぞれ取り付けられた
１枚のパンチングメタル製のフェンスと、このフェンス
の上側縁に沿って設けられたカバーケースと、このカバ
ーケースに、水平方向に適当な間隔をあけて立設された
複数の笠木用支柱と、各笠木用支柱によって水平に支持
された笠木と、を有することを特徴とする。

【０００６】

【作用】本考案のバルコニーの囲い構造では、バルコニ
ーの周縁部がパンチングメタル製のフェンスによって覆
われており、パンチングメタルの各透孔から適度にバル
コニー内部に採光されるとともに通風される。また、外
部からもバルコニー内部が適度に目隠しされた状態にな
る。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本考案のバルコニーの囲い構造の一例を
示す側面図、図２はその平断面図である。本考案のバル
コニーの囲い構造は、２階の外壁から長方形状に突出す
るバルコニー１０の外周縁部に、適当なピッチで立設さ
れた複数の支柱２０と、各支柱２０の間を覆うパンチン
グメタル製のフェンス３０とを有している。

【０００８】本実施例では、各支柱２０は、バルコニー
１０における建物の外壁に近接した位置と、バルコニー
２０における外側の各角部から適当な間隔をあけた位置
とにそれぞれ立設されており、必要に応じて、バルコニ
ー１０の外側の周縁部に沿って適当なピッチで立設され
る。

【０００９】各支柱２０は、バルコニー１０に立設され
た控え柱２１と、この控え柱２１を取り囲む中空の本柱
２２とを有している。本柱２２は、外側面の中央部に内
方に方形状に窪んだ凹部２２ａが、上下方向に沿って形
成されている。従って、各凹部２２ａは、バルコニーの
外側に向かって、それぞれ、開口している。

【００１０】各支柱２０の間は、それぞれ１枚のパンチ
ングメタル製のフェンス３０によって覆われている。建
物外壁に近接した支柱２０と、バルコニー１０の角部か
ら適当な距離をあけて配置された支柱２０との間を覆う
フェンス３０は、一方の側縁部がその支柱２１における
凹部２２ａ内に嵌入するように屈曲されて、ボルト３１
によってその支柱にネジ止めされている。このフェンス
３０は、バルコニー１０の幅方向に延びる外側縁に沿っ
ており、そのバルコニー１０外側縁が連続する外側の角
部に沿って屈曲されて、バルコニー１０の長手方向に沿
って延びる外側縁に沿っている。そして、バルコニー１
０の角部から適当な距離をあけて配置された支柱２０に
おける本柱２２の凹部２２ａ内に嵌入するように屈曲さ
れて、ボルト３１によって本柱２２にネジ止めされてい
る。他の支柱２０に対するフェンス３０の側縁部の取り
付けも同様になっている。

【００１１】パンチングメタル製のフェンス３０は、採
光性および通風性を考慮して、適当な開口率になってい
る。

【００１２】図３は、各支柱２０間の縦断面図である。
各支柱２０の上端部間には、取り付けプレート４０が架
設されている。この取り付けプレート４０は、断面が偏
平な長方形状をした中空の箱状になっており、上面が外
側および内側の各側縁部を除いて開放されて開口部４１
が形成されている。取り付けプレート４０における各端
部は、支柱２０における本柱２２に、この本柱２２の内
側から挿入されるボルト２４（図２参照）によって連結
されている。これにより、取り付けプレート４０が各支
柱２０の本柱２２間に水平状態で架設されている。

【００１３】取り付けプレート４０における開口部４１
の各側縁部には上方へと延出するリブ４２がそれぞれ設
けられている。各支柱２０間に設けられたフェンス３０
の上側縁部は、取り付けプレート４０の上面における外
側縁部に沿って内方へと屈曲されてボルト３２によって
ネジ止めされている。

【００１４】取り付けプレート４０の上方には、この取
り付けプレート４０に沿ったカバーケース５０が配置さ
れている。このカバーケース５０は、断面が偏平な長方
形状をした中空の箱状をしており、バルコニー１０にお
ける外側の側縁部の全周にわたって設けられた各支柱２
０およびフェンス３０全体を覆った状態になっている。
カバーケース４０の上面は凹凸のない平坦面になってお
り、底面は、取り付けプレート４０における各リブ４２
が嵌合するように凹状に窪んだ溝部５１が、長手方向に
沿って連続的に設けられている。

【００１５】このカバーケース５０は、全体を一体に形
成してもよいが、複数の部材を相互に突き合わせて接合
することにより形成してもよい。この場合には、各接合
部は支柱２０の上方に位置しないように配置される。

【００１６】カバーケース５０には、各支柱２０の位置
に対応して、上方へと鉛直状態で延出する笠木用支柱６
１が、一対のボルト６２によって取り付けられている。
そして、各笠木用支柱６１の上端に、カバーケース５０
に沿った断面楕円形状の笠木６３が水平状態で支持され
ている。

【００１７】このような構成のバルコニー１０の囲い構
造では、各支柱２０の間のパンチングメタル製のフェン
ス３０が各ボルト３１およ３２によって取り付けられて
いるために、施工がきわめて容易である。バルコニー１
０の内部は、パンチング製のフェンス３０の各透孔を通
して採光されるとともに通風される。フェンス３０の各
透孔以外の部分は、外部からの目視を遮断している。

【００１８】

【考案の効果】本考案バルコニーの囲い構造では、パン
チングメタル製のフェンスが使用されているために、適
度な採光性および通風性が得られる。しかも、半透明な
状態になっているために、解放感と、隣家や道路からの
適当な目隠しとの調和が取れた状態になっており、さら
には、外観的にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の囲い構造を有するバルコニーの一例を
示す側面図である。

【図２】その囲い構造の要部の平断面図である。

【図３】本考案のバルコニーの囲い構造の上部横断面図
である。

【符号の説明】

１０ バルコニー ２０ 支柱 ２１ 控え柱 ２２ 本柱 ３０ フェンス ４０ 取り付けプレート ５０ カバーケース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04B 1/00 501 E04F 11/18 E04H 17/16 104

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の外壁から突出して設けられたバル
   コニーの外周縁部に適当な間隔をあけて立設された控え
   柱と、各控え柱をそれぞれ取り囲むとともに、バルコニ
   ーの外側に向かって開口して凹部が上下方向に沿って設
   けられた本柱とをそれぞれ有する複数の支柱と、 隣接する両支柱の間を覆うように垂直に配置されて、各
   支柱の凹部内に、両側の側縁部がそれぞれ嵌入された状
   態で、凹部内面に対してボルトによってそれぞれ取り付
   けられた１枚のパンチングメタル製のフェンスと、 このフェンスの上側縁に沿って設けられたカバーケース
   と、このカバーケースに、 水平方向に適当な間隔をあけて立
   設された複数の笠木用支柱と、 各笠木用支柱によって水平に支持された笠木と、 を有することを特徴とするバルコニーの囲い構造。