JP2603641B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JP2603641B2
JP2603641B2 JP62178727A JP17872787A JP2603641B2 JP 2603641 B2 JP2603641 B2 JP 2603641B2 JP 62178727 A JP62178727 A JP 62178727A JP 17872787 A JP17872787 A JP 17872787A JP 2603641 B2 JP2603641 B2 JP 2603641B2
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
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    • G03F7/023Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders
    • G03F7/0233Macromolecular quinonediazides; Macromolecular additives, e.g. binders characterised by the polymeric binders or the macromolecular additives other than the macromolecular quinonediazides

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は感光性平版印刷版に関し、更に詳しくは、o
−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと特定の構
造単位を有する樹脂とを組み合せた感光層を有するポジ
型に適した感光性平版印刷版に関する。
[従来の技術] ポジ型感光性平版印刷版とは一般に、親水性支持体上
に露光により可溶化するインキ受容性感光層を形成した
ものである。この感光層に画像露光を行ない現像する
と、画線部を残して、非画線部は除去されるので、画像
が形成される。印刷においては、画像部が親油性で非画
像部が親水性であるという性質上の差が利用される。
一般に平版印刷版には、耐刷力、耐薬品性、現像ラチ
チュード、インキ受容性、感度等が必要であるが、特に
ポジ型の場合には、良好な耐薬品性、耐刷力、現像ラチ
チュードが望まれている。ここで耐薬品性とは、印刷時
に使われる種々の薬品、例えばイソプロピルアルコー
ル、インキ、整面液、プレートクリーナー等に対する適
性である。
感光層としては、o−ナフトキノンジアジド化合物が
広く使用されているが、それ自体は高分子化合物ではな
いので、ノボラック樹脂等と混合したり、あるいは縮合
反応させたりして、機械的強度の向上が図られている。
樹脂が結合したo−ナフトキノンジアジド化合物の例と
して、特公昭43−28403号はピロガロールとアセトンと
の重縮合樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステルを開示している。しかしこれは比較的良好な性能
を示すものの、バインダーとして通常のノボラック樹
脂、例えばm−クレゾールノボラック樹脂を使用した場
合は、特にUVインキを使用すると耐刷力が不足するとい
う欠点を有する。
そのため、耐刷力、耐薬品性等の上記諸特性を一層向
上するために、種々の感光体およびバインダーを含有す
る感光性組成物が提案された。
特開昭55−76346号に開示された感光性組成物は、レ
ゾルシノール又はその誘導体とピロガロールとアセトン
との共縮合重合により得られたポリヒドロキシフェニル
化合物と、ハロゲノスルホニル基を有するo−キノンジ
アジド化合物とを縮合させて得られる感光性樹脂と、バ
インダーとしてフェノール・ホルムアルデヒド樹脂等ア
ルカリ可溶性樹脂とを含有する。また特公昭56−54621
号に開示された感光性組成物は、o−キノンジアジド化
合物感光体と、フェノールとm−,p−混合クレゾールと
アルデヒドとを共縮合させてなる樹脂のバインダーとを
含有する。しかし、これらの感光性組成物においては、
依然バインダーとしていわゆるノボラック樹脂が使用さ
れているために、画像部の感光層の皮膜強度が低く、耐
刷力が劣るという欠点があった。
そこで、耐刷力を向上させる方法として露光、現像
後、高温で加熱処理する方法(バーニング処理と呼ばれ
る)が一般に用いられている。ところがバーニング処理
を行なうと、加熱時に画像部の感光層より樹脂モノマー
成分が非画像部等に付着したりして、印刷時に地汚れを
発生しやすくなるという問題がある。
一方、特公昭52−28401号に開示の感光性組成物は、
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸誘導体からなる感
光性付与剤と下記一般式 (式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基またはカル
ボン酸基であり、R3は水素原子、ハロゲン原子またはア
ルキル基、R4は水素原子、アルキル基、フェニル基また
はアラルキル基であり、Xは窒素原子と芳香族環炭素原
子とを連結する2価の有機基、nは0または1、Yは置
換基を有してもよいフェニレン基または置換基を有して
もよいナフチレン基をあらわす。) により表わされる構造単位を有するアクリル系高分子化
合物からなるバインダーとを含有する。この感光性組成
物はバインダーとしてノボラック樹脂の代わりに上記構
造単位を有する高分子化合物を使用しているので、良好
な感光層皮膜強度及び耐刷性を有する。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、特公昭52−28401号の感光性組成物か
らなる感光層を有するポジ型感光性平版印刷版は、通常
の印刷では比較的良好な耐刷力と薬品性を示すにもかか
わらず、UV印刷においては依然不十分であることがわか
った。
ここでUV印刷とは紫外線吸収剤を含むインキ(UVイン
キ)を用いて行なう印刷をいう。UV印刷に適さない理由
は、UV印刷に使用されるインキや薬剤に対して感光層の
耐薬品性が低いことにあることがわかった。
そこで、本発明者は、先に上記アクリル系バインダー
と、感光体として多価フェノールとアルデヒド又はケト
ンとの重縮合樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン
酸エステルとを組み合せることにより現像ラチチュード
と、UVインキ適性が改良された感光性組成物を提案した
(特願昭61−121179号)。
本発明者らは、更に検討を行ったところ、現像後、中
間調部分に赤味が発生するといった現像が起こる事がわ
かった。また、より一層の高耐刷力を必要とする場合、
バーニング処理を行うがその際汚れが発生する事がわか
った。
本発明者らの検討によれば、この中間調部分の赤味発
生は、上記アクリル系バインダー合成の際の残留モノマ
ー、特に、下記の構造式〔II〕で表わされるようなモノ
マーがo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル
と、カップリング反応を起こすためと考えられた。
(式中、R1,R2,R3,R4,X,Yおよびnは前記式〔I〕と同
義。) また、この様な残留モノマーの存在により、感光層の
有機溶剤に対する溶解性が高まるためにボールペン適性
を低下させることが考えられた。
そこで、本発明者らは、かかる問題のない感光層につ
いて種々検討を重ねた。なおボールペン適性とは以下の
ことを指す。感光性平版印刷版に複数のフィルム原稿を
位置を変えて次々と焼付けする所謂多面焼付けを行なう
際、フィルム原稿間の位置合せのため、原稿の位置を感
光層にマークすることがある。この際、マークする筆記
具には通常油性ボールペンが用いられているが、ボール
ペンのインキの溶剤が、有機溶媒、特にグリコール系等
の高沸点溶媒の場合、そのインキによって感光性平版印
刷版の感光性組成物からなる感光層が侵食され、溶解し
てしまう。マークした個所が画像部である場合、このま
ま現像処理すると画像部のマーク跡の感光層が除去され
て、このマーク跡が印刷時に印刷物に再現されてしまう
という支障が生じることがある。このため、ボールペン
のインキに対して侵食されにくい性質をボールペン適性
と呼び、このような適性を有する感光性組成物が望まれ
ている。
即ち、本発明の目的は、耐薬品性が極めて良好で、バ
ーニング処理を行なわなくともUVインキ印刷も可能な、
耐刷力に優れたポジ型感光性平版印刷版を提供すること
である。
また別の目的は、現像後の中間調赤味残りがなく、バ
ーニング処理によっても汚れの生じないポジ型感光性平
版印刷版を提供することにある。
更に別の目的はボールペン適性が良好なポジ型感光性
平版印刷版を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、上記従来の感光性組成物の欠点につき
鋭意検討を行なった結果、バインダー中の残留モノマ
ー、特に前記式〔II〕で表わされる残留モノマーの量を
10重量%以下とすることにより所期の目的が達成される
ことを知得し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性平版印刷版は、 (A)o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル
と、 (B)下記一般式〔I〕により表わされる構造単位を有
し、且つ、残留モノマーが10重量%以下である高分子化
合物、 (式中、R1およびR2は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基またはカルボン酸基であり、R3は水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であ
り、R4は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基であり、Yは置換基を有してもよい芳香族基で
あり、Xは窒素原子と前記芳香族基の炭素原子とを連結
する2価の有機基であり、nは0〜5の整数である。) とを含有する感光層を支持体上に有することを特徴とす
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の(A)に使用されるo−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステルは、フェノール類とケトン又はア
ルデヒドの重縮合樹脂またはポリヒドロキシベンゾフェ
ノンとo−ナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステ
ル化合物が好ましいが、本発明の効果が得られれば、こ
れに限られるものではない。
前者において、フェノール類としては、フェノール、
クレゾール、カテコール、(メチル)レゾルシン、ヒド
ロキノン、ピロガロール、フロログルシン等が好ましく
用いられる。また、より好ましくはピロガロールであ
る。ケトン又はアルデヒドとしては、アセトン、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ク
ロトンアルデヒド等が好ましく用いられ、より好ましく
はアセトンである。
フェノール類とケトン又はアルデヒドの重縮合樹脂の
合成法としては、一般に公知の方法が適用され、フェノ
ール類をケトン又はアルデヒド類又は必要に応じて適当
な溶媒に溶解させ、塩酸、オキシ塩化リン、蓚酸等の適
当な酸の存在化で重縮合を起こさせ重縮合体を得る。重
縮合条件としては、公知の方法に比較し、重合初期から
高温にて重縮合反応をする合成法が好ましく用いられ
る。例えば触媒である、塩酸、硫酸、蓚酸、オキシ塩化
リン等の酸をフェノール類とケトン又はアルデヒド化合
物、必要に応じて使用する溶媒、例えば、ジオキサン、
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水の混
合物中に滴下すると同時に還流の定常状態にもってゆく
処方が好ましく用いられる。
これらの方法で得る上記フェノール系高分子化合物の
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(以下GPCと略記する)法による(ポリスチレン標準)
数平均分子量Mnでは3.00×102〜2.00×103、重量平均分
子量MWでは5.00×102〜4.00×103が用いられ、より好ま
しくはMnが4.00×102〜1.50×103、MWが7.00×102〜3.0
0×103、更に好ましくはMn5.00×102〜1.10×103、MW
8.00×102〜2.00×103である。
これらの適度の現像性、耐処理薬品性の両方を満足で
きるフェノール類の重縮合体の好ましい例は、上記分子
量範囲のレゾルシンベンズアルデヒド樹脂、メチルレゾ
ルシンベンズアルデヒド、ピロガロール・アセトン樹脂
であり、より好ましくはピロガロール・アセトン樹脂で
ある。
これらフェノール類の重縮合体のo−ナフトキノンジ
アジドスルホン酸エステルはつぎに示す合成法により得
られる。
フェノール類の重縮合体を適当な溶媒、例えばジオキ
サン等に溶解させてこれにo−ナフトキノンジアジドス
ルホニルクロライドを投入し、炭酸アルカリを当量点ま
で滴下することによりエステル化し、合成される。
このエステル化体のOH基に対するo−ナフトキノンジ
アジドスルホニルクロライドの実質縮合率は(OH基1個
に対する割合)10〜50%が好ましく、より好ましくは10
〜40%であり、更に好ましくは15〜35%である。縮合率
が高すぎると分子量にかかわらず、消去性が不良とな
り、低すぎるとオーバー現像性が不良となり画線部の損
失を招きやすい。
このエステル化体の分子量は、OH基の縮合率により若
干変動するが、概してOH基の実質縮合率10%から50%の
エステル化体については、Mnが5.00×102〜3.60×103
MWが7.00×102〜5.80×103が好ましく、より好ましくは
Mnが6.00×102〜2.40×103で、MWが9.00×102〜4.00×1
03である。更に好ましくはMnが7.00×102〜2.10×103
MWが1.00×103〜3.60×103である。
MnおよびMWが大きすぎるフェノール類の重縮合体のo
−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを使用した
場合には、アンダー現像性が不良となり地汚れが発生し
やすくなる上に消去性が不良となる。一方、MnおよびMW
が小さすぎるフェノール類の重縮合体のo−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステルを使用した場合にはオー
バー現像性が不良となり画像部の消失を招き、また画像
部の耐処理薬品性が悪くなる傾向にあり、好ましくな
い。
このエステル化体の感光層中における含有量は、その
種類によっても異なるが、概して5〜40重量%が好まし
く、より好ましくは10〜30重量%である。
本発明の(A)o−ナフトキノンジアジドスルホン酸
エステルに使用するポリヒドロキシベンゾフェノンとし
ては、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベ
ンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペン
タヒドロキシベンゾフェノン、オクタヒドロキシベンゾ
フェノン、またはその誘導体、例えばハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボン酸基の
置換体等が挙げられる。好ましくはトリヒドロキシベン
ゾフェノンまたはテトラヒドロキシベンゾフェノンであ
り、より好ましくは2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンが
挙げられる。
又、反応させるo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
成分の例としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−5−スルホニルクロライド、1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド−4−スルホニルクロライドや1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−6−スルホニルクロライド等が
挙げられる。
このポリヒドロキシベンゾフェノンのo−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステルは、炭酸アルカリまたは
トリエチルアミン等を触媒にして、公知の方法で合成さ
れる。
このエステル化体の実質縮合率(フェノールのOH基1
個に対するo−ナフトキノンジアジドスルホニルクロラ
イドの割合)は30〜100%が好ましく、より好ましくは4
0〜99%、更に好ましくは50〜88%である。縮合率が低
すぎる場合、ボールペン適性が低下する。
上記(A)としてポリヒドロキシベンゾフェノンのエ
ステル化体を用いる場合は感光性組成物中、好ましくは
5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%の範囲で使
用する。
また、感光体としてポリヒドロキシベンゾフェノンの
エステル化体以外のものを、本発明の効果を損なわない
程度に、必要に応じて添加することは勿論可能であり、
具体的には分子量が夫々500〜5000程度のピロガロール
・アセトン樹脂のエステル化物、レゾルシン−ベンズア
ルデヒド樹脂のエステル化物、クレゾール樹脂のエステ
ル化物等の公知のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
エステルを併用する場合は感光性組成物中50重量%以下
の範囲で併用することが好ましい。
また、本発明の(B)で示される高分子化合物は、下
記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基またはカルボン酸基であり、R3は水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であ
り、R4は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基であり、Yは置換基を有してもよい芳香族基で
あり、Xは窒素原子と前記芳香族基の炭素原子とを連結
する2価の有機基であり、nは0〜5の整数である。) により表わされる構造単位を有し且つ、残留モノマー量
が10重量%以下、好ましくは8重量%以下、特に好まし
くは6重量%以下である高分子化合物で、上記構造単位
のみの繰り返し構造を有する単独重合体でもよいが、上
記構造単位の他に1種又は2種以上の単量単位を有する
共重合体でもよい。
上記構造単位において、R1およびR2は水素原子、メチ
ル基やエチル基等のアルキル基、またはカルボン酸基が
好ましく、より好ましくは水素原子である。R3は水素原
子、臭素や塩素等のハロゲン原子、またはメチル基やエ
チル基等のアルキル基が好ましく、より好ましくは水素
原子またはエチル基である。R4は水素原子、またはメチ
ル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、より好まし
くは水素原子である。Yは、好ましくは置換基を有して
もよいフェニレン基またはナフチレン基であり、置換基
としてはメチル基やエチル基等のアルキル基、臭素や塩
素等のハロゲン原子、カルボン酸基、メトキシ基やエト
キシ基等のアルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、シア
ノ基、ニトロ基、アシル基等がある。より好ましくは、
Yは無置換かまたはメチル基を有するフェニレン基また
はナフチレン基である。Xは窒素原子と芳香族基の炭素
原子とを連結する2価の有機基であるが、アルキレン基
が好ましく、またnは0〜5、好ましくは0〜3、より
好ましくは0である。
共重合体型の構造を有する本発明の高分子化合物にお
いて、前記式で示される構造単位と組合わせて用いるこ
とができる単量体単位としては、例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のエ
チレン系不飽和オレフィン類、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレ
ン等のスチレン類、例えばアクリル酸、メタクリル酸等
のアクリル酸類、例えばイタコン酸、マイレン酸、無水
マイレン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−
クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸の
エステル類、例えばアクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル等のニトリル類、例えばアクリルアミド等のアミ
ド類、例えばアクリルアニリド、p−クロロアクリルア
ニリド、m−ニトロアクリルアニリド、m−メトキシア
クリルアニリド等のアニリド類、例えば酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等の
ビニルエステル類、例えばメチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、β−ク
ロロエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化
ビニル、ビニリデンクロライド、ビニリデンシアナイ
ド、例えば1−メチル−1′−メトキシエチレン、1,1
−ジメトキシエチレン、1,2−ジメトキシエチレン、1,
1′−ジメトキシカルボニルエチレン、1−メチル−
1′−ニトロエチレン等のエチレン誘導体類、例えばN
−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリデン、N−ビニルピロ
リドン等のN−ビニル化合物、等のビニル系単量体があ
る。これらのビニル系単量体は不飽和二重結合が開裂し
た構造で高分子化合物中に存在する。
上記の単量体のうち、構造単位〔I〕と組合せて用い
るものとして、(メタ)アクリル酸類、脂肪族モノカル
ボン酸のエステル類、ニトリル類が総合的にみて優れた
性能を示し好ましい。より好ましくは、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリル酸エ
チル等である。
これらの単量体は高分子化合物中にブロックまたはラ
ンダムのいずれの状態で結合していてもよい。
本発明の高分子化合物(B)の代表的な例を挙げる。
なお下記に例示の化合物において、MWは重量平均分子
量、Mnは数平均分子量、s,k,l,mおよびnは、それぞれ
構造単位のモル%を表わす。
(R1,R2は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=1
0〜60mol%、n=40〜90mol%) (R1〜R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=
10〜60mol%、n=10〜60mol%、 l=10〜60mol%) (Xはアルキル基、ハロゲン原子、R1は水素原子、アル
キル基、ハロゲン原子、m=10〜60mol%、n=40〜90m
ol%) (Xはアルキル基、ハロゲン原子、R1は水素原子、アル
キル基、ハロゲン原子、m=10〜60mol%、n=10〜60m
ol%、l=10〜60mol%) (R1〜R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=
10〜60mol%、n=10〜60mol%、l=20mol%以下) (R1〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=
10〜60mol%、n=10〜60mol%、l=0〜20mol%、k
=10〜60mol%) (R1〜R4は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=
10〜60mol%、n=10〜60mol%、 l=10〜60mol、k=10〜60mol%) (R1〜R5は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、m=
10〜60mol%、n=10〜60mol%、 l=10〜60mol、k=10〜60mol%、s=20mol%以下) 以上のa)〜h)のうち、a)、b)、e)、f)及
びg)が特に好適である。
更に具体的には、 本発明の高分子化合物(B)は常法に準じつぎのよう
にして合成することができる。まず、α・β−不飽和酸
クロライド類、またはα・β−不飽和酸無水物類とフェ
ノール性水酸基を有する第1級、または第2級アミン類
とを必要に応じて塩基性触媒を用いて反応せしめ、前記
一般式〔I〕で示される構造単位を有する単量体を合成
する。次にその単量体を常法に従って単独重合させる
か、あるいはその単量体と少なくとも1種の他のビニル
系単量体とを共重合させ、本発明の高分子化合物を得る
ことができる。この際各単量体の仕込みモル比および重
合条件を種々変えることにより、高分子化合物(B)の
分子量ならびに各構造単位のモル比を広範囲に設定する
ことができる。しかし、本発明の目的とする用途に有効
に供するためには、分子量は好ましくは5,000乃至100,0
00、より好ましくは5,000〜50,000であり、前記一般式
〔I〕で示される構造単位のモル含有率は少なくとも10
モル%、好ましくは10〜50モル%であるものが望まし
い。
本発明においては、高分子化合物(B)の重合条件、
特に、重合温度及び重合開始剤濃度を通常より高めとす
る、或いは、重合物を水中に投入する等により、前記構
造式〔II〕で示される如き残留モノマー量を10重量%以
下とする。
(B)の使用量は一概に決められないが好ましくは感
光性組成物中50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量
%の範囲で使用する。
本発明の感光層を形成する組成物中には、公知のアル
カリ可溶性の高分子化合物を含有させることができる。
アルカリ可溶性の高分子化合物としてノボラック樹脂、
例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール
・ホルムアルデヒド樹脂やフェノール変性キシレン樹
脂、ポリヒドロキシスチレン等があげられるが、このよ
うなアルカリ可溶性の高分子化合物は全組成物の60重量
%以下の添加量で用いられる。添加量が多すぎると感光
層においてUVインキやプレートクリーナー類に画線がや
られ易くなり、UVインキを適用し難くなる。
ポジ型感光性平版印刷版は一般的にそのほかに露光可
視画付与剤及び色素を含有する。露光可視画付与剤とし
ては、露光により酸を発生する物質、色素としてはこの
酸と塩を形成する化合物を用いるのが一般的である。
露光により酸を発生する化合物としては、下記一般式
またはIVで表わされるトリハロアルキル化合物またはジ
アゾニウム塩化合物が好ましい。
(ただし、Xaは炭素原子数1〜3のトリハロアルキル基
であり、WはNまたはPであり、ZはO、SまたはSeで
あり、YはWとZを環化させるとともに発色団を有する
基である。) (Arはアリール基であり、Xは無機化合物の対イオンで
ある。) 具体的には、式IIIのトリハロアルキル化合物として
は、例えば下記一般式IIIIa、IIIb、IIIcで表される化
合物がある。
(ただし、Aは置換若しくは非置換アリール基又は複素
環式基であり、Bは水素又はメチル基であり、nは0〜
2の整数である。) 露光可視画付与剤の添加量は、感光層の全組成物の0.
01〜20重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.1
〜10重量%である。
一方、色素としては一般に酸により塩を形成する化合
物であればいずれも使用可能であり、例えばトリフェニ
ルメタン系染料、シアニン染料、ジアゾ染料、スチリル
染料等が挙げられる。
具体的にはビクトリアピュアブルーBOH、エチルバイ
オレット、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリ
ーン、ベイシックフクシン、エオシン、フェノールフタ
レイン、キシレノールブルー、コンゴーレッド、マラカ
イトグリーン、オイルブルー#603、オイルピンク#31
2、クレゾールレッド、オーラミン、4−p−ジエチル
アミノフェニルイミノナフトキノン、ロイコマラカイト
グリーン、ロイコクリスタルバイオレット等が挙げられ
る。色素の添加量は感光層の全組成物の約0.01〜10重量
%が好ましく、より好ましくは0.05〜8重量%である。
本発明の感光性平版印刷版の感光層組成物中には、そ
の他に目的に応じて各種の添加剤を加えることができ
る。例えば塗布性を向上させるために界面活性剤、感度
向上のために各種増感剤、塗膜の物性改良のために可塑
剤等、また、画像の印刷インキ着肉性を高めるために、
疎水性基を有する各種添加剤、例えばp−オクチルフェ
ノール−ホルマリンノボラック樹脂、p−t−ブチルフ
ェノール−ホルマリンノボラック樹脂、p−t−ブチル
フェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジン変性ノボラ
ック樹脂等の変性ノボラック樹脂、これらの変性ノボラ
ック樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステ
ル(OH基のエステル化率20〜70モル%)等を添加するこ
とができる。これらの添加剤の含有量はその種類と目的
によって異なるが、概して感光層の全組成物に対して0.
01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。
上記感光層組成物は、各種溶媒、例えばメチル(エチ
ル)セロソルブ、メチル(エチル)セロソルブアセテー
ト等のセロソルブ類、ジメチルスルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキ
サノン、トリクロロエチレン等の塗布溶媒に溶解して支
持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
本発明の感光性平版印刷版の感光層は、用途によって
も異なるが、一般的に固形分として0.5〜3.0g/m2となる
ように形成するのが好ましい。
本発明はポジ型感光性平版印刷版に用いる支持体とし
ては、アルミニウム板が好ましい。アルミニウム板に対
しては、砂目立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて
封孔処理等の表面処理を施すのが好ましい。これらの処
理は公知の方法により行なうことができる。
砂目立て処理の方法としては、機械的方法及び電解に
よりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法とし
ては、例えば、ボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホー
ニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アル
ミニウム材の組成等に応じて、上記の方法を単独または
組合わせて用いることができる。好ましいのは電解エッ
チング法である。
電解エッチングは、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無
機酸を1種または2種以上含有する浴中にアルミニウム
板を浸漬することにより行なう。砂目当て処理の後、必
要に応じてアルカリあるいは酸の水溶液によってデスマ
ット処理を行なって中和し、水洗する。
陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロム酸、シュ
ウ酸、リン酸、マロン酸等を1種または2種以上含む溶
液を用い、アルミニウム板を陽極にして電解することに
より行う。形成された陽極酸化皮膜量は1〜50mg/dm2
適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。ここで陽
極酸化皮膜量は、例えばアルミニウム液をリン酸クロム
酸溶液(85%リン酸水溶液35mlと、酸化クロム(VI)20
gとを1の水に溶解して生成)に浸漬して酸化皮膜を
溶解し、板の皮膜溶解前後の重量変化を測定することに
より求めることができる。
封孔処理としては、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸
ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等がある。この他
にアルミニウム支持体に対して、水溶性高分子化合物
や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液により下引処
理を施すこともできる。
このようにして得られた感光性平版印刷版は公知の方
法により使用することができる。典型的には、感光性印
刷版にポジ型フィルムを密着させ、超高圧水銀灯、メタ
ルハライドランプ等で露光し、メタケイ酸ソーダ、メタ
ケイ酸カリ、リン酸ソーダ、カセイソーダ等のアルカリ
水溶液により現像し、印刷版とする。
このようにして作製された平版印刷版は枚葉、オフ輪
用印刷機において使用することができる。
[実施例] 本発明を以下の実施例により更に詳細に説明する。
まず、本発明に使用する感光体およびバインダーの合
成例を以下に示す。
(バインダーの合成) 合成例1 前記(b−1)の高分子化合物の合成 p−ヒドロキシアニリン400g,ハイドロキノンモノメ
チルエーテル4g、アセトン4およびピリジン360gを混
合し、寒剤を用いて外部より冷却し、内温が−10℃まで
下がった時点でメタクリル酸クロライド420gを撹拌下に
適下した。反応温度が0℃以下になるよう適下速度を調
節し、滴下終了後0〜3℃で約2時間撹拌した。次いで
25℃で2時間撹拌後反応液を1/3位になるまで濃縮し、
これを希塩酸(pH約1.0)10中に注入し、生じた沈殿
を吸引濾過して白色の固体を得た。この白色の固体を加
温したメタノール2に溶解し、さらに5%炭酸ナトリ
ウム水溶液を2加えて、40℃で30分間撹拌した。次い
で、暗赤色のこの溶液を5%塩酸水溶液8中に注入し
て多量の沈殿を生成させ、これを吸引濾過し、乾燥して
淡桃色の固体を得た、これをエタノールと水との混合溶
媒により再結晶して、融点155〜156℃のp−ヒドロキシ
メタクリルアニリドの無色針状晶450gを得た。
このようにして得たp−ヒドロキシメタクリルアニリ
ド(HyPMA)53.2gアクリロニトリル(AN)15.9g、メタ
クリル酸メチル(MMA)40.0gおよびα・α′−アゾビス
イソブチロニトリル4.5gをエタノール溶媒250ml中に溶
解し、窒素ガス置換した後、75℃で4時間加熱し、重合
体溶液を得た。この重合体溶液を3の5%HCl水溶液
中に注ぎ、生じた白色の沈殿物を濾過した。さらに、得
られた白色沈殿物を3の水中に注ぎ、濾過した後に乾
燥して、白色重合体70gを得た。得られた重合体の分子
量をGPC〔日立635型、カラム ショデックス(Shodex)
A804,A803,A302の直列〕によりポリスチレンを標準とし
て測定した。Mn、MWの算出は柘殖等、日本化学会誌、19
72年(4月号)第800頁に記載の方法により、オリゴマ
ー領域のピークをならす(ピークの山と谷の中心を結
ぶ)方法により行った。その結果、Mnが8600、MWが1800
0、残留モノマー量が5重量%であった。
合成例2 前記(b−3)の高分子化合物の合成 合成例1で得たp−ヒドロキシメタクリルアニリド
(HyPMA)53.1g、アクリロニトリル(AN)15.9g、アク
リル酸エチル(EA)4g、メタクリル酸メチル(MMA)36g
およびα・α′−アゾビスイソブチロニトリル4.5gをエ
タノール150ml中に溶解し、窒素ガス置換した後、75℃
で4時間加熱し、重合体溶液を得た。この重合体溶液を
3の5%HCl水溶液中に注ぎ、生じた白色の沈殿物を
濾過し、さらに得られた白色の沈殿物を3の水中に注
ぎ、濾過した後乾燥して、白色重合体65gを得た。GPCで
分子量を測定したら、Mnが9090、Mwが20000、残留モノ
マー量が3重量%であった。
合成例3 前記(e−2)の高分子化合物の合成 o−ヒドロキシ−p−シアノアニリン400g、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル4g、アセトン4およびピリ
ジン360gを混合し、寒剤を用いて外部より冷却し、内温
が−10℃まで下がった時点でメタクリル酸クロライド42
0gを撹拌下に滴下した。以下、合成例1と同様にして、
o−ヒドロキシ−p−シアノメタクリルアニリド350gを
得た。
このようにして得たo−ヒドロキシ−p−シアノメタ
クリルアニリド76.8g(0.38モル)を、エチルメタクリ
レート68.4g(0.60モル)、アクリル酸1.44g(0.02モ
ル)およびα・α′−アゾビスイソブチロニトリル10g
とともに、エタノール300ml中に溶解し、窒素ガス置換
した後、75℃で4時間加熱し、重合体溶液を得た。この
重合体溶液を3の5%HCl水溶液中に注ぎ、生じた白
色の沈殿物を濾過し、さらに、得られた白色の沈殿物を
3の水中に注ぎ、濾過した後、乾燥して、白色重合体
75gを得た。GPCで分子量を測定したら、Mnが9800、Mw
28000、残留モノマー量が5重量%であった。
合成例4 前記(g−1)の高分子化合物の合成 5−アミノ−α−ナフトール227g、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル1gおよびピリジン2を混合し、寒剤
を用いて−10℃に冷却して、メタクリル酸クロライド11
0gを撹拌下に滴下した。滴下終了後0〜3℃で2時間撹
拌した。次いで25℃で2時間撹拌後、反応液を20の氷
水中に注入して沈殿を生成させ、これを濾過し、水洗し
て乾燥した。得られた固体をメタノールと5%炭酸ナト
リウム水溶液の混合液(1:1)2中に加えて40℃で30
分間撹拌した後、5%塩酸4中に注入して多量の沈殿
を生成させた。これを吸引濾過後、エタノールで再結晶
して、融点223〜224℃のN−(5−ヒドロキシ−α−ナ
フチル)メタクリルアミド210gを得た。
このようにして得たN−(5−ヒドロキシ−α−ナフ
チル)メタクリルアミド68g(0.3モル)を、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート10g(0.1モル)、メチルメタ
クリレート30g(0.3モル)、アクリロニトリル15.9g
(0.3モル)およびα・α′−アゾビスイソブチロニト
リル7gとともに、エタノール200ml中に溶解した。得ら
れた溶液を窒素ガス置換した封管中で、75℃で8時間加
熱し、共重合体溶液を得た。この共重合体溶液をメタノ
ール100mlで希釈した後、水中に注入し、生じた沈殿物
を濾過し、さらに、得られた沈殿物を3の水中に注
ぎ、濾過後乾燥して、白色重合体70gを得た。GPCで分子
量を測定したら、Mnが9100、Mwが48000、残留モノマー
量が7重量%であった。
比較合成例1 合成例1で得たp−ヒドロキシメタクリルアニリド
(HyPMA)53.2g、アクリルニトリル(AN)15.9g、メタ
クリル酸メチル(MMA)40.0gおよびα・α′−アゾビス
イソブチロニトリル0.82gをアセトン:エタノール(1:
2)の混合溶媒190ml中に溶解し、窒素ガス置換した後、
65℃で4時間加熱し、重合体溶液を得た。この重合体溶
液を3の5%HCl水溶液中に注ぎ、生じた白色の沈殿
物を濾過し、乾燥して、白色重合体70gを得た。得られ
た重合体の分子量をGPCで測定したら、Mnが3200Mwが220
00、残留モノマー量は15重量%であった。
比較的合成例2 合成例1で得たp−ヒドロキシメタクリルアニリド
(HyPMA)50.0g、アクリルニトリル(AN)15.0g、アク
リル酸エチル(EA)42.0gおよびα・α′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.30gをアセトン:エタノール(1:2)
の混合溶媒190mlに溶解し、窒素ガス置換した後、65℃
で4時間加熱し、重合体溶液を得た。この重合体溶液を
3の5%HCl水溶液中に注ぎ、生じた白色の沈殿物を
濾過し、乾燥して、白色重合体65gを得た。GPCで分子量
を測定したら、Mnが2800、Mwが60000、残留モノマー量
は20重量%であった。
(感光体の合成) 合成例1 ピロガロール100gおよびアセトン700gをウォーターバ
ス中にセットした3頭コルベン中に投入し、窒素ガスを
吹込んで、窒素置換を行なった後、オキシ塩化リン10g
を投入して重縮合反応を行なった。反応温度は20℃に保
ち一昼夜反応を継続した。反応終了後、水30中に強力
に撹拌しながら生成物を徐々に投入し、重縮合物を沈殿
させた。
析出した樹脂を濾別し、水でほぼ水性になるまで洗浄
した。沈殿物は40℃以下で乾燥した。このようにして淡
褐色状の樹脂100gを得た。
この樹脂の分子量を、GPCにより測定した。その結果M
nは2000、Mwは3400であった。
次にこの樹脂60gをジオキサン720mlに溶解し、1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド70g
を投入し、溶解後13重量%の炭酸カリ水溶液60gを滴下
し、40〜50℃で約1時間縮合反応を行なわせた。得られ
た反応液を大量の希塩酸水(濃塩酸13ml、水3)中に
投入し、沈殿した樹脂を濾別し、乾燥した。このように
して、ピロガロール−アセトン樹脂の1,2−ナフトキノ
ンジアジド−5−スルホン酸エステルの黄色粉末樹脂56
gが得られた。分析の結果、OH基の縮合率は20%である
ことが判明した。このエステル体の分子量を前記GPCに
より測定したところ、Mnは2300、Mwは3030であった。
実施例1 厚さ0.24mmのアルミニウム板を5%水酸化ナトリウム
水溶液中で脱脂処理した後、0.3モル硝酸水溶液中で、
温度30℃、電流密度50A/dm2、処理時間30秒間の条件
で、電解エッチング処理を行なった。次いで、5%水酸
化ナトリウム水溶液でデスマット処理を施し、しかる後
硫酸溶液中で陽極酸化処理を行なった。陽極酸化皮膜量
を前述の方法で測定したところ、20mg/dm2であった。次
に90℃の熱水溶液に浸漬し封孔処理を行なった。
このようにして得られたアルミニウム支持体に下記の
組成の感光性塗布液を回転塗布機を用いて塗布し、100
℃で4分間乾燥し、膜厚24mg/dm2の感光性平版印刷版を
得た。
感光液1 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル
化物(縮合率:95mol%) 20部 合成例1のバインダー 80部 2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−ベンゾフリ
ル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール 2部 ビクトリアブルーBOH 1部 p−t−オクチルフェノール・ホルムアルデヒドノボラ
ック樹脂(Mw=1,300)と1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホニルクロライドとのエステル化物(縮合率:5
0mol%) 1部 無水グルタル酸 3部 メチルセロソルブ 200部 エチルセロソルブ 500部 得られた感光性平版印刷版を2kwの超高圧水銀灯で60c
mの距離から30秒間露光し、次にPS版用ポジ型現像液“S
DP−1"〔小西六写真工業(株)製〕の6倍希釈液を用い
て、25℃で45秒間現像処理を行なった。得られた平版印
刷版のボールペン適性、中間調赤味残り、バーニング処
理後の汚れを測定した。その結果を表1に示した。
実施例2 合成例1のバインダーの代わりに合成例2のバインダ
ーを使用した以外、実施例1と同一の方法により感光性
塗布液(感光例2)を調製し、これを用いて実施例1と
同一の方法で平版印刷版を作製し、同一の測定を行なっ
た。結果を表1に示した。
比較例1 合成例1のバインダーの代わりに比較合成例2のバイ
ンダーを使用した以外実施例1と同一の方法により感光
性塗布液(比較感光液1)を調製し、これを用いて実施
例1と同一の方法で平版印刷版を作製し、同一の測定を
行なった。結果を表1に示した。
尚、ボールペン耐性を検討するために露光及び現像処
理前の前記感光性平版印刷版材料(G)上にボールペン
(i)(ゼブラ社製、ZEBRAN5100黒色)、ボールペン
(ii)(トンボ鉛筆社製、GOLF青)及びボールペン(ii
i)(パイロット萬年筆社製パイロットBS−青)の3種
のボールペンを用いて線を描き、10分間放置後、露光を
行わず前述の標準現像処理を行った。ボールペン耐性の
評価は、筆跡後の感光層の侵食程度を各々3ランクで判
定した。
また、中間調の赤味残りについて検討するために、前
述の露光、現像を行い中間調の赤味について目視により
判定を行った。
更に、バーニング処理後の汚れについて検討するため
に前述の露光、現像を行い前整面液で処理した後、250
℃のオーブンで8分間バーニング処理を行った。SPO−
1でインク盛りをした後、非画線部の汚れについて目視
により、判定を行った。
以上の結果より、バインダーの残留モノマー量を10重
量%以下に抑えることにより、ボールペン適性中間調赤
味残り、バーニング処理後の汚れが改良されることがわ
かる。
実施例3 実施例1および実施例2の平版印刷版の印刷適性、現
像性および耐刷力について試験をした。
印刷適性については、平版印刷版を枚葉オフセット印
刷機にかけ、上質紙に印刷を行なって地汚れの有無を調
べることにより評価した。印刷の結果、地汚れは全く発
生せず、良好な印刷物を得ることができた。これにより
印刷適性が優れていることがわかる。
現像性を評価するために、40℃の温度、80%の湿度で
7日間感光性平版印刷版の強制劣化を行ない、その後で
露光し、4m2/のSDP−1疲労現像液(7倍希釈)で現
像し、印刷を行なった。その結果地汚れは発生せず、良
好な印刷物が得られた。これにより現像性に優れている
ことがわかる。
さらに耐刷力を評価するために、下記の条件でUVイン
キによる印刷を行なった。
(UVインキによる印刷条件) 印刷機:ハマダスターCDX−900 印刷インキ:東洋フラッシュドライ−OL−紅Ap(東洋イ
ンキ社製) レジューサー:東洋フラッシュドライレジューサーOP
(東洋インキ社製) プレートクリーナー:東洋フラッシュドライプレートク
リーナー(東洋インキ社製) 紙:上質紙 印刷スピード:7000枚/時 プレートクリーナー拭:1回/500枚 その結果、5万枚を刷了し、印刷物は地汚れもなく良
好であった。
また、UV印刷に使用されるインキや薬剤に対して、感
光層の耐薬品性が高いこともわかった。
一方バインダーを下記のノボラック樹脂に変えた以
外は、実施例1と同様の平版印刷版についても上記と同
様にUVインキによる印刷が行った。ところが、印刷後ま
もなく画像部の消失が起った。 組成:m−クレゾール/p−クレゾール/フェノール=45
/28/27 Mw 6800 [発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明の感光性平版印刷
版はUVインキ適性、ボールペン適性に優れ、中間調部分
の赤味と、バーニング処理時の汚れが改良された、優れ
た効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 聖 東京都日野市さくら町1番地 小西六写 真工業株式会社内 (72)発明者 中井 英之 東京都日野市さくら町1番地 小西六写 真工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−55406(JP,A) 特開 昭51−33620(JP,A) 特開 昭62−279327(JP,A) 特開 昭63−223637(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)o−ナフトキノンジアジドスルホン
    酸エステルと、 (B)下記一般式〔I〕により表わされる構造単位を有
    し、且つ、残留モノマーが10重量%以下である高分子化
    合物、 (式中、R1およびR2は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アリール基またはカルボン酸基であり、R3は水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であ
    り、R4は水素原子、アルキル基、アリール基またはアラ
    ルキル基であり、Yは置換基を有してもよい芳香族基で
    あり、Xは窒素原子と前記芳香族基の炭素原子とを連結
    する2価の有機基であり、nは0〜5の整数である。) とを含有する感光層を支持体上に有することを特徴とす
    る感光性平版印刷版。
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