JP2603349B2 - 高純度ヘパリナーゼの大規模精製法 - Google Patents
高純度ヘパリナーゼの大規模精製法Info
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Description
り,この発明の権利を有する。
ナーゼおよび他のエリミナーゼを精製する方法である。
>4)−2−デオキシ−2−スルファミノ− −D−グ
ルコピラノース 6−スルフェート−(1−>4)−α
−L−イドピラノシルロン酸2−スルフェート−(1
−)中のα−グリコシド結合において,ヘパリンを切断
するエリミナーゼである。ヘパリンは,血液の凝固を阻
害するために,インビトロおよびインビボのいずれにお
いても,臨床的に用いられる。20,000までの広範囲の分
子量を有し,その平均分子量が13,500のムコ多糖類であ
るヘパリンは,血液中のトロンビンおよび活性化X因子
と他のセリンエステラーゼとを直接に阻害することによ
り作用する。
か,あるいは,Howard Bernsteinらによる「固定化種を
含む体外リアクター」と題する米国特許出願第044,245
号(1987年5月22日付で出願),および,Lisa E.Freed
らによる「懸濁した固定化種を含むバイオリアクター」
と題する米国特許出願第044,340号(1987年6月6日付
で出願)に記載されているように、固定化されたヘパリ
ナーゼを含むリアクターにより,臨床的に中和される。
ヘパリナーゼを固定化することにより,リアクター内を
通過する血液によってヘパリナーゼが体内に浸入するこ
とを防止している。
ドのヘパリナーゼとも呼ばれる)は,酵素分解によって
ヘパリンの抗凝血性を完全に取り除くことが要求され
る。Langerらの米国特許第4,341,869号に記載されてい
るように,ヘパリナーゼは,フラボバクテリウムヘバリ
ナム(Flavobacteriumheparinum)のような細菌によっ
て産生される。微生物を増殖させ,細胞を溶解し,破片
を遠心分離によって取り除き,そして,細胞抽出物を,
ヒドロキシルアパタイト,すなわち3Ca3(PO4)2あるい
はCa10(PO4)6(OH)2のカラムに通す。このタンパクを,
少しずつ,高い塩濃度でカラムから溶離させると,ヒド
ロキシルアパタイトカラムは10倍から100倍に酵素を濃
縮することができる。ここで述べるように,0.01Mリン酸
ナトリウムpH6.8から0.10Mリン酸ナトリウム0.19M塩化
ナトリウムpH6.8までの範囲内で塩化ナトリウム濃度が
増加するリン酸塩緩衝液を使って,ヘパリナーゼを少し
ずつ溶離させることにより,さらに高い収量の酵素が得
られる。
らのヘバリナーゼの精製および特性付け」J.Biol.Chem.
260(3),1849−1857(1985)に述べられているよう
に,ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーを,繰
り返し行うゲル濾過クロマトグラフィーおよびクロマト
フォーカシングと組み合わせることにより,この精製法
は非常に改善された。
0±1000ダルトンの分子量を有し,pl値は8.5である。
り,この酵素の特性付けを行ったりする際には有用であ
るが,大規模な臨床上用途に必要とされる量および純度
で,ヘパリナーゼを調整するには,不適当である。さら
に,ここで概略を述べた精製方式を,大規模な酵素回収
に適用するのは困難である。
めに使われてきた他の方法には,最初の工程として浸透
圧ショック処理がある。典型的には,これらの手順は,
浸透圧を安定化させた媒体中における最初の破壊と,続
いて浸透圧を安定化させていない媒体中での選択的な放
出とを包含する。これら媒体の組成(pH,保護剤)およ
び使用される破壊方法(クロロホルム,リゾチーム,EDT
A,音波処理)は,報告されている特定の手順によって変
化する。これらのうちのどれもまだ,触媒グレードのヘ
パリナーゼを精製することに成功裏に適用されていな
い。
上の用途に使用するために多量の高純度ヘパリナーゼを
調整する方法を提供することにある。
ーゼを単離する方法を提供することにある。
製ヘパリナーゼおよび他のエリミナーゼを提供すること
にある。
浸透圧ショック法で処理し,細胞周辺腔から活性ヘパリ
ナーゼを放出させる。この好ましい実施態様において
は,EDTAを含むかあるいはEDTAを含まない,浸透圧を安
定化させた媒体(20%スクロース)に細胞をさらし,次
に,浸透圧を安定化させていない媒体(10mM リン酸
塩,pH6.0〜8.5)中に細胞周辺物質をまず放出させ,続
いて浸透圧を安定化させていない第2の媒体(10mMリン
酸塩,150mM塩化ナトリウム,pH6.0〜8.6)中にヘパリナ
ーゼおよび他のエリミナーゼ活性物質を放出させること
により,細胞外被の破壊を誘発する。この三段階法によ
り,75%活性までの収量で,5倍から10倍の初期精製が可
能となる。特に,従来から報告されている方法では,取
り除くことが最も困難なことがわかっている不純物が,
この浸透圧ショック処理の初めの二段階で取り除かれ
る。
ら,この濃縮物を,陽イオン交換クロマトグラフィーに
よって,好ましくは,FPLC Mono Sカラムを使って,分画
する。ヘパリナーゼ活性は,2つのタンパクすなわち,約
42,000〜43,000ダルトンのタンパクおよび65,000〜75,0
00ダルトンのタンパク中に存在する。全収量は,典型的
には25%であり,純度は200〜300倍に増加する。
びイオン強度を変化させることにより,向上させること
ができる。さらに,マスフローイオン交換装置を使用す
ることにより,この方法をスケールアップすることがで
きる。
を産生する微生物のスクリーニング方法についても,述
べる。
せ,FPLC Mono Sカラムを使った陽イオン交換クロマトグ
ラフィーによって分画し,0〜0.3M NaClの勾配で溶離さ
せた物質の活性クロマトグラムである(1mlの画分を溶
離勾配中から採集L,アズール(Azure)A染料を使っ
て,ヘパリナーゼ活性について分析した)。
ゼ精製の好ましい方法は,フラボバクテリウムヘパリナ
ムのような微生物あるいは遺伝子操作されるかまたは変
異してヘパリナーゼを生産する他のグラム陰性の微生物
を含む発酵反応器においてヘパリナーゼを生産し,培養
培地を除去して,限外濾過または遠心分離のような方法
によって細胞を濃縮し,この濃縮された細胞を三段階の
浸透圧ショック法にかけ,細胞と非特異的な細胞周辺物
質とを分離し,分子量が10,000のカットオフを有するメ
ンブレンを使用して透析濾過することによって残りの細
胞周辺物質を濃縮して,水および塩類を除去し,10mMのN
aCl溶液を含む濃縮溶液(好ましくは,陽イオン交換材
料を用いた,タンパク分離用の高速液体クロマトグラフ
ィーカラム上で)のイオン交換クロマトグラフィーによ
ってヘパリナーゼを分離し,そしてヘパリナーゼ活性を
有するカラムから溶離させた物質をゲル電気泳動または
ゲル濾過によって更に精製することである。
alt LaKe City,Utahから得たF.ヘパリナム細胞を,500ml
の特定媒体(3g K2HPO4/L,1.5g KH2PO4−H2O/L,0.5g Na
Cl/L,1.0g NH4Cl/L,2mM MgSO4−7H2O,0.2g L−ヒスチジ
ン/L,0.2gL−メチオニン/L,8gグルコース/L,1gヘパリン
/L,および各10-4mMのNaMoO4−2H2O,CoCl2−6H2O,MnSO
4−H2O,CuSO4−5H2O,FeSO4−7H2OおよびCaCl2)を含
む,2.8Lの攪拌フラスコにおいて30℃で増殖させた。微
生物は,単一炭素源として4gヘパリン/Lを含む特定媒体
中に1%のディフコ(Difco)寒天を含む寒天プレート
上では2週間まで保存され,−80℃の10%DMSO中では無
期限に保存され得る。
robiol.41,360−365(1981)の手法に従って,ヘパリン
の存在下でアズールAが青から赤に異染性変化するのを
観察することによって分析される。吸光度の変化は,分
析の線形中の620nmにおいて測定され,分析緩衝液(0.2
5Mの酢酸ナトリウム,0.0025Mの酢酸カルシウム,pH7.0)
中の0から8mg/mlのヘパリンの標準曲線と比較される。
この分析による1単位の活性は,1時間あたり,1mgのヘパ
リンを分解する酵素の量に相当する。βガラクトシダー
ゼ活性は,Millerの方法,Experiments in Molecular Gen
etics,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Ha
rbor,New Yorkによって測定される。タンパク濃度は,Bi
o−Radタンパク分析法によって測定される。600mnにお
ける微生物の増殖は,細胞懸濁液の吸光度を測定するこ
とによってモニターされる。生存能力のある細胞の数
は,特定媒体寒天プレート上において適切な希釈液を培
養することによって決定される。
透圧を安定化させた媒体,例えば20%のショ糖,10mMの
リン酸ナトリウムを含む保護媒体(pH7.0)に,細胞を
懸濁する。この処理に続いて,2つの浸透圧を安定化させ
ていない(回収)媒体:1)10mMのリン酸ナトリウム,pH
7.0(低イオン強度の緩衝化溶液)および2)150mMの塩
化ナトリウムを含む10mMのリン酸ナトリウム,pH7.0(緩
衝化塩溶液)に,細胞を連続的に再懸濁する。まず,こ
れらの細胞を採取した後,SorvalRC−2B冷却遠心分離機
にて,7000gで10分間,遠心分離することによって,各溶
液から細胞を取り出す。特に,明記しなければ,すべて
の手法は,pH7.0および4℃で,5x1010細胞/mlの細胞濃度
において実施される。浸透圧ショック法にかけない細胞
部分を,Branson W−350音波処理機(sonifier)を使用
して,15分間,50%のパルスを印加,#6)で音波処理
し,それに標準(100%)として使用する。浸透圧放出
溶液の上澄み液および音波処理を行った細胞は,酵素活
性およびタンパク含有量を測定する前に,10mMのリン酸
塩,150mMのNaCl中で透析される。
比活性と比較し,放出酵素の比活性が高いことは,浸透
圧を安定化させていない媒体中にヘパリナーゼが優先的
に放出されることを示す。破壊された細胞を,まず低塩
濃度の溶液で洗浄し,次いで高塩濃度の溶液で洗浄する
と,ヘパリナーゼが最もよく放出される。更に,放出上
澄み液中には,少量のβガラクトシダーゼ活性しか検出
されない。このことは,細胞質物質がこの手法によって
ほとんど放出されないことを示す。浸透圧を安定化させ
ていない媒体に,EDTA,SDS,リゾリーム,トルエンまたは
クロロホルムを添加して,細胞の破壊および細胞周辺腔
からの酵素放出を促進するか,または細胞を冷凍および
解凍することができる。音波処理はまた,細胞周辺タン
パクを選択的に放出させるが,その制御が容易ではな
い。しかし、後者の添加物も音波処理も,ショ糖を単独
で使用する場合ほど有効ではない。
存性を示す。浸透圧を安定させた細胞を,2つの等量なバ
ッチに分割し,低塩濃度および高塩濃度の溶液中にそれ
ぞれ再懸濁した。最初の処理を行った後,これらの細胞
を,再度2つのバッチに分割し,2つの浸透圧を安定化さ
せていない溶液中にそれぞれ再懸濁した。上澄み液をす
べて回収し,そのヘパリナーゼ活性およびタンパク含有
量を分析した。結果は,3つのすべての溶液(すなわち,2
0%のショ糖溶液,低塩濃度の溶液,高塩濃度の溶液)
を,この順番で使用することの重要性を示している。
パリナムからのヘパリナーゼの放出に及ぼす,EDTAおよ
びpHの影響を示す。EDTAの存在または量によって,ヘパ
リナーゼの放出は変化しないようである。しかし、低塩
濃度の溶液に放出されるヘパリナーゼの量は,pHを6.0か
ら8.7へ上昇させるに従って増加する。低塩濃度または
高塩濃度の画分を最大限に全回収し得るのは,pH7.5の場
合である。
の回収は,中期から後期における対数増殖期に採取され
たサンプルから得られる。F.ヘパリナムの最大増殖率
は,0.21-1である。放出されたヘパリナーゼの比活性
は,対数増殖期を通じて増加するのに対して,放出され
たタンパクの全量は,比較的一定である。定常増殖期に
おけるヘパリナーゼの回収の減少は,比活性の減少とい
うよりはむしろ,放出されたタンパクの量の減少に関連
するようである。
ほぼ等しく,全細胞タンペクの5%から8%である。pH
7.0において,ヘパリナーゼは,全放出活性の65%から8
0%を含む高塩濃度の溶液中に,優先的に放出される。
処理を使用したヘパリナーゼの最適回収の条件が決定さ
れ得る。表1,2および3のデータに基づいて,放出媒体
の塩濃度を変化させることによって,ヘパリナーゼがF.
ヘパリナーゼから選択的に放出され,同時に他の細胞周
辺成分から分離されるような,改善された初期精製工程
を計画した。
胞タンパクの5%から8%であるのに対して,放出され
たヘパリナーゼ活性のほぼ75%は,活性性が典型的に10
倍に増加した高塩濃度の回収画分中に見い出される。浸
透圧を安定させた細胞を直ちに高塩濃度溶液にさらす
と,良好なタンパクの放出が得られない。更に,第3段
階の工程を,低塩濃度の溶液による洗浄に代えると,高
塩濃度の溶液中に放出されたヘパリナーゼ活性に匹敵す
るような活性が得られない。
パリナーゼは,陽イオン交換クロマトグラフィーによっ
て,好ましくはタンパク分離用の高速液体クロマトグラ
フィー(FPLC)装置(Mono S,Pharmacia Fine Chemical
s,Piscataway,NJ)を使用して,更に精製され得る。サ
ンプルを透析し,10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)中に入
れ,1ml/minの流量で,塩濃度の直線勾配が0.0Mから0.3M
の範囲内のNaClで溶離させる。
ラムに吸収されない。第1図に示されるように,全タン
パクの1%未満を含む2つの画分において,活性が回収
される。150mMのNaClで溶離するタンパクは,42,900ダル
トンの分子量を有する。この画分の比活性は,2000U/mg
から3000U/mgタンパクの範囲内である。第2の酵素は75
mMのNaClで溶離する。76mMのNaClで溶解する物質のヘパ
リナーゼ活性は,冷凍に敏感なようだが,90%より多く
の活性は,10mMのリン酸塩,0.1MのNaCl,pH7.0,±20%の
グリセロール中で,−20℃にて7日間程度保持される。
(12.5%のアクリルアミド分離ゲル)の手法を使用し
て,Sephadex G100またはSDS−PAGEのような分子ふるい
上でゲル濾過することによって,更に精製および分析さ
れ得る。42,900ダルトンのタンパクは3つの他の主要な
夾雑物を含むが,これらの夾雑物は電気泳動によって除
去される。75mMのNaClで溶離する物質は,ゲル濾過マト
リックス(例えば,Superose12,Pharmacia Fine Chemica
ls,Piscataway,NJ)を備えたFPLC装置を使用するクロマ
トグラフィーによって更に精製され得る。サンプルを陽
イオン交換クロマトグラフィーから直接充填し,10mMの
リン酸ナトリウム,0.1MのNaCl,pH7.0を用いて,0.1ml/mi
nの流速で溶離させる。ヘパリナーゼ活性は,65,000ダル
トンから75,000ダルトンの範囲内の分子量を有する画分
中に検出される。SDS−PAGEによって分析する際には,
最大活性を有する物質は,還元条件下でも,70,000の分
子量を有する。
およびFPLC)に次いで,2つの濃縮工程(すなわち,限界
濾過および透析濾過)を使用して,大量の物質の取扱い
を容易にする。2g/L DCWまで増殖させ,0.1μのRomicon
中空繊維メンブレン装置を使用したマイクロ濾過によっ
て1リットルに濃縮されたF.ヘパリナムの10リットル発
酵についての結果を表4に示す。10,000ダルトンのカッ
トオフ限外濾過膜を使用して透析濾過することによっ
て,高塩濃度溶液中に放出された物質を濃縮し,FPLC陽
イオン交換クロマトグラフィーによって分画した。通
常,20%から25%のヘパリナーゼ活性が回収されるが,
比活性は200倍から300倍に上昇する。
ゼーションプローブ ゲル電気泳動またはゲル濾過によって得られる精製さ
れたヘパリナーゼタンパクは,当業者に公知の方法を用
いて抗体を生産するために使用されることができる。例
えば、抗体はフロイントの不完全アジュバントのような
適当なアジュバント中のタンパクをウサギまたはヤギな
どの動物に投与することによって生成し得る。あるい
は,モノクロナール抗体は,抗体を誘導した後,マウス
を免疫化して脾臓細胞をハイブリドーマ細胞に融合させ
ることによって調製されることも可能である。
で,当業者が利用可能な方法および装置を用いて配列決
定することができる。いくつかの不一致が見られ,最も
顕著なものはダルタミン/グルタミン酸,リジン及びメ
チオニンであるが,表5の結果はどちらのタンパクに対
しても類似した組成プロフィールを示している。42,000
ダルトンのタンパクの配列は,エドマンド(Edmund)分
解法の阻害によって決定されるように,N未満において修
飾される。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列は,ヘパリ
ナーゼの生産を増大させることまたは外部制御による生
産で遺伝子操作する微生物において,次いで使用するた
めに,ハイブリダイゼーションプローブの調製およびヘ
パリナーゼをコードする核酸配列を得る他の手段におい
て使用されることができる。
リーニング方法 遺伝子操作された大量の微生物を,ヘパリナーゼ生産
についてスクリーニングするための分析法が開発されて
いる。ヘパリナーゼに対する抗体を使用して,以前にス
クリーニングを試みたが,いくつかのその他のF.ヘパリ
ナムタンパクと広範囲な交差反応により成功しなかっ
た。該分析法およびスクリーニング方法は,42,000ダル
トンのヘパリナーゼまたはヘパリナーゼ活性を有する6
5,000−75,000ダルトンのタンパクの遺伝子を単離し,
そして特性決定するのに使用され得る。
による,ヒト血液からのヘパリンの沈澱に基づいて行っ
た。0.25Mの酢酸ナトリウム,0.0025MのCaCl2,1リットル
当り1.0gのブタ腸内粘膜由来のヘパリン(Hepar Indust
ries,Franklin,OH),および1.5%のアガロース(BR
L),pH7.0からなるヘパリン分析プレートを準備する。
ヘパリナーゼの生産について,スクリーニングされるべ
き細胞を,このプレートに接種する。上記の方法を使用
して,標準としてヘパリナーゼを単離し,この単離した
ものを,10mMリン酸ナトリウム,150mM NaCl,pH7.0,10μ
1中に,0.0,0.01,0.10および1.00Uの様々な量を添加
し,これをプレートに加え,次いでこのプレートを37℃
で1時間インキュベートする。このプレートの表面に,2
%の硫酸プロタミン(salmon,Sigma Chemical Co,St.Lo
uis,MO)溶液を注ぐ。1時間から2時間の間に,白い沈
澱物が形成される。だだし,ヘパリナーゼの増大量が加
えられるか,あるいはバクテリアのコロニーがヘパリナ
ーゼを生産しつつある領域においては,強度が増大する
クリアゾーンが残存する。例えば,クリアゾーンは,1リ
ットル当り1.0gのヘパリンを含むLB寒天プレート上に増
殖したF.ヘパリナムの周囲に形成されたが,同一のプレ
ート上に増殖したE.coliJM83の周囲には形成されなかっ
た。
を含まない培地において微生物を増殖させる必要があ
る。1mMのMgSO4を含む最小培地(抑制条件)において,
F.ヘパリナムを増殖させ,これを,2つの最小培地寒天プ
レート(その一方には1.0g/lのヘパリン(誘発条件)が
補給されている)上にプレートするという分析法が開発
された。このプレートを30℃で36時間インキュベート
し,コロニーをニトロセルロース(NC)紙に移す。F.ヘ
パリナムコロニーは,NC紙に付着し,クロロホルムの蒸
気に20分間さらすことによって溶菌する。次いで、NC紙
をヘパリナーゼ分析プレート(上述)上に重ね,37℃で
1時間インキュベートする。NC紙を捨て,2%の硫酸プロ
タミンでプレートを発色させる。クリアゾーンが,誘導
条件(ヘパリン補給プレート)の下で増殖した細胞に対
応するプレート上に現れるが,硫酸塩抑制条件の下で増
殖した細胞に対応するプレート上には,ゾーンは検出さ
れ得ない。
分であり,他のヘパリン異化酵素の存在を必要としな
い。この特性は,以前に報告された方法に対して改良さ
れており,従って,クローン化されたヘパリナーゼ遺伝
子に対するE.coliの発現遺伝子のバンクをスクリーニン
グするのに有用であり得る。更に,NC紙を使用して,抑
制および誘導条件の下で増殖させたF.ヘパリナムを区別
する能力は,構成的変異体を同定するこの方法の有用性
を高める。
青から赤への異染性の変化に基づくヘパリナーゼ分析
を,マイクロ培養物の分析の開発に使用して,ヘパリナ
ーゼを生産する細胞,特に,遺伝子操作されたE.coliの
ような,通常はヘパリナーゼを生産しない細胞を同定し
た。マイクロ培養物分析に,アズールAを使用するとい
う以前行われた試みは,背景の影響,恐らくは,媒体成
分のために,妨害され,検出され得ないヘパリンを有す
るサンプルと有さないサンプルにおいて,色の相違を生
じた。0.02g/1ヘパリンおよび種々の量のNaClを含むB
ブロスを96穴マイクロ培養プレートに加え,次いで各ウ
ェルに等しい容量で0.04gのアズールA/1を加え,Titerte
k Multiscanプレートリーダーを使用して,605nmで吸光
度を測定することによって,背景の影響の原因となる成
分として,塩化ナトリウムを同定した。NaClの濃度を1g
/1未満に保つことによって,背景の影響が減少する。
ン,1.0g/1のNaCl,0.02g/1のヘパリンを含み,メチオ
ン,プロリン,ヒスチジンおよびチアミンを補給した改
変Bブロスを濾過滅菌し,マイクロ培養ウェル(ウェル
当り150μ1)に加える。ウェルのすべての列は,無接
種状態のままとするか,E.coliJM83を接種するか,また
はF.ヘパリナムを接種する。1つの列は,ヘパリンを含
有しない改変Bブロスを含む。プレートを,30℃で36時
間インキュベートし,次いで冷凍および解凍する。0.04
mgのアズールAを1mlあたり150μ1の割合で各ウェルに
加え,605nmで吸光度を測定する前に,解凍したプレート
を37℃で3時間インキュベートする。更に,異なるウェ
ルのセットつまり,無接種状態のもの,E.coliJM83培養
物およびF.ヘパリナム培養物によって,色が異なること
が,単純な肉眼による観察で検出され得る。
スクリーニング プラスミド発現ベクターpUC18を使用して,F.ヘパリナ
ム染色体遺伝子バンクを,E.coli中に構築した。BamHl
リンカーの添加およびpUC18の脱リン酸化されたBamHl部
位へ連結の前に,F.ヘパリナム染色体DNAを,軽く音波処
理した。染色体DNA挿入物の平均サイズが6kbpである,5
0,000個の独立形質転換体を単離した。この構築におい
て,音波処理されたDNAを使用することにより,潜在的
な構造遺伝子内に位置する特異的部位を開裂させる制限
酵素消化によって得られたものよりも,形成された断片
のランダム性が高くなる。従って,このpUC18遺伝子バ
ンクは,検出のための活性タンパクの発現に依存するス
クリーニング技術と共に,使用されるのにより適切であ
る。上記の分析技術は,両方とも,この遺伝子バンクか
らの候補をスクリーニングするのに使用されている。
たる問題は,E.coliのような微生物におけるヘパリナー
ゼ遺伝子の発現によって解決され得た。E.coliは,F.ヘ
パリナム中に存在するサルファターゼ,グリクロニダー
ゼ等のバックグラウンド汚染酵素を含まない,生合成の
ための環境を提供し,血液の脱ヘパリン化に必要な,触
媒グレードのヘパリナーゼの精製工程を非常に容易にす
る。更に,F.ヘパリナムの発酵によって示されるものよ
りも,組換え系における生成物の力価の増加が期待され
得た。生産工程全体における改善は,工業規模での生産
工程の経済的な実現に必要である。基本的な分析によれ
ば,経済的損益分岐点は,発酵プロス1リットル当り1x
106Uの純粋酵素の生産レベルであることを示唆してい
る。本発明の方法を使用すると,1リットル当り1x104Uの
純粋酵素がF.ヘパリナム発酵物から得られ,これは20%
の収率である。
る。これらの方法に対する変形および改変は,本発明の
上記の詳細な説明から当該技術者に自明である。このよ
うな改変および変形は,添付のクレームの範囲内にあ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】ヘパリナーゼをグラム陰性細菌から精製す
る方法であって、 浸透圧を安定化させた媒体中で,グラム陰性細菌の外被
を破壊する工程; 該細菌を,イオン強度が実質的に10mMのリン酸塩に等し
く,pHが6.0と8.6との間に調整された緩衝液にさらすこ
とにより,破壊された細菌の細胞周辺腔から非ヘパリナ
ーゼタンパクを放出させる工程;および 該低イオン強度で洗浄した細菌を,イオン強度が実質的
に0.15Mの塩化ナトリウムに等しく,そしてpHが6.0と8.
6との間に調整された緩衝化塩溶液にさらすことによっ
て,該破壊された細菌からヘパリナーゼを放出させる工
程; を包含する,方法。 - 【請求項2】前記浸透圧を安定化させた媒体が20%シヨ
糖溶液である,請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記放出溶液が約6.0および8.6の間のpHに
調整されたリン酸塩含有溶液である,請求項1に記載の
方法。 - 【請求項4】前記第1の放出溶液が,約7.0および7.5の
間のpHに調整された10mMリン酸塩であり,そして,前記
第2の放出溶液が,約7.0および7.5の間のpHに調整され
た0.15M塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液である,請求
項3に記載の方法。 - 【請求項5】前記細菌が,エチレンジアミンテトラ酢
酸,リゾチーム,およびトルエンおよびクロロホルムで
なる群から選択される化合物の添加により溶菌する,請
求項1に記載の方法。 - 【請求項6】前記細菌が,該細菌を凍結し,そして解凍
することによって溶菌する,請求項1に記載の方法。 - 【請求項7】前記ヘパリナーゼを陽イオン交換クロマト
グラフィーにより分画することをさらに包含する,請求
項1に記載の方法。 - 【請求項8】前記ヘパリナーゼをゲル濾過により分画す
ることをさらに包含する,請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】前記ヘパリナーゼをポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動により分画することをさらに包含する,請求
項7に記載の方法。
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