JPH05317044A - スタフィロキナーゼの生産方法 - Google Patents
スタフィロキナーゼの生産方法Info
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- JPH05317044A JPH05317044A JP16528892A JP16528892A JPH05317044A JP H05317044 A JPH05317044 A JP H05317044A JP 16528892 A JP16528892 A JP 16528892A JP 16528892 A JP16528892 A JP 16528892A JP H05317044 A JPH05317044 A JP H05317044A
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- producing
- sak
- staphylokinase
- dna
- escherichia coli
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 血栓溶解作用を有するスタフィロキナーゼの
遺伝子組み換え技術を用いた生産方法の改良に関する。 【構成】 スタフィロキナーゼ産生遺伝子を組み込んだ
大腸菌を培養するにあたり、培地成分に0.2%量以上
の糖由来炭素源を含有せしめることにより、スタフィロ
キナーゼを培養液中に蓄積させ、培養液中から、スタフ
ィロキナーゼを採取するスタフィロキナーゼの生産方
法。
遺伝子組み換え技術を用いた生産方法の改良に関する。 【構成】 スタフィロキナーゼ産生遺伝子を組み込んだ
大腸菌を培養するにあたり、培地成分に0.2%量以上
の糖由来炭素源を含有せしめることにより、スタフィロ
キナーゼを培養液中に蓄積させ、培養液中から、スタフ
ィロキナーゼを採取するスタフィロキナーゼの生産方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血栓溶解作用を有する
スタフィロキナーゼの遺伝子組み換え技術を用いた生産
方法の改良に関する。
スタフィロキナーゼの遺伝子組み換え技術を用いた生産
方法の改良に関する。
【0002】
【背景技術】スタフィロキナーゼ(以下SAKと略記す
る)は、スタフィロコッカス・アウレウス(以下S・ア
ウレウスと記す)が産生する繊維素溶解酵素であって、
血中のプラスミノーゲンをプラスミンに変える機能を有
するが、このプラスミンがフィブリンに作用してこれを
溶解するので、SAKは、血栓溶解作用を有する物質と
して、血液凝固防止剤、血栓治療剤などのいわゆる線溶
剤として用いられ、医療上、極めて有用な物質として知
られている。
る)は、スタフィロコッカス・アウレウス(以下S・ア
ウレウスと記す)が産生する繊維素溶解酵素であって、
血中のプラスミノーゲンをプラスミンに変える機能を有
するが、このプラスミンがフィブリンに作用してこれを
溶解するので、SAKは、血栓溶解作用を有する物質と
して、血液凝固防止剤、血栓治療剤などのいわゆる線溶
剤として用いられ、医療上、極めて有用な物質として知
られている。
【0003】SAKの生産方法としては、S・アウレウ
スの溶原ファージ由来のSAK産生遺伝子を大腸菌や枯
草菌に組み込み、SAKを産生させるという遺伝子組み
換え技術を用いた生産方法が知られている(特開昭58
−67181号公報および特開昭59−135888号
公報参照)。
スの溶原ファージ由来のSAK産生遺伝子を大腸菌や枯
草菌に組み込み、SAKを産生させるという遺伝子組み
換え技術を用いた生産方法が知られている(特開昭58
−67181号公報および特開昭59−135888号
公報参照)。
【0004】例えば、大腸菌による遺伝子組み換え方法
(特開昭58−67181号)を用いたSAKの生産方
法においては、SAK産生大腸菌をペプトン・イースト
エキスを主とした培地を用いて好気的に培養し、増殖の
停止が認められた後に集菌し、該菌体のペリプラズム画
分に蓄積したSAKを抽出し、この抽出液をイオン交換
クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマ
トグラフィー等で精製し、純度の高いSAKを得てい
る。
(特開昭58−67181号)を用いたSAKの生産方
法においては、SAK産生大腸菌をペプトン・イースト
エキスを主とした培地を用いて好気的に培養し、増殖の
停止が認められた後に集菌し、該菌体のペリプラズム画
分に蓄積したSAKを抽出し、この抽出液をイオン交換
クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマ
トグラフィー等で精製し、純度の高いSAKを得てい
る。
【0005】このような従来法においては、菌体自体か
らSAKを抽出しているため、細胞破壊、浸透圧ショッ
クなどの複雑な処理工程が必要であり、しかもこの間、
P1微生物である組み換え大腸菌が自然界に飛散しない
ように、厳重な製造管理を行うことが必要であり、ま
た、菌体中の成分が精製SAKに混入しないように、多
段階にわたる精密な精製処理を行う必要がある。
らSAKを抽出しているため、細胞破壊、浸透圧ショッ
クなどの複雑な処理工程が必要であり、しかもこの間、
P1微生物である組み換え大腸菌が自然界に飛散しない
ように、厳重な製造管理を行うことが必要であり、ま
た、菌体中の成分が精製SAKに混入しないように、多
段階にわたる精密な精製処理を行う必要がある。
【0006】また、このような従来法においては、SA
Kが、菌体培養液中には低濃度でしか存在しないので、
菌体培養液からSAKを抽出するには、効率が悪く現実
的に実施する方法としては種々の欠点が存在する。
Kが、菌体培養液中には低濃度でしか存在しないので、
菌体培養液からSAKを抽出するには、効率が悪く現実
的に実施する方法としては種々の欠点が存在する。
【0007】
【発明の開示】本発明者は、SAKの生産方法につき、
種々検討を行った結果、前述のSAK産生大腸菌の培養
時の培養条件を改良することにより、その培養時にSA
Kが、培養液中に高濃度で蓄積されることを見出し、そ
の結果、該培養液について簡単な抽出操作を行うことに
より高純度のSAKが得られることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいてなされたものである。
種々検討を行った結果、前述のSAK産生大腸菌の培養
時の培養条件を改良することにより、その培養時にSA
Kが、培養液中に高濃度で蓄積されることを見出し、そ
の結果、該培養液について簡単な抽出操作を行うことに
より高純度のSAKが得られることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0008】すなわち、本発明により、S・アウレウス
の溶原ファージDNAを切断して得たスタフィロキナー
ゼ産生遺伝情報を担うDNAを組み込んだベクターを導
入して得られたスタフィロキナーゼ産生大腸菌の培養に
よりスタフィロキナーゼを生産する方法において、培地
成分に0.2%量以上の糖由来炭素源を含有せしめるこ
とによりスタフィロキナーゼを培養液中に蓄積させ、該
培養液中からスタフィロキナーゼを採取することを特徴
とするスタフィロキナーゼの生産方法が提供される。
の溶原ファージDNAを切断して得たスタフィロキナー
ゼ産生遺伝情報を担うDNAを組み込んだベクターを導
入して得られたスタフィロキナーゼ産生大腸菌の培養に
よりスタフィロキナーゼを生産する方法において、培地
成分に0.2%量以上の糖由来炭素源を含有せしめるこ
とによりスタフィロキナーゼを培養液中に蓄積させ、該
培養液中からスタフィロキナーゼを採取することを特徴
とするスタフィロキナーゼの生産方法が提供される。
【0009】さらに詳しく言えば、本発明は、従来のS
AK生産大腸菌によるSAK生産方法において、SAK
産生大腸菌を培養する際のペプトン、イーストを主とす
る培地に、更に、グルコース等の糖由来炭素源を含有せ
しめた培地を用いて、SAK産生大腸菌の培養を行うこ
とを特徴とするものであり、その結果、菌体濃度を数倍
から10倍に高め、それに比例して培養液中にSAKを
多量に蓄積させ、その培養液中からSAKを採取すると
いうものである。
AK生産大腸菌によるSAK生産方法において、SAK
産生大腸菌を培養する際のペプトン、イーストを主とす
る培地に、更に、グルコース等の糖由来炭素源を含有せ
しめた培地を用いて、SAK産生大腸菌の培養を行うこ
とを特徴とするものであり、その結果、菌体濃度を数倍
から10倍に高め、それに比例して培養液中にSAKを
多量に蓄積させ、その培養液中からSAKを採取すると
いうものである。
【0010】本発明のSAK生産方法につき、以下に、
更に詳細に説明する。
更に詳細に説明する。
【0011】本発明方法で使用するSAK産生大腸菌
は、後記の実施例に記載されているとおりの寄託株がそ
の一例であるが、これに限定されるものでない。すなわ
ち、SAK産生遺伝子の入手源としては、SAK産生遺
伝子を保持しているS・アウレウス(Staphylo
coccus aureus)の溶原ファージであれ
ば、とくに制限はなく、前記の引用公報中に開示されて
いるファージもその1例として利用することができる。
は、後記の実施例に記載されているとおりの寄託株がそ
の一例であるが、これに限定されるものでない。すなわ
ち、SAK産生遺伝子の入手源としては、SAK産生遺
伝子を保持しているS・アウレウス(Staphylo
coccus aureus)の溶原ファージであれ
ば、とくに制限はなく、前記の引用公報中に開示されて
いるファージもその1例として利用することができる。
【0012】このファージ由来のSAK産生遺伝子の採
取方法、採取した遺伝子断片の中間処理、および、導入
する大腸菌菌株の選択、用いるベクターの選択等につい
ても格別に特定はされない。通常、遺伝子組み換えの分
野で用いられている技術は、いずれも適用することがで
きる。
取方法、採取した遺伝子断片の中間処理、および、導入
する大腸菌菌株の選択、用いるベクターの選択等につい
ても格別に特定はされない。通常、遺伝子組み換えの分
野で用いられている技術は、いずれも適用することがで
きる。
【0013】本発明方法において使用するSAK産生大
腸菌は、例えば下記〜の工程により得られる。 DNA供与体であるS・アウレウスの溶原ファージD
NAを制限酵素で切断する。 SAK産生遺伝情報を有するDNA断片をとり出す。
(この工程は省略することもできる) ベクターDNAを制限酵素によって開裂させる。 ベクターDNAの開裂部位に又はで得たDNA断
片を組み込ませる。 この組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入する。 によりSAK産生能を有することとなった大腸菌
を選択分離する。
腸菌は、例えば下記〜の工程により得られる。 DNA供与体であるS・アウレウスの溶原ファージD
NAを制限酵素で切断する。 SAK産生遺伝情報を有するDNA断片をとり出す。
(この工程は省略することもできる) ベクターDNAを制限酵素によって開裂させる。 ベクターDNAの開裂部位に又はで得たDNA断
片を組み込ませる。 この組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入する。 によりSAK産生能を有することとなった大腸菌
を選択分離する。
【0014】上記のDNA供与体としての溶原ファージ
はSAK生産能を有するS・アウレウス溶原株から分離
された溶原ファージで、かつ、そのファージが溶原変換
能を有するファージであれば、すべて使用可能である。
その例としては42D、L42E、77(文献:Mas
on,R.E.and Allen,W.E.(197
5)Can.J.Microbiol.21,1113
〜1116)、Pφ1,Pφ2,Tφ−42D,Pφ−
406(文献:Kondo,I.and Fujis
e,K.(1977)Infect.Immun.1
8,266〜272)、Rφ19,SφC(文献:近藤
勇ら(1980)東京慈恵会医科大学雑誌95,120
3〜1206)などがある。溶原ファージDNAの調製
に使用される手段は、常用の手段である。すなわち、溶
原ファージをその宿主菌であるS・アウレウスに感染さ
せ、この感染菌を培養する(この方法は例えば文献:B
lair,J.E.and Williams,R.
E.O.(1961)Bull.W.H.O.24,7
71〜784に記載されている)。これによってファー
ジは培地中に出てくる(菌は溶菌する)ので、このファ
ージを適当な方法(例えば塩化セシウム平衡密度勾配遠
心法,文献:Rosenblum,E.D.andTy
rone,S.(1964)J.Bacteriol.
88,1737〜1742)で集め、このファージから
さらに公知の方法(例えばフュノール抽出法など)によ
りファージDNAを抽出することができる。
はSAK生産能を有するS・アウレウス溶原株から分離
された溶原ファージで、かつ、そのファージが溶原変換
能を有するファージであれば、すべて使用可能である。
その例としては42D、L42E、77(文献:Mas
on,R.E.and Allen,W.E.(197
5)Can.J.Microbiol.21,1113
〜1116)、Pφ1,Pφ2,Tφ−42D,Pφ−
406(文献:Kondo,I.and Fujis
e,K.(1977)Infect.Immun.1
8,266〜272)、Rφ19,SφC(文献:近藤
勇ら(1980)東京慈恵会医科大学雑誌95,120
3〜1206)などがある。溶原ファージDNAの調製
に使用される手段は、常用の手段である。すなわち、溶
原ファージをその宿主菌であるS・アウレウスに感染さ
せ、この感染菌を培養する(この方法は例えば文献:B
lair,J.E.and Williams,R.
E.O.(1961)Bull.W.H.O.24,7
71〜784に記載されている)。これによってファー
ジは培地中に出てくる(菌は溶菌する)ので、このファ
ージを適当な方法(例えば塩化セシウム平衡密度勾配遠
心法,文献:Rosenblum,E.D.andTy
rone,S.(1964)J.Bacteriol.
88,1737〜1742)で集め、このファージから
さらに公知の方法(例えばフュノール抽出法など)によ
りファージDNAを抽出することができる。
【0015】溶原ファージDNAの制限酵素による切断
は次のようにして行う。
は次のようにして行う。
【0016】ファージDNAに適当な制限酵素を加え、
適当な反応条件で反応を行うことによって、ファージD
NAは加えられた制限酵素によって種々の断片に切断さ
れる。
適当な反応条件で反応を行うことによって、ファージD
NAは加えられた制限酵素によって種々の断片に切断さ
れる。
【0017】このファージDNAの切断に使用しうる制
限酵素は、1)ファージDNAを切断しうるものであ
り、かつ2)SAK生産に関する遣伝情報を担うDNA
部分を切断しないものでなければならない。これに適す
る制限酵素としては、HindIII,Pst I,A
cc I,Ava II,EcoR I,Hpa I,
Hpa II,Hind II,Sst I,Cla
I,BstE II,Sst II,Xho I,Bc
l I,Bgl II,Pvu II,Xor II,
Kpn I,Sma I,Xba Iなどがある。
限酵素は、1)ファージDNAを切断しうるものであ
り、かつ2)SAK生産に関する遣伝情報を担うDNA
部分を切断しないものでなければならない。これに適す
る制限酵素としては、HindIII,Pst I,A
cc I,Ava II,EcoR I,Hpa I,
Hpa II,Hind II,Sst I,Cla
I,BstE II,Sst II,Xho I,Bc
l I,Bgl II,Pvu II,Xor II,
Kpn I,Sma I,Xba Iなどがある。
【0018】次に、ファージDNAを制限酵素で切断し
たDNA断片群の中からSAK産生情報を含むDNA断
片を各種の公知の方法(例えばアガロースゲル電気泳動
法など)により分離する。このためには、ファージDN
Aの断片群のうち、どの断片がSAK産生情報を有して
いるかを前もって判定しておかなければならない。この
判定方法については後述する。上記のDNA断片の分離
操作は場合により省略することもできる。
たDNA断片群の中からSAK産生情報を含むDNA断
片を各種の公知の方法(例えばアガロースゲル電気泳動
法など)により分離する。このためには、ファージDN
Aの断片群のうち、どの断片がSAK産生情報を有して
いるかを前もって判定しておかなければならない。この
判定方法については後述する。上記のDNA断片の分離
操作は場合により省略することもできる。
【0019】一方、ベクターDNAの開裂は、ベクター
DNAに適当な制限酵素を加え、適当な反応条件下で反
応を行うことによりベクターDNAを開裂させることが
できる。
DNAに適当な制限酵素を加え、適当な反応条件下で反
応を行うことによりベクターDNAを開裂させることが
できる。
【0020】ベクターDNAとしては公知のものが使用
できる。それには例えばColE1,pMB9,pSC
101,p15Aおよびその誘導体(例えばpBR32
2,pACYC184など)やスファージ由来のシャロ
ンベクターなどがある。
できる。それには例えばColE1,pMB9,pSC
101,p15Aおよびその誘導体(例えばpBR32
2,pACYC184など)やスファージ由来のシャロ
ンベクターなどがある。
【0021】次に、ベクターDNAの開裂部位に上述の
DNA断片を組み込ませるが、その手段自体は、常法に
よるものであり、使用したファージDNAの種類、ベク
ターDNAの種類および制限酵素の種類に応じて適当な
反応条件が選択される。なお、ベクターの複製能を損な
わない限り、上記のファージDNA断片を挿入する方向
及び部位は問わない。
DNA断片を組み込ませるが、その手段自体は、常法に
よるものであり、使用したファージDNAの種類、ベク
ターDNAの種類および制限酵素の種類に応じて適当な
反応条件が選択される。なお、ベクターの複製能を損な
わない限り、上記のファージDNA断片を挿入する方向
及び部位は問わない。
【0022】次いで組み換え体DNAを宿主大腸菌に導
入させるが、宿主大腸菌としては大腸菌に特異な制限・
修飾系のうち制限能を欠損した大腸菌株はすべて使用可
能である。また、いったん修飾をうけたSAK産生遺伝
情報を担うDNAを組み込んだプラスミドは制限能を有
する大腸菌株に対しても使用することができる。宿主大
腸菌は、用いたベクターの種類によって限定される場合
がある。使用した大腸菌原株のうちのr(−)Kとは制
限能を欠損した株を、またm(−)Kとは修飾能をもた
ない株を示す。
入させるが、宿主大腸菌としては大腸菌に特異な制限・
修飾系のうち制限能を欠損した大腸菌株はすべて使用可
能である。また、いったん修飾をうけたSAK産生遺伝
情報を担うDNAを組み込んだプラスミドは制限能を有
する大腸菌株に対しても使用することができる。宿主大
腸菌は、用いたベクターの種類によって限定される場合
がある。使用した大腸菌原株のうちのr(−)Kとは制
限能を欠損した株を、またm(−)Kとは修飾能をもた
ない株を示す。
【0023】導入の手段、自体は公知の方法(例えばC
ameronらの方法:文献 Cameron,J.
R.et al.(1975)Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.72,3416〜342
0)を用いることができる。
ameronらの方法:文献 Cameron,J.
R.et al.(1975)Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.72,3416〜342
0)を用いることができる。
【0024】前述のの工程を行った場合においても、
溶原ファージのSAK産生遺伝情報を担うDNA断片を
組み込まない場合があり、また、の工程を省略した場
合には、組み込まない場合の他にSAK産生能に関する
ものでないDNA断片を組み込む場合がある。そのため
にSAK産生能を有することとなった大腸菌を選択分離
することが必要である。この大腸菌の選択分離には、S
・アウレウスについて用いられている公知の方法(例え
ば文献:Kondo,I and Fujise,K.
(1977)Infect.Immun.18,266
〜272)を使用することができる。すなわち、この方
法により、加熱血漿寒天培地を作成し、その上に試験菌
をスポットし、一定期間培養することによりフィブリン
分解能をみる。フィブリン分解能を有するものは集落の
周辺をとかして、透明なゾーンができるので、この菌だ
けをとり出すことができる。かくしてSAK産生能を有
する大腸菌が分離されるが、SAK産生能を有する大腸
菌からのSAK産生遺伝情報を担うDNAの解析は次の
如くして行う。すなわち、SAK産生能を有する大腸菌
から組換え体プラスミドまたは組換え体ファージを取り
出し、ファージDNAの切断およびベクターDNAの開
裂に用いた制限酵素でこの組換え体プラスミドまたは組
換え体ファージを切断する。この切断されたDNA断片
の分子量(すなわちDNAとしての長さ)を公知方法
(例えば、アガロースゲル電気泳動など)によって測定
することによってSAK産生遺伝情報を担うDNA断片
のファージDNA上での位置を知ることができる。
溶原ファージのSAK産生遺伝情報を担うDNA断片を
組み込まない場合があり、また、の工程を省略した場
合には、組み込まない場合の他にSAK産生能に関する
ものでないDNA断片を組み込む場合がある。そのため
にSAK産生能を有することとなった大腸菌を選択分離
することが必要である。この大腸菌の選択分離には、S
・アウレウスについて用いられている公知の方法(例え
ば文献:Kondo,I and Fujise,K.
(1977)Infect.Immun.18,266
〜272)を使用することができる。すなわち、この方
法により、加熱血漿寒天培地を作成し、その上に試験菌
をスポットし、一定期間培養することによりフィブリン
分解能をみる。フィブリン分解能を有するものは集落の
周辺をとかして、透明なゾーンができるので、この菌だ
けをとり出すことができる。かくしてSAK産生能を有
する大腸菌が分離されるが、SAK産生能を有する大腸
菌からのSAK産生遺伝情報を担うDNAの解析は次の
如くして行う。すなわち、SAK産生能を有する大腸菌
から組換え体プラスミドまたは組換え体ファージを取り
出し、ファージDNAの切断およびベクターDNAの開
裂に用いた制限酵素でこの組換え体プラスミドまたは組
換え体ファージを切断する。この切断されたDNA断片
の分子量(すなわちDNAとしての長さ)を公知方法
(例えば、アガロースゲル電気泳動など)によって測定
することによってSAK産生遺伝情報を担うDNA断片
のファージDNA上での位置を知ることができる。
【0025】本発明の方法において特徴的である培養培
地の組成成分は、糖由来の炭素源が0.2%量以上の割
合で含有せしめられていることが必要であるが、その基
本となる培地としては、通常、大腸菌の増殖に用いられ
るものは、いずれも使用可能であり、格別に特定されな
い。例としては、L−ブロス培地、肉エキスブイヨン培
地などの基本培地をあげることができる。
地の組成成分は、糖由来の炭素源が0.2%量以上の割
合で含有せしめられていることが必要であるが、その基
本となる培地としては、通常、大腸菌の増殖に用いられ
るものは、いずれも使用可能であり、格別に特定されな
い。例としては、L−ブロス培地、肉エキスブイヨン培
地などの基本培地をあげることができる。
【0026】糖由来炭素源としては、例えば、単糖類、
2糖類、糖アルコール類が利用可能なものとしてあげら
れ、とくに限定はされないが、グルコース、マルトー
ス、蔗糖、乳糖、グリセリン、ソルビトールなどはその
好適な例としてあげられる。
2糖類、糖アルコール類が利用可能なものとしてあげら
れ、とくに限定はされないが、グルコース、マルトー
ス、蔗糖、乳糖、グリセリン、ソルビトールなどはその
好適な例としてあげられる。
【0027】その添加量は、0.2%未満の量では、本
発明の効果を達成することができずまた一方、余り多量
に使用すると、浸透圧が高くなりすぎ、かえって、増殖
を阻害するという問題が生じる可能性があるので、0.
2〜5%が好適な範囲であり、好ましくは、0.5〜2
%の範囲で含有せしめる。本発明の効果をさらに増大せ
しめるためには、培養の過程において、菌体による資化
により減少する糖由来炭素源を、培養基中に適宜、添加
することにより、その炭素源の濃度を維持する方法をと
ることができる。
発明の効果を達成することができずまた一方、余り多量
に使用すると、浸透圧が高くなりすぎ、かえって、増殖
を阻害するという問題が生じる可能性があるので、0.
2〜5%が好適な範囲であり、好ましくは、0.5〜2
%の範囲で含有せしめる。本発明の効果をさらに増大せ
しめるためには、培養の過程において、菌体による資化
により減少する糖由来炭素源を、培養基中に適宜、添加
することにより、その炭素源の濃度を維持する方法をと
ることができる。
【0028】この培養にあたり、窒素源としては、一般
的に用いられるペプトン、硫酸アンモニウム、カザミノ
酸、硝酸アンモニウムなどが利用可能であり、さらに、
従来知られている大腸菌培養に好影響を与える各種添加
物としてのイーストエキス、肉エキス、ビタミン類、無
機塩等を本発明の効果に影響を及ぼさない限りの範囲で
使用することができる。
的に用いられるペプトン、硫酸アンモニウム、カザミノ
酸、硝酸アンモニウムなどが利用可能であり、さらに、
従来知られている大腸菌培養に好影響を与える各種添加
物としてのイーストエキス、肉エキス、ビタミン類、無
機塩等を本発明の効果に影響を及ぼさない限りの範囲で
使用することができる。
【0029】SAK産生大腸菌の培養は、好気的条件下
で行われる。菌の増殖状態を適時チェックし、十分な菌
数となった時点で、培養操作を停止する。
で行われる。菌の増殖状態を適時チェックし、十分な菌
数となった時点で、培養操作を停止する。
【0030】ついで、この培養液から生成したSAKを
抽出するがその方法としては、まず、遠心分離、濾過等
の手段により、培養液中の菌体を除去し、培養濾液を得
る。この培養濾液は、他の培地成分が低濃度でしかも低
分子であるため、限外濾過膜で濃縮することにより容易
に、ペプチド成分や糖成分を除去でき、濃縮されたSA
K溶液を収得することができる。それをさらに慣用の方
法により、イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過、
さらにエンドトキシン除去のためのアフィニティークロ
マトグラフィー処理等を行って精製する。かくして高純
度のSAKを得ることができる。
抽出するがその方法としては、まず、遠心分離、濾過等
の手段により、培養液中の菌体を除去し、培養濾液を得
る。この培養濾液は、他の培地成分が低濃度でしかも低
分子であるため、限外濾過膜で濃縮することにより容易
に、ペプチド成分や糖成分を除去でき、濃縮されたSA
K溶液を収得することができる。それをさらに慣用の方
法により、イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過、
さらにエンドトキシン除去のためのアフィニティークロ
マトグラフィー処理等を行って精製する。かくして高純
度のSAKを得ることができる。
【0031】本発明の方法によれば、菌体の処理工程が
省略されるので、菌体由来の爽雑物質の混入の可能性も
少なく、高生産性で高純度のSAKの生産が可能であ
る。
省略されるので、菌体由来の爽雑物質の混入の可能性も
少なく、高生産性で高純度のSAKの生産が可能であ
る。
【0032】以下に、実施例を掲げ、本発明を更に具体
的に説明する。
的に説明する。
【0033】
【実施例】本例においては、SAK産生大腸菌株とし
て、エシュリヒア・コリK12 C600(pSAK−
HP2)(ATCC 39179号)を使用した。
て、エシュリヒア・コリK12 C600(pSAK−
HP2)(ATCC 39179号)を使用した。
【0034】この菌株は、特開昭58−67181号公
報の実施例2に準拠して製造されたものである。すなわ
ち、SAK産生DNAとしてSφCを用い、制限酵素と
してHind IIIを用いて4.9kbのDNA断片
を分離し、更にPstIで処理して得られるDNA断片
(約2.5kb)を、プラスミドpBR322に組み込
み、大腸菌K12C600株に形質転換することにより
SAK産生用大腸菌;エシュリヒア・コリK12C60
0(pSAK−HP2)(ATCC 39179号)か
ら得られる。
報の実施例2に準拠して製造されたものである。すなわ
ち、SAK産生DNAとしてSφCを用い、制限酵素と
してHind IIIを用いて4.9kbのDNA断片
を分離し、更にPstIで処理して得られるDNA断片
(約2.5kb)を、プラスミドpBR322に組み込
み、大腸菌K12C600株に形質転換することにより
SAK産生用大腸菌;エシュリヒア・コリK12C60
0(pSAK−HP2)(ATCC 39179号)か
ら得られる。
【0035】培地は、各例ともにL−ブロス液体培地
(組成;ポリペプトン1%、イーストエキス1%、Na
Cl 0.5%、pH7.0) を基本組成とし、これ
に、糖由来炭素源としてグルコース、蔗糖、乳糖をそれ
ぞれ0.5%あるいは2%の量で添加した。また、糖由
来炭素源を添加しない基本組成のみの培地を対象群とし
て用い、本発明の比較対象とした。これらの培地に、S
AK産生大腸菌を接種し、37℃で撹拌下通気培養を行
う。培養3時間後に、SAK誘導のために、IPTG
0.5mMを添加した。
(組成;ポリペプトン1%、イーストエキス1%、Na
Cl 0.5%、pH7.0) を基本組成とし、これ
に、糖由来炭素源としてグルコース、蔗糖、乳糖をそれ
ぞれ0.5%あるいは2%の量で添加した。また、糖由
来炭素源を添加しない基本組成のみの培地を対象群とし
て用い、本発明の比較対象とした。これらの培地に、S
AK産生大腸菌を接種し、37℃で撹拌下通気培養を行
う。培養3時間後に、SAK誘導のために、IPTG
0.5mMを添加した。
【0036】OD660で菌数の増殖状態をチエック
し、菌数濃度が定常状態に達したら、培養を停止する。
遠心分離により、菌体を除去し、得られる培養上清につ
いて、フィブリンプレート法を用いてSAKの産生量の
定量を行った。
し、菌数濃度が定常状態に達したら、培養を停止する。
遠心分離により、菌体を除去し、得られる培養上清につ
いて、フィブリンプレート法を用いてSAKの産生量の
定量を行った。
【0037】次表(表1)に記載されたとおりの各条件
による培養によるSAKの定量結果を表1に示す。な
お、SAK量は、培地1ml当たりの単位数で表されて
いる。
による培養によるSAKの定量結果を表1に示す。な
お、SAK量は、培地1ml当たりの単位数で表されて
いる。
【0038】
【表1】
【0039】培地上清から得られたSAKは、電気泳動
及び高速液体クロマトグラフィーで同定し、SAKの標
準品と同一であることを確認した。
及び高速液体クロマトグラフィーで同定し、SAKの標
準品と同一であることを確認した。
【0040】本発明の生産方法によれば、SAK産生大
腸菌を使ってSAKを生産する方法において、培地成分
に0.2%量以上の糖由来炭素源を含有せしめて、該S
AK産生大腸菌を培養することにより、従来法の数倍以
上のSAKを培養液中に蓄積させることが可能となり、
該培養液中からSAKを抽出するというだけの簡便な操
作でSAKを製造することが可能となる。
腸菌を使ってSAKを生産する方法において、培地成分
に0.2%量以上の糖由来炭素源を含有せしめて、該S
AK産生大腸菌を培養することにより、従来法の数倍以
上のSAKを培養液中に蓄積させることが可能となり、
該培養液中からSAKを抽出するというだけの簡便な操
作でSAKを製造することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 スタフィロコッカス・アウレウスの溶原
ファージDNAを切断して得たスタフィロキナーゼ産生
遺伝情報を担うDNAを組み込んだベクターを導入して
得られたスタフィロキナーゼ産生大腸菌の培養によりス
タフィロキナーゼを生産する方法において、培地成分に
0.2%量以上の糖由来炭素源を含有せしめることによ
りスタフィロキナーゼを培養液中に蓄積させ、該培養液
中からスタフィロキナーゼを採取することを特徴とする
スタフィロキナーゼの生産方法。 - 【請求項2】 上記の糖由来炭素源がグルコースである
請求項1に記載のスタフィロキナーゼの生産方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16528892A JPH05317044A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | スタフィロキナーゼの生産方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16528892A JPH05317044A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | スタフィロキナーゼの生産方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05317044A true JPH05317044A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15809485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16528892A Pending JPH05317044A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | スタフィロキナーゼの生産方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05317044A (ja) |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP16528892A patent/JPH05317044A/ja active Pending
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