JP2602871B2 - 低膨張透明結晶化ガラス - Google Patents

低膨張透明結晶化ガラス

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JP2602871B2 JP63005798A JP579888A JP2602871B2 JP 2602871 B2 JP2602871 B2 JP 2602871B2 JP 63005798 A JP63005798 A JP 63005798A JP 579888 A JP579888 A JP 579888A JP 2602871 B2 JP2602871 B2 JP 2602871B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、非常に小さい熱膨張係数と、優れた透明性
を有する低膨張透明結晶化ガラスに関する。
[従来の技術] ICフォトマスク基板あるいはオプティカルフラット・
球面原器などの光学原器に使用される材料は、寸法の温
度変化が小さいこと、つまり望ましくはゼロの非常に小
さい熱膨張係数の材料であることが必要とされている。
又特にICフォトマスク基板用としては光源として使用す
る光の波長(例えば436nm)における透過率が十分に高
いこと、および光学原器用としてはニュートンリングの
観察が可能なように、通常の無機ガラスと同等もしくは
それに近い透明性を有すること等の性質も必要とされて
いる。
熱膨張係数が非常に小さい透明材料としては、石英ガ
ラス、SiO2−TiO2系ガラスおよびβ−石英固溶体結晶を
含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスが知られて
おり、石英ガラスはICフォトマスク基板などに、SiO2
TiO2系ガラス(コーニング社コードNo.7971)、Li2O−A
l2O3−SiO2系結晶化ガラス(ショット社Zerodurなど)
は、反射望遠鏡のミラーブランクスなどに使用されてい
る。
これらの材料の中で、石英ガラスの線熱膨張係数は約
6×10-7K-1で、他の無機ガラスと比較すれば著しく小
さいものの、ICフォトマスク、光学原器用材料として見
た場合には、その寸法の温度変化は無視できず、特にIC
フォトマスク基板としての用途においては、わずかな温
度変動によるその寸法変化が、ICの製造工程における歩
留低下の要因の1つとなっている。
また、石英ガラスはその電気抵抗が著しく高いため
に、帯電してほこりを吸い着け易い、パターン間で放電
を起こしてパターンの破壊を起こし易いという問題も持
っている。
また、フォトマスク基板用材料には、露光に使用する
光の波長(例えば436nm)において高い透過率を有する
こと、および3〜5μm以上の泡異物を含有しないこと
が要求され、現在実用化されているゼロ膨張透明材料で
あるSiO2−TiO2系ガラス、Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化
ガラスの中には、これらの要求を満足するものはない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記要求及び従来技術の問題点に基づき、
熱膨張が非常に小さくてわずかな温度の変動による寸法
の変化が実質的に無視できる、透明性の良い結晶化ガラ
スを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、重量%で Li2O 3.7〜5.5 Na2O 0〜4.0 K2O 0〜4.0 Na2O+K2O 0.5〜4.0 MgO 0.1〜2.0 Al2O3 20.5〜23.0 SiO2 60.0〜68.5 TiO2 1.0〜3.5 ZrO2 1.0〜3.5 TiO2+ZrO2 3.5〜7.0 P2O5 0〜4.0 の組成を有し、主結晶相がβ−石英固溶体結晶であり、
25℃〜50℃の温度範囲における平均熱膨張係数が−1×
10-7〜1×10-7K-1であり、4.6mm厚での436nmの波長の
光の透過率が85%以上である低膨張透明結晶化ガラスで
ある。
本発明の結晶化ガラスは、上記組成のガラスを800〜9
00℃の温度で熱処理する事等により得ることができる。
本発明の透明結晶化ガラスの主結晶相はβ−石英固溶
体結晶であり、該主結晶を析出させなければ目的とする
ような熱膨張の非常に小さい(例えば25℃〜50℃の温度
範囲における平均線熱膨張係数が−1×10-7〜1×10-7
K-1)透明張結晶化ガラスを得ることはできない。
上記熱処理の最適温度は組成によって異なるが、概ね
800〜900℃である。また、該熱処理はいきなり800〜900
℃に保持する一段の熱処理であってもかまわないが、よ
り優れた透過率を有する結晶化ガラスを作成するため
に、例えば700〜800℃の第1段の温度域で第1段の熱処
理を行ない、その後例えば800〜900℃の第2段の温度域
で第2段の熱処理を行なうといった2段あるいはそれ以
上の多段階処理を行なった方が、結晶粒径が小さくなり
散乱が低下して、より透明性のよい結晶化物が得られる
ので好ましい。
以下に、本発明の結晶化ガラスの組成限定理由につい
て説明する。
SiO2:上限量より多いとガラスの溶融、成形が難しくな
るとともに、白濁が増加して透過率が低下する。下限量
より少ないと膨張係数が小さくなり、また白濁が増加し
て透明性が悪くなる。
Al2O3:上限量より多いとガラスの溶融、成形が難しくな
るとともに、膨張係数が大きくなる。また、下限量より
少ないと白濁が増加して透明性が悪くなる。
Li2O:上限量より多いと膨張係数が小さくなるととも
に、白濁が増加して透明性が悪くなる。また下限量より
少ないと、白濁が増加して透明性が悪くなるとともにガ
ラスの溶融、成形が難しくなる。
MgO:少量でも結晶を微細化することによって白濁を減少
させて透過率を上昇させるのに非常に有効な成分であ
る。また、結晶中に固溶することによって熱膨張を上昇
させるので、熱膨張係数の調整に対しても有効な成分で
ある。しかし、吸収端を長波長側にシフトさせて短波長
域の透過率を低下させるので、3wt%より多いと透過率
が低下する。又、3wt%より多いと結晶化時にクラック
が発生しやすくなる。特に透過率を向上させるためには
2wt%以下とすることが好ましい。下限量より少ないと
十分な結晶の微細効果が得られず、白濁が増加して透明
性が悪くなる。
Na2O:ガラスの溶解性を向上させるとともに、結晶化度
を低下させることによって熱膨張を上昇させるので、熱
膨張係数の調整に有効な成分である。また、溶融したKN
O3に浸漬することにより、K+とイオン交換して結晶化ガ
ラスの表層部に圧縮応力を生じさせることによりその強
度を向上させるのに著しく有効な成分である。上限量よ
り多いと白濁が増加して透明性が悪くなり、1wt%より
少ないとイオン交換による強度向上の効果が著しく小さ
くなるので用途によっては1wt%〜4wt%で加えることが
好ましい。
K2O:ガラスの溶解性を向上させるとともに、結晶化度を
低下させることによって熱膨張を上昇させるので、熱膨
張係数の調整に有効な成分である。上限量より多いと白
濁が増加して透明性が悪くなる。
Na2O+K2O:上限量より多いと白濁が増加して透明性が悪
くなる。また、0.5wt%より少ないとガラスの溶解性が
低下しやすい。
TiO2:結晶化を促進する成分である。TiO2が7.0wt%より
多くなると、その強い紫外吸収のために着色を生じて透
過率を低下させることになる。さらに、高い透過率を求
める時には、3.5wt%以下とすることが好ましい。
ZrO2:結晶化を促進する成分である。ZrO2が3.5wt%を越
えると、未溶解を生じ易くなり溶解が困難になる。高い
透過率を求める時は1〜3.5wt%とすることが好まし
い。
TiO2+ZrO2:TiO2とZrO2の合計量は3.5wt%以上とするこ
とが必要であり、下限量より少ないと十分な結晶化促進
効果が得られず、白濁が増加して透明性が悪くなり、目
的とするような結晶化ガラスが得られない。また、上限
量をこえると過度に結晶化が起こり易くなり、徐冷中に
失透し易くなる。また、TiO2とZrO2の合計量は4.5〜5.0
wt%であることが望ましい。
P2O5:ZrO2の溶解を促進する成分であり上限量より多い
と白濁が増加して透明性が低下する。
また、結晶化ガラスを所望の色調に着色し、その可視
光および赤外光の透過率を制御するために、V2O5,NiO,C
oO,Fe2O3,MnO2,を単独あるいは組み合わせて加えること
もできる。
また、着色または高透過率の最終製品の性質を損なわ
ない範囲内で、As2O3,Sb2O3などの清澄剤を添加するこ
とも出来る。
[実施例] 実施例1〜4,比較例1 第1表に示した組成になるように調合した原料を、白
金るつぼを用いて1550℃で溶融し、型枠に鋳込み徐冷し
て試料ガラスを得た。この試料ガラスを、第1表に示し
た二段の熱処理条件で結晶化した。得られた結晶化物
の、25〜50℃の温度範囲における平均熱膨張係数(α25
50),および4.6mm厚での436nmの波長における透過率
(T436)を測定した結果を第1表に示す。また、該結晶
化ガラスの結晶相はX線回折によりβ−石英固溶体結晶
であることがわかった。
実施例1〜4は、本発明の実施例であり、比較例1は
25〜50℃の温度範囲における平均熱膨張係数の絶対値が
1×10-7K-1以下のβ−石英固溶体結晶を主結晶とする
本発明に含まれない結晶化ガラスである。
第1表の結果から明かなとうり比較例の結晶化ガラス
は、熱膨張係数は非常に小さいが、透過率が低い。それ
に対して、本発明で得られる結晶化ガラスは、非常に小
さい熱膨張係数と、高い透過率を合わせ持つことがわか
る。
また、実施例3の試料の25℃、相対湿度60%における
表面抵抗を測定したところ、1.9×1011Ωで、石英ガラ
スの1.0×1015Ωより著しく低く、またフォトマスク基
板として使用した場合に帯電による問題を生じないソー
ダライムガラスの1.4×1013Ωよりも低く、本発明によ
りえられる結晶化ガラスは帯電による問題を解決した物
であることがわかる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、フォトマスク基板、光
学原器用材料などとして好適な、熱膨張係数が非常に小
さくて寸法の温度変化が非常に小さく、透明性にすぐれ
た結晶化ガラスを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−76313(JP,A) 特開 昭55−104944(JP,A) 特開 昭61−286237(JP,A) 特開 昭52−117311(JP,A) 特公 昭49−10134(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で Li2O 3.7〜5.5 Na2O 0〜4.0 K2O 0〜4.0 Na2O+K2O 0.5〜4.0 MgO 0.1〜2.0 Al2O3 20.5〜23.0 SiO2 60.0〜68.5 TiO2 1.0〜3.5 ZrO2 1.0〜3.5 TiO2+ZrO2 3.5〜7.0 P2O5 0〜4.0 の組成を有し、主結晶相がβ−石英固溶体結晶であり、
    25℃〜50℃の温度範囲における平均熱膨張係数が−1×
    10-7〜1×10-7K-1であり、4.6mm厚での436nmの波長の
    光の透過率が85%以上である低膨張透明結晶化ガラス。
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