JP2757916B2 - 低膨張透明結晶化ガラス - Google Patents

低膨張透明結晶化ガラス

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JP2757916B2 JP8252710A JP25271096A JP2757916B2 JP 2757916 B2 JP2757916 B2 JP 2757916B2 JP 8252710 A JP8252710 A JP 8252710A JP 25271096 A JP25271096 A JP 25271096A JP 2757916 B2 JP2757916 B2 JP 2757916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低膨張透明結晶化
ガラスに関し、特に調理レンジのトッププレートとして
好適な低膨張透明結晶化ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】熱膨張係数が非常に小さい材料として
は、石英ガラス、SiO2−TiO2系ガラスおよびβ−
石英固溶体結晶を含有するLi2O−Al23−SiO2
系結晶化ガラスが知られている。また、従来、抵抗発熱
体を熱源とした調理レンジのトッププレートには、汚れ
が目立たず、非通電時に発熱体が透けて見えるように、
透過光で暗褐色あるいは褐色を呈するように着色された
Li2O−Al23−SiO2系低膨張結晶化ガラスが使
用されている(例えば、特公昭53−38090、特公
昭60−54896等)。これらの結晶化ガラスには、
発熱体に近い高温部と、発熱体から離れている低温部と
の温度差によってクラックや割れを生じにくいよう、熱
膨張はできるだけ小さいこと(望ましくはゼロであるこ
と)が好ましい。また、この種の結晶化ガラスは、透明
とは言うものの、結晶粒子の散乱によって白濁をある程
度帯びており、この白濁が濃いと、外観上好ましくない
とともに、赤外線の透過性が悪くなり、白濁はできるだ
けうすいことが好ましい。
【0003】さらに、このような調理レンジのトッププ
レートは、通常は未強化で使用されるが、特に高い強度
を必要とする場合、あるいは軽量化を図るために通常よ
り薄い厚さで使用される場合には、強度を高めるために
化学強化処理されて使用される場合がある。したがっ
て、化学強化が可能であることが望ましく、とりわけ装
置及び操作の容易な溶融したKNO3 に浸漬する方法で
化学強化が可能であることが望ましい。しかしながら、
従来の調理レンジトッププレート用着色結晶化ガラス
は、溶融したKNO3 に浸漬する方法で化学強化が可能
であるものの、その強度の向上の度合いは小さく、十分
高い強度は得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要求及
び従来技術の問題点に基づき、調理レンジのトッププレ
ートとして好適な、熱膨張が非常に小さく、透明性が非
常に優れ、かつ必要に応じて溶融したKNO3 に浸漬す
ることによって化学強化が可能なLi2O−Al23
SiO2系低膨張透明結晶化ガラスを提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の低熱膨張透明結
晶化ガラスは、重量%で、 Li2 O 3.5〜5.5 Na2 O 1.0〜4.0 MgO 0.1〜3.0 Al2 3 20.5〜23.0 SiO2 60.0〜68.5 ZrO2 0〜3.5 TiO2 +ZrO2 3.5〜7.0 P2 5 0〜4.0 の組成を有し、ZnOを実質的に含有せず、β−石英固
溶体結晶を主たる析出結晶として含み、かつ、25〜3
00℃における平均熱膨張係数が−0.1×10 -7
2.1×10 -7 であることを特徴とする。
【0006】本発明においては、着色剤として、V
25、NiO、CoO、Fe23およびMnO2 からな
る群のうち少なくとも1種を重量%で0.01〜1.0
%含有することが好ましい。
【0007】以下に、本発明の結晶化ガラスの組成限定
理由について説明する。 SiO2 :上限より多いとガラスの溶融、成形が難しく
なるとともに、白濁が増加して透過率が低下する。下限
量より少ないと膨張係数が小さくなり、また白濁が増加
して透明性が悪くなる。 Al2 3 :上限量より多いとガラスの溶融、成形が難
しくなるとともに、膨張係数が大きくなる。また、下限
量より少ないと白濁が増加して透明性が悪くなる。 Li2 O:上限量より多いと膨張係数が小さくなるとと
もに、白濁が増加して透明性が悪くなる。また、下限量
より少ないと、白濁が増加して透明性が悪くなるととも
にガラスの溶融、成形が難しくなる。 MgO:少量でも結晶を微細化することによって白濁を
減少させて透過率を上昇させるのに非常に有効な成分で
ある。また、結晶中に固溶することによって熱膨張を上
限させるので、熱膨張係数の調整に対しても有効な成分
である。しかし、吸収端を長波長側にシフトさせて短波
長域の透過率を低下させるので、3wt%より多いと透
過率が低下する。又、3wt%より多いとクラックが発
生しやすくなる。特に透過率を向上させるためには2w
t%以下とすることが好ましい。下限量より少ないと十
分な結晶の微細効果が得られず、白濁が増加して透明性
が悪くなる。 Na2 O:ガラスの溶解性を向上させるとともに、結晶
化度を低下させることによって熱膨張を上昇させるの
で、熱膨張係数の調整に有効な成分である。また、溶融
したKNO3 に浸漬することにより、K+ とイオン交換
して結晶化ガラスの表層部に圧縮応力を生じさせること
によりその強度を向上させるのに著しく有効な成分であ
る。上限量よりも多いと白濁が増加して透明性が悪くな
り、下限量よりも少ないとイオン交換による強度向上の
効果が著しく小さくなる。 ZrO2 :結晶化を促進する成分である。ZrO2
3.5wt%を越えると、未溶解を生じ易くなり溶解が
困難になる。高い透過率を求める時は、1〜3.5wt
%とすることが好ましい。 TiO2 +ZrO2 :TiO2 とZrO2 の合計量は
3.5〜7.0wt%とすることが必要であり、下限量
より少ないと十分な結晶化促進効果が得られず、白濁が
増加して透明性が悪くなり、目的とするような結晶化ガ
ラスが得られない。また、上限を越えると過度に結晶化
が起こり易くなり、除冷中に失透し易くなる。また、T
iO2 とZrO2 の合計量は4.5〜5.0wt%であ
ることが好ましい。 P2 5 :ZrO2 の溶解を促進する成分であり、上限
量よりも多いと白濁が増加して透明性が低下する。また、本発明においては、ZnOを実質的に含まず、こ
のようにZnOを含まないことによって、熱膨張係数を
低い値で安定化させることができる。
【0008】また、結晶化ガラスを所望の色調に着色
し、その可視光および赤外光の透過率を制御するため
に、V25、NiO、CoO、Fe23およびMnO2
からなる群のうち少なくとも1種を重量%で0.01〜
1.0%含有させることが好ましい。
【0009】該着色剤が0.01%よりも少ないと、着
色が少なく、例えば調理レンジのトッププレートとして
使用した際に非通電時にも発熱体が透けて見えるように
なり、有色結晶化ガラスとしては機能しなくなる。
【0010】本発明の透明結晶化ガラスの主結晶相はβ
−石英固溶体結晶であり、該主結晶を析出させなけれ
ば、25〜300℃における平均熱膨張係数が−0.1
×10 -7 〜2.1×10 -7 というような熱膨張の非常に
小さい透明低膨張結晶化ガラスを得ることができない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の結晶化ガラスは、上記組
成のガラスを800〜900℃の温度で熱処理すること
等により得ることができる。この熱処理は、いきなり8
00〜900℃に保持する一段の熱処理であってもかま
わないが、より優れた透過率を有する結晶化ガラスを作
成するために、例えば、700〜800℃の第1段の温
度域で第1段の熱処理を行い、その後、例えば、800
〜900℃の第2段の温度域で第2段の熱処理を行うと
いった2段あるいはそれ以上の多段階処理を行った方
が、結晶粒径が小さくなり散乱が低下して、より透明性
のよい結晶化物が得られるので好ましい。
【0012】
【実施例】表に示した組成になるように調合した原料
を、白金るつぼを用いて1550℃で溶融し、型枠に鋳
込み徐冷して試料を得た。この試料ガラスを、表に示し
た二段の熱処理条件で結晶化した。得られた結晶化物
の、主析出結晶、25〜300℃における平均熱膨張係
数(α25300)、および色調を表に示す。表から明ら
かな通り、本発明の結晶化ガラスは、非常に小さい熱膨
張と調理レンジのトッププレートとして好適な色調を有
する。また、表に示した参考例は、本発明の範囲内で、
Na2O含有量が1%未満の組成である。この参考例及
び実施例4の結晶化ガラスについて、縦横5mm長さ5
0mmの鏡面研磨した棒状試料を、470℃の溶融した
KNO3に24時間浸漬し、化学強化したものの3点曲
げ強度を測定した。その結果実施例4の化学強化品が、
4580kg/cm2であったのに対して、参考例の化
学強化品は2530kg/cm2と低い値を示した。N
2O含有量が1%未満の参考例と比べて、1%以上の
Na2Oを含有する結晶化ガラスは著しく高い強度を有
し、溶融したKNO3に浸漬することによって十分高い
強度を得ることができることがわかる。次に、上記実施
例4の組成の大型のガラス板を作成した後、実施例4の
条件で結晶化させ、その後所定の大きさに切断し、面取
りを行なった後に化学強化を行なって図1に示すような
調理レンジのトッププレート1を作成した。本実施例の
調理レンジのトッププレートは、外観特性、強度、耐久
性の良好な調理レンジのトッププレートであった。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フォトマ
スク基板、光学原器用材料などとして好適な、熱膨張係
数が非常に小さくて寸法の温度変化が非常に小さく、透
明性にすぐれた結晶化ガラスを得ることができる。ま
た、着色剤を添加することによって、調理レンジトップ
プレートとして好適な、熱膨張が非常に小さく、透明性
が非常に優れ、かつ溶融したKNO3に浸漬することに
よって化学強化が可能な有色低膨張透明結晶化ガラスを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した調理レンジトッププレートの
概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:トッププレート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−76313(JP,A) 特開 昭55−104944(JP,A) 特開 昭61−286237(JP,A) 特開 昭52−117311(JP,A) 特公 昭49−10134(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 3/00 - 10/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で Li2 O 3.5〜5.5 Na2 O 1.0〜4.0 MgO 0.1〜3.0 Al2 3 20.5〜23.0 SiO2 60.0〜68.5 ZrO2 0〜3.5 TiO2 +ZrO2 3.5〜7.0 P2 5 0〜4.0 の組成を有し、ZnOを実質的に含有せず、β−石英固
    溶体結晶を主たる析出結晶として含み、かつ、25〜3
    00℃における平均熱膨張係数が−0.1×10 -7
    2.1×10 -7 である低膨張透明結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 V25、NiO、CoO、Fe23およ
    びMnO2 からなる群のうち少なくとも1種を重量%で
    0.01〜1.0%含有する請求項1に記載の低膨張透
    明結晶化ガラス。
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