JP2602383B2 - 往復動式電気かみそり - Google Patents

往復動式電気かみそり

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JP2602383B2 JP30765291A JP30765291A JP2602383B2 JP 2602383 B2 JP2602383 B2 JP 2602383B2 JP 30765291 A JP30765291 A JP 30765291A JP 30765291 A JP30765291 A JP 30765291A JP 2602383 B2 JP2602383 B2 JP 2602383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに逆方向に往復動
される一対の内刃を備えた、いわゆるツイン刃タイプの
往復動式電気かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】ツイン刃タイプの電気かみそりは、ひげ
剃りをする部分を2か所確保できるので、それに応じて
短時間でひげ剃りを行える利点がある。その中でも、一
対の内刃が互いに逆方向に往復動されるものがあり、特
開昭54−136974号公報および特開昭56−20
484号公報に示されている。
【0003】この種の往復動式電気かみそりは、互いに
平行に配設された一対の内刃をその上方から見たとき
に、これら内刃間にモータの出力軸が位置される構成で
あり、このモータの出力を一対の内刃に夫々伝達して、
これら内刃を往復動させるようになっている。そして、
一対の内刃を互いに逆方向に往復動させることから、そ
の往復動方向の振動を軽減できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に互いに平行に配設された一対の内刃をその上方から見
たときに、これら内刃間にモータの出力軸が位置された
構成では、一対の内刃の重心は前記出力軸の軸線からず
れた位置にある。そのため、一対の内刃が互いに逆方向
に移動することに伴い、これらを移動させる力の分力
が、前記出力軸の軸線に対する捩じり力として交互に向
きを変えて作用する。しかし、従来の往復動式電気かみ
そりは、前記捩じり力への対策を何等講じていないか
ら、交互に向きを変えて作用する前記捩じり力による振
動が大きいという問題があった。本発明の目的は、互い
に逆方向に往復動される一対の内刃を原因とする振動を
少なくできる往復動式電気かみそりを得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の往復動式電気かみそりは、互いに逆方向に
往復動される一対の内刃をその上方から見たときに、こ
れら内刃間に位置されたモータの出力軸の軸線を中心に
回動可能に設けられるカウンターウェイトを備えるとと
もに、このカウンターウェイトを前記内刃の往復動に基
づき前記軸線に加えられる捩じれ力の力の方向と逆方向
に往復回動させる制振機構を設けたものである。
【0006】
【作用】上記の構成において、制振機構は、それが備え
るカウンターウェイトを、一対の内刃の互いに逆方向へ
の往復動に基づいて往復回動させる。このウェイトはモ
ータの出力軸の軸線を中心に回動され、その回動は、一
対の内刃の往復動により前記軸線に加えられる捩じり力
の力の方向と逆方向に向けて行われる。それにより、前
記捩じり力を相殺する。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。
【0008】図2の縦断面図に示されるように本体ケー
ス1内の上部には、このケース1の長手方向に延びると
ともに互いに略平行な側壁部と、これら側壁部の下端間
を一体に繋いだ底壁部を有したフレーム2が収納されて
いる。本体ケース1の上壁には、この上面を覆うととも
に上部が開口された容器状をなす外刃ケース3がねじ4
を介して固定されている。ねじ4は前記上壁を貫通して
フレーム2の側壁部の上部にねじ込まれており、このフ
レーム2を前記上壁に固定している。
【0009】本体ケース1内の下部にはモータ5および
プリント配線基板6が夫々収納されている。モータ5は
フレーム2の底壁部に固定されている。プリント配線基
板6には、蓄電池7、スライドスイッチ8、および図示
しない充電用回路部品が夫々取付けられている。スライ
ドスイッチ8の操作摘み8aは、本体ケース1外から操
作されるように本体ケース1の側面に開口された孔9に
通されている。なお、図1において符号10は充電用回
路に接続された一対の充電用端子ピンであり、これらは
本体ケース1の底部に設けた凹み1a内に突出されてい
る。
【0010】外刃ケース3の左右両側部には夫々ばね1
1により付勢されて互いに近付く方向に押込み可能な着
脱釦12が取付けられている。さらに外刃ケース3に
は、外刃ホルダ13と、外刃14とで形成された外刃体
15が着脱可能に取付けられている。外刃14の上部は
上向きに凸となる半円を二つ連ねたような断面構造を有
している。
【0011】外刃ホルダ13はその左右両側部に弾性変
形可能な爪16を一体に有している。この爪16を外刃
ケース3の掛合孔3aに引掛けることにより、外刃ホル
ダ13が外刃ケース3に取付け保持されるようになって
いる。また、前記着脱釦12は掛合孔3aと丁度対向す
る解除部12aを有している。着脱釦12が押込まれる
ことにより、解除部12aが掛合孔3aに引掛けられた
爪16を押して、この爪16を掛合孔3aから外し、外
刃13を取外せるようになっている。
【0012】前記フレーム2内には図1〜図3に示され
るように偏心カム21と、制振機構22と、駆動子23
とを備えた駆動装置20が設けられている。偏心カム2
1はモータ5の上向き出力軸5aに固定されており、そ
の上面には出力軸5aから偏心して上向きに突出する偏
心軸21aが一体に設けられている。
【0013】制振機構22は、カウンターウェイト24
と、駆動レバー25とを備えて形成されている。カウン
ターウェイト24は、フレーム2の底壁部中央に上向き
に突出成形された段付きの筒部26に、その段で位置決
めされて回転可能に嵌合されている。この筒部26はそ
の内側に出力軸5aを収容して、この軸5aと同心的に
形成されている。したがって、カウンターウェイト24
は出力軸5aの軸線Aを中心に回転されるように設けら
れている。
【0014】カウンターウェイト24はアルミニューム
合金のダイキャストまたは高比重の合成樹脂等の成形品
であって、筒部26に嵌まる嵌合孔を挟むようにして一
対の肉厚のバランシング部27を有しているとともに、
これらの間に上向きの連動軸28を有している。
【0015】図1および図4等に示されるように合成樹
脂の一体成形品からなる駆動レバー25は、本体ケース
3の厚み方向(前後方向)に延びる揺動部29と、この
揺動部29の中央部下面に一端部を一体に重ねて本体ケ
ース3の幅方向(左右方向)に延びるレバー部30とを
備えて、上面および下面から見た形状がT字状をなす構
成である。
【0016】前記フレーム2の底壁部上面には筒部26
の近傍に軸支え突部31が一体に突設され、この突部3
1には枢軸32が取付けられている。この枢軸32には
メタルベヤリング33を介して駆動レバー25に形成さ
れた下面開口の円筒部34が嵌合されている。なお、図
3中37は軸支え突部31と円筒部34との間に挟まれ
たスラストリングで、滑性に優れる樹脂製である。
【0017】駆動レバー25のレバー部30にはその長
さ方向に延びる長孔35が設けられており、この長孔3
5には前記偏心軸21aが挿通されている。そのため、
偏心軸21aの回転に伴って駆動レバー25は枢軸32
を中心として往復回動されるようになっている。駆動レ
バー25の揺動部29の両端部には上向きの駆動軸36
が夫々突設されている。
【0018】レバー部30の下面には円筒部34と長孔
35との間に位置して長穴よりなる連動凹部38が形成
されており、この凹部38にはカウンターウェイト24
の連動軸28が挿入されている。そのため、枢軸32を
中心とする駆動レバー25の揺動に基づいて、連動軸2
8と連動凹部38との係合を介してカウンターウェイト
24が、駆動レバー25の回動方向とは逆方向に回動さ
れるようになっている。
【0019】駆動子23は合成樹脂の成形品であり、図
1等に示されるように互いに平行な一対の駆動部39を
備えている。両駆動部39は、水平部分およびその両端
から下方に夫々折曲げられた側脚部分とからなる肉厚の
基部40と、この基部40の側脚部分の下端に連なった
略逆L状をなす薄肉の可撓変形部41とからなり、各駆
動部39の隣接した可撓変形部41の上端縁同志は一体
に繋げられて取付け部42を形成している。
【0020】この駆動子23は、図2に示されるように
左右の取付け部42を前記ねじ4に共締めされることに
よって本体ケース1の上壁に固定されている。この取付
けにより、両駆動部39は、それを上方から見たとき
に、これらの間にモータ5の出力軸5aが位置されるよ
うに設けられている。
【0021】両駆動部39の基部40の水平部分には被
動部43が夫々設けられている。これら被動部43は前
記水平部分の長さ方向と直交する方向に延びる長孔で形
成されているとともに、各被動部43には前記駆動軸3
6が夫々別々に挿入されている。そのため、前記駆動レ
バー25の往復回動に伴う揺動部29の揺動運動によ
り、駆動軸36と被動部43との係合を介して両駆動部
39が、可撓変形部41の可撓変形を伴って互いに逆方
向に往復動されるようになっている。
【0022】両駆動部39の基部40の略中央部には夫
々上向きの連結軸44が一体に突設されている。これら
連結軸44は、本体ケース1の上壁および外刃ケース3
の底壁を夫々貫通して外刃ケース3内に突出されてい
る。なお、図2において符号45はびげくずが本体ケー
ス1内に侵入するのを防止するために設けられた合成ゴ
ム製の孔塞ぎであり、この上端開口縁は連結軸44に摺
動可能に嵌合されたばね受けリング46に連結されて、
このリング46で塞がれている。
【0023】両連結軸44の上部には夫々別々に内刃4
7が支持されている。これら内刃47は、その下面に突
設されて連結軸44の上部を挟むように位置する連結片
48間に架設した軸49を、連結軸44の上面から切り
込まれた溝50に嵌め込むことにより、連結軸44に軸
49を中心に揺動可能に取付けられている。なお、溝5
0の上端部はその下側部分に比較して幅狭であるが、連
結軸44は合成樹脂製であるので、その弾性変形により
軸49を溝50に対して任意に着脱することが可能であ
る。
【0024】このように支持された内刃47の連結片4
8の下端には、図2に示されるように前記ばね受けリン
グ46が、これと前記基部40との間にわたって連結軸
44を巻装して設けたコイルばね51により押し当てら
れている。したがって、内刃47はコイルばね51の弾
性力により前記外刃14の内面に押付けられて、必要な
刃圧を得るようになっている。
【0025】勿論、一方の内刃47は外刃14の一方の
断面半円状部分の内面に押付けられ、他方の内刃47は
外刃14の他方の断面半円状部分の内面に押付けられて
いるものである。これとともに、前記両駆動部39の既
述の配置により、一対の内刃47も、それを上方から見
たときに、これらの間にモータ5の出力軸5aが位置さ
れるように設けられているものである。
【0026】前記構成の電気かみそりにおいて、モータ
5を動作させると、偏心カム21が回転されることによ
り、駆動レバー25が枢軸32を中心に往復回動される
とともに、このレバー25の揺動部29の両端部は、揺
動部29の長さ方向中央部に位置された枢軸32を中心
として互いに逆方向に変位される。そのため、揺動部2
9の両端部に突設された一対の駆動軸36に従動する駆
動子23の両駆動部39は互いに逆方向に往復移動され
る。したがって、両駆動部39の連結軸44に夫々支持
された一対の互いに平行な内刃47が、外刃14の内面
に接しながら同時に互いに逆方向に移動される。それに
より、本体ケース1の幅方向の振動を相殺しながらひげ
剃りを行うことができる。
【0027】その上、このひげ剃り時においてはモータ
5の動力により制振機構22も動作される。すなわち、
図5(A)の状態から(この状態は内刃47が最大振幅
を生じた状態を示している。)において、偏心カム21
が反時計方向へ回転をすると、駆動レバー25は偏心カ
ム21により枢軸32を中心に反時計方向に回転させら
れ、かつ、その際のレバー部30の変位に伴い連動軸2
8と連動凹部38との係合にを介してカウンターウェイ
ト24が時計方向に押されて、同方向に筒部26を中心
に(換言すれば、モータ5の出力軸5aの軸線Aを中心
に)回動する。このようにして回動された状態は図5
(B)に示される。
【0028】このカウンターウェイト24の回動によ
り、両内刃47に夫々対応して設けられた前記ウェイト
24の一対のバランシング部27が、内刃47の移動方
向と略逆方向に動かされる。したがって、このカウンタ
ーウェイト24の回動により、一対の内刃47が互いに
逆方向に移動されることに伴って前記軸線Aに加えられ
る捩じり力を相殺できる。そして、このような捩じり力
の相殺作用は、次に、図5(B)の状態から図5(A)
の状態に至る際にもなされる。
【0029】このように前記構成の電気かみそりは、本
体ケース1の幅方向の振動を相殺できるだけでなく、一
対の内刃47の往復動に基づきモータ5の出力軸5aの
軸線Aに加えられる往復の捩じり力に伴う振動も相殺で
きる。したがって、使用時に手が受ける振動を極めて小
さくでき、使い勝手を向上できるとともに、運転状態の
ままで載置した場合に、自らの振動で置き場所から不用
意に動いて落下したり、他所に振動を波及させるという
恐れをなくすことができる。なお、本発明は前記一実施
例に制約されるものではない。例えば、カウンターウェ
イト24のバランシング部27を一つにして実施しても
良い。
【0030】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、モ
ータの出力軸の軸線に一対の内刃の往復動に基づいて加
えられる捩じり力をカウンターウェイトの往復回動によ
り相殺する制振機構を設けたから、互いに逆方向に往復
動される一対の内刃を原因とする振動を少なくでき、低
振動で使用できるツイン刃タイプの往復動式電気かみそ
りを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る往復動式電気かみそり
の駆動装置の構成を分解して示す斜視図。
【図2】同一実施例に係る往復動式電気かみそり全体の
縦断面図。
【図3】図1に示された駆動装置の構成を示す縦断面
図。
【図4】同一実施例に係る駆動レバーの下面図。
【図5】(A)(B)は同一実施例に係る制振機構の動
作を説明するための図。
【符号の説明】
5…モータ、5a…出力軸、A…出力軸の軸線、22…
制振機構、24…カウンターウェイト、25…駆動レバ
ー、27…バランシング部、47…内刃。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の内刃をその上方から見たときに、
    これら内刃間にモータの出力軸が位置され、かつ、この
    モータの出力が前記一対の内刃に夫々伝達されて、これ
    ら内刃を互いに逆方向に往復動させる往復動式電気かみ
    そりにおいて、 前記出力軸の軸線を中心に回動可能に設けられるカウン
    ターウェイトを備えるとともに、このカウンターウェイ
    トを前記内刃の往復動に基づき前記軸線に加えられる捩
    じれ力の力の方向と逆方向に往復回動させる制振機構を
    設けたことを特徴とする往復動式電気かみそり。
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