JP2602090B2 - 洗い米の製造方法 - Google Patents

洗い米の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、水を入れるだけで直ちに炊飯できる洗い米
の製造方法に関する。
<従来の技術> 米は消費者に於いて炊飯の都度、何度も水を入れ替え
て洗っている。これは煩わしいし、炊飯に時間もかか
る。また、とぎ汁による河川汚染の防止の点からも、出
来れば消費者に渡るまでに洗米処理をしておくのが望ま
しい。
しかしながら、一度洗った後乾燥させた米で、水を加
えて炊いた後、おいしく食べられる洗い米は今まで製造
されなかった。
洗い米を乾燥する際の問題点は腐敗と米の砕粒化であ
る。即ち、米を洗った場合、その間に吸水して含水率が
高くなり、そのままでは腐敗したり、カビが生えたりし
てしまうし、それを避ける為に乾燥させると、米にまず
亀裂が入り、更に砕粒化してしまうので、それを炊いて
もダラダラの飯になり、到底飯として通用しないものに
なってしまうのである。従って、精白米は一旦水に漬け
たら、これを乾燥せしめると必ず亀裂が入り、その内に
砕粒化してしまうので、今までに製造された洗い米はい
ずれも炊いた後に食しても美味でなく炊飯に適するもの
えはなかった。
今までに知られている洗い米の製造法としては、例え
ば精米した米を洗った後水切りをし、自然乾燥又は加熱
乾燥する方法(特開昭57−141257号公報)、精米した米
を洗った後冷風または常温の送風により乾燥する方法
(特開昭61−11585号公報)、白米を水洗、水切りした
後水分を15%〜16%に調整する方法(特公昭51−22063
号公報)が挙げられる。これらの方法はいずれも水中に
浸した米を通常の方法で洗った後乾燥するものである
が、食味に問題があるだけでなく、自然乾燥においては
時間がかかりすぎ、強制乾燥においては均一な乾燥が難
しいという問題があった。
水中で洗うものではないが研がずに炊ける米の製造法
が幾つか知られている。代表的なものは精白米に微量の
水分を添加しながら研米を行い除糠した研磨米を製造す
る方法と、精白米をアルコールで洗った後アルコールを
除き洗い米を製造する方法(特開昭60−54650号公報)
である。
前者は米を水の中へ漬けて洗うものではないから、米
肌の肉眼では見えない無数で微細な陥没部に入り込んで
いるミクロン単位の糠粉や、小さい洞穴状の胚芽の抜け
跡に入り込んでいる糠粉群まで洗い流すことは不可能で
ある。研磨米の洗滌水の濁度数値(社団法人 日本精米
工業会の測定方式による洗米時に於ける洗滌水の濁度数
値。本明細書記載の濁度は全て同じ。)は100P.P.M前後
にしかならず、従って炊飯時に際して、普通の精白米が
10回の洗米すすぎが必要なところを5回ですむという程
度にしかならないから、研磨米は洗米が不要と云うもの
ではない。また、後者は水で洗米するわけでないので除
糠が不完全であり、更に高価なアルコールを必要とする
上、アルコールを完全に除かなければならない等の問題
があった。
従来より知られている炊飯時に洗滌しないで炊ける洗
い米の製造方法は以上の通りであるが、精白米の洗滌、
除糠、除水を短時間で行い、水の浸透を主に米粒の表層
部でとどめるようにした洗い米の製造法は知られていな
い。
<発明が解決しようとする課題> 生の米で、然も洗米の要らない米の製造は、炊飯時の
煩雑さをなくすると同時に汚濁水の防止にも寄与するこ
とから、炊飯時に水洗不要の「洗い米」が消費者より要
望されて久しい。そして、洗わなくても炊ける「洗い
米」の製造法の開発が従来より試みられているが、炊い
た米飯の食味は好ましいものでなかった。
本発明はこのような点に鑑み、水洗、除水後も米粒に
亀裂が入らずしかも、炊いた米飯の食味が落ちない「洗
い米」製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
<課題を解決するための手段> 本発明者は、洗米後も亀裂(肉眼で明確に確認できる
もの)が入らず、炊いた米飯の食味も優れている洗い米
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、精白米の水中での洗
滌、除糠工程及び除水工程を従来とは桁違いに短い時間
で行い米粒の吸水量が極くわずかなうちに完了してしま
えば米粒に亀裂も入らず炊飯に適した洗い米が得られる
ことを見出し、発明を完成した。
前記目的を達成するため本発明では、精白米を水に浸
け、洗滌、除糠を行い、吸水部分が主に米粒の表層部で
ある洗米を得、更に除水工程において洗滌水と表面付着
水の除水を行い、この場合に水中への浸漬から除水まで
の工程を米粒の吸水量が極けわずかであるうちに完了
し、水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにし、
かつ米粒の平均含水率が除水した時点で約16%を超えな
いようにして洗い米を製造する。
なお、本発明で除水とは米粒表層部に付着吸収した水
分を除去することであって、米粒がもともと有している
水分を乾燥させることではない。
除水した時の米粒の含水率をほぼ16%を超えないよう
にしたのは、16%以下であると洗米過程における米粒の
吸水部が主に表層部である内に洗滌が行い得るからであ
る。含水率が16%を超えるときは洗滌過程において水が
表層部から米粒内部にまで浸透している。
水が内部まで浸透した米は亀裂が入る。米粒の含水率
がほぼ6%を超えないというのは、米粒を常温で保存し
た時に腐敗が防止できる上限の含水率でもある。
本発明はこのように約2%までの水分を吸収(洗滌後
の水分が元の水分より僅かに水分アップした状態)する
までの極く短時間に、水洗から除水までの各行程を全部
処理することにより、有史以来、精白米は一旦水に漬け
ると、乾燥するまでに炊かないといけないとの観念を打
破したものである。
なお、本発明で洗い米の「平均含水率」というのは付
着水を除いた直後の水分が米粒全体に均一になっていな
い時点で測定したのである。又含水率は米粒における通
常の測定方法を用いるものである。
水洗から除水までの工程は米粒の吸水量が極くわずか
であるようにする必要がある。処理時間は洗滌条件によ
って変わるが、数分以内でかつ、上記した含水率の条件
を満たすような短時間とすればよい。含水速度は洗滌
法、洗滌条件の影響を受け、処理時間は一定にはならな
いが、数分以内の時間であって除水した時点で含水率が
ほぼ16%を超えていなければよく、全工程を約1分以内
で通過するのが望ましい。
数分以内とは大体3分〜4分より短い時間であり、好
ましくは2分〜3分、更に好ましくは1分以下である。
洗滌方法及び除水方法は短時間で効率よく除糠できる
方法であれば特に限定されない。本発明の洗滌過程では
公知の連続洗米機を用いることもできるが、一部改造の
要がある。即ち、洗米槽を小径となし回転数も毎分600
回転以上が可能となるように改造するのが望ましい。
洗米機で洗滌する場合の機械の回転数や槽径は処理量
との関係で定まるものだが、要は供給された精白米が、
槽内で充分な洗米に必要な攪拌回数を受けるだけの時間
を経ても、除水後、即ち付着水分を除かれた時の水分、
いわゆる平均含水率16%以下の含水率になっているよう
に洗米機が設計されることが重要である。もうすこし詳
しく説明すると、そもそも米は収穫後、1部の地域を除
き、玄米で含水率15%以下になるよう乾燥することが義
務付けられており、それ以上であると検査が通らないの
で、通常13%〜14%の含水玄米で流通されている。又、
調質が行われたとしても、搗精過程で0.5〜1%程度の
水分発散が避けられないので、結局、精白米に仕上がっ
た時の含水率は13%程度である。そのように通常の13%
前後の含水率の精白米では、腐敗や発カビのおそれはな
いが、そのような精白米を、前記の洗米装置で水洗する
時に、水洗槽を通過する時の在槽時間が長いと、その間
に米粒内に深く水が浸透し、表面付着水が除去されても
内部含水率が高くなり、腐敗や発カビの原因となる。そ
して、それを防ぐために内部水分を乾燥により除去せし
めると、ひずみが生じて砕粒化の原因である亀裂が出来
るから、内部含水率が高くならないうちに、即ち洗滌水
及び表面付着水を除去しただけで、内部水分を除去せず
とも平均含水率がほぼ16%を超えないようにする必要が
あり、その為には、洗米機での米粒の在通過時間が短く
なるよう考慮して、回転数や槽の大きさを定める必要が
あると云うことである。いずれにしても本発明の製造方
法を実施するには連続洗米機の在槽通過時間を従来より
も桁違いに短時間にしなければならぬことは云うまでも
ない。又、在槽時間の設定は、精白米の吸水性のよしあ
し、及び洗滌水温によっても勘案する要がある。即ち、
水温が高い程、吸水速度が早くなるので在槽通過時間を
短くする要がある。要は、連続洗米機を用いる場合如何
なる場合でも、洗米時に米粒の内部にはほとんど水が浸
透しない在槽時間とすることである。次に洗米機の回転
数であるが、米粒が水中で攪拌される回数が少ないと、
必要最小限の洗米効果が得られないから、前記の通り、
短い在槽時間内で、充分な洗米に必要な数だけ攪拌を行
なおうとすれば、洗米機の攪拌体の回転数を速くする必
要がある。要は、連続洗米機により洗滌を行う場合は従
来とは桁違いに短い在槽通過時間内に、充分な洗米に必
要な攪拌回数が行われる回転数を設定することである。
尚、ここに云う充分な洗米とは、そのまま炊飯した場
合、飯が糠臭くない程度、即ち、現在一般的に消費者で
洗米している程度を意味するものであり、物理的には精
白米表面にある肉眼では見えない無数微細な陥没部や、
胚芽の抜け跡に入り込んでいるミクロン単位の糠粉等を
ほとんど除去している程度、即ち、再びそれを洗米した
場合、洗滌水がほとんど濁らない状態を指すものであ
る。このように、充分な洗米が行われて、前記洗米機よ
り排出されるようになるが大抵の洗米機の場合、米粒は
大量の洗滌水と共に排出されるので、これを間髪をいれ
ず、直ちに前記洗米装置の後行程に設けた除水装置に
て、洗滌水は勿論のこと、米粒表面に付着している付着
水をも除去するのである。
なお、除水装置は、洗滌水及び付着水を除込出来る機
能さえあれば公知の機器でよいが、只、洗滌水の除去に
時間がかかるものではいけない。何故ならば、折角洗米
工程で、米粒への吸水を制限したのに、除水工程にて、
洗滌水等の除去に時間がかかり洗滌水等が米粒内部に吸
収されては無意味だからである。尤も公知の除水装置の
中には、吸水の要因となる洗滌水等の大部分を、瞬間に
近い短時間に除去出来るものがあるから、それを選べば
よいと云うことである。
<作 用> 一般的に、洗米によって含水してから乾燥させた米に
先ず亀裂が入る原因は、ひずみに弱い特性を有する米粒
が吸水、除水の際、その都度、部分的に膨張と収縮が生
じ、ひずみが出来るからである。然らば、洗米時や除水
時に、ひずみの因子となる膨張と収縮が生じない程度
の、僅かの吸水量、及び除水量に押えることが出来れ
ば、精白米をたとえ水中へ漬けて洗米し、乾燥させても
亀裂が生じないことになる。ところで、精白米は吸水に
対して極めて特異な物性があり、先ずそれを理解した上
で対応する要がある。
即ち、精白米は水中に浸漬後、約1時間で飽和点の含
水率約30%に到達する。尤も、これも水温や米質によっ
てかなりの時間の差が生じる。しかし、いずれの場合で
も浸漬時間と水分上昇の関係は定率で進行するのではな
く、極めて反加速度的に進行する。従って、浸漬直後、
最初の1秒間の吸水量は、最終の10分間の吸水量に匹敵
する程、最初は最も急上昇し、更にその最初の1秒間に
ついて分析しても、最後の0.1秒間の吸水量よりも、最
初の0.1秒間の吸水量の方が、はるかに多いことは云う
までもないことである。このように米の吸水特性は、水
に浸漬直後より、時間の経過と共に吸水速度は加速度的
に鈍化する。従って、浸漬直後は極く短時間でも、かな
りの量の吸水をするので、乾燥させたときにひずみを生
じさせないようにするためには、それに到らない僅かの
時間内に洗米を完了し、直ちに除水することである。一
方、それに関連して精白米の洗米特性をも考察する要が
ある。即ち、精白米の表面には肉眼では見えない無数で
微細な陥没部があり、それに入り込んでいる澱粉粒や糠
粉を除去するには、やはり、どうしても米粒群を水の中
にサブンと漬けて、少なくとも30回以上は攪拌して洗米
する必要がある。その理由は、糠粉等が入り込んでいる
陥没部は、開口面よりも深みが長く、然も大半はミクロ
ン単位の狭い開口面だから、その奥の方に入り込んでい
る糠粉等を除去するには、水中に浸して激しく攪拌され
ている間に、糠粉等を水に浮遊させて洗い流す以外にな
い。
然もそのような洗米は、前記の通り、僅かの時間内に
行う必要がある。そのような考察のもとに本発明では、
洗米行程で、極く短時間に精白米を水の中に漬けた状態
で洗米して除糠を行い、直ちに除水行程によって洗滌水
と表面付着水の除水を行うのである。水中の浸漬から除
水までの時間は数分以内とし、除水された時の米の含水
率は約16%を超えない範囲とする。これにより洗米時に
水分が米粒内部に浸透することがなく砕粒化はおろか米
粒に亀裂のない整粒の洗い米が得られる。又、それは再
び水に漬けて洗米しても水が濁らず、濁度76P.P.M以下
である。尚、この76P.P.Mと云う濁度数値は、精米工業
会の測定方法に於ける数値の最下限で、これ以下の濁度
数値のもの、即ち洗滌水のきれいな場合は測定不能と云
うことになる。尤も、今までこの測定方法で測定出来な
い程の除糠度の高い米と云うものは存在しなかったか
ら、この測定方法で充分測定出来たわけであるが、本発
明品の米は濁度数値が余りにも低く過ぎ、この測定方法
では到底計測出来ない。従って本明細書に於いて、「76
P.P.M以下」と表現しているところは、従来の測定方法
では測定出来ないくらい、桁違いに濁度が低いのだと云
うことに意味しているのであり、かなりの下を意味した
「以下」なのである。
なお、本明細書で、平均16%を超えない含水率と表現
している意味であるが、これは米粒を常温で保存してい
ても、腐敗したり発カビしない限度の含水率を指すので
ある。又、米粒の「亀裂」の意味は、肉眼でも明確に確
認出来る亀裂のことを指すのである。更に、「精白米」
の意味であるが、完全精白米は勿論のこと、過剰精白米
や中途精白米をも含めて指すのである。又「洗米」又は
「水洗」の意味は、米粒群を水中に漬かる程の大量の水
の中で攪拌して洗うことを指称するのである。
更に前記した連続洗米機を用いて本発明を実施する場
合について説明すると精白米は極く短時間に洗滌、除水
が行われるので、米粒内に水がほとんど浸透することな
く、除水装置より排出されたときには平均約16%を超え
ない含水率になっており、長時間室内でそのまま放置し
ても表面にはほとんど亀裂も生じず、勿論砕粒化もして
いない洗い米が得られるのである。除水した時の米粒
は、付着水を除去したとは云えその表面部は内部よりも
含水率が高いことは想像に易いが、一粒の平均含水率が
ほぼ16%を超えないものになっていると云うことは、表
面部の含水率の高い部分は極めて薄いものであり、それ
ゆえに亀裂さえも生じないのである。つまり、従来の概
念では、洗米すると云うことは、即、米粒内部まで水を
吸水し、1粒全体が高含水化すると云うことであり、そ
れを除こうとすると、乾燥させる以外になかったのであ
る。然るに、本発明では、洗米しても高含水化するのは
極表面だけで、内部まで高含水化しないから、1粒全体
としては、僅かに含水率が高くなるだけで、ほとんど元
の乾燥した状態のままになっているのである。それは平
均ほぼ16%を超えない含水率と云うことである。尚、除
水したての米粒表面部の水分は間もなく内部に移行し均
衡する。
<実施例1> 公知の構造の回転式連続洗米機の攪拌体を毎分600回
転となし、その出口のところに連続して除水装置を設け
てなる水洗行程と除水行程を構成し、該洗米機に3℃の
水を注入し乍ら水分14.2%の昭和60年和歌山県産なぎほ
の精白米を連続的に毎分1kgペースで投入する。精白米
は洗米機の洗米槽の中で運動している注入水の中にザブ
ンと入り、水中で攪拌され洗米され乍ら洗米機の出口よ
り洗滌水と共に排出され、直ちに次行程の除水装置に入
るが、ここで洗滌水及び付着水が除去されて除水装置よ
り排出される。その間、即ち1粒当たりの精白米が洗米
槽の水に漬かった時から除水装置より排出されるまでの
時間は、45秒(大半は除水工程での時間が占めている)
であった。除水工程から出たての米は、水分15.9%にな
って居り、そのまま30日間室内に放置していても腐敗も
発カビもなく、又10粒に1粒の割合でしか亀裂が入らず
(元の精白米が約50粒に1粒の割合で亀裂の入った米で
あった)、又砕粒化もなく、(当初からの砕粒は除
く)、元の整粒群のままであった。然もその洗い米を再
洗米すると、その洗滌水は濁度76P.P.M以下であり、洗
わずに水だけ入れて炊いたが、よく洗米されているので
通常の米よりも糠臭もなく鮮度も落ちずおいしいご飯に
なった。
更に前記のように処理した洗い米をポリエチレン製の
包装袋に入れ、横に寝かせた状態で上下両面から平板に
より軽く押圧力を加え、扁平に整形すると共に、袋内の
余剰空気のほとんどを排出させた上で、密封した。これ
を手で持ち上げ、立てたり、斜めにしたりして揺り動か
したが、袋内での米粒の移動はほとんどなかった。ま
た、これを加重及び配送試験したが、米粒の荒れは起こ
さなかった。
<実施例2> 上記洗米機の回転数を毎分1800回転となし、除水装置
を高性能にした除水工程を構成し、25℃の水を注入し乍
ら、水分13.8%の昭和60年和歌山県産日本晴の精白米を
連続的に毎分10kgペースの速さで投入する。このような
場合は精白米が洗米槽の水に漬かった時から、除水装置
から排出されるまでの時間は約5秒であった。除水行程
より出たての米は含水率14.5%になって居り、そのまま
30日間、室内に放置していても、腐敗も発カビもなく、
又亀裂の入った米粒は1粒もなく(当初からの亀裂米を
除く)、勿論、砕粒にもならず(当初からの砕粒は除
く)元の整粒群のままであった。その洗い米を再洗する
と濁度76P.P.M以下であり、洗わずに水だけ入れて炊い
ても鮮度もよく通常よりややおいしいご飯になった。
<実施例3> 本発明の方法で得られた洗い米を炊いたときの食味を
評価するためにサンプル1−4について24名のパネルに
味覚テストを行った。サンプル米としては、昭和63年
産、あきたこまちの精白米を用い、いずれも同一原料と
した。また、炊飯条件はいずれも同じである。
サンプル1(対照品)は通常の方法で洗った後炊いた
米であり、サンプル2(対照品)は熱アルコールで洗っ
た後乾燥しアルコールを除いた洗い米を炊いたものであ
る。
サンプル3(対照品)は通常の方法で洗米した後水切
りし乾燥させた米を炊いたものであり、サンプル4(本
発明品)は実施例2の方法で洗米、除水した洗い米を炊
いたものである。
評価方法はサンプル1を基準にして、それより食味が
よいか否かを各パネラーが評価する方法を用いた。評価
基準点は下記の通りであるが、サンプル1は基準点0と
した。
サンプル1と同じである。……………………0 サンプル1よりわずかにおいしい……………+1 サンプル1より少しおいしい…………………+2 サンプル1よりかなりおいしい………………+3 サンプル1よりたいそうおいしい……………+4 サンプル1よりもっともおいしい……………+5 サンプル1よりわずかにまずい………………−1 サンプル1より少しまずい……………………−2 サンプル1よりかなりまずい…………………−3 サンプル1よりたいそうまずい………………−4 サンプル1よりもっともまずい………………−5 味覚テストの結果を表1に示す。
以上の結果から明らかなごとく、本発明の方法で得ら
れた洗い米(サンプル4)は対照品(サンプル2、3)
よりかなり美味であった。
また、同じ精白米であっても通常の方法で洗米したも
のよりも本発明の方法で洗米、除水したものの方が炊い
たときに食味が上がる。
<効 果> 本発明に係る洗い米の製造方法を採用することにより
洗わなくても直ちに炊け、水で洗米してあっても米粒に
は亀裂が生じず、従って保管や運搬によっても砕粒が発
生することなく、炊いた米飯の食味も優れているという
極めて大なる効を奏し、且つ本発明の方法によれば洗い
米は、低コストで生産することが出来るという効を有す
る。永年の願望であった消費者の洗米手間を省くことが
出来、また短時間で炊飯することも可能となり、炊き上
がった飯は糠粉をほとんど除去されているので、糠の臭
みもなく、光沢があり美味であるという効を奏し、又、
得られた洗い米は糠粉がほとんど除去されて腐敗菌の栄
養源が断たれているので従来の米よりも鮮度が落ちず、
保存性がよいという効を有し、更に、本発明では洗米工
程が集中的、且つ工業的に一貫してできるので汚水処理
も一括してでき汚水が河川を汚染することがないという
河川汚染の公害防止に大きく寄与するという効を奏す
る。現在、全国の各消費者が行う洗米によって、米消費
量の約4%に当たる糠粉量、即ち年間、全国で約40万ト
ンの糠粉が洗滌水と共に河川に流出しているが、本発明
の方法ではそのような糠粉のばらまきによる河川の汚染
が防止出来るのである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精白米を水に浸け、洗滌、除糠を行い、吸
    水部分が主に米粒の表層部である洗い米を得、更に除水
    工程において洗滌水と表面付着水の除水を行い、洗い米
    を製造する方法であって、水中への浸漬から除水までの
    工程を米粒の吸水量が極くわずかであるうちに完了し、
    水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにし、かつ
    米粒の含水率が除水した時点でほぼ16%を超えないこと
    を特徴とする米粒に亀裂を有さない洗い米の製造方法。
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