JP2597417C - - Google Patents

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JP2597417C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、感熱記録材料に関する。さらに詳細にいえば、本発明は、オフセッ
ト印刷適性にすぐれ、かつ感熱記録画像の保存中に発生する退色または発色を改
善した感熱記録材料に関する。 [従来の技術] 紙、合成紙、フィルムなど支持体として用い、熱時発色する感熱発色層を形成
せしめた記録材料として感熱記録材料が知られている。感熱記録材料(シート)
は、通常無色または淡色のロイコ染料などの発色性物質と該発色性物質を熱時発
色せしめる顕色性物質、例えばホウ酸、シュウ酸、酒石酸などの酸性物質または
ナフトール、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、カテコール、
レゾルシンなどのフェノール性物質などを接着剤、更には必要に応じて炭酸カル
シウム、クレーなどの顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤と共に適当な溶剤
を用いて感熱発色層形成液と成し、該液を紙などの支持体上に塗布、乾爆して製 造される。このようにして得られた感熱記録材料は、電卓、医療計測機器、ファ
クシミリ、自動券売機、CD/ATMなどにおける記録用として広範囲に使用さ
れている。 しかし、従来この種の感熱記録材料は、発色部、未発色部とも保存安定性に欠
点がある。すなわち、感熱層表面にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの
プラスチックが接触すると、プラスチック中に含まれている可塑剤や安定剤、添
加剤などにより発色部が退色したり、未発色部が、発色しなくなったりする。例
えばプラスチック消しゴムを感熱層表面に数時間放置しておいたり、感熱記録材
料をポリ塩化ビニル製のカバンに入れて長時間カバンに直接触れる状態で保存し
たりすると、発色画像が消えてしまう。また指紋による消色、蛍光ペンによる消
色などの不都合もある。未発色部は、アルコールやトルエン、酢酸エチルなどの
有機溶剤により容易に発色するため、保存中に有機溶剤を誤って滴下したり、有
機溶剤の蒸気に暴露されたりすると未発色部が発色し、記録画像との区別がつか
なくなる。有機溶剤を含む接着剤の使用も、未発色部の発色が起るため使用を避
ける必要があり不便である。 保存安定性を改良するため感熱記録層表面に保護層を設けることは例えば特開
昭56−126193号、特開昭59−232893号、特開昭60−9969
6号など数多くの提案がなされている。こうした保護層は、例えばポリ塩化ビニ
ルのフィルムと直接接触する場合、フィルム中に含まれている可塑剤の感熱発色
層への浸透を抑制し、発色部分が消色するのを防ぐのに極めて有効である。また
サラダオイルなどの油分の浸透も保護層により抑制でき、油分による消色を防ぐ
ことができる。これまでなされた提案の多くは保護層に必要とされる基本的な性
質、例えば、 (1)未発色部を発色させたり、発色部を退色させる傾向のある有機溶剤や可
塑剤、油などのような物質の感熱層への浸透を防ぐこと(以下この性質を耐油性
という)。 (2)水が付着した場合でも、保護層皮膜の溶解が起らず、水によるブロッキ
ングなどの問題が発生しないこと。 (3)保護層の影響による印字濃度の低下が少ないこと。 (4)加熱印字に際し、サーマルヘッドへのスティッキング、ガス付着および
ヘッドの摩耗が起きないこと。 を満足させようとするものであり、特公平2−2439号にみられるように保護
層を2層以上に分割することによりこうした性質をバランスさせようとする試み
もなされている。 しかしながら、従来提案された上記のような保護層ではオフセット印刷適性に
対しての配慮が全くなされておらず、オフセット印刷時の水幅が狭く、極めて印
刷しずらいものであった。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は保護層としての前記4項目の機能をもたせた上に、すぐれたオフセッ
ト印刷適性を有する感熱記録材料を提供することにある。 [課題を解決するための手段] 本発明者らは、課題を解決するために、保護層を構成する接着剤、顔料、ワッ
クス類、その他の種類、その配合比、塗工量などについて詳細に実験をくりかえ
し研究を続けた結果、保護層に必要な上記4項目の特性を満足させかつオフセッ
ト印刷適性をも満足させるためには、保護層を形成した場合、その保護層におけ
る、式 P=γ1cosθ1−γ2cosθ2 (1) (式中θ1は保護層表面の水による接触角、θ2は保護層表面のアマニ油による接
触角、γ1は水の表面張力、γ2はアマニ油の表面張力を示す。) で示されるPの値を40dyne/cm以下とし、かつ前記保護層が水溶性高分
子物質及び架橋剤を含むものから成るものであることが必要であることを見出し
本発明を完成させるに至った。 本発明者らは、以前、保護層表面の水による接触角を45°以上にすることに
より、すぐれたオフセット印刷適性を有する感熱記録材料を提供できることを見
出し、特許出願を行なった(特願平2−117289号参照)。 しかし、本発明者らがさらに鋭意研究を重ねたところ、保護層表面のインキの
ぬれ性がオフセット印刷に重要であることを見出し、水とインキのぬれ性を調節
することにより、さらにすぐれたオフセット印刷適性を付与できることがわかっ た。 JIS K3211で定義されているように、接触角とは液体が固体面上にあ
るとき、液面と固体面のなす角のうち液体を含む角をいい、表面張力とは液体表
面の単位面積当りの自由エネルギーをいう。 保護層表面に微小な液滴をおいた時に働く力と接触角との関係を第1図により
説明する。 第1図において、力のつり合いがとれている状態を表わす式としてYoung
の式が知られている。(例えば、杉田和之、表面(表面談話会・コロイド懇話会)
、vol 24、p371−380(1986年)) γLGcosθ=γSG−γSL (2) γSLは固体−液体間の界面張力、γLGは液体の表面張力、γSGは固体の表面張
力を示し、θは液体と固体の接触角である。 本発明者らは、すぐれたオフセット印刷適性を得るための条件について研究を
重ね、上記Youngの式を利用し、感熱記録材料の保護層の表面物性を研究し
た。かかる研究を進めるにあたっては、アマニ油がその表面張力がほぼ印刷イン
キと同じであることから、印刷インキに代えて使用することが適切な液体と考え
、固体表面と水及び印刷インキの代りとしてのアマニ油との関係を研究すること
とし、接触角測定にはアマニ油を使用した。 水の表面張力をγ1、固体との接触角をθ1、固体−水間の界面張力をγSL1
した時に(2)式より以下の式が成立する。 γ1cosθ1=γSG−γSL1 (3) 同様にアマニ油の表面張力をγ2、固体との接触角をθ2、固体−アマニ油間の界
面張力をγSL2とした時には以下の式が成立する。 γ2cosθ2=γSG−γSL2 (4) (3)式と(4)式の差より、Pは固体−アマニ油間の界面張力γSL2と固体−
水間の界面張力γSL1の差となる。すなわち、 P=γ1cosθ1−γ2cosθ2 =(γSG−γSL1)−(γSG−γSL2) =γSL2−γSL1 (5) Pの値が大きい時には、水は固体表面をよくぬらし、アマニ油は固体表面をぬ
らしにくい。 すなわち、Pは油と水の水平方向の力の差を表しており、紙の油と水に対する
受容性を示すパラメータと考えてよい。 次にPと印刷水負けの関係を知るため印刷水負け試験を行った。印刷水負け試
験は、明製作所製RIテスターを用い、インキ練りローラーでインキと水を練り
インキを乳化させた後、印刷試験を行なった。印刷水負け評価は、印刷物の濃度
を測定することにより行なった。濃度が高い程、良好にインキが紙に転移するこ
とを示し、印刷時の水負けが良好な紙である。 第2図はPと印刷水負けの関係を試験した結果を示すグラフである。第2図に
よりPの値が小さい程水負けが良好なのがわかる。Pの値が40dyne/cm
以上である保護層は水負け現象が発生しやすい。そして、オフセット印刷時の印
刷条件の幅が狭くなり印刷しずらいものとなる。すなわち、Pの値が40dyn
e/cm以上では印刷業界でいわれる水幅が狭いという状態となり、印刷時、非
画像部の印刷地汚れを抑えるために湿し水供給量を多くすると、乳化インキによ
る水負け現象が容易に発生しやすくなってしまい、画像部の濃度ムラや網点形状
の再現性不良が起こる。このような状態は耐油性を向上させるために通常行なわ
れるような塗膜の空隙を少なくしかつ親水性のある官能基(ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基など)を多く導入した保護層において起りやすい。このため、湿し
水供給量を少なめにせざるを得ないが、湿し水供給量を少なめにして、オフセッ
ト印刷機を運転することは熟練を要し、少なすぎると地汚れの発生、多すぎると
水負けの発生があり、非常に印刷しずらい状態となる。オフセット印刷用紙とし
て、通常、使用される上質紙や、コート紙では、紙の吸油性や吸水性を高めるこ
とによりこの水負けを発生させない工夫をしている。しかし、感熱記録材料の保
護層に従来から知られているその様な手段を用いると耐油性が著しく悪くなり実
用的でない。そのため、他の手段で水負けを発生させない工夫をしなければなら
ない。 保護層のPが40dyne/cm以上の場合、同量の湿し水で水負け現象が発
生しやすい理由は、紙面にのった水と紙面との親和力が強く、紙面にのったイン キと紙面との親和力が弱いため、インキが水と置換されなくなったためであると
理解できる。インキが水と混在し、いわゆる乳化インキとなった状態は例えば印
刷雑誌1989(vol.72)5 p28−p32に記述されているように、
インキ表面に水が存在する状態であり好ましいものではない。 以上詳細に説明したところから明らかなように、本発明者らはPを40dyn
e/cm以下とすることにより保護層に必要な特性を満足ししかもオフセット印
刷適性を満足させることを知った。 さらに、本発明者らは保護層中に水溶性高分子物質および架橋剤を含む場合は
オフセット印刷性の外耐油性、耐水性が向上し、その性質がさらにすぐれたもの
になることを見出した。 すなわち保護層の基本的な成分は、水溶性高分子物質及び架橋剤とすることが
必要であり、必要に応じ、更にこの種の感熱記録材料に慣用される添加成分、例
えば、顔料、ワックス類等を併用する。このようにして保護層表面のPを40d
yne/cm以下となるように各材料の種類、配合比を選択すればよい。例えば
アルキル基やフェニル基などの疎水基を分子中にもった材料を選択することはこ
のような保護層を得るため効果的であるが、基本的にはトライアンドエラーを繰
り返してPの値を40dyne/cm以下とするほかない。これにより材料、配
合比、塗工量を決定することが必要である 本発明の保護層に用いられる水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコー
ル、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアル
コールなどの変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カゼイン、
ゼラチン、にかわ、ポリアミド、ポリアクリルアミド、アラビアゴム、カルボキ
シメチロールセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体およびそのアルカリ塩、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体、およびそのアルカリ塩、スチレン・ブタジエン共重合体、ア
クリル酸エステル系樹脂などを使用する。 架橋剤としては、メラミン、エポキシ、グリオキザール、ジメチロールウレア
、ポリアルデヒド、ジルコニウム塩、イソシアナート、アジリジンなどをあげる
ことができる。 この外の成分として使用するもののうち、顔料は、炭酸カルシウム、クレー、
タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、シリ
カ、水酸化アルミニウムなどの無機顔料、でんぷん粒、小麦粉、シリコン樹脂、
尿素・ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、エポキシ
樹脂、グアナミン・ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂などを用いた有機合成顔
料などが使用できる。 ワックス類としては、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの高級
脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘ
ニン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、およびそのメチロール化物、ポリエチレ
ンワックス、パラフィンワックス、カルナバロウ、マイクロクリスタリンワック
スなどが使用できる。 本発明において、その他の感熱記録材料の構成に関しては従来のいかなるもの
でもよい。 例えば、感熱発色層に含有させる塩基性染料としては、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドなどのトリアリルメタン
系染料、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−
(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、などが挙げられる。 顕色剤は温度の上昇によって液化、ないし溶解する性質を有し、かつ上記塩基
性染料と接触して呈色させる性質を有する物であればよい。代表的な具体例とし
ては4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert
−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェ
ニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4’−イソ
プロピリデンジフェノール、ハイドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンジ
フェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオ ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4
−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ
安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ
安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸
トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテルなどのフェノール性化合物、安息香酸、p−tert−ブチル安
息香酸、トリクロロ安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−イソプロピルサ
リチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(
α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸な
どの芳香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と
例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩な
どの有機酸性物質などが挙げられる。 本発明の感熱記録材料において、感熱発色層をその上に形成する支持体材料は
格別限定されるものではない。例えば、紙、顔料塗工紙、合成繊維紙、合成樹脂
フィルムなどを適宜使用することができる。一般には紙が好ましい。 感熱発色層形成塗液を調製するにあたっては、水を分散媒体として使用し、ボ
ールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機により染料、呈色剤
を分散して塗液とする。かかる塗液中には、結合剤としてデンプン類、ヒドロキ
シエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、スチレン・無水マレイン
酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョンなどを全固形分の2
乃至40重量%、好ましくは5〜25重量%使用する。塗液中には必要に応じて
各種の助剤を添加することは差支えない。例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エ
ステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、その他消泡剤、蛍光染料、
着色染料などはいずれも添加できる。 感熱発色層をさらに白くしたりするために顔料を併用してもよい。例えばクレ ー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸
化亜鉛などの無機顔料、尿素・ホルマリン、フェノール、エポキシ、メラミン、
グアナミン・ホルマリン樹脂を用いた有機顔料などを用いることができる。 発色後の退色を防止するために保存性向上剤を添加することも何ら差支えない
。このような保存性向上剤としてはフェノール系の化合物が有効であり、例えば
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシ
ルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノ
ール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフ
ェノールなどを挙げることができる。 ワックス類としては、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの高級
脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘ
ニン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、メチロール化脂肪酸アミド、ポリエチレ
ンワックス、パラフィンワックス、カルナバロウ、マイクロクリスタリンワック
スなどを挙げることができる。 感熱記録材料の感度を向上するための増感剤としては例えばパラベンジルビフ
ェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
、シュウ酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジ(3−
メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、シュウ酸ジ−p
−メチルベンジルなどが使用できる。 本発明の感熱記録材料において、記録層および保護層の形成方法は特に限定さ
れない。例えば塗液を塗布する方法としてエアーナイフコーター、ブレードコー
ターなど適当な塗布装置を用いることができる。 感熱発色層は、一般に乾燥重量で2〜12g/m2の範囲となるように形成す
る。 保護層は、乾燥重量で0.2g/m2〜6g/m2の範囲となるように形成する
ことが望ましい。裏面からの油や溶剤、可塑剤の浸透を抑えたり、カールコント
ロールのためにバック層を設けることもでき、この場合、本発明の保護層と同様
の特性をもたせることでバック層についてもオフセット印刷適性にすぐれたもの
とすることができる。 さらに、必要に応じて感熱発色層の下にアンダーコート層を設けるなどの公知
の諸種の変形をすることは何ら差支えない。 [実施例] 以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。 感熱発色層の形成 塩基性染料分散液Aの調製 3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノ フルオラン 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 顕色剤分散液Bの調製 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 増感剤分散液Cの調製 シュウ酸ジ−p−メチルベンジル 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 上記A〜C液の調製用組成物をサンドグラインダーで平均粒径0.5μmまで
別個に粉砕した。 顔料分散液Dの調製 軽質炭酸カルシウム 40重量部 (ブリリアント15,白石工業社製) ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液 60重量部 この組成物をカウレス分散機で分散した。 さらに分散物E,F液として、20%ステアリン酸亜鉛分散物、20%ステア
リン酸アミド分散物を用意した。 また結着剤として10%ポリビニルアルコール水溶液を用いた。 これらの分散物および結着剤を用いて乾燥後の重量比率が A:B:C:D:E:F:ポリビニルアルコール=10:20:20:30:
5:5:10 となるように配合し、塗液を作成した。 この塗液を50g/m2の原紙に乾燥後塗布量が7g/m2となるように塗布し
乾燥することによって原紙支持体上に感熱発色層を形成した。 保護層の形成 接着剤として、ポリビニルアルコール(日本合成(株)、NL−05ケン化度
98.5以上)スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、顔料としてカオリナイトクレー(UW−90 EMC社製)、シリカ(ミ
ズカシルP527、水沢化学製)、架橋剤としてジメチロール尿素、グリオキザ
ール、さらにワックス類としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、パラフ
ィンワックスを用いて、配合比を第1表のように変化させ、乾燥後の重量が3g
/m2となるように保護層を塗工し、スーパーカレンダー掛けを行なった。 その時の各材料の配合比率、耐油性、耐水性、印刷水負け試験結果およびPの
値を第1表に示す。配合比率は乾燥重量比であらわす。 アマニ油および水による接触角は協和界面科学(株)製 Face Contact-Angle
Meterを用いた。 大気中の水の表面張力は、文献値73dyne/cmを使用した。(Land 油の表面張力は、市販の表面張力測定装置、協和界面科学(株)製Face S
urface Tensiometerを用いて垂直板法にて測定して得た値、
33dyne/cmを使用した。 印刷水負け試験は、明製作所RIテスターを用い、インキは東華色素ベストキ
ュアRNC・紅でインキ0.25gに水0.5ccを加え、インキ練りローラー で1分間インキと水を練りインキを乳化させた後印刷試験を行い、その印刷物の
濃度をマクベス社製RD−914型濃度計で測定することにより印刷水負け評価
を行なった。濃度が高い程、良好にインキが紙に転移したことを示し、印刷時の
水負けが良好な紙である。濃度は0.5以上は良好にインキが紙に転移したこと
を、0.45以上0.5未満はインキの転移程度がやや不充分であるが実用上問
題ないと判断できるレベルであることを、0.45未満はインキの転移が適切に
行なわれなかったことを示す。 耐油性は、感熱記録紙を加熱発色させ、市販のサラダ油を塗布してその消色具
合を評価した。○は消色が少なく問題ないと判断できるレベルであることを、×
は消色が激しく、実用的でないと判断できるレベルを示す。 耐水性は、水を滴下後、指ではげしくこすり、塗膜の剥れの程度を観察するこ
とにより評価した。○は塗膜の剥れがなかったことを、×は剥れが発生したこと
を示す。 第1表より本発明による保護層表面のPが40dyne/cm以下であり、保
護層に水溶性高分子物質および架橋剤を含む感熱記録材料は耐油性が良好で印刷
時の水負けが良好なことがわかる。 [発明の効果] 本発明により、感熱記録画像の保存中に発生する退色または発色が改善され、
しかもすぐれたオフセット印刷適性を有する感熱記録材料の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明における保護層表面の表面張力と接触面との関係を説明するた
めの説明図であり、第2図はPと印刷水負けとの関係を試験した結果を示すグラ
フである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.支持体上に少なくとも1種の塩基性染料と、該塩基性染料と接触して呈色
    し得る顕色剤とを含有する感熱発色層を設け、その上に保護層を設けた感熱記録
    材料において、前記保護層における式 P=γ1cosθ1−γ2cosθ2 θ1:保護層表面の水による接触角 γ1:水の表面張力 θ2:保護層表面のアマニ油による接触角 γ2:アマニ油の表面張力 で示されるPの値が40dyne/cm以下であり、かつ前記保護層が水溶性高
    分子物質及び架橋剤を含むものから成るものであることを特徴とする感熱記録材
    料。

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