JP2597417B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2597417B2 JP2197048A JP19704890A JP2597417B2 JP 2597417 B2 JP2597417 B2 JP 2597417B2 JP 2197048 A JP2197048 A JP 2197048A JP 19704890 A JP19704890 A JP 19704890A JP 2597417 B2 JP2597417 B2 JP 2597417B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感熱記録材料に関する。さらに詳細にいえ
ば、本発明は、オフセット印刷適性にすぐれ、かつ感熱
記録画像の保存中に発生する退色または発色を改善した
感熱記録材料に関する。
〔従来の技術〕
紙、合成紙、フィルムなどを支持体として用い、熱時
発色する感熱発色層を形成せしめた記録材料として感熱
記録材料が知られている。感熱記録材料(シート)は、
通常無色または淡色のロイコ染料などの発色性物質と該
発色性物質を熱時発色せしめる顕色性物質、例えばホウ
酸、シュウ酸、酒石酸などの酸性物質またはナフトー
ル、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、
カテコール、レゾルシンなどのフェノール性物質などを
接着剤、更には必要に応じて炭酸カルシウム、クレーな
どの顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤と共に適当
な溶剤を用いて感熱発色層形成液と成し、該液を紙など
の支持体上に塗布、乾燥して製造される。このようにし
て得られた感熱記録材料は、電卓、医療計測機器、ファ
クシミリ、自動券売機、CD/ATMなどにおける記録用とし
て広範囲に使用されている。
しかし、従来この種の感熱記録材料は、発色部、未発
色部とも保存安定性に欠点がある。すなわち、感熱層表
面にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのプラス
チックが接触すると、プラスチック中に含まれている可
塑剤や安定剤、添加剤などにより発色部が退色したり、
未発色部が、発色しなくなったりする。例えばプラスチ
ック消しゴムを感熱層表面に数時間放置しておいたり、
感熱記録材料をポリ塩化ビニル製のカバンに入れて長時
間カバンに直接触れる状態で保存したりすると、発色画
像が消えてしまう。また指紋による消色、蛍光ペンによ
る消色などの不都合もある。未発色部は、アルコールや
トルエン、酢酸エチルなどの有機溶剤により容易に発色
するため、保存中に有機溶剤を誤まって滴下したり、有
機溶剤の蒸気に暴露されたりすると未発色部が発色し、
記録画像との区別がつかなくなる。有機溶剤を含む接着
剤の使用も、未発色部の発色が起るため使用を避ける必
要があり不便である。
保存安定性を改良するため感熱記録層表面に保護層を
設けることは例えば特開昭56−126193号、特開昭59−23
2893号、特開昭60−99696号など数多くの提案がなされ
ている。こうした保護層は、例えばポリ塩化ビニルのフ
ィルムと直接接触する場合、フィルム中に含まれている
可塑剤の感熱発色層への浸透を抑制し、発色部分が消色
するのを防ぐのに極めて有効である。またサラダオイル
などの油分の浸透も保護層により抑制でき、油分による
消色を防ぐことができる。これまでなされた提案の多く
は保護層に必要とされる基本的な性質、例えば、 (1)未発色部を発色させたり、発色部を退色させる傾
向のある有機溶剤や可塑剤、油などのような物質の感熱
層への浸透を防ぐこと(以下この性質を耐油性とい
う)。
(2)水が付着した場合でも、保護層皮膜の溶解が起ら
ず、水によるブロッキングなどの問題が発生しないこ
と。
(3)保護層の影響による印字濃度の低下が少ないこ
と。
(4)加熱印字に際し、サーマルヘッドへのスティッキ
ング、ガス付着およびヘッドの摩耗が起きないこと。
を満足させようとするものであり、特公平2−2439号に
みられるように保護層を2層以上に分割することにより
こうした性質をバランスさせようとする試みもなされて
いる。
しかしながら、従来提案された上記のような保護層で
はオフセット印刷適性に対しての配慮が全くなされてお
らず、オフセット印刷時の水幅が狭く、極めて印刷しず
らいものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は保護層としての前記4項目の機能をもたせた
上に、すぐれたオフセット印刷適性を有する感熱記録材
料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、課題を解決するために、保護層を構成
する接着剤、顔料、ワックス類、その他の種類、その配
合比、塗工量などについて詳細に実験をくりかえし研究
を続けた結果、保護層に必要な上記4項目の特性を満足
させかつオフセット印刷適性をも満足させるためには、
保護層を形成した場合、その保護層における、式 P=γcosθ−γcosθ (1) (式中θは保護層表面の水による接触角、θは保護
層表面のアマニ油による接触角、γは水の表面張力、
γはアマニ油の表面張力を示す。)で示されるPの値
を40dyne/cm以下とすることが必要であることを見出し
本発明を完成させるに至った。
本発明者らは、以前、保護層表面の水による接触角を
45°以上にすることにより、すぐれたオフセット印刷適
性を有する感熱記録材料を提供できることを見出し、特
許出願を行なった(特願平2−117289号参照)。
しかし、本発明者らがさらに鋭意研究を重ねたとこ
ろ、保護層表面のインキのぬれ性がオフセット印刷に重
要であることを見出し、水とインキのぬれ性を調節する
ことにより、さらにすぐれたオフセット印刷適性を付与
できることがわかった。
JIS K3211で定義されているように、接触角とは液体
が固体面上にあるとき、液面と固体面のなす角のうち液
体を含む角をいい、表面張力とは液体表面の単位面積当
りの自由エネルギーをいう。
保護層表面に微小な液滴をおいた時に働く力と接触角
との関係を第1図により説明する。
第1図において、力のつり合いがとれている状態を表
わす式としてYoungの式が知られている。(例えば、杉
田和之、表面(表面談話会・コロイド懇話会)、vol 2
4、p371−380(1986年)) γLGcosθ=γSG−γSL (2) γSLは固体−液体間の界面張力、γLGは液体の表面張
力、γSGは固体の表面張力を示し、θは液体と固体の接
触角である。
本発明者らは、すぐれたオフセット印刷適性を得るた
めの条件について研究を重ね、上記Youngの式を利用
し、感熱記録材料の保護層の表面物性を研究した。かか
る研究を進めるにあたっては、アマニ油がその表面張力
がほぼ印刷インキと同じであることから、印刷インキに
代えて使用することが適切な液体と考え、固体表面と水
及び印刷インキの代りとしてのアマニ油との関係を研究
することとし、接触角測定にはアマニ油を使用した。
水の表面張力をγ、固体との接触角をθ、固体−
水間の界面張力をγSL1とした時に(2)式より以下の
式が成立する。
γcosθ=γSG−γSL1 (3) 同様にアマニ油の表面張力をγ、固体との接触角をθ
、固体−アマニ油間の界面張力をγSL2とした時には
以下の式が成立する。
γcosθ=γSG−γSL2 (4) (3)式と(4)式の差より、Pは固体−アマニ油間の
界面張力γSL2と固体−水間の界面張力γSL1の差とな
る。すなわち、 P=γcosθ−γcosθ =(γSG−γSL1)−(γSG−γSL2) =γSL2−γSL1 (5) Pの値が大きい時には、水は固体表面をよくぬらし、
アマニ油は固定表面をぬらしにくい。
すなわち、Pは油と水の水平方向の力の差を表してお
り、紙の油と水に対する受容性を示すパラメータと考え
てよい。
次にPと印刷水負けの関係を知るため印刷水負け試験
を行った。印刷水負け試験は、明製作所製RIテスターを
用い、インキ練りローラーでインキと水を練りインキを
乳化させた後、印刷試験を行なった。印刷水負け評価
は、印刷物の濃度を測定することにより行なった。濃度
が高い程、良好にインキが紙に転移することを示し、印
刷時の水負けが良好な紙である。
第2図はPと印刷水負けの関係を試験した結果を示す
グラフである。第2図によりPの値が小さい程水負けが
良好なのがわかる。Pの値が40dyne/cm以上である保護
層は水負け現象が発生しやすい。そして、オフセット印
刷時の印刷条件の幅が狭くなり印刷しずらいものとな
る。すなわち、Pの値が40dyne/cm以上では印刷業界で
いわれる水幅が狭いという状態となり、印刷時、非画像
部の印刷地汚れを抑えるために湿し水供給量を多くする
と、乳化インキによる水負け現象が容易に発生しやすく
なってしまい、画像部の濃度ムラや網点形状の再現性不
良が起こる。このような状態は耐油性を向上させるため
に通常行なわれるような塗膜の空隙を少なくしかつ親水
性のある官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基な
ど)を多く導入した保護層において起りやすい。このた
め、湿し水供給量を少なめにせざるを得ないが、湿し水
供給量を少なめにして、オフセット印刷機を運転するこ
とは熟練を要し、少なすぎると地汚れの発生、多すぎる
と水負けの発生があり、非常に印刷しずらい状態とな
る。オフセット印刷用紙として、通常、使用される上質
紙や、コート紙では、紙の吸油性や吸水性を高めること
によりこの水負けを発生させない工夫をしている。しか
し、感熱記録材料の保護層に従来から知られているその
様な手段を用いると耐油性が著しく悪くなり実用的でな
い。そのため、他の手段で水負けを発生させない工夫を
しなければならない。
保護層のPが40dyne/cm以上の場合、同量の湿し水で
水負け現象が発生しやすい理由は、紙面にのった水と紙
面との親和力が強く、紙面にのったインキと紙面との親
和力が弱いため、インキが水と置換されなくなったため
であると理解できる。インキが水と混在し、いわゆる乳
化インキとなった状態は例えば印刷雑誌1989(vol.72)
5 p28−p32に記述されているように、インキ表面に水が
存在する状態であり好ましいものではない。
以上詳細に説明したところから明らかなように、本発
明者らはPを40dyne/cm以下とすることにより保護層に
必要な特性を満足ししかもオフセット印刷適性を満足さ
せることを知った。
さらに、本発明者らは保護層中に水溶性高分子物質お
よび架橋剤を含む場合はオフセット印刷性の外耐油性、
耐水性が向上し、その性質がさらにすぐれたものになる
ことを見出した。
すなわち保護層の基本的な成分は、水溶性高分子物質
及び架橋剤とすることが好ましく、必要に応じ、更にこ
の種の感熱記録材料に慣用される添加成分、例えば、顔
料、ワックス類等を併用する。このようにして保護層表
面のPを40dyne/cm以下となるように各材料の種類、配
合比を選択すればよい。例えばアルキル基やフェニル基
などの疎水基を分子中にもった材料を選択することはこ
のような保護層を得るため効果的であるが、基本的には
トライアンドエラーを繰り返してPの値を40dyne/cm以
下とするほかない。これにより材料、配合比、塗工量を
決定することが必要である。
本発明の保護層に用いられる水溶性高分子物質として
は、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニ
ルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール
などの変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デン
プン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、ポリアミド、ポリ
アクリルアミド、アラビアゴム、カルボキシメチロール
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセル
ロース、スチレン・無水マレイン酸共重合体およびその
アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
およびそのアルカリ塩、スチレン・ブタジエン共重合
体、アクリル酸エステル系樹脂などを使用する。
架橋剤としては、メラミン、エポキシ、グリオキザー
ル、ジメチロールウレア、ポリアルデヒド、ジルコニウ
ム塩、イソシアナート、アジリジンなどをあげることが
できる。
この外の成分として使用するもののうち、顔料は、炭
酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグ
ネシウム、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、シリカ、水
酸化アルミニウムなどの無機顔料、でんぷん粒、小麦
粉、シリコン樹脂、尿素・ホルマリン樹脂、フェノール
樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂、グア
ナミン・ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂などを用い
た有機合成顔料などが使用できる。
ワックス類としては、ステアリン酸などの高級脂肪
酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ベヘ
ニン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの高級脂肪
酸金属塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの高級脂肪酸アミ
ド、およびそのメチロール化物、ポリエチレンワック
ス、パラフィンワックス、カルナバロウ、マイクロクリ
スタリンワックスなどが使用できる。
本発明において、その他の感熱記録材料の構成に関し
ては従来のいかなるものでもよい。
例えば、感熱発色層に含有させる塩基性染料として
は、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−
ジメチルアミノフタリドなどのトリアリルメタン系染
料、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N
−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミ
ノフルオラン、などが挙げられる。
顕色剤は温度の上昇によって液化、ないし溶解する性
質を有し、かつ上記塩基性染料と接触して呈色させる性
質を有する物であればよい。代表的な具体例としては4
−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、
4−tert−オクチルフェノール、4,4′−sec−ブチリデ
ンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4′−ジ
ヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4′−イソプロピリ
デンジフェノール、ハイドロキノン、4,4′−シクロヘ
キシリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルサルファイド、4,4′−チオビス(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロ
ポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4
−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香
酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息
香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのフェノ
ール性化合物、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、
トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−
イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル
酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸な
どの芳香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合
物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、ア
ルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩などの有
機酸性物質などが挙げられる。
本発明の感熱記録材料において、感熱発色層をその上
に形成する支持体材料は格別限定されるものではない。
例えば、紙、顔料塗工紙、合成繊維紙、合成樹脂フィル
ムなどを適宜使用することができる。一般には紙が好ま
しい。
感熱発色層形成塗液を調製するにあたっては、水を分
散媒体として使用し、ボールミル、アトライター、サン
ドグラインダーなどの粉砕機により染料、呈色剤を分散
し塗液とする。かかる塗液中には、結合剤としてデンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重
合体エマルジョンなどを全固形分の2乃至40重量%、好
ましくは5〜25重量%使用する。塗液中には必要に応じ
て各種の助剤を添加することは差支えない。例えば、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステ
ル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、その他
消泡剤、蛍光染料、着色染料などはいずれも添加でき
る。
感熱発色層をさらに白くしたりするために顔料を併用
してもよい。例えばクレー、タルク、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、酸化アルミニウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料、尿素・ホルマ
リン、フェノール、エポキシ、メラミン、グアナミン・
ホルマリン樹脂を用いた有機顔料などを用いることがで
きる。
発色後の退色を防止するために保存性向上剤を添加す
ることも何ら差支えない。このような保存性向上剤とし
てはフェノール系の化合物が有効であり、例えば1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、4,4′−(1−フェニルエチリ
デン)ビスフェノール、4,4′−〔1,4−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4′−
〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビ
スフェノールなどを挙げることができる。
ワックス類としては、ステアリン酸などの高級脂肪
酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ベヘ
ニン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの高級脂肪
酸金属塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの高級脂肪酸アミ
ド、メチロール化脂肪アミド、ポリエチレンワックス、
パラフィンワックス、カルナバロウ、マイクロクリスタ
リンワックスなどを挙げることができる。
感熱記録材料の感度を向上するための増感剤としては
例えばパラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレ
ート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュ
ウ酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ
−p−クロルベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジ
ルなどが使用できる。
本発明の感熱記録材料において、記録層および保護層
の形成方法は特に限定されない。例えば塗液を塗布する
方法としてはエアーナイフコーター、ブレードコーター
など適当な塗布装置を用いることができる。
感熱発色層は、一般に乾燥重量で2〜12g/m2の範囲と
なるように形成する。
保護層は、乾燥重量で0.2g/m2〜6g/m2の範囲となるよ
うに形成することが望ましい。裏面からの油や溶剤、可
塑剤の浸透を抑えたり、カールコントロールのためにバ
ック層を設けることもでき、この場合、本発明の保護層
と同様の特性をもたせることでバック層についてもオフ
セット印刷適性にすぐれたものとすることができる。
さらに、必要に応じて感熱発色層の下にアンダーコー
ト層を設けるなどの公知の諸種の変形をすることは何ら
差支えない。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明す
る。
感熱発色層の形成 塩基性染料分散液Aの調製 3−ジ−n−ブチルアミノ−6− メチル−7−フェニルアミノ フルオラン 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 顕色剤分散液Bの調製 4,4′−イソプロピリデン ジフェノール 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 増感剤分散液Cの調製 シュウ酸ジ−p−メチルベンジル 40重量部 ポリビニルアルコール10%液 20重量部 水 40重量部 上記A〜C液の調製用組成物をサンドグラインダーで
平均粒径0.5μmまで別個に粉砕した。
顔料分散液Dの調製 軽質炭酸カルシウム 40重量部 (ブリリアント15,白石工業社製) ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液 60重量部 この組成物をカウレス分散機で分散した。
さらに分散物E,F液として、20%ステアリン酸亜鉛分
散物、20%ステアリン酸アミド分散物を用意した。
また結着剤として10%ポリビニルアルコール水溶液を
用いた。
これらの分散物および結着剤を用いて乾燥後の重量比
率が A:B:C:D:E:F:ポリビニルアルコール=10:20:20:30:5:5:
10 となるように配合し、塗液を作成した。
この塗液を50g/m2の原紙に乾燥後塗布量が7g/m2とな
るように塗布し乾燥することによって原紙支持体上に感
熱発色層を形成した。
保護層の形成 接着剤として、ポリビニルアルコール(日本合成
(株)、NL−05ケン化度98.5以上)スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、顔料
としてカオリナイトクレー(UW−90EMC社製)、シリカ
(ミズカシルp527、水沢化学製)、架橋剤としてジメチ
ロール尿素、グリオキザール、さらにワックス類として
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、パラフィンワ
ックスを用いて、配合比を第1表のように変化させ、乾
燥後の重量が3g/m2となるように保護層を塗工し、スー
パーカレンダー掛けを行なった。
その時の各材料の配合比率、耐油性、耐水性、印刷水
負け試験結果およびPの値を第1表に示す。配合比率は
乾燥重量比であらわす。
アマニ油および水による接触角は協和界面科学(株)
製Face Contact−Angle Meterを用いた。
大気中の水の表面張力は、文献値73dyne/cmを使用し
た。(Landolt−Brnstein Tabellen(1956))大気
中のアマニ油の表面張力は、市販の表面張力測定装置、
協和界面科学(株)製Face Surface Tensiometerを用い
て垂直板法にて測定して得た値、33dyne/cmを使用し
た。
印刷水負け試験は、明製作所製RIテスターを用い、イ
ンキは東華色素ベストキュアRNC・紅でインキ0.25gに水
0.5ccを加え、インキ練りローラーで1分間インキと水
を練りインキを乳化させた後印刷試験を行い、その印刷
物の濃度をマクベス社製RD−914型濃度計で測定するこ
とにより印刷水負け評価を行なった。濃度が高い程、良
好にインキが紙に転移したことを示し、印刷時の水負け
が良好な紙である。濃度は0.5以上は良好にインキが紙
に転移したことを、0.45以上0.5未満はインキの転移程
度がやや不充分であるが実用上問題ないと判断できるレ
ベルであることを、0.45未満はインキの転移が適切に行
なわれなかったことを示す。
耐油性は、感熱記録紙を加熱発色させ、市販のサラダ
油を塗布してその消色具合を評価した。○は消色が少な
く問題ないと判断できるレベルであることを、×は消色
が激しく、実用的でないと判断できるレベルを示す。
耐水性は、水を滴下後、指ではげしくこすり、塗膜の
剥れの程度を観察することにより評価した。○は塗膜の
剥れがなかったことを、×は剥れが発生したことを示
す。
第1表より本発明による保護層表面のPが40dyne/cm
以下であり、保護層に水溶性高分子物質および架橋剤を
含む感熱記録材料は耐油性が良好で印刷時の水負けが良
好なことがわかる。
〔発明の効果〕 本発明により、感熱記録画像の保存中に発生する退色
または発色が改善され、しかもすぐれたオフセット印刷
適性を有する感熱記録材料の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明における保護層表面の表面張力と接触面
との関係を説明するための説明図であり、第2図はPと
印刷水負けとの関係を試験した結果を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1種の塩基性染料
    と、該塩基性染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有
    する感熱発色層を設け、その上に保護層を設けた感熱記
    録材料において、式 P=γcosθ−γcosθ θ:保護層表面の水による接触角 γ:水の表面張力 θ:保護層表面のアマニ油による接触角 γ:アマニ油の表面張力 で示されるPの値を40dyne/cm以下としたことを特徴と
    する感熱記録材料。
  2. 【請求項2】前記保護層が水溶性高分子物質および架橋
    剤を含むものから成る特許請求の範囲第1項記載の感熱
    記録材料。
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