JP2596770B2 - 風味の豊富な穀類加水分解物 - Google Patents

風味の豊富な穀類加水分解物

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寳酒造株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改良された風味の豊富な穀類加水分解物に関
する。
〔従来の技術〕
一般に高でんぷん原料よりでんぷんや水あめ等を製造
する際には、原料中のたんぱく質を除去することが必須
である。これはでんぷんや水あめ等の製造においてたん
ぱく質が存在すると褐変現象が起つたり、過性が悪く
なつたり、イオン交換樹脂使用時に負荷を与えるマイナ
ス要因となるためである。また精製した糖を糖アルコー
ルに転換する場合にも用いるラニーニツケル触媒にたん
ぱく質は触媒毒として作用することが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
高でんぷん原料より糖製造において分離されたたんぱ
く質は、飼料や培地などに利用されたり、アミノ酸しよ
う油などの窒素源として添加される程度で廃物利用され
ている現状であり、一方精製された糖はほとんど風味を
有しない。
また穀類原料のでんぷんやたんぱく質をそのまま利用
する方法として一部ワキシーコーングリツツを酵素分解
してみりん製造に使用することも行われているがその利
用率は極めて低く、また作用時間も長いなどの点でいま
だに技術的問題が多い。また市販されている麦芽エキス
なるものは、麦芽を自己消化させ、同時に糖化及び/又
はたんぱく質分解酵素処理を並行して行うことによつて
窒素・糖を含有するエキスであるが、でんぷんとたんぱ
く質とを同時に分解するために褐変が極端に強い欠点が
あり、風味のまとまりが悪く、窒素量の調整もできな
い。
更に異なる原料からでんぷんとたんぱく質をそれぞれ
調整したものとして、例えばみりん風調味料が挙げられ
る。これは水あめ、アミノ酸液、有機酸等の原料を適当
に配合して製造するものと思われ、窒素源であるアミノ
酸液は全く別に製造されたもので原料を問うことなく、
動物性たんぱく質加水分解物(HAP)や植物性たんぱく
質加水分解物(HVP)など様々である。
本発明の目的は、上記の各問題点を解決した風味の豊
富な穀類加水分解物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は風味の豊富な穀類加水
分解物に関する発明であつて、穀類原料からでんぷん区
分とたんぱく質区分とを分離し、各々を加水分解し、必
要に応じて濃縮後、目的に応じた割合で両者を混合する
処理を包含する処理で得られるものであることを特徴と
する。
すなわち本発明は、でんぷん、水あめ等の糖に風味を
付与することを目的とし、穀類原料のでんぷんとたんぱ
く質の有効利用を考慮し、たんぱく質部分の食品への積
極的な利用を計り、またそれぞれ分画して処理すること
により糖とたんぱく質による極端な褐変を起こすことな
く、更に窒素含量を目的に応じて調整できるなど従来技
術の問題点を解決しようとするものである。更に窒素及
び糖をそれぞれ個別に配合する場合には、風味の熟成が
ないため、特に窒素源の臭いなど単独で発現するなどの
問題があり、長期間の熟成を必要とするが、本発明によ
ればあらかじめ混合されていることにより熟成期間を減
少させ製造工程を短縮化することが可能である。
また既述のみりん風調味料は甘味調味料であつて、本
発明による穀類加水分解物とは異なるものである。
本発明を、穀類原料としてとうもろこしを用いた場合
を例にとつてその概要を説明する。
まず、一般に原料からのでんぷん区分とたんぱく質区
分との分離は次のように行う。原料は始めに風洗あるい
は水洗によつて夾雑物を除去後、0.1〜0.2%亜硫酸水溶
液にて45〜55℃、40〜50時間浸漬することによつて可溶
性の還元糖、ビタミン、アミノ酸等を除去すると共にで
んぷんとたんぱく質の結合も切断する。次に温水と共に
原料を荒砕きしたのち比重差分離によつて胚芽部分を分
離する。この段階で原料とうもろこしは皮の部分とでん
ぷく区分及びたんぱく質区分の混合体となつているが、
次の50μm程度の微粉砕後の高圧ふるいによつて、皮及
び類似繊維を分離する。最後にでんぷん区分とたんぱく
質区分は連続遠心分離によつて比重差を用いて分画す
る。この段階で原料とうもろこし1000重量部はでんぷく
区分約700重量部とたんぱく質区分約50重量部になる。
次に本発明は、ここで得られたそれぞれの区分を糖分
解率、たんぱく質分解率を調整し目的に応じて加水分解
する。でんぷん区分はα−アミラーゼで液化し、続いて
グルコアミラーゼで糖化分解後必要であれば濃縮し、た
んぱく質区分はたんぱく質分解酵素で処理後、必要であ
れば濃縮する。次いで目的に応じた割合で両者を混合
し、風味の豊富な穀類加水分解物を得るものである。
次に本発明による加水分解物と類似物とを比較した結
果を説明する。
表−1では本発明による穀類加水分解物の全窒素や全
糖を市販麦芽エキスに調整したものと比較した。
その結果、麦芽エキスは麦芽のでんぷんとたんぱく質
とを区分することなく分解し処理するため、その製造工
程中で糖とアミノ酸とのアミノ・カルボニル反応が、極
端に進行することによつて著しく褐変し色度で比較する
ようにその差は明りようである。またその風味について
も褐変臭がありまとまりに差異が大きい。
また、表−2は、本発明の加水分解物の熟度について
検討した結果を示す。みりん風調味料を模した配合物1
及び配合物2は、水あめ〔ブリツクス(Brix)75、DE7
5〕、HAP溶液(TN2%)と水を用いて表−2の窒素、糖
含量になるように混合したものであり、また本発明によ
る加水分解物はそれぞれの成分に合うように調整して得
たものである。
それぞれ、配合物1と本加水分解物1、配合物2と本
加水分解物2とを比較した結果、配合物はいずれもHAP
の単独臭が強く風味のまとまりに欠け熟度が不足してい
るのに対し、本発明による加水分解物は風味のまとまり
が良好であり両者の熟度の差は明りようであつた。
一方本加水分解物は窒素成分の含有量を目的に応じて
調整できるという特徴があるが表−3は含有窒素量と風
味の豊さについて評価した結果を示すものである。
成分は全糖を70g%とし、全窒素を25〜800mg%までの
間で調整し比較したが、全窒素量があまり低いと風味の
パンチに欠け、50mg%以上であれば風味の質、まとまり
もあり良好である。更に100mg%以上であれば含有窒素
の効果が顕著であり豊富な風味を有する穀類加水分解物
として充分であつた。しかし800mg%以上では着色度が
強く色の限界である。
次に、本発明の穀類加水分解物の糖濃度と防腐性につ
いて検討した結果を表−4に示す。
本加水分解物の糖濃度が65%以上の場合防腐効果は充
分であつたが、60%以下の場合、pH、食塩、アルコール
などの防腐要因を考慮しながら構成することが好まし
い。
このように、本発明によつて風味の豊富な穀類加水分
解物が始めて得られるものであるが、ここで用いる穀類
は高でんぷん質原料であれば、米、小麦、とうもろこ
し、きびその他のいずれでも良くまた最終調味料中の糖
及び窒素成分の含有量や分解率も目的用途に沿つて調整
すればよい。また本発明品は液体やペースト状ばかりで
なく噴霧乾燥などの常法により乾燥し粉末として用いる
こともできる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 とうもろこし2600g(水分15%)を0.1%亜硫酸水溶液
に50℃、40時間浸漬後、温水洗浄し粗砕した。胚芽部分
を浮遊分離で除去したのち、微粉砕しふるいにより表皮
部分を分離し、よく洗浄し、でんぷん区分とたんぱく質
区分を回収する。最後に比重差を利用して1506g(無水
物)のでんぷん区分と160g(無水物)のたんぱく質区分
とに分離した。でんぷん区分は水洗後35%固形分の乳液
状にして常法によりスピターゼCP20(ナガセ産業)1.5g
を用いて105℃、3時間液化した。更に55℃に冷却しpH
5.0でグルクザイムAF6(天野製薬)0.9gを用いて24時間
糖化し、常法により過、活性炭脱色、イオン交換樹脂
処理等の精製処理を経て、濃縮しDE85.5、81.3%固形分
の糖液1940gを得た。一方、たんぱく質区分は15%固形
分の乳液1060mlにし、5%水酸化ナトリウムでpH6.0に
調整後、ビオプラナーゼSP4(ナガセ産業)5gを用いて5
0℃、24時間加水分解した。次に遠心分離によつて不溶
性固形分を除去し窒素溶液を濃縮後、活性炭脱色して全
窒素25%、アミノ態窒素0.9%の窒素溶液260gを得た。
これらでんぷん区分とたんぱく質区分とのそれぞれの加
水分解物を再び混合することによつて、固形分75.5%、
全窒素0.3%の風味の豊富な穀類加水分解物2200gを得
た。
実施例2 実施例1で得た穀類加水分解物を用いて発酵調味液を
製造した。4%食塩含有の清酒(清酒タイプ発酵液)50
0ml(アルコール20%)と本発明品の加水分解物600g
(全窒素300mg%、全糖75g%)を混合し水を加えて発酵
調味液1を得た。この発酵調味液は表−5に示す成分
を有し、発酵香味と含窒素調味液の風味に優れ、発酵調
味液の特性を充分に保持したものであつた。
実施例3 実施例1で得た穀類加水分解物を用いて粉末調味料を
製造した。本発明の加水分解物1000g(全窒素300mg%、
全糖75g%)に水2500mlを加えてかくはんし、これにパ
インデツクスNo.1(松谷化学社)400gを添加し、噴霧乾
燥することによつて260mg%の全窒素成分を有する高窒
素高糖粉末調味料1150gを得た。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明の穀類加水分解物
は含窒素成分による呈味が強く特有な風味の豊富な高糖
液であり今までにない新しいものである。この穀類加水
分解物は、風味甘味調味料としてはもちろん、みりん、
発酵みりん、発酵調味料やみりん風調味料、更に飲料、
菓子用などの糖質原料や甘味原料としても広範囲に利用
されるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 日出男 滋賀県大津市一里山4丁目10番4号 寳 酒造株式会社中央研究所内 (72)発明者 新開 敬 京都府京都市伏見区肥後町369番地 寳 酒造株式会社中央研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀類原料からでんぷん区分とたんぱく質区
    分とを分離し、各々を加水分解し、必要に応じて濃縮
    後、目的に応じた割合で両者を混合する処理を包含する
    処理で得られるものであることを特徴とする風味の豊富
    な穀類加水分解物。
JP62329757A 1987-12-28 1987-12-28 風味の豊富な穀類加水分解物 Expired - Lifetime JP2596770B2 (ja)

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