JP2596660Y2

JP2596660Y2 - 接着剤付シート

Info

Publication number: JP2596660Y2
Application number: JP1990405687U
Authority: JP
Inventors: 元彦手塚; 純一田渕; 努酒井
Original assignee: Toppan Forms Co Ltd
Current assignee: Toppan Forms Co Ltd
Priority date: 1990-12-31
Filing date: 1990-12-31
Publication date: 1999-06-21
Anticipated expiration: 2005-12-31
Also published as: JPH0494681U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、四つ折り、切り重ね等
の各種の態様で重ね合わせ、重ね合わせ面を剥離可能に
接着することにより、通知書、葉書、カード等の重ね合
わせシートとなす接着剤付シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来における接着剤付シートとしては、
常時接着力を有する粘着剤をシート面に塗布したうえ、
剥離紙で被覆したもの、あるいは、通常では接着せず、
一定の接着条件が与えられると接着可能になる接着剤を
シート面に塗布したものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のシー
ト面に剥離紙で被覆された粘着剤を設けたものは、剥離
紙があるため厚くなり、プリンタで印字する等の各種処
理を行う際のフィード作業には適さず、取り扱いが困難
であり、また、接着力を剥離可能に設定することが極め
て困難であるという欠点を有している。また、シート面
に一定の接着条件が与えられると接着可能になる接着剤
を設けたものは、取り扱いは概して容易であるが、前記
粘着剤と同様に、接着力の調整が困難であり、接着力が
強すぎると剥離の際に接着面を破損してしまう反面、接
着力が弱すぎると接着面が容易に離反してしまい、重ね
合わせシートとしての所望の使用ができないという欠点
がある。本考案は、このような欠点を解消した通常では
接着せず、一定条件が付与されると剥離可能となる接着
剤を用いた接着剤付シートを提供することを目的とす
る。

【０００４】この目的を達成するために本考案は、折り
重ね、切り重ね、あるいは別体のものを重ね合わせ、重
ね合わせ面を剥離可能に接着することにより重ね合わせ
シートとする接着剤付シートであって、所定サイズの１
単位の重ね合わせ用シートを縦横に伸びる折り部あるい
は切り部によって４つのほぼ等しい区画に分け、表裏両
面の各同一面の隣接する所定区画を重ね合わせ面とし、
この重ね合わせ面の所定部分に、印刷あるいは印字可能
で、かつ、通常では接着せず、一定条件が付与されると
接着可能となり、接着後には施された印刷あるいは印字
を損なわずに剥離可能とすべく、一旦接着すると再剥離
困難な非剥離性接着剤基剤に、この接着剤基剤に対して
非親和性を示す微粒状充てん剤を配合して接着力を調整
した接着剤を塗布してなるものである。なお、本考案に
おいては、シートに設けられた接着剤に対する記入欄や
情報等の印刷あるいは印字は必要に応じて行うものであ
り、常に行う必要はない。

【０００５】

【作用】所定に区画されてなる重ね合わせ面を接着する
ための接着剤は、通常では接着せず、一定条件が付与さ
れると接着可能となり、接着後には接着剤上に施された
印字あるいは印刷を損なわないように剥離可能なので、
所定状態に重ね合わせたうえ、一定の接着条件を付与す
ると、重ね合わせ面が剥離可能に接着された重ね合わせ
シートとなる。一方、この重ね合わせシートの接着され
た重ね合わせ面に情報等が印刷あるいは、印字されてい
る場合は、接着面を剥離した時に、情報等の印刷あるい
は印字は損傷されず、確実に視認できる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案を往復葉書を作成するための接
着剤付シートに適用した場合の好適な一実施例を添付図
面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１は接
着剤付シートの表面側を示す平面図、図２は同じく裏面
側を示す平面図、図３は半分に折り重ねた状態の往信宛
先面側を示す平面図、図４は同じく返信宛先面側を示す
平面図、図５は作成した往復葉書を示す断面図、図６は
接着剤付シートから往復葉書を作成する工程を示すフロ
ー図である。

【０００７】図１及び図２に示す接着剤付きシート１
は、Ａ４サイズの重ね合わせ用シートが、折り用ミシン
目２とこれに直交する折り兼切り用ミシン目３によって
４等分されてなる。前記折り兼切り用ミシン目３によっ
て往信葉書部４と返信葉書部５とに区分され、さらに折
り用ミシン目２によって、往信葉書宛先部４ａと往信葉
書通信部４ｂ及び返信葉書宛先部５ａと返信葉書通信部
５ｂとの４区画に区分されている。そして、前記往信葉
書宛先部４ａと前記返信葉書宛先部５ａの表面側には、
それぞれ宛名を記入するための往信用宛名記入部６及び
返信往信用宛名記入部７が設けられている。また、前記
往信葉書部４の折り兼切り用ミシン目３と反対側の端縁
に沿って、接着後の剥離動作を容易に行うためのスリッ
ト８が設けられている。

【０００８】図１に示すように、接着剤付きシート１の
表面側においては、往信葉書通信部４ｂと返信葉書宛先
部５ａとが折り兼切り用ミシン目３から折り重ねられる
重ね合わせ面となっている。一方、図２に示すように、
接着剤付きシート１の裏面側においては、往信葉書宛先
部４ａと返信葉書通信部５ｂが各１区画となり、同様に
各１区画となった往信葉書通信部４ｂと返信葉書宛先部
５ａに対して、互いに折り用ミシン目２から折り重ねら
れる重ね合わせ面となっている。そして、表面側の重ね
合わせ面４ｂと５ａには接着剤９が塗布され、裏面側の
重ね合わせ面４ａ，５ｂと４ｂ，５ａには接着剤１０
が、それぞれ全面的に塗布されている。なお、前記各接
着剤９，１０は同一のものである。

【０００９】前記各接着剤９，１０は、印刷あるいは印
字が可能で、かつ、通常では接着せず、一定条件が付与
されると接着可能となり、接着後には施された印刷ある
いは印字を損なわないように剥離可能なもので、一旦接
着すると再剥離困難な、例えば感圧性の非剥離性接着剤
基剤に、この接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状
充てん剤を配合してなるものである。感圧性接着剤の場
合には、１ｃｍ^２あたり５０Ｋｇ以上、好ましくは８０
Ｋｇ以上の圧力で接着するものがよい。

【００１０】前記接着剤基剤としては、従来用いられて
いる通常の感圧性接着剤でよいが、特に挙げれば、天然
ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重
合させて得られた天然ゴムラテックスが、耐ブロッキン
グ性、耐熱性、耐摩耗性等の点で好適である。なお、接
着剤基剤としては、感圧性のほか、従来用いられている
通常の感熱性あるいは再湿性の接着剤を用いることもで
き、感熱性の接着基剤としては、特に酢酸ビニル系重合
体が好適であり、また、再湿性の接着基剤としては、ポ
リビニルアルコールやポリエチレンオキシドなどが好適
である。

【００１１】一方、前記微粒状充てん剤としては、前記
接着剤基剤との親和力が小さいもの、例えば、酸化亜
鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白
土、球状アルミナ、小麦デンプン、シリカ、ガラス粉
末、シラスバルーン等が用いられる。これらの材料は、
単独でも、複数組み合わせてもよいが、特に、シリカと
他の適宜な充てん剤との組み合わせが好適である。ま
た、粒径の異なる２種類以上を組み合わせると、接着剤
塗布面を凹凸状に形成しやすいので、剥離性能が向上す
る。シリカを添加すると、接着剤の塗膜を強化しうると
ともに、その多孔質性により、接着剤が表面に付着しや
すいので、接着力や剥離力を調整しやすいという利点が
ある。また、シリコーンオイルを用いているプリンタに
より、ノンインパクトプリンタ方式で印字した場合で
も、シリカがシリコーンオイルを吸収するので、接着剤
がシリコーンオイルにより接着しなくなることもない。
なお、微粒状充てん剤の平均粒子径は、１０ｍμｍ〜３
０μｍ、好ましくは１μｍ〜２０μｍ、さらに好ましく
は２μｍ〜１５μｍの範囲が好適である。

【００１２】上述した微粒状充てん剤は、感圧性、感熱
性、再湿性のいずれの接着剤基剤に対しても使用可能で
あるが、感圧性及び再湿性の接着剤基剤に対しては、接
着剤基剤１００重量部に対して微粒状充てん剤を１００
〜４００重量部、好ましくは１３０〜３００重量部、最
も好ましくは１５０〜２５０重量部の割合で配合するこ
とが望ましい。感熱性の接着剤基剤に対しては、接着剤
基剤１００重量部に対して微粒状充てん剤を４５〜１０
０重量部、好ましくは５５〜９０重量部、最も好ましく
は６０〜８０重量部の割合で配合することが望ましい。
この微粒状充てん剤の配合割合が前記範囲よりも少ない
と、耐ブロッキング性に劣り、かつ接着力が強すぎる一
方、前記範囲よりも多い場合には、接着力が低下し過ぎ
て容易に剥離してしまう。

【００１３】また、接着剤付シート１は接着剤９，１０
を塗布した状態において、平滑度がＪＩＳＰ−８１１９
に準拠して２０〜１２０秒、好ましくは３０〜７０秒、
さらに好ましくは４０〜６０秒の範囲にあり、透気度が
ＪＩＳＰ−８１１７に準拠して１００秒以下であり、剥
離強度が１Ｋｇ／ｃｍ^２の荷重をかけ、常温で３０分放
置後に２５ｍｍ幅で１０ｇ以下であることが望ましい。
一般にシート上に接着剤を塗布すると表面に凹凸が生
じ、印刷工程やプリント工程あるいは保存時等に、接着
剤表面の前記凹凸がこすれ等により脱落したり、紙粉の
発生源となったりする。また、印刷やプリントにおける
インキの定着不均一、ムラを生ずる。そこで、キャレン
ダーがけ等の処理により平滑度を上記範囲にすると、前
記不都合が解消され、印刷適性及び印字適性の双方に優
れたものとなる。また、透気度が上記範囲にあると吸気
作用のある移送装置等を利用した葉書シート１の移送も
円滑になされ、水分の蒸発が十分になされるから接着剤
付シート１がカールすることがなく、剥離強度が上記範
囲にあると接着剤付シート１の確実な接着を確保する一
方で、接着した重ね合わせ面に施された印刷あるいは印
字を損なわずに剥離可能となる。なお、本実施例では、
微粒状充てん剤の配合割合で、平滑度、透気度及び剥離
強度の調整ができる。

【００１４】接着剤付シート１は、図１に示す状態で、
図示していない印刷装置によって、往信用宛先部４ａの
裏面側に、隠蔽情報１１が印刷された後（図２参照）、
同様に図示していないプリンタによって往信用宛名記入
部６に宛名１２が印字される（図３参照）。続いて、折
り用ミシン目２で裏面側の重ね合わせ面どうしが重なり
合うよう二つ折りされた後、往信用通信部５ｂの表面側
に、図示していないプリンタによって隠蔽情報１３が印
字される（図３及び図４参照）。そして、折り兼切り用
ミシン目３で表面側の重ね合わせ面どうしが重なり合う
よう、さらに二つ折りされたうえ、接着剤９，１０の接
着条件である圧力が付与されることにより、各重ね合わ
せ面が剥離可能に接着されて、図５に示すような四つ折
りの往復葉書１４となる。

【００１５】このように、前記葉書１４は、図６に示す
ように、接着剤付シート１の重ね合わせ面に接着剤９，
１０を塗布する接着剤塗布工程、重ね合わせ面の接着剤
１０上に隠蔽情報１１を印刷する印刷工程、同じく重ね
合わせ面の接着剤１０上に隠蔽情報１３を印字する情報
印字工程、接着剤付シートの１重ね合わせ面どうしを折
り重ねる重ね合わせ工程、接着剤９，１０の接着条件を
付与して重ね合わせ面どうしを剥離可能に接着する接着
工程を順次施すことにより作成されるものである。

【００１６】作成された葉書１４は、図５に示すよう
に、隠蔽情報１１，１３が外部から見えない状態となる
一方、通常の葉書と同様に投函することが可能となる。
また、上述した作成過程では説明しておらず、また図示
してもいないが、葉書下紙片７の表面には、隠蔽情報１
１，１３を見るための説明文が適所にあらかじめ表示さ
れている。したがって、葉書１４を受領した宛名人は、
スリット８を破断して指を掛けやすくしたうえ、往信用
通信部４ｂと返信用宛先部５ａとの接着面に一定以上の
力を与えて剥離し見開き状態とすれば、隠蔽情報１３を
視認することができる（図４参照）。さらに、折り兼切
り用ミシン目３で往信葉書部４と返信葉書部５とを切り
離したうえ、前記往信葉書部４を見開き状態に剥離すれ
ば、隠蔽情報１１を視認することができる（図２参
照）。これらの剥離に際しては、接着剤９，１０の接着
力が、施された印刷あるいは印字されたを損うことなく
剥離可能に設定されているから、前記隠蔽情報１１，１
３が剥がれて、視認できない事態を生じる恐れはなく、
また、スリット８によって剥離動作も容易である。一
方、切り離した返信葉書部５に宛名及び通信文を記載す
れば、返信用葉書として投函できる。

【００１７】なお、本考案は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、接着剤９，１０をシート面
に設ける方法としては、シートを抄く工程で含浸させ、
シート面に表出させるものでもよい。またさらに、スリ
ット８に換えて、ミシン目や切欠部、あるいは他の部分
より突出する摘み部を設けて指掛け部分とし、剥離動作
を容易にしてもよい。さらに、接着剤９，１０を設ける
部分は、重ね合わせ面全体に限らず、その一部でもよ
い。本考案の接着剤は、一定の条件が付与されないと接
着しないので、シートの表裏全面に塗布されていても、
取り扱いに支障をきたさず、便利である。また、本考案
は折り重ねのほか、切り重ねする接着剤付シート１にも
適用でき、さらに作成すべき重ね合わせシートとして
は、往復葉書のほか、各種カード類や各種帳票類にも適
用できることはもちろんである。さらにまた、接着剤付
シート１の材質は、通常の紙のほか、合成紙、樹脂フィ
ルム等適宜選択可能である。加えて、本考案の隠蔽情報
１１，１３は特に秘匿性が要求されるものでなくても、
例えば印刷面積を多く必要とする見開きの宣伝広告情報
でもよく、この場合には隠蔽情報所持体を開いてその見
開き両面に情報内容を見るので受領人の興味を引き、ダ
イレクトメール等として用いれば、宣伝効果の一層の向
上を図ることができる。また、印刷を設けることによっ
て、印刷部分の接着力を他の部分よりも低めることが可
能となるが、接着剤９，１０の確実な接着力を維持する
ためには、点、線、ベタの印刷の集合面積が、接着面の
７５％以下がよく、好ましくは５０％以下がよく、ベタ
印刷の前記印刷面積に占める割合は２５％以下が好まし
い。さらに、隠蔽情報１１は設けなくてもよい。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したところで明らかなように、
本考案によれば、四つ折り、あるいは四つ切りして重ね
合わせシートを得ることができるほか、印刷あるいは印
字が可能で、かつ、通常では接着せず、一定条件が付与
されると接着可能となり、接着後には施された印刷ある
いは印字を損なうことなく剥離可能とすべく、一旦接着
すると再剥離困難な非剥離性接着剤基剤に、この接着剤
基剤に対して非親和性を示す微粒子充てん剤を配合して
接着力を調整した接着剤を用いたので、印刷や印字等の
動作に伴うフィードを行う際には、シートは重ね合わせ
前状態で薄いので容易になしうるほか、重ね合わせシー
トになれば展開状態のサイズの４分の１のサイズとなり
取り扱い易く、厚さは４倍となるので腰が強くなり取り
扱いが容易であり、さらに、必要に応じて接着された重
ね合わせ面を剥離して見開き状態にでき、かつ、剥離に
あたっては重ね合わせ面に印刷あるいは印字された各種
情報が損なわれることなく、確実に視認できるので、隠
蔽情報の伝達にも利用できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る接着剤付シートの一実施例におけ
る表面側を示す平面図。

【図２】同じく裏面側を示す平面図。

【図３】同じく半分に折り重ねた状態の往信宛先面側を
示す平面図。

【図４】同じく返信宛先面側を示す平面図。

【図５】作成した往復葉書を示す断面図。

【図６】接着剤付シートから往復葉書を作成する工程を
示すフロー図。

【符号の説明】

１接着剤付シート２折り用ミシン目３折り兼切り用ミシン目４往信葉書部４ａ往信用宛先部４ｂ往信用通信部５返信葉書部５ａ返信用宛先部５ｂ返信用通信部９，１０接着剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平３−224798（ＪＰ，Ａ) 特開平２−187396（ＪＰ，Ａ) 実開平１−67076（ＪＰ，Ｕ) 実開平１−145475（ＪＰ，Ｕ) 実開平２−148371（ＪＰ，Ｕ) 実開平１−117669（ＪＰ，Ｕ) 実開昭51−619321（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】重ね合わせ面を剥離可能に接着すること
により重ね合わせシートとする接着剤付シートであっ
て、所定サイズの１単位の重ね合わせ用シートを縦横に
伸びる折り部あるいは切り部によって４つのほぼ等しい
区画に分け、表裏両面の各同一面側の隣接する所定区画
を重ね合わせ面とし、この重ね合わせ面の所定部分に、
印刷あるいは印字可能で、かつ、通常では接着せず、一
定条件が付与されると接着可能となり、接着後には施さ
れた印刷あるいは印字を損なわずに剥離可能とすべく、
一旦接着すると再剥離困難な非剥離性接着剤基剤に、こ
の接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を
配合して接着力を調整した接着剤を塗布してなる接着剤
付シート。