JP2595345B2 - ヘッドギャップの自動調整装置 - Google Patents

ヘッドギャップの自動調整装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プリンタの印字ヘッドとプラテンとのギャ
ップを自動調整するヘッドギャップの自動調整装置に関
する。
[従来の技術] 第4図に従来の自動調整装置を示す。
図において、1は印字ヘッド2を保持したキャリア、
36はピンチローラ35と協働して矢印Y方向から供給され
た用紙Pを印字面12と印字ヘッド2との間に供給するス
リップローラである。
ヘッドギャップの自動調整装置は、両ローラ36,35間
に挿入された用紙Pの厚さに応じて印字面12と印字ヘッ
ド2との間のギャップGを自動調整するもので、イコラ
イザープラテン11,イコライザーアーム31,調整手段21等
から構成されている。
イコライザーアーム31は、ピンチローラ35を回転支持
しフレーム(9)に固定された支軸33に回転可能であ
る。また、イコライザープラテン11は、一体の軸19を介
してフレームに回転可能に支持され上部に印字面12が設
けられている。
ここに、イコライザープラテン11とイコライザーアー
ム31とは、用紙Pの厚さに応じたイコライザーアーム31
の回動に伴ってイコライザープラテン11がギャップGを
調整するように調整手段21で連結されている。
調整手段21は、イコライザープラテン11に一体のピン
53を被嵌する穴52と、同じくタップ55が挿入される円弧
溝54と、イコライザーアーム31と一体の摺り子58を摺動
案内する長孔57を有するアジャスト板51を含み形成され
ている。また、イコライザーアーム31は、支軸33を中心
に時計方向に回転するようバネ39で付勢されている。な
お、56はネジ付ノブである。
したがって、イコライザープラテン11の軸19を中心と
する回転角度位置とイコライザーアーム31の支軸33を中
心とする回転角度位置を所定位置に保ったところでタッ
プ55に螺合するネジ付ノブ56を締付けることにより、イ
コライザープラテン11とイコライザーアーム31とをアジ
ャスト板51で連結しておけば、厚い用紙Pが供給された
ときにイコライザーアーム31が支軸33を中心に反時計方
向に回動すると、イコライザープラテン11はアジャスト
板51を介して軸19を中心に反時計方向に回転しギャップ
Gを拡大することができる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記従来構造では、アジャスト板51を含み
形成された調整手段21において、軸19に対するイコライ
ザープラテン11の回転角度位置と支軸33に対するイコラ
イザーアーム31の回転角度位置との相対関係を変化させ
ることにより用紙Pの厚さに対するギャップGの基準値
を初期設定することになる。
したがって、次のような問題点を有している。
初期設定に際し、ノブ56を緩めると、イコライザーア
ーム31はバネ39で付勢され時計方向に回動し、かつイコ
ライザーアーム31とイコライザープラテン11との連結が
切れる。したがって、両ローラ35,36間の隙間とギャッ
プGとの関係を基準値に合わせるには、イコライザープ
ラテン11(印字面12)と印字ヘッド2とを把持して慎重
に操作する必要があり、多くの労力・時間を要する。
このようにして、基準値を設定したとしても、ノブ56
を再び締付けると、各回動支点(19,33)が別個であ
り、イコライザーアーム31はバネ付勢されていること等
から、イコライザーアーム31とイコライザープラテン11
との相対位置が変化してしまい調整が非常に煩わしい。
また、プリンタのレイアウトや外観から、アジャスト
板51、ノブ56等は内部に配設されるため、調整作業が複
雑でまたフレーム等の大幅な分解も必要とする。
さらに、イコライザープラテン11は、軸19を中心とし
て回動させるものであるから、印字面12は軸19を中心と
する円弧運動となる。したがって、印字面12の第4図で
上下方向のギャップGに不均一性が生じ印字の不鮮明を
招来することもある。
ここに本発明の目的は、大幅な分解等を必要とせず
に、簡単かつ迅速に調整できるとともにヘッドギャップ
を均一とすることのできるヘッドギャップの自動調整装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、イコライザープラテンとイコライザーアー
ムとの連結を解くことなくかつ上下方向に相対移動可能
とする、とともにイコライザープラテンを偏心ピンによ
って回動・上下動可能に保持しかつ調整手段から手を離
してもバネの付勢力によるイコライザープラテンとイコ
ライザーアームとの相対位置関係が不用意に変化するこ
とのないよう形成したものである。
すなわち、スリップローラに対するピンチローラを保
持した回転可能な一方向に付勢されたイコライザーアー
ムと印字面を有する回転可能なイコライザープラテンと
を同期的回動可能に連結し、用紙厚さに応じたイコライ
ザーアームの回動に伴ってイコライザープラテンを回動
させることにより印字面と印字ヘッドとのギャップを調
整するヘッドギャップの自動調整装置において、 前記イコライザープラテンをフレームに回転自在に装
着された回動体と一体の偏心ピンに回転可能に支持させ
る、とともに前記イコライザープラテンとイコライザー
アームとを前記印字面の高さ方向に相対移動可能かつイ
コライザーアームの回動に伴って該偏心ピンを中心に回
動可能に連結し、回動体に連結され当該回動体を回動操
作可能な調整レバーと,この調整レバーをフレームに緊
締・弛緩して回動体を固定・固定解除可能な固定手段と
を備え、調整レバーと固定手段とを用いて回動体の回転
角度を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
[作用] 上記構成による本発明では、ピンチローラとスリップ
ローラとの間に供給された用紙Pの厚さが基準厚さより
も厚い場合、イコライザーアームを例えば反時計回り方
向に回動する。すると、イコライザープラテンが偏心ピ
ンを中心として反時計方向に回動して印字面と印字ヘッ
ドとのギャップGを拡大する。一方、用紙Pの厚さが基
準厚さより薄い場合には、イコライザーアームがバネの
付勢力等によって上記とは反対に時計方向に回動し、イ
コライザープラテンを時計方向に回動する。ギャップG
は小さくなる。
このようにして、ヘッドギャップGが自動調整され
る。
ここに、基準厚さの用紙Pに対するギャップGの基準
値を調整するつまり初期設定するには、調整手段の調整
レバーを用いて回動体を微回転しつつ偏心ピンを回転さ
せる。すると、イコライザープラテンは偏心ピンを中心
に回転かつイコライザーアームに対して印字面の高さ方
向に相対移動しつつギャップGを拡縮する。したがっ
て、印字面の高さ方向にバラツキのない均一なギャップ
Gとすることができる。また、この際、調整レバーを固
定手段を用いてフレームに緊締弛緩させても、イコライ
ザープラテンは大径の回動体と偏心ピンを介して回転支
持されているので、イコライザープラテンにはイコライ
ザーアームを付勢するバネ力等が直接作用しないから、
簡単かつ容易で安定迅速に調整できる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例の自動調整装置は、第1図〜第3図に示され
る。なお、前出第4図に示した従来自動調整装置の構成
要素と同一または共通する部分については同一の符号を
付し、その説明を簡略または省略し、以下、主に特徴部
分につき詳述する。
第1図において、イコライザーアーム31は、支軸33を
介してフレーム9に回転自在に支持され、かつピンチロ
ーラ35がスリップローラ36に接近する方向にバネ39で付
勢されている。また、イコライザープラテン11は、詳細
後記の調整手段21の一部を形成する偏心ピン27に回転自
在に保持されている。
そして、イコライザープラテン11とイコライザーアー
ム31とは、イコライザープラテン11に穿設された長溝15
にイコライザーアーム31に一体取付された摺り子34を嵌
挿させることにより、回動方向に一体で上下方向に相対
移動可能に連結されている。つまり、イコライザーアー
ム31とイコライザープラテン11とは同期的回動可能に連
結されている。
ここに、調整手段21は、イコライザープラテン11とイ
コライザーアーム31との相対位置すなわちピンチローラ
35とスリップローラ36との間隔と印字面12と印字ヘッド
2とのギャップGとの関係を調整する手段であって、調
整レバー22と,円弧溝23,ネジピン24,固定ナット25から
なる固定手段と,回動体26と,偏心ピン27等とから構成
されている。
すなわち、すなわち、調整レバー22は、回動体26に連
結され当該回動体26を回動操作可能に構成されている。
この実施例では、調整レバー22には、第3図に示す如
く、先端側に回動体26が一体的に形成され、基端側には
緩やかな円弧溝23が設けられている。回動体26は、第1
図、第2図に示す如く、フレーム9に回転自在に装着さ
れており、その中心Zに偏心量eだけづらせた偏心ピン
27が一体に設けられている。また、円弧溝23には、フレ
ーム9に植設されたネジピン24が嵌挿されており、ネジ
ピン24と螺合する固定ナット25を締付けることにより、
フレーム9に対する回動体26の回転角度を固定でき、緩
めることにより固定解除することができる。すなわち、
固定手段(23,24,25)を用いて回動体26をフレーム9に
固定・固定解除することができる。
さらに、調整レバー22の軸線X(回動体26の軸線Zを
通る)は、支軸33の軸心を通る線分Yとほぼ直交するよ
うに延びる。また、円弧溝23は、軸線Zを中心とした円
弧軌跡とされている。
したがって、固定ナット25を緩めた場合を考えると、
バネ39の付勢力でイコライザーアーム31が、第1図で時
計方向に回動しようとしても、イコライザープラテン11
を介して回動体26を回転させることはできない。つま
り、回動体26は、ネジピン24と円弧溝23との相対位置を
変えなければ回転できない。しかるに、イコライザープ
ラテン11と回転方向に一体に連結されたイコライザーア
ーム31の付勢力による回転力はほぼ軸線X線に働くの
で、円弧溝23がネジピン24の軸線X方向の移動を阻止す
る。よって、固定ナット25を弛緩させても、イコライザ
ープラテン11とイコライザーアーム31とは、ともにバネ
39の付勢力によっては偏心ピン27と支軸33とを中心とし
た回転力が生せず静止したままとなる。すなわち、調整
手段21から手を離してもギャップGはその状態のままで
ある。
また、41は、用紙Pのセット時に両ローラ35,36間を
開放させるカム体であり、イコライザーアーム31と一体
の突片37と係合してイコライザーアーム31をバネ39の付
勢力に抗して第1図で反時計方向に強制的に回転させる
ものである。
なお、この実施例では、第2図に示す如く、調整手段
21,21は左右一対として設けられているが、第1図では
右側の調整手段21だけを示している。また、左側の調整
手段21は、プリンタ内のレイアウトと操作便宜等の観点
から、調整レバー22の大きさと常態姿勢を右側の調整手
段21と異なるものとしているが、他の点については同一
につき、その説明は省略する。
次に作用を説明する。
(初期設定) 調整手段21を形成する固定ナット25を弛緩させても、
イコライザープラテン11とイコライザーアーム31とは不
動である。
次に、印字ヘッド2と印字面12との間に基準ギャップ
相当の例えばゲージを介装され、調整レバー22を微回動
させる。印字面12を印字ヘッド2の方向に移動させるに
は、第1図において、時計方向に微回動させる。する
と、回動体26の回転とともに偏心ピン27が、軸線Zを中
心に偏位してイコライザープラテン11を時計方向に回転
させてギャップGを小さくする。この場合、ピンチロー
ラ35は、イコライザーアーム31がバネ39の付勢力によっ
て、時計方向に回動付勢されているので、スリップロー
ラ36に所定圧力で密接されている。
ここに、イコライザーアーム31の静止とイコライザー
プラテン11の偏心ピン27を中心とする回転との相対位置
関係は、長溝15と摺り子34との、第1図で上下方向の、
運動によって許容される。
このようにして、ギャップGを基準値に調整した後、
固定ナット25を締付けて調整レバー22をフレーム9と一
体のネジピン24に固定する。この場合、バネ39の付勢力
に基づく調整レバー22への軸線X方向の押圧力は、円弧
溝23で受止められるので、ギャップGを変化させてしま
うことがない。
(用紙セット) カム体41を廻して突片37を第1図で下方に押下げるこ
とにより、イコライザーアーム31を反時計方向に回転さ
せ、両ローラ35,36間の隙間を拡大して行う。
カム体41を元に戻せば、バネ39の付勢力によって、両
ローラ35,36はセットされた用紙Pを挟持しつつギャッ
プG内へ供給する。
(印字) このように、カム体41を元に戻した時点では、ピンチ
ローラ35つまりイコライザーアーム31が用紙Pの厚さを
検出したことになる。
よって、イコライザーアーム31に連結されたイコライ
ザープラテン11は、それに応じて偏心ピン27を中心に回
動し、用紙Pの厚さに応じたギャップGを自動調整す
る。
その結果、均一なギャップGのもと鮮明なプリントを
達成できる。
しかして、この実施例によれば、イコライザープラテ
ン11をフレーム9に回転自在に装着された回動体26と一
体の偏心ピン27に回転可能に支持させる、とともにイコ
ライザープラテン11とイコライザーアーム31とを印字面
12の高さ方向に相対移動可能かつイコライザーアーム31
の回転に伴って偏心ピン27を中心に回転可能に連結し、
回動体26を回動操作可能な調整レバー22と,このレバー
22をフレーム9に緊締・弛緩して回動体26を固定・固定
解除可能な固定手段(23,24,25)とを備え、調整レバー
22と固定手段(23,24,25)とを用いて回動体26の回転角
度を調整することによりギャップGを調整する調整手段
21を設けた構成であるから、イコライザーアーム31の付
勢力によっては回動体26を回動させることができないの
で、調整手段21の調整レバー22から手を離してもイコラ
イザープラテン11とイコライザーアーム31との相対位置
関係は一定つまりギャップGは一定となる。したがっ
て、イコライザープラテン11(印字面12)と印字ヘッド
2とを把持しつつ慎重調整するという従来の過大な労力
・時間を必要とすることなく、迅速かつ容易にギャップ
Gを調整することができる。
また、同様の理由により、固定ナット25を操作して調
整手段21を固定化する際にもギャップGが変化しないの
で、ギャップGを最適・高精度に維持できる。
また、調整手段21は、偏心ピン27と一体の回動体26を
長寸の調整レバー22で微回動させる構成であるから、積
極的調整動作に対しては、テコの原理により軽負荷であ
り操作容易であるとともに、プリンタの外装を開くだけ
で装置内部に手を差込むことなく、簡単かつ安全に調整
できる。
さらに、イコライザープラテン11とイコライザーアー
ム31とは、偏心ピン27の2次元的移動を許容するように
印字面12の高さ方向に相対移動可能に連結されているの
で、従来構造に比較して印字面12の円弧運動によるバラ
ツキが生せず、均一なギャップGを確立することができ
鮮明印字を保障できる。
さらにまた、基準のギャップGから小さくする方向と
大きくする方向によって、調整レバー22の回転方向を変
え、かつ基準ギャップGにおいて偏心ピン27の位置を例
えば最高位とする中立位置にセットしておけば、上記円
弧誤差を一層小さくすることができる。
[発明の効果] 本発明は、以上の説明から明らかの通り、イコライザ
ープラテンをフレームに回転自在に装着された回動体と
一体の偏心ピンに回転可能に支持させる、とともにイコ
ライザープラテンとイコライザーアームとを印字面の高
さ方向に相対移動可能かつイコライザーアームの回動に
伴って該偏心ピンを中心に回動可能に連結し、回動体に
連結され当該回動体を回動操作可能な調整レバーと,こ
の調整レバーをフレームに緊締・弛緩して回動体を固定
・固定解除可能な固定手段とを備え、調整レバーと固定
手段とを用いて回動体の回転角度を調整する調整手段を
設けた構成であるから次のような効果を有する。
調整・固定時にヘッドギャップが変化しないので、調
整作業が容易かつ迅速に行え高精度設定できる。
イコライザープラテンは、2次元方向に偏位する偏心
ピンに回転支持されているので、円弧運動誤差が小さく
均一なギャップを確立できる。
回動体は調整レバーにより回動調整され、かつ調整レ
バーは内装機器外に配設できるから、容易かつ安全にギ
ャップ調整できる。
調整レバーは板部材から形成できるので、設置スペー
スが小さく、プリンタ全体の小型化、そのレイアウトの
自由性を拡大できる。
イコライザープラテンとイコライザーアームとは、回
動可能に連結(例えば、長溝とピン等による摺り子との
嵌合連結)されるので、構造簡単で動作が安定したもの
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す側面図、第2図は第1
図の矢視線II-II側から見た正面図、第3図は第1図の
矢視線III-III側から見た一部を省略した調整レバーの
底面図および第4図は従来の自動調整装置を示す側面図
である。 2……印字ヘッド、9……フレーム、11……イコライザ
ープラテン、12……印字面、15……長溝、21……調整手
段、22……調整レバー、23……円弧溝、25……固定ナッ
ト、26……回動体、27……偏心ピン、31……イコライザ
ーアーム、33……支軸、34……摺り子、35……ピンチロ
ーラ、36……スリップローラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリップローラに対するピンチローラを保
    持した回転可能かつ一方向に付勢されたイコライザーア
    ームと印字面を有する回転可能なイコライザープラテン
    とを同期的回動可能に連結し、用紙厚さに応じたイコラ
    イザーアームの回動に伴ってイコライザープラテンを回
    動させることにより印字面と印字ヘッドとのギャップを
    調整するヘッドギャップの自動調整装置において、 前記イコライザープラテンをフレームに回転自在に装着
    された回動体と一体の偏心ピンに回転可能に支持させ
    る、とともに前記イコライザープラテンとイコライザー
    アームとを前記印字面の高さ方向に相対移動可能かつイ
    コライザーアームの回動に伴って該偏心ピンを中心に回
    動可能に連結し、回動体に連結され当該回動体を回動操
    作可能な調整レバーと,この調整レバーをフレームに緊
    締・弛緩して回動体を固定・固定解除可能な固定手段と
    を備え、調整レバーと固定手段とを用いて回動体の回転
    角度を調整する調整手段を設けたことを特徴とするヘッ
    ドギャップの自動調整装置。
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