JPH04742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、椅子における背もたれの前後傾動角
度を調節するガスシリンダの操作装置の構造に関
するものである。

〔従来の技術〕

背もたれを備えた椅子において、背もたれの前
後傾動角度を、ガスシリンダを利用して、椅子に
座つた人の体型や執務姿勢等に応じて調節できる
ようにすることが行われている。

その一例として、先行技術としての実開昭60−
72646号公報には、脚柱の上端に固定した座受体
に、背もたれが取り付く傾動体を支軸にて枢着
し、前記座受体の下面の箇所に、前記傾動体を回
動することによつて背もたれの前後傾動角度を調
節するようにしたスシリンダを配設して、座受体
における下面のうち前記ガスシリンダにおけるプ
ツシユバルブの近傍の部位に、当該プツシユバル
ブを押圧するための押圧板を、その上端の箇所に
おいてピンにて枢着し、この押圧板を、座受体に
枢着した操作レバーにて回動操作することによ
り、ガスシリンダを、当該ガスシリンダに嵌挿し
たピストンロツドが摺動し得るロツク解除状態
と、ピストンロツドを摺動不能に保持したロック
状態とに切替えるようにした構成が開示されてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この先行技術のように、ガスシリンダ
のプツシユバルブに対する押圧板を、ピンにて座
受体の下面に枢着した構成では、座受体の下面に
押圧板を枢着するためのブラケツトを設けなけれ
ばならないと共に枢着用のピンを必要とするた
め、押圧体の取付け構造が複雑化するのであり、
このことに加えて、押圧体を座受体に枢着する作
業に手間を要するため、椅子の製造コストが嵩む
のであり、しかも、押圧体は座受体の下面に吊り
下げた状態であるため、押圧体の枢着が不完全で
あると押圧体が座受体から落下してしまい、背も
たれの傾動角度調節機能が不完全なる虞があると
言う問題があつた。

本考案は、この問題を解消することを目的とす
るものである。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、椅子におけ
る脚柱の上端に、底板を備えた座受体を取付け、
該座受体に、背もたれが取付く傾動体を平行状の
支軸にて回動自在に枢着し、前記座受体における
底板の上面に、前記背もたれの前後傾動に対する
ガスシリンダを配設し、該ガスシリンダの一端面
からプツシユバルブを突設する一方、前記座受体
における底板のうち前記ガスシリンダにおけるプ
ツシユバルブの近傍の部位に支持孔を穿設して、
該支持孔に前記ガスシリンダのプツシユバルブに
対する押圧板の下端を挿入係止することにて、前
記押圧板を、前記ガスシリンダのプツシユバルブ
から離れ勝手になるように傾動したロック姿勢
と、ガスシリンダのプツシユバルブを押圧するよ
うに傾動したロツク解除姿勢とに切替え自在に構
成し、更に、前記座受体に、前記押圧体をロック
姿勢からロツク解除姿勢に傾動させるようにした
回動式の操作レバーを設ける構成にした。

〔考案の作用及び効果〕

このように構成すると、ガスシリンダの押圧板
を座受体に取り付けるにおいては、座受体の底板
に支持孔を穿設するだけで良く、座受体の底板に
ブラケツトを設けたたり枢着用のピンを用意した
りするつようはないから、押圧板の取付け構造を
極めて簡単にすることができる、しかも、押圧板
は、その下端を座受体の底板に穿設した支持孔に
挿入するだけで、ガスシリンダのプツシユバルブ
から離反したロック姿勢とプツシユバルブを押圧
する押圧姿勢とに切替えできる状態に取り付ける
ことができるから、押圧板の取付けを、他の部材
や特別な工具を要することなく、ワンタツチ的に
行うことができる 従つて本考案によると、ガスシリンダのプツシ
ユバルブに対する押圧板の取付け構造をきわて簡
単にすることができると共に、前記押圧板の取付
けをワンタツチ的に行うことができるから、部材
の加工と押圧板の取付け作業とに要する手間を軽
減することができ、延いては、椅子の製造コスト
低減できると言う効果を有する。

また、押圧板は座受体の底板にて支持したもの
で、単に支持孔に挿入したに過ぎない状態でも座
受体から落下することはないから、押圧体の取付
けを容易にできるものでありながら、背もたれの
傾動角度の調整を損なうことがないと言う効果も
有する。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

図において符号１は、筒状の脚柱２を備えた椅
子を示し、該椅子１における脚柱２の中空部内
に、座板を上下高さ調節するための第１ガスシリ
ンダ６を内蔵する一方、前記脚柱２の上端に、断
面上向き開口コ字状に形成した底板３ａ付き座受
体３を固着し、該座受体３の上面にクツシヨン付
きの座板を固着し、更に、該座受体３における左
右両側板４ａ，４ｂの後部に、背もたれ８が取り
付いた側面視Ｌ字状の傾動体９の下端部を支軸５
にて前後傾動自在に枢着している。

前記第１ガスシリンダ６の上端にはプツシユバ
ルブ１４を突設しており、このプツシユバルブ１
４を、前記座受体３に装着した第１操作レバー１
５にて押圧することにより、座板の高さ調節を行
うようにしている。

すなわち、第１操作レバー１５の軸部１６を、
座受体３における一方の側板４ａに穿設した枢支
孔１７に挿入して、該軸部１６の先端１６ａを、
座受体３における他方の側板４ａに穿設した上下
長手のガイド溝１８に挿入しており、座受３の外
側に露出したつまみ部を持ち上げると、第１操作
レバー１５の軸部１４が下向きに回動して第１ガ
スシリンダ６プツシユバルブ１４が押圧され、第
１ガスシリンダ６のピストンロツドに対するロツ
クが解除されて、座板の高さ調節を行えるように
している。

符号１９は、前記第１操作レバー１５を座受体
３の側板４ｂから抜け不能に保持するためのスナ
ツプリングである。

符号７は、前記背もたれ９の前後傾動に対する
第２ガスシリンダを示し、該第２ガスシリンダ７
は、前記座受体３における底板３ａの上面に、椅
子の前後方向に沿つて延びる姿勢で配設されてお
り、該第２ガスシリンダ７の後端を、前記傾動体
９の下端部に支軸１０を装着する一方、第２ガス
シリンダ７に摺動自在に嵌挿したピストンロツド
１１を、座受体３における左右両側板４ａにピン
１３にて枢支したステー部材１２に係止して、前
記ピストンロツド１１の先端部から、当該ピスト
ンロツド１１を摺動自在な状態と摺動不能な状態
とに切替え操作するためのプツシユバルブ２０を
前向きに突設し、該プツシユバルブ２０の前方
に、当該プツシユバルブ２０に対する押圧板２１
を配設する。

前記押圧板２１は、プツシユバルブ２０に向け
て凹となるように側面視でく字状に形成されてお
り、その傾斜状上部２１ｃを細幅に形成して、該
傾斜状上部２１ｃの前面に第２操作レバー２３の
軸部２４を接当する一方、押圧板２１の下端部２
１ｂを幅狭に形成することにより、押圧体２１に
係止段部２１ａを形成し、前記下端部２１ｂを、
前記座受体３の底板３ａに穿設した平面視短形の
支持孔２２に上方から嵌挿することにより、押圧
体２１を、第２ガスシリンダ７のプツシユバルブ
２０から離反し勝手となるように傾動したロック
姿勢と、プツシユバルブ２０を押圧するように傾
動したロツク解除姿勢とに自在に切替えできるよ
うに構成する。

前記第２操作レバー２３の軸部２４は、座受体
３における一方の側板４ａに穿設した枢支孔２５
に挿入されており、この軸部２４の先端２４ａ
を、座受体３における他方の側板４ａに穿設した
上下長手のガイド孔２６に挿入しており、通常
は、自重にて撮み部２３ａが下降動した姿勢に保
持され、撮み部２３ａを手で持ち上げると、軸部
２４が下向き回動するように構成している。

符号２７は、第２操作レバー２３を座受体３の
枢支孔２５から抜け不能に保持するためのスナツ
プリングである。

以上の構成において、通常の状態では、第２操
作レバー２３の軸部２４は上向き回動した状態
で、押圧板２１は第２ガスシリンダ７のプツシユ
バルブ２０から離反したロック姿勢に保持される
ため、第２ガスシリンダ７のピストンロツド１１
は、第２ガスシリンダ７の内圧に抗して一定範囲
でのみ伸縮動し得るに過ぎない。

そして、第２操作レバー２３の撮み部２３ａを
持ち上げると、当該第２操作レバー２３の軸部２
４にて、押圧板２１における傾斜状上部２１ａが
下向きに押圧されるため、押圧板２１は、その下
端を中心にして第２ガスシリンダ７に接近するよ
うに強制的に傾動し、その結果、第２ガスシリン
ダ７のプツシユバルブ２０が押圧されて、ピスト
ンロツド１１に対するロツクが解除されるため、
第２ガスシリンダ７の内圧にてピストンロツド１
１を突出させたり、或いは、第２ガスシリンダ７
の内圧に抗してピストンロツド１１を後退させた
りして、傾動体９を前後回動することにより、背
もたれ８の前後傾動角度を調節できる。

第２操作レバー２３から手を離すと、押圧板２
１はロック姿勢に戻り、ピストンロツド１１は調
節後の状態に保持される（ピストンロツド１１は
調節された状態で、第２ガスシリンダ７の内圧に
抗して一定寸法だけ後退するため、背もたれ８の
後傾動を段性的にする）。

このように、第２ガスシリンダ７のプツシユバ
ルブ２０に対する押圧板２１は、その下端部２１
ｂを座受体３の底板３ａに穿設した支持孔２２に
挿入するだけの簡単な構成であるから、押圧板２
１の取付けを、他の部材や特別な工具を要するこ
となくワンタツチ的に行うことができると共に、
取り付けた後において押圧板２１が落下すること
を確実に防止して、背もたれ９の傾動角度調節機
能を確保できるのである。

上記の実施例は、背もたれのみを座受体に傾動
自在に取り付けた椅子に適用した場合であつた
が、本考案は、背もたれと座板とが連動して後傾
動するように構成した椅子にも適用できることは
言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部側
断面図で第２図の−視断面図、第２図は第４
図の−視で示す要部平面図、第３図は第１図
の−視断面図、第４図は椅子の側面図であ
る。 １……椅子、２……脚柱、３……座受体、３ａ
……底板、５……支軸、７……第２ガスシリン
ダ、８……背もたれ、９……傾動体、１１……ピ
ストンロツド、２０……プツシユバルブ、２１…
…押圧板、２１ａ……支持段部、２１ｃ……傾斜
状上部、２２……支持孔、２３……第２操作レバ
ー、２４……軸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 椅子における脚柱の上端に、底板を備えた座受
   体を取付け、該座受体に、背もたれが取付く傾動
   体を水平状の支軸にて回動自在に枢着し、前記座
   受体における底板の上面に、前記背もたれの前後
   傾動に対するガスシリンダを配設し、該ガスシリ
   ンダの一端面からプツシユバルブを突設する一
   方、前記座受体における底板のうち前記ガスシリ
   ンダにおけるプツシユバルブの近傍の部位に支持
   孔を穿設して、該支持孔に、前記ガスシリンダの
   プツシユバルブに対する押圧板の下端を挿入係止
   することにて、前記押圧板を、前記ガスシリンダ
   のプツシユバルブから離れ勝手になるように傾動
   したロック姿勢と、ガスシリンダのプツシユバル
   ブを押圧するように傾動したロツク解除姿勢とに
   切替え自在に構成し、更に、前記座受体に、前記
   押圧体をロック姿勢からロツク解除姿勢に傾動さ
   せるようにした回動式の操作レバーを設けたこと
   を特徴とする椅子のガスシリンダ操作装置。