JP2595247C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
(技術分野)
本発明はコピー用紙に関し、より詳しくは、電子写真分野の乾式PPC用紙及
び謄写印刷分野の印刷用紙の両方に使用可能なコピー用紙に関する。 (従来技術) まず、電子写真用紙の従来技術について述べる。電子写真用紙として、紙の緊
度を0.65〜0.72g/cm3として、定着部における乾燥時の収縮応力及
び高湿時の湿潤膨張応力を自己吸収させて定着シワを小さく提案がある(特開昭
55−47385号公報)。 しかしながら、緊度0.65〜0.72g/cm3の場合、ベック平滑度30
秒以下となり、また一部電子写真用紙では40秒台で製造されているが、いずれ も用紙の表面性が劣り、手触でザラザラであり紙としての風合いが悪いという問
題がある。 また、用紙の含水分を5.5〜7.0%として高湿時の湿潤膨張応力を小さく
する提案がある。ところが、含水分が5.5〜7.0%と高いと、高湿時の水分
吸収量は少なく、用紙内の水分ムラ(水分差)は小さく定着シワに関しては有利
であるものの、副作用として、 (1)低湿時に水分の脱湿によって、コピー前の用紙のカールが大きくなリジャ
ムが多い。 (2)熱定着時の脱湿が大きいため収縮によってコピー後カールが大きくなり走
行品質(ジャム、ストック性、耳オレ等)が劣るといった問題が生ずる。 また、填料(クレー、タルク、炭酸カルシウム等)を6〜12%(対パルプ重
量比)抄き込み、吸湿性(率)を抑え、更に填料によって繊維間結合を抑え紙に
空隙を与えて収縮及び膨張力を小さくする提案がある。しかし、填料の添加量が
8〜12%と多くなると、紙力(主に腰、こわさ、クラーク剛度)が低下し、走
行品質(ジャム、ストック性)が劣るという問題が生じる。 更に、フリーネス(パルプ叩解度)を大きくして、繊維の対湿度吸収速度を遅
く(鈍感に)させるとともに、繊維間に空隙を与えておき、高湿時の湿潤膨張応
力を自己吸収させ、定着シワ及びコピー後カールを小さくする提案がある。しか
し、フリーネスを大きくすると、平滑性、紙のシまりがなくなり嵩高な紙となり
、手触でザラザラしたる。 次に、謄写印刷用紙の従来技術について述べる。 現在大量に製造される紙の大部分は印刷されることを目的として作られている
というっても過言ではない。 印刷用紙は一般的に下記のように分類されている。 印刷用紙A:化学パルプ100%上質紙…書籍、教科書、ポスター用 印刷用紙B:化学パルプ70%中質紙…書籍用 印刷用紙C:化学パルプ70〜40%上更紙…雑誌、電話番号簿用 印刷用紙D:化学パルプ40%未満更紙…謄写印刷、下級印刷用紙 印刷用紙に要求される品質を一般的に「印刷適性」と称しており、大別すると 下記2種類に分けられる。 印刷物質…インキ濃度、解像力、印刷ムラ、光沢、裏抜け、インキ汚れ 印刷作業性…紙詰り(印刷胴版巻付き)、排紙不揃い、給紙不良(不送り、多 数枚送り) 上記の印刷用紙Aの場合、印刷物品質の中の解像力とか、印刷ムラ、光沢等を
改善するために用紙の表面性にウェイトをおいて製造しており、紙物質としては
、密度0.74g/cm3以上、透気度16秒以上、灰分8〜20%と比較的緻
密な紙が多い。これらの印刷用紙を謄写印刷機で使用すると、印刷インキの吸収
乾燥速度が遅いため、重ねておくと裏面が下の紙のインキで汚れる。 一方、孔版印刷用紙の場合、印刷インキの吸収乾燥速度を速くするために透気
度を下げ、また、平滑度も低くしており、紙物性としては、密度0.68g/c
m3以下、透気度15秒以下、ベック平滑度30秒以下と比較的粗い紙が多い。
しかし、これらの印刷用紙は、印刷品質そのものは良いが、紙としての風合いが
ザラザラで悪く、また、印刷中に紙粉が発生するという問題がある。 (目的) 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、電子写真用紙として、
ヒートロール方式の熱定着部を有する電子写真装置(乾式PPC複写機)に使用
したとき、(1)コピー後のカールが小さく、ジャム、耳オレ等が少なく、走行
品質を満し、ソーターへの収納枚数も多く、(2)複写機内で発生する定着ロー
ルシワ(ヒートロールシワ)が少ない用紙を提供することにある。 また、他の目的は、印刷用紙Aに属する白さの高い紙として謄写印刷機で使用
したとき、(1)印刷中に次々に重ねられても用紙の裏面が下の紙のインキで汚
れず(インキが紙の中にくいこんで乾燥状態となる)、(2)印刷中に胴版と用
紙との分離性が良く、胴版に巻き付いたり、又は、分離爪に接触してインキ汚れ
が発生しないか、又はインキ汚れが少なく、(3)孔版原紙のように紙の手触感
がザラザラすることなく、上質紙のような高級紙のイメージを与え、風合いが良
い、等の改善された用紙を提供することにある。 (構成) 本発明は上記の目的を達成するために、化学パルプ100%を使用した酸性紙 からなり、 坪量64〜70g/m2の範囲内において下記(イ)〜(ト)の特性
: (イ)厚さ 91〜97μm (ロ)密度 0.69〜0.73g/cm3 (ハ)ベック平滑度 (表)30〜55秒、(裏)30〜55秒 (ニ)透気度 15秒以下 (ホ)クラーク剛度(横) 25cm3/100以上 (ヘ)灰分 4〜8% (ト)水分 4.3〜5.5% を備え、 かつ電子写真分野の乾式PPC用紙及び謄写印刷分野の印刷用紙Aの両方に使
用できることを特徴とするコピー用紙を提供するものである。 ヒートロール方式を有する熱定着の乾式PPC複写機にあっては、感光体ドラ
ム上の画像を用紙に転写した後、画像面あるいは画像面と非画像面の両面にヒー
ターを内装する定着ロールを通過させて画像の定着を行う。このときコピー用紙
はヒーターの熱によって水分脱湿にともなうセルロース繊維の収縮が働く、この
ときコピー用紙の短手方向及び長手方向に水分差があると、収縮に差が生じ、不
均一な収縮が発生する。 そして収縮差が用紙内部で自己吸収できない限界に達したとき、そのストレス
が定着ロール通過中の用紙の1箇所に集中して通過方向と同軸(定着ロールに対
して直角)のシワが発生する。これから特に高湿環境下に於ける用紙1枚内の水
分差(水分ムラ)に着目し調べたところ、複写機定着部でシワの発生する用紙は
、含水分量、緊度、透気度等の物理特性の組み合わせによって決まることが分か
った。 そこで、本発明者は電子写真用紙として、(1)定着シワを防止するために水
分、緊度、透気度を調整すればよいこと、(2)コピー後カール、走行性を満足
させ、さらに紙としての風合いを保つためには、灰分、サイズ度、平滑度を具備
させればよいことに考え至った。 また、謄写印刷用紙として(1)印刷後の裏面のインキ汚れを防止するために
、 透気度、緊度、灰分を満足すればよいこと、(2)印刷中の胴版と用紙との分離
性が良く、また、分離爪との接触によるインキ汚れを発生させないためにクラー
ク剛度を高くすればよいこと、(3)紙としての風合いをよくするためには、平
滑度、緊度を高めにすればよいことが判明したものである。 次に本発明のコピー用紙が具備すべき要件について説明する。 本発明のコピー用紙の厚さは91〜97μmの範囲である。91μm未満では
紙としての質感がなくなり、97μmを超すると厚い紙という感じを与え、紙と
してのイメージが悪くなり、また、給紙トレー中での収納枚数が減少する。 密度(緊度)は0.69〜0.73g/cm3の範囲である。0.69g/c
m3未満では、紙の表面がザラザラになり風合いが悪くなり、0.73g/cm3
を超えると、紙が緻密となり手触りの風合いは良くなるものの、(A)電子写真
用では、水分の吸・脱湿による繊維の収縮、膨張変化を起こしたときの自己吸収
許容度が低く高湿時定着ロールシワが発生する。また、トナーの付着した部分は
コックリング(ヒブクレ)現象を起こし、用紙が小さな凹凸を起こすという問題
があり、(B)謄写印刷用紙では、還が緻密なため空隙率が低く、インキの吸収
乾燥性が低く、インキ裏汚れが発生またはひどくなると言う問題がある。密度を
0.69〜0.73g/cm3の範囲にするには、原料の叩解を粗くし、プレス
部の加圧を低くし、キャレンダーの加圧力を低くすればよい。 ベック平滑度は30〜55秒(表裏とも)の範囲である。30秒未満では紙に
手で触れたとき表面がザラザラした感じとなり風合いが悪くなり、55秒を超え
ると紙の表面の空隙力が低く、インキの吸収乾燥性が低く、インキ裏汚れが発生
又はひどくなる。 本発明のコピー用紙の透気度は15秒以下である。15秒を超えると謄写印刷
用紙として、インキの吸収乾燥性が低く、インキ裏汚れがひどくなる。 透気度を15秒以下にするには、原料を粗くし、プレス部の加圧を低くすれば
良い。 クラーク剛度(横)は25cm3/100以上である。25cm3/100未満
では「紙の腰」がないため謄写印刷において胴板との分離性が悪くなり、胴版に
巻付いたり、分離爪に接触したりする。 クラーク剛度(横)を25cm3/100以上とするには、坪量を60g/m2
以上とし、原料の叩解を粗くし、填料の添加量を少なめとすれば良い。 灰分は4〜8%(重量)である。4%未満では「紙の腰」は高くなるものの、
表面性が悪くなリコピー画像及び印刷画像の解像力が悪くなる。また、8%をこ
えると紙の表面の繊維間の空隙を填料が埋めるような形となるため紙の表面性(
平滑性)は良くなり、解像力、インキ濃度等の画像品質は良くなるが、繊維比率
が減少するので紙の腰(クラーク剛度)が低下して印刷中の胴版巻付きが発生し
やすい。 次に実施例及び比較例をあげて本発明を更に詳しく説明する。 実施例1、比較例1〜4 以下の製造方を用いた。 (A)叩解度500CSFのL−BKP 100% (B)内添薬品として、タルク8%(対パルプ重量比)、ロジンサイズ剤1%、
硫酸バンド5%、表面サイズ剤として酸化デンプン0.5g/m2、NaCl0
.25% そして、プレス加圧力を10〜40kg/m2と極力低めに設定し、キャレン
ダ自重通しで長剛抄紙を用いて抄紙速度400m/min坪量67g/m2の厚
紙を抄造した。 製品の前記特性(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)の
数値、並びに他の諸物理特性を表1に、そしてPPC複写機及び謄写印刷機で印
刷した場合の評価結果を表2に示す。 また、同一組成で諸物理特性の違った紙を比較例1、2、3として表1、表2
に示す。 (効果) 以上の説明で明らかなように、本発明のコピー用紙は、電子写真用紙として、
ヒートロール方式の熱定着部を有する電子写真装置(乾式PPC複写機)に使用
したとき、(1)コピー後のカールが小さく、ジャム、耳オレ等が少なく、走行
品質を満し、ソーターへの収納枚数も多く、(2)複写機内で発生する定着ロー
ルシワ(ヒートロールシワ)が少ないという優れた性質を示す。 また、印刷用紙Aに属する白さの高い紙として謄写印刷機で使用したとき、(
1)印刷中に次々に重ねられても用紙の裏面が下の紙のインキで汚れず(インキ
が紙の中にくいこんで乾燥状態となる)(2)印刷中に胴版と用紙との分離性が
良く、胴版に巻き付いたり、又は、分離爪に接触してインキ汚れが発生しないか
、又は、インキ汚れが少なく、(3)孔版原紙のように紙の手触感がザラザラす
ることなく、上質紙のような高級紙のイメージを与え、風合いが良いという優れ
た性質を示す。
び謄写印刷分野の印刷用紙の両方に使用可能なコピー用紙に関する。 (従来技術) まず、電子写真用紙の従来技術について述べる。電子写真用紙として、紙の緊
度を0.65〜0.72g/cm3として、定着部における乾燥時の収縮応力及
び高湿時の湿潤膨張応力を自己吸収させて定着シワを小さく提案がある(特開昭
55−47385号公報)。 しかしながら、緊度0.65〜0.72g/cm3の場合、ベック平滑度30
秒以下となり、また一部電子写真用紙では40秒台で製造されているが、いずれ も用紙の表面性が劣り、手触でザラザラであり紙としての風合いが悪いという問
題がある。 また、用紙の含水分を5.5〜7.0%として高湿時の湿潤膨張応力を小さく
する提案がある。ところが、含水分が5.5〜7.0%と高いと、高湿時の水分
吸収量は少なく、用紙内の水分ムラ(水分差)は小さく定着シワに関しては有利
であるものの、副作用として、 (1)低湿時に水分の脱湿によって、コピー前の用紙のカールが大きくなリジャ
ムが多い。 (2)熱定着時の脱湿が大きいため収縮によってコピー後カールが大きくなり走
行品質(ジャム、ストック性、耳オレ等)が劣るといった問題が生ずる。 また、填料(クレー、タルク、炭酸カルシウム等)を6〜12%(対パルプ重
量比)抄き込み、吸湿性(率)を抑え、更に填料によって繊維間結合を抑え紙に
空隙を与えて収縮及び膨張力を小さくする提案がある。しかし、填料の添加量が
8〜12%と多くなると、紙力(主に腰、こわさ、クラーク剛度)が低下し、走
行品質(ジャム、ストック性)が劣るという問題が生じる。 更に、フリーネス(パルプ叩解度)を大きくして、繊維の対湿度吸収速度を遅
く(鈍感に)させるとともに、繊維間に空隙を与えておき、高湿時の湿潤膨張応
力を自己吸収させ、定着シワ及びコピー後カールを小さくする提案がある。しか
し、フリーネスを大きくすると、平滑性、紙のシまりがなくなり嵩高な紙となり
、手触でザラザラしたる。 次に、謄写印刷用紙の従来技術について述べる。 現在大量に製造される紙の大部分は印刷されることを目的として作られている
というっても過言ではない。 印刷用紙は一般的に下記のように分類されている。 印刷用紙A:化学パルプ100%上質紙…書籍、教科書、ポスター用 印刷用紙B:化学パルプ70%中質紙…書籍用 印刷用紙C:化学パルプ70〜40%上更紙…雑誌、電話番号簿用 印刷用紙D:化学パルプ40%未満更紙…謄写印刷、下級印刷用紙 印刷用紙に要求される品質を一般的に「印刷適性」と称しており、大別すると 下記2種類に分けられる。 印刷物質…インキ濃度、解像力、印刷ムラ、光沢、裏抜け、インキ汚れ 印刷作業性…紙詰り(印刷胴版巻付き)、排紙不揃い、給紙不良(不送り、多 数枚送り) 上記の印刷用紙Aの場合、印刷物品質の中の解像力とか、印刷ムラ、光沢等を
改善するために用紙の表面性にウェイトをおいて製造しており、紙物質としては
、密度0.74g/cm3以上、透気度16秒以上、灰分8〜20%と比較的緻
密な紙が多い。これらの印刷用紙を謄写印刷機で使用すると、印刷インキの吸収
乾燥速度が遅いため、重ねておくと裏面が下の紙のインキで汚れる。 一方、孔版印刷用紙の場合、印刷インキの吸収乾燥速度を速くするために透気
度を下げ、また、平滑度も低くしており、紙物性としては、密度0.68g/c
m3以下、透気度15秒以下、ベック平滑度30秒以下と比較的粗い紙が多い。
しかし、これらの印刷用紙は、印刷品質そのものは良いが、紙としての風合いが
ザラザラで悪く、また、印刷中に紙粉が発生するという問題がある。 (目的) 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、電子写真用紙として、
ヒートロール方式の熱定着部を有する電子写真装置(乾式PPC複写機)に使用
したとき、(1)コピー後のカールが小さく、ジャム、耳オレ等が少なく、走行
品質を満し、ソーターへの収納枚数も多く、(2)複写機内で発生する定着ロー
ルシワ(ヒートロールシワ)が少ない用紙を提供することにある。 また、他の目的は、印刷用紙Aに属する白さの高い紙として謄写印刷機で使用
したとき、(1)印刷中に次々に重ねられても用紙の裏面が下の紙のインキで汚
れず(インキが紙の中にくいこんで乾燥状態となる)、(2)印刷中に胴版と用
紙との分離性が良く、胴版に巻き付いたり、又は、分離爪に接触してインキ汚れ
が発生しないか、又はインキ汚れが少なく、(3)孔版原紙のように紙の手触感
がザラザラすることなく、上質紙のような高級紙のイメージを与え、風合いが良
い、等の改善された用紙を提供することにある。 (構成) 本発明は上記の目的を達成するために、化学パルプ100%を使用した酸性紙 からなり、 坪量64〜70g/m2の範囲内において下記(イ)〜(ト)の特性
: (イ)厚さ 91〜97μm (ロ)密度 0.69〜0.73g/cm3 (ハ)ベック平滑度 (表)30〜55秒、(裏)30〜55秒 (ニ)透気度 15秒以下 (ホ)クラーク剛度(横) 25cm3/100以上 (ヘ)灰分 4〜8% (ト)水分 4.3〜5.5% を備え、 かつ電子写真分野の乾式PPC用紙及び謄写印刷分野の印刷用紙Aの両方に使
用できることを特徴とするコピー用紙を提供するものである。 ヒートロール方式を有する熱定着の乾式PPC複写機にあっては、感光体ドラ
ム上の画像を用紙に転写した後、画像面あるいは画像面と非画像面の両面にヒー
ターを内装する定着ロールを通過させて画像の定着を行う。このときコピー用紙
はヒーターの熱によって水分脱湿にともなうセルロース繊維の収縮が働く、この
ときコピー用紙の短手方向及び長手方向に水分差があると、収縮に差が生じ、不
均一な収縮が発生する。 そして収縮差が用紙内部で自己吸収できない限界に達したとき、そのストレス
が定着ロール通過中の用紙の1箇所に集中して通過方向と同軸(定着ロールに対
して直角)のシワが発生する。これから特に高湿環境下に於ける用紙1枚内の水
分差(水分ムラ)に着目し調べたところ、複写機定着部でシワの発生する用紙は
、含水分量、緊度、透気度等の物理特性の組み合わせによって決まることが分か
った。 そこで、本発明者は電子写真用紙として、(1)定着シワを防止するために水
分、緊度、透気度を調整すればよいこと、(2)コピー後カール、走行性を満足
させ、さらに紙としての風合いを保つためには、灰分、サイズ度、平滑度を具備
させればよいことに考え至った。 また、謄写印刷用紙として(1)印刷後の裏面のインキ汚れを防止するために
、 透気度、緊度、灰分を満足すればよいこと、(2)印刷中の胴版と用紙との分離
性が良く、また、分離爪との接触によるインキ汚れを発生させないためにクラー
ク剛度を高くすればよいこと、(3)紙としての風合いをよくするためには、平
滑度、緊度を高めにすればよいことが判明したものである。 次に本発明のコピー用紙が具備すべき要件について説明する。 本発明のコピー用紙の厚さは91〜97μmの範囲である。91μm未満では
紙としての質感がなくなり、97μmを超すると厚い紙という感じを与え、紙と
してのイメージが悪くなり、また、給紙トレー中での収納枚数が減少する。 密度(緊度)は0.69〜0.73g/cm3の範囲である。0.69g/c
m3未満では、紙の表面がザラザラになり風合いが悪くなり、0.73g/cm3
を超えると、紙が緻密となり手触りの風合いは良くなるものの、(A)電子写真
用では、水分の吸・脱湿による繊維の収縮、膨張変化を起こしたときの自己吸収
許容度が低く高湿時定着ロールシワが発生する。また、トナーの付着した部分は
コックリング(ヒブクレ)現象を起こし、用紙が小さな凹凸を起こすという問題
があり、(B)謄写印刷用紙では、還が緻密なため空隙率が低く、インキの吸収
乾燥性が低く、インキ裏汚れが発生またはひどくなると言う問題がある。密度を
0.69〜0.73g/cm3の範囲にするには、原料の叩解を粗くし、プレス
部の加圧を低くし、キャレンダーの加圧力を低くすればよい。 ベック平滑度は30〜55秒(表裏とも)の範囲である。30秒未満では紙に
手で触れたとき表面がザラザラした感じとなり風合いが悪くなり、55秒を超え
ると紙の表面の空隙力が低く、インキの吸収乾燥性が低く、インキ裏汚れが発生
又はひどくなる。 本発明のコピー用紙の透気度は15秒以下である。15秒を超えると謄写印刷
用紙として、インキの吸収乾燥性が低く、インキ裏汚れがひどくなる。 透気度を15秒以下にするには、原料を粗くし、プレス部の加圧を低くすれば
良い。 クラーク剛度(横)は25cm3/100以上である。25cm3/100未満
では「紙の腰」がないため謄写印刷において胴板との分離性が悪くなり、胴版に
巻付いたり、分離爪に接触したりする。 クラーク剛度(横)を25cm3/100以上とするには、坪量を60g/m2
以上とし、原料の叩解を粗くし、填料の添加量を少なめとすれば良い。 灰分は4〜8%(重量)である。4%未満では「紙の腰」は高くなるものの、
表面性が悪くなリコピー画像及び印刷画像の解像力が悪くなる。また、8%をこ
えると紙の表面の繊維間の空隙を填料が埋めるような形となるため紙の表面性(
平滑性)は良くなり、解像力、インキ濃度等の画像品質は良くなるが、繊維比率
が減少するので紙の腰(クラーク剛度)が低下して印刷中の胴版巻付きが発生し
やすい。 次に実施例及び比較例をあげて本発明を更に詳しく説明する。 実施例1、比較例1〜4 以下の製造方を用いた。 (A)叩解度500CSFのL−BKP 100% (B)内添薬品として、タルク8%(対パルプ重量比)、ロジンサイズ剤1%、
硫酸バンド5%、表面サイズ剤として酸化デンプン0.5g/m2、NaCl0
.25% そして、プレス加圧力を10〜40kg/m2と極力低めに設定し、キャレン
ダ自重通しで長剛抄紙を用いて抄紙速度400m/min坪量67g/m2の厚
紙を抄造した。 製品の前記特性(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)の
数値、並びに他の諸物理特性を表1に、そしてPPC複写機及び謄写印刷機で印
刷した場合の評価結果を表2に示す。 また、同一組成で諸物理特性の違った紙を比較例1、2、3として表1、表2
に示す。 (効果) 以上の説明で明らかなように、本発明のコピー用紙は、電子写真用紙として、
ヒートロール方式の熱定着部を有する電子写真装置(乾式PPC複写機)に使用
したとき、(1)コピー後のカールが小さく、ジャム、耳オレ等が少なく、走行
品質を満し、ソーターへの収納枚数も多く、(2)複写機内で発生する定着ロー
ルシワ(ヒートロールシワ)が少ないという優れた性質を示す。 また、印刷用紙Aに属する白さの高い紙として謄写印刷機で使用したとき、(
1)印刷中に次々に重ねられても用紙の裏面が下の紙のインキで汚れず(インキ
が紙の中にくいこんで乾燥状態となる)(2)印刷中に胴版と用紙との分離性が
良く、胴版に巻き付いたり、又は、分離爪に接触してインキ汚れが発生しないか
、又は、インキ汚れが少なく、(3)孔版原紙のように紙の手触感がザラザラす
ることなく、上質紙のような高級紙のイメージを与え、風合いが良いという優れ
た性質を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 化学パルプ100%を使用した酸性紙からなり、坪量64〜70g/m2の範
囲内において下記(イ)〜(ト)の特性: (イ)厚さ 91〜97μm (ロ)密度 0.69〜0.73g/cm3 (ハ)ベック平滑度 (表)30〜55秒、(裏)30〜55秒 (ニ)透気度 15秒以下 (ホ)クラーク剛度(横) 25cm3/100以上 (ヘ)灰分 4〜8% (ト)水分 4.3〜5.5% を備え、 かつ電子写真分野の乾式PPC用紙及び謄写印刷分野の印刷用紙Aの両方に使
用できることを特徴とするコピー用紙。
Family
ID=
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