JP3763228B2 - 電子写真用転写用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱定着ロールを備えた電子写真方式の複写機、プリンター等に適した電子写真用転写用紙、その製造方法及び画像形成方法に関し、特に直径が35mm以下の小径の熱定着ロールを用いる画像形成方法に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真方式の複写機、プリンターなどで熱定着した後に用紙がカールし、特に両面コピー時の紙詰まりや、ミスステッチ等の後処理装置収容性不良等の問題が発生することがあり、これを改善するべく様々な検討がなされてきた。
【0003】
例えば、用紙に内在する歪みや応力に着目して、特開平5−341554号公報では転写用紙の緊張乾燥度を制御する方法が提案され、特開平3−243953号公報では転写用紙の残留曲率を制御する方法が提案されている。また、転写用紙の表裏の紙層の特性の差に着目し、特開平7−209897号公報、特開平7−295280号公報では転写用紙の灰分差を、特開平3−236062号公報では伸縮率差を、特開平6−138688号公報では繊維配向比差を、特開昭58−176641号公報では紙密度差を、特開平6−110243号公報ではろ水度差を制御する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、最近の複写機やプリンターは、小型化、自動両面コピー、自動製本等といった多機能化に伴って、装置の機構やペーパーパスが複雑化し、また熱定着ロールの小径化も進んでいる。このような複写機やプリンターに従来の転写用紙を高湿条件下で使用すると、熱定着後のカールが大きくなり、ミスステッチ等の後処理装置収容性不良が発生したり、用紙端部がマシン内の部材と接触して角折れや紙詰まり等が発生し易いことが明らかになって来た。しかし、この問題は従来の技術で解決することは困難であり、有効な解決手段が未だ知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解消し、小型化、多機能化する複写機やプリンターで使用した場合においても、両面コピー、プリント時に紙詰まりがなく、後処理装置収容性に優れた電子写真用転写用紙を提供しようとするものである。特に熱定着ロールの直径が35mm以下の小型の複写機、プリンターに高湿条件下で適用するときの、電子写真用転写用紙の走行信頼性、後処理装置収容性を改善しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の構成を採用することにより上記の課題の解決に成功した。
(1) 熱定着ロールで定着する画像形成方法に用いる電子写真転写用紙において、前記用紙を表裏に分離して2つの紙層を形成し、少なくとも一方の紙層に対して紙層の坪量の半分の張力をかけながら測定したCD方向の内部応力解放伸びが−0.20〜0.26%の範囲にあることを特徴とする電子写真用転写用紙。また、前記2つの紙層の両方の紙層の前記CD方向の内部応力解放伸びが−0.20〜0.26%の範囲にあることが好ましい。
【0007】
(2) 熱定着ロールで定着する画像形成方法に用いる電子写真転写用紙の製造方法において、転写用紙を拘束しながら乾燥することにより、熱定着ロールに接する面側の前記紙層のCD方向の内部応力解放伸びを前記の範囲に調整することを特徴とする前記(1) 記載の電子写真用転写用紙の製造方法。
(3) 直径35mm以下の熱定着ロールでトナー像を定着する画像形成方法において、前記(1) 記載の電子写真用転写用紙を用いることを特徴とする画像形成方法。
なお、本発明において「CD方向」とは紙製造時の抄紙機の進行方向に対し直角方向を意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、両面コピー、プリント時の紙詰まりの問題、後処理装置の収容性不良の問題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、図1に示す様なトラブルの発生と熱定着後の用紙端部反りとの関係、即ち熱定着面反りが大きくなっても、反熱定着面反りが大きくなっても上記のトラブルが発生し易くなることが分かった。ここで熱定着後用紙端部反りとは、熱定着直後の用紙を10枚重ねて平面に置いたときの用紙端部の平面からの高さhをノギスなどで測定した(図4参照)。
【0009】
そして、この反りを改善するために、従来より公知のカール解決手段を試みたが、適当な解決手段を見出すことは出来なかった。更なる検討のため、複写機、プリンターの熱定着部の機構を調査したところ、紙詰まりなどのトラブルが発生するのは熱定着部ロールの直径が従来よりも小さい35mm以下の機構を有する場合であることを確認した。この小径の熱定着部ロールを用いるときには、従来と同等のトナー定着性を維持するために、定着温度を高くしたり、定着部ロール間の圧力を高くしたり、定着部ロール間のニップ幅を広くしているため、用紙の負荷が極めて高くなっていた。
【0010】
そこで、本発明者らは、直径が35mm以下の小径熱定着ロールを用いた複写機、プリンター等で用紙面上のトナー像を熱定着するときには、用紙の片面から極めて高い熱負荷が加えられるため、熱が加えられる面側の紙層において用紙製造時に残留した応力が解放され、大きな熱定着後用紙端部反りが発生することを見出した。そこで、図2に示すように熱定着後の用紙端部反りの改善をするために、表裏2層に分割した各々の紙層におけるCD方向の内部応力解放伸びについて検討したところ、熱定着ロールに接する紙層のCD方向の内部応力解放伸びを−0.30〜0.30%の範囲、好ましくは−0.20〜0.26%の範囲、さらに好ましくは−0.20〜0.20%の範囲にすることにより、熱定着後用紙端部反りを所定な範囲内に制御することができ、後処理装置収容性が極めて良好にできることを見出した。
【0011】
熱定着ロールに接する面側の紙層におけるCD方向の内部応力解放伸びは、プレス時でのマシン方向の張力及びドライヤー乾燥時でのマシン方向の張力制御、フリー乾燥部の少ないドライヤーの使用、叩解の緩和等により制御可能である。特に、プレス加圧後の紙のCD方向に適切な拘束力を与えながら、ドライヤーで乾燥すると、ドライヤー乾燥中に紙のCD方向の収縮が抑制されるため、乾燥後の内部応力解放伸びが、ドライヤー乾燥中に紙のCD方向に拘束力を与えない自由乾燥と比較して、大幅に小さくすることが可能となる。
【0012】
本発明では、転写用紙からCD方向に対して幅50mm、長さ100mmの試料を採取し、紙の表裏をシートスプリッター(M/K システム社製)を使用して表裏分離し、その表裏の紙層各々(FS面,WS面)を等比交換式伸縮計(王子工営製)にセットし、紙層の坪量の半分の張力をかけながら、温度20℃の環境の下で図3に示す様に65%R.H.→25%R.H.→65%R.H.→90%R.H.→65%R.H.の吸脱湿処理を5回繰り返した後(5サイクル吸脱湿処理)、最終脱湿時の65%R.H.での寸法変化率aを測定し、その寸法変化率aを「CD方向の用紙の内部応力解放伸び」とした。その際に、伸びをプラスで、縮みをマイナスで表している。
【0013】
ドライヤー乾燥中に紙のCD方向に拘束力を与える方法は、バキュームによる拘束(特開昭61−266693号公報、同58−70794号公報、同56−501732号公報)、エアーブローによる拘束(特開昭64−501461号公報、同62−62998号公報)、フェルト及びロール等による紙の片面拘束(特公昭60−29800号公報、同60−35477号公報、同52−11786号公報、同52−11784号公報、及び、特開昭61−258094号公報)、フェルト及びカンバス等による紙の両面拘束(特開昭49−50206号公報、同51−357038号公報)等の様々な方法を採用することが出来る。
【0014】
本発明において使用するパルプは、バージンのケミカルパルプ(CP:広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の木材、及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたパルプ)や、バージンの機械パルプ(MP:グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ等の木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作製されたパルプ)を含有させてもよい。製本、印刷工場、裁断所等において発生する栽落、損紙、幅落としした古紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平版、凸版、凹版印刷等、及び、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録方式、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、及び、水性、油性インクや、鉛筆等で筆記した古紙、新聞古紙を解離後脱墨したパルプ(以下、DIPと略記する)等も使用できる。
【0015】
本発明の転写用紙に使用する填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム類、カオリン、焼成クレー、セリサイト、タルク等のケイ酸塩類などの無機填料や尿素樹脂等の有機顔料が使用できる。電子写真方式における画質維持性の観点から炭酸カルシウム類を配合することが好ましく、灰分(紙及び板紙の灰分試験方法:JIS−P−8128)を20%以下に調整することが好ましい。
【0016】
本発明において使用する内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、また、硫酸バンド、カチオン化澱粉等の定着剤と、適当なサイズ剤と繊維とを組み合せて使用することもできる。電子写真方式の複写機、プリンター等における走行性及びコピー後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸)を使用することが望ましい。
【0017】
また、定着画像の乱れを防止し、適当なコピー画像濃度を維持するために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、スチレン−マレイン酸コポリマー、第4級アンモニウム塩等の導電剤を抄紙機のサイズプレスで表面塗布して、転写用紙の表面電気抵抗率(熱硬化性プラスチック一般試験方法:JIS−K−6911(14))を109 〜1011Ω(温度20℃、湿度65%R.H.)に調整することが望ましい。
【0018】
さらに、コピー画像部の鮮鋭度を向上させるために、キャレンダー処理等により、用紙表面の凹凸を少なくして転写用紙の平滑度(紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法:JIS−P−8119)を10秒以上、好ましくは20秒以上にするのが適当である。
【0019】
開封直後の転写用紙の水分は、用紙の波打ちや、熱定着後の用紙端部反りの発生を抑えるために、前記水分を4.0〜6.5%となるように、抄紙機のドライヤーや、キャレンダー工程、断裁工程等で調整する。保管時に吸脱湿が進行しないように、ポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙や、ポリプロピレンフィルム等で包装することが望ましい。
【0020】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
参考例
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)100%を使用し、450mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)まで叩解した。内添サイズはアルケニル無水コハク酸(ASA)(ファイブラン81、ナショナル・スターチ・ケミカル社製)0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いて長網抄紙機で抄速400m/分で抄紙し、片面より脱水して紙層を形成した。さらに、間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥工程でCD方向に拘束力を与えながら乾燥して、坪量80g/m、厚さ105μm、密度0.76g/cm参考例の転写用紙を得た。
【0021】
この転写用紙をCD方向に対して幅50mm、長さ100mmで裁断し、紙の表裏をシートスプリッター(M/K システム社製)で表裏に分離して、表裏の紙層サンプル(FS側紙層、WS側紙層)を得た。このサンプルを等比交換式伸縮計(王子工営製)にセットして紙層の坪量の半分の張力をかけ、20℃の環境の下で前記の5サイクル吸脱湿処理を施した後、最終脱湿時の65%R.H.におけるCD方向の内部応力解放伸びを測定した。FS側紙層の伸びは−0.28%、WS側紙層の伸びは−0.29%であった。
【0022】
前記転写用紙について高湿条件下のコピー適性を調べた。まず、この転写用紙を20℃、65%R.H.の環境下で完全に水分が平衡するまで調湿し、複写機(富士ゼロックス社製、Able3321)で転写用紙のFS側面及びWS側面にそれぞれ片面コピーを行い、熱定着後の用紙端部反りを測定して後処理装置収容性を調べた。結果は表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを前記のように調整したことにより、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が良好であることが分かった。
【0023】
(実施例
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)70%、新聞DIP30%を使用し、450mlC.S.F.まで叩解した。内添サイズとしてアルキルケテンダイマー(AKD)(サイズパインK−903、荒川化学社製)0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いてツインワイヤー抄紙機で抄速450ml/分で抄紙し、両面より脱水した後、プレス時のマシン方向の張力を参考例に比べ弱めに制御して紙層を形成した。さらに、間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥工程でCD方向に拘束力を与えながら乾燥し、坪量45g/m、厚さ66μm、密度0.68g/cmの実施例の転写用紙を得た。
【0024】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.20%、WS側紙層の伸びは−0.19%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを前記のように調整したことにより、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が良好であることが分かった。
【0025】
(実施例
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)100%を使用し、550mlC.S.F.まで叩解した。内添サイズとして中性ロジンサイズ(KS767、荒川化学社製)0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いてツインワイヤー抄紙機で抄速600m/分で抄紙し、両面脱水してプレスした後、マシン方向の張力を参考例に比べ弱めに制御して紙層を形成した。さらに、間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工、乾燥し、坪量65g/m、厚さ95μm、密度0.68g/cmの実施例の転写用紙を得た。
【0026】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.01%、WS側紙層の伸びは−0.02%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを前記のように調整したことにより、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が良好であることが分かった。
【0027】
(実施例
パルプ材料として、叩解度450mlC.S.F.の上質古紙DIP100%を使用した。内添サイズは参考例で使用したASA0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いてツインワイヤー抄紙機で抄速750m/分で抄紙し、両面脱水してプレスした後、マシン方向の張力を参考例に比べ強めに制御して紙層を形成した。さらに、間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/なるように塗工し、乾燥工程でCD方向に拘束力を付与しながら乾燥し、坪量45g/m、厚さ66μm、密度0.68g/cmの実施例の転写用紙を得た。
【0028】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.15%、WS側紙層の伸びは−0.17%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを前記のように調整したことにより、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が良好であることが分かった。
【0029】
(実施例
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)100%を使用し、350mlC.S.F.まで叩解した。内添サイズは、実施例で使用したAKD0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いて長網抄紙機で抄速800m/分で抄紙し、片面より脱水してプレスした後、マシン方向の張力を参考例に比べ弱めに制御して紙層を形成した。さらに、間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥工程でCD方向に拘束力を付与しながら乾燥し、坪量82g/m、厚さ108μm、密度0.76g/cmの実施例の転写用紙を得た。
【0030】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.25%、WS側紙層の伸びは−0.30%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを前記のように調整したことにより、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が良好であることが分かった。
【0031】
【表1】
Figure 0003763228
【0032】
(比較例1)
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)100%を使用し、350mlC.S.F.まで叩解した。内添サイズは、参考例で使用したASA0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いて長網抄紙機で抄速400m/分で抄紙し、片面より脱水して紙層を形成した。さらに間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥して坪量78g/m、厚さ102μm、密度0.76g/cmの比較例1の転写用紙を得た。
【0033】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.33%、WS側紙層の伸びは−0.36%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを本発明の範囲より大きく調整したため、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが大きく、後処理装置収容性については、FS側に片面コピーを行った時にはトラブルがときどき発生し、またWS側に片面コピーを行った時にはトラブルがほぼ必ず発生した。
【0034】
(比較例2)
パルプ材料として、バージンCP(広葉樹晒クラフトパルプ)70%、新聞DIP30%を使用し、450mlC.S.F.まで叩解した。内添サイズは、実施例で使用したAKD0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いてツインワイヤー抄紙機で抄速450m/分で抄紙し、両面脱水してプレスした後、マシン方向の張力を参考例に比べ強めに制御して紙層を形成した。さらに間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥して坪量45g/m、厚さ66μm、密度0.68g/cmの比較例2の転写用紙を得た。
【0035】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.33%、WS側紙層の伸びは−0.35%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを本発明の範囲より大きく調整したため、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが大きく、後処理装置収容性については、FS側に片面コピーを行った時にはトラブルがときどき発生し、またWS側に片面コピーを行った時にはトラブルがほぼ必ず発生した。
【0036】
(比較例3)
パルプ材料として、比較例1と同様に叩解したパルプ材を使用した。内添サイズは、実施例で使用した中性ロジンサイズ0.1%(対パルプ重量)を配合し、この紙料を用いてツインワイヤー抄紙機で抄速600m/分で抄紙し、両面脱水してプレスした後、マシン方向の張力を参考例に比べ強めに制御して紙層を形成した。さらに間接電子写真適性を付与するために、サイズプレス処理で、澱粉1g/m、塩化ナトリウム0.2g/mとなるように塗工し、乾燥して坪量64g/m、厚さ95μm、密度0.67g/cmの比較例3の転写用紙を得た。
【0037】
この転写用紙から参考例と同様にFS側紙層及びWS側紙層を得て、それぞれのCD方向の内部応力解放伸びを測定したところ、FS側紙層の伸びは−0.45%、WS側紙層の伸びは−0.46%であった。
この転写用紙を参考例と同様の方法でコピー適性を調べ、結果を表1に示した。表1から明らかなように、紙層の内部応力解放伸びを本発明の範囲より大きく調整したため、高湿調湿後の走行においても熱定着後用紙端部反りが大きく、後処理装置収容性については、FS側に片面コピーを行った時も、WS側に片面コピーを行った時にもトラブルはほぼ必ず発生した。
【0038】
【表2】
Figure 0003763228
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、従来の転写用紙より熱定着後用紙端部反りが小さく、後処理装置収容性が優れ、かつプリンター適性を有する電子写真用転写用紙の提供を可能とし、特に高湿条件下で熱定着ロールの直径が35mm以下の複写機、プリンターで両面コピー、プリントを行ったときに、紙詰まりや後処理装置収容性不良等の問題を解消し、安定した作業性及び優れた後処理装置収容性を達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱定着後の用紙端部反りの大きさと、複写機及びプリンターにおけるトラブル(紙詰まり/後処理装置収納不良等)の発生の程度を示したグラフである。
【図2】熱定着ロールに接する側紙層のCD方向の内部応力解放伸びと、熱定着後の用紙端部反りとの関係を示したグラフである。
【図3】内部応力解放伸びを測定するときの吸脱湿処理サイクルの説明図であり、aは用紙製造時に残留するCD方向の内部応力解放伸び(寸法変化率)を示す。
【図4】熱定着後の用紙端部反りの測定についての説明図であり、hは熱定着後の用紙Aの端部反り高さを示す。

Claims (2)

  1. 熱定着ロールで定着する画像形成方法に用いる電子写真転写用紙において、前記用紙を表裏に分離して2つの紙層を形成し、少なくとも一方の紙層に対して紙層の坪量の半分の張力をかけながら測定したCD方向の内部応力解放伸びが−0.20〜0.26%の範囲にあることを特徴とする電子写真用転写用紙。
  2. 前記2つの紙層の両方の紙層の前記CD方向の内部応力解放伸びが−0.20〜0.26%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写用紙。
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