JP2595124B2 - オキシカルボン酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

オキシカルボン酸カルシウムの製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生活廃棄物、産業廃棄物として多量に排出
されるホタテ貝殻を原料として栄養補強剤、清涼飲料の
成分として有用なオキシカルボン酸カルシウムを製造す
る方法に関するものである。
従来の技術 乳酸カルシウム、リンゴ酸カルシウムなどのオキシカ
ルボン酸カルシウムは、カルシウム不足を補うための栄
養剤、栄養ドリンクの成分、食品添加剤などとして多量
に消費されている。これらのオキシカルボン酸カルシウ
ムの製造におけるカルシウム原料として、これまで石灰
石、生石灰、消石灰のような鉱石源のものが主流となっ
ていた。
ところで、青森県をはじめとする東北、北海道地方に
おいては、近年ホタテ貝の養殖が盛んになり、生産量の
増大に伴って排出される貝殻の量は毎年35,000トン以上
にも達している。これらの貝殻は、業者に依頼して海洋
投棄されているが、その処理費用がぼう大である上に、
最近環境汚染に基づく公害防止の観点から、海洋投棄が
制限される傾向にあり、貝殻の処理について関係者は非
常に苦慮しているのが実情である。
これまで、貝殻の処理、利用としては、炭酸カルシウ
ムとして飼料の添加剤、土壌改良剤に用いること、生石
灰、消石灰の増量剤として用いること、耐火軽量建材の
原料として用いること、陶磁器釉薬の原料として用いる
こと、強酸性水の中和剤に用いること、魚礁として利用
することなどが提案されているが、いずれもコスト的に
採算がとれず実用化するのが困難であった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、ホタテ貝殻が多量のカルシウムを含有して
いる点に着目し、これまで利用されないまま廃棄されて
いたホタテ貝殻から、付加価値の高いオキシカルボン酸
カルシウムを製造することを目的としてなされたもので
ある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、廃棄されたホタテ貝殻を用いて食品
用、医薬品用として十分に使用可能な純度を有するオキ
シカルボン酸カルシウムを製造する方法を開発するため
に鋭意研究を重ねた結果、ホタテ貝殻を先ず希塩酸中に
浸せきするとその表面において塩酸と貝殻中の成分であ
る炭酸カルシウムが反応して多量の二酸化炭素の気泡を
発生し、表面に付着している異物及び汚れをほぼ完全に
脱離しうること、及びこれを焼成したものに特定のオキ
シカル酸の水溶液を加えて加熱反応させ、その反応混合
物中から晶出させると高純度のオキシカルボン酸カルシ
ウムの結晶が得られることを見出し、この知見に基づい
て本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、ホタテ貝殻を希塩酸中で表面付
着物が脱離するまで浸せき処理したのち、焼成処理し、
得られた焼成物をそのままあるいは粉砕後、これを乳酸
及びリンゴ酸の中から選ばれたオキシカルボン酸の水溶
液中に加えて加熱反応させ、次いで反応混合物から不溶
分をろ去し、ろ液から結晶を析出させこれを回収するこ
とを特徴とするオキシカルボン酸カルシウムの製造方法
を提供するものである。
本発明においては、まずホタテ貝殻を希塩酸中に浸せ
きすることが必要である。廃棄されたホタテ貝殻には、
その外側に砂や泥などの汚れが、また内側には貝肉の残
留物が付着しているので、これを希塩酸中に浸せきして
除去する。この際、塩酸と貝殻中の成分の炭酸カルシウ
ムが反応して、二酸化炭素を発生し、この多量の気泡の
作用により表面に付着していた異物及び汚れはほとんお
完全に除去することができる。この浸せき時間は5分程
度で十分である。次いで、この清浄化されたホタテ貝殻
は、適宜乾燥処理したのち、700℃以上の温度で焼成し
て、わずかに付着残留していた有機物を焼却除去すると
ともに、ホタテ貝殻の成分である炭酸カルシウムを酸化
カルシウムに変化させる。このように焼成したホタテ貝
殻は非常にもろくなり、粉末化しやすくなる。
次に、本発明において、これらのホタテ貝殻の焼成物
と反応させるオキシカルボン酸として、乳酸又はリンゴ
酸が用いられる。この乳酸やリンゴ酸には、d体、l体
及びラセミ体が存在するが、本発明においてはそのいず
れも用いることができる。
このオキシカルボン酸は水溶液として用いることが必
要である。その濃度には特に制限はないが、反応混合物
から目的生成物の回収を容易にするために、できるだけ
高濃度のものを用いるのが有利である。通常5%以上、
好ましくは10%以上の濃度で用いられる。
このオキシカルボン酸は水溶液として用いることが必
要である。その濃度には特に制限はないが、反応混合物
から目的生成物の回数を容易にするために、できるだけ
高濃度のものを用いるのが有利である。通常5%以上、
好ましくは10%以上の濃度で用いられる。
このオキシカルボン酸は、ホタテ貝殻焼成物100重量
部当り、50〜200重量部の割合で用いられるが、さらに
過剰に用いることもできる。過剰に用いた場合の未反応
部分は、循環再使用するのがよい。
本発明方法におけるホタテ貝殻焼成物とオキシカルボ
ン酸との反応は、室温においても進行するが、反応を促
進するために加熱して行われる。加熱温度としては40℃
以上、好ましくは60℃以上が用いられる。この反応は、
二酸化炭素を発生しながら進行する。
反応によって生成するオキシカルボン酸カルシウムは
低温の水に難溶なので、反応終了後、反応混合物をただ
ちにろ過して、不溶分を除き、冷却すれば、結晶として
析出してくる。この際必要ならば水を蒸発させて結晶の
析出を助長させることもできる。
このようにして析出した結晶をろ別又はデカンテーシ
ョンにより回収すれば、そのままでも十分に各種用途に
供しうるオキシカルボン酸カルシウムが得られるが、所
望ならば、さらに熱水に再溶解させ、再結晶をすること
により精製することができる。
発明の効果 本発明によれば、産業廃棄物として大量に排出され、
その処理が重要な社会的課題となっているホタテ貝の貝
殻を利用して栄養補強剤、食品添加剤などとして有用な
付加価値の高いオキシカルボン酸カルシウムを簡単に製
造することができるので、廃棄物の有効利用及び有用な
オキシカルボン酸カルシウムの安価な生産という両面で
工業上非常に有意義である。
実施例 次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明す
る。
参考例1 青森県産のホタテ貝殻100枚(重量約1.2kg)をポリエ
チレン製のカゴに入れ、このカゴごと0.5規定塩酸溶液
のはいった槽に浸し、さらにこの塩酸溶液を循環させな
がら5分間浸したままにした。これにより、ホタテ貝殻
の表面に付着していた異物及び汚れがほとんど除去でき
た。
その後ただちに、水のはいった洗浄槽にカゴごと移
し、付着している塩酸と若干の異物及び汚れを洗い流し
た。この時、この水洗浄槽には絶えず新しい水を供給さ
せ、余った水は槽上部のオーバーフロー管よりあふれ出
させた。
次に、洗浄の終わったホタテ貝殻はよく水をきり、乾
燥器に入れ、120℃で3時間乾燥させた。乾燥器より取
り出したホタテ貝殻は常温になるまで放置し、その後、
ハンマーにより粗粉砕を行い、このホタテ貝殻片をボー
ルミルに入れ、10時間回転を行い、粉砕した。
これにより生成した、ホタテ貝殻粉体はふるいにより
分級を行い120メッシュ以下(125μm以下)の粉末を約
1.1kg、また120メッシュ以上(125μm以上)の粉体を
約0.06kg、それぞれ得られた。
このようにして得られた、ホタテ貝殻粉末及び粉体は
カルシウム含有率約41%の炭酸カルシウムであった。
一方において2容フラスコに水900mlと乳酸(純度9
2%)100gを加え、かきまぜて均一な乳酸溶液を調製し
た。次に、ホットスターラーを用いて液温を60℃前後に
保ち、かきまぜながら、上記のようにして得たホタテ貝
殻粉末(炭酸カルシウム、カルシウム含有率41%)56g
を徐々に加えた。この時、二酸化炭素の発生が認められ
た。
反応が終了した時不溶解残分が若干あったので、減圧
ろ過を行った。この時、不溶解残分の重量は約0.2gであ
った。
一方、ろ液はホットスターラーにより過熱、かきまぜ
ながら水を蒸発させ、乳酸カルシウムの白色結晶約103g
を得た。
この白色乳酸カルシウム結晶は、カルシウム含有率と
して13.1%であった。
参考例2 2容フラスコに水900mlとリンゴ酸(純度98%)粉
末を加えかきまぜて、均一なリンゴ酸溶液を調製した。
次にホットスターラーを用いて液温を60℃前後に保ち、
かきまぜながら参考例1で得たホタテ貝殻粉末(炭酸カ
ルシウム、カルシウム含有率41%)75を徐々に加えた。
この時、二酸化炭素の発生が認められた。また、反応の
途中で白色結晶の生成が認められた。この白色結晶はリ
ンゴ酸カルシウムであった。
二酸化炭素の発生が停止し、反応が終了した後、減圧
ろ過を行い、ろ滓とろ液を得た。ろ滓は90℃の熱水1
中に加え10分間かきまぜ、リンゴ酸カルシウムの白色結
晶を再溶解させ、再びろ過を行い、ろ滓とろ液を得た。
このろ液は前記のろ液と合わせ、ホットスターラーによ
る過熱及びかきまぜにより水を蒸発させ、リンゴ酸カル
シウムの白色結晶約114gを得た。
一方、ろ滓には、ホタテ貝殻粉末とリンゴ酸カルシウ
ム結晶が約8gあった。
この白色リンゴ酸カルシウム結晶は、カルシウム含有
率として26.6%であった 実施例 青森県産のホタテ貝殻100枚(重量約1.2kg)を0.5規
定塩酸溶液洗浄及び水洗浄、乾燥の各工程を行い、次
に、耐熱ルツボに入れて、これを焼成炉にて800℃で10
分間保持させるようにして焼成を行った。この時、焼成
炉内の温度は800℃になるまで約2時間30分の時間を要
した。
こうして焼成したホタテ貝殻は、常温になるまで1昼
夜放置しておき、その後粗粉砕は行わずそのままボール
ミルに入れ、10時間回転させ粉砕を行った。このように
して生成したホタテ貝殻粉末はふるいにより分級を行
い、以下のものを得た。
120メッシュ以下(125μm以下)の粉末を約1.1kg、
そして120メッシュ以上(125μm以上)の粉体が約0.03
kg、それぞれ得られた。
こうして得られたホタテ貝殻の粉末及び粉体はカルシ
ウム含有率約70%で、ほとんどが酸化カルシウムであ
り、若干の炭酸カルシウムが存在していることが分っ
た。
2容フラスコに水900mlと乳酸(純度92%)100gを
加えかきまぜて、均一な乳酸溶液を調製した。次に、ホ
ットスターラーを用いて、液温を60℃前後に保ち、かき
まぜたがら上記のようにして得た焼成ホタテ貝殻粉末
(主成分酸化カルシウム、カルシウム含有率70%)29g
を徐々に加えた。この時わずかながら二酸化炭素の発生
が認められた。
反応が終了した時、不溶解残分が微量であったので、
減圧ろ過を行った。この時、不溶解残分の重量は約0.07
gであった。
また、ろ液はホットスターラーにより加熱、かきまぜ
ながら水を蒸発させ乳酸カルシウム白色結晶約118gを得
た。この白色乳酸カルシウム結晶は、カルシウム含有率
が13.0%であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホタテ貝殻を希塩酸中で表面付着物が脱離
    するまで浸せき処理したのち、焼成処理し、得られた焼
    成物をそのままあるいは粉砕後、これを乳酸及びリンゴ
    酸の中から選ばれたオキシカルボン酸の水溶液中に加え
    て加熱反応させ、次いで反応混合物から不溶分をろ去
    し、ろ液から結晶を析出させこれを回収することを特徴
    とするオキシカルボン酸カルシウムの製造方法。
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