JP2593061B2 - 道路橋の継目部構造及びその構築方法 - Google Patents

道路橋の継目部構造及びその構築方法

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JP2593061B2 JP5229595A JP5229595A JP2593061B2 JP 2593061 B2 JP2593061 B2 JP 2593061B2 JP 5229595 A JP5229595 A JP 5229595A JP 5229595 A JP5229595 A JP 5229595A JP 2593061 B2 JP2593061 B2 JP 2593061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は道路橋の継目部構造及び
その構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路橋の継目部構造として、床版遊間を
存して対向する道路端部に段下げ部を形成し、ジグザグ
に曲折して継目長手方向に延びる一対の波形竪板を当該
継目部において互いの凹部と凸部とが対向するように立
設することによって波形遊間を形成し、この両波形竪板
の背部にコンクリートを打設することによってコンクリ
ート凹凸版を形成してなるものが知られている(特公昭
62−51324号公報参照)。
【0003】上記コンクリート凹凸版の凸部は、その基
端から床版遊間に突出した先端に至る全体が上記段下げ
部の底面から浮いた状態で床版遊間上に突出した所謂片
持ち状態になっている。また、このような凸部が完全に
浮き上がったコンクリート凹凸版を形成するために、上
記波形竪板には、その凸部の下面全体に底板が固定され
ているとともに、上記段下げ部に打設したコンクリート
が上記底板の下方に侵入しないように、底板の背面に堰
板が固定されている。
【0004】ところで、近年は荷重の大きな車両の増大
に対処することができるよう床版厚が厚い道路橋が構築
され、あるいは既設の道路橋の床版の増厚施工がなされ
ている。このように床版が厚く耐荷強度が大きい道路橋
にあっては荷重の大きな車両が走行することになるた
め、上述の如き道路橋の継目部構造においても、波形竪
板によるコンクリート凹凸版の耐荷強度の向上を図るこ
とが必要になる。
【0005】これに対して、鋼橋の継目部構造として、
特公昭57−25682号公報に記載されているよう
に、鋼桁上面から路面まで立ち上がった背の高い波形竪
板を形成し、該波形竪板の下端の底板を鋼桁に高力ボル
トによって結合するという提案はある。これによれば、
コンクリート凹凸版が厚いものになるため、その耐荷強
度が高くなる。
【0006】また、特公昭60−17883号公報に
は、上部波形竪板と下部波形竪板とを互いに一部重ね合
わせて溶接することによって全体として背の高い波形竪
板を形成することにより、厚いコンクリート凹凸版を形
成するという提案が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先の2つの従
来技術のうち前者のような鋼桁に底板を固定して波形竪
板を立ち上げる方式は、鋼橋には採用することができて
も、鋼桁を備えていないコンクリート橋(RC橋,PC
橋)には採用することができない。また、この方式を鋼
橋に採用するにしても、波形竪板の上端を路面高さに合
わせることが難しいという問題がある。すなわち、道路
橋の床版厚は、道路幅員の全長にわたって一定厚さには
形成されておらず、路面に横断勾配をつくる関係で例え
ば幅員の中央部が厚く両端が薄くなっており、また、コ
ンクリートを打設した際に設計厚よりも若干厚くなった
りあるいは薄くなったりすることがあり、さらに、桁の
キャンバの戻りが設計通りにならず床版端部の高さが狂
うこともある。
【0008】従って、波形竪板を個々の道路継目部の床
版厚さに応じてその都度製作する必要があるとともに、
高さの異なる波形竪板を多数準備する必要がある。さら
に、このような背の高い波形竪板を平板の曲げ加工によ
って製作することも難しい。しかも、波形竪板の上端を
路面高さに合わせること自体が実際には難しく、波形竪
板の上端が路面よりも高くなった場合には車両の走行性
が極めて悪くなる。
【0009】これに対して、後者の提案の場合、背が比
較的低い上部波形竪板と下部波形竪板とを使用するか
ら、製作の難しさは軽減されるとともに、上下の波形竪
板の重ね合わせ量を変えることによって全高の調節が可
能になるが、部品点数が多くなってコスト高になるとと
もに、上下の波形竪板を隙間なく重ね合わせることが難
しいという問題がある。
【0010】すなわち、このような重ね合わせを行なう
には、上下の波形竪板の波のピッチを重ね合わせができ
るように調整する必要があり、さらに、その寸法精度が
高いことが必要になるが、実際にそのような波形竪板を
製作することは至難なことであり、所期の重ね合わせが
できないことが多くなる。また、路面に横断勾配がある
場合には、上部の波形竪板を路面の勾配に合わせて若干
傾ける必要があるが、そのことは当該上部波形竪板が略
水平に配置される下部波形竪板に対して若干傾くことを
意味し、そのことも上下の波形竪板の重ね合わせが難し
くなる一因となっている。さらに、上部波形竪板と下部
波形竪板とを重ね合わせる場合、当該重ね合わせのため
に各波形竪板の背を余分に高くする必要がある。
【0011】そこで、本発明は、このような問題を解消
することができる道路橋の継目部構造及びその構築方法
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明者
は、このような課題に対して、従来、波形竪板を設けて
床版遊間に凸部が突出した片持ち状態のコンクリート凹
凸版を形成していたのは、波形遊間を形成して車両走行
性を高めるためであり、また、該コンクリート凹凸版の
凸部の基端から先端に至る全体を浮かせて床版遊間上に
突出させていたのは、この凸部の先端と相手側のコンク
リート凹凸版の支持部(床版又は橋台)との干渉を避け
るためであるが、コンクリート凹凸版の凸部の全体を浮
かせて床版遊間上に突出させなくとも、つまり、該凸部
の先端側の部位だけを浮かせて突出させるだけでも、上
記干渉を避けながら道路橋の継目部に波形遊間を形成し
て所期の車両走行性を得ることができ、かえって、上記
凸部の片持ち量を抑えることによってコンクリート凹凸
版の耐荷強度が高くなることを見出だし、本発明を完成
するに至ったものである。以下、上記課題を解決する各
手段について具体的に説明する。
【0013】<請求項1に係る発明>この発明は、道路
橋の継目遊間を存して対向する道路端部の各々に形成さ
れ、路面より低い底面と上記継目遊間より後退した側面
とを有する段下げ部と、 各々の凸部が上記継目遊間上
に配置され凹部が上記段下げ部上に配置されるよう、交
互に上記継目遊間側へ上記段下げ部側へとジグザグに折
れ曲がって継目長手方向に延び、且つ波形遊間を形成す
るよう互いの凹面と凸面とを対向させて配設された一対
の波形竪板と、上記両波形竪板の背部にコンクートが路
面高さまで打設されて形成され、各々の基部が上記段下
げ部の底面に支持され上記波形竪板の波のピッチで継目
長手方向に並ぶ複数の凸部が上記継目遊間上に突出して
なるコンクリート凹凸版とを備えている道路橋の継目部
構造において、上記コンクリート凹凸版の凸部には、上
記段下げ部の深さに匹敵する厚さを有し上記段下げ部よ
り上記継目遊間上に突出した厚肉突出部と、該厚肉突出
部に続いて前方へ突出し下面が該厚肉突出部の下面より
も高位置になるように浮き上がった先端突出部とが形成
され、上記波形竪板が上記先端突出部の高さに匹敵する
高さに形成され、該波形竪板の各凸部の下端には上記先
端突出部の下面を覆う底板が固定されていることを特徴
とする。
【0014】よって、当該発明においては、コンクリー
ト凹凸版の凸部は、その全体が浮き上がったものではな
く、その基端部位が段下げ部の底面に直接支持されてい
るから、該凸部の片持ち支持の度合いが小さくなり、そ
の耐荷強度を確保する上で有利になっている。しかも、
継目遊間に突出した突出部も、その全体が浮き上がって
いるわけではなく、その一部、すなわち、厚肉突出部は
段下げ部の深さに匹敵する厚さを有し当該コンクリート
凹凸版の基部と同様に厚いものであるから、上記耐荷強
度の確保に有利になっている。
【0015】そうして、上記凸部の継目遊間に突出した
突出部もその先端部は波形竪板の底板と共に上記段下げ
部の底面より浮き上がっているから、道路橋の伸長によ
って継目遊間が狭くなってきても、波形竪板ないしは凸
部が相手側の道路の段下げ部の端の部位に干渉すること
はない。
【0016】また、波形竪板の底板は、上記コンクリー
ト凹凸版の先端突出部を支承する作用を呈し該先端突出
部の耐荷強度向上に寄与するとともに、波形竪板の凸部
の変形を防止する補強材の役目を果たす。
【0017】ここに、本発明において、道路端部とは、
道路橋の床版の端部及び橋台部を含み、従って、継目遊
間には床版と床版との継目遊間、並びに床版と橋台との
継目遊間がある。また、床版とは、鋼橋の鋼桁の上に支
持された床版及びPC橋やRC橋の桁ないしは桁床版を
含む。
【0018】また、波形竪板としては、後述する実施例
のような台形波状のものに限らず、矩形波状、サインカ
ーブ状、ノコギリ波状など種々の波形状を採用すること
ができる。
【0019】<請求項2に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載の道路橋の継目部構造を構築する方法で
あって、道路橋の継目遊間を存して対向する道路端部の
各々に路面よりも低い底面と上記継目遊間より後退した
側面とを有する段下げ部を形成し、上記継目遊間に継目
長手方向に直線状に延びる遊間閉塞材を挿入して該継目
遊間を閉塞するとともに、該遊間閉塞材の上面を上記段
下げ部の底面と面一に形成し、各々ジグサグに曲折して
継目長手方向に延びる一対の波形竪板が波形遊間を形成
するよう互いの凹面と凸面とを対向させて配設され、且
つ各波形竪板の各凸部の先端部の下端に該先端部の背部
の下面を覆う底板が固定され、上記波形遊間の下部に該
波形遊間に倣ってジグザグに曲折した波形型枠が嵌めら
れ、該波形型枠の下部が上記波形竪板より下方へ突出し
てなるジョイント部材を、上記遊間閉塞材の上に、上記
底板が当該遊間閉塞材の幅方向の中央部に配置され上記
波形竪板の凹部が上記遊間閉塞材の外側に配置されるよ
うに載置し、上記底板の背面に上記段下げ部から該底板
と上記遊間閉塞材との間へのコンクリートの侵入を防止
する堰板を配置し、上記両波形竪板の背部にコンクリー
トを路面高さまで打設することにより、各々の基部が上
記段下げ部の底面に支持され、上記波形竪板の波のピッ
チで継目長手方向に並ぶ複数の凸部が上記継目遊間上に
突出し、該凸部に、上記段下げ部の深さに匹敵する厚さ
を有し上記段下げ部より上記継目遊間上に突出した厚肉
突出部と、該厚肉突出部に続いて前方へ突出し下面が該
厚肉突出部の下面よりも高位置になるように浮き上がっ
た先端突出部とが形成されてなるコンクリート凹凸版を
形成することを特徴とする。
【0020】当該発明においては、上述の如き構成によ
り、波形竪板の背部にコンクリートを打設すると、該コ
ンクリートは、遊間閉塞材によって継目遊間への侵入が
防がれ、波形型枠によって波形遊間の下方への侵入が防
がれ、堰板によって底板の下方への侵入が防がれる。そ
して、上記遊間閉塞材の上面と段下げ部の底面とが面一
に形成されているから、該段下げ部の深さに匹敵する厚
さを有し該段下げ部より継目遊間に突出した厚肉突出部
を形成することができる。また、上記底板は遊間閉塞材
の幅方向の中央部に配置され上記波形竪板の凹部が上記
遊間閉塞材の外側に配置されているから、上記厚肉突出
部に続いて前方へ突出し下面が該厚肉突出部の下面より
も高位置になるように浮き上がった先端突出部を形成す
ることができるとともに、道路端部の段下げ部には道路
の伸長時に相手側の先端突出部を受け入れる凹部を形成
することができる。
【0021】本発明においては、上記遊間閉塞材の上面
と段下げ部の底面とが面一に形成されているが、この場
合の面一とは、厳密な意味での面一性を必要とするもの
ではなく、段下げ部の深さに匹敵するような厚い厚肉突
出部を形成することができるのであれば、多少の高低差
は問題にならない。
【0022】<請求項3に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載の道路橋の継目部構造を構築する方法で
あって、道路橋の継目遊間を存して対向する道路端部の
各々に路面よりも低い底面と上記継目遊間より後退した
側面とを有する段下げ部を形成し、上記継目遊間に継目
長手方向に直線状に延びる遊間閉塞材を挿入して該継目
遊間を閉塞し、各々ジグサグに曲折して継目長手方向に
延びる一対の波形竪板が波形遊間を形成するよう互いの
凹面と凸面とを対向させて配設され、且つ各波形竪板の
各凸部の先端部の下端に該先端部の背部の下面を覆う底
板が固定され、上記波形遊間の下部に該波形遊間に倣っ
てジグザグに曲折した波形型枠が嵌められ、該波形型枠
の下部が上記波形竪板より下方へ突出してなるジョイン
ト部材を、上記遊間閉塞材の上に、上記底板が当該遊間
閉塞材の幅方向の中央部に配置され上記波形竪板の凹部
が上記遊間閉塞材の外側に配置されるように載置し、上
記遊間閉塞材と底板との間に上記段下げ部からコンクリ
ートが侵入しないように詰め物をし、上記両波形竪板の
背部にコンクリートを路面高さまで打設することによ
り、各々の基部が上記段下げ部の底面に支持され、上記
波形竪板の波のピッチで継目長手方向に並ぶ複数の凸部
が上記継目遊間上に突出し、該凸部に、上記段下げ部の
深さに匹敵する厚さを有し上記段下げ部より上記継目遊
間上に突出した厚肉突出部と、該厚肉突出部に続いて前
方へ突出し下面が該厚肉突出部の下面よりも高位置にな
るように浮き上がった先端突出部とが形成されてなるコ
ンクリート凹凸版を形成することを特徴とする。
【0023】当該発明においては、上述の如き構成によ
り、波形竪板の底板と遊間閉塞材との間に設けた詰め物
によって該底板の下方へのコンクリートの侵入が防がれ
ることになり、他は請求項2に係る発明と同様である。
【0024】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、コンクリ
ート凹凸版の凸部は、その全体が浮き上がったものでは
なく、該凸部の継目遊間に突出した突出部のさらにその
先端部のみが該段下げ部の底面より浮き上がったものに
なっているから、コンクリート凹凸版の凸部の耐荷強度
が高くなり、しかも、波形竪板の凸部の先端部に底板を
設けているから、上記耐荷強度の向上にはさらに有利な
ものになっているとともに、該波形竪板の補強も図れ、
波形遊間によって良好な車両走行性を得ながら、道路橋
継目部の耐久性を向上させることができる。
【0025】請求項2に係る発明によれば、遊間閉塞材
と堰板とによってコンクリートの継目遊間への侵入が防
がれるとともに、堰板によって底板の下方へのコンクリ
ートの継目遊間や底板下方への侵入を防ぎながら、コン
クリート凹凸版に段下げ部の深さに匹敵する厚さを有し
該段下げ部より上記継目遊間上に突出した厚肉突出部
と、該厚肉突出部に続いて前方へ突出し下面が該厚肉突
出部の下面よりも高位置になるように浮き上がった先端
突出部とを有する凸部を形成することができる。
【0026】請求項3に係る発明によれば、その詰め物
が請求項2に係る発明における堰板の代わりをなし、請
求項2に係る発明と同様の効果が得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0028】<実施例1> −構造− 図1乃至図3に示す道路橋の継目部構造において、1は
一対の波形竪板2,2によって形成された波形遊間、3
は各波形竪板2の背部にコンクリートを打設して形成さ
れたコンクリート凹凸版、4はコンクリート凹凸版3の
背部に続く舗装、5は床版(又は橋台)、6は床版遊間
(継目遊間)、8は路面より低い底面と上記床版遊間6
より後退した側面とを有する段下げ部である。
【0029】上記波形竪板2は、ジグザグに曲折して継
目長手方向に延びた竪板であり、その凸部2bが上記床
版遊間6に介装された遊間閉塞材13の上に配置されて
いるとともに、その凹部2aが当該遊間閉塞材13より
外側にはみ出している。つまり、波形竪板2,2は、各
々の凸部2bが上記床版遊間6に配置され凹部2aが上
記段下げ部8の上に配置されるよう、交互に上記床版遊
間6側へ上記段下げ部8側へとジグザグに折れ曲がって
継目長手方向に延び、且つ波形遊間を形成するよう互い
の凹面と凸面とを対向させて配設されて上記波形遊間1
を形成しているものである。
【0030】上記遊間閉塞材13は、ウレタンフォーム
製であって、継目長手方向に直線状に延びたものであ
り、上記床版遊間6を閉塞するよう該床版遊間6に挿入
され、上面は上記段下げ部8の底面と面一に形成されて
いる。上記一対の波形竪板2,2の波形遊間1の下部に
は該波形遊間1に倣ってジグザグに曲折したウレタンフ
ォーム製の波形型枠14が嵌められている。該波形型枠
14は、その下部が上記波形竪板2より下方へ突出し上
記面一になった遊間閉塞材13の上面及び段下げ部8の
底面の上に載置されている。上記遊間閉塞材13及び波
形型枠14は圧縮性を有するものであれば他の材料によ
って形成することもできる。
【0031】また、上記波形竪板2の各凸部2bの先端
部の下端には該先端部の背部の下面を覆う底板15が固
定され、該底板15の背面には上記段下げ部8から該底
板15と上記遊間閉塞材13との間へのコンクリートの
侵入を防止する堰板16が固定されている。この場合、
上記底板15は上記遊間閉塞材13の略中央部に配置さ
れている。
【0032】上記コンクリート凹凸版3は、上記波形竪
板2の背部にコンクリートを打設することによって形成
されたものであって、上記波形竪板2によってジグザグ
に曲折して継目長手方向に延びる凹凸面が形成されてい
る。すなわち、上記コンクリート凹凸版3は、その基部
が上記段下げ部3の底面に支持され上記波形竪板2の波
のピッチで継目長手方向に並び各々上記床版遊間6に突
出した複数の凸部7を備えているものである。
【0033】上記凸部7は、上記段下げ部8の上に配置
されている基端部と、該段下げ部8の深さに匹敵する厚
さを有し該段下げ部8より上記床版遊間6に突出した厚
肉突出部7aと、該厚肉突出部7aに続いて前方へ突出
し下面が該厚肉突出部7aの下面よりも高位置になるよ
うに浮き上がった先端突出部7bとによって構成されて
いる。
【0034】また、上記波形遊間1にはシール部材9が
介装されていて、該シール部材9の両側部は波形竪板
2,2の内面に固着されている。シール部材9の内部に
は砂、液状ゴム等による充填材を詰めるようにしてもよ
い。なお、上記シール部材9に代えて液状シールゴムの
流し込みのみによって上記波形遊間1のシールを行なう
ようにしたり、断面矩形のスポンジ状弾性体を波形竪板
2,2の内面に貼付けするなど種々の方法によって当該
シールを行なうようにしてもよい。
【0035】また、上記波形竪板2の背面にはアンカー
11が突設され、上記コンクリート凹凸版3に埋設され
ている。なお、図3ではシール部材及び後述するアンカ
ーの記載を省略している。
【0036】−構築方法− 上記継目部構造の構築は以下のようにして行なうことが
できる。
【0037】工場において、上記一対の波形竪板2,2
をシール部材9によって連結するとともに、各波形竪板
2の背面にアンカー11を突設しておく。波形竪板2,
2は互いの凹部2aと凸部2bとを対向させ、波形遊間
1を形成するようにする。また、波形竪板2には底板1
5を固定しておく。
【0038】道路橋を新設する場合には、その床版コン
クリートの施工時に箱抜きを行なうことによって、端部
にコンクリート凹凸版3を形成するための段下げ部8を
有する床版5を形成する。
【0039】次に、床版遊間6及び段下げ部8,8の上
に床版5の上面高さ程度まで詰め物をし該床版5の上面
及び詰め物の上に一連に舗装4を施す。
【0040】上記詰め物の両側において上記舗装にコン
クリートカッターによって継目長手方向に切れ目を入
れ、詰め物の上の舗装部分をコンクリート破砕機によっ
て砕いて除去し、さらに上記詰め物を除去する。
【0041】上記床版遊間6に遊間閉塞材13を挿入し
て該床版遊間6を塞ぐ。その際、遊間閉塞材13の上面
が段下げ部8の底面と面一になるようにする。
【0042】上記波形竪板2,2を所定の波形遊間1に
なるように互いに固定し、該波形遊間1の下部に波形型
枠14を嵌め、上記遊間閉塞材13の上に載せる。その
際、波形型枠14の波形竪板2,2からの下方への突出
量を大きくし、該波形竪板2及び波形型枠14を合わせ
た全高を上記段下げ部8の深さよりも大きくする。ま
た、波形竪板2の底板15は上記遊間閉塞材13の中央
部に配置し、凹部2aは当該遊間閉塞材13より外側に
はみ出る(図1及び図3参照)。
【0043】そして、上記波形竪板2,2を押し下げて
その上端を路面高さに一致させる。その際、波形型枠1
4は波形竪板2,2間に深く入っていくことになる。次
に、波形竪板2の底板15の背面に堰板16を固定す
る。しかる後に、波形竪板2の背部にコンクリートを路
面高さまで打設してコンクリート凹凸版3を形成する。
【0044】−作用効果− 従って、上記実施例においては、波形竪板2の背部に打
設されたコンクリートは、遊間閉塞材13によって床版
遊間6へ侵入することが防止され、波形型枠14によっ
て波形遊間1の下方への侵入が防がれ、堰板16によっ
て底板15の下方への侵入が防がれる。そして、一対の
波形竪板2,2によって路面に開口する波形遊間1が継
目部に形成されるから良好な車両走行性が得られる。
【0045】また、コンクリート凹凸版3の凸部7は、
その基端部が床版5に直接支持されているとともに、そ
の床版遊間6へ突出した部分も、先端突出部7bの底面
のみが浮き上がっていて、厚肉突出部7aは基端部と同
様に段下げ部8の深さに匹敵する厚いものになるから、
その耐荷強度が高いものになる。しかも、上述のよう
に、先端突出部7bの底面が浮き上がっているから、コ
ンクリート凹凸版3の凸部と相手側の段下げ部8の端部
との干渉を招くことがない。
【0046】なお、既設のジョイントを取り替える場合
や、既設の道路橋の増厚施工を行なう場合には、既設の
ジョイント部材を除去するとともに、道路橋の端部に段
下げ部を形成し、先の場合と同様にして波形竪板2の背
部にコンクリートを打設してコンクリート凹凸版3を形
成することになる。
【0047】また、上記実施例では、コンクリート凹凸
版3が単層であるが、該コンクリート凹凸版の下部をセ
メントコンクリート層によって形成し、該セメントコン
クリート層の上に舗装4と同様のアスファルトコンクリ
ート舗装を施すようにする、つまり、コンクリート凹凸
版を2層に形成してもよい。
【0048】<実施例2>本例は図4及び図5に示し、
実施例1における堰板16の代わりに詰め物17を採用
したものである。すなわち、実施例1の場合と同様に床
版遊間6への遊間閉塞材13の挿入、波形竪板2,2の
波形遊間1への波形型枠14の嵌め込み、遊間閉塞材1
3の上への載置、波形竪板2,2の上端の高さ合わせを
行なった後に、上記遊間閉塞材13と底板15との間に
段下げ部8からコンクリートが侵入しないように詰め物
17をし、しかる後、波形竪板2の背部にコンクリート
を路面高さまで打設してコンクリート凹凸版3を形成す
ることになる。詰め物17の材料としては上記遊間閉塞
材13や波形型枠14と同じものを採用することができ
る。
【0049】<実施例3>本例は図6に要部のみが示さ
れており、構築方法に特徴がある。すなわち、実施例1
ではコンクリート施工のために遊間閉塞材13、波形形
枠14及び堰板16を使用したが、本例は波形形枠14
及び堰板16に代えて波形堰板21を使用している点に
特徴がある。この波形堰板21は、底板7の背面及び波
形竪板2の凹部2aの背面に沿って曲折してなるもので
ある。
【0050】従って、コンクリート施工に際しては、シ
ール部材9によって連結した一対の波形竪板2,2をそ
の上端が路面高さに適合するように吊り下げ、波形堰板
21を波形竪板2の背面に設置し、その状態でコンクリ
ートを波形竪板2の背部に打設する。よって、本例の場
合、波形形枠14が不要になるため施工が容易になる。
【0051】なお、上記堰板21は予め波形に成形され
たものであるが、底板背面の継目長手方向に延びる部分
21aと、波形竪板2の凹部背面の継目長手方向に延び
る部分21bと、継目長手方向に対して傾斜して延びる
傾斜部分21cとが互いに別体に成形された分割タイプ
の堰板を用いるようにしてもよい。また、波形竪板2に
沿った部分(21c,21b,21c)と、底板背面に
沿った部分21aとが互いに別体になったものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の道路橋の継目部の一部切り欠いた平
面図
【図2】同例の道路橋の継目部の断面図
【図3】同例のコンクリート施工前の状態を一部断面に
して示す道路橋の継目部の斜視図
【図4】実施例2の道路橋の継目部の一部切り欠いた平
面図
【図5】同例の道路橋の継目部の断面図
【図6】実施例3のコンクリート施工前の道路橋の継目
部を一部断面で示す斜視図
【符号の説明】
1 波形遊間 2 波形竪板 2a 凹部 2b 凸部 3 コンクリート凹凸版 4 舗装 5 床版 6 床版遊間 7 コンクリート凹凸版の凸部 7a 厚肉突出部 7b 先端突出部 8 段下げ部 13 遊間閉塞材 14 波形型枠 15 底板 16 堰板 17 詰め物 21 波形堰板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路橋の継目遊間を存して対向する道路
    端部の各々に形成され、路面より低い底面と上記継目遊
    間より後退した側面とを有する段下げ部と、 各々の凸部が上記継目遊間上に配置され凹部が上記段下
    げ部上に配置されるよう、交互に上記継目遊間側へ上記
    段下げ部側へとジグザグに折れ曲がって継目長手方向に
    延び、且つ波形遊間を形成するよう互いの凹面と凸面と
    を対向させて配設された一対の波形竪板と、 上記両波形竪板の背部にコンクートが路面高さまで打設
    されて形成され、各々の基部が上記段下げ部の底面に支
    持され上記波形竪板の波のピッチで継目長手方向に並ぶ
    複数の凸部が上記継目遊間上に突出してなるコンクリー
    ト凹凸版とを備えている道路橋の継目部構造において、 上記コンクリート凹凸版の凸部には、上記段下げ部の深
    さに匹敵する厚さを有し上記段下げ部より上記継目遊間
    上に突出した厚肉突出部と、該厚肉突出部に続いて前方
    へ突出し下面が該厚肉突出部の下面よりも高位置になる
    ように浮き上がった先端突出部とが形成され、 上記波形竪板が上記先端突出部の高さに匹敵する高さに
    形成され、該波形竪板の各凸部の下端には上記先端突出
    部の下面を覆う底板が固定されていることを特徴とする
    道路橋の継目部構造。
  2. 【請求項2】 道路橋の継目遊間を存して対向する道路
    端部の各々に路面よりも低い底面と上記継目遊間より後
    退した側面とを有する段下げ部を形成し、 上記継目遊間に継目長手方向に直線状に延びる遊間閉塞
    材を挿入して該継目遊間を閉塞するとともに、該遊間閉
    塞材の上面を上記段下げ部の底面と面一に形成し、 各々ジグサグに曲折して継目長手方向に延びる一対の波
    形竪板が波形遊間を形成するよう互いの凹面と凸面とを
    対向させて配設され、且つ各波形竪板の各凸部の先端部
    の下端に該先端部の背部の下面を覆う底板が固定され、
    上記波形遊間の下部に該波形遊間に倣ってジグザグに曲
    折した波形型枠が嵌められ、該波形型枠の下部が上記波
    形竪板より下方へ突出してなるジョイント部材を、上記
    遊間閉塞材の上に、上記底板が当該遊間閉塞材の幅方向
    の中央部に配置され上記波形竪板の凹部が上記遊間閉塞
    材の外側に配置されるように載置し、 上記底板の背面に上記段下げ部から該底板と上記遊間閉
    塞材との間へのコンクリートの侵入を防止する堰板を配
    置し、 上記両波形竪板の背部にコンクリートを路面高さまで打
    設することにより、各々の基部が上記段下げ部の底面に
    支持され、上記波形竪板の波のピッチで継目長手方向に
    並ぶ複数の凸部が上記継目遊間上に突出し、該凸部に、
    上記段下げ部の深さに匹敵する厚さを有し上記段下げ部
    より上記継目遊間上に突出した厚肉突出部と、該厚肉突
    出部に続いて前方へ突出し下面が該厚肉突出部の下面よ
    りも高位置になるように浮き上がった先端突出部とが形
    成されてなるコンクリート凹凸版を形成することを特徴
    とする道路橋の継目部構造の構築方法。
  3. 【請求項3】 道路橋の継目遊間を存して対向する道路
    端部の各々に路面よりも低い底面と上記継目遊間より後
    退した側面とを有する段下げ部を形成し、 上記継目遊間に継目長手方向に直線状に延びる遊間閉塞
    材を挿入して該継目遊間を閉塞し、 各々ジグサグに曲折して継目長手方向に延びる一対の波
    形竪板が波形遊間を形成するよう互いの凹面と凸面とを
    対向させて配設され、且つ各波形竪板の各凸部の先端部
    の下端に該先端部の背部の下面を覆う底板が固定され、
    上記波形遊間の下部に該波形遊間に倣ってジグザグに曲
    折した波形型枠が嵌められ、該波形型枠の下部が上記波
    形竪板より下方へ突出してなるジョイント部材を、上記
    遊間閉塞材の上に、上記底板が当該遊間閉塞材の幅方向
    の中央部に配置され上記波形竪板の凹部が上記遊間閉塞
    材の外側に配置されるように載置し、 上記遊間閉塞材と底板との間に上記段下げ部からコンク
    リートが侵入しないように詰め物をし、 上記両波形竪板の背部にコンクリートを路面高さまで打
    設することにより、各々の基部が上記段下げ部の底面に
    支持され、上記波形竪板の波のピッチで継目長手方向に
    並ぶ複数の凸部が上記継目遊間上に突出し、該凸部に、
    上記段下げ部の深さに匹敵する厚さを有し上記段下げ部
    より上記継目遊間上に突出した厚肉突出部と、該厚肉突
    出部に続いて前方へ突出し下面が該厚肉突出部の下面よ
    りも高位置になるように浮き上がった先端突出部とが形
    成されてなるコンクリート凹凸版を形成することを特徴
    とする道路橋の継目部構造の構築方法。
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