JP2547955B2 - 道路橋用ジョイント部材、道路橋の継目部構造及びその構築方法 - Google Patents

道路橋用ジョイント部材、道路橋の継目部構造及びその構築方法

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JP2547955B2 JP6016211A JP1621194A JP2547955B2 JP 2547955 B2 JP2547955 B2 JP 2547955B2 JP 6016211 A JP6016211 A JP 6016211A JP 1621194 A JP1621194 A JP 1621194A JP 2547955 B2 JP2547955 B2 JP 2547955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は道路橋用ジョイント部
材、道路橋の継目部構造及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路橋の継目部構造として、ジグザグに
曲折して継目長手方向に延びる一対の波形竪板を当該継
目部において互いの凹部と凸部とが対向するように立設
することによって、ジグザグに曲折して継目長手方向に
延びる波形遊間を形成し、この両波形竪板の背部にコン
クリートを打設することによってコンクリート凹凸版を
形成してなるものが知られている(特公昭62−513
24号公報参照)。この場合の波形竪板にはコンクリー
ト打設時のコンクリート洩れを防止する底板や堰板が付
設されていて、背部のコンクリート凹凸版は床版遊間上
に突出した所謂片持ち状態になっている。
【0003】ところで、近年は荷重の大きな車両の増大
に対処することができるよう床版厚が厚い道路橋が構築
され、あるいは既設の道路橋の床版の増厚施工がなされ
ている。このように床版が厚く耐荷強度が大きい道路橋
にあっては荷重の大きな車両が走行することになるた
め、上述の如き道路橋の継目部構造においても、波形竪
板によるコンクリート凹凸版の耐荷強度の向上を図るこ
とが必要になる。
【0004】これに対して、鋼橋の継目部構造として、
特公昭57−25682号公報に記載されているよう
に、鋼桁上面から路面まで立ち上がった背の高い波形竪
板を形成し、該波形竪板の下端の底板を鋼桁に高力ボル
トによって結合するという提案はある。これによれば、
コンクリート凹凸版が厚いものになるため、その耐荷強
度が高くなる。
【0005】また、特公昭60−17883号公報に
は、上部波形竪板と下部波形竪板とを互いに一部重ね合
わせて溶接することによって全体として背の高い波形竪
板を形成することにより、厚いコンクリート凹凸版を形
成するという提案が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先の2つの従
来技術のうち前者のような鋼桁に底板を固定して波形竪
板を立ち上げる方式は、鋼橋には採用することができて
も、鋼桁を備えていないコンクリート橋(RC橋,PC
橋)には採用することができない。また、この方式を鋼
橋に採用するにしても、波形竪板の上端を路面高さに合
わせることが難しいという問題がある。すなわち、道路
橋の床版厚は、道路幅員の全長にわたって一定厚さには
形成されておらず、路面に横断勾配をつくる関係で例え
ば幅員の中央部が厚く両端が薄くなっており、また、コ
ンクリートを打設した際に設計厚よりも若干厚くなった
りあるいは薄くなったりすることがあり、さらに、桁の
キャンバの戻りが設計通りにならず床版端部の高さが狂
うこともある。
【0007】従って、波形竪板を個々の道路継目部の床
版厚さに応じてその都度製作する必要あるとともに、高
さの異なる波形竪板を多数準備する必要がある。さら
に、このような背の高い波形竪板を平板の曲げ加工によ
って製作することも難しい。しかも、波形竪板の上端を
路面高さに合わせること自体が実際には難しく、波形竪
板の上端が路面よりも高くなった場合には車両の走行性
が極めて悪くなる。
【0008】これに対して、後者の提案の場合、背が比
較的低い上部波形竪板と下部波形竪板とを使用するか
ら、製作の難しさは軽減されるとともに、上下の波形竪
板の重ね合わせ量を変えることによって全高の調節が可
能になるが、部品点数が多くなってコスト高になるとと
もに、上下の波形竪板を隙間なく重ね合わせることが難
しいという問題がある。
【0009】すなわち、このような重ね合わせを行なう
には、上下の波形竪板の波のピッチを重ね合わせができ
るように調整する必要があり、さらに、その寸法精度が
高いことが必要になるが、実際にそのような波形竪板を
製作することは至難なことであり、所期の重ね合わせが
できないことが多くなる。また、路面に横断勾配がある
場合には、上部の波形竪板を路面の勾配に合わせて若干
傾ける必要があるが、そのことは当該上部波形竪板が略
水平に配置される下部波形竪板に対して若干傾くことを
意味し、そのことも上下の波形竪板の重ね合わせが難し
くなる一因となっている。さらに、上部波形竪板と下部
波形竪板とを重ね合わせる場合、当該重ね合わせのため
に各波形竪板の背を余分に高くする必要がある。
【0010】そこで、本発明は、このような問題を解消
することができるジョイント部材、該ジョイント部材を
用いて構築する継目部構造及びその構築方法を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題に対して、従来、波形竪板を設けて道路継目部の遊
間上に突出した片持ち状態のコンクリート凹凸版を形成
していたのは、波形遊間を形成して車両走行性を高める
ためであるが、コンクリート凹凸版の凸部の全体を床版
遊間上に突出させなくとも、つまり、該凸部の先端側の
部位だけを突出させるだけでも、道路橋の継目部に波形
遊間を形成して所期の車両走行性を得ることができ、か
えって、上記凸部の突出量を抑えることによってコンク
リート凹凸版の耐荷強度が高くなることを見出だし、本
発明を完成するに至ったものである。以下、上記課題を
解決する各手段について具体的に説明する。
【0012】上記課題を解決する請求項1に係る発明
は、各々ジグサグに曲折して横方向に延びる一対の波形
竪板と、該波形竪板の各凸部毎に設けられ該凸部の背部
の下面を覆う底板とを備えてなる道路橋用ジョイント部
材において、上記底板は、上記下面における凸部先端側
の部位を覆い且つ該下面における凸部基端側の部位を覆
わないよう、該底板の背面が上記波形竪板の凹部の背面
よりも凸部先端側に寄った位置を横方向に延びているこ
とを特徴とする道路橋用ジョイント部材である。
【0013】上記課題を解決する請求項2に係る発明
は、上記請求項1に係るジョイント部材を用いてなる道
路橋の継目部構造であって、道路橋の継目部において、
上記請求項1に記載された道路橋用ジョイント部材が、
ジグザグに曲折して継目長手方向に延びる波形遊間を形
成するよう上記一対の波形竪板の互いの凹部と凸部とを
対向させ、且つ上記底板の背面を遊間を存して対向する
床版端面に沿うように位置付けて、継目長手方向に配設
され、上記各波形竪板の背部にコンクリートが路面高さ
まで打設されて、上記波形竪板によって凹凸面が形成さ
れ且つ凸部の先端側の部位が床版遊間上に突出し該凸部
の基端側の部位が床版端面より後退したコンクリート凹
凸版が形成されていることを特徴とする。
【0014】上記課題を解決する請求項3に係る発明
は、上記請求項2に係る道路橋の継目部構造を構築する
方法であって、道路橋の継目部において、床版遊間を存
して対向する床版の各々の端部に路面よりも低い段下げ
部を形成し、上記両段下げ部の間に請求項1に記載され
ている道路橋用ジョイント部材を、上記一対の波形竪板
がジグザグに曲折して継目長手方向に延びる波形遊間を
形成し上記底板の背面が道路橋の継目部の床版端面に沿
い且つ該ジョイント部材の下面が上記段下げ部の底面よ
りも高位置になるように配置し、上記波形遊間及び底板
の下方の空間を塞いだ状態で、上記両波形竪板の背部の
上記段下げ部の上及び上記底板の上にコンクリートを路
面高さまで打設して上記コンクリート凹凸版を形成する
ことを特徴とする。
【0015】上記課題を解決する請求項4に係る発明
は、上記請求項3に係る道路橋の継目部の構築方法にお
いて、上記波形遊間及び底板の下方の空間を塞ぐ工程
が、上記波形遊間に倣ってジグザグに曲折した波形挿入
材を該波形遊間に嵌め、該波形挿入材の下部を上記波形
竪板より下方へ突出させて上記段下げ部の上に載せるこ
とにより上記波形遊間の下方の空間を塞ぐことと、上記
底板の背面に堰板を固定して該底板の下方の空間を塞ぐ
こととよりなることを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1に係る発明においては、上記一対の波
形竪板を道路橋の継目部において互いの凹部と凸部とが
対向するように配設することによって路面に開口した波
形遊間を形成することができる。そして、上記波形竪板
の底板が該波形竪板の凸部の先端側の部位にのみ設けら
れているから、当該波形竪板の底板の背面を床版端面に
沿うように位置付けて、波形竪板の背部にコンクリート
を打設することにより、凸部の先端側の部位のみが床版
端面より床版遊間に突出し且つ該突出部が底板によって
支えられているとともに、凸部の基端側が床版に直接支
持されたコンクリート凹凸版を形成することができる。
【0017】請求項2に係る発明は、請求項1に係るジ
ョイント部材を用いて上述の如くして構築された道路橋
の継目部構造であって、路面に開口する波形遊間を備え
ているから良好な車両走行性が得られるとともに、コン
クリート凹凸版の凸部の先端側の部位のみが床版遊間上
に突出し且つ凸部の基端側の部位が床版に直接支持され
ているから、該コンクリート凹凸版の耐荷強度が高いも
のになる。
【0018】請求項3に係る発明においては、上述の如
き道路橋の継目部構造を得るにあたり、床版端部に段下
げ部を形成してジョイント部材を段下げ部の底面より高
位置に配置し、該波形遊間及び底板の下方の空間を塞い
だ状態でコンクリートを打設するようにしたから、請求
項2に係る道路橋の継目部構造を得ることができるとと
もに、ジョイント部材の下面が段下げ部の底面よりも高
位置に位置付けられているから、道路橋の伸長時に、一
方の床版に支持された波形竪板の下端ないしは底板と、
他方の床版(段下げ部の底面と床版端面とがなす角部)
との干渉を生ずることがない継目部構造が得られる。
【0019】請求項4に係る発明においては、波形挿入
材を波形遊間に嵌めその下部を波形竪板より下方へ突出
させて上記段下げ部の上に載せ、底板の背面に堰板を固
定して、波形遊間の下方の空間及び底板の下方の空間を
塞ぐようにしたから、ジョイント部材の下方へのコンク
リートの流出を防止することができる。
【0020】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、波形竪板
の底板の背面を該波形竪板の凹部の背面よりも凸部先端
側に寄った位置に位置付けることにより、該波形竪板の
凸部の背部の下面における凸部先端側の部位を底板によ
って覆い且つ該下面における凸部基端側の部位を覆わな
いようにしたから、一対の波形竪板によって路面に開口
する波形遊間を形成することができるとともに、上記底
板の背面を床版端面に沿うように配置して、凸部の先端
側の部位のみを底板によって支持して床版遊間に突出さ
せ且つ凸部の基端側を床版に直接支持させた耐荷強度が
高いコンクリート凹凸版を形成することができる。
【0021】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係るジョイント部材を用いて、路面に開口する波形遊間
を備え且つ凸部の先端側の部位のみが床版遊間上に突出
し且つ凸部の基端側の部位が床版に直接支持されてなる
コンクリート凹凸版を形成したから、格別に背の高い波
形竪板を用いることなく、あるいは2枚の波形竪板を上
下に重ね合わせることなく、良好な車両走行性を得なが
ら、道路橋継目部の耐荷強度を高いものにすることがで
きる。
【0022】請求項3に係る発明によれば、床版端部に
段下げ部を形成してジョイント部材を段下げ部の底面よ
り高位置に配置し、波形遊間及び底板の下方の空間を塞
いでコンクリートを打設するようにしたから、請求項2
に係る道路橋の継目部構造を得ることができるととも
に、一方の床版に支持された波形竪板の下端ないしは底
板と他方の床版との干渉を生ずることがない継目部構造
が得られる。
【0023】請求項4に係る発明によれば、波形挿入材
を波形遊間に嵌めその下部を波形竪板より下方へ突出さ
せて上記段下げ部の上に載せ、底板の背面に堰板を固定
して、波形遊間の下方の空間及び底板の下方の空間を塞
ぐようにしたから、段下げ部に打設されたコンクリート
が底板及び波形遊間の下方へ流出すること、ひいては床
版遊間へ流出することを確実に防止することができ、請
求項1に係るジョイント部材を用いた道路橋継目部構造
の構築が容易になる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0025】<実施例1> −構造− 図1及び図2に示す道路橋の継目部構造において、1は
一対の波形竪板2,2によって形成された波形遊間、3
は各波形竪板2の背部にコンクリートを打設して形成さ
れたコンクリート凹凸版、4はコンクリート凹凸版3の
背部に続く舗装、5は床版、6は床版遊間である。
【0026】上記波形竪板2は、ジグザグに曲折して継
目長手方向に延びた竪板であり、一対の波形竪板2,2
を互いの凹部2aと凸部2bとが対向するように配設し
て上記波形遊間1を形成しているものである。波形竪板
2にはその各凸部2b毎に、該凸部2bの背部の下面の
一部を覆う底板7が設けられている。
【0027】すなわち、図3にも示すように、上記底板
7は、上記波形竪板2の凸部2bの背部の下面における
凸部先端側の部位を覆い、且つ該下面における凸部基端
側の部位を覆わないよう、該底板7の背面が上記波形竪
板2の凹部2aの背面よりも凸部先端側に寄った位置を
横方向(継目長手方向)に延びている(なお、図3では
後述するアンカーの記載を省略している)。本例の場
合、波形竪板2が台形波状に形成されているから、底板
7も台形状に形成されている。底板7の上記背面は床版
5の端面に沿うように位置付けられている。従って、波
形竪板2は、図4にも示すように、凸部2bの先端側の
部位が床版遊間6の上に突出し、凹部2aは床版5の端
部に形成された段下げ部8の上に位置している。
【0028】上記コンクリート凹凸版3は、上記底板7
及び床版段下げ部8の上にコンクリートを打設すること
によって形成されたものであって、上記波形竪板2によ
ってジグザグに曲折して継目長手方向に延びる波形端面
が形成されている。そして、上述の如く、波形竪板2の
凸部2bの先端側部位のみが床版遊間6の上に突出して
いるから、上記コンクリート凹凸版3はその凸部の先端
側部位のみが床版遊間6の上に突出し、且つ該突出部が
上記底板7によって支持されているとともに、該コンク
リート凹凸版3の凸部の基端側の部位は上記床版5に直
接支持されているものである。
【0029】また、上記波形遊間1にはシール部材9が
介装されていて、該シール部材9の両側部は波形竪板
2,2の内面に固着されている。シール部材9の内部に
は砂、液状ゴム等による充填材を詰めるようにしてもよ
い。なお、上記シール部材7に代えて液状シールゴムの
流し込みのみによって上記波形遊間1のシールを行なう
ようにしたり、断面矩形のスポンジ状弾性体を波形竪板
2,2の内面に貼付けすることによって当該シールを行
なうようにしてもよい。
【0030】また、上記波形竪板2の背面にはアンカー
11が突設され、上記コンクリート凹凸版3に埋設され
ている。図1乃至図4において、12は堰板、13は遊
間挿入材、14は波形挿入材であり、いずれも当該道路
橋継目部構造を構築する際のコンクリート施工のための
ものである。
【0031】−構築方法− 上記継目部構造の構築は以下のようにして行なうことが
できる。
【0032】初めにジョイント部材は工場において製作
される。このジョイント部材は、上記一対の波形竪板
2,2と、各波形竪板2の各凸部2b毎に設けられた底
板7と、両波形竪板2,2を連結するシール部材9と、
アンカー11とによって構成されており、波形竪板2,
2は互いの凹部2aと凸部2bとが対向し、波形遊間1
を形成している。
【0033】道路橋を新設する場合には、その床版コン
クリートの施工時に箱抜きを行なうことによって、端部
にコンクリート凹凸版3を形成するための段下げ部8を
有する床版5の形成する。
【0034】次に、床版遊間6及び段下げ部8,8の上
に床版5の上面高さまで詰め物をし該床版5の上面及び
詰め物の上に一連に舗装4を施す。
【0035】上記詰め物の両側において上記舗装にコン
クリートカッターによって継目長手方向に切れ目を入
れ、詰め物の上の舗装部分をコンクリート破砕機によっ
て砕いて除去し、さらに上記詰め物を除去する。
【0036】上記床版遊間6にスポンジ材等の弾性体に
よる遊間挿入材13を挿入して該床版遊間6を塞ぐ。そ
の際、遊間挿入材13の上面は段下げ部8の底面高さに
一致させる。一方、波形遊間1と同様にジグザグに曲折
して継目長手方向に延びる同じくスポンジ製の波形挿入
材14を波形竪板2,2の波形遊間1の下部に嵌め、該
波形挿入材14の下部を波形竪板2より下方へ突出させ
た状態とする。
【0037】そうして、上記波形挿入材14を嵌めたジ
ョイント部材を上記床版5,5の段下げ部8,8の中間
位置に配置し、波形竪板2の上端を路面高さに合わせる
一方、底板7の背面を床版5の端面に合わせる(なお、
底板7の背面は床版端面よりも段下げ部8側へ若干ずら
せて位置付けてもよい)。波形竪板2の下端及び底板7
の下面は段下げ部8の底面よりも高位置になるように予
め波形竪板2の高さ及び段下げ部8の深さを設定してお
く。そして、上記底板7の背面に堰板12を固定して該
底板7の下方の空間を塞ぐ。しかる後に、波形竪板2の
背部の上記底板7の上及び段下げ部8の上にコンクリー
トを路面高さまで打設してコンクリート凹凸版3を形成
する。
【0038】−作用効果− 従って、上記実施例によれば、道路橋継目部構造の構築
にあたって、遊間挿入材13の上面を段下げ部8の底面
と同じ高さにしたから、波形挿入材14の設置が容易に
なる。そして、波形竪板2の背部に打設されたコンクリ
ートは堰板12によって底板7の下方へ流れることが防
止され、波形挿入材14によって波形遊間1の下方へ流
れることが防止され、さらに、一部のコンクリートが底
板7の下等に洩れても遊間挿入材13によって床版遊間
6に洩れることが防止される。
【0039】そして、上述の如きジョイント部材を道路
橋の継目部に配置して上記コンクリートの打設を行なっ
たから、路面に開口する波形遊間1が継目部に形成され
るとともに、コンクリート凹凸版3は、その凸部の先端
側部位が底板7に支持されて床版遊間6の上に突出し、
凸部の基端側部位が段下げ部8の上に直接支持されたも
のになる。
【0040】よって、上記波形遊間1によって良好な車
両走行性が得られるとともに、コンクリート凹凸版3の
凸部の先端側部位のみが床版遊間6の上に突出し基端側
部位が床版5に直接支持されているから、高い耐荷強度
が得られる。そして、底板7が段下げ部8の底面よりも
高位置に位置付けられ、該底板7の下方にはコンクリー
トがないから、道路橋の伸長時に波形竪板2の下端ない
しは底板7の先端が相手側の床版5に干渉することはな
い。
【0041】なお、既設のジョイントを取り替える場合
や、既設の道路橋の増厚施工を行なう場合には、既設の
ジョイント部材を除去するとともに、道路橋の端部に段
下げ部を形成する。そして、ジョイント部材を配置し、
その背部にコンクリートを打設してコンクリート凹凸版
3を形成することになる。
【0042】また、上記実施例では、コンクリート凹凸
版3が単層であるが、該コンクリート凹凸版の下部をセ
メントコンクリート層によって形成し、該セメントコン
クリート層の上に舗装4と同様のアスファルトコンクリ
ート舗装を施すようにする、つまり、コンクリート凹凸
版を2層に形成してもよい。
【0043】<実施例2>本例は図5に要部のみが示さ
れており、構築方法に特徴がある。すなわち、実施例1
ではコンクリート施工のために堰板12、遊間挿入材1
3及び波形挿入材14を使用したが、本例は波形堰板2
1のみを使用している点に特徴がある。この波形堰板2
1は、底板7の背面及び波形竪板2の凹部2aの背面に
沿って曲折してなるものである。
【0044】従って、コンクリート施工に際しては、ジ
ョイント部材を波形竪板2の上端が路面高さに適合する
ように吊り下げ、波形堰板21をジョイント部材の背面
に設置し、その状態でコンクリートを波形竪板2の背部
に打設する。よって、本例の場合、遊間挿入材13や波
形挿入材14が不要になるため施工が容易になる。
【0045】なお、上記堰板21は予め波形に成形され
たものであるが、底板背面の継目長手方向に延びる部分
21aと、波形竪板2の凹部背面の継目長手方向に延び
る部分21bと、継目長手方向に対して傾斜して延びる
傾斜部分21cとが互いに別体に成形された分割タイプ
の堰板を用いるようにしてもよい。また、波形竪板2に
沿った部分(21c,21b,21c)と、底板背面に
沿った部分21aとが互いに別体になったものであって
もよい。
【0046】<実施例3>本例は図6に要部のみが示さ
れており、実施例2と同様に構築方法が実施例1と異な
る。すなわち、本例は、実施例1の堰板12を廃止し、
底板7と遊間挿入材13との間に波形挿入材14より側
方へ延設した形枠31を配置するようにしたものであ
る。
【0047】従って、上述の如き形枠31の配置によ
り、実施例1と同じ形状のコンクリート凹凸版を形成す
ることができる。
【0048】なお、上記形枠31は波形挿入材14と別
体に成形してもよい。あるいは遊間挿入材13、波形挿
入材14及び形枠31は互いに一体のものとして成形し
てもよい。
【0049】<実施例4>本例は図7に要部のみが示さ
れており、波形竪板42,42の振幅が大きい例であ
る。すなわち、波形竪板42,42の各々の凸部42b
は床版遊間6を越えて相手側の床版の段下げ部上に突出
している。他は実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の道路橋の継目部の平面図
【図2】同例の道路橋の継目部の断面図
【図3】同例のコンクリート施工前の道路橋の継目部を
一部断面で示す斜視図
【図4】同例のコンクリート施工前の状態を示す道路橋
の継目部の断面図
【図5】実施例2のコンクリート施工前の道路橋の継目
部を一部断面で示す斜視図
【図6】実施例3のコンクリート施工前の道路橋の継目
部を一部断面で示す斜視図
【図7】実施例4の道路橋の継目部の平面図
【符号の説明】
1 波形遊間 2,42 波形竪板 2a,42a 凹部 2b,42b 凸部 3 コンクリート凹凸版 4 舗装 5 床版 6 床版遊間 7 底板 8 段下げ部 12 堰板 13 遊間挿入材 14 波形挿入材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々ジグサグに曲折して横方向に延びる
    一対の波形竪板と、該波形竪板の各凸部毎に設けられ該
    凸部の背部の下面を覆う底板とを備えてなる道路橋用ジ
    ョイント部材において、 上記底板は、上記下面における凸部先端側の部位を覆い
    且つ該下面における凸部基端側の部位を覆わないよう、
    該底板の背面が上記波形竪板の凹部の背面よりも凸部先
    端側に寄った位置を横方向に延びていることを特徴とす
    る道路橋用ジョイント部材。
  2. 【請求項2】 道路橋の継目部において、上記請求項1
    に記載された道路橋用ジョイント部材が、ジグザグに曲
    折して継目長手方向に延びる波形遊間を形成するよう上
    記一対の波形竪板の互いの凹部と凸部とを対向させ、且
    つ上記底板の背面を床版端面に沿うように位置付けて、
    継目長手方向に配設され、 上記各波形竪板の背部にコンクリートが路面高さまで打
    設されて、上記波形竪板によって凹凸面が形成され且つ
    凸部の先端側の部位が床版遊間上に突出し該凸部の基端
    側の部位が床版端面より後退したコンクリート凹凸版が
    形成されていることを特徴とする道路橋の継目部構造。
  3. 【請求項3】 道路橋の継目部において、床版遊間を存
    して対向する床版の各々の端部に路面よりも低い段下げ
    部を形成し、 上記両段下げ部の間に請求項1に記載されている道路橋
    用ジョイント部材を、上記一対の波形竪板がジグザグに
    曲折して継目長手方向に延びる波形遊間を形成し上記底
    板の背面が道路橋の継目部の床版端面に沿い且つ該ジョ
    イント部材の下面が上記段下げ部の底面よりも高位置に
    なるように配置し、 上記波形遊間及び底板の下方の空間を塞いだ状態で、上
    記両波形竪板の背部の上記段下げ部の上及び上記底板の
    上にコンクリートを路面高さまで打設して上記コンクリ
    ート凹凸版を形成することを特徴とする道路橋の継目部
    構造の構築方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された道路橋の継目部の
    構築方法において、 上記波形遊間及び底板の下方の空間を塞ぐ工程が、 上記波形遊間に倣ってジグザグに曲折した波形挿入材を
    該波形遊間に嵌め、該波形挿入材の下部を上記波形竪板
    より下方へ突出させて上記段下げ部の上に載せることに
    より上記波形遊間の下方の空間を塞ぐことと、 上記底板の背面に堰板を固定して該底板の下方の空間を
    塞ぐこととよりなることを特徴とする道路橋の継目部構
    造の構築方法。
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