JP2591044B2 - フッ素樹脂組成物 - Google Patents

フッ素樹脂組成物

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JP2591044B2 JP63069006A JP6900688A JP2591044B2 JP 2591044 B2 JP2591044 B2 JP 2591044B2 JP 63069006 A JP63069006 A JP 63069006A JP 6900688 A JP6900688 A JP 6900688A JP 2591044 B2 JP2591044 B2 JP 2591044B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明はフッ素樹脂組成物、特に帯電防止性を有し、
かつ耐衝撃性に代表される機械的物性に優れる制電性フ
ッ素樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] 合成高分子材料は、その優れた特性によって広範な分
野で使用されている。これらの材料は帯電防止性、機械
的強度を付与されることによって、さらにその用途を拡
大することができる。すなわち、静電気による障害を防
止したい複写機、プリンター等の部品、各種防塵用部品
への用途展開が可能となる。
合成高分子材料の制電性を向上させる方法としては、
共役ジエンまたは/およびアクリル酸エステルとアルキ
レンオキサイド基を有するビニル系単量体を共重合して
得られる親水性ゴム状重合体にビニル系単量体またはビ
ニリデン単量体をグラフト重合して得る方法(特開昭55
−36237号公報)などが有り、実用的な制電効果を達成
している。
また、特開昭60−23435号公報は、ポリアミドエラス
トマ5〜80重量部とカルボキシル基を含有する変性ビニ
ル系重合体95〜20重量部の混合により、半永久的な制電
性を有する樹脂が得られることを開示している。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開昭55−36237号公報記載の親水性
ゴム状重合体に単量体をグラフト重合して得られた制電
性樹脂は特殊な親水性ゴム状重合体を使用しているた
め、その製造方法が繁雑なこと、および得られる樹脂の
機械的特性が劣る欠点があり、十分満足できるものでは
ない。また、特開昭60−23435号公報による制電性樹脂
は、カルボキシル基を有する変性ビニル系重合体の配合
量が多いため、熱履歴で容易にゲル化を起こし、成形品
の表面光沢が著しく悪くなり、満足できる組成物を得る
ことができない。
フッ素樹脂は、合成樹脂の中でも特に耐薬品性、耐候
性、耐摩耗性に優れており、その特性を生かし、成形
品、フィルムなどに多く利用されている。しかしなが
ら、フッ素樹脂を制電化する試みはなされておらず、半
永久的に制電性を有するフッ素樹脂組成物はなかった。
[課題を解決するための手段] 本発明者はフッ素樹脂に制電性を付与することができ
れば、さらに広い用途展開が可能となることに着眼し、
鋭意検討した結果、フッ素樹脂と特定のエラストマが高
い相溶性を有することを見出し、上記課題がフッ素樹脂
に特定のエラストマを少量ブレンドすることで達成でき
ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A)フッ素樹脂 1〜99重量部 (B)(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(エチレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)
グリコールおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドのブロックまたはランダム共重合体から選択される1
種以上のポリ(アルキレンオキシド)グリコールを必須
成分とする原料を反応させて得られるポリアミドエラス
トマ 1〜40重量部 (C)ゴムグラフト(共)重合体 0〜90重量部 を(A)、(B)および(C)の合計量が100重量部と
なるように配合し、かつ全体に占めるゴム質重合体の量
が40重量%以下であるフッ素樹脂組成物ならびに該組成
物から成る成形品またはフィルムを提供するものであ
る。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明における(A)フッ素樹脂としては、ポリビニ
リデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レンおよびこれと共重合可能なエチレン系不飽和化合物
との共重合体などが挙げられる。共重合可能なエチレン
系不飽和化合物としては、エチレン、プロピレンなどの
オレフィン類、ビニリデンフルオライド、クロロトリフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニルク
ロライド、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの
ハロゲン化オレフィン類などが挙げられる。
好ましいフッ素樹脂としては、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレンとエチレンの共重合体、クロロトリフルオ
ロエチレンとエチレンの共重合体などが挙げられ、特に
ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合
体が好ましい。
フッ素樹脂の形態としては、分散体または粉体、ペレ
ットなどが有るが、通常粉体またはペレットが用いられ
る。フッ素樹脂の重合方法は、乳化重合、懸濁重合、塊
状重合、溶液重合など通常の方法を用いることができ
る。
本発明における(B)ポリアミドエラストマとは、
(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(エチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコ
ールおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブ
ロックまたはランダム共重合体から選択される1種以上
のポリ(アルキレンオキシド)グリコールを必須成分と
する原料を反応させて得られるものであり、例えば
(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールとの反応から得られるブロックまた
はグラフト共重合体などである。
(a)ポリアミド形成成分としては、具体的にはω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン
酸および11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸などのアミノカルボン酸あるいはカプロラクタム、エ
ナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラクタ
ムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−アジ
ピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩およ
びヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジア
ミン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン−
アジピン酸塩が好ましく用いられる。
本発明で用いられる(b)ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールは、ポリ(エチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールおよびエチ
レンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはラ
ンダム共重合体から選択される1種以上であり、ポリ
(プロピレンオキシド)グリコールとしては、ポリ(1,
2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロ
ピレンオキシド)グリコールが挙げられる。これらの中
でも、帯電防止性が優れる点で、特にポリ(エチレンオ
キシド)グリコールが好ましく用いられる。この場合、
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量
は200〜6000、特に400〜4000の範囲が好ましい。
さらに、(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ルと組合せて、次式(I)〜(III)で示されるジオー
ル化合物を用いることができる。
(ただし式中、R1、R2は、エチレンオキシド基および/
またはプロピレンオキシド基を示し、Yは共有結合、炭
素数1〜6のアルキレン基、アルキリデン基、シクロア
ルキリデン基、アリールアルキリデン基、O、SO、S
O2、CO、S、CF2、C(CF3またはNHを示す。) 具体的な例としては、ビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド
付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物、
ビスフェノールSのプロピレンオキシド付加物、臭素化
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、臭素化ビ
スフェノールAのプロピレンオキシド付加物等のビスフ
ェノール類のエチレンオキシドおよび/またはプロピレ
ンオキシド付加物、ハイドロキノンのエチレンオキシド
および/またはプロピレンオキシド付加物、ジヒドロキ
シナフタレンのエチレンオキシドおよび/またはプロピ
レンオキシド付加物およびそれらのブロック(共)重合
体、4,4′−(ヒドロキシ)ビフェニルのエチレンオキ
シド付加物、4,4′−ビス(ヒドロキシ)ビフェニルの
プロピレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィドのエチレンオキシド付加物、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルフィドのプロピレンオキシ
ド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ドのエチレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシドのプロピレンオキシド付加物、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのエチレンオキシ
ド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのプ
ロピレンオキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテルのエチレンオキシド付加物、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテルのプロピレンオキシド付加
物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アミンのエチレン
オキシド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アミ
ンのプロピレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタンのエチレンオキシド付加物、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのプロピレ
ンオキシド付加物、4,4′−ジヒドロキシベンゾフィノ
ンのエチレンオキシド付加物、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサンのエチレンオキシド付加
物、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンの
プロピレンオキシド付加物等のビスフェノール類を挙げ
ることができる。
好ましいジオール化合物としては、ハイドロキノンの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、臭素化ビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付
加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキシド付加
物およびそのブロック重合体であり、特にビスフェノー
ルAのエチレンオキシド付加物およびそのブロック重合
体が好ましい。また、臭素化ビスフェノールAのエチレ
ンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールSのエチレン
オキシド付加物などを用いることにより、樹脂組成物の
難燃性を向上させることができる。
また、一般式(I)〜(III)で示されるジオール化
合物は、その芳香環の水素の一部をアルキル基、アリキ
レン基、アリール基、ハロゲン、SO3Naなどに置きかえ
たもの、また芳香環をシクロヘキサン環に置きかえたも
のを用いることもできる。
これらのポリ(アルキレンオキシド)グリコールと一
般式(I)〜(III)で示されるジオール化合物は、1
種もしくは必要に応じて2種以上用いることができる。
一般式(I)〜(III)で示されるジオール化合物の量
について特に制限はないが、ジカルボン酸と共重合して
得られたポリエーテルエステル単位で0〜60重量%範囲
であるのが好ましい。
また、本発明の効果の損なわない範囲内において他の
ジオール化合物を共重合することができる。具体的に
は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキ
サンジオールなどの脂肪族ジオール、p−キシリレング
リコール、m−キシリレングリコールなどの芳香族ジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂環族ジオール化合物、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオ
キシド)グリコール、エチレンオキシドとテトラヒドロ
フランのブロックまたはランダム共重合体などを共重合
することができる。
本発明のポリアミドエラストマの反応の例としては、
(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールは(b)ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールの末端基に応じてエステル反応またはア
ミド反応が考えられる。
また、反応に応じてジカルボン酸やジアミンなどの第
3成分(c)を用いることもてきる。
この場合、ジカルボン酸成分としては炭素原子数4〜
20のものが好ましく用いられ、具体的にはテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニ
ル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムのごと
き芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およびジシク
ロヘキシル−4,4′−ジカルボン酸のごとき脂環族ジカ
ルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバ
シン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン酸)のご
とき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特にテレフタ
ル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、セバシン酸、アジピン酸およびドデカンジ酸が重合
性、色調および物性の点から好ましく用いられる。
ジアミン成分としては、例えば芳香族、脂環族、脂肪
族ジアミンが挙げられる。その中で脂肪族ジアミンのヘ
キサメチレンジアミンが経済的な理由から好ましく用い
られる。
ポリエーテルエステルまたはポリエーテル成分は、ポ
リアミドエラストマの構成単位で90〜10重量%範囲で用
いられ、90重量%を越える場合は、ポリアミドエラスト
マの機械的特性が劣り、10重量%未満では樹脂の帯電防
止性が劣り好ましくない。
(B)ポリアミドエラストマの製法に関しては特に限
定されず、例えば特開昭56−65026号公報、特開昭60−1
77022号公報などに開示されている方法を利用すること
ができる。
本発明では一層の性能向上のために、さらに(C)ゴ
ムグラフト(共)重合体を配合することができる。
本発明における(C)ゴムグラフト(共)重合体と
は、ゴム質重合体に少なくとも1種のビニル系単量体を
グラフトさせたグラフト(共)重合体である。具体的に
はゴム変性ポリスチレン、スチレン−ゴム質重合体−ア
クリロニトリル共重合体(ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹
脂)、メタクリル酸メチル−ゴム質重合体−スチレン共
重合体(MBS樹脂)などが挙げられる。これらは2種以
上用いることもできる。さらに、これらのスチレンおよ
び/またはアクリロニトリルの一部をα−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、
(メタ)アクリル酸またはこれらのメチル、エチル、プ
ロピル、n−ブチルなどのエステル化合物、不飽和ジカ
ルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマ
レイミド系単量体、アクリルアミド等のスチレンと共重
合可能なビニル系単量体に置換されているものも含まれ
る。
本発明におけるゴム質重合体とは、ガラス転移温度が
0℃以下のものが好適であり、具体的にはポリブタジエ
ン、ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリロニトリル
−ブタジエン、ポリアクリル酸ブチル−ブタジエン等の
ジエン系ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴムおよびエチレン
−プロピレン−ジエン系モノマ三元共重合体等である。
特にポリブタジエンおよびブタジエン共重合体が好まし
い。
(C)ゴムグラフト(共)重合体の製造法は特に制限
はなく、例えばゴム質重合体の存在下に上記ビニル系単
量体または単量体混合物を(共)重合して得られたグラ
フト(共)重合体を単独あるいは硬質樹脂(例えば、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチ
ル−スチレン共重合体などのビニル系(共)重合体)と
の混合によってゴム質重合体を希釈して使用する方法な
どによって得ることができる。
また、(C)ゴムグラフト(共)重合体の組成物中で
の分散性を改良し、機械的物性を向上させるために、カ
ルボキシル基、エポキシ基、アミノ基および置換アミノ
基から成る群から選ばれた少なくとも1種の官能基を含
有する変性ビニル系重合体を配合することもできる。
かくして得られた重合体は、(A)フッ素樹脂1〜99
重量部、好ましくは10〜90重量部、(B)ポリアミドエ
ラストマ1〜40重量部、好ましくは3〜30重量部、
(C)ゴムグラフト(共)重合体0〜90重量部、好まし
くは0〜80重量部の範囲内で、(A)+(B)+(C)
が100重量部となるように配合する。
(A)フッ素樹脂が1重量部未満では樹脂組成物の耐
候性、耐摩耗性が悪くなり、98重量部を越える場合、樹
脂組成物の帯電防止性が不足し好ましくない。
(B)ポリアミドエラストマが1重量部未満では樹脂
組成物の帯電防止性が不足し、40重量部を越える場合、
樹脂組成物が柔軟になり、機械的性質が劣るため好まし
くない。
また(C)ゴムグラフト(共)重合体が90重量部を越
える場合、樹脂組成物の帯電防止性が不足し好ましくな
い。
(C)ゴムグラフト(共)重合体を配合する場合、必
要なことは樹脂組成物中に占めるゴム質重合体の割合が
40重量%以下、好ましくは30重量%以下であることであ
る。40重量%を越えると樹脂組成物が柔軟になり、機械
的性質が劣るので好ましくない。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限は
なく、通常の方法が用いられる。例えば(A)フッ素樹
脂、(B)ポリアミドエラストマの樹脂混合物をバンバ
リーミキサー、ロール、エクストルーダーなどで溶融混
練することによって製品化される。
また、溶融混練が困難な場合は、樹脂粒子、粉末等を
混合ブレンドし圧縮成形することもできる。
本発明の樹脂組成物は、フィルムとしても有用であ
り、一般熱可塑性樹脂をフィルム化する装置などを用い
ることによって製品化される。
本発明の樹脂組成物は、本発明の樹脂組成物と相溶性
のある他の熱可塑性重合体、例えばポリアミド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、塩化ビニ
ル樹脂、ポリグルタルイミド、水素添加および/または
水素未添加のスチレン−ブタジエンブロック共重合体な
どのエラストマなどを混合して、成形用樹脂としての性
能を改良することができる。
また、スルホン酸の金属塩やアニオン系、カチオン
系、非イオン系の界面活性剤などの帯電防止剤を添加し
て帯電防止性を一層向上させることも可能であり、さら
に必要に応じてオリゴマなどの相溶化剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの各種安定剤や顔料、染料、滑剤、お
よび可塑剤、ガラス繊維、難燃剤などを添加することも
できる。
[実 施 例] 本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施
例および比較例を挙げて説明する。なお、最終的に得ら
れた樹脂組成物は射出成形法、または圧縮成形法によっ
て成形された後、下記の試験法により諸物性を測定し
た。
アイゾット衝撃強度: ASTM D256−56A 体積固有抵抗値: 2mmt×40mmφ円盤または100μmのフィルムを用い、
室温23℃、湿度50%RH雰囲気下で測定した。測定には東
亜電波工業(株)製の超絶縁抵抗計SM−10型を用いた。
成形品の層状剥離は成形品を折り曲げ、破断させた面
の観察により行い、◎;極めて良好、○;良好、×;成
形品が層状剥離を起こす、を判定基準とした。
また、実施例中の部数および%は、それぞれ重量部お
よび重量%を示す。
参 考 例 (1)(A)フッ素樹脂 A−1:ポリビニリデンフルオライド (Pennwalt社製Kynar2800) A−2:ポリクロロトリフルオロエチレン (ダイキン工業(株)製ネオフロンCTFE) A−3:テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体 (ダイキン工業(株)製ネオフロンETFE) A−4:ポリテトラフルオロエチレン (三井デュポンフロロケミカル(株)製テフロンTFE) (2)(B)ポリアミドエラストマの調製 B−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が1000のポリ
エチレングリコール44.2部およびテレフタル酸7.8部を
“イルガノックス"1098(酸化防止剤)0.3部および三酸
化アンチモン触媒0.1部と共に、ヘリカルリボン攪拌翼
を備えた反応器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間
加熱攪拌して透明な均質溶液とした後、260℃、0.5mmHg
以下の条件で3時間30分重合し、粘稠で透明なポリマを
得た。ポリマを冷却ベルト上にガット上に吐出し、ペレ
タイズすることによって、ペレット状のポリアミドエラ
ストマ(B−1)を調製した。
B−2:カプロラクタム45部、ビスフェノールAのエチレ
ンオキシド付加物(ニューポールBPE20、三洋化成工業
(株)製)7.2部、数平均分子量が1000のポリエチレン
グリコール39.8部およびテレフタル酸10.9部を“イルガ
ノックス"1098(酸化防止剤)0.3部および三酸化アンチ
モン0.02部と共に、ヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応
容器に仕込み、N2置換して260℃で60分間加熱攪拌して
透明な均質溶液とした。次いで減圧プログラムに従っ
て、500mmHgまで減圧して反応容器気相部の水分を除去
した後、ジルコニウムテトラブトキサイド0.08部を添加
し、再び減圧プログラムに従って減圧し、260℃、0.5mm
Hg以下の条件下で3時間20分重合し、粘稠で透明なポリ
マを得た。ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出し、
ペレタイズすることによって、ペレット状のポリアミド
エラストマ(B−2)を調製した。
B−3:数平均分子量が4000のポリエチレングリコールに
アクリロニトリルを反応させ、さらに水素添加反応を行
うことにより、両末端がアミノ基であるポリエチレング
リコールジアミンを得た。これとテレフタル酸とを常法
により塩反応を行い、ポリエチレングリコールジアンモ
ニウムテレフタレートの40%水溶液を得た。
濃縮罐に上記40%のポリエチレングリコールジアンモ
ニウムテレフタレート水溶液を200部、85%カプロラク
タム水溶液を120部、40%ヘキサメチレンジアンモニウ
ムアジペート水溶液16部を投入し、常圧で内温が110℃
になるまで約2時間加熱し、80%濃度に濃縮した。続い
て重合罐に上記濃縮液を移行し、重合罐内に窒素を流し
ながら加熱を開始した。
内温が120℃になった時点で、所定量のドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムと、1,3,5トリメチル−2,4,6
−トリ(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシベンジン)
ベンゼンを10部添加し、攪拌を開始して内温が245℃に
なるまで昇温した。245℃で18時間加熱し重合を完結さ
せた。
以降、B−1と同じ方法でペレット状のポリアミドエ
ラストマ(B−3)を調製した。
(3)(C)ゴムグラフト(共)重合体の調製 C−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下にスチレン
72%、アクリロニトリル28%からなる単量体混合物40部
を乳化重合した。得られたグラフト共重合体ラテックス
は硫酸で凝固し、苛性ソーダで中和、洗浄、過、乾燥
してパウダー状のグラフト共重合体(C−1)を調製し
た。
C−2:C−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下にメタクリル酸メチル72%、ス
チレン24%、アクリロニトリル4%から成る単量体混合
物60部を乳化重合した。
得られたグラフト共重合体ラテックスはC−1と同一
方法で処理し、パウダー状のグラフト共重合体(C−
2)を調製した。
実施例1〜8 参考例で調製した(A)フッ素樹脂、(B)ポリアミ
ドエラストマ、(C)ゴムグラフト(共)重合体を表1
に示した配合比で混合し、ベント付40mmφ押出機および
射出成形機を用いて成形、または混合物を圧縮成形する
ことで試験片を作成した。
体積固有抵抗は、厚さ2mmの円板または100μmのフィ
ルムを用いて、次の条件で測定した。
(1) 成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し、続いて重流水で十分洗浄し
てから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で24時間
調湿して測定した。
(2) 成形後50%RH、23℃中に200日放置した後、洗
剤“ママレモン”水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分
洗浄してから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。
測定結果を表2に示した。
比較例1〜5 参考例で調製した(A)フッ素樹脂、(B)ポリアミ
ドエラストマおよびゴムグラフト(共)重合体を表1に
示した配合比で混合し、実施例1と同様の方法で各物性
を測定した。
結果を表2に併せて示した。
表2の結果から次のことが明らかである。本発明の樹
脂組成物(実施例1〜8)はいずれも衝撃強度が高く、
優れた層状剥離防止性を有しており、かつ低い体積固有
抵抗値を有している。
しかも表面洗浄や経時変化によっても抵抗値はほとん
ど変化せず、優れた永久帯電防止性を発揮する。
すなわち、本発明の樹脂組成物は優れた機械的性質と
成形品の外観および永久帯電防止性を兼備する。
一方、フッ素樹脂(A)の配合量が1重量部未満の場
合(比較例−4)は、フッ素樹脂の耐候性、耐摩耗性等
といった特長が生かされないばかりか、帯電防止性(抵
抗値)が劣る。ポリアミドエラストマ(B)が1重量部
未満の場合(比較例−1,3,5)は帯電防止性が劣り、40
重量部を越える場合(比較例−2)は、耐衝撃性が劣る
ため好ましくない。
組成物中にゴム質重合体の含有量が40重量部を越える
場合(比較例−4)は、帯電防止性および成形品の表面
光沢が悪くなるため好ましくない。
すなわち、本発明の樹脂組成物は優れた機械的性質と
永久帯電防止性を兼備し、かつ成形品の層状剥離が極め
て良好な組成物である。
[発明の効果] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は特定の(A)、
(B)、および(C)を特定量配合しているため、耐薬
品性、耐候性、耐摩耗性はもちろんのこと、永久帯電防
止性、耐衝撃性等の機械的特性および成形品の表面光沢
が共に優れ、かつ層状剥離のないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−213357(JP,A) 特開 昭62−158743(JP,A) 特開 昭63−308063(JP,A) 特開 昭61−246244(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フッ素樹脂 1〜99重量部 (B)(a)ポリアミド形成成分と(b)ポリ(エチレ
    ンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)
    グリコールおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシ
    ドのブロックまたはランダム共重合体から選択される1
    種以上のポリ(アルキレンオキシド)グリコールを必須
    成分とする原料を反応させて得られるポリアミドエラス
    トマ 1〜40重量部 (C)ゴムグラフト(共)重合体 0〜90重量部 を(A)、(B)および(C)の合計量が100重量部と
    なるように配合し、かつ全体に占めるゴム質重合体の量
    が40重量%以下であるフッ素樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフッ素樹脂組成物からなる
    成形品。
  3. 【請求項3】請求項1記載のフッ素樹脂組成物からなる
    フィルム。
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