JP2590884Y2

JP2590884Y2 - 能動型消音器

Info

Publication number: JP2590884Y2
Application number: JP1992053319U
Authority: JP
Inventors: 尚文佐伯; 良久竹森; 普相馬
Original assignee: カルソニック株式会社
Priority date: 1992-07-29
Filing date: 1992-07-29
Publication date: 1999-02-24
Anticipated expiration: 2007-07-29
Also published as: JPH0614424U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、排気ガスの騒音を、二
次音源により積極的に消音するようにした能動型消音器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、排気ガスの騒音を、二次音源によ
り積極的に消音するようにした能動型消音器としては、
例えば、特表昭５８−５０１２９２号公報に開示される
ものが知られている。

【０００３】図１１および図１２は、この種の能動型消
音器を示すもので、図において符号１１は、横断面矩形
形状をした消音器本体を示している。この消音器本体１
１は、所定間隔を置いて配置される隔壁１３により３分
割され、中央に消音室１５が形成され、この消音室１５
の両側にスピーカ室１７が形成されている。

【０００４】そして、消音室１５内には、排気ガスＧを
流通する排気管１９が挿通されており、この排気管１９
には、消音室１５内に位置する部分に、全体にわたって
多数の小孔２１が形成されている。

【０００５】一対の隔壁１３には、排気管１９を中心に
して対向する位置に開口部２３が形成され、この開口部
２３に二次音源であるスピーカ２５が配置されている。
隔壁１３の開口部２３には、スピーカ２５を保護するた
めの保護板２７が配置され、この保護板２７には、多数
の小孔２９が形成されている。

【０００６】消音室１５およびスピーカ室１７には、例
えば、グラスウールからなる吸音材３１が収容されてい
る。また、消音室１５内には、マイクロホン３３が配置
されている。

【０００７】このような能動型消音器では、マイクロホ
ン３３により排気ガスＧの騒音を検出し、この検出され
た騒音と逆位相の消去音をスピーカ２５から放射するこ
とにより、いわゆる能動的な消音が行われる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の能動型消音器では、高温の排気ガスを流通す
る排気管１９の比較的近傍にスピーカ２５が配置されて
いるため、高温の排気ガスにより直接的に、あるいは排
気ガスの輻射熱により間接的に、スピーカ２５に多大な
熱負荷がかかり、スピーカ２５の寿命が短くなるという
問題があった。

【０００９】一方、スピーカ２５の耐熱設計値を大きく
することにより、寿命を増大することができるが、耐熱
設計値の増大にも限界があるという問題があった。本考
案は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、
二次音源に作用する熱負荷を従来より大幅に低減するこ
とができる能動型消音器を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の能動型消音器
は、消音器本体を隔壁により仕切り消音室を形成すると
ともに、この消音室内に、排気ガスを流通する排気管を
挿通し、前記隔壁に形成される開口部に、二次音源を配
置してなる能動型消音器において、前記消音室の中央に
挿通した排気管の水平方向両側に２つの二次音源を左右
対称に配置するとともに、これら二次音源と排気管との
間の上下方向に前記消音器本体の上板および下板とを貫
通して外気に開放する多数の冷却管を配設してなり、前
記冷却管に外部空気を流通させることを特徴とする。請
求項２の能動型消音器は、請求項１記載の能動型消音器
において、前記冷却管は、下端が車両の前方側に向くよ
うに傾斜配置されていることを特徴とする。請求項３の
能動型消音器は、請求項１または２記載の能動型消音器
において、前記冷却管の下端には、車速風を取り込むた
めのフィンが配置されていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】請求項１の能動型消音器では、排気ガスの熱
が、冷却管内を流通する空気と熱交換され、吸熱が行わ
れる。そして、消音器本体の下方の外部空気は、冷却管
の下端開口から冷却管内に流入し、冷却管を介して排気
ガスの熱と熱交換した後、温度の上昇により上方に向け
て流れ、冷却管の上端開口から大気中に流出する。請求
項２の能動型消音器では、冷却管が、下端が車両の前方
側に向くように傾斜配置され、車両の移動時に、車速風
が冷却管内に効率的に導入される。請求項３の能動型消
音器では、冷却管の下端に、車速風を取り込むためのフ
ィンが配置され、車両の移動時に、フィンにより、車速
風が冷却管内に効率的に導入される。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の詳細を図面に示す実施例につ
いて説明する。図１ないし図３は、本考案の能動型消音
器の第１の実施例を示しており、図において符号４１
は、横断面矩形形状をした消音器本体を示している。

【００１３】この消音器本体４１は、所定間隔を置いて
配置される一対の隔壁４３により３分割され、中央に消
音室４５が形成され、この消音室４５の両側にスピーカ
室４７が形成されている。

【００１４】そして、消音室４５内には、排気ガスＧを
流通する排気管４９が挿通されており、この排気管４９
には、多数の小孔５１が形成されている。一対の隔壁４
３には、排気管４９を中心にして対向する位置に開口部
５３が形成され、この実施例では、開口部５３の中心の
位置は、消音器本体４１の下流側端から、消音器本体４
１の全長の１／３の距離に位置している。

【００１５】そして、この開口部５３に二次音源であ
る、例えば、ラウンドスピーカからなるスピーカ５５が
配置されている。隔壁４３の開口部５３には、スピーカ
５５を保護するための保護板５７が配置され、この保護
板５７には、多数の小孔５９が形成されている。

【００１６】消音室４５およびスピーカ室４７には、例
えば、グラスウールからなる吸音材６１が収容されてい
る。また、消音室４５内には、マイクロホン６３が配置
されている。

【００１７】しかして、この実施例では、消音室４５内
には、外部空気を流通させる多数の冷却管６５が配置さ
れている。すなわち、この実施例では、消音器本体４１
の上板６７および下板６９には、消音室４５に対応する
位置に多数の貫通孔が形成されており、この貫通孔に、
冷却管６５の上端と下端とが挿入固定されている。

【００１８】冷却管６５は、例えば、３００℃以上の耐
熱性を有する熱伝導性の良好な金属等からなるチューブ
により形成されている。上述した能動型消音器では、マ
イクロホン６３により排気ガスＧの騒音を検出し、この
騒音と逆位相の消去音をスピーカ５５から放射すること
により、いわゆる能動的な消音が行われる。

【００１９】一方、消音器本体４１の下方の外部空気
は、冷却管６５の下端開口から冷却管６５内に流入し、
冷却管６５を介して排気ガスの熱と熱交換した後、温度
の上昇により上方に向けて流れ、冷却管６５の上端開口
から大気中に流出する。

【００２０】しかして、上述した能動型消音器では、消
音室４５内に、外部空気を流通させる冷却管６５を配置
したので、排気ガスの熱が、冷却管６５内を流通する空
気と熱交換され、吸熱が行われるため、スピーカ５５に
作用する熱負荷を従来より大幅に低減することができ
る。

【００２１】すなわち、排気管４９を流れる排気ガスの
輻射熱が冷却管６５により有効に吸収されるため、スピ
ーカ５５の振動面等への熱の侵入を確実に低減すること
ができ、スピーカ５５に作用する熱負荷が従来より大幅
に低減し、これにより、スピーカ５５の耐熱設計値を従
来より大幅に低くすることが可能になる。

【００２２】また、消音室４５の温度が低くなるため、
スピーカ５５からの放射音の伝達損失、あるいは、スピ
ーカ５５への音響波の伝達損失が低減し、良好な消音特
性を得ることが可能になる。さらに、上述した能動型消
音器では、消音室４５の中央に挿通した排気管４９の水
平方向両側に２つのスピーカ５５を左右対称に配置し、
これらスピーカ５５と排気管４９との間に冷却管６５を
配置したので、排気管４９からスピーカ５５に向かう輻
射熱を冷却管６５により確実に冷却することができる。
また、消音器本体４１の上板６７および下板６９とを貫
通して、外気に開放する多数の冷却管６５を上下方向に
配設したので、消音器本体４１の下方の外部空気が、冷
却管６５の下端開口から冷却管６５内に流入し、冷却管
６５を介して排気ガスの熱と熱交換した後、温度の上昇
により上方に向けて流れ、冷却管６５の上端開口から大
気中に流出するため、外気の自然循環により冷却効率を
向上することができる。

【００２３】図４は、本考案の能動型消音器の第２の実
施例を示すもので、この実施例では、冷却管６５は、下
端が車両の前方側に向くように傾斜配置されている。こ
の能動型消音器においても、第１の実施例とほぼ同様の
効果を得ることができるが、この実施例では、冷却管６
５を、下端が車両の前方側に向くように傾斜配置したの
で、車両の移動時に、車速風が冷却管６５内に効率的に
導入され、上端開口部から円滑に流出するため、大気の
流通量が増大し、熱交換効率を向上することができる。

【００２４】図５は、本考案の能動型消音器の第３の実
施例を示すもので、この実施例では、消音器本体４１の
下面６９に、所定間隔を置いて複数の外気取入部材７
１，７２が固定されている。

【００２５】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では、外気取入部材７１，７２の開口部から、車速風が
冷却管６５内に効率的に導入されるため、大気の流通量
が増大し、熱交換効率を向上することができる。

【００２６】図６は、本考案の能動型消音器の第４の実
施例を示すもので、この実施例では、消音器本体４１の
下面６９に、前端に開口部を有する外気取入部材７３が
固定され、上面６７に、前端および後端に開口部を有す
るベンチュリー管部材７５が固定されている。

【００２７】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では、車両の移動時に、外気取入部材７３の開口部か
ら、車速風が冷却管６５内に効率的に導入され、一方、
ベンチュリー管部材７５により消音器本体４１の上面６
７が負圧になるため、冷却管６５内の空気が上方に向け
て吸引され、上端開口部から円滑に流出するため、大気
の流通量が増大し、熱交換効率を向上することができ
る。

【００２８】図７は、本考案の能動型消音器の第５の実
施例を示すもので、この実施例では、消音器本体４１の
下面６９に、車速風を取り込むための多数のフィン７７
が配置されている。

【００２９】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では、車両の移動時に、フィン７７により、車速風が冷
却管６５内に効率的に導入されるため、大気の流通量が
増大し、熱交換効率を向上することができる。

【００３０】図８は、本考案の能動型消音器の第６の実
施例の冷却管６５の近傍を示すもので、この実施例で
は、冷却管６５の外周に、例えば、スカイブドフィンか
らなるフィン７９が形成されている。

【００３１】この能動型消音器では、フィン７９により
冷却管６５への伝熱特性を向上することができ、また、
フィン７９によりグラスウール等の吸音材６１をより確
実に保持することが可能になる。

【００３２】図９および図１０は、本考案の能動型消音
器の第７の実施例の冷却管６５の近傍を示すもので、こ
の実施例では、複数の冷却管６５を連結して例えば、プ
レートフィンからなるフィン８１が配置されている。

【００３３】この能動型消音器でも第６の実施例と同様
の効果を得ることができるが、この実施例では、冷却管
６５への伝熱特性をより向上することができ、また、音
響的には、フィン８１を無視することができ、吸音効果
をより向上することができる。

【００３４】

【考案の効果】以上述べたように、請求項１の能動型消
音器では、消音室内に、外部空気を流通させる冷却管を
配置したので、排気ガスの熱が、冷却管内を流通する空
気と熱交換され、吸熱が行われるため、二次音源に作用
する熱負荷を従来より大幅に低減することができるとい
う利点がある。また、消音室の中央に挿通した排気管の
水平方向両側に２つの二次音源を左右対称に配置し、こ
れら二次音源と排気管との間に冷却管を配置したので、
排気管から二次音源に向かう輻射熱を冷却管により確実
に冷却することができる。さらに、消音器本体の上板お
よび下板とを貫通して、外気に開放する多数の冷却管を
上下方向に配設したので、消音器本体の下方の外部空気
が、冷却管の下端開口から冷却管内に流入し、冷却管を
介して排気ガスの熱と熱交換した後、温度の上昇により
上方に向けて流れ、冷却管の上端開口から大気中に流出
するため、外気の自然循環により冷却効率を向上するこ
とができる。請求項２の能動型消音器では、冷却管を、
下端が車両の前方側に向くように傾斜配置したので、車
両の移動時に、車速風が冷却管内に効率的に導入され、
上端開口部から円滑に流出するため、大気の流通量が増
大し、熱交換効率を向上することができる。請求項３の
能動型消音器では、車両の移動時に、フィンにより、車
速風が冷却管内に効率的に導入されるため、大気の流通
量が増大し、熱交換効率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の能動型消音器の第１の実施例を示す断
面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。

【図４】本考案の能動型消音器の第２の実施例を示す断
面図である。

【図５】本考案の能動型消音器の第３の実施例を示す断
面図である。

【図６】本考案の能動型消音器の第４の実施例を示す断
面図である。

【図７】本考案の能動型消音器の第５の実施例を示す断
面図である。

【図８】本考案の能動型消音器の第６の実施例の冷却管
の近傍を示す説明図である。

【図９】本考案の能動型消音器の第７の実施例の冷却管
の近傍を示す説明図である。

【図１０】図９のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【図１１】従来の能動型消音器の一例を示す断面図であ
る。

【図１２】図１１の断面図である。

【符号の説明】

４１消音器本体４３隔壁４５消音室４９排気管５３開口部５５スピーカ（二次音源）６５冷却管７７フィン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平４−350314（ＪＰ，Ａ) 特開平５−98927（ＪＰ，Ａ) 実開昭52−116642（ＪＰ，Ｕ) 実開昭60−127416（ＪＰ，Ｕ) 特表昭58−501292（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F01N 1/00 F01N 1/24 F01P 1/06 G10K 11/178

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】消音器本体（４１）を隔壁（４３）によ
り仕切り消音室（４５）を形成するとともに、この消音
室（４５）内に、排気ガスを流通する排気管（４９）を
挿通し、前記隔壁（４３）に形成される開口部（５３）
に、二次音源（５５）を配置してなる能動型消音器にお
いて、前記消音室（４５）の中央に挿通した排気管（４９）の
水平方向両側に２つの二次音源（５５，５５）を左右対
称に配置するとともに、これら二次音源（５５，５５）
と排気管（４９）との間の上下方向に前記消音器本体
（４１）の上板（６７）および下板（６９）とを貫通し
て外気に開放する多数の冷却管（６５）を配設してな
り、前記冷却管（６５）に外部空気を流通させることを
特徴とする能動型消音器。
【請求項２】前記冷却管（６５）は、下端が車両の前
方側に向くように傾斜配置されていることを特徴とする
請求項１記載の能動型消音器。
【請求項３】前記冷却管（６５）の下端には、車速風
を取り込むためのフィン（７７）が配置されていること
を特徴とする請求項１または２記載の能動型消音器。