JP2590886Y2

JP2590886Y2 - 能動型消音器

Info

Publication number: JP2590886Y2
Application number: JP5391992U
Authority: JP
Inventors: 弘之河井; 普相馬; 尚文佐伯; 良久竹森
Original assignee: カルソニック株式会社
Priority date: 1992-07-31
Filing date: 1992-07-31
Publication date: 1999-02-24
Anticipated expiration: 2007-07-31
Also published as: JPH0614428U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、排気ガスの騒音を、二
次音源により積極的に消音するようにした能動型消音器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、排気ガスの騒音を、二次音源によ
り積極的に消音するようにした能動型消音器としては、
例えば、特表昭５８−５０１２９２号公報に開示される
ものが知られている。

【０００３】図８および図９は、この種の能動型消音器
を示すもので、図において符号１１は、横断面矩形形状
をした消音器本体を示している。この消音器本体１１
は、所定間隔を置いて配置される隔壁１３により３分割
され、中央に消音室１５が形成され、この消音室１５の
両側にスピーカ室１７が形成されている。

【０００４】そして、消音室１５内には、排気ガスＧを
流通する排気管１９が挿通されており、この排気管１９
には、消音室１５内に位置する部分に、全体にわたって
多数の小孔２１が形成されている。

【０００５】一対の隔壁１３には、排気管１９を中心に
して対向する位置に開口部２３が形成され、この開口部
２３に二次音源であるスピーカ２５が配置されている。
隔壁１３の開口部２３には、スピーカ２５を保護するた
めの保護板２７が配置され、この保護板２７には、多数
の小孔２９が形成されている。

【０００６】消音室１５およびスピーカ室１７には、例
えば、グラスウールからなる吸音材３１が収容されてい
る。また、消音室１５内には、マイクロホン３３が配置
されている。

【０００７】このような能動型消音器では、マイクロホ
ン３３により排気ガスＧの騒音を検出し、この検出され
た騒音と逆位相の消去音をスピーカ２５から放射するこ
とにより、いわゆる能動的な消音が行われる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の能動型消音器では、高温の排気ガスを流通す
る排気管１９の比較的近傍にスピーカ２５が配置されて
いるため、高温の排気ガスにより直接的に、あるいは排
気ガスの輻射熱により間接的に、スピーカ２５に多大な
熱負荷がかかり、スピーカ２５の寿命が短くなるという
問題があった。

【０００９】一方、スピーカ２５の耐熱設計値を大きく
することにより、寿命を増大することができるが、耐熱
設計値の増大にも限界があるという問題があった。本考
案は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、
二次音源に作用する熱負荷を従来より大幅に低減するこ
とができる能動型消音器を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本考案の能動型消音器
は、消音器本体を隔壁により仕切り消音室を形成すると
ともに、この消音室内に、排気ガスを流通する排気管を
挿通し、前記隔壁に形成される開口部に、二次音源を配
置してなる能動型消音器において、前記消音器本体の軸
長方向に外部空気を流通させる冷却管を挿通し、この冷
却管の下流側端を、前記排気管または排気管のテールパ
イプ部を囲繞して配置される外筒内に連通してなるもの
である。

【００１１】

【作用】本考案の能動型消音器では、排気ガスの熱が、
冷却管内を流通する空気と熱交換され、吸熱が行われ
る。そして、冷却管の下流側端を、排気管または排気管
のテールパイプ部を囲繞して配置される外筒内に連通し
たので、排気ガスの流れによるエゼクタ効果により、冷
却管内の空気が下流側に向けて吸引され、外部空気が冷
却管内に有効に流入する。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の詳細を図面に示す実施例につ
いて説明する。図１および図２は、本考案の能動型消音
器の第１の実施例を示しており、図において符号４１
は、横断面矩形形状をした消音器本体を示している。

【００１３】この消音器本体４１は、所定間隔を置いて
配置される一対の隔壁４３により３分割され、中央に消
音室４５が形成され、この消音室４５の両側にスピーカ
室４７が形成されている。

【００１４】そして、消音室４５内には、排気ガスＧを
流通する排気管４９が挿通されており、この排気管４９
には、多数の小孔５１が形成されている。一対の隔壁４
３には、排気管４９を中心にして対向する位置に開口部
５３が形成され、この実施例では、開口部５３の中心の
位置は、消音器本体４１の下流側端から、消音器本体４
１の全長の１／３の距離に位置している。

【００１５】そして、この開口部５３に二次音源であ
る、例えば、ラウンドスピーカからなるスピーカ５５が
配置されている。隔壁４３の開口部５３には、スピーカ
５５を保護するための保護板５７が配置され、この保護
板５７には、多数の小孔５９が形成されている。

【００１６】消音室４５およびスピーカ室４７には、例
えば、グラスウールからなる吸音材６１が収容されてい
る。また、消音室４５内には、マイクロホン６３が配置
されている。

【００１７】しかして、この実施例では、消音室４５内
には、消音器本体４１の軸長方向に、外部空気を流通さ
せる多数の冷却管６５が配置されている。すなわち、こ
の実施例では、排気管４９を囲繞して多数の冷却管６５
が配置されている。

【００１８】そして、消音器本体４１の端板６７，６９
には、冷却管６５に対応する位置に多数の貫通孔が形成
されており、この貫通孔に、冷却管６５の上端と下端と
が挿入固定されている。

【００１９】冷却管６５は、例えば、３００℃以上の耐
熱性を有する熱伝導性の良好な金属等からなるチューブ
により形成されている。一方、排気管４９のテールパイ
プ部７１の外側には、テールパイプ部７１を囲繞して、
外筒７３が配置されており、この外筒７３は、端板６９
に溶接等により固定されている。

【００２０】そして、この外筒７３とテールパイプ部７
１との間の空間に、多数の冷却管６５の下流側端が開口
されている。また、外筒７３の下流側端は、テールパイ
プ部７１より下流側に突出して位置されている。

【００２１】上述した能動型消音器では、マイクロホン
６３により排気ガスＧの騒音を検出し、この騒音と逆位
相の消去音をスピーカ５５から放射することにより、い
わゆる能動的な消音が行われる。

【００２２】一方、消音器本体４１の前方の外部空気
は、冷却管６５の前端開口から冷却管６５内に流入し、
冷却管６５を介して排気ガスの熱と熱交換した後、排気
管４９のテールパイプ部７１端からの排気ガスの流出に
よるエゼクタ効果により吸引され、外筒７３の下流側端
から大気中に流出する。

【００２３】しかして、上述した能動型消音器では、消
音器本体４１の軸長方向に外部空気を流通させる冷却管
６５を挿通し、この冷却管６５の下流側端を、排気管４
９のテールパイプ部７１を囲繞して配置される外筒７３
内に連通したので、排気ガスの流れによるエゼクタ効果
により、冷却管６５内の空気が下流側に向けて吸引さ
れ、外部空気が冷却管６５内に有効に流入するため、排
気ガスの熱と冷却管６５内を流通する空気との熱交換が
効率的に行われ、スピーカ５５に作用する熱負荷を従来
より大幅に低減することができる。

【００２４】すなわち、排気管４９を流れる排気ガスの
輻射熱が冷却管６５により有効に吸収されるため、スピ
ーカ５５の振動面等への熱の侵入を確実に低減すること
ができ、スピーカ５５に作用する熱負荷が従来より大幅
に低減し、これにより、スピーカ５５の耐熱設計値を従
来より大幅に低くすることが可能になる。

【００２５】また、消音室４５の温度が低くなるため、
スピーカ５５からの放射音の伝達損失、あるいは、スピ
ーカ５５への音響波の伝達損失が低減し、良好な消音特
性を得ることが可能になる。

【００２６】さらに、冷却管６５の前端が、消音器本体
４１の前側に開口するため、車速風が冷却管６５に非常
に流入し易くなる。図３は、本考案の能動型消音器の第
２の実施例を示すもので、この実施例では、外筒７３Ａ
の下流側端に縮径部７５が形成されている。

【００２７】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では、外筒７３Ａの下流側端に縮径部７５を形成したの
で、エゼクタ効果をより高めることができる。

【００２８】図４は、本考案の能動型消音器の第３の実
施例を示すもので、この実施例では、排気管４９のテー
ルパイプ部７１Ａが、下流側に向けてテーパ状に拡径さ
れている。

【００２９】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では排気管４９のテールパイプ部７１Ａを、下流側に向
けてテーパ状に拡径したので、消音器本体４１内の圧力
を調整することができる。

【００３０】図５は、本考案の能動型消音器の第４の実
施例を示すもので、この実施例では、テールパイプ部７
１Ｂの下流側端が下流側に向けて縮径され、この縮径部
７７から所定間隔を置いて、内筒７９の縮径部８１が対
向配置されている。

【００３１】そして、内筒７９は、外筒７３Ｂの下流側
端に嵌挿固定されている。この能動型消音器において
も、第１の実施例とほぼ同様の効果を得ることができる
が、この実施例では、エゼクタ効果をより高めることが
できる。

【００３２】図６は、本考案の能動型消音器の第５の実
施例を示すもので、この実施例では、隔壁４３の外側の
スピーカ室４７側に冷却管６５が配置されており、冷却
管６５は、図８に示すように、円筒状のスピーカ固定用
リブ８３を挿通して配置されている。

【００３３】また、テールパイプ部７１Ｃは、下流側に
向けて順次拡径されており、各冷却管６５は、連結管部
８５を介して、別々に、テールパイプ部７１Ｃに開口さ
れている。

【００３４】この能動型消音器においても、第１の実施
例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例
では、スピーカ固定用リブ８３に冷却管６５を挿通した
ので、スピーカ固定用リブ８３の温度をも下げることが
可能になり、スピーカ５５をより効率的に冷却すること
ができる。

【００３５】また、スピーカ５５の前面に冷却管６５が
配置されるため、冷却管６５内の空気によりスピーカ５
５に対する断熱効果を得ることが可能となる。なお、以
上述べた実施例において、冷却管６５にフィンを形成す
ることにより、冷却効率をより向上することができる。

【００３６】

【考案の効果】以上述べたように、本考案の能動型消音
器では、消音器本体の軸長方向に外部空気を流通させる
冷却管を挿通し、この冷却管の下流側端を、排気管また
は排気管のテールパイプ部を囲繞して配置される外筒内
に連通したので、排気ガスの流れによるエゼクタ効果に
より、冷却管内の空気が下流側に向けて吸引され、外部
空気が冷却管内に有効に流入するため、排気ガスの熱と
冷却管内を流通する空気との熱交換が効率的に行われ、
スピーカに作用する熱負荷を従来より大幅に低減するこ
とができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の能動型消音器の第１の実施例を示す断
面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【図３】本考案の能動型消音器の第２の実施例を示す断
面図である。

【図４】本考案の能動型消音器の第３の実施例を示す断
面図である。

【図５】本考案の能動型消音器の第４の実施例を示す断
面図である。

【図６】本考案の能動型消音器の第５の実施例を示す断
面図である。

【図７】図６の冷却管の近傍を示す斜視図である。

【図８】従来の能動型消音器の一例を示す断面図であ
る。

【図９】図８の断面図である。

【符号の説明】

４１消音器本体４３隔壁４５消音室４９排気管５３開口部５５スピーカ（二次音源）６５冷却管７１テールパイプ部７３外筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者竹森良久東京都中野区南台５丁目24番15号カルソニック株式会社内 (56)参考文献特開平４−183912（ＪＰ，Ａ) 実開昭62−97212（ＪＰ，Ｕ) 実開昭57−76221（ＪＰ，Ｕ) 特表昭58−501292（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F01N 1/00 F01N 1/24 F01N 7/20 G10K 11/178

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】消音器本体（４１）を隔壁（４３）によ
り仕切り消音室（４５）を形成するとともに、この消音
室（４５）内に、排気ガスを流通する排気管（４９）を
挿通し、前記隔壁（４３）に形成される開口部（５３）
に、二次音源（５５）を配置してなる能動型消音器にお
いて、前記消音器本体（４１）の軸長方向に外部空気を
流通させる冷却管（６５）を挿通し、この冷却管（６
５）の下流側端を、前記排気管（４９）または排気管
（４９）のテールパイプ部（７１）を囲繞して配置され
る外筒（７３）内に連通してなることを特徴とする能動
型消音器。