JPH09119703A - 空気系用消音器 - Google Patents

空気系用消音器

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JPH09119703A
JPH09119703A JP7278114A JP27811495A JPH09119703A JP H09119703 A JPH09119703 A JP H09119703A JP 7278114 A JP7278114 A JP 7278114A JP 27811495 A JP27811495 A JP 27811495A JP H09119703 A JPH09119703 A JP H09119703A
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air
silencer
wall surfaces
outlet
air inlet
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JP7278114A
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Toru Iwata
透 岩田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可及的に消音効果が高く、しかも空気流通抵
抗が小さい空気調和機に適した消音器の構造を実現す
る。 【解決手段】 箱形の消音器本体1の相互に対向する前
後2つの壁面2a,2bの一方側に空気流入口7aを、
他方側に空気流出口7bを設けるとともに、それら空気
流入口7aおよび空気流出口7bの間に、その頂部20
aを上記空気流入口7a側に向けて断面くの字形の反射
板20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機用空
気送風系等の空気系用消音器の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の室内側への空気送風系で
は、一般に室内側空気吹出口ダクト部分から送風ファン
の駆動音や送風音等を騒音源とする騒音が室内に供給さ
れるので、それを防止するために各種の消音構造が採用
されている。
【0003】その一例として、例えば特開平3−217
615号公報に示されるように、空気吹出しダクト等の
空気吹出し通路途中に音波干渉板および吸音材を有する
消音器を設けて有効な消音作用を得るようにしたものが
ある。
【0004】この従来例の消音器は、直方体形状の消音
器ハウジングの底部に空気流入口を形成するとともに、
その正面側縦壁部中央に空気流出口を形成し、それら空
気流入口と空気流出口との間に上記下方側空気流入口か
ら流入する空気を一旦水平方向左右に分流させた後、上
方側で再び中央に合流させて上記空気流出口から流出さ
せる音波干渉板(仕切板)を水平方向に設置して構成さ
れており、さらに上記消音器ハウジングの内周面および
音波干渉板の外周面全体にグラスウール等の吸音材を貼
設した構造となっている。
【0005】該構成によれば、上記音波干渉板によって
空気流入口から入射する騒音の音波をハウジング内壁面
と音波干渉板との間で相互に反射干渉させて減衰させる
ことができるようになるとともに該干渉による消音と同
時に各壁面部の吸音材によって吸音させることができる
ので、広帯域の騒音を有効かつ比較的低コストに低減さ
せることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
構成の消音器の場合、空気流入口から流出口に到る空気
流路の抵抗が余りにも大きく、自然換気用換気口等の空
気流速が極めて低い空気系の場合ならともかく、一般の
冷暖房用の空気調和機等の空気系のように空気流速が高
い送風系に対しては、とても適用することができない。
【0007】本願の請求項1〜8各項記載の発明は、そ
れぞれ以上のような課題を解決することを目的としてな
されたもので、空気流速が高い場合にも十分な消音効果
を得ることができ、しかも空気流通抵抗が小さい空気調
和機用の空気系等に適した消音器構造を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜8各項
記載の発明は、それぞれ上記の目的を達成するために、
次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0009】すなわち、先ず本願請求項1記載の発明
は、例えば図1〜図4および図8〜図11に示すよう
に、箱形の消音器本体1の相互に対向する前後2つの壁
面2a,2bの一方側に空気流入口7aを、他方側に空
気流出口7bを設けるとともに、それら空気流入口7a
および空気流出口7bの各々を消音器本体1の上下左右
各内壁面の内の何れかの内壁面に沿わせて開口させたこ
とを特徴とするものである。
【0010】該構成によれば、空気流入口7aから消音
器本体1内に入る空気流は、先ず該流入時に急に広い空
間内に流れの断面積が拡大されて、その騒音エネルギー
成分が膨張減衰されるとともに、その後、該消音器本体
1内に入った空気流は、さらに上下左右各内壁面4a,
4b、3a,3bの内の何れかの内壁面に沿って空気流
出口7b方向に流れて行くことにより整流される。ま
た、その流出までの十分な時間の間にその騒音成分が前
後、左右、上下各方向の壁面間で反射を繰り返しながら
相互に干渉して次第に減衰する。従って、上記膨張減衰
と干渉減衰との両作用により十分な消音作用が実現され
る。
【0011】しかも、それでいながら上記消音器本体1
内の上記空気流入口7aから空気流出口7bに到る空気
流通路には何らの流通障壁がないために、空気の流通抵
抗は極めて小さく、上記整流作用とも相俟って圧損が少
なく空気流の流速は余り低下しない。
【0012】次に、本願請求項2記載の発明は、例えば
図12〜図19に示すように、箱形の消音器本体1の相
互に対向する前後2つの壁面2a,2bの一方側に空気
流入口7aを、他方側に空気流出口7bを設けるととも
に、それら空気流入口7a又は空気流出口7bの何れか
一方を消音器本体1の上下左右各内壁面4a,4b、3
a,3bの内の何れかの内壁面に沿わせて開口させたこ
とを特徴とするものである。
【0013】該構成によれば、空気流入口7aから消音
器本体1内に入る空気流は、先ず該流入時に急に広い空
間内に流れの断面積が拡大されて、その騒音エネルギー
成分が膨張減衰されるとともに、その後、該消音器本体
1内に入った空気流は、さらに上下左右各内壁面4a,
4b、3a,3bの内の何れかの内壁面に沿って空気流
出口7b方向に流れて行くことにより、流れの乱れが抑
制される。また、その流出までの十分な時間の間にその
騒音成分が前後、左右、上下各方向の壁面間で反射を繰
り返しながら相互に干渉して次第に減衰する。従って、
上記膨張減衰と干渉減衰との両作用により十分な消音作
用が実現される。
【0014】しかも、それでいながら上記消音器本体1
内の上記空気流入口7aから空気流出口7bに到る空気
流通路には何らの流通障壁がないために、空気の流通抵
抗は極めて小さく、上記整流作用とも相俟って圧損が少
なく空気流の流速は余り低下しない。
【0015】次に、本願請求項3記載の発明は、例えば
図16〜図19に示すように、箱形の消音器本体1の相
互に対向する前後2つの壁面2a,2bの一方側に空気
流入口7aを、他方側に空気流出口7bを設けるととも
に、それら空気流入口7aおよび空気流出口7bを各々
上記消音器本体1の相互に反対側の側壁部の内壁面に沿
わせて開口させたことを特徴とするものである。
【0016】該構成によれば、空気流入口7aから消音
器本体1内に入る空気流は、先ず該流入時に急に広い空
間内に流れの断面積を拡大されて、その騒音エネルギー
成分が膨張減衰されるとともに、さらに、その後、該消
音器本体1内に入った空気流は、側方に流れの向きを変
えて空気流出口7b方向にスムーズに流れて行くが、そ
の十分な時間の間に騒音波が上記前後、左右、上下方向
の各壁面間で反射を繰り返しながら相互に干渉して次第
に減衰する。従って、該構成の場合には、上記膨張減衰
による消音と多い回数の干渉減衰とによって、より十分
な消音作用が実現される。
【0017】そして、空気流入口7aと空気流出口7b
とは、相互に反対側の側壁部側の内壁面に沿う位置にあ
るから、全く対向せず、ダイレクトに音が送出される恐
れはない。
【0018】しかも、それでいながら上記消音器本体1
内の上記空気流入口7aから空気流出口7bに到る空気
流通路には何らの障壁が存在しないから、前述した従来
例の構造の場合に比べて空気の流通抵抗は十分に小さ
く、空気流の流速も大きくは低下しない。
【0019】次に、本願請求項4記載の発明は、例えば
図20〜図37に示すように、箱形の消音器本体1の相
互に対向する前後2つの壁面2a,2bの一方側に空気
流入口7aを、他方側に空気流出口7bを設けるととも
に、それら空気流入口7aおよび空気流出口7bの間
に、その頂部20aを上記空気流入口7a側に向けて略
断面くの字形の反射板20を設けたことを特徴とするも
のである。
【0020】該構成によれば、空気流入口7aから消音
器本体1内に入る空気流は、先ず該流入時に急に広い空
間内に流れの断面積を拡大されて、その騒音エネルギー
成分が膨張減衰されるとともに、その後、該消音器本体
1内に入った空気流は、略断面くの字状の反射板20を
介して上下又は左右に分流されて空気流出口7b方向に
流れて行くが、その十分な時間の間に騒音波が当該反射
板20と上記前後又は上下、左右方向の壁面4a,4
b、3a,3b間で更に回数の多い反射を繰り返しなが
ら相互に干渉して次第に減衰する。従って、該構成の場
合には、上記膨張減衰による消音と更に多い回数の干渉
減衰とによって、より十分な消音作用が実現される。ま
た、反射板20の存在のために、空気流入口7aから空
気流出口7b方向に音がダイレクトに突き抜けるという
ことがない。
【0021】しかも、それでいながら上記消音器本体1
内の上記空気流入口7aから空気流出口7bに到る空気
流通路には比較的空気抵抗の小さい略断面くの字状の反
射板20があるだけであるから、前述した従来例の構造
の場合に比べて空気の流通抵抗、圧損は十分に小さく、
空気流の流速も大きくは低下しない。
【0022】次に、本願請求項5記載の発明は、例えば
図29に示すように、上記請求項4記載の発明の構成に
おいて、上記略断面くの字状の反射板20には、空気流
出口7b側後縁20b,20b部に相互に平行な平板よ
りなる整流部21,21が設けられていることを特徴と
するものである。
【0023】該構成によれば、当該略断面くの字形の反
射板20の後縁20a,20b部背後での整流部21,
21による整流作用により流れがスムーズとなり、カル
マン渦を生じなくなるので、空気の流通性がより一層向
上する。
【0024】次に、本願請求項6記載の発明は、例えば
図1〜図19、図25〜図30、図33〜図37に示す
ように、上記請求項1,2,3,4又は5記載の各発明
の構成において、各消音器本体1の内壁面2a,2b、
3a,3b、4a,4bに吸音材5が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0025】該構成によると、上記各請求項の発明の音
の膨張減衰および干渉による騒音低減作用に加えて、さ
らに吸音材による吸音減衰作用が付加されるようになる
ので、より有効に騒音が低減されるようになる。
【0026】次に、本願請求項7記載の発明は、例えば
図27および図28に示すように、上記請求項4,5又
は6記載の発明の構成において、略断面くの字形の反射
板20に吸音材5が設けられていることを特徴とするも
のである。
【0027】該構成によると、上記各請求項の発明の音
の膨張減衰および干渉による騒音低減作用並びに消音器
本体1内壁面の吸音材5による吸音減衰作用に加えて、
さらに反射板20の吸音材による吸音減衰作用が付加さ
れるようになるので、より一層有効に騒音が低減される
ようになる。
【0028】次に、本願請求項8記載の発明は、例えば
図5〜図7に示すように、上記請求項1,2,3,4,
5,6又は7記載の発明の構成において、当該消音器本
体1が、全熱交換型空気調和機本体10の室内空気供給
口10aに接続して設けられていることを特徴とするも
のである。
【0029】該構成によると、上記各請求項の発明の空
気流入口7a側の面一性のある消音器構造の特徴を活用
して全熱交換器本体10とのコンパクトかつ組付性の良
い接続構造を適切に実現することができる。
【0030】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の空気系用消音器
によると、小型、軽量、かつ低コストで圧力損失の十分
小さい消音器構造を得ることができる。また、空気流入
口と空気流出口が同一軸上にある場合でも十分な消音効
果が得られる上に、その流れ軸方向の寸法が小さくて済
むので既存のダクト配管に適用することも容易となる。
【0031】さらに、反射板を有する構成の場合、流入
空気は先ず反射板に衝突し、空気中の埃などが同反射板
上に衝突付着して除去されるようにもなるので、吸音材
の表面が汚れて吸音効果が低下することをも併せて防止
することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、空気系として空気調和機の
送風系路を対象とした本願発明の各種の実施の形態につ
いて詳細に説明する。
【0033】(実施の形態1)図1〜図7は、本願発明
の実施の形態1に係る空気調和機用消音器の構造を示し
ている。
【0034】先ず図1〜図7において、符号1は直方体
形状のハウジング構造を有する消音器本体であり、該消
音器本体1の相対向する3組の内壁面2a,2b、3
a,3b、4a,4bには、それぞれ例えばグラスウー
ル等よりなる吸音材5,5・・・が貼設されている。そ
して、その前後に相対向する1組の壁部6a,6bの一
側部側(図示右側部側)上下方向中央部には、各々右側
の内壁面3aに沿って同軸方向に断面円形の空気流入口
7aと空気流出口7bとが設けられている。
【0035】このように構成された上記消音器本体1
は、例えば図5に示されるように、全熱交換器型空気調
和機本体10の室内側空気供給口10aに対して、その
空気流入口7a側とダイレクトに接続するように組込ん
で使用される。全熱交換器型空気調和機本体10には、
その室外側両端に外気吸入口10cと室内空気排気口1
0dが、また室内側他端には室内空気吸入ダクト10b
が各々設けられている。従って、上記消音器本体1の組
込みは、上記室内空気供給口10aと室内空気吸入ダク
ト10bとの間のコーナ部に、その空気流入口7a側の
面一性を活用して適切に実現される。
【0036】該構成の消音器では、上記全熱交換器型空
気調和機本体10の室内空気供給口10aから吹き出さ
れた空気は、上記空気流入口7aから当該消音器本体1
内に流入し、流れの断面積を急拡大されて膨張消音され
るとともに、それぞれ吸音材5,5・・・を貼設した前
後、左右、上下各内壁面2a,2b、3a,3b、4
a,4b間の反射で干渉消音され、かつ吸音材5,5・
・・で吸音された後に空気流出口7bから室内側に吹き
出されるようになる。
【0037】したがって、広い周波数帯域に亘って十分
な消音作用を得ることができる。
【0038】さらに、上述のように空気流入口7aから
消音器本体1内に流入した空気流は、該流入時点で先ず
流れの断面積が急拡大され、それによって膨張消音され
る訳であるが、その際に例えば図38に示すように、空
気流入口7aおよび空気流出口7bが中央部にあると、
半径方向外周域で空気流の乱れ(渦)を生じ、圧損が発
生するので送風性能の点から見るとデメリットとなる。
しかし、上記構成の場合、空気流入口7aと空気流出口
7bとが共に図示右側の内壁面3aに沿わせた状態で同
一軸上に設けられている結果、図4に示すように、当該
内壁面3aによる整流作用を実現することができるの
で、該空気流の乱れの発生度が低く、略内壁面3aに沿
って流れるようになる。その結果、圧損の発生量が少な
くて済み、送風性能の低下度合が小さくなる。また、右
側の内壁面3aでの吸音効果が向上する。
【0039】また、上記構成において、上記消音器本体
1は、例えば図6に示されるように、全熱交換器型空気
調和機本体10の室内側空気供給口10aに対して、そ
の空気流入口7a側を接続フランジ11aを有する筒状
の取付ダクト11を介して接続して使用するようにして
も良い。この場合、全熱交換器型空気調和機本体10に
は、その室外側両端に外気吸入口10cと外気排気口1
0dが、また室内側他端には室内空気吸入ダクト10b
が各々設けられており、図5の場合と異なって、それぞ
れ各ダクト部および口金部は外観的に独立した状態とな
る。
【0040】また、上記消音器本体1の全熱交換器型空
気調和機本体10との接続は、さらに図7のように直ダ
クト13を介し、気密テープ14a,14bでシールし
て接続するようにしてもよい。
【0041】(実施の形態2)次に、図8〜図11は本
願発明の実施の形態2に係る空気調和機用消音器の構造
を示している。
【0042】該実施の形態のものは、上記実施の形態1
の構成における空気流入口7aと空気流出口7bを、そ
れぞれ前後対向壁部6a,6bの右側部側下部の各コー
ナ部に位置せしめ、それらを図示右側の内壁面3aと底
部側内壁面4bとの両方に接し、かつ沿わせるようにし
て設けたことを特徴とするものである。
【0043】このような構成にすると、図11に示すよ
うに、流れの断面積を急拡大された空気流が図示右側の
内壁面3aと底部側の内壁面4bとの両面によって整流
されるようになり、より整流度が高くなって一層圧損が
低減される。
【0044】(実施の形態3)図12〜図15は、本願
発明の実施の形態3に係る空気調和機用消音器の構造を
示している。
【0045】該実施の形態の消音器本体1の構成では、
上記実施の形態2の消音器本体1の空気流出口7bの位
置を、そのまま上方に偏位させて上記実施の形態1の消
音器の場合と同様に上下方向中央位置に設けたことを特
徴とするものである。
【0046】該構成では、上記の結果、空気流入口7a
と空気流出口7bとが上下方向に偏位して同軸上には位
置しなくなる。
【0047】その結果、空気流入口7aから消音器本体
1内に流入した空気流は、図15に示されるように、当
該流入時点での断面積急拡大により膨張消音されるとと
もに図示右側の内壁面3aと底部側の内壁面4bに沿っ
て整流されて圧損なく流れ、やがて少し上方に向きを変
えながら空気流出口7bを介して室内に供給されるよう
になる。
【0048】したがって、該場合には、上記実施の形態
2の場合に比べると、下流側で底部側内壁面4bによる
整流作用が若干低減され、また上方への流れの方向転換
により若干空気流通抵抗が増えるが、他方そのまま同軸
状に流出する場合に比べると、空気流入口7a側からダ
イレクトに供給される音の量が減り、相対向する前後又
は左右および上下の各内壁面2a,2b、3a,3b、
4a,4b間での音の干渉と吸音材5,5・・・による
吸音との2つの消音作用が向上するようになるので、よ
り広い周波数帯域で相対的に高い消音効果を得ることが
できるようになる。
【0049】(実施の形態4)ところで、上記実施の形
態3と同様の異軸構造は、上記実施の形態1の消音器の
場合においても採用することができる。
【0050】図16〜図19は、このような観点から、
上記実施の形態1の構成における消音器本体1の空気流
出口7bを左側壁側の内壁面3bと接する位置まで偏位
させ、空気流入口7aと空気流出口7bとを相互に反対
側の左右の両側壁部の内壁面3aと3b側に最大限寄せ
て設けたことを特徴とするものである。
【0051】このような構成によると、図19に示され
るように、空気流入口7aから消音器本体1内に流入す
る空気流は、該流入時点で断面積を急拡大されて膨張消
音された後、図示右側壁部の内壁面3a側から左側壁部
の内壁面3b方向に流れ、左側壁部の内壁面3b付近で
縮流されながら空気流出口7bより室内側に流出してゆ
く。
【0052】そして、その間の十分な流出時間内に相対
向する前後、左右、上下各内壁面2a,2b、3a,3
b、4a,4b間の広い面積の吸音材5,5・・・部分
で吸音されるとともに相互間での音の干渉により十分な
消音作用が実現される。
【0053】しかも、空気流入口7aから空気流出口7
bにダイレクトに送出される音は殆どなくなる。
【0054】(実施の形態5)上記実施の形態1〜4の
各消音器の構造では、断面積急拡大による流れの乱れは
ともかく、消音器本体1内に直接空気の流通抵抗となる
ものはないから、空気の流通性は高く、送風性能の低下
は少ない。
【0055】しかし、音の干渉による大きなエネルギー
の音の消音作用の点では必ずしも十分でなく、障壁がな
いために例えば図5〜図7のような構成の場合、全熱交
換器型空気調和機本体10側の送風機からの音圧レベル
の高い音が空気流入口7aから空気流出口7b側に、余
り減衰されないまま供給される難点がある。
【0056】そこで、本実施の形態では、例えば図20
〜図24に示すように、上記各実施の形態と同様の直方
体形状の箱形のハウジング構造よりなる消音器本体1の
相対向する前後の壁部6a,6b中央に同軸上に位置さ
せて断面円形の空気流入口7aと空気流出口7bとを設
けるとともに、それら空気流入口7aと空気流出口7b
の間に位置して頂部20aを空気流入口7a側に向けて
左右方向に伸びる断面くの字状の反射板20を設け、該
反射板20によって空気流入口7aから入射される音圧
レベルの高い音を前部側内壁面2aおよび上下両内壁面
4a,4b間で反射干渉させると同時に吸音材5,5・
・・で吸音させることによって効果的に減衰消音させ、
直接空気流出口7bから送出されることがないようにし
たことを特徴とするものである。
【0057】しかも、上記反射板20は断面くの字状と
なっていることから、図21および図22に示されるよ
うに、空気流入口7aから流入する空気流は該流入時点
での断面積急拡大により膨張消音された後、その上下両
縁20a,20bの壁面に沿って上下方向に分流整流さ
れて後方側空気流出口7b部分で縮流されて室内側に流
出する。
【0058】したがって、音に対する障壁としては十分
に機能しながらも余り大きな空気流通抵抗となることは
なく、送風性能の低下度合も小さい。
【0059】なお、該構成における断面くの字状の反射
板20の上下幅hは、例えば図23に示すように、少な
くとも空気流入口7aの直径φdだけ必要とされるが、
より好ましくは図24に示すように空気流入口7aの直
径φdよりも若干(2Δhだけ)大きいことが望まし
い。
【0060】(実施の形態6)上記実施の形態5の消音
器の構造では、消音器本体1の相対向する各内壁面2
a,2b、3a,3b、4a,4bに吸音材を貼設して
いない。従って、反射干渉による消音効果それ自体は、
その方が高い。
【0061】しかし、広い周波数帯域に亘ってトータル
としての消音効果を高くしよとすると、やはり相対向す
る各内壁面2a,2b、3a,3b、4a,4bには、
図25に示すように上述の実施の形態1〜4の場合と同
様に吸音材5,5・・・を貼設した方が良い。図25お
よび図26に示す本実施の形態に係る消音器の構造は、
このような観点から構成されている。そして、その場合
にも、反射板20の上下幅hは、図24の場合同様、空
気流入口7aの直径φdより2Δhだけ大きいことが好
ましい。
【0062】その他の構成と作用は、上記実施の形態6
の場合と同様である。
【0063】(実施の形態7)該実施の形態に係る空気
系用消音器は、図27に示すように、上記実施の形態6
に示す消音器の構造において、さらに断面くの字状の反
射板20の前面に吸音材5,5・・・を貼設したことを
特徴とするものである。
【0064】該構成によると、上記消音器本体1の各内
壁面2a,2b、3a,3b、4a,4bにおける吸音
材5,5・・・の吸音作用に加えて反射板20部分でも
同様に吸音作用が実現されるようになるので、トータル
としての吸音作用が更に向上する。
【0065】(実施の形態8)次に、図28は、上記断
面くの字状の反射板20全体を吸音材で形成した本願発
明の実施の形態8に係る空気調和機用消音器の構造を示
している。
【0066】すなわち、該構成の消音器の場合、上記実
施の形態7の場合と同様の構成における断面くの字状の
反射板20の全体を例えば若干圧縮して固形化したグラ
スウール等の吸音材によって形成しており、その他の部
分の構成および作用は上述のものと全く同様である。
【0067】このように反射板20自体を吸音材で形成
すると、表面のみに吸音材を貼設した場合に比べて、よ
り吸音効果が高くなる。
【0068】(実施の形態9)次に、図29は、本願発
明の実施の形態9に係る空気調和機用消音器の構造を示
している。
【0069】該消音器の構成では、上記実施の形態6に
係る消音器の構成において、上記断面くの字状の反射板
20には、空気流出口7b側上下両縁20b,20b部
後端に相互に平行な平板よりなる整流部21,21が設
けられていることを特徴とするものである。
【0070】該構成によれば、当該断面くの字状の反射
板20の両縁20b,20b部背後での流れがスムーズ
となり、カルマン渦を生じなくなるので、空気の流通性
がよりより一層向上する。
【0071】(実施の形態10)次に、図30は、本願
発明の実施の形態10に係る空気調和機用消音器の構造
を示している。
【0072】該構成の消音器では、上記実施の形態6の
消音器の構成において、その空気流入口7aと空気流出
口7bの位置を若干消音器本体1の底部側に寄せて同軸
上に形成するとともに断面くの字状の反射板20の上下
両縁20b,20b部の長さを、それに合せて上部側h
2を長く、下部側h1を短くして(h2>h1)、天井側内
壁面4a間クリアランスC2と底部側内壁面4b間クリ
アランスC1との間に図示の如き寸法関係(C2>C1
を有するように設けたことを特徴とするものである。
【0073】該構成では、空気流入口7aと空気流出口
7b各々の開口部口縁の上下方向クリアランスC2,C1
が大きく異なるので、クリアランスCの大きな上方側空
間へ大きな風量を分流させた方が空気の流通抵抗が小さ
く、消音効果も高くなる。そこで、反射板20の形状、
寸法もそれに対応したものとして上記のように設定して
いる。なお、それぞれの比率関係は、次の条件の下で設
定されることが望ましい。
【0074】h1/h2=C1/C2 (実施の形態11)なお、上記実施の形態5〜10の各
消音器で使用されている断面くの字状の反射板20の形
状は、例えば図31に示すような多角形状のもの又は図
32に示すような半円弧状のものであっても良い。
【0075】図30、図31のような多角面又は円弧面
形状の反射板20の場合、各内壁面2a,2b、3a,
3b、4a,4bとの間での音の反射干渉回数が増大す
るので、それだけ消音効果も高くなる。
【0076】また、後縁部端で整流部21,21の機能
も同時に実現される。
【0077】(実施の形態12)次に、図33〜図36
は本願発明の実施の形態12に係る空気調和機用消音器
の構造を示している。
【0078】該構成では、上述の実施の形態1に係る空
気調和機用消音器の構成において、実施の形態5と同様
の断面くの字状の反射板20を設けたことを特徴とする
ものである。
【0079】このような構成によると、実施の形態1と
同じく右側壁部側内壁面3aによる整流作用によって消
音器本体1内への空気流入時の断面積急拡大による圧損
と消音器本体1からの空気流出時の断面積急縮小による
圧損とが共に低減され、かつ実施の形態5と同じ反射板
20による有効な消音効果を得ることができる。
【0080】(実施の形態13)図37は、本願発明の
実施の形態13に係る空気調和機用消音器の構造を示し
ている。
【0081】該構成では、空気流出口7bを左右両端側
に2組設けることによって消音器本体1を分岐チャンバ
ー構造としたことを特徴とするものである。
【0082】このような分岐チャンバー構造の場合に
は、空気流出口7bが単一の場合に比べて分流効果が高
く、比較的圧損も小さい。したがって、該場合におい
て、図示のように断面くの字状の反射板20を設けるよ
うにすると、低圧損下で一層有効な消音効果を得ること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る空気調和機用消
音器の構造を示す斜視図である。
【図2】同消音器の図1のA−A線断面図である。
【図3】同消音器の図1のB−B線断面図である。
【図4】同消音器の図1のC−C線断面図である。
【図5】同消音器の空気調和機本体との接続状態を示す
第1例の平面図である。
【図6】同消音器の空気調和機本体との接続状態を示す
第2例の平面図である。
【図7】同消音器の空気調和機本体との接続状態を示す
第3例の平面図である。
【図8】本願発明の実施の形態2に係る空気調和機用消
音器の構造を示す斜視図である。
【図9】同消音器の図8のA−A線断面図である。
【図10】同消音器の図8のB−B線断面図である。
【図11】同消音器の図8のC−C線断面図である。
【図12】本願発明の実施の形態3に係る空気調和機用
消音器の構造を示す斜視図である。
【図13】同消音器の図12のA−A線断面図である。
【図14】同消音器の図12のB−B線断面図である。
【図15】同消音器の図12のC−C線断面図である。
【図16】本願発明の実施の形態4に係る空気調和機用
消音器の構造を示す斜視図である。
【図17】同消音器の図16のA−A線断面図である。
【図18】同消音器の図16のB−B線断面図である。
【図19】同消音器の図16のC−C線断面図である。
【図20】本願発明の実施の形態5に係る空気調和機用
消音器の構造を示す斜視図である。
【図21】同消音器の図20のA−A線断面図である。
【図22】同消音器の図20のB−B線断面図である。
【図23】同消音器の図20のB−B線断面図の寸法入
り図である。
【図24】同消音器の図20のB−B線断面図の他の寸
法入り図である。
【図25】本願発明の実施の形態6に係る空気調和機用
消音器の構造を示す縦断面図である。
【図26】同消音器の水平断面図である。
【図27】本願発明の実施の形態7に係る空気調和機用
消音器の構造を示す縦断面図である。
【図28】本願発明の実施の形態8に係る空気調和機用
消音器の構造を示す縦断面図である。
【図29】本願発明の実施の形態9に係る空気調和機用
消音器の構造を示す縦断面図である。
【図30】本願発明の実施の形態10に係る空気調和機
用消音器の構造を示す縦断面図である。
【図31】本願発明の実施の形態11に係る空気調和機
用消音器の反射板の第1の形状例を示す側面図である。
【図32】同反射板の第2の形状例を示す側面図であ
る。
【図33】本願発明の実施の形態12に係る空気調和機
用消音器の構造を示す斜視図である。
【図34】同消音器の図33のA−A線断面図である。
【図35】同消音器の図33のB−B線断面図である。
【図36】同消音器の図33のC−C線断面図である。
【図37】本願発明の実施の形態13に係る空気調和機
用消音器の構造を示す水平断面図である。
【図38】本願発明の実施の形態1に係る空気調和機用
消音器の特徴と対比して示す検討対象例の消音器の水平
断面図である。
【符号の説明】
1は消音器本体、2aは前部壁側内壁面、2bは後部壁
側内壁面、3aは右側壁部側内壁面、3bは左側壁部側
内壁面、7aは空気流入口、7bは空気流出口、20は
反射板、21は整流部である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱形の消音器本体(1)の相互に対向す
    る前後2つの壁面(2a),(2b)の一方側に空気流
    入口(7a)を、他方側に空気流出口(7b)を設ける
    とともに、それら空気流入口(7a)および空気流出口
    (7b)の各々を上記消音器本体(1)の上下左右各壁
    面の内の何れかの壁面に沿わせて開口させたことを特徴
    とする空気系用消音器。
  2. 【請求項2】 箱形の消音器本体(1)の相互に対向す
    る前後2つの壁面(2a),(2b)の一方側に空気流
    入口(7a)を、他方側に空気流出口(7b)を設ける
    とともに、それら空気流入口(7a)又は空気流出口
    (7b)の何れか一方を上記消音器本体(1)の上下左
    右各内壁面(4a),(4b)、(3a),(3b)の
    内の何れかの内壁面に沿わせて開口させたことを特徴と
    する空気系用消音器。
  3. 【請求項3】 箱形の消音器本体(1)の相互に対向す
    る前後2つの壁面(2a),(2b)の一方側に空気流
    入口(7a)を、他方側に空気流出口(7b)を設ける
    とともに、それら空気流入口(7a)および空気流出口
    (7b)を上記消音器本体(1)の相互に反対側の側壁
    部内壁面に沿わせて開口させたことを特徴とする空気系
    用消音器。
  4. 【請求項4】 箱形の消音器本体(1)の相互に対向す
    る前後2つの壁面(2a),(2b)の一方側に空気流
    入口(7a)を、他方側に空気流出口(7b)を設ける
    とともに、それら空気流入口(7a)および空気流出口
    (7b)の間に、その頂部(20a)を上記空気流入口
    (7a)側に向けて略断面くの字形の反射板(20)を
    設けたことを特徴とする空気系用消音器。
  5. 【請求項5】 略断面くの字形の反射板(20)は、空
    気流出口(7b)側後縁(20b),(20b)部に相
    互に平行な平板よりなる整流部(21),(21)が設
    けられていることを特徴とする請求項4記載の空気系用
    消音器。
  6. 【請求項6】 消音器本体(1)の内壁面(2a),
    (2b)、(3a),(3b)、(4a),(4b)に
    吸音材(5)が設けられていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4又は5記載の空気系用消音器。
  7. 【請求項7】 略断面くの字形の反射板(20)には吸
    音材(5)が設けられていることを特徴とする請求項
    4,5又は6記載の空気系用消音器。
  8. 【請求項8】 消音器本体(1)が、全熱交換型空気調
    和機本体(10)の室内空気供給口(10a)に接続し
    て設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6又は7記載の空気系用消音器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002039064A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Meka E Esutei:Kk 送風機の消音装置
JP2019215110A (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 株式会社大気社 消音チャンバ設計方法、及び、消音チャンバ
KR20200048993A (ko) * 2018-10-31 2020-05-08 삼성중공업 주식회사 기류가이드를 포함하는 공조기용 분배기

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