JP2979218B2 - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JP2979218B2
JP2979218B2 JP6284064A JP28406494A JP2979218B2 JP 2979218 B2 JP2979218 B2 JP 2979218B2 JP 6284064 A JP6284064 A JP 6284064A JP 28406494 A JP28406494 A JP 28406494A JP 2979218 B2 JP2979218 B2 JP 2979218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高温ガスや腐食
性ガス等の排気ガスの排気ダクトに使用し、この排気ガ
スの排気音を消音する消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジン等の排気音
を低減する装置として、排気音に対しこれと実質的に等
大で逆位相の音波を重畳させることによってこの排気音
を消音するアクティブ型の消音装置が知られている。従
来、このアクティブ型の消音装置としては、図2に示す
ようなものがある。
【0003】同図において、101は排気ダクトで、こ
の排気ダクト101内を排気ガスが矢印110の方向に
流通する。そして、排気ダクト101の壁面には、開口
部101aが穿設されており、この開口部101aに枝
管102が結合されている。また、この枝管102の開
口部101a側と反対側には、スピーカ103が、枝管
102内に音波を放射する状態に、即ちスピーカユニッ
ト103bを枝管102内に露出させる状態に設けられ
ている。更に、枝管102の途中には、熱交換器104
が設けられており、この熱交換器104の内部は、枝管
102内と連通している。即ち、上記のように構成され
た消音装置では、排気ダクト101内を流通する排気ガ
スの排気音と等大で逆位相の音波を、スピーカ103か
ら枝管102、熱交換器104及び開口部101aを介
して排気ダクト101内に放射することによって、その
排気音を低減している。
【0004】ここで、排気ガスは、排気ダクト101内
を矢印110の方向に流通するだけでなく、点線の矢印
110aの方向、即ち開口部101aを介して枝管10
2内にも流通する。この排気ガスは、約400℃程度の
高温ガスであるため、この高温の排気ガスがスピーカ1
03に直接触れると、スピーカ103は、この排気ガス
の高温熱によって破壊されてしまう。従って、この排気
ガスの高温熱によるスピーカ103の破壊を防ぐために
熱交換器104が設けられており、この熱交換器104
の熱交換作用によって、スピーカ103側に流れ込む排
気ガスの温度を、例えば100℃以下の低温に抑えてい
る。
【0005】また、排気ガスは、C、NOX 、SOX
の腐食性ガスでもある。この腐食性ガスが、スピーカ1
03内、即ちスピーカ103のエンクロージャ103a
内に流入すると、このスピーカ103を構成している部
品が腐食してしまい、ひいてはスピーカ103が破壊さ
れてしまう。従って、少なくともこの腐食性排気ガスの
スピーカ103のエンクロージャ103a内への流入を
防ぐために、スピーカ103には、密閉形のスピーカが
使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
においては、排気ガスの高温熱によるスピーカ103の
破壊を防ぐために熱交換器104を設けているが、この
熱交換器104は、400℃という高温熱を100℃以
下という低温まで低下させる必要がある。よって、この
熱交換器104は、例えば、熱交換作用の大きい2台の
水冷式の熱交換器104a、104aを2段重ねにする
ことによって構成されている。更に、この熱交換器10
4は、排気ガスの腐食性にも耐えなければならないた
め、ステンレス製のものが用いられている。従って、熱
交換器104を設けることによって、消音装置の構造が
複雑、かつ大型化してしまい、更には高コストになって
しまうという問題がある。
【0007】更に、この熱交換器104を設けることに
よって、スピーカ103から放射される音波が排気ダク
ト101に到達するまでの音の伝達路上にフィルタが形
成されてしまう。従って、スピーカ103から放射され
る音波の音圧レベルが低下したり、周波数特性が変化し
てしまい、これによって、十分な消音効果を得ることが
できないという問題がある。
【0008】また、スピーカ103として密閉形のもの
を使用することによって、腐食性排気ガスのエンクロー
ジャ103a内への流入を防いではいるが、スピーカ1
03の外側は排気ガスに晒されている。従って、この排
気ガスによってスピーカ103の外側、即ちスピーカユ
ニット103aが腐食し、これによって、スピーカ10
3の性能が劣化してしまうという問題がある。
【0009】本発明は、排気ガスの枝管側への流通を防
ぐことによって、排気ガスの高温熱及び腐食性によって
スピーカが破壊されることのない消音装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明の消音装置
は、排気ガスの流通する本管の壁面に穿設された開口部
に結合された枝管と、該枝管の上記本管の上記開口部に
結合された側とは反対側に設けられ該枝管内に音波を放
射するスピーカと、上記本管内の上記開口部においてそ
の上記排気ガスの流通方向の上流側に設けられ上記排気
ガスが上記開口部を迂回して上記流通方向の下流に流通
する状態に上記排気ガスを案内する案内部とを、具備す
ることを特徴とするものである。
【0011】第2の発明の消音装置は、第1の発明の消
音装置において、上記案内部が、上記開口部に対して鋭
角をなして上記本管側に突出させた板状体であることを
特徴とするものである。
【0012】第3の発明の消音装置は、第1又は第2の
発明の消音装置において、上記枝管を、上記開口部より
も上記排気ガスの流通方向の上流側に位置する上記本管
に対して直角または鋭角をなして上記本管に結合させた
ことを特徴とするものである。
【0013】第4の発明の消音装置は、第1、第2又は
第3の発明の消音装置において、上記枝管の壁面に貫通
孔を穿設したことを特徴とするものである。
【0014】第5の発明の消音装置は、第4の発明の消
音装置において、内部が上記貫通孔を介して上記枝管内
と外部とを連通させる状態に上記枝管の外壁に細管を結
合したことを特徴とするものである。
【0015】第6の発明の消音装置は、第1、第2、第
3、第4又は第5の発明の消音装置において、上記枝管
の長さ方向に対して略直角な面内に上記枝管の一部を形
成する状態に熱伝導遮断手段を設けたことを特徴とする
ものである。
【0016】
【作用】第1の発明によれば、排気ガスが、本管内をそ
の流通方向の上流から下流に向かって流通する際、本管
の枝管が結合されている開口部を迂回して流通するよう
に案内部によって案内される。従って、排気ガスが、開
口部を介して枝管、ひいてはスピーカ側に流通すること
はない。
【0017】第2の発明によれば、案内部を形成してい
る板状体は、開口部における排気ガスの流通方向の上流
側に設けられており、開口部に対して鋭角をなして本管
側に突出している。従って、本管の上流側から流れてき
た排気ガスは、この板状体に沿って開口部を迂回しなが
ら下流側に流通する。
【0018】第3の発明によれば、枝管を、開口部より
も排気ガスの流通方向の上流側に位置する本管に対して
直角または鋭角に配置しているので、本管内を流通する
排気ガスは、枝管を開口部よりも排気ガスの流通方向の
上流側に位置する本管に対して鈍角に配置した場合より
も、枝管側に流通し難くなる。また、排気ガスから発生
される排気音の波面とスピーカから放射される音波の波
面との傾き角(入射角)が、枝管を開口部よりも排気ガ
スの流通方向の上流側に位置する本管に対して鈍角に配
置した場合よりも小さくなる。従って、排気ガスの排気
音の波面とスピーカの放射音の波面とは、より近接す
る。
【0019】第4の発明によれば、本管内における排気
ガスが案内部に沿って開口部を迂回して流通し、この部
分で排気ガスの流通速度が増大する。そのため、枝管内
には、本管側に向かって気体吸引力が発生している。そ
して、この気体吸引力によって、枝管の壁面に穿設され
た貫通孔を介して消音装置外部の外気が枝管内に吸い込
まれ、この枝管内に吸い込まれた外気は本管側に流れ込
む。即ち、スピーカの前面に外気によるエアーカーテン
が形成され、この外気は枝管から本管側に流通する。
【0020】第5の発明によれば、上記気体吸引力によ
って枝管内に吸い込まれる外気は、貫通孔と細管内とを
介して消音装置の外部から枝管内に流通する。また、排
気ガスの排気音やスピーカの放射音が貫通孔から漏れる
と、この貫通孔から漏れた音は、細管内を介して外部に
放射される。しかし、この貫通孔から漏れる音は、細管
内を流通している間に減衰する。即ち、細管が音響抵抗
として作用する。
【0021】第6の発明によれば、排気ガスの高温熱が
本管及び枝管自体を介してスピーカ側に伝導することを
熱伝導遮断手段が防止する。
【0022】
【実施例】本発明に係る消音装置の一実施例を図1を参
照して説明する。なお、図1は、例えばディーゼルエン
ジンに用いる消音装置を示す図で、(a)は、その構成
を示す概略断面図、(b)は、(a)におけるI−I断
面図、(c)は、(a)におけるII−II断面図であ
る。
【0023】同図において、1は、高温または腐食性の
排気ガスが図1(a)における左側から右側に向かって
例えば5乃至30m/sの流速で流通する排気ダクト
で、その内径Dは、例えば約250mmである。この排
気ダクト1の壁面には、開口部1aが穿設されており、
この開口部1aに、内径dが例えば約250mmの枝管
2が結合されている。なお、この枝管2は、開口部1a
よりも排気ガスの流通方向の上流側(図1(a)の左
側)に位置する排気ダクト1に対して鋭角、例えば図1
(a)に示すθとして約30°の傾き角をなして結合さ
れている。
【0024】また、この枝管2の開口部1a側とは反対
側には、スピーカ3が設けられている。このスピーカ3
は、エンクロージャ3aの一側壁にスピーカユニット3
bを備えた密閉型のスピーカである。このスピーカユニ
ット3bのコーン紙には、耐硫酸コーティングが施され
ており、排気ガスに直接晒されても腐食しにくくなって
いる。そして、このスピーカ3は、スピーカユニット3
bを枝管2内に露出させる状態に、即ちスピーカユニッ
ト3bから放射される音波を枝管2内に放射させる状態
に設けられている。
【0025】更に、開口部1aにおける排気ガスの流通
方向の上流側には、開口部1aに対して鋭角、例えば図
1(a)に示すαとして約30°の傾き角をなして排気
ダクト1側に突出するように板状のフィン5が設けられ
ている。このフィン5の排気ダクト1側への突出量p
は、排気ダクト1の内径Dの約1/4乃至1/3程度で
ある。そして、このフィン5の側縁は、図1(b)及び
図1(c)に示すように、排気ダクト1の内壁に密着し
ている。つまり、このフィン5によって、開口部1a付
近における排気ダクト1内の排気ガスの流通路は、図1
(a)の左側から右側に向かって、即ち流通路の上流側
から下流側に向かって、開口部1aと対向する側(図1
(a)の上方)に排気ダクト1の内径Dの約3/4乃至
2/3程度まで徐々に狭められている。
【0026】そして、枝管2のスピーカ3に近接した側
の壁面には、その直径φが例えば1インチ程度の貫通孔
6、6、・・・が複数箇所、本実施例においては3箇所
に穿設されている。
【0027】また、枝管2の外壁面で上記貫通孔6、
6、・・・が穿設されている場所には、例えば金属製の
細管13が各々取り付けられている。これらの細管13
の枝管2側とは反対側は開口しており、即ち、この細管
13内と貫通孔6、6、・・・とを介して、枝管2の内
部空間と外部空間とは連通している。なお、この細管1
3の内径は、例えば貫通孔6、6、・・・の直径φと同
じ約1インチ程度で、長さは、例えば約0.5乃至1m
程度である。
【0028】更に、枝管2の壁面には、上記貫通孔6、
6、・・・とは別の貫通孔7aが穿設されており、この
貫通孔7aを被う状態に、ファン7が枝管2の外側に設
けられている。このファン7の羽根は、枝管2の外部の
空気(外気)を貫通孔7aを介して枝管2内に送風する
向きに取り付けられている。そして、このファン7に
は、その動作を制御する制御電源(図示せず)が接続さ
れており、この制御電源は、排気ダクト1内の排気ガス
の流通が停止してから、例えばエンジンを停止してから
所定の時間だけファン7を動作させるように制御してい
る。
【0029】また、枝管2の長さ方向の略中央には、断
熱材4が設けられている。この断熱材4は、その内径が
枝管2の内径dと略同等のリング状の形状を有してお
り、枝管2の一部を形成する状態に配置されている。
【0030】上記のように構成された消音装置では、排
気ダクト1内を流通する排気ガスの排気音と実質的に等
大で逆位相の音波を、スピーカ3から枝管2、断熱材4
及び開口部1aを介して排気ダクト1内に放射すること
によって、その排気音を低減している。
【0031】ここで、排気ガスが排気ダクト1内を流通
する際、排気ダクト1の上流側(図1(a)の左側)か
ら流れてきた排気ガスは、開口部1a付近においてフィ
ン5に沿って流れ、つまり開口部1aと対向する側(図
1(a)の上方)に寄せられた状態で下流側(図1
(a)の右側)に流通する。即ち、排気ガスは、図1
(a)に矢印10で示すように、開口部1aを迂回した
状態で上流側から下流側に流通する。従って、この排気
ガスが、図1(a)に示す点線の矢印10aの方向、即
ち開口部1aを介して枝管2側に流通することはない。
なお、このフィン5が、請求項1に記載の案内部に対応
する。即ち、スピーカ3が排気ガスに晒されることがな
いので、この排気ガスの高温熱または腐食性によってス
ピーカ3が破壊されてしまうことはない。また、スピー
カ3に対して排気ガスの負圧、即ち負担が掛からないの
で、スピーカ3の音波の放射効率が低下することもな
い。
【0032】そして、枝管2が、開口部1aよりも排気
ガスの流通方向の上流側に位置する排気ダクト1に対し
て鋭角、例えばθ=約30°の傾き角をなして結合して
いるので、排気ダクト1内を流通する排気ガスは、尚更
枝管2側に流れ込み難くなる。また、これと同時に、排
気音の波面とスピーカ3から放射される音波の波面との
傾き角(入射角)についても、θを鈍角にした場合より
も小さくなるので、排気音の波面とスピーカ3から放射
される音波の波面とがより近接し、これによって、消音
効果がより一層向上する。
【0033】また、スピーカ3には、エンクロージャ3
a内が密閉されている密閉型のスピーカを用い、そのス
ピーカユニット3bから放射される音波を、枝管2内、
ひいては本管1内に放射するように構成されており、更
に、このスピーカユニット3bのコーン紙には耐硫酸コ
ーティングが施されている。従って、枝管2内に排気ガ
スが流れ込み、スピーカユニット3bがこの排気ガスに
晒されたとしても、この排気ガスの腐食性からスピーカ
ユニット3bの腐食を守ることができ、ひいてはスピー
カ3のエンクロージャ3a内への排気ガスの流入を防ぐ
ことができる。
【0034】そして、排気ダクト1内における排気ガス
の流通によって、枝管2内には、排気ダクト1側に向か
って気体吸引力が発生している。この気体吸引力によっ
て、図1(a)に一点鎖線の矢印11で示すように、消
音装置外部の外気が、枝管2の外壁面に取り付けられた
細管13の内部、及び枝管2の壁面に穿設された貫通孔
6、6、・・・を介して枝管2内に吸い込まれ、排気ダ
クト1側に流れ込む。即ち、スピーカ3の前面に外気に
よるエアーカーテンが形成され、この外気は枝管2から
排気ダクト1側に流通する。これによって、外気温が約
30℃であるとき、スピーカ3の前面における雰囲気温
度を40乃至50℃程度に保つことができる。なお、本
実施例では、フィン5を設けることによって排気ダクト
1内における排気ガスの流通路を狭くしているが、これ
によって排気ダクト1内の開口部1(a)付近における
排気ガスの流速が一層速くなっている。つまり、これに
伴って、枝管2内の排気ダクト1側に向かう気体吸引力
も増大しているので、上記エアーカーテンの作用がより
一層顕著に現れる。
【0035】また、排気ガスから発生する排気音やスピ
ーカ3から放射される音は、貫通孔6、6、・・・から
漏れて、各細管13内を介して外部に流れ出ようとする
が、この貫通孔6、6、・・・から漏れる音は、細管1
3内を流通している間に減衰する。即ち、細管13がそ
の内部を流通する音を減衰させる音響抵抗として作用す
るので、排気ガスの排気音やスピーカ3の放射音の外部
への漏れを減少させることができる。
【0036】更に、枝管2の壁面には、エンジンを停止
してから所定の時間だけ枝管2の外部から貫通孔7aを
介して外気を枝管2内に送風するファン7が設けられて
いる。即ち、エンジンを停止すると、排気ダクト1内の
排気ガスの流通が停止し、これによって枝管2内の排気
ダクト1側に向かう気体吸引力、ひいてはスピーカ3の
前面におけるエアーカーテンも無くなるため、排気ダク
ト1内に残っている排気ガスや、排気ガスによって加熱
された排気ダクト1及び枝管2からの発散熱の対流によ
って、スピーカ3が加熱されてしまう。しかし、上記の
ようなファン7を設けているので、枝管2内には、図1
(a)に二点鎖線の矢印12で示すように、枝管2から
排気ダクト1側に向かって外気が流通し、これによって
スピーカ3に対する熱の対流、ひいてはスピーカ3の加
熱を防ぐことができると共に、排気ダクト1及び枝管2
内を冷却することができる。また、排気ダクト1内に残
っている排気ガスが、枝管2側、ひいてはスピーカ3側
へ流入するのを防ぐことができるので、エンジン停止後
においても、スピーカ3の排気ガスによる腐食を防止す
ることができる。なお、このファン7は、常時動作させ
るのではなく、エンジンを停止してから所定の時間、例
えば排気ダクト1内に残っている排気ガスが排出される
か、または排気ダクト1または枝管2内が一定の温度以
下に下がるまで動作させればよいので、ファン7を動作
させるための消費電力は比較的少なくて済む。なお、フ
ァン7や貫通孔7aは、必ずしも設けなければならない
というものではなく、エンジンを停止しても本管1内や
枝管2内に残っている排気ガスの対流や、本管1や枝管
2からの発散熱が、スピーカ3に及ぼす影響がそれほど
大きくないのなら、上記ファン7や貫通孔7aを省略で
きる。
【0037】また、枝管2の一部を形成する状態に断熱
材4が設けられているので、この断熱材4を挟む枝管2
の熱伝導作用、ひいては排気ダクト1及びスピーカ3間
における熱の伝導が抑制されている。従って、排気ガス
の高温熱が排気ダクト1及び枝管2自体を介してスピー
カ3に伝導することがない。即ち、排気ガスの高温熱
は、対流のみならず、伝導によってもスピーカ3に影響
することがないので、スピーカ3の高温熱による破壊
を、より一層確実に防止することができる。なお、この
断熱材4の内径は、枝管2の内径dと略同等であるの
で、枝管2内、即ちスピーカ3から放射される音波が排
気ダクト1に到達するまでの音の伝達路上に、音波の伝
達に影響を与えるフィルタのようなものが形成されてし
まうことはない。従って、スピーカから放射される音波
の音圧レベルが低下したり、周波数特性が変化してしま
うということがない。
【0038】なお、本実施例においては、開口部1aに
対するフィン5の傾き角αを約30°としたが、排気ガ
スが開口部1aを迂回しながら排気ダクト1の上流から
下流に流通するようにその流通路が形成されるのであれ
ば、この傾き角αは30°に限らず、例えばフィン5の
端縁部において排気ガスの風きり音が発生しない程度の
鋭角でもよい。また、この板状のフィン5によって、排
気ガスを、それが開口部1aを迂回しながら排気ダクト
1の上流から下流に流通するように案内したが、これと
同等な作用を奏するのであれば、板状のフィン5に限ら
ず、他の形状から成る構造物によって、上記排気ガスを
案内する案内部を形成してもよい。
【0039】そして、開口部1aよりも上流側に位置す
る排気ダクト1に対する枝管2の傾き角θについても約
30°としたが、このθは、好ましくは直角または鋭
角、より好ましくは鋭角であれば30°に限らない。
【0040】また、枝管2に穿設した貫通孔6、6、・
・・、及び枝管2の外壁面に取り付けた細管13の数を
各々3個としたが、この数に限る必要はない。但し、こ
の貫通孔6、6、・・・及び細管13の数が余り多くな
り過ぎると、この貫通孔6、6、・・・から漏れる排気
ガスの排気音やスピーカ3の放射音の音漏れ量が大きく
なってしまい、これによって排気音に対する消音効果が
低下してしまうため、この消音効果が著しく低下しない
程度の数にする。
【0041】そして、この貫通孔6、6、・・・の直径
φについても約1インチ程度としたが、排気ガスの排気
音やスピーカ3の放射音の漏れが消音効果に著しい影響
を与えない程度であれば、1インチ以外の大きさにして
もよい。なお、この貫通孔6、6、・・・を設けなくて
も、スピーカ3に対する排気ガスの熱的影響や負圧の影
響が無視できる場合は、この貫通孔6、6、・・・や細
管13を設ける必要はない。
【0042】また、細管13を設けているのは、枝管2
に穿設した貫通孔6、6、・・・から漏れる排気音やス
ピーカ3から放射される音を細管13の音響抵抗によっ
て減少させるためである。なお、細管13の寸法につい
ても、その内径を約1インチ程度とし、長さを約0.5
乃至1m程度としたが、細管13が音響抵抗として作用
し、かつ消音装置の外部から外気を吸い込む妨げになら
ない程度であれば、上記寸法に限る必要はない。そし
て、この細管13を金属製としたが、金属に限らず、プ
ラスチック等の硬質材料や、ゴムやビニール等の軟質材
料によってこの細管13を形成してもよい。また、この
細管13を取り付けなくとも、貫通孔6、6、・・・か
らの排気音やスピーカ放射音の漏れが小さい場合は、こ
の細管13を取り付ける必要はない。
【0043】そして、ファン7を、エンジン停止後に動
作させるように構成したが、エンジン運転時においても
常時動作するように構成してもよい。また、ファン7を
複数個設けてもよい。
【0044】更に、枝管2の長さ方向の略中央に断熱材
4を設けたが、枝管2の一部を形成する状態にこの断熱
材4が設けられるのであれば、この断熱材4の配置場所
は枝管2の長さ方向の略中央に限ることはない。また、
排気ガスの高温熱が排気ダクト1及び枝管2自体を介し
てスピーカ3に伝導するのを遮断することができるので
あれば、断熱材4に限らず、例えば熱交換器等の他の熱
伝導遮断手段を、枝管2の長さ方向に対して略直角な面
内に枝管2の一部を形成するように設けてもよい。ここ
で、断熱材4に替えて熱交換器を用いるとしても、従来
のように水冷式の熱交換器を2段重ねで使用しなくても
1段で十分に構成を満足することができ、ひいては構造
が複雑でかつ高価な水冷式の熱交換器を使用しなくても
構造が簡単でかつ安価な空冷式の熱交換器で十分に構成
を満足することができる。なお、排気ガスの温度が比較
的低温で、この熱が排気ダクト1及び枝管2を介してス
ピーカ3側に伝導したとしても、その伝導熱がスピーカ
3の耐熱許容範囲内であれば、断熱材等の熱伝導遮断手
段を設けなくてもよい。
【0045】
【発明の効果】第1の発明の消音装置は、案内部を設け
ることによって、本管を流通している排気ガスが枝管、
ひいてはスピーカ側に流通しないように構成されてい
る。このように構成されているので、スピーカが、高温
又は腐食性の排気ガスに晒され、これによって破壊され
てしまうということがないという効果がある。そして、
この効果を、従来技術のように熱交換器等を用いること
無く、案内部を設けるだけで得ることができるので、消
音装置を従来よりも遙に簡単、かつ小型化することがで
き、ひいては低コストで構成することができるという効
果も奏する。また、スピーカ側に排気ガスが流通しない
ので、スピーカに対して排気ガスの負圧、即ち負担が掛
からない。従って、スピーカの音波の放射効率が低下せ
ず、これによって、従来よりも消音効果が向上するとい
う効果がある。
【0046】更に、従来技術のように、スピーカから放
射される音波が本管に到達するまでの音の伝達路上に熱
交換器等のフィルタが形成されてしまうようなことがな
いので、スピーカから放射される音波の音圧レベルが低
下したり、周波数特性が変化してしまうということがな
い。従って、従来よりも大きい消音効果を得ることがで
きるという効果がある。
【0047】第2の発明の消音装置は、案内部を、板状
体という簡単かつ安価な構成部品によって形成してい
る。つまり、上記のような多大な効果を、非常に簡単な
構造、かつ低コストで実現することができるという効果
がある。
【0048】第3の発明の消音装置は、枝管を、開口部
よりも排気ガスの流通方向の上流側に位置する本管に対
して直角または鋭角に配置することによって、本管内を
流通する排気ガスが、更に枝管側に流通し難くなるよう
に構成されている。つまり、上記効果をより向上させる
ことができる。また、本管を流通している排気ガスの排
気音の波面に対するスピーカから放射される音波の波面
の傾き角(入射角)が、より小さくなるように構成され
ている。このように構成されているので、排気音の波面
とスピーカから放射される波面とがより近接し、これに
よって、消音効果がより一層向上するという効果があ
る。
【0049】第4の発明の消音装置は、スピーカの全面
に外気によるエアーカーテンを形成し、この外気が枝管
から本管側に流通するように構成されている。従って、
枝管内の雰囲気温度が低下すると共に、排気ガスがより
一層枝管内に流通し難くなり、これによって、上記効果
がより一層向上するという効果がある。
【0050】第5の発明の消音装置は、貫通孔から漏れ
る排気ガスの排気音やスピーカの放射音が、細管内を通
ってから外部に放射されるように構成されている。この
ように構成されているので、貫通孔から漏れる排気ガス
の排気音やスピーカの放射音は、細管内を流通している
間に減衰される。即ち、細管が音響抵抗として作用する
ので、排気ガスの排気音やスピーカの放射音の外部への
漏れを減少させることができるという効果がある。
【0051】第6の発明の消音装置は、熱伝導遮断手段
によって、排気ガスの高温熱が本管及び枝管自体を介し
てスピーカ側に伝導するのを防止するように構成されて
いる。このように構成されているので、排気ガスの高温
熱は、対流のみならず、伝導によってもスピーカに影響
することがない。従って、スピーカの高温熱による破壊
防止を、より一層確実にすることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消音装置の一実施例を示す図で、
(a)は消音装置の構成を示す概略断面図、(b)は
(a)のI−I断面図、(c)は(a)のII−II断
面図である。
【図2】従来の消音装置の構成を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 排気ダクト 1a 開口部 2 枝管 3 スピーカ 4 断熱材 5 フィン 6 貫通孔 10 排気ガスの流通方向 13 細管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 1/00 G10K 11/16 G10K 11/178

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスの流通する本管の壁面に穿設さ
    れた開口部に結合された枝管と、該枝管の上記本管の上
    記開口部に結合された側とは反対側に設けられ該枝管内
    に音波を放射するスピーカと、上記本管内の上記開口部
    においてその上記排気ガスの流通方向の上流側に設けら
    れ上記排気ガスが上記開口部を迂回して上記流通方向の
    下流に流通する状態に上記排気ガスを案内する案内部と
    を、具備することを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 上記案内部が、上記開口部に対して鋭角
    をなして上記本管側に突出させた板状体であることを特
    徴とする請求項1に記載の消音装置。
  3. 【請求項3】 上記枝管を、上記開口部よりも上記排気
    ガスの流通方向の上流側に位置する上記本管に対して直
    角または鋭角をなして上記本管に結合させたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 上記枝管の壁面に貫通孔を穿設したこと
    を特徴とする請求項1、2又は3に記載の消音装置。
  5. 【請求項5】 内部が上記貫通孔を介して上記枝管内と
    外部とを連通させる状態に上記枝管の外壁に細管を結合
    したことを特徴とする請求項4に記載の消音装置。
  6. 【請求項6】 上記枝管の長さ方向に対して略直角な面
    内に上記枝管の一部を形成する状態に熱伝導遮断手段を
    設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に
    記載の消音装置。
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