JP2588268Y2 - 一度焼き施釉タイル - Google Patents

一度焼き施釉タイル

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JP2588268Y2
JP2588268Y2 JP1993076378U JP7637893U JP2588268Y2 JP 2588268 Y2 JP2588268 Y2 JP 2588268Y2 JP 1993076378 U JP1993076378 U JP 1993076378U JP 7637893 U JP7637893 U JP 7637893U JP 2588268 Y2 JP2588268 Y2 JP 2588268Y2
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tile
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glazed
cushion
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JP1993076378U
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秀行 豊田
宗宏 吉川
光昌 倉坂
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株式会社イナックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、坏土を成形して得られ
たタイル素地を、素焼きすることなく施釉して、本焼成
することにより製品と成す、いわゆる一度焼き施釉タイ
ルに関し、詳しくは、焼成時の上反りによってタイルの
周縁部が欠損するのを防止することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】施釉タイルの種類を製造工程における焼
成の回数の点から見ると、一度焼きタイルと二度焼きタ
イルとに分類される。後者の二度焼きは、一般的に採用
されている製法であり、坏土を成形して得られたタイル
素地を、素焼きして焼き固めたのち、施釉し、本焼成し
て製品を得る。
【0003】これに対し、一度焼きとは、坏土を成形し
て得られたタイル素地を、素焼きせずに施釉し、引き続
き本焼成することにより製品と成す手法である。一度焼
きタイルは、二度焼きタイルに比べると、焼成工程の回
数が少ないため、製造に要する時間が短く且つエネルギ
ーの消費量も少ないので、低コスト化できるという利点
を有している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】一度焼き施釉タイルを
製造するにあたり、その焼成工程において次のような問
題が発生している。図3に示す如く、素焼きしないタイ
ル素地tに施釉し、これをローラーハースキルン等の焼
成炉中で加熱すると、タイル素地tの中央部が上方へ湾
曲変形するいわゆる「上反り」という現象が生ずる。こ
れは、元来、未焼成のタイル素地tは焼成時の変形率が
大きいことと相俟って、タイル素地tの施釉面10側は
釉薬から水分の供給を受けるため、裏側の非釉面11に
比べて素地の含水率が若干高くなり、その結果、焼成中
に施釉面10側でタイル素地tの水和膨張が起こるから
である。上反りによって、例えば一辺が約200mmの
200角タイルの場合、タイル素地tの中央部における
浮き上がり量hは、3〜4mm程度にも達する。
【0005】前記上反り現象は、加熱によりタイル素地
tの施釉面10から水分が蒸発するまで持続するが、そ
れまでの間、タイル素地tはかかる上反り状態のままで
焼成炉内を搬送されることになる。このため、タイル素
地tは、周縁部と中央部との間の高低差に基づき上下に
振動しながら搬送されるから、タイル素地tの裏面周縁
部12に搬送ローラーRとの衝突により欠損が発生す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記従来の欠
点を解決すべく創案された一度焼き施釉タイルであっ
て、その特徴とするところは、タイル素地の裏面の周縁
部に、当該裏面からタイル素地の側面へ向かう緩斜面か
ら成る第1クッション部と、第1クッション部と前記タ
イル素地側面とを接続する当該第1クッション部よりも
大きい勾配の傾斜面から成る第2クッション部とを形成
したことにある。
【0007】
【作用】本考案に係る一度焼き施釉タイルの作用を、実
施例を示す図2を参照して説明する。一度焼き施釉タイ
ルの焼成工程中に、タイル素地Tの裏面周縁部に欠損が
発生する要因として、前述した上反り現象のほか、タイ
ル素地Tの裏面周縁部が直角になっていることが挙げら
れる。そこで本考案では、タイル素地Tの裏面周縁部に
前記の如き第1クッション部1を形成し、焼成工程中に
タイル素地Tが上反りを起こしたときには、この第1ク
ッション部Tの表面が焼成炉の搬送ローラーRに面接触
するように構成したので、搬送中のタイル素地Tの上下
振動が少なくなり、裏面周縁部における欠損の発生が抑
止される。
【0008】ところで、坏土を加圧成形してタイル素地
を製造するに際し、周縁部の充填密度を高める必要があ
る。これは、周縁部、特に四隅部を、十分に締め固めて
おかないと、製品化したときに四隅部の稜線が丸みを帯
びて直角性を失う傾向にあるからである。そこで本考案
では、タイル素地Tの周縁部に前記の如き第2クッショ
ン部2を、第1クッション部1とタイル素地側面3との
間に形成して、坏土を加圧成形したときにタイル素地T
の周縁部における坏土の充填密度が大きくなるように構
成した。これにより、当該周縁部が十分に締め固められ
るので、四隅部を含めた各側面3の直角性が保持され、
明瞭な稜線を有するタイル製品が得られる。
【0009】また、第2クッション部2を形成しない場
合を考えると、第1クッション部1とタイル側面3とが
交差する部分にも稜線が形成されることになるが、タイ
ルの焼成工程中、この稜線が焼成炉の搬送ローラーRと
衝突して欠損を生じさせるおそれがある。というのは、
搬送ローラーRにより形成される搬送面Sは、搬送ロー
ラーRの取付誤差により±1mm程度の起伏を有してい
るのが普通であり、この起伏のためタイル素地Tが上下
に振動するからである。本考案では、第2クッション部
2を、第1クッション部1とタイル側面3とで形成され
る前記稜線を面取りする如き位置に形成したから、上述
の搬送面Sの起伏によるタイル素地Tの上下振動が起き
たとしても、搬送ローラーRに衝突するのは第2クッシ
ョン部2の表面となるから、タイル周縁部における欠損
発生を防止することができる。
【0010】
【実施例】図1に本考案に係る一度焼き施釉タイル(以
下、本案タイルと言う)の実施例を示す。本案タイル
は、タイル素地Tの裏面周縁部に、第1クッション部1
と第2クッション部2とを形成したところに特徴を有し
ている。
【0011】同図の(B)に要部を拡大して示す如く、
第1クッション部1は、タイル素地Tの裏面4から側面
3へ向かって緩やかな勾配を有する傾斜面から成り、第
2クッション部2は、上記第1クッション部1と側面3
とを接続する第1クッション部1よりは大きい勾配を有
する傾斜面から成る。
【0012】第1クッション部1を形成する高さ範囲d
は、タイル素地Tの厚み寸法Dに対しその約8〜25
%程度、第2クッション部2を形成する高さ範囲d
は、上記厚み寸法Dに対し約1〜10%程度とする。
具体例を挙げれば、一辺が200mm、厚みDが6mm
のタイルの場合、第1クッション部1の形成高さ範囲d
は0.5〜1.5mm、第2クッション部2の形成高
さ範囲dは、0.05〜0.6mmとなる。また、第
1クッション部1の勾配は5〜30程度°、第2クッシ
ョン部2の勾配は30〜60°程度に設定される。図示
の実施例では、第1クッション部1は10°、第2クッ
ション部2は45°である。
【0013】なお、全記の各数値は決して限定的なもの
ではなく、タイルの寸法,形状(特に表面の凹凸模様や
裏面の裏足の有無),タイルの成形方法,素地材料の種
類等に応じて、最適な数値が適宜採用されるものであ
る。
【0014】本案タイルの如く、タイル素地Tに第1ク
ッション部1及び第2クッション部2を形成したことに
より、坏土の加圧成形によって得られたタイル素地T
は、周縁部の充填密度が大きくなり、十分に締め固めら
れたものとなる。従って、四隅部を含めた各側面3の直
角性が保持され、明瞭な稜線を有するタイル製品が得ら
れる。特に、図1(A)に示すように、タイル裏面4に
裏足5が設けられている場合には、加圧成形したタイル
素地Tの充填密度が不均一になり易いから、タイル素地
Tの周縁部に第1クッション部1と第2クッション部2
とを形成したことの効果が大きい。
【0015】また、本案タイルは、タイル素地Tの加圧
成形に続いて、施釉、本焼成を行うことにより製造され
るものであるから、前述したとおり、焼成工程中にタイ
ル素地Tの施釉面側が水和膨張することによる上反り現
象が生ずる。しかるに本考案においては、図2に示す如
く、タイル素地Tの裏面周縁部に形成した緩やかな傾斜
面からなる第1クッション部1の表面が、搬送ローラー
Rに面接触するので、従来のような周縁部の欠損発生が
抑止される。
【0016】しかも、本考案では第1クッション部1と
側面3との間に第2クッション部2を形成してあるの
で、搬送面Sが搬送ローラーRの取付誤差に基づく多少
の起伏を有し、このためタイル素地Tが搬送中に上下に
振動したとしても、上記第2クッション部2によって、
タイル素地Tの周縁部の欠損は二重に防止されることに
なる。
【0017】
【考案の効果】以上述べたところから明らかなように、
本考案によれば、一度焼き施釉タイルを製造するにあた
り、タイル素地に焼成によって上反り現象が生じたとし
ても、周縁部の欠損発生を抑止できるので、欠陥の無い
タイル製品を歩留りよく生産することができる。よっ
て、製造コストの低減化がもたらされる。
【0018】また、タイル素地の裏面周縁部に、第1ク
ッション部と第2クッション部とを形成したことによ
り、タイル素地の各側面における稜線の直角性が保持さ
れるので、設計どおりの製品を確実に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本案タイルの実施例を示すものであって、
(A)は全体を示す正面図、(B)は要部を拡大して示
す正面断面図である。
【図2】本案タイルの作用を説明するための図面であっ
て、焼成工程中のタイル素地の要部を拡大して示す断面
図である。
【図3】従来の一度焼き施釉タイルの焼成工程を示す断
面図である。
【符号の説明】
T タイル素地 1 第1クッション部 2 第2クッション部 3 タイル側面 4 タイル裏面 5 裏足 R 搬送ローラー S 搬送面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 13/14 103 C04B 33/32 - 33/34

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイル素地の裏面の周縁部に、当該裏面
    からタイル素地の側面へ向かう緩斜面から成る第1クッ
    ション部と、第1クッション部と前記タイル素地側面と
    を接続する当該第1クッション部よりも大きい勾配の傾
    斜面から成る第2クッション部とが形成されていること
    を特徴とする一度焼き施釉タイル。
JP1993076378U 1993-12-25 1993-12-25 一度焼き施釉タイル Expired - Lifetime JP2588268Y2 (ja)

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JPH0738397U JPH0738397U (ja) 1995-07-14
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