JP2587860B2 - オゾン発生方法 - Google Patents

オゾン発生方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体装置の製造工程などで使用される高
純度酸素を原料としたオゾン発生方法に関する。
(従来技術) 半導体装置の製造工程ではウエハに付着した有機物の
洗浄やレジストのアッシングを過酸化水素水や硫酸など
の液体によって行っていたが、液体を使用する湿式処理
は廃液の処理に手数がかかり、また液体中に含まれる不
純物が悪影響を及ぼすという問題点があるので、紫外
線、酸素プラズマあるいはオゾンによる処理が液体を用
いる湿式処理に代わり、多く採用されるようになってい
る。
なかでも、オゾンは酸素プラズマでみられる高エネル
ギーの電子やイオンによっておこる半導体装置への損傷
を及ぼすことがないので、集積度が高まった半導体装置
の製造において有望視されている。
オゾンは、空気または酸素を原料として、放電または
紫外線の照射によって製造したり、電気分解により製造
している。
とりわけ半導体製造工程では、高濃度で半導体装置の
製造に悪影響を及ぼす物質を含まないオゾンが求められ
ているので、半導体製造用の極めて純度が高い酸素を原
料ガスに使用して放電によって製造している。
半導体製造工程で使用する放電によるオゾン発生装置
にはオゾン生成反応中にオゾン発生装置の電極表面から
金属あるいは金属酸化物の粒子などが生成せず、また小
型の発生効率が高いオゾン発生装置が用いられている。
電極から発生する金属あるいは金属酸化物の生成を防
止する手段にはいくつかの方法が知られているが、特に
オゾン発生電極の表面にグレーズコート層、アルミナま
たは石英等の被覆からなる誘電体を形成したオン発生装
置が小型でオゾン発生効率が高く、電極から金属や酸化
物などの粒子の発生が少ないという特徴を有しているの
で、半導体の製造工程ではこのような金属酸化物を電極
表面に形成したオゾン発生装置が用いられている。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、金属酸化物の誘電体層を電極表面に形成し
たオゾン発生装置に原料ガスとして半導体製造工程にお
いて常用されている酸素濃度が99.99容量%以上である
高純度酸素を供給すると、時間の経過と共に生成するオ
ゾン濃度の低下がおこり、オゾン発生装置の運転の停止
後に再び運転を行っても発生するオゾン濃度は回復する
ことはないという問題が生じることが明かとなった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、金属酸化物層を電極表面に形成した放
電によるオゾン発生装置においておこる発生オゾン濃度
の経時的な低下の原因を鋭意検討した結果、オゾン濃度
の経時的な低下には原料ガスとして供給する酸素の純度
が大きな影響することを見いだした。
半導体装置の製造工程では、一般に純度が99.99容量
%以上、露点が−70℃以下の半導体グレードと称する高
純度酸素が利用されているが、こうした濃度の高純度酸
素を金属酸化物層を電極表面に形成したオゾン発生装置
に供給すると経時的なオゾン濃度の低下が生じるのに対
して、通常のJIS規格品として市販されている窒素ガス
を原料として使用するとオゾン濃度の低下は起こらない
ことが明らかとなった。
ところが、半導体装置の製造工程においてオゾン濃度
の低下を防止するために通常のJIS規格品の使用も考え
られるが、純度の低い酸素は製造する半導体装置に悪影
響を及ぼすおそれがあるので発生するオゾン濃度の低下
を防止するために通常のJIS規格品の酸素を使用するこ
とはできない。
そこで、本発明者らは半導体製造工程において高純度
酸素と同様に使用されている高純度窒素の微量を高純度
酸素に混合することによって、酸素の純度の低下による
半導体装置への悪影響を及ぼすことなく、発生するオゾ
ン濃度の経時的な低下を防止することを提案するもので
ある。
高純度酸素に混合する気体は高純度窒素以外にもアル
ゴン、ヘリウム、二酸化炭素、オゾン処理装置からの排
出気体あるいは雰囲気中の空気などを混合することによ
り同様の効果を奏することができるが、アルゴンあるい
はヘリウムでは高純度酸素のみの場合に比して濃度の回
復の程度が充分でなく、オゾン処理装置からの排出気体
は各種の不純物が含まれており、また雰囲気中の空気に
は高純度窒素と同様の効果が得られるが、雰囲気中の空
気は半導体装置の製造用のクリーンルームと言えども水
分や塵挨等の不純物の点からは半導体装置の製造工程に
使用するためには充分ではないので半導体装置の製造工
程に供給されている高純度窒素を利用することが好まし
い。
高純度酸素に添加する高純度窒素の量を増加させてい
くと発生するオゾン濃度の経時的な低下は生じないもの
の、第1図に示すように窒素の量が増加すると発生する
オゾン濃度の低下が生じるので、窒素の混合割合は50pp
mないしは20,000ppm程度、好ましくは100ppmないし5,00
0ppmとするのが良い。
従来から放電によるオゾン発生方法において、酸素を
原料とした場合には処理工程で使用した後の酸素以外の
気体が混入した排気気体を循環したり、空気を混合する
ことが酸素の有効利用とオゾンの発生効率を高めるため
に行われていることを本発明者らもよく承知している
が、本発明で対象としている原料ガスの酸素純度は、半
導体用の極めて高純度のものであり、添加する高純度窒
素の量も従来から知られている窒素あるいは空気の添加
量に比して微量である。従って、本発明の技術はこのよ
うな従来から知られているオゾンの発生方法とは別異の
ものであると思料される。
(作用) 上記したように半導体装置の製造工程において使用さ
れている高純度酸素に微量の高純度窒素を添加するとい
うきわめて簡単な方法によって、オゾン発生装置の運転
初期に生じる経時的なオゾン濃度の低下を防止し、安定
した運転を実現することができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示し、更に詳細に本発明を説
明する。
実施例1 シリカ、酸化硼素、アルミナ等を主成分としたグレー
ズコート層を電極表面に形成した日本特殊陶業(株)製
の商品名セラミックゾナイザーOC−70Fのオゾン発生装
置2台を一方のオゾン発生装置の発生ガスを他方の原料
ガスとして供給するように直列に結合し、5℃の冷却水
でオゾン発生装置を冷却しつつ99.995%の半導体グレー
ドの高純度酸素(製鉄化学工業株式会社製ZERO−Uグレ
ード)を2L/分の流量で供給し、99.999%の半導体グレ
ードの高純度窒素(製鉄化学工業株式会社製ZERO−Uグ
レード)を2mL/分の流量で添加したところ、82,000ppm
のオゾンが安定して得られた。
実施例2 添加する窒素の量を20mL/分の流量とした以外は実施
例1と同様の方法でオゾン発生を行ってところ、発生す
るオゾン濃度は71,000ppmであった。
比較例1 高純度酸素のみを2L/分で供給した以外は実施例1と
同様の方法でオゾン発生を行ったところ、運転初期には
発生するオゾン濃度は82,000ppmであったが、オゾン濃
度は徐々に低下し、1時間後には76,000ppmに低下し、
6時間後には66,000ppmに低下した。そしてその後も発
生するオゾン濃度は回復しなかった。
比較例2 高純度窒素に代えてアルゴンを10mL/分および30mL/分
で添加した以外は実施例1と同様にオゾン発生を行った
ところ発生するオゾン濃度はそれぞれ68,400ppmおよび6
8,600ppmであった。
比較例3 高純度窒素に代えてヘリウムを30mL/分および80mL/分
で添加した以外は実施例1と同様にオゾン発生を行った
ところ発生するオゾン濃度はそれぞれ69,000ppmおよび6
9,900ppmであった。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明のオゾン発生方法によれ
ば、半導体の製造工程で使用されている高純度酸素を原
料として高濃度のオゾンを安定に製造することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、横軸は高純度酸素に混合する窒素の容量(pp
m単位)を示し、縦軸には発生するオゾン濃度を(10,00
0ppm単位)を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高純度酸素を原料としたオゾン発生方法に
    おいて、金属酸化物層を表面に形成した電極を有する放
    電によるオゾン発生装置に、高純度窒素を、その含有量
    が0.01%〜0.5容量%となるように混合した気体を供給
    してオゾン発生を行うことを特徴とするオゾン発生方
    法。
  2. 【請求項2】高純度酸素が酸素純度99.99容量%以上で
    あることを特徴とする請求項1記載のオゾン発生方法。
  3. 【請求項3】半導体基板からの有機物の除去に使用する
    ためのオゾン発生方法であることをことを特徴とする請
    求項1または2記載のオゾン発生方法。
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