JP2008086913A - フッ素含有ガス中のフッ素の除去方法 - Google Patents
フッ素含有ガス中のフッ素の除去方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 高流量のフッ素含有ガスからフッ素を除去する方法において、高流量のフッ素含有ガスを前段で珪素と接触させた後、後段で水酸化カルシウムを含有する固体アルカリを充填した除去筒、または水を使用した除去筒で処理する。さらに、フッ素含有ガスに酸素が含まれる場合においては、前段で銅添着を施した珪素を使用し、後段で固体アルカリを充填した除去筒、または水を使用した除去筒で処理する。
【選択図】 図1
Description
また、水を使用した除去筒で処理される場合では、(2)式のように水との反応により、HFとして固定される。
上記除去方法は低流量の処理においては、広く使用されている。
2F2 + Si → SiF4 (3)
SiF4+2Ca(OH)2→SiO2+4CaF2+O2 (4)
SiF4+2H2O →SiO2+4HF (5)
また、前段で未反応のフッ素ガスは、後段においても前記(1)、(2)式のように水酸化カルシウムを含有する固体アルカリ、または水で除去される。
本発明に用いるフッ素含有ガス中のフッ素ガス濃度は2体積%以下が好ましい。2体積%を超えると(3)式で生成する反応熱が高くなり、珪素が軟化もしくは溶融し、ガスの通過が妨げられる。したがって、フッ素濃度が2体積%を超える場合は、窒素または空気で希釈して、珪素と接触させることが望まれる。
次に、前段に用いる珪素は、フッ素ガスとの反応により、四フッ化珪素ガスを生成させるため、珪素の純度は95%以上であることが好ましい。純度が95%未満であれば反応後に不純物が除害筒内に堆積し、ガスが流れず閉塞といった問題が生じる。また、珪素の大きさは、平均粒径が1mm以上100mm以下が好ましい。1mm未満であれば圧力損失によりガスの流通量が減少し、100mmを超えると表面積の低下によりフッ素ガスとの反応性が低下する。また、表面に金属銅を触媒として添着した珪素を使用する場合、金属銅の添着量は、重量比(Cu/Si)で少なくとも0.01重量%でありこれ未満では酸素共存フッ素ガスの反応に充分な効果が期待できない。一方、本質的には金属銅の量の上限は無いとも言えるが、本明細書の実施例に示した方法で金属銅を添着した場合には、重量比(Cu/Si)で2.0重量%を越えると金属銅が珪素表面を覆うようになりフッ素ガスと珪素の接触が妨げられ反応効果が低下する。この場合、酸素共存フッ素含有ガス中のフッ素ガスを除去するにあたって、反応速度が最大となる金属銅の添着量は重量比(Cu/Si)で0.8〜1.2重量%となる。珪素表面に金属銅を添着するには、一般に知られている各種の方法が適用可能である。例えば、(a)珪素表面に金属銅を溶射する方法、(b) 無電解法により珪素表面に金属銅をメッキする方法、(c) 金属銅と珪素とを混合し窒素ガス等の不活性雰囲気中で熱処理し珪素表面に金属銅との合金をつくる方法、(d) 塩化第一銅と珪素を混合し窒素雰囲気400〜500℃で焼成し珪素表面に還元生成した金属銅との合金をつくる方法等があるがいずれの方法でも効果がある。
処理対象ガスとして、希釈用ガスとして酸素濃度が1体積ppm未満の高純度窒素ガス(大陽日酸株式会社製Bグレード)を使用し、F2=10000体積ppmとなるように希釈したガスを用いた。充填筒3の充填剤として、塊状で平均粒径が5mm、純度99重量%の珪素を用いた。珪素の充填筒3は、内径が0.3mで充填層高が3mとした。処理対象ガスを珪素の充填空間(除去空間)の空間速度として毎時100で導入した。このときの処理対象ガスの流量は21m3/hrであり、空間速度は具体的に、1時間当たりに処理対象ガスの流量である21m3/hrを珪素の充填空間(除去空間)の体積0.21m3(=0.3m×0.3m×π/4×3m)で除したものをいう。導入された処理対象ガスは珪素の充填筒3から排出され、この排出ガス中の四フッ化珪素濃度を赤外線吸光分析計8で測定した。その結果、四フッ化珪素濃度は5000体積ppmであった。このことから、(3)式の反応は完全に進行し、フッ素濃度は0体積ppmであると考えられる。続いて、珪素の充填筒3の排出ガスを、固体アルカリを充填した除去筒5に導入した。固体アルカリを充填した除去筒5は内径が0.6mで充填層高が1mである。固体アルカリは、水酸化カルシウムを81.5重量%、水酸化ナトリウムを2重量%、水酸化カリウムを1.5重量%、水分を14.5重量%、その他未検出の成分を0.5重量%である混合物で、平均粒径が3mmのものを使用した。30分後、除去筒5出口のガスを吸引式ガス検知管7および赤外線吸光分析計8でフッ素濃度および四フッ化珪素濃度を測定した。その結果、フッ素濃度および四フッ化珪素濃度はいずれも検出下限の1体積ppm未満であり、良好に除去されていることが確認できた。
また、同様に珪素の充填筒3の排出ガスを、切替弁4を切り替えて水を使用した除去筒6に導入した。水を使用した除去筒6は内径が200mmで層高が900mmのもので、テラレットを充填高さ800mmで充填し、ガスと水とが効率よく接触するようにした。使用する水は10L/minで除去筒6の上部からスプレーで噴射した。30分後、除去筒6出口のガスを吸引式ガス検知管7および赤外線吸光分析計8でフッ素濃度および四フッ化珪素濃度を測定した。その結果、フッ素濃度および四フッ化珪素濃度はいずれも検出下限の1体積ppm未満であり、良好に除去されていることが確認できた。
珪素の充填筒3の充填層高を1mとすることにより、珪素の充填空間(除去空間)の空間速度を毎時300とした以外は実施例1と同様に行った。その結果、珪素の充填筒3の排出ガス中の四フッ化珪素濃度は4950体積ppmであった。このことから、(3)式の反応は不完全であり、フッ素濃度は100体積ppmであると考えられる。また、後段の除去筒処理後のガスについては、固体アルカリを充填した除去筒5を用いた場合、水を使用した除去筒6を用いた場合ともに、排出ガス中のフッ素濃度および四フッ化珪素濃度はいずれも検出下限の1体積ppm未満であり、良好に除去されていることが確認できた。
充填筒3に珪素ではなく銅をプラズマ溶射により重量比(Cu/Si)で1重量%添着させた珪素を用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果、実施例2と同様の結果が得られた。
処理対象ガスに酸素を10体積%(実施例4)、20体積%(実施例5)を含有したフッ素濃度10000体積ppmのガスを用いた以外は実施例3と同様に行った。その結果、実施例2、3と同様の結果が得られた。
珪素の充填筒3を経由せずバイパスさせた以外は実施例1と同様に行った。その結果、バイパスされた処理対象ガス中の四フッ化珪素濃度は検出下限の1体積ppm未満であった。また、後段の除去筒処理後のガスについて、フッ素濃度は固体アルカリを充填した除去筒5を用いた場合2000体積ppm、水を使用した除去筒6を用いた場合1000体積ppmとなり、いずれも実施例1〜5に比べ高い値となった。なお、四フッ化珪素濃度はいずれも検出下限の1体積ppm未満であった。
2・・・切替弁
3・・・充填筒(珪素または銅添着珪素)
4・・・切替弁
5・・・固体アルカリを充填した除去筒
6・・・水を使用した除去筒
7・・・吸引式ガス検知管
8・・・赤外線吸光分析計
9・・・切替弁
Claims (4)
- 使用済みのクリーニングガスまたはエッチングガスからなるフッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法において、該ガスを前段で珪素と接触させ、後段で水酸化カルシウムを含有する固体アルカリに接触させてフッ化カルシウムとすることを特徴とする、フッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法。
- 使用済みのクリーニングガスまたはエッチングガスからなるフッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法において、該ガスを前段で珪素と接触させ、後段で水に接触させてフッ化水素とすることを特徴とする、フッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法。
- 前段において、表面に重量比(Cu/Si)で0.01〜2.0重量%の銅を添着させた珪素を用いることを特徴とする請求項1、または2に記載のフッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法。
- フッ素含有ガスと珪素を接触させる前段において、フッ素含有ガスの空間速度(1時間当たりに除去空間内を通過する排出ガスの流量(m3/hr)を除去空間(m3)で除した値)を毎時50〜300とすることを特徴とする請求項1、2、または3に記載のフッ素含有ガス中のフッ素を除去する方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242215A (ja) * | 2008-04-01 | 2009-10-22 | Iwatani Internatl Corp | フッ素回収方法及びフッ化カルシウムの精製方法 |
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2006
- 2006-10-02 JP JP2006270749A patent/JP2008086913A/ja active Pending
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