JP2000319689A - 電子材料用洗浄水 - Google Patents

電子材料用洗浄水

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Hiroshi Morita
博志 森田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薬品の使用量が少なく、電子材料表面に付着し
た有機物汚染を効果的に除去することができる電子材料
用洗浄水を提供する。 【解決手段】超純水に(A)酸素ガスと、(B)ペルオキソ
二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩とを溶解して
なることを特徴とする電子材料用洗浄水、及び、超純水
に(A)酸素ガスと、(B)硫酸と過酸化水素の混合液とを
溶解してなることを特徴とする電子材料用洗浄水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料用洗浄水
に関する。さらに詳しくは、本発明は、薬品の使用量が
少なく、電子材料表面に付着した有機物汚染を効果的に
除去することができる電子材料用洗浄水に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体用シリコン基板、液晶
用ガラス基板、フォトマスク用石英基板などの電子材料
表面に付着した、空気由来の有機物や、レジスト残渣な
どを除去するために、強い酸化力を有する洗浄液が使用
されている。代表的なものは、濃硫酸と過酸化水素のみ
を混合して調製されるいわゆる硫酸過水(SPM)洗浄
液である。硫酸過水洗浄液を高温で用いると、電子材料
表面に付着した有機物汚染に対して優れた洗浄効果が得
られるが、この方法を採用した場合の多大な薬液コス
ト、リンス用の超純水コスト、廃液処理コスト、薬品蒸
気を排気し新たに清浄空気を調製する空調コストなどを
低減し、さらに水の大量使用、薬物の大量廃棄、排ガス
の放出などの環境への負荷を低減することが求められて
いる。本発明者らは、電子材料の洗浄において、薬品の
使用量を低減し、洗浄効果を向上する電子材料用洗浄水
として、先に、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又
はこれらの塩を純水に溶解してなる洗浄水、及び、ペル
オキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩を、硫
酸と過酸化水素の混合液又はその希釈液に添加してなる
洗浄液を発明した。この洗浄水及び洗浄液は、電子材料
の洗浄において優れた洗浄効果を発揮するが、この洗浄
効果を維持したまま、さらに薬品の使用量を低減するこ
とができる電子材料用洗浄水が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薬品の使用
量が少なく、電子材料表面に付着した有機物汚染を効果
的に除去することができる電子材料用洗浄水を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ペルオキソ二硫
酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩を用いる酸化反応
において、水中の溶存酸素ガスが酸化剤として有機物の
分解に寄与し、溶存酸素ガスを活用することにより薬品
の使用量を低減し得ることを見いだし、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)超純水に(A)酸素ガスと、(B)ペルオキソ二
硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩とを溶解してな
ることを特徴とする電子材料用洗浄水、及び、(2)超
純水に(A)酸素ガスと、(B)硫酸と過酸化水素の混
合液とを溶解してなることを特徴とする電子材料用洗浄
水、を提供するものである。さらに、本発明の好ましい
態様として、(3)第(1)項又は第(2)項記載の電子材
料用洗浄水に、超音波を伝達しつつ洗浄を行う電子材料
の洗浄方法、及び、(4)第(1)項又は第(2)項記載の
電子材料用洗浄水を、40℃以上に加温して洗浄を行う
電子材料の洗浄方法、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電子材料用洗浄水は、超
純水に(A)酸素ガスと、(B)ペルオキソ二硫酸、ペルオ
キソ一硫酸又はこれらの塩とを溶解してなるものであ
る。本発明の電子材料用洗浄水は、半導体用シリコン基
板、液晶用ガラス基板、フォトマスク用石英基板などの
洗浄に用いて、電子材料表面に付着した汚染有機物を効
果的に除去することができる。超純水の水質は、温度2
5℃における電気抵抗率が18MΩ・cm以上であり、有
機体炭素が10μg/リットル以下であり、金属分の含
有量が20ng/リットル以下であり、微粒子が10,
000個/リットル以下であることが好ましい。本発明
の電子材料用洗浄水において、(A)溶存する酸素ガスの
濃度に特に制限はなく、洗浄目的に応じて適宜選択する
ことができるが、通常は、溶存酸素ガス濃度が12mg/
リットル以上であることが好ましく、20mg/リットル
以上であることがより好ましく、30mg/リットル以上
であることがさらに好ましい。超純水への酸素ガスの溶
解は、超純水を脱気して溶存気体の飽和度を低下したの
ち、酸素ガスを供給して超純水に酸素ガスを溶解させる
方法が好ましい。本発明において、気体の飽和度とは、
水中に溶解している気体の量を、圧力0.1MPa、温度2
0℃における気体の溶解量で除した値である。例えば、
水が圧力0.1MPa、温度20℃の窒素ガスと接して平衡
状態にあるとき、水への窒素ガスの溶解量は19.2mg
/リットルであるので、水中に溶解している気体が窒素
ガスのみであって、その溶解量が19.2mg/リットル
である水の飽和度は1.0倍であり、水中に溶解してい
る気体が窒素ガスのみであって、その溶解量が9.6mg
/リットルである水の飽和度は0.5倍である。また、
水が圧力0.1MPa、温度20℃の酸素ガスと接して平衡
状態にあるとき、水への酸素ガスの溶解量は44.0mg
/リットルであるので、水中に溶解している気体が酸素
ガスのみであり、その溶解量が22.0mg/リットルで
ある水の飽和度は0.5倍である。
【0006】超純水に酸素ガスを溶解するに際して、超
純水の脱気の程度に特に制限はないが、溶存酸素ガス濃
度を20mg/リットル以上とするためには、溶解すべき
酸素ガスの飽和度に相当する量の溶存気体を脱気して、
水中の気体溶解キャパシティーに空きを作ることが好ま
しい。例えば、飽和度の1/2倍以上の酸素ガスを溶解
する場合は、飽和度の1/2倍以上に相当する溶存気体
をあらかじめ脱気により除去することが好ましい。飽和
度に換算した水の溶存気体の脱気量と、飽和度に換算し
た溶解すべき酸素ガスの量をほぼ等しくすることによ
り、酸素ガスを無駄なく容易に溶解することができる。
酸素ガスの溶解に先立って行う脱気処理としては、気体
の種類にかかわらず除去することができる真空脱気や減
圧膜脱気などによることが好ましい。これらの中で、高
純度脱気膜モジュールによる膜脱気は、比較的ユースポ
イントに近いところで、超純水の純度を損なうことな
く、微量に溶存する気体を脱気することができるので、
特に好適に使用することができる。本発明において、超
純水に酸素ガスを溶解する方法には特に制限はなく、例
えば、高濃度の酸素ガスをバブリングなどにより超純水
に接触させることができ、気体透過膜モジュールを使用
し、酸素ガスをスウィープガスとして気体透過膜モジュ
ールの気相に通気することもでき、あるいは、気体透過
膜モジュールを多段に用いて溶存気体の除去及び酸素ガ
スの溶解を行うこともできる。例えば、気体透過膜モジ
ュールを2段に設け、前段の気体透過膜モジュールを用
いて全溶存気体を対象とする減圧膜脱気を行い、後段の
気体透過膜モジュールを用いて酸素ガスを溶解すること
ができる。気体透過膜モジュールを2段に設けて、全溶
存気体を対象とする減圧膜脱気と酸素ガスの溶解を行う
ことにより、酸素ガスを無駄に放出することなく、ほぼ
定量的に水に溶解することができる。
【0007】本発明の電子材料用洗浄水の製造方法に特
に制限はなく、あらかじめ(A)酸素ガスを溶解した水
に、(B)ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれ
らの塩を添加して製造することができ、(B)ペルオキソ
二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩を含有する水
に、(A)酸素ガスを溶解して製造することもでき、ある
いは、(A)酸素ガスを溶解した水と、(B)ペルオキソ二
硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩を溶解した水を
混合して製造することもできる。これらの方法の中で、
あらかじめ(A)酸素ガスを溶解した水に、(B)ペルオキ
ソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩を添加する
方法が好ましい。本発明の電子材料用洗浄水に用いるペ
ルオキソ二硫酸は、分子式H228を有し、過硫酸又
はマーシャル酸とも呼ばれる化合物である。ペルオキソ
二硫酸は、クロロ硫酸と計算量の過酸化水素との反応
や、濃硫酸の電解酸化などにより製造することができ
る。本発明に用いるペルオキソ一硫酸は、分子式H2
5を有し、カロ酸とも呼ばれる化合物である。ペルオ
キソ一硫酸は、クロロ硫酸とやや過剰量の過酸化水素と
の反応や、冷濃硫酸と過酸化水素の反応などにより製造
することができる。ペルオキソ二硫酸とペルオキソ一硫
酸は、いずれも高い酸化力を有するが、洗浄効果の面よ
りペルオキソ二硫酸を特に好適に使用することができ
る。本発明に用いるペルオキソ二硫酸の塩に特に制限は
なく、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸ルビジウム、ペルオキソ二硫酸バリウ
ム、ペルオキソ二硫酸鉛などを挙げることができる。本
発明に用いるペルオキソ一硫酸の塩に特に制限はなく、
例えば、ペルオキソ一硫酸ナトリウム、ペルオキソ一硫
酸カリウム、ペルオキソ一硫酸バリウム、ペルオキソ一
硫酸鉛などを挙げることができる。ペルオキソ二硫酸の
塩及びペルオキソ一硫酸の塩は、遊離の酸よりも安定性
などの実用面において優れ、これらの中で、ペルオキソ
二硫酸ナトリウムを特に好適に使用することができる。
本発明の電子材料用洗浄水において、ペルオキソ二硫
酸、ペルオキソ一硫酸及びこれらの塩は、1種を単独で
用いることができ、あるいは2種以上を組み合わせて用
いることもできる。
【0008】本発明の電子材料用洗浄水においては、
(B)ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの
塩の代わりに、硫酸と過酸化水素の混合液を溶解するこ
ともできる。硫酸と過酸化水素の混合液としては、例え
ば、98重量%硫酸と30重量%過酸化水素の容量比
4:1の混合液、すなわち、いわゆる硫酸過水などを用
いることができる。硫酸と過酸化水素の混合液中におい
ては、硫酸と過酸化水素の一部が次式にしたがって反応
し、ペルオキソ二硫酸又はペルオキソ一硫酸を生成して
いるので、そのまま本発明の洗浄水の(B)成分として用
いることができる。 2H2SO4 + H22 → H228 + 2H2O …[1] H2SO4 + H22 → H2SO5 + H2O …[2] 本発明に用いるペルオキソ二硫酸などの純度に特に制限
はなく、被洗浄物に要求される表面清浄度に応じて選択
することができるが、被洗浄物が半導体用シリコン基
板、液晶用ガラス基板、フォトマスク用石英基板、その
他精密電子部品などの電子材料である場合には、高純度
のペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩
を用いることが好ましい。本発明の電子材料用洗浄水に
おいて、(B)ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又は
これらの塩の濃度に特に制限はないが、0.01〜10
g/リットルであることが好ましく、0.05〜5g/
リットルであることがより好ましい。洗浄水中のペルオ
キソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩の濃度が
0.01g/リットル未満であると、十分な洗浄効果が
発現しないおそれがある。洗浄水中のペルオキソ二硫
酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩の濃度は、通常は
10g/リットル以下で十分な洗浄効果が得られ、10
g/リットルを超える濃度の洗浄水を用いると、いたず
らに薬剤コストが嵩むとともに、リンスに要する水量が
増大するおそれがある。本発明の電子材料用洗浄水にお
いては、(B)ペルオキソ二硫酸又はペルオキソ一硫酸を
溶解する代わりに、水に硫酸と過酸化水素の混合液を添
加して、水中においてペルオキソ二硫酸又はペルオキソ
一硫酸を生成させることができる。硫酸と過酸化水素
は、式[1]又は式[2]にしたがって一部反応し、ペ
ルオキソ二硫酸又はペルオキソ一硫酸を生成する。硫酸
と過酸化水素は、従来より電子材料の洗浄に常用されて
いる物質であるので、電子材料洗浄工程において好適に
用いることができる。
【0009】本発明の電子材料用洗浄水の使用方法に特
に制限はなく、例えば、洗浄水を満たした洗浄槽に被洗
浄物を浸漬し、被洗浄物に洗浄水を所定時間接触させる
バッチ式洗浄を行うことができ、あるいは、被洗浄物を
スピンクリーナーや移動架台上に載せ、洗浄水を被洗浄
物の表面に注いで処理する枚葉式洗浄を行うこともでき
る。本発明の電子材料用洗浄水は、室温においても使用
することができるが、40℃以上に加温して使用するこ
とが好ましく、50℃以上に加温して使用することがよ
り好ましい。洗浄水を加温して使用することにより、電
子材料の表面に付着した有機物の二酸化炭素及び水への
酸化分解を促進し、洗浄効果を高めることができる。本
発明の洗浄水の使用に際しては、超音波などの物理的な
作用を併用することができる。被洗浄物を接触させる洗
浄水に超音波を伝達することにより、被洗浄物表面から
の有機物汚染の除去効果を高めることができる。電子材
料などの極めて微細な加工を施し、かつ清浄な表面が求
められる分野において、超音波を伝達する場合には、そ
の周波数は400kHz以上であることが好ましく、1MHz
程度以上であることがより好ましい。超音波の周波数
が、従来用いられている数十kHz程度であると、超音波
がもたらすキャビテーション効果により、被洗浄物に損
傷を与えるおそれがある。本発明の洗浄水の使用に際し
ては、洗浄水に紫外線を照射しつつ被洗浄物に接触させ
ることができる。被洗浄物を接触させる洗浄水に紫外線
を照射することにより、被洗浄物表面からの有機物汚染
の除去効果を高めることができる。使用する紫外線源に
特に制限はなく、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、水
素放電管、キセノン放電管などを挙げることができる。
本発明の洗浄水の使用に際しては、洗浄水の加温と超音
波の伝達を組み合わせて洗浄を行うことができ、洗浄水
の加温と紫外線の照射を組み合わせて洗浄を行うことも
でき、あるいは、洗浄水の加温と超音波の伝達と紫外線
の照射を組み合わせて洗浄を行うこともできる。これら
の手段を組み合わせて洗浄を行うことにより、洗浄効果
を一層高めることができる。本発明の電子材料用洗浄水
は、半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板、フォト
マスク用石英基板などの被洗浄物の汚染の状態に応じ
て、溶存酸素ガス濃度を12mg/リットルないし40mg
/リットル程度の範囲で調整するとともに、添加するペ
ルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩の量
を数mg/リットルないし数重量%の範囲で調整すること
ができる。本発明の洗浄水は、洗浄水中に溶存する酸素
ガスと、ペルオキソ二硫酸イオン又はペルオキソ一硫酸
イオンの相乗的な酸化力により、被洗浄物の表面に付着
した有機物を効果的に二酸化炭素と水に酸化分解して除
去する。そのために、本発明の電子材料用洗浄水は、ペ
ルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩のみ
を溶解した電子材料用洗浄水に比べて強い洗浄力を有
し、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの
塩の濃度の希薄な洗浄水を用いて、同程度又はそれ以上
の洗浄効果を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
ては、クリーンルーム内に1週間放置して、クリーンル
ームエアで汚染された直径6インチの酸化膜つきシリコ
ン基板を被洗浄物として用いた。洗浄効果は、基板上に
滴下した超純水の接触角を測定して評価した。放置前の
清浄なシリコン基板表面の接触角は5度以下であり、1
週間放置して汚染されたシリコン基板表面の接触角は2
3度であった。接触角が小さいことはシリコン基板表面
が清浄であることを意味し、接触角が大きいことはシリ
コン基板表面が有機物で汚染されていることを意味す
る。 実施例1 気体透過膜モジュールを用いて超純水に酸素ガスを溶解
し、溶存酸素ガス濃度30mg/リットルの酸素ガス溶解
水を調製した。この酸素ガス溶解水に、ペルオキソ二硫
酸ナトリウムを、20mg/リットル、40mg/リット
ル、60mg/リットル、80mg/リットル及び100mg
/リットル溶解し、5種類の電子材料用洗浄水を調製し
た。これらの洗浄水を、メガソニック照射機能付き石英
槽に満たし、汚染されたシリコン基板を浸漬して5分間
超音波洗浄を行った。さらに、別の石英槽に移して超純
水によるオーバーフローリンスを5分間行い、乾燥した
のち、基板表面に滴下した超純水の接触角を測定した。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム濃度20mg/リットルの洗
浄水を用いたとき、接触角は17度であり、ペルオキソ
二硫酸ナトリウム濃度40mg/リットルの洗浄水を用い
たとき、接触角は6度であり、ペルオキソ二硫酸ナトリ
ウム濃度60mg/リットル、80mg/リットル及び10
0mg/リットルの洗浄水を用いたとき、接触角はすべて
5度以下であった。 比較例1 酸素ガス溶解水の代わりに、超純水にペルオキソ二硫酸
ナトリウムのみを溶解した電子材料用洗浄水を用いた以
外は、実施例1と同様にして、汚染されたシリコン基板
の洗浄を行った。ペルオキソ二硫酸ナトリウム濃度20
mg/リットルの洗浄水を用いたとき、接触角は21度で
あり、ペルオキソ二硫酸ナトリウム濃度40mg/リット
ルの洗浄水を用いたとき、接触角は18度であり、ペル
オキソ二硫酸ナトリウム濃度60mg/リットルの洗浄水
を用いたとき、接触角は12度であり、ペルオキソ二硫
酸ナトリウム濃度80mg/リットルの洗浄水を用いたと
き、接触角は7度であり、ペルオキソ二硫酸ナトリウム
濃度100mg/リットルの洗浄水を用いたとき、接触角
は5度以下であった。実施例1及び比較例1の結果を、
第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表の結果から、酸素ガス溶解水にペル
オキソ二硫酸ナトリウムを溶解した本発明の電子材料用
洗浄水を用いた実施例1と、超純水にペルオキソ二硫酸
ナトリウムを溶解した洗浄水を用いた比較例1を比較す
ると、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの濃度が同じ場合
は、実施例1の接触角の方が小さく、酸素ガス溶解水に
ペルオキソ二硫酸ナトリウムを溶解した本発明の洗浄水
の方が、洗浄効果が優れていることが分かる。また、同
程度の接触角を得るために必要なペルオキソ二硫酸ナト
リウムの量は、実施例1においては、比較例1のおよそ
半量であり、本発明の電子材料用洗浄水を用いることに
より、薬剤使用量をほぼ半減し得ることが分かる。 実施例2 気体透過膜モジュールを用いて超純水に酸素ガスを溶解
し、溶存酸素ガス濃度30mg/リットルの酸素ガス溶解
水を調製した。この酸素ガス溶解水に、硫酸と過酸化水
素を、それぞれ19.6g/リットルと3.4g/リット
ル、39.2g/リットルと6.8g/リットル、58.
8g/リットルと10.2g/リットル、78.4g/リ
ットルと13.6g/リットル、98.0g/リットルと
17.0g/リットル溶解し、5種類の電子材料用洗浄
水を調製した。これらの洗浄水を、メガソニック照射機
能付き石英槽に満たし、汚染されたシリコン基板を浸漬
して5分間超音波洗浄を行った。さらに、別の石英槽に
移して超純水によるオーバーフローリンスを5分間行
い、乾燥したのち、基板表面に滴下した超純水の接触角
を測定した。硫酸19.6g/リットルと過酸化水素3.
4g/リットルを溶解した洗浄水を用いたとき、接触角
は18度であり、硫酸39.2g/リットルと過酸化水
素6.8g/リットルを溶解した洗浄水を用いたとき、
接触角は7度であり、硫酸58.8g/リットル以上と
過酸化水素10.2g/リットル以上を溶解した3種の
洗浄水を用いたときは、接触角はすべて5度以下であっ
た。実施例2の結果を、第2表に示す。
【0013】
【表2】
【0014】第2表に見られるように、酸素ガス溶解水
に硫酸と過酸化水素を添加し、酸素ガス溶解水中におい
て、ペルオキソ二硫酸又は一硫酸を発生させた実施例2
においても、酸素ガス溶解水にペルオキソ二硫酸ナトリ
ウムを添加して溶解した実施例1と同様に、良好な洗浄
効果が発現している。
【0015】
【発明の効果】本発明の電子材料用洗浄水を用いること
により、電子材料表面の有機物の除去を目的とした洗浄
において、洗浄効果を落とすことなく、酸化剤の使用量
を低減することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超純水に(A)酸素ガスと、(B)ペルオ
    キソ二硫酸、ペルオキソ一硫酸又はこれらの塩とを溶解
    してなることを特徴とする電子材料用洗浄水。
  2. 【請求項2】超純水に(A)酸素ガスと、(B)硫酸と
    過酸化水素の混合液とを溶解してなることを特徴とする
    電子材料用洗浄水。
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