JP4827286B2 - オゾン水製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾンを純水又は超純水中に溶解させたオゾン水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス(液晶表示装置を含む)の製造プロセスにおいては、基板の表面に付着する有機物やパーティク等を除去するために、基板に対して洗浄処理が繰り返される。ここに使用される洗浄液としては有機溶剤、酸液等が多用されているが、最近では環境面で問題の少ないオゾン水も使用され始めている。
【0003】
半導体デバイスの製造プロセスにおいて使用されるオゾン水には、反応性の点からオゾン濃度が高いこと、及び半導体デバイスの性質上、クリーン度が高く、不純物を含まないことが要求される。これらの要求に応えるため、そのオゾン水は通常、次のような方法で製造されている。
【0004】
4N以上の高純度酸素ガスを原料ガスとして放電式オゾナイザでオゾンガスを生成する。生成したオゾンガスを純水又は超純水と接触させてオゾンガス中のオゾンを純水に溶解させる。オゾンガスの製造原料として高純度酸素ガスを使用し、オゾン水の製造原料として純水又は超純水を使用するのは、オゾンガスから不純物を排除し、オゾン水中の不純物量を低減するために他ならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のオゾン水製造方法には、次のような問題がある。
【0006】
オゾン水は単なる洗浄に使用される他、最近ではレジスト剥離への適用が考えられている。単なる洗浄に使用されるオゾン水のオゾン濃度は5ppm程度あるのに対し、レジスト剥離に使用されるオゾン水のオゾン濃度は通常50ppm以上であり、100ppmに達する場合もある。
【0007】
単なる洗浄に使用される低濃度のオゾン水の場合は問題ないが、レジスト剥離に使用されるような高濃度のオゾン水の場合は、その濃度に見合う高濃度のオゾンガスや高性能のオゾン溶解器を使用しても、使用する純水又は超純水の種類によってはオゾン濃度が十分に上がらず、所定濃度のオゾン水が製造されないことがある。
【0008】
本発明の目的は、使用する純水又は超純水の種類に関係なく、高濃度のオゾン水を安定に製造できるオゾン水製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
オゾン水のオゾン濃度が十分に上昇しない現象は、使用する純水又は超純水の影響を受ける。図5(a)は、同じ性能を有するオゾン水製造装置を使用し、且つ、そのオゾン水製造に半導体工場向けの超純水を使用したときの、オゾン水のオゾン濃度のバラツキを示す。同図から分かるように、半導体工場向けの超純水に分類される非常に精製度の高い水を使用しても、オゾン濃度が上昇する場合と上昇しない場合がある。
【0010】
その原因を見つけるために、本発明者らは、使用する純水又は超純水の水質とオゾン水濃度との関係を、主に高濃度領域について詳細に調査した。その結果、水質項目のうちの特にTOC量が、製造される高濃度オゾン水の濃度に深く関係することを知見した。
【0011】
即ち、液晶を含む半導体製造用の純水又は超純水の水質項目としては、比抵抗、微粒子量、生菌量、TOC量、シリカ量、溶存酸素量、Na量、Cl量などがある。これらの項目の基準値は液晶工場向けと半導体工場向けとで異なり、統一的な水質基準は存在しない。例えば、半導体工場向けの超純水の要求水質と集積度の関係は表1のとおりである。
【0012】
【表1】
【0013】
図5(b)は、図5(a)に示した4種類の超純水中のTOC量と、各超純水を使用して製造したオゾン水のオゾン濃度との関係を示す。同図から分かるように、また後述する図6との比較から分かるように、製造されるオゾン水のオゾン濃度は、その製造に使用される純水又は超純水中のTOC量に実質的に依存しており、TOC量が15ppb以下になると急激に低下するが、15ppbを超える領域では、TOC量によらず、また他の水質項目に関係なく、この低下を生じない。
【0014】
これは、オゾン溶解器で製造されるオゾン水のオゾン濃度が上昇しない原因が、溶存オゾンの連鎖反応的な自己分解にあり、15ppbというTOC量が、この連鎖反応の臨界値であるためと考えられる。
【0015】
即ち、使用する純水又は超純水中のTOC量が15ppb以下のときは、溶存オゾンが分解する際に生成するヒドラキシラジカル等が溶存オゾンと連鎖反応的に反応するため、オゾンの分解速度が大きくなるが、TOC量が15ppbを超えると、溶存オゾンの分解によって生成するヒドラキシラジカル等は溶存オゾンと反応する前にTOC成分と反応し消費されるために、溶存オゾンの分解が抑制されるためと考えられる。なお、TOC成分とは、純水又は超純水中のTOC量を増加させる有機物、則ち純水又は超純水のTOC値を上昇させる有機物のことであり、特にことわりのない限り、TOC成分はこのことを意味する。
【0016】
本発明のオゾン水製造方法は、かかる知見に基づいて開発されたものであり、その第1の製造方法は、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水中のTOC値が15ppb以下のときに、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb超250ppb以下となるように、前記純水又は超純水のTOC値を上昇させる有機物を前記純水又は超純水中へ添加することにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制するものである。
【0017】
また、第2の製造方法は、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、炭酸ガスを前記純水又は超純水中にその水1L当たり5〜500cc添加することにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制するものである。
【0018】
第1の製造方法は、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン水を製造する手段と、前記純水又は超純水中のTOC量を測定する手段と、前記純水又は超純水中へTOC成分を添加する手段と、測定されたTOC量に基づいて前記純水又は超純水中へのTOC成分の添加量を制御する手段とを具備する第1の製造装置により実施可能である。
【0019】
また、第2の製造方法は、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン水を製造する手段と、前記純水又は超純水中のTOC量を測定する手段と、前記純水又は超純水中へ炭酸ガスを添加する手段と、測定されたTOC量に基づいて前記純水又は超純水中への炭酸ガスの添加量を制御する手段とを具備する第2の製造装置により実施可能である。
【0020】
第1及び第2の製造装置においては、純水又は超純水中のTOC量を測定する代わりに、製造されるオゾン水のオゾン濃度を測定し、測定されたオゾン濃度に基づいて純水又は超純水中へのTOC成分や炭酸ガスの添加量を制御することができる。
【0021】
第2の製造方法及び第2の製造装置において、純水又は超純水中へ炭酸ガスを添加する場合、オゾナイザに原料ガスとして供給する酸素ガス及び/又はオゾナイザで生成したオゾンガスに対して炭酸ガスを添加することにより、これらのガスを介して純水又は超純水中への炭酸ガスの添加を行うことができる。則ち、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、炭酸ガスが前記純水又は超純水中に1L当たり5〜500cc添加されるように、オゾナイザに原料ガスとして供給する酸素ガス及び/又はオゾナイザで生成したオゾンガスに対して炭酸ガスの添加を行うことにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制するのが第3の製造方法である。
【0022】
製造するオゾン水の濃度が10ppm未満の場合は、使用する純水又は超純水中のTOC成分量が15ppb以下であっても、オゾン溶解器でのオゾン水濃度の低下は殆ど生じない。一方、製造するオゾン水の濃度が10ppm以上であっても、使用する純水又は超純水中のTOC量が15ppbを超えていれば、オゾン溶解器でのオゾン水濃度の低下は僅かである。この現象は、オゾン水濃度が20ppm以上の場合に特に顕著である。
【0023】
このように、ケースバイケースで発生するオゾン水濃度の低下を阻止するためには、使用する純水又は超純水中にTOC成分を添加するのが有効であるが、TOC成分は純水又は超純水の水質を低下させ、オゾン水のクリーン度を低下させる原因になる。このため、TOC成分を添加する場合は、純水又は超純水中のTOC量が250ppbを超えないように注意することが重要となる。特に好ましいTOC量の管理範囲は50〜100ppbである。
【0024】
TOC成分、則ち純水又は超純水のTOC値を上昇させる有機物としてはIPA(イソプロピルアルコール)、メタノール、酢酸等、オゾンと反応しにくい有機物が好ましい。オゾンと反応しやすい有機物ではかえってオゾンと反応し、オゾン水濃度が低下するからである。なかでも特に、被洗浄物等に悪影響を与えるおそれがないIPA、酢酸が好ましい。また、これらに代えて、或いはこれらと共に、TOC成分を比較的多量に含む、精製度の比較的低い純水を用いることもできる。
【0025】
一方、純水又は超純水中への炭酸ガスの添加も、低TOC条件下でのオゾン水濃度の低下の防止に有効である。これは、溶存オゾンの分解によって生成するヒドラキシラジカル等が、溶存オゾンと反応する前に炭酸イオンと反応し消費されるためと考えられる。
【0026】
炭酸ガスの添加は純水又は超純水中、ひいてはオゾン水中に炭酸を生じるが、その炭酸はTOC成分に比べて有害性が低く、オゾン水のクリーン度低下につながらない。従って、TOC成分の添加よりも炭酸ガスの添加の方が好ましい。
【0027】
純水又は超純水中への炭酸ガスの添加量は水1L当たり5〜500ccとする。5cc/L未満では、低TOC条件下でのオゾン水濃度の低下を防止する効果が不十分である。500cc/Lを超えると、オゾン水濃度が飽和し、使用する炭酸ガスが無駄になる。特に好ましい炭酸ガスの添加量は10〜300cc/Lである。
【0028】
この炭酸ガスは、純水又は超純水中に直接添加することができるが、放電式のオゾナイザに原料ガスとして供給される酸素ガスや、放電式又は電解式のオゾンナイザで生成されるオゾンガスを介して、純水又は超純水中に添加することもできる。即ち、原料ガスとしての酸素ガスに炭酸ガスを添加すると、炭酸ガスを含むオゾンガスが生成され、これが純水又は超純水中に注入されることにより、純水又は超純水中への炭酸ガスの添加が可能となる。オゾンガスに炭酸ガスを添加した場合も、これが純水又は超純水中に注入されることにより、純水又は超純水中への炭酸ガスの添加が可能となる。
【0029】
放電式のオゾナイザで、原料ガスとして高純度の酸素ガスを使用すると、オゾナイザの所期の性能が発揮されず、生成されるオゾンガス中のオゾン濃度が著しく低下するという問題がある。このオゾナイザにおけるオゾンガス濃度の低下に対しては、従来より、原料ガスとしての高純度酸素ガスに、少量の窒素ガスを添加することが行われている。しかしながら、窒素ガスの添加を行うと、オゾン水中に硝酸が生成され、オゾン水のクリーン度が低下するという二次的な問題が生じる。
【0030】
酸素ガスに炭酸ガスを添加すると、オゾナイザにおけるオゾンガス濃度の低下が抑制され、窒素ガスの添加が不要になる。また、窒素ガスの添加量を大幅に低減することが可能になる。これらにより、オゾン水のクリーン度が向上する。
【0031】
酸素ガスについては、4N以上の高純度酸素ガスが、オゾンガス及びオゾン水のクリーン度を高めるために好ましい。同様の理由から、炭酸ガス及び窒素ガスの純度も4N以上が好ましい。
【0032】
オゾンガス濃度については、オゾン水濃度を高めるために100g/m3 (N)以上が好ましく、200g/m3 (N)以上が特に好ましい。
【0033】
炭酸ガスを酸素ガスに添加する場合の窒素ガスの添加量は1vol%以下に抑制するのがよく、0.2vol%以下が特に好ましい。このような少量の添加でも、炭酸ガスの存在下ではオゾンガス濃度の低下抑制に大きな効果がある。窒素ガスの添加量の下限については、0、即ち炭酸ガスの単独添加でもオゾンガス濃度の低下が抑制されるので、特に規定しない。
【0034】
純水又は超純水中へのTOC成分や炭酸ガスの添加量を制御する場合の判断基準となる因子は、純水又は超純水中のTOC量であり、このTOC量に基づいて添加量を制御するが、製造されるオゾン水のオゾン濃度をこの因子として用いることも可能である。即ち、オゾン水のオゾン濃度は、使用する純水又は超純水中のTOC量に依存するので、このオゾン濃度に基づいて添加量の制御を行うことが可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a)(b)は本発明の第1実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。
【0036】
図1(a)のオゾン水製造装置は、放電式のオゾナイザ1と、オゾナイザ1で発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解するオゾン溶解器2とを備えている。純水又は超純水は、純水製造装置で製造され、純水供給系を通って、オゾン溶解器2に供給される。
【0037】
純水供給系には、TOC計3が設けられると共に、その下流側に位置して薬液注入器4が設けられている。TOC計3は、薬液注入器4を介してオゾン溶解器2に供給される純水又は超純水中のTOC量を測定する。TOC計3としては、例えば連続測定が可能な紫外線酸化方式のものなどを使用することができる。薬液注入器4は、TOC成分としてのIPA、酢酸等を純水又は超純水中に添加する。その添加量は、TOC計3で測定されたTOC量に基づいて制御される。即ち、測定されたTOC量が15ppb以下のとき、そのTOC量が15ppbを超えるように、純水又は超純水中へのTOC成分の添加量が制御される。
【0038】
TOC量が15ppbを超えていると、オゾン溶解器2で製造されるオゾン水のオゾン濃度は、定格値又はその近傍に維持される。このTOC値が15ppb以下になると、オゾン水のオゾン濃度は定格値から大きく低下する。このときに、そのTOC量が15ppbを超えるように、純水又は超純水中へのTOC成分の添加量が制御されることにより、オゾン水のオゾン濃度は、定格値又はその近傍まで上昇する。
【0039】
図1(b)のオゾン水製造装置では、薬液注入器4を制御するために、オゾン溶解器2の下流側で、製造されるオゾン水のオゾン濃度がオゾン水濃度計5により測定される。
【0040】
オゾン溶解器2に供給される純水又は超純水中のTOC量が15ppbを超えている場合、オゾン水濃度計5により測定されるオゾン水のオゾン濃度は、定格値又はその近傍となるが、純水又は超純水中のTOC量が15ppb以下になると、このオゾン水濃度は定格値から大きく低下する。従って、オゾン水濃度を監視することによっても、純水又は超純水中のTOC量が15ppb以下か否かが分かり、オゾン水濃度が定格値から大きく低下した場合に、薬液注入器4を制御して、例えばTOC値で15ppbを超えるように、TOC成分を純水又は超純水中に添加することにより、オゾン水のオゾン濃度は、定格値又はその近傍まで上昇する。
【0041】
図2(a)(b)は本発明の第2実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。第2実施形態のオゾン水製造装置では、オゾン溶解器2に供給される純水又は超純水中にTOC成分を添加する代わりに、その純水又は超純水中に炭酸ガスを溶解器6により添加する。この添加量は、図1(a)のオゾン水製造装置と同様、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC量(図2(a))、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度(図2(b))に基づいて流量制御器7が操作されることにより制御される。
【0042】
即ち、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC量が15ppb以下になったとき、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度が定格値から大きく低下したときに、溶解器6によって純水又は超純水中に所定量の炭酸ガスを添加する。添加量は、純水又は超純水1L当たり5cc以上であり、TOC量又はオゾン水濃度の大きさによって変化させることも可能である。
【0043】
純水又は超純水中にTOC成分を添加する代わりに、その純水又は超純水中に炭酸ガスを添加することによっても、純水又は超純水中のTOC成分の不足によるオゾン水濃度の低下を阻止できることは、前述のとおりである。
【0044】
図3(a)(b)は本発明の第3実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。第3実施形態のオゾン水製造装置では、オゾナイザ1に原料ガスとして供給される酸素ガスに、流量制御器7によって炭酸ガスが添加される。この添加量は、他の実施形態と同様、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC量(図3(a))、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度(図3(b))に基づいて制御される。
【0045】
即ち、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC量が15ppb以下になったとき、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度が定格値から大きく低下したときに、酸素ガス中に所定量の炭酸ガスが添加される。
【0046】
酸素ガス中に添加された炭酸ガスは、オゾナイザ1で生成されるオゾンガスにもそのまま含まれ、オゾン溶解器2内で純水又は超純水中に添加される。これにより、純水又は超純水中のTOC成分の不足によるオゾン水濃度の低下を阻止することができる。酸素ガス中への炭酸ガスの添加量は、純水又は超純水1L当たりの添加量が5cc以上となるように調整され、TOC値又はオゾン水濃度の大きさによって変化させることも可能である。
【0047】
炭酸ガスを酸素ガス中に添加することにより、オゾナイザ1で生成されるオゾンガスのオゾン濃度が上昇し、その上昇のために添加する窒素ガスの添加量を低減できることは前述したとおりである。
【0048】
図4(a)(b)は本発明の第4実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。第4実施形態のオゾン水製造装置では、オゾナイザ1で生成されるオゾンガスに、流量制御器7によって炭酸ガスが添加される。この添加量は、他の実施形態と同様、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC量(図4(a))、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度(図4(b))に基づいて制御される。
【0049】
即ち、TOC計3で測定される純水又は超純水中のTOC値が15ppb以下になったとき、又はオゾン水濃度計5で測定されるオゾン水のオゾン濃度が定格値から大きく低下したときに、オゾンガス中に所定量の炭酸ガスが添加される。オゾンガス中に添加された炭酸ガスは、オゾンガスと共にオゾン溶解器2に送られ、ここで純水又は超純水中に添加される。これにより、純水又は超純水中のTOC成分の不足によるオゾン水濃度の低下を阻止することができる。オゾンガス中への炭酸ガスの添加量は、純水又は超純水1L当たりの添加量が5cc以上となるように調整され、TOC値又はオゾン水濃度の大きさによって変化させることも可能である。
【0050】
図6は、オゾン水の製造に使用される超純水中のTOC量と、製造されるオゾン水のオゾン濃度との関係について調査した結果を示すグラフである。
【0051】
調査では、超純水を1L/minでオゾン溶解器に供給して、定格濃度が50ppmのオゾン水を製造する。超純水としては、TOC量を6ppbに低減したものを使用した。オゾンガスとしては、放電式のオゾナイザで生成したオゾン濃度250g/m3 (N)の高濃度オゾンガスを用いた。オゾンガスの生成には、6Nの高純度酸素ガス(2L/min)と、同じく6Nの高純度窒素ガス(20mL/min)とを用いた。TOC成分として種々の量のIPA、酢酸を超純水中へ添加して、超純水のTOC値を変化させたときの、TOC値とオゾン水のオゾン濃度との関係を示したのが図6である。なお、TOC値の測定には燃焼式TOC計を用い、添加量との相違がないことを確認している。
【0052】
図6から分かるように、超純水中のTOC値が6ppbのため、TOC成分を添加しない場合は、オゾン水濃度は約20ppmに過ぎない。TOC成分の添加によってTOC値を上げることにより、オゾン水濃度が急激に上昇し、超純水中のTOC量が15ppbを超える領域では、TOC量に殆ど関係なく、オゾン水濃度としてほぼ定格値が得られる。この結果は、今まで半導体工場から供給される純水中のTOC値によって決まっていた到達オゾン濃度〔図5(b)〕を、TOC値が低い超純水中にTOC成分を添加することによってコントロールできることを示している。
【0053】
図7は、超純水中への炭酸ガスの添加量とオゾン水濃度の関係を調査した結果を示すグラフである。
【0054】
調査では、超純水中にTOC成分を添加する代わりに、炭酸ガスを添加した。超純水中のTOC量が6ppbのため、炭酸ガスを添加しない場合は、オゾン水濃度は約25ppmに過ぎない。しかし、炭酸ガスを添加することにより、超純水中のTOC量が6ppbのままであるにもかかわらず、オゾン水濃度が急激に上昇し、超純水1L当たり10cc以上の添加では、その添加量に殆ど関係なく、オゾン水濃度としてほぼ定格値が得られる。
【0055】
図8及び図9は、オゾンガスを生成するための原料ガス(酸素ガス)中へ炭酸ガスを添加したときの、炭酸ガスの添加量がオゾンガス濃度及びオゾン水濃度に与える影響を調査した結果を示すグラフである。
【0056】
炭酸ガスの添加量としては、酸素ガス中への添加量と、超純水中への添加量に換算したものとを示す。酸素ガス中への炭酸ガスの添加に伴い、酸素ガス中への窒素ガスの添加量は、図8では20mL/min(1vol%)から0mL/minに減らし、図9では20mL/min(1vol%)から2mL/min(0.1vol%)に減らした。
【0057】
図8では、窒素ガスを無添加としたことにより、炭酸ガスを添加しない場合は、オゾンガス濃度が250g/m3 (N)から100g/m3 (N)へ減少する。加えて、超純水中のTOC量が6ppbと低位であるため、炭酸ガスを添加しない場合のオゾン水濃度は約20ppmである。しかし、炭酸ガスを添加することにより、オゾンガス濃度も上昇して、オゾン水濃度が急激に上昇し、超純水1L当たり50cc以上の添加では、その添加量に殆ど関係なく、オゾンガス濃度及びオゾン水濃度として定格値に近い200g/m3 (N)及び45ppmが得られる。
【0058】
図9では、窒素ガスの添加量を20mL/min(1vol%)から2mL/min(0.1vol%)に減らしている。酸素ガス中に炭酸ガスを添加することにより、窒素ガスの添加量を1/10に減らしたにもかかわらず、オゾンガス濃度として定格値が得られ、オゾン水濃度についても超純水1L当たり10cc以上の添加で定格値が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のオゾン水製造方法は、オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、前記純水又は超純水のTOC値を上昇させる有機物、或いは炭酸ガスを前記純水又は超純水中へ添加して、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制することにより、レジスト剥離に使用されるような高濃度のオゾン水を製造する場合に、その濃度が上がらなくなる現象を簡単に防止することができ、これにより高濃度のオゾン水を経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示すオゾン水製造装置の構成図である。
【図5】(a)はオゾン水の製造に使用される超純水の水質によるオゾン水濃度のバラツキを示すグラフ、(b)はその水質中のTOC量がオゾン水濃度に与える影響を示すグラフである。
【図6】オゾン水の製造に使用される超純水中へTOC成分を添加して、超純水中のTOC値を変化させたときの、TOC値と製造されるオゾン水のオゾン濃度との関係を示すグラフである。
【図7】オゾン水の製造に使用される超純水中への炭酸ガスの添加量と、製造されるオゾン水のオゾン濃度との関係を示すグラフである。
【図8】酸素ガス中への炭酸ガスの添加量がオゾンガス濃度及びオゾン水濃度に与える影響度を示すグラフである。
【図9】酸素ガス中への炭酸ガスの添加量がオゾンガス濃度及びオゾン水濃度に与える影響度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 オゾナイザ
2 オゾン溶解器
3 TOC計
4 薬液注入器
5 オゾン水濃度計
6 炭酸ガス溶解器
7 流量制御器
Claims (4)
- オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb超250ppb以下となるように、前記純水又は超純水のTOC値を上昇させる有機物を前記純水又は超純水中へ添加することにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制することを特徴とするオゾン水製造方法。
- オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、炭酸ガスを前記純水又は超純水中にその水1L当たり5〜500cc添加することにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制することを特徴とするオゾン水製造方法。
- オゾナイザにより発生させたオゾンを純水又は超純水中に溶解させてオゾン濃度が10ppm以上のオゾン水を製造する際に、前記純水又は超純水のTOC値が15ppb以下のときに、炭酸ガスが前記純水又は超純水中に1L当たり5〜500cc添加されるように、オゾナイザに原料ガスとして供給する酸素ガス及び/又はオゾナイザで生成したオゾンガスに対して炭酸ガスの添加を行うことにより、製造されるオゾン水におけるオゾン濃度の定格値からの低下を抑制することを特徴とするオゾン水製造方法。
- 請求項1〜3の何れかに記載のオゾン水製造方法において、製造されるオゾン水のオゾン濃度が20ppm以上であるオゾン水製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000282263A JP4827286B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | オゾン水製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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