JP2586598B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JP2586598B2
JP2586598B2 JP63237270A JP23727088A JP2586598B2 JP 2586598 B2 JP2586598 B2 JP 2586598B2 JP 63237270 A JP63237270 A JP 63237270A JP 23727088 A JP23727088 A JP 23727088A JP 2586598 B2 JP2586598 B2 JP 2586598B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ吸水率およ
び成形収縮率が小さく、機械的強度が大きいポリアミド
樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリアミド樹脂の多くは結晶性であり、比較的融点が
高いため、フィラーを配合したものは熱変形温度が高
く、耐熱性に優れている。しかしフィラーを配合すると
成形性が悪くなり、成形物の物性に異方性が生じる。
一方、フィラーを配合しないものは成形収縮率が大き
く、寸法精度に欠け、また耐熱性が劣る。さらにポリア
ミド樹脂は耐酸、耐アルカリ性が悪く、吸水率も大きい
という問題点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記問題点を解決するため、ポリア
ミド樹脂の特性を維持しつつ、耐熱性、耐薬品性に優
れ、かつ吸水率および成形収縮率が小さいとともに、機
械的強度が大きいポリアミド樹脂組成物を得ることであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、〔A〕ポリアミド樹脂、 〔B〕エチレン成分および下記一般式〔I〕または〔I
I〕で表わされる環状オレフィン成分からなり、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.05〜10dl/g、
軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体、ならびに 〔C〕エチレン成分、下記一般式〔I〕または〔II〕で
表わされる環状オレフィン成分、および不飽和カルボン
酸またはその誘導体成分からなり、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度〔η〕が0.05〜10dl/g、カルボキシ
ル基またはその誘導基の含有量が0.05〜10モル%である
不飽和カルボン酸含有環状オレフィン系共重合体を含有
し、 〔A〕成分/〔B〕成分の重量比が98/2〜2/98、〔A〕
成分および〔B〕成分の合計量100重量部に対して
〔C〕成分が1〜100重量部であるポリアミド樹脂組成
物。
一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕 本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド
樹脂〔A〕は、次の一般式〔III〕または一般式〔IV〕
で示される繰り返し単位を有するポリアミド樹脂であ
る。
〔式中、pおよびqは正の数であり、R11,R12,R13はそ
れぞれ脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素またはそ
の誘導体を示す。〕 このようなポリアミド樹脂として、具体的には、環状
アミドであるラクタム類の開環重合体(例えばε‐カプ
ラクタムより製造されるナイロン6)、アミノカルボン
酸の重縮合体(例えばω‐アミノウンデカン酸より製造
されるナイロン11、ω‐アミノドデカン酸より製造され
るナイロン12)、ジカルボン酸類とジアミン類との重縮
合体(例えばアジピン酸とヘキサメチレンジアミンより
製造されるナイロン6,6、セバシン酸とヘキサメチレン
ジアミンより製造されるナイロン6,10、ドデカン二酸と
ヘキサメチレンジアミンより製造されるナイロン6,12)
等があげられる。これらのポリアミド樹脂は1種単独
で、または2種以上を混合して使用することができる。
環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕は、エチレ
ン成分および特定の環状オレフィン成分から構成される
環状オレフィン系ランダム共重合体である。上記環状オ
レフィン成分は前記一般式〔I〕または一般式〔II〕で
表わされる環状オレフィンであり、本発明の環状オレフ
ィン系ランダム共重合体〔B〕中においては、下記一般
式〔V〕または一般式〔VI〕で表わされる構造の繰り返
し単位を形成している。
〔式中、n、m、lおよびR1ないしR10は前記と同じで
ある。〕 本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕の構成成分の環状オレフィンは、一
般式〔I〕および一般式〔II〕で表わされる不飽和単量
体からなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフ
ィンである。
一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンはシクロペ
ンタジエン類と相応するオレフィンとを、ディールス・
アルダー反応によって縮合させることにより、容易に製
造することができる。また一般式〔II〕で表わされる環
状オレフィンも同様にシクロペンタジエン類と相応する
環状オレフィン類とを、ディールス・アルダー反応によ
って縮合させることにより、容易に製造することができ
る。
一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンとして具体
的には、表1に記載した化合物、あるいは1,4,5,8-ジメ
タノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンの他
に、2-メチル‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-
オクタヒドロナフタレン、2-エチル‐1,4,5,8-ジメタノ
‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-プロ
ピル‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒ
ドロナフタレン、2-ヘキシル‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジメチル
‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ
ナフタレン、2-メチル‐3-エチル‐1,4,5,8-ジメタノ‐
1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-クロロ
‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ
ナフタレン、2-ブロモ‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-フルオロ‐1,4,
5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタ
レン、2,3-ジクロロ‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-シクロヘシル‐1,
4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフ
タレン、2-n-ブチル‐1,4,5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-イソブチル‐1,4,
5,8-ジメタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタ
レンなどのオクタヒドロナフタレン類、および表2に記
載した化合物などを例示することができる。
また、一般式〔II〕で表わされる環状オレフィンとし
て具体的には、たとえば、表3および表4に示した化合
物などを例示することができる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕は、エチレン成分および前記環状オ
レフィン成分を必須成分とするものであるが、これらの
必須の二成分の他に本発明の目的を損なわない範囲で、
必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有
していてもよい。任意に共重合されていてもよい不飽和
単量体として具体的には、たとえば生成するランダム共
重合体中のエチレン成分単位と等モル未満の範囲のプロ
ピレン、1-ブテン、4-メチル‐1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンな
どの炭素数3〜20のα‐オレフィンなどを例示すること
ができる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕において、エチレン成分に由来する
繰り返し単位(a)は40〜85モル%、好ましくは50〜75
モル%の範囲、環状オレフィン成分に由来する繰り返し
単位(b)は15〜60モル%、好ましくは25〜50モル%の
範囲が適当であり、エチレン成分に由来する繰り返し単
位(a)および環状オレフィン成分に由来する繰り返し
単位(b)はランダムに配列した実質上線状の環状オレ
フィン系ランダム共重合体を形成している。上記環状オ
レフィン系ランダム共重合体〔B〕が実質上線状であ
り、ゲル状架橋構造を有していないことは、同共重合体
が135℃のデカリン中に完全に溶解することによって確
認できる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕の135℃のデカリン中で測定した極
限粘度〔η〕は0.05〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/g
の範囲である。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕としては、サーモ・メカニカル・ア
ナライザーで測定した軟化温度(TMA)が70℃以上、好
ましくは90〜250℃、さらに好ましくは100〜200℃の範
囲、環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕のガラス
転移温度(Tg)は通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃
の範囲が好ましい。また環状オレフィン系ランダム共重
合体〔B〕のX線回折法によって測定した結晶化度は0
〜10%、好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5
%の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系共重
合体〔B〕としては、上記範囲の物性を有するもののみ
からなる共重合体を用いてもよいが、上記範囲外の物性
を有する共重合体が一部含まれていてもよく、この場合
全体の物性値が上記範囲に含まれていればよい。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔B〕は、特開昭60-168708号公報、特開
昭61-120816号公報、特開昭61-115912号公報、特開昭61
-115916号公報、特開昭61-271308号公報、特開昭61-272
216号公報、特開昭62-252406号公報、特開昭62-252407
号公報などにおいて本出願人が提案した方法に従い適宜
条件を選択することにより、製造することができる。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸含有
環状オレフィン系共重合体〔C〕の構成成分である不飽
和カルボン酸またはその誘導体成分としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸、無水マレイン
酸、テトラヒドロフタル酸、イソクロトン酸、ナジック
酸(エンドシス‐ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト‐5-エン‐
2,3-ジカルボン酸)、無水シトラコン酸、無水ナジック
酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの酸無水物等の誘
導体があげられる。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸含有
環状オレフィン系共重合体〔C〕は、環状オレフィン系
ランダム共重合体〔B〕を構成するエチレン成分および
環状オレフィン成分と上記不飽和カルボン酸またはその
誘導体成分とのランダム共重合体、または環状オレフィ
ン系ランダム共重合体〔B〕に上記不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体成分を公知の方法によりグラフト重合さ
せた共重合体等があげられる。
さらに不飽和カルボン酸含有環状オレフィン系共重合
体〔C〕には本発明の目的を損わない範囲で環状オレフ
ィン系ランダム共重合体〔B〕について例示したものと
同様の炭素数3〜20のα‐オレフィンを共重合してもよ
い。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸含有
環状オレフィン系共重合体〔C〕において、エチレン成
分(a′)は40〜90モル%、好ましくは50〜80モル%、
環状オレフィン成分(b′)は10〜60モル%、好ましく
は20〜50モル%、不飽和カルボン酸またはその誘導体成
分(c)は、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル
%の範囲が適当である。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸含有
環状オレフィン系共重合体〔C〕において、135℃のデ
カリン中の測定した極限粘度〔η〕は0.05〜10dl/g、好
ましくは0.08〜5dl/gの範囲、カルボキシル基またはそ
の誘導体の含有量は0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜
5モル%の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する不飽和カルボン酸含有
環状オレフィン系共重合体〔C〕は、エチレン成分、環
状オレフィン成分および不飽和カルボン酸またはその誘
導体成分のランダム共重合体の場合、例えば前記環状オ
レフィン系ランダム共重合体〔B〕を製造する方法に準
じて製造することができる。
また環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕に不飽
和カルボン酸またはその誘導体成分をグラフト重合させ
た共重合体の場合は、例えば不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体成分をグラフトモノマーとして、環状オレフィ
ン系ランダム共重合体〔B〕を溶融させ、グラフトモノ
マーを添加してグラフト共重合させる方法、あるいは溶
媒に溶解させ、グラフトモノマーを添加してグラフト共
重合させる方法、環状オレフィン系ランダム共重合体
〔B〕に、溶媒に溶解させたグラフトモノマーを添加し
て充分混合してグラフト共重合させる方法、などにより
製造することができる。このようなグラフト共重合させ
る場合、通常60〜350℃の温度で行われ、前記グラフト
モノマーを効率よくグラフト共重合させるために、ラジ
カル開始剤の存在下で反応を実施することが好ましい。
ラジカル開始剤としては有機過酸化物、有機ペルエステ
ル、その他アゾ化合物などがあげられ、特にジクミルペ
ルオキシド、ジ‐tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメ
チル‐2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン‐
3、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)
ヘキサン、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロ
ピル)ベンゼンなどのジアルキルオキシドが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、〔A〕成分
のポリアミド樹脂と〔B〕成分の環状オレフィン系ラン
ダム共重合体との重量比は、〔A〕成分/〔B〕成分が
98/2〜2/98、好ましくは95/5〜5/95であり、〔A〕成分
のポリアミド樹脂および〔B〕成分の環状オレフィン系
ランダム共重合体の合計量100重量部に対して、〔C〕
成分の不飽和カルボン酸含有環状オレフィン系共重合体
を1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部添加するこ
とが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記〔A〕、〔B〕および
〔C〕成分の他に、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑
剤、核剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、お
よび衝撃強度を向上させるためのゴム成分などを配合す
ることができ、その配合割合は適宜量である。たとえ
ば、任意成分として配合される安定剤として具体的に
は、テトラキス〔メチレン‐3(3,5-ジ‐t-ブチル‐4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、β‐
(3,5-ジ‐t-ブチル‐4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸アルキルエステル、2,2′‐オキザミドビス〔エチ
ル‐3(3,5-ジ‐t-ブチル‐4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシス
テアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリン
モノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセ
リンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステア
レート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタ
エリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂
肪酸エステルなどをあげることができる。こららは単独
で配合してもよいが、組合せて配合してもよく、たとえ
ばテトラキス〔メチレン‐3(3,5-ジ‐t-ブチル‐4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンとステアリ
ン酸亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せ
等を例示することができる。
さらに本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損わ
ない範囲でシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、
酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、
硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マ
イカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベン
トナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブ
デン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維等のフィラーや強化剤を配合してもよい。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物の製法としては、
公知の方法が適用でき、ポリアミド樹脂〔A〕、環状オ
レフィン系ランダム共重合体〔B〕、および不飽和カル
ボン酸含有環状オレフィン系共重合体〔C〕、ならびに
必要により添加される他の成分を押出機、ニーダー等で
機械的にブレンドする方法、あるいは各成分を適当な良
溶媒に溶解し、またはそれぞれを別々に溶解した後混合
し、溶媒を除去する方法、さらにはこれらの二つの方法
を組合せて行う方法等をあげることができる。
上記により得られるポリアミド樹脂組成物は、ポリア
ミド樹脂〔A〕に、ポリアミド樹脂よりも耐薬品性が優
れ、吸水率が小さく、かつ実質的に非晶性で成形収縮率
の小さい環状オレフィン系ランダム共重合体〔B〕を配
合するため、ポリアミド樹脂の諸特性を維持したまま、
耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ吸水率および成形収縮率
の低いポリアミド樹脂組成物が得られる。ここで、ポリ
アミド樹脂〔A〕と環状オレフィン系ランダム共重合体
〔B〕だけを配合した場合は両者の相溶性が悪いため、
衝撃強度等の機械的強度が低いが、さらに不飽和カルボ
ン酸含有環状オレフィン系共重合体〔C〕を配合するこ
とにより、上記特性を損うことなくポリアミド樹脂
〔A〕成分および環状オレフィン系ランダム共重合体
〔B〕成分の相溶性をよくすることができ、それにより
機械的強度を大きくすることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記特性により、
ポリアミド樹脂が使用されている用途のほかに、耐熱
性、耐薬品性、低吸水率および低成形収縮率が要求され
る分野に広く使用することができる。
用途の例をあげると、射出成形品として、例えば自動
車内装品(例えばインストゥルメントパネル、コンソー
ルボックス、コラムカバー等)、自動車外装品(例えば
フェンダー、ボンネット、トランク等)、事務器、工
具、家電ハウジングなどがあげられ、ブロー成形品とし
て、例えばボルトなどがあげられ、シート、フィルムと
して例えばキャストフィルム、二軸延伸フィルム、多層
フィルムなど、発泡体として、例えば押出発泡体、イン
ジェクション発泡体などがあげられる。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、〔A〕成分、〔B〕成
分および〔C〕成分を配合したため、耐熱性、耐薬品性
に優れ、かつ吸水率および成形収縮率が低く、また
〔A〕成分および〔B〕成分の相溶性が良好で、衝撃強
度等の機械的強度が大きいポリアミド樹脂組成物が得ら
れる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、本発明における各種物性値の測定方法および評価方
法を次に示した。
(1)溶融流れ指数(MFR260℃) ASTM D1238に準じ温度260℃、荷重2.16kgで測定し
た。
(2)試験片の作成 東芝機械(株)製射出成形機IS-35および所定の試験
片用金型を用い、以下の成形条件で成形した。試験片は
成形後室温で48時間放置後測定に供した。
成形条件:シリンダ温度250℃、金型温度60℃、射出
圧力一次/二次=1000/800kg/cm2、射出速度(一次)30
mm/sec、スクリュー回転数150rpm、サイクル{(射出+
保圧)/冷却}=7.15sec。
(3)曲げ試験 ASTM D790に準じて行った。
試験片形状:5×1/2×1/8tインチ、スパン間距離51mm 試験速度:20mm/min 試験温度:23℃ (4)引張り試験 ASTM D638に準じて行った。
試験片形状:タイプIV 試験速度:50mm/min 試験温度:23℃ (5)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて行った。
試験片形状:5×1/4×1/2tインチ 荷重:264psi (6)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
minの速度で昇温していき、針が0.635mm侵入した温度を
TMAとした。
(7)ロックウェル硬度 ASTM D785に準じて23℃で測定した。
(8)鉛筆硬度 JIS K5400に準じて23℃で測定した。
(9)吸水率 JIS K7209 A法に準じて24時間後の値を測定した。
(10)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じて行った。
試験片形状:5/2×1/8×1/2tインチ(ノッチ付) 試験温度:23℃ (11)相溶性 インジェクション成形した曲げ試験片の外観および破断
面の状態により判定した。
○:外観および破断面とも均一であった。
△:外観にやや流動ムラがあり、破断面がやや不均一で
あった。
×:スキン層があり、破断面が層状に剥離した。
実施例1 不飽和カルボン酸含有環状オレフィン系共重合体
〔C〕である無水マレイン酸変性樹脂は下記の方法にて
調製した。
13C-NMRで測定したエチレン含量62mol%、MFR
2601℃、35g/10min、135℃デカリン中で測定した極限粘
度〔η〕0.47dl/g、TMA148℃のエチレンと、1,4,5,8-ジ
メタノ‐1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナタレン(構
造式 以下DMONと略す)のランダム共重合体のペレット5kg
に、アセトン25gに溶解させた無水マレイン酸50g、有機
過酸化物(日本油脂(株)製、パーヘキシン25B、商
標)3gを加え充分混合した後、二軸押出機(池貝鉄工
(株)製、PCM45)によりシリンダー温度250℃で溶融下
反応を行い、ペレタイザーにてペレット化した。得られ
た樹脂の無水マレイン酸含量は0.8重量%であった。
次に〔A〕成分としてポリアミド樹脂(東レ(株)
製、6ナイロンCM1017、商標)のペレット2.0kg、
〔B〕成分として13C-NMRで測定したエチレン含量62モ
ル%、MFR260℃35g/10min、135℃デカリン中で測定した
極限粘度〔η〕0.47dl/g、TMA148℃のエチレンとDMONと
のランダム共重合体のペレット1.6kg、および〔C〕成
分として前記の方法で調製した無水マレイン酸変性樹脂
のペレット0.4kgを充分混合した後、二軸押出機(前記
と同じ)によりシリンダ温度250℃で溶融ブレンドし、
ペレタイザーにてペレット化した。
得られたペレットを用いて前記の方法により試験片を
作成し、物性を評価した。結果を表5に示す。
実施例2、3 実施例1で〔A〕成分、〔B〕成分および〔C〕成分
の配合量を変える以外は同様の操作を行った。結果を表
5に示す。
実施例4〜6 実施例1〜3で〔A〕成分として用いたポリアミド樹
脂に代え、6,6-ナイロン3001N(東レ(株)製、商標)
を用いて、押出機および射出成形機のシリンダ温度をそ
れぞれ290℃にする以外は同様の操作を行った。結果を
表5に示す。
比較例1、2 実施例1〜6で〔A〕成分として用いた6ナイロンCM
1017(比較例1)、または6,6ナイロン3001N(比較例
2)のみをそれぞれ用いて実施例1と同様に成形し、物
性の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例7 実施例1において用いた〔C〕成分に代えてエチレン
含量85モル%、DMON含量6モル%、極限粘度〔η〕1.0d
l/gのエチレン・プロピレン・DMON共重合体5kgを用いて
実施例1と同様の方法により調製した無水マレイン酸含
量0.7重量%の無水マレイン酸変性樹脂を用いる以外は
実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
比較例3 実施例1において〔C〕成分を除いた〔A〕成分2kg
および〔B〕成分2kgのポリアミド樹脂組成物を用いる
以外は同様の操作を行った。結果を表5に示す。
実施例8 実施例1で用いた〔B〕成分に代えエチレン・DMONラ
ンダム共重合体(エチレン含量62モル%、MFR260℃35g/
10min、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕0.47
dl/g)80重量部にエチレン・プロピレンランダム共重合
体(エチレン含量80モル%、ガラス転移温度−54℃、MF
R260℃0.7g/10min、135℃デカリン中で測定した極限粘
度〔η〕2.2dl/g)20重量部を二軸押出機(池貝鉄工
(株)製、PCM45)により溶融ブレンドした樹脂を
〔B〕成分として用いる以外は実施例1と同様の操作を
行った。結果を表5に示す。
以上の結果より〔A〕成分、〔B〕成分および〔C〕
成分を配合した本発明のポリアミド樹脂組成物は、
〔A〕成分である従来のポリアミド樹脂に比べて、熱変
形温度が高く、吸水率が小さいことがわかる。また、
〔C〕成分を除いたポリアミド樹脂組成物に比べて、相
溶性が良く、アイゾット衝撃強度が大きくなっているこ
とがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】〔A〕ポリアミド樹脂、 〔B〕エチレン成分および下記一般式〔I〕または〔I
    I〕で表わされる環状オレフィン成分からなり、135℃の
    デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.05〜10dl/g、
    軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ラ
    ンダム共重合体、ならびに 〔C〕エチレン成分、下記一般式〔I〕または〔II〕で
    表わされる環状オレフィン成分、および不飽和カルボン
    酸またはその誘導体成分からなり、135℃のデカリン中
    で測定した極限粘度〔η〕が0.05〜10dl/g、カルボキシ
    ル基またはその誘導基の含有量が0.05〜10モル%である
    不飽和カルボン酸含有環状オレフィン系共重合体を含有
    し、 〔A〕成分/〔B〕成分の重量比が98/2〜2/98、〔A〕
    成分および〔B〕成分の合計量100重量部に対して
    〔C〕成分が1〜100重量部であるポリアミド樹脂組成
    物。 一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
    り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕
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