JP2611409B2 - 耐熱性環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂組成物および樹脂成形物 - Google Patents

耐熱性環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂組成物および樹脂成形物

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JP2611409B2 JP33503788A JP33503788A JP2611409B2 JP 2611409 B2 JP2611409 B2 JP 2611409B2 JP 33503788 A JP33503788 A JP 33503788A JP 33503788 A JP33503788 A JP 33503788A JP 2611409 B2 JP2611409 B2 JP 2611409B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性、特に耐熱老化性および耐熱剛性に
優れた環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂組成物お
よび樹脂成形物に関するものである。
〔従来の技術〕
エチレンと後述の一般式〔I〕または〔II〕で示され
る環状オレフィン成分とからなる環状オレフィン系ラン
ダム共重合体〔A〕は耐熱性、剛性、耐候性、透明性、
成形時の寸法精度などが優れた樹脂として知られている
(たとえば特開昭60−168708号)。しかしながら、融点
より高い温度では、当然のことながらその形状を保持す
ることはできず、これら樹脂の使用範囲はその融点より
低い温度が限界であった。
一方酸処理を施されたのち洗浄されたポリフェニレン
スルフィド樹脂70〜97重量%と、α−オレフィンおよび
α,β−不飽和酸のグリシジルエステルを必須成分とす
るオレフィン系共重合体30〜3重量%を含有する樹脂組
成物が、衝撃特性の改良されたポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物として提案されている(特開昭62−153343
号)。しかしながら、ここでは樹脂の耐熱性を改善する
点については全く開示されていない。
〔考案が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記環状オレフィン系ランダム共重
合体樹脂の耐熱性を改善し、環状オレフィン系ランダム
共重合体樹脂の融点より高い温度で形状を保持すること
が可能で、かつ優れた耐熱老化性および耐熱剛性を有す
る環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂組成物および
樹脂成形物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次の耐熱性環状オレフィン系ランダム共重
合体樹脂組成物および樹脂成形物である。
(1)〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕または
〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからなり、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10d
l/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン
系ランダム共重合体40〜84重量%、および 〔B〕ポリフェニレンスルフィド16〜60重量%を含有す
ることを特徴とする耐熱性環状オレフィン系ランダム共
重合体樹脂組成物。
(2)〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕または
〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからなり、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10d
l/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン
系ランダム共重合体40〜84重量%、および 〔B〕ポリフェニレンスルフィド16〜60重量%を含有
し、ポリフェニレンスルフィドが表層部において層状の
連続相を形成していることを特徴とする耐熱性環状オレ
フィン系ランダム共重合体樹脂成形物。
一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕 本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕
は、モノマー成分としてエチレン成分および特定の環状
オレフィン成分を構成成分とする環状オレフィン系ラン
ダム共重合体である。上記環状オレフイン成分は前記一
般式〔I〕または一般式〔II〕で表わされる環状オレフ
ィンであり、本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体〔A〕中においては、下記一般式〔III〕または一般
式〔IV〕で表わされる構造の繰り返し単位を形成してい
る。
〔式中、n、m、lおよびR1ないしR10は前記と同じで
ある。〕 本発明の環状オレフイン系ランダム共重合体樹脂組成
物を構成する環状オレフイン系ランダム共重合体〔A〕
の構成成分の環状オレフィンは、一般式〔I〕および一
般式〔II〕で表わされる不飽和単量体からなる群から選
ばれた少なくとも1種の環状オレフィンである。一般式
〔I〕で表わされる環状オレフィンはシクロペンタジエ
ン類と相応するオレフィン類とを、ディールス・アルダ
ー反応によって縮合させることにより、容易に製造する
ことができる。また一般式〔II〕で表わされる環状オレ
フィンも同様にシクロペンタジエン類と相応する環状オ
レフィン類とを、ディールス・アルダー反応によって縮
合させることにより、容易に製造することができる。
一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンとして具体
的には、表1に記載した化合物、あるいは1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
の他に、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフ
タレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−3
−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン−2−クロロ−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−n−ブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン類、お
よび表2に記載した化合物などを例示することができ
る。
また、一般式〔II〕で表わされる環状オレフィンとし
て具体的には、たとえば、表3および表4に示した化合
物などを例示することができる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕は、エチレン成分および前記環状オ
レフィン成分を必須成分とするものであるが、これらの
必須の二成分の他に本発明の目的を損なわない範囲で、
必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有
していてもよい。任意に共重合されていてもよい不飽和
単量体として具体的には、たとえば生成するランダム共
重合体中のエチレン成分と等モル未満の範囲のプロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−
テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、
1−エイコセンなどの炭素数3−20のα−オレフィン、
ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペン
タジエン等の環状オレフィン、環状ジエンなどを例示す
ることができる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕において、エチレン成分に由来する
構造単位は40〜85モル%、好ましくは50〜75モル%の範
囲、環状オレフィン成分に由来する構造単位は15〜60モ
ル%、好ましくは25〜50モル%の範囲が適当であり、エ
チレン成分に由来する構造単位および環状オレフィン成
分に由来する構造単位はランダムに配列した実質上線状
の環状オレフイン系ランダム共重合体を形成している。
上記環状オレフイン系ランダム共重合体が実質上線状で
あり、ゲル状架橋構造を有していないことは、同共重合
体が135℃のデカリン中に完全に溶解することによって
確認できる。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕の135℃のデカリン中で測定した極
限粘度〔η〕は0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/g
の範囲である。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕としては、サーモ・メカニカル・ア
ナライザーで測定した軟化温度(TMA)が70℃以上、好
ましくは90〜250℃、さらに好ましくは100〜200℃の範
囲、環状オレフイン系ランダム共重合体〔A〕のガラス
転移温度(Tg)は通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃
の範囲が好ましい。また環状オレフイン系ランダム共重
合体〔A〕のX線回折法によって測定した結晶化度は0
〜10%、好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5
%の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕としては、上記範囲の物性を有する
もののみからなる共重合体を用いてもよいが、上記範囲
外の物性を有する共重合体が一部含まれていてもよく、
この場合全体の物性値が上記範囲に含まれていればよ
い。
本発明では上記のような環状オレフイン系ランダム共
重合体〔A〕は不飽和カルボン酸またはその誘導体によ
り一部または全部を変性したものを使用することができ
る。
ここで用いられる変性環状オレフイン系ランダム共重
合体としては、一部または全部が、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーで0.01〜
10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲でグラフト
変性された環状オレフイン系ランダム共重合体であり、
通常デカリン溶媒中135℃における極限粘度が0.05〜10d
l/g、好ましくは、0.08〜5dl/gの範囲のものが好まし
い。上記範囲の特性値を有する変性環状オレフイン系ラ
ンダム共重合体は、ポリフェニレンスルフィドとの相溶
性、耐熱性、機械的強度、耐水性に優れているので好ま
しい。
本発明において前記環状オレフイン系ランダム共重合
体〔A〕のグラフトする不飽和カルボン酸またはその誘
導体としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、
テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス−
ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸の登録商標)などの不飽和カルボン酸またはその誘導
体、たとえば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エ
ステルなどがあげられ、具体的には、塩化マレニル、マ
レイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレ
エートなどが例示される。これらの中では、不飽和ジカ
ルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイ
ン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好適であ
る。
これらの不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ば
れるグラフトモノマーを環状オレフイン系ランダム共重
合体〔A〕にグラフト共重合体して変性物を製造するに
は、従来公知の種々の方法を採用することができる。た
とえば、重合体を溶融させグラフトモノマーを添加して
グラフト共重合させる方法、あるいは溶媒に溶解させグ
ラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる方法な
どがある。いずれの場合にも、前記グラフトモノマーを
効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始
剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフト
反応は通常60ないし350℃の温度で行われる。ラジカル
開始剤の使用割合は重合体100重量部に対して通常0.001
ないし1重量部の範囲である。ラジカル開始剤としては
有機ペルオキシド、有機ペルエステル、その他アゾ化合
物などがあげられる。これらラジカル開始剤の中でもジ
クミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ベチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシ
ドが好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕は、不飽和カルボン酸またはその誘
導体のグラフト量が前記範囲内にある限り、全部が不飽
和カルボン酸等でグラフト変性された環状オレフイン系
ランダム共重合体または未変性の環状オレフイン系ラン
ダム共重合体との混合物、すなわち一部が変性された変
性環状オレフイン系ランダム共重合体であってもよい。
なお、未変性の環状オレフイン系ランダム共重合体と混
合する場合は、混合物で不飽和カルボン酸等のグラフト
量が前記範囲内に入る限り、やや高濃度、通常25重量%
までのグラフト量の変性環状オレフイン系ランダム共重
合体を混合してもよい。
本発明に用いるポリフェニレンスルフィド〔B〕は、
構造式 で示される繰り返し単位を主成分とするものであり、少
量の他の共重合可能な成分単位、例えば 等を含んでいてもよい。
これらのポリフェニレンスルフィド〔B〕は、300
℃、ずり速度=200sec-1の条件下での溶融粘度が好ま
しくは50〜50000ポイズ、特に100〜10000ポイズの範囲
にあるのが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記環状オレフイン系ランダ
ム共重合体〔A〕40〜84重量%、好ましくは60〜82重量
%、およびポリフェニレンスルフィド〔B〕16〜60重量
%、好ましくは18〜40重量%を必須成分とする組成物で
ある。
上記の樹脂組成物においては、環状オレフイン系ラン
ダム共重合体〔A〕は樹脂組成物の主要部を占めるた
め、これに少量のポリフェニレンスルフィド〔B〕を配
合しても、環状オレフイン系ランダム共重合体の融点を
超えて形状を保持することは常識的に考えられないが、
上記組成とすることにより耐熱性は改善され、環状オレ
フイン系ランダム共重合体の融点より高い温度でも形状
を保持することができ、耐熱老化性、耐熱剛性等も向上
する。
本発明の樹脂組成物には上記成分のほかに強化繊維を
配合してもよい。配合可能な強化繊維としては、ガラス
繊維、炭素繊維、ボロン繊維、チタン酸カリウム繊維、
ウォラストナイト、アスベスト繊維等の無機物あるいは
ケブラー等の商標で知られるアラミド繊維等の有機物か
らなる繊維状物質などがあげられる。また繊維の表面を
シラン系化合物、たとえばビニルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン等で処理しておいて
もよい。
また本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわ
ない範囲で他の樹脂成分を配合してもよい。配合可能な
樹脂成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン;マレイン化変性ポリエチレン、マレ
イン化変性ポリプロピレンなどの不飽和カルボン酸で変
性した変性ポリオレフィンなどを例示できる。
さらに、本発明の樹脂組成物には、耐熱安定剤、耐候
安定剤、難燃剤、核剤、顔料、占領、滑剤、発錆防止剤
等の通常ポリオレフィンに添加混合して用いることので
きる各種配合剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加
してもよい。
たとえば難燃剤としては、トリクレジルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニルオク
チルホスフェート、トリブチルホスフェート等の燐酸エ
ステル;トリス(β−クロルエチル)ホスフェート、ト
リス(ジクロルプロピル)ホスフェート、トリス(2,3
−ジブロムプロピル)ホスフェート、トリス(ブロムク
ロルプロピル)ホスフェート等の含ハロゲン燐酸エステ
ル;塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、臭素化ポ
リフェニル、塩素化ポリフェニル、デクロラン、デクロ
ランプラス、テトラブロムエタン、テトラブロムブタ
ン、1,2−ジブロム−3−クロルプロパン、1,2,3−トリ
ブロムプロパン、フキサブロムシクロドデカン、テトラ
ブロムベンゼン、塩素化ジフェニル、デカブロムジフェ
ニルオキシド、N,N′−エチレンビス−テトラブロムフ
タルイミド、トリブロモポリスチレン、ポリジブロモベ
ンゼンオキシド、ビストリブロモフェノキシエタン等の
ハロゲン化合物;三酸化アンチモン、酒石酸アンチモン
カリウム、トリフェニルスチビン等のアンチモン系化合
物;硼砂、硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム等の硼素系化合
物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物などがあ
り、これらの中ではハロゲン化合物特にデクロラン、デ
カブロムジフェニルオキシド、N,N′−エチレンジス−
テトラブロムフタルイミド、臭素化エポキシ等のハロゲ
ン化合物と三酸化アンチモンとの併用あるいは水酸化マ
グネシウムが耐熱性、機械的強度の低下を招くことなく
難燃性を付与できるので好ましい。
本発明の樹脂組成物を得る方法としては、前記各成分
を前記範囲で混合することにより得られる。混合方法と
しては種々公知の方法例えばヘンシェルミキサー、V−
ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー
等で混合する方法、混合後さらに一軸押出機、二軸押出
機、ニーダー等により溶融混練後、造粒あるいは粉砕す
る方法があげられる。
本発明の樹脂組成物は射出成形、圧縮成形、押出成形
等の一般の成形方法により樹脂成形物とされるが、この
うち射出成形を行うと、ポリフェニレンスルフィドが成
形物の表層部において層状の連続相を形成するため、成
形物の耐熱性が大幅に向上し、特に耐熱老化性および耐
熱剛性が優れた成形物が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、環状オレフイン系ランダム共重合体
にポリフェニレンスルフィドを配合したので、環状オレ
フイン系ランダム共重合体樹脂の融点より高い温度で形
状を保持することが可能で、かつ優れた耐熱老化性およ
び耐熱剛性を有する環状オレフィン系ランダム共重合体
樹脂組成物が得られる。
また本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体樹脂
成形物は、表層部においてポリフェニレンスルフィドが
層状の連続相を形成しているので、耐熱老化性および耐
熱剛性はさらに向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
製造例1 環状オレフィン系ランダム共重合体の無水マレイン酸
変性共重合体を下記の方法で製造した。
13C-NMRで測定したエチレン含量62モル%、 MFR260℃35g/10分、135℃のデカリン中で測定した極限
粘度〔η〕0.47dl/g、軟化温度(TMA)148℃のエチレン
と1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン(構造式 以下DMONと略す)とのランダム共重合体のペレット5kg
に、アセトン25gに溶解させた無水マレイン酸50gおよび
有機過酸化物(日本油脂(株)製、パーヘキシン25B、
商標)3gを加えて充分混合した後、二軸押出機(池貝鉄
工(株)製、PCM45)によりシリンダー温度250℃で溶融
下反応を行い、ペレタイザーにてペレット化した。得ら
れた無水マレイン酸変性共重合体(以下MZ−1と記す)
の無水マレイン酸含有量は0.8重量%であった。
実施例1 環状オレフイン系ランダム共重合体(極限粘度
〔η〕:0.47dl/g、軟化温度(TMA):148℃、ガラス転移
温度(Tg):135℃、以下Z−1と記す)、ポリフェニレ
ンスルフィドT−4(トープレン社製、商品名、290
℃、=1000sec-1における溶融粘度:2500ポイズ、以下
T−4と記す)、および製造例1で得たMZ−1を重量比
で70:30:1の割合でブレンドし樹脂混合物を得た後、290
℃で射出成形して厚さ0.5mmのキャップ状の薄肉の樹脂
成形品を得た。
上記の樹脂成形品をオーブンに入れ、所定の温度を5
分間維持し、形状保持性テストを行った。結果を表5に
示す。
比較例1 実施例1で使用した樹脂混合物の代りにZ−1を独特
に使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表5
に示す。
実施例2 実施例1で用いたZ−1とT−4とを重量比で80:20
の割合でブレンドし、290℃で射出成形または圧縮成形
により125mm×25mm×2mmの樹脂成形品を得た。
得られた成形品の一端を保持して水平に保ち、オーブ
ン中で所定の温度に60分間維持して、熱たわみ試験を行
った。60分後の先端の垂下がり距離(mm)を測定した結
果を表6に示す。
次に耐熱老化性を調べるため上記樹脂成形品をオーブ
ン中160℃に保つ前と後の引張強度(kg/cm2)を測定し
た。結果を表7に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕
    または〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからな
    り、135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.0
    1〜10dl/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
    フィン系ランダム共重合体40〜84重量%、および 〔B〕ポリフェニレンスルフィド16〜60重量%を含有す
    ることを特徴とする耐熱性環状オレフィン系ランダム共
    重合体樹脂組成物。 一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
    り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕
  2. 【請求項2】〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕
    または〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからな
    り、135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.0
    1〜10dl/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
    フィン系ランダム共重合体40〜84重量%、および 〔B〕ポリフェニレンスルフィド16〜60重量%を含有
    し、ポリフェニレンスルフィドが表層部において層状の
    連続相を形成していることを特徴とする耐熱性環状オレ
    フィン系ランダム共重合体樹脂成形物。 一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
    り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕
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